2024年8月14日 (水)

☆≡≡更新情報≡≡☆

■ オキモチ ■
6月。
開けはなされたヨソん家の窓から野球中継の声が漏れ聞こえてくるようになると、
やっぱりこう、夏だな、って思ってしまいますな。
 
Atrdsc06903  
こんな咲き方だけど紫陽花です。

 
 
 ◎『アマガミ』 絢辻さん SS リンク目次
 ◎『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」目次
 
 

■感想とか、ご意見とか。========================================
 
 ●美写しんぼ~googleフォト激圧縮対決!
   イオサン、googleフォトにまんまと一杯食わされる。

 ●電撃読書キンドルマン
   電子書籍端末を導入してみたものの、アラフォーを襲うアンビバレンツ。
 
 ●せいしゅんのおねだん~ひゃくまんえんで何を買う?
   1,000,000円で、青春は買えない。 

 
■日記 / 旅 ====================================================
 
 ◆花こもろ八重十色~小諸、16度目の再訪~ その1 その2
   2018年春、小諸の桜。
 
 ◆霊験あらたか!ラブみのぶサンシャイン!~春の山梨・甲府・身延の旅~
   2018年3月、甲府から突然『ゆるキャン』の聖地を巡礼しに行った旅。
 
 ◆おさなさの里帰り~弘前・田舎館・蒼樹うめ展 in 青森~
    -序- / 1日目 / 2日目・前半 / 2日目・後半 /
      3日目・前半 / 3日目・後半 / 4日目・前半 / 4日目・後半
   気まぐれに行く、弘前、青森。初めてのひとりの東北。
 
 
■創作・SS====================================================
 
 ▼渡りビトの遠いなわばり~SS『けものフレンズ』より~
   アニメ『けものフレンズ』より。あの好奇心旺盛なフレンズが、
   フレンズの、そしてヒトのある習性について、知りたいここがあるらしい……。
   「カクヨム」、『けものフレンズ』SSコンテストエントリー作品。
 
 
 ▼沢の踏み跡
   『ヤマノススメ』より。 「お漬け物の家」(↓)の続編
 
 ▼お漬け物の家 前篇 / 後篇 / あとがき
   『ヤマノススメ』より。ルリビタキを見たいここなちゃん、お漬け物お弁当で発進!
 
 ▼あやとりのソラ、夏海のストーン・ヘンジ (1) / (2) / (3) / (4)
   『のんのんびより』より、ひとり帰りのバスに乗りそびれた夏海が見つけたものとは。
 
 ▼『GJ部』SS・コタツじかけのオみかん~みかんのすじは俺のすじ~
   その(1)その(2)その(3) Interval
    ある年のお正月、うるさい家を抜け出して、こっそり部室に潜伏に来た真央。
 
 ▼稜・線・鼎・話 ~『アマガミ』SS・絢辻さん・薫・中多さん~ 前編 / 後編
    『アマガミ』より、輝日東高校・放課後の美術室で出会った三人。
 
 ▼a white day~ミューズの座布団 その一 / その二 / その三 / その四 / その五 / その六
  『ひだまりスケッチ』から、なずなと宮子、ある日曜の一幕。

 
 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年6月18日 (月)

■つらいときはつらいって言う。 -更新第1226回-

最近
「ナントカしにくい」を「~しずらい」と書いているのを見かける頻度が上がった気がする。
ものすごく、上がった。
……気がする。

自分としてはこんなもの、言うまでも、考えるまでもなく
「しづらい」が本来正しいことは分かるのだが……
正しく表記しているところを見る機会の方が少ないのではないだろうか?
……と不安になるくらい、「ずらい」が多い。

「しずらい」、「見ずらい」、「聴きずらい」、「言いずらい」、「食べずらい」。

ちょっと前にどっかで「『~ずらい』も正しいことになった」という記事を
読んだか話を聞いたかした……気がするので(勘違いかも知れないが)、
もう自分では指摘してないが。
まあ多い。
いい加減逆転してんじゃねえか?、と思い、google先生検索でカウントしてみた。

▼しづらい vs しずらい
 "しづらい" -"しずらい":約3,600,000 件
 "しずらい" -"しづらい":約  651,000 件

▼見づらい vs 見ずらい
 "見づらい" -"見ずらい":約 1,430,000 件
 "見ずらい" -"見づらい":約   355,000 件

▼聴きづらい vs 聴きずらい
 "聴きづらい" -"聴きずらい":約 56,300 件
 "聴きずらい" -"聴きづらい":約  4,250 件

▼言いづらい vs 言いずらい
 "言いづらい" -"言いずらい":約 519,000 件
 "言いずらい" -"言いづらい":約  53,700 件

▼食べづらい vs 食べずらい
 "食べづらい" -"食べずらい":約 314,000 件
 "食べずらい" -"食べづらい":約  68,900 件
 
 
あー良かった(?)。さすがに、ネットの世界ではまだ逆転はしていなかった。
正義は生きていた。

にしても、そこそこ年輩の人とか、パブリックな位置にいる人とか、
「あなた方がその辺を間違うのか!?」という場面で見かけることもあって
なんだか凹んでしまうこともあるくらいなので、
まあ……「英語なんて伝わりゃいいんだよ!」なんつって、
単語と身振り手振りでどーにかすりゃいい畑の人には細かいことなのかもしれませんけれども。
分かる者、使える者は、侵されることなく細やかに表現していけるよう
日々心がけたいものです。
いやホント。
オイサンなんかはどうも、文字も単語も図形的に記憶・認識する傾向が強いらしくて、
一文字違ったら音が同じでも全然違う意味に見えることがありますんでね……。
「ん、コレどういう意味だっけ?」となることもしばしば。



……。



話はちょっと違うが、NHKのページでは「~づらい」と「~にくい」の違いを掘り下げていた。
なるほど、こっちはこっちで、こういう差があったか。

 ▼NHK放送文化研究所
  https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/uraomote/023.html

勉強になるなあ。たのしい。 ← こういうのが好き
 
 
 

| | コメント (0)

2018年6月17日 (日)

■摩周湖大好きコイズミさん、ヒメはヒメなのヒメなのだ~北へ。その24・1日目~ -更新第1225回-

5度目の摩周湖へ赴くことを決めたのは、ただの焦りと勢いからだった。
4月の半ばを過ぎた頃、GWが迫っていることをすっかり忘れていて
これといった予定を立てていなかったから、とりあえずの思いつきで
道東の旅行プランをでっち上げたのである。
 
1top_3  
 
手癖で立てたプランだったものだから、当初は毎度の通り 釧路 → 摩周 → 釧路 の経路だったのだが、
イザ落ち着いて考えてみると、摩周であれば北からの……すなわち網走方面からのアプローチでも、
釧路からとそう変わらない時間と気分でプランニング出来る筈であることに思い至った。
網走といえば、思い出すのは北浜の駅である。
そして北浜と言えば言わずと知れた、
ファミコンの名作アドベンチャー『オホーツクに消ゆ』において第2の殺人の舞台となる駅だ。
 

 
 
海に近いこの駅には、「停車場」という名前の駅内喫茶がある……
新宿駅や渋谷にも、改札の手前にドトールがあったりするだろう?
大体あんなイメージだと思ってもらえればいい。
 
  トポロジーではコーヒーカップもドーナツも「同じ種類の図形」と認識される、
  それと同じくらいのくくりになってしまうが。
 
11年前の2007年、その店で食べたオムライスは、今回で24回目数える渡道歴の中でも
五指には入ろうというおいしさだった。
しかしいかんせん、アクセスの良い場所とは言い難いので、次また訪れる望みは薄い……
と思い込んで10年以上きたのだが。
摩周への行きがけと思えばそう不便な場所でもないことに、今回改めて気付いた……
11年のうちに弟子屈へは4度も訪れていたというのに間の抜けた話である。
そんなわけで、今回は珍しく網走スタートである。
また、自分にとっては春の渡道も珍しいことだ。記憶にあるだけなら今回が3度目だ。
帯広、霧多布、そして今回。
正直なことを言えば、春の北海道にあまり良い印象を持っていない。
雨に降られることが多く、自分も、町も、冬ほど寒さへの備えが万全でないために
染み入るような寒さが際立つのだ。印象としては冬よりよっぽどつらい。
しかし1月以外に摩周湖を訪れるのは初めてのことなので、
いつもと違う風景とも、きっと出会うことができるだろう。
そんな、不安半分の期待で始まる24回目の『北へ。』の旅。
雪解け間もない、桜もまどろむ網走~摩周~釧路の旅へご案内。
 
 
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1日目 4月28日  羽田~網走~北浜~摩周
========================================================================  
  
 
■最寄り~羽田空港~女満別空港
 
▼初日のメインは、北浜駅の停車場さんでオムライスを食べることである。
 
▼羽田からのフライトは7時10分とクソ早朝。空港行きリムジンバスも朝イチの便になる。それなのにバスのモギリおじさんが元気良すぎて寝不足の脳にはスパルタンだった。他にも、空港に着いて展望デッキに出ようとしたら開扉が6時半からだったとかはあったがマ大したイベントではない。
 
▼羽田はセキュリティゲートをくぐった先がまだ広く長い。早朝だから朝ゴハンは後回しの覚悟だったが、そこで食べられた卵かけごはん(460円)はなかなかであった。
 あと、空港内の本屋で『よつばと!』の新刊が平積みになっているのに時代を感じる。よっぽど買おうかと思ったが、帰ってからにした。
 
Dsc04055 Dsc04076
 
 
▼今回の旅、天気は終始よく、なんなら軽く日焼けをするほどだった。フライト中もそれは同じで、自分の乗る機体の影が地表に落ちるのを見ることが出来たり、スカイツリー、TDR、富士山に始まり、途中見下ろす東北の山々の陰影も比較的はっきり捉えることが出来たりしたのは僥倖であった。
 隣の席ではヤング系週刊マンガ誌大好きおじさんがずっとヤンジャンとかスピリッツとかの版型のマンガ誌を読んでいた。旅慣れた人なのかもしれない。席はクラスJ。同じ機に、謎のムキムキ半袖半ズボンおじさんがいて見た目がたいへんうるさかった。女満別の荷物受取で輪行袋を受け取っていたから多分自転車に乗りに来たのだろう。めんどうくさいのかアピールなのかしらんが、飛行機の中くらい普通の格好でいてもいいんじゃなかろうか。コスプレイヤーだって会場まではコスプレ禁止である。
 
Dsc04105 Dsc04112
 
Dsc04162
 
Dsc04148 
 
 
 
■女満別空港~網走~北浜
 
▼女満別空港はまだ2度目の利用。荷物受け取り場の柱にボーカロイドの絵がかかっていて、こんなところも萌えを利用しようとは、どこも躍起だ。
 女満別空港から網走までのバスは、お客がちょうまばらで驚いた。北見行きは人が満載だったのに、こちらは荷物が大きい旨を運転士に申し入れても「そんなに人も乗って来ないから席の上に置いていい」と言われる始末。自分にはありがたいが、不人気なのだろうか、網走。
 網走まではバスで30分ほど。自分がこれまで利用した北海道の空港のなかでは町に近い部類だが、景観は起伏に富んでいる。畑や自然の山が広がる区域から人里と呼べる程度に拓けるまでの区間が短く、また途中に湖などもあって退屈しない。
 また、かの有名な網走刑務所の前も通るのだが、バス停名が「刑務所前」なのは良いとして、英名表示が「Prison」なのはなかなかダイレクトでナイス物騒。
 
Dsc04172 Dsc04173
 
Dsc04201 
 
 
▼網走駅の観光案内所で、お姉さんがたいへんフレンドリーに話してくれた。こちらの滞在時間が2時間程度しかないのが申し訳ないほどだ。11年ぶりのまちを記憶をたよりに少し歩いて、軽くお茶でも
しようかという程度。12時過ぎにはバスに乗り、北浜へ向かうのだ。
 駅前にはいかにもな顔出し看板が用意されているが、コレを寄贈してくる主のセンスは謎だ。寄贈品はもう少しこう……あるだろう。あとその寄贈品の真ン前に有害雑誌ポストを置くんじゃない。犯罪を抑止したい気持ちが強い一方で、青少年の劣情をガンガンに煽り立ててくる町、網走。抑止と扇情のマッチポンプである。
 
Dsc04206
 
Dsc04205
 
 
▼唯一の予定らしい予定だった立ち寄るつもりにしていた喫茶店も閉業しておりたちまちアテが外れてしまう。
 すっかりその気で小腹が減ってきてしまったので、商店街で唯一開いていた可愛らしいパン屋さんを見つけ、そこで小ぶりなパンを二つ購入する。こちらなかなかチャーミングなパン屋さんで、こちらがコーヒーを補充したいなと考えていたところ、『ホットコーヒー始めました!』の貼り紙が目に入ったので、いまどきのコンビニに対抗してドリップコーヒーかなにか用意しているのかとお尋ねしてみたところ「その、ケースの上のところ」とゆび差された。そこには、コールドドリンクのケースの上に、ホットの缶ドリンク用のガラスケースが置かれているだけだった。うむ、ウソは言ってないな。ものすごい肩透かしだが。
 尚、そこで買ったパンは、カレーパンとぴょんぴょんである……ぴょんぴょんて何? これ ↓ がぴょんぴょん。イヤおいしいけどさ。ぴょんぴょんて何?
 
Dsc04235
 
Dsc04226 Dsc04246
  
Dsc04237 Dsc04251
 

▼パンを食べ食べ、網走の繁華街を歩く。閑散としているが、前来たときに感じたような、泣きたくなるほどの淋しさは感じない。季節のせいか、はたまた自分が慣れてしまっただけなのかは分からない。それでも、町の小さなパチンコ屋が朽ち果てていく横で、巨大なホールがドンジャカドンジャカ言わせているのを見ると切なくはなる。
 町なかに残った旧網走刑務所の遺構を写真に収め(これは前回見たか記憶にない)、海の方まで行ってみるつもりで歩いたが思いのほか道が複雑で、時間にゆとりがなくなりそうだったため途中でUターンした。喫茶店探しに時間を食ったのがアダとなった。
 途中の信号待ちで、いかにも家なきおじさん然とした御仁と一緒になったのだが、ジャンパーだけ妙に高そうなものをお召しだったことに違和感を覚えた。ただ身なりが汚いだけの人なのか、それとも本場のノーホームマイスターは、ノーホームでも防寒にだけは金をかけるのかもしれない。
 
▼みやげ物屋に寄って旅仲間と実家向けの品を買ったのだが、店の女店主が同郷の奈良県出身であった。吉野の出だという。吉野から網走か……随分遠くまでお嫁に来られたな。しかもド田舎toド田舎の人生であるな。
 ちょっと旅先での地元トークに心を奪われ過ぎた。おばちゃんに別れを告げて速足で駅へ向かう。すると駅からわりとすぐのところにテイクアウトも可能な海鮮丼の店があった。次回はここで昼ゴハンを食べるようにしようと心に誓う。
 ロッカーの荷物を回収してバス停で一息つく。すぐ背後がファミレスの様なメシ屋で窓際の客からはこちらが丸見えで何やら落ち着かない。国道の対岸にある女満別空港方面へ向かうバス停では、バス待ちの若者が、なにやら弁当の様なものを立って食っていたのだが、食べ終わる前にバスが来てしまって一本見送っていた。オマエそれは間に合うのか。そのうちにこちらもバスが来て、今回の網走はここまでとなった。
 
▼網走から北浜までは、海沿いの長閑な道を走る。のどかだが、寂しげで、ドライだ。この道は11年前にも通っているはずなのだが、あまり記憶に残っていない。あのときは北浜から網走へ、2月だったから雪の中を走ったはずだった。通過する海沿いの駐車場のような場所に、大きなニポポのモニュメントを見かけた。なぜか土台部分が地面に完全には接しておらず、部分的に突き出た固定している金具のような物のせいで足先だけが出ている着ぐるみみたいに見え、よちよちと歩き出しそうで不審者然としていた。
 乗り合わせた客には学生が目立った。途中のバス停でパラパラと降り、数が減っていく。彼らのうちの多くは、そこからさらに迎えの車を待たねばならないようで、降りたその場から動かずにいた。大変そうだが、この沿線に住むということはそういうスタイルが平準なのだろう。
 
Dsc04263
 
Dsc04268
 
 
 
■北浜、停車場にて
 
▼北浜で降りたのは私だけだった。駅舎の佇まいまで記憶していなかったが、見てみると大きく変わった様子はないように思えてくる。まあボロくなることはあっても立派になることはないだろう。
 
Dsc04273
Dsc04305
 
 
 駅舎の内側を埋め尽くしている、訪れた人々が貼り残していく名刺も相変わらずでびっしりだ。書きつけられた日付を見るにつけ、当然11年前からアップデートはされているようだ。一体誰が始めたことで、許されていることなんだろうか。よく分からない。こんなわけのわからん立場の人間まで残していく始末だ。
 
Dsc04379
 
Dsc04304
 
 
 11年前の自分がここになんらか貼り付けて行ったかどうかを……正直、思い出せない。貼り付けようとして、「なんかやめた」ような気がする。
 
▼さあ、この駅に来た目的は観光じゃない。食事だ。駅舎の中にある喫茶『停車場』さんである……っていうか駅舎の3分の2くらいはもう店だ。無人駅だし。
 この時間帯は繁盛しているようで、待合に直結した扉の向こうからは愉し気な話し声も漏れ聞こえてくる。扉を開くと、4人掛けのテーブル3つは埋まり、4、5席あるカウンターにもカップルさんが陣取っていた。まあ満席でも、列車が車で3時間以上あるんでいくらでも待つ余裕があるんだが。ゆとりのある旅のプランをご提案。
 でっかい荷物を持って入ってきた男を怪しんだのか、お姉さんの視線が少し鋭くて若干怯む。邪魔にならない足元に荷物を置くと、しばし悩んでオムカレーとコーヒーを申し入れた。前回食べたのはオムライス。今回もピュアなオムにしようか、新境地にトライするかの葛藤に身を裂かれる思いであった。
 率直な結論から言うと、プレーンなオムライスにしとけばよかったかな? という感じだが、如何せん今回は鼻が半分詰まっていたこちらに非がある。美味しいモン食べようって時に鼻を詰まらせているというのは、美味しいモンに対する礼儀を欠いている、心構えがなっていないとしか言いようがない。今回、摩周への新しいアクセスルートを開拓したので再来店の機会もあろうから、次は万全を期したいと思う。
 
Dsc04274
 
Dsc04281 
 
Dsc04287
 
 
▼さて、小一時間かけてゆっくりゴハンを平らげた頃には店も随分空いていた。このまま窓からオホーツクの海を眺めて黄昏れるのもいいが、あと2時間はさすがに居座り過ぎな気がする。荷物があるので活発に動き回るのも難しいが、一旦は店を出ることにする。列車の来る前に、もう一杯くらいお茶を飲みに戻るのもありだろう……ていうか、この駅周りだけで2時間過ごすのはさすがに多分ムリ。
 念のため、お店の方にコインロッカーがないかお尋ねしてみたが、下調べしたとおり無いとのことだった。「少しの間だったら預かりましょうか?」という言葉を期待するドスケベごころも勿論あったが、まあありませんよね。致し方なし。周辺の駅などに無いかも一応調べてきたのである。徒歩旅行者にはそこそこ深刻な事情だ。
    
▼……結果、2時間の待ち時間はワリとすぐでしたっていうかちょっと時間足りないくらいになった。どれだけノンビリ屋だお前は。ノンビリ屋の郊外型大型店舗か。全国展開フランチャイズチェーンノンビリ屋か。
 駅舎の外に隣接した、冬場に流氷を眺めるための展望台にあがり、海を見たり、道を見たり、線路を見たり、さっき網走で買ったニポポ人形といち姫にプロレスをさせたりしていたら列車が来るまであと40分くらいになった。
 
Dsc04316
 
 
 展望台からは、オホーツクの海と海岸線が遠くまで見渡すことが出来る。2月にはここで流氷がやってくるのを観察することが出来る。この日はほんのり暖かく、風はあったが長い時間そこに立っていても寒さを感じることはなかった。潮くささもない。すぐ目の前の国道は、交通量が決して少なくはないがそれでもうるさくは感じない。もてあます時間が、いま自分は開放されているのだということを証明してくれている様だった。これが自由ということだ。
 
▼そうしてしばらく黄昏ていると、すぐ近いところでトンビとカラスがじゃれ始めた。何が始まったのかと見守っていたところ、今度は店から目つきの鋭い方のお姉さんが出てくるや、大ぶりな夏みかんほどある何かの果実を放り投げた。それが地面に着地する「どんっ」っという音が、10メートルははなれた展望台の上から見ていてもずしりと響いてきたので、見た目以上に中身のつまった果実であったのだと思う。それをカラスとトンビが一つずつ持ち去ったのを見届けたところで、お姉さんがこちらを振り仰ぎ、目が合った。お互い特に、声を発するほどのことがあるでもなく……気まずい愛想笑いを浮かべて、会釈を交わすにとどまった。
    
Dsc04349
 
 
▼せっかくだからオホーツクの海に触れておこう……と思ったが、それには線路を超えなければならず、踏切までは少し歩く必要があった。……。別に、踏切じゃないところを渡ったって、どーせあと40分は電車も来ないんだし危ないことなんもないんだが……とは思いつつも律儀に大回りして踏切を越えた。重い荷物を提げているせいか、ずぶずぶと粒子の細かい砂に足が沈んで難儀した。

 砂浜から駅まで戻ると、列車まであと20分もない。もう一杯くらいコーヒーでもと考えていた当初の目論見には見切りをつけて、ホーム周辺をカメラに収めることに時間を費やした。無人駅であるし、ホームにはまともな囲いもない。出入りは自由だ。思えば、北浜の駅ではずっと自由だった。提げてきた荷物だけが枷になっていた。次来るときは、もっと身軽に振る舞えるようにしよう。
 

Dsc04383
 
 
 
■北浜~摩周

▼ホームに滑り込んできた列車は、旅行者と、帰宅する学生で結構満員だった。乗りこむとき運転士さんが一瞬振り返って車内を気にしたのは、「乗れるかな」「座れるかな」と思ってくれたのだろうか、妙に印象的だった。安心したまえ、東京に暮らしている者に乗れない電車など、この世にはないのだ。ていうか普通に座れたましたけど。
 
▼客は旅行者半分、学生さん半分といったところか。丁度学校が終わるタイミングだったのかもしれない。網走高校陸上部と背中に書かれたオレンジ色のジャージが多い。同じジャージでイチャ付いてるカップルがいる一方で、長身のゴツイのはそれから離れて一人でムスッと眠っている。彼女持ちとムスッとでっかいの、アスリートとしてはどっちが強いんだろう。
 大勢乗ってはいるが多くは知床斜里で降りるだろうと、見込んでいたが、案の定だった。知床斜里を過ぎてなお車内に残ったのは片手で足りるほど。陸上カップルは先に降りてしまい、ムスッと長身のゴツイは、そこからまだ暫く乗っていた。彼は一旦寝オチて、ハッとしたように目を覚まし、中斜里で降りて行った。譬え一駅寝過ごしたとしても、中斜里からなら知床斜里までなら歩けないこともなさそうだ。高校の陸上部であれば尚更であろう。今度歩いてみましょうかしらね(酔狂)。
 
Atrdsc04409
 
 
 尚この列車、軽く遅延した。人身事故? 病人対応? 乗客トラブル? 沿線火災? どれでもない。お決まりの動物との接触でもない。単線を対向するはずの列車が遅れていたのでそれを待ったのであった。
 目的の摩周、その二つ手前の川湯温泉で乗ってきた二人の女子高生は、どうやらバイトで川湯へ通っているようだ。自分たちの仕事がどうとか、社員さんの働きぶりがこうとか姦しい。一人は次の美留和で降り、もう一人とは摩周まで一緒だった。彼女とは、翌日意外な(?)場所で再会することになる。
 
 
▼摩周の町は日が落ちる寸前だった。宿はいつものところなので道は最短が分かる……ハズだったのだが。
 摩周へは1月にしか来たことがなく雪のある様子しか知らないので、全く違う顔をしているとは言わないまでも、見慣れない道や広場がそこかしこに現れていて、色々と気が逸れてしまった。釧路川の土手も護岸工事が進み、歩けそうなのに道を阻まれたりして難儀した。
 
Dsc04440
 
 
▼この日はこれで終わったようなものだ。風呂に入り、食事を摂って、寝た。フロントのライブラリに『俺フィー』のコンビニ版があったので、それを読みふけってしまった。
 ここのご主人は愛想もおもてなしも大変良くて無理も聞いてくれるのだけど、いつもちょっとびっくりしたような顔をしていて、「そんなに驚かれるようなこと言ったかな」と思ってしまう。
 忘れていたが、前回辺りからいた東南アジア系のちょっぴりカタコト女性が仲居頭をやっていて、今回もその方がお部屋の世話をしてくれた。どういういきさつでここで働いているのかわからないが、長続きしているようで何よりだと思う。
    
Dsc04452 Dsc04453
 
Dsc04455 Dsc04456

 
 

| | コメント (0)

«■新平成狸問答ボトムズW Endless Question~モバイルWifiルータは誰の物か -更新第1224回-