2024年8月14日 (水)

☆≡≡更新情報≡≡☆

■ オキモチ ■
10月16日
冬の風が吹く。冬の風は、音が違う気がする。
 
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 ◎『アマガミ』 絢辻さん SS リンク目次
 ◎『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」目次

 
■感想とか、ご意見とか。========================================

 ●ブスで繋がるラヂオの予感~『彼女はサイボーグ』とノラととラジオ
   『ノラと皇女と野良猫ラジオ』 と、鷲崎さんの『彼女はサイボーグ』、二篇の「詩」に現れた「ブス」の威力

 ●過ぎ去りし時を求め日記~ドラクエXIプレイ記録
    001 : 無計画に始まるプレイ日記
    002 : ベロニカさんご慢心
    003 : 姫と隠居と、オーブ収集型人間性審査システムの欠陥について
    004 : 寝オチと無料ルーラと原始人
    005 : ご老公もびっくりの寄り道漫遊記
    006 : 人魚の悲劇は厚めにやる
    007 : 彷徨えるハープ船の怪 10/18
 
 ●セレンディピティなどという言葉をやたら多用する女が身近にいたら俺はきっとそいつを殴るが亜玖璃ちゃんなら許す。
   ちょっとタイトルが長いが、セレンディピティなどという言葉をやたら多用する女が身近にいたら
   俺はきっとそいつを殴るが亜玖璃ちゃんなら許す。
 
 
■日記 / 旅 ====================================================

 ◆しゅまりない旅情 2017年8月、旭川~深川~朱鞠内~美瑛の旅
   序文 / 1日目 / 2日目(1) / 2日目(2) /
 
 ◆豆のしらせ
  コンビニの缶コーヒーを見て、ふっと親の愛を思い出す。
 
 ◆荒唐弁務官と無稽文化財のポルカ
   「稽」という漢字はどんな性格の子か。
 

 ◆裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅

    GWの旅、甲州・昇仙峡編をつぶさにお届け。 いかに凄まじい出会いの旅であったのか。
     その一 / その二 / その三 / その四
 

■創作・SS====================================================

 ▼渡りビトの遠いなわばり~SS『けものフレンズ』より~
   アニメ『けものフレンズ』より。あの好奇心旺盛なフレンズが、
   フレンズの、そしてヒトのある習性について、知りたいここがあるらしい……。
   「カクヨム」、『けものフレンズ』SSコンテストエントリー作品。
   
 ▼沢の踏み跡
   『ヤマノススメ』より。 「お漬け物の家」(↓)の続編

 ▼お漬け物の家 前篇 / 後篇 / あとがき 
   『ヤマノススメ』より。ルリビタキを見たいここなちゃん、お漬け物お弁当で発進!

 ▼あやとりのソラ、夏海のストーン・ヘンジ (1) / (2) / (3) / (4)
   『のんのんびより』より、ひとり帰りのバスに乗りそびれた夏海が見つけたものとは。

 『GJ部』SS・コタツじかけのオみかん~みかんのすじは俺のすじ~ その(1)その(2)その(3) Interval
   ある年のお正月、うるさい家を抜け出して、こっそり部室に潜伏に来た真央。

 稜・線・鼎・話 ~『アマガミ』SS・絢辻さん・薫・中多さん~ 前編 / 後編
    『アマガミ』より、輝日東高校・放課後の美術室で出会った三人。

 ▼a white day~ミューズの座布団 
その一 / その二 / その三 / その四 / その五 / その六
  『ひだまりスケッチ』から、なずなと宮子、ある日曜の一幕。
  



 

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2017年10月22日 (日)

■しゅまりない旅情2017~2日目(2)~ -更新第1168回-

 
静かなる朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その2日目の午後。
 
 
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1日目は羽田から旭川に飛び、そこで立ち寄るハズだったcafe花みずきさんが夏休み中で肩を落とし、
次いで向かった深川駅でもあるはずだったコインロッカーが撤去されていて往生するも
地元のお店に受けたご厚意に胸を熱くし、
そこから朱鞠内までの長いバスの車窓に流れる風景を楽しんだりした。

そうしてたどり着いたお宿、昨年もお世話になった「レークハウスしゅまりない」さんから2日目はスタート。
午前中は散歩と遊覧船で万華鏡の様な湖を堪能し、
地元テーマ曲である『しゅまりない旅情』のテープを秘密裏に入手して、
お昼のおそばを食べ終えたところからの続き。



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■2日目 8月19日(土) 午後の部
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■13:00~18:00 お昼ゴハン~朱鞠内の町、雨~晩ゴハン



 ▼朱鞠内の集落で雨に遭い、ビビる昇太くんと出会う

ゴハンを終えたら、さてどうしよう?

昨年はここでゴハンが食べられずに、食料を求めて人里まで下りたのである。わしゃ熊か。
今回はこうして食べ物にもありつけたので人里を襲撃する理由はないのだったが……否、ある。あるぞ。

単4電池を買うのだ。深川で買うつもりにしていたのをすっかり忘れていたのだ。
この期に及んで電池なんか何に使うのかと言えば、ヘッドランプである。今宵はきっと晴れるに違いない(祈り)ので、星を見に外へ出るのに、灯りは必須なのである。

電池、あるっちゃあるんだけど、マウスから抜かないとならず、それに切れられると困ってしまう。なので、一応予備が欲しい。

……というワケでなんやかやと理由をつけ、人里を襲撃することにしたクマ。朱鞠内の町の人々にげてー!!
がおーくまだぞー。 ← ノリノリ

身支度をして宿を出、空を見上げて、ふと嫌な予感に見舞われる。
頭上にわいた色の濃い雲と、先ほどまでは肌に触れる空気がカラリとしていたのに、今はヒヤリと冷たいこの余分な潤いの感触。雨が降るのではないか?
 
 
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パッとスマホの予報を確認するが、雲のマークこそついているものの傘の印はない。
雨雲レーダーにも、付近上空に目立った雨雲反応はないことを告げている。

ここで変にワイルドぶって、「雨になる気がする……」などと傘なんか持って歩いた日には、
オイサンのようなシチーボーイにそんな優秀ワイルドなセンサーがついているわけもなく、
自分のことを野生の申し子とか自称している定岡イタイイタイ正二みたいで恥をかくのが関の山である。
ITのチカラ・天気予報を信じてこのまま行くことにする。





うわーっ雨だーっ。(即オチ





宿から朱鞠内の町までは3キロ半ほど。40分ばかり歩いたその町に差し掛かったあたりでポツリポツリと降ってきた。
しかしここまで来ていれば雨宿りをする場所も町にはいくらかはある。雨宿りまちちゃん(無関係な情報)。

ちなみに、宿からここまで40分の道のりにはいくつかのビューポイントがある。
おソバ畑。 
 
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バスの待合ボックス。
 
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……なのだが、このボックスにオイサンは、昨年恐ろしいトラウマを植え付けられており出来れば近付きたくない。
昨年の、今日と同じ2日目、朝のジョギングに出てここまで来たのであるが、
このボックスの中から何やらドンドンとぶつかる音がする。
ハテなんであろうかとガラス越しに覗いて見たところ、一羽の鳥が閉じ込められて窓に向けて無謀なアタックを繰り返していた。
おお可愛そうにと思ってドアを少し開けてやったところ、鳥は利口にもすぐさまそこから出て行った。
……ので、あるが。
……なんでそこまで気付かなかったかな、扉に赤字で大きく貼り紙がしてあったのである。
 
「スズメバチに注意!」。
 
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昨年の写真。気付けよ去年の俺。 
 

いやホンマなんでそこまで気が付かなかったかと自分でも思うくらい、大きな紙に大きな字で貼り紙がしてあった。
そして足元には、駆除されたあとなのでしょう、
おびただしい数の蜂の死骸が敷き詰められていると言えるレベルで横たわっておって、
全身が総毛立ったのを憶えている。

はじかれた様に扉を閉めると、脱兎の如く逃げた。
もしかすると駆除した人間に恨みを持つ生き残りがいないとも限らない。
ジョギングとは言えないペースでその場を走って……
マそんなモン多少速く走ったところで、ホンマに蜂が襲ってきたら何の守りにもなりますまいが……
離れたのでした。

そんなことがあったものだから、この待合ボックスにはなるたけ近寄りたくない。特段覗いて面白いモノがあるわけでもない。
しかしあの時助けてやった小鳥ちゃんはいまだに恩返しに来ないが、どこでどうしているのだろう。
スクールアイドルでもやっているのか、プロのアイドル事務所で事務でもやっているのか? だからどの小鳥だよ。

あと、どこで誰が買ってきてここで捨てたのか……セブンイレブンのコーヒーのカップが転がっていた。
 
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ここにも文明があったんだな、ということを辛うじて表す人間の暮らした跡です。
あとは、川が流れていたり、山がきれいだったりです。

見どころは以上です。みどころ?

サテ、町へはからくも辿り着いた。雨がひどくなる前にさっさと買い物を済ませて帰りましょう。

昨年も来たんですよー、みたいな話を振れば、店のオバサンともいくらか会話も出来るだろう。
そういえば昨年聞いた話では、この商店の娘さんは横浜に働きに出られているというお話ではなかったか。
パンとプリッツかなんか買っただけだったのに、その短時間でよくその情報引き出せたな、去年の自分。
 
 

うわー店が休みだーっ。(まさかの
 
 

うーん、これは予想外。昨年訪れたときは、
 オイサン  「湖のところのホテルに泊まってるんですけどねー。ランチやってなくてw」
 おばちゃん「あらそうー。やればいいのにねえ、お客さんもいるんだから」
って、おばちゃん言ってたのに! お店やればいいじゃない! お客さんいますよ! ここに!

……と、そんな叫びも虚しく朱鞠内の空に吸い込まれていくばかり。
まあまあ、田舎の個人商店なんてそんなもんです。やむなし。今年は去年ほど切羽詰まっているワケでもなし。
もし昨年もこの店が閉まってて、あの時パンも買えずに過ごしていたとしたら……と考えるとゾッとする。
ここまで宿から40分歩くのである。片道3.5㎞である。腹が減っているから来たというのに、合計7㎞のムダ足である。
ムダ足ダイエットである。大変ゾッとする。あと結果にコミットもする。

買い物を諦め、足を再び湖の方へ向けたとき(他に行くところなんか無いんである)雨脚が強くなってきた。
ここは一旦雨をしのげる場所へ退避しようと表の自販機で缶コーヒーだけを買い、旧朱鞠内駅舎……
今のバスの待合所へ。徒歩1分。さっき前を通ったとき、人影があったのが気になるが……怖い人じゃなければいいな。
 
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昨年の話。
この商店の自販機でコーヒーを一本とペットボトルの飲み物を買ったのだが、
あとから買ったペットボトルを取り出すのを忘れたまま歩き出してしまった。
町を15分ほど徘徊した辺りでペットボトルが手元にないことに気付き、即座に戻るのも面倒なのでそのまま散策を続けた。
購入からつごう30分ほど経ってから店の前に帰り着いたとき、果たしてオイサンの買ったボトルは手つかずのまま自販機の中に残っていた……。無理もない話である。
その間見かけた動くもの人影と言えば、クロネコヤマトの車くらいのものだったからな。

バスの待合所に逃げ込んでコーヒーの缶を開けたところで、バス事務所の方から、
作業着っぽいツナギを着た、年の頃27、8ほどの、ツンツン短髪にイマドキ細レンズ黒縁メガネのお兄さんが現れた。

……ここまで書いて思ったのだが、なぜここで
ムチムチライダースーツに身を包んだ、
     年の頃は20代前半、金髪ツインテールの美少女

が現れないのであろう?
ここでそれが出て来ないのではそりゃあ結婚など出来るわけがないではないか。
なるほどすべて世間が悪いことが証明された。 ← そういう考えを捨てないから結婚できないのだ。

それではカメラを現実にお返しします。
いま目の前にいるのは、ちょっとビビる大木と春風亭昇太に似たお兄さんである。
一見人は好さそうであるが、どんな牙を隠し持っているか分からない。
恐る恐るではあるが、「どもこんちわ、降って来ちゃいましたね」と当たり障りのない水を向けてみる。すると。

「ねえ! 降って来ちゃって!
 これから草むしりでもしようかなーって思ったときに限って降って来ちゃうんですよねえーww
 はははははーww!」


おお、声がでかい。ちょっとあたまがよくなさそうだ(超失礼)。いやそうではなく、大変元気がよろしい。
純朴そうである。しかし驚きなのは(話を逸らす)、目の前には大きなパットゴルフ場が広がっておるのだけれども、お兄さん、お一人でこれを養生なさるので?

「いえ、いつもはね! もう一人相方がいるんですけど! 今日ちょっと、葬式の手伝いで休みでいないんで、
 ちょっとやっとこうかなって! はははははw!」


OK声が出てる。聞こえているぞ、雨はそんなに強くない。
なんだかとても真面目で純朴な感じです。彼はなんだろうか、公務員なのか、バス会社の人間なのか……。
しかし彼とのちょっとした会話で、今日この朱鞠内か、幌加内のどこかでお葬式が営まれていることが分かった。
そりゃそのくらいあるだろうけど、なんかこう……やはり人が生きてるんだな、という気になる。

ホントなんでもないただ偶然雨に引き寄せられただけなのだけど、これはこれでヒトツの縁である。
来年か、もっと先になるかは分からないけれども、みたびこの朱鞠内をオイサンが訪れるとき、
彼のことを思い出さずにはおられないだろう。彼はきっとオイサンより先に結婚して立派な家庭を築くであろう。

尚このパットゴルフ場、平日はそこそこの利用率なのだそうな。老人はいいご身分だな(ポイズン)

雨は、降り始めに比べればすこし強めになってはいるものの、そもそもそんなに強くない。
遠く湖の方角には青空も見えていて、長く降るものでも極端に強くなるものでもなさそうだ。
急ぎがある旅でもないが、このままここでじっとしていても実りがない。
なぜならいま隣にいるのは、(ビビる大木+春風亭昇太)×やたら声がデカい=お兄さん であって、
(パツパツ+ムチムチ)ライダースーツ×(金髪+ツインテール)(ツンデレ+巨乳)=美少女ではないからだ。
男同士でウコチャヌプコロしても生産性はない。ウコチャヌプコロ。

ビビる昇太君(命名:オレ、今)は、しきりに
「ええ! ええ! やろうと思ったら雨降って来ちゃうんスけどーww」としきりに繰り返している。
よほど草ぬきをしたくない or やましい思いがあるとお見受けする。
やりたくないなー雨降らねえかなーと粘りに粘って、いま! というタイミングで腰を上げて出てきたのだろう。
明日、葬式の手伝いから戻った同僚氏がやってきたときも同じ話をして、草ぬきが進んでいない理由にするのだろう。

良かろう。嫌いではないそのメンタリティ。オイサンが証人になってあげるぞ。君は確かに草ぬきをやろうとした、
しかし雨が降っていて出来なかった。そうだね?

雨が小やみになったのを見計らって、オイサンは待合所の屋根の下を離れた。
この程度の降りであれば、30分ほど歩いたとて大した被害にはなるまいし、途中でやみもするであろう。
さようなら昇太くん。同僚氏が話を信じてくれなかったときは電話をくれ。番号教えないけど(当たり前だ)。

「番号教えないけど」と書いたけど、実は昨年遊覧船チケットオフィスのオペレーターオバサンには教えているので
調べようと思えば調べはついてしまう。オバサンが憶えてればだけど。多分彼もオバサンとは知り合いだろう。
それではアデュー、朱鞠内町の皆さん。


 ▼雨、強まる。道に走る謎のヒビとミヤマアゲハの絢辻さん


うわーっ雨が強くなってきたー!(出発後5分

待合所の屋根の下を出て5分、待合所まで戻るには億劫だがまだ町のエリアを出ない程度という大変微妙な辺りで、
サラサラと髪を湿らせる程度だった雨が粒の大きさを増し、ばらばらと、地面や木の葉にぶつかって音を立てる程度になった。
これはアカンちょっと被害が大きいぞ。すぐ弱まってくれるなら物の数ではないが、宿までこの調子で降り続けば
カバンの中のエレクトリックデバイス群に支障をきたしかねない……一応防水バッグではあるけれども。

とはいえ、最早退くこともかなわず進むことにする。少しでも雨の掛からない場所を行こうと、
左右の斜面から張り出した枝の下を歩くよう些細な抵抗を試みる。大自然の恩恵はえらいもので、しのげないこともない。

あとから思い出したのだが、オイサンのリュックにはレインカバーが内蔵されていた。
イザとなったらそれをかぶせてしまえば良かったのである。普段使わない機能って忘れがちだなあ。

雨は……そのまま15分ほど続いた。そこそこの濡れっぷりであったが致命傷には至らず、というくらい。
雨上がりの風景を写真に収めることが出来、マ痛み分け、といったところではある。
 
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せっかく雨に遭ったので(ポジティブ)、
濡れた道や潤いに満ちた空気のひずみ、いち姫にも立ってもらった雨上がりの風景を写真に収め、存分に雨を楽しむ。
転んでもただでは起きないというか、これはこれで、この土地の風景であることよ。美しい。
 

 ▼絢辻さんとフカシギな亀裂

ところで、三股のバス停からダム・湖方面へ向かう最後の坂を登る途中で気が付いた。
道のこの区間だけ、雨が乾くのがやけに早い。どうも道路に規則的にヒビが入っていて、その周りだけが
異様な速度で乾いていくのだった。
 
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亀裂は、センターラインに沿った縦に長い亀裂を中心にして、大体等間隔くらいに、横のヒビが道の外側に向けて走っている。
背骨と肋骨の関係をイメージだと思ってもらえたらいい。
それらの規則正しい亀裂に沿って、道がみるみる乾いていっている。ヒビの部分はただ割れているだけではなく、
路面に若干の高低ギャップを生じている。自転車だったらそこそこの振動を感じるレベルだと思う。

意図的してこうあるのか、地震とか自然現象の影響でこうなってしまったのか。意図的で、何らかの仕組みなら良いが、
事故的にこうなってしまって直すお金がないから放ってあるっていうんじゃちょっと怖いなと思ってしまった。

あまりに奇妙な光景だったので(普通に歩いていても気になるレベルだったのである)
写真に撮ってtwitterに問うてみたところ、
「ヒビによって熱や光の集まり方が散ってそんな風になっているのでは?」という意見や、
「融雪のための処置ではないか」などというなんとなく説得力のある話も出てきた。
なるほど前者は考えたが、後者までは思いが至らなかった。あり得ない話ではなさそうだ。
 
こんな些細なことも、雨に遭わなければ気付かなかったであろう。そう思うと、雨も愉快に思えてくる。旅はたのしや。
 
そんな謎のヒビや、道すがら自生しているアサガオやらを収めながら歩いていると、
今度は、路肩に茂った下草の中で、這うようにうごめいている美しい蝶に出会った。
オイサンの乏しい知識では「クロアゲハの一種」としか認識していなかったが、あとから拾った知識に照らせば、どうやら彼女はミヤマカラスアゲハさんと言うらしい。
 
このミヤマさん、どうやら足をイワしている(※壊している・悪くしている)ようである。羽ばたきはするのだが、
地面を上手に蹴ることが出来ないようできちんと飛び上がれないでいる。蝶の体の構造は知らないが。
先ほどの粒の大きな雨にやられでもしたのだろうか。
 
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これもまた何かの縁であろう。このまま濡れた草の中にいたのではジリ貧であろうから、なるたけ優しくつまみ上げ
取り急ぎ目につく高い場所……ガードレールの支柱の上に置いてやったのだが、とにかくうまく歩けず、
体のバランスがとれないらしい。歩く速度は速く、ヨロヨロ這いずってみるみる落っこちそうになるので
そこを間一髪掌で受け止めてやると、今度はオイサンの掌をつたって服の胸のところまで上がってくる。かと思うと、そこをカタパルトにしてどうにか飛び立った。いいぞいいぞ。

その飛び方も、飛行時に足がどんな働きをするのか知らないが危なっかしく不安定で、高さは稼げず、
ひとの胸より下くらいの高さをフラフラと……それが行きたい方角なのか、
操舵がきかず、思わぬ方向に流れてしまっているのか判断できないけれども、道を渡り、坂を下る方向へと飛んでいく。
とりあえず落っこちる勢いではなかったから良いようなものの……林の陰に隠れるまで、見送ってしまった。
しかしまあこれ以上何をしてやれるわけでもない。厳しいだろうが、あとは自分で何とかするしかないだろう。
頑張って生きてもらいたい。

オイサンはクロアゲハを見たら全部絢辻さんだと思うことにしているが、アレがもし絢辻さんであったなら、
今夜あたりひとの姿を借りて恩返しに来るとして、真っ先にオイサンに平手打ちをくらわすことであろう。
 
「貴方ねえ! 人がケガして道端で難儀してるのに、まず助けようとしないで真っ先に写真撮るって
 どういう神経してんのよ、最低、変態!!」

 
ってなモンである。うむ、その通りだ。相手が人間だったときは順番を間違えないようにししないとな。

雨竜第二ダムにも立ち寄る。
朝はちらっと回っただけだったが、こうしてじっくり見てみるとやはりなかなか良い場所だと思う……。
このあと「湖畔で『ドラクエXI』をプレイする」という無謀な試みをするのであるが、
ここでやるのが良かったのではないかと思った次第である。
訪う人も殆どなく、湖も近すぎないため、落ち着いてプレイできたのではないかと
マこんなとこで落ち着いてDSやってどうすんだって話であるが。
このときはそんな準備もなかったので、風景を撮り、連れてきていたいち姫を撮る。
管理棟の奥に咲いていたヒマワリが良いアクセントであった。

……と、
四十がらみのオッサンが一人でカメラを構え
              お人形さん遊びに興じている
ときに限って
カップルさんがやって来る。こちとらそんな姿を見られたところでキモくも痒くもないのだが、
如何せん見た方に強烈なトラウマや不快感を植え付けかねない。
せっかくの楽しい北海道旅行の一番のインパクト大賞が、
「これ以上もなく美しい湖のほとりで、一人でフィギュアの写真を撮ってるオッサンの気持ちの悪い笑顔」
だったのでは、ワンランク上の旅をご提案するバッドトリップアドバイザーの名が廃りますお前のトリップは方向性が違う。
 
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だモンですから、なるたけそのような姿を一般の人様の前に晒さないよう、
妖怪人間としては細心の注意を払ってはいるのですが、マ間の悪い時、間の悪い人と言うのはあるもので、
このときは姫をしまうのがワンテンポ遅れ、カップルの女性の方の目に留まってしまったらしい。
おかげで、展望デッキに続くそう広くもない道ですれ違う時、あからさまに避けられる始末。ウェヒヒヒヒwwwアザースww、
一般人の冷たい視線は堪えられんワイ
← やめんか

そこそこ歩いて、雨にも降られ、いい具合に疲労してきた。再び湖のほとりまで帰って来て、風と静寂と戯れる。
これだけ縦にも横にも広い風景、自分の知る東京にも郷里にもなかなかない。なんの唸りも聞こえない場所は町にはない。
広いのです。
広いのに静かなのです。

そんな静寂の湖畔に一人佇んで……3DSをスイッチオーーーン!! この雄大な景色の中で!
それとよく似たロトゼタシアの荒野を歩き回ったら、一体俺はオレの気持ちはどうなっちまうんだー!!
っていう試みだったんですが、如何せんストーリーが丁度シティアドベンチャーの真っただ中だったので、
目論見は全然うまいこと運びませんでした。砂漠の町のサーカスでわるだくみをするイベント。なにしてはりまんねん。
 
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黄昏の静けさに包まれる朱鞠内湖。日も傾いてきたというのに、まだボートに乗って遊んでいる人もいる。
次回は自分も乗ってみようと思う。そういう遊びは考えたことがなかった。次回、ひとりボートに挑戦。

ひとり暴徒はやったことがあるかも知れない(孤独な暴れん坊)。

ところで、今回はいち姫を連れてきてしまったので、手持ちぶさたになるとすぐいち姫にたよってしまう。
あまり良くないな。ここにはもっと、戯れるべき相手がいる。見るべきもの、聞くべき音がある。

ふと思い立って、動画を撮ってみるなどする。昼に動画機能など使ってみたりしたものだからだが、
まあうまくはいかない。これも練習が必要。当たり前だが。広がりを捉えて持ち帰るには良い手段であるように思う。

夕食の時間が近づき宿に戻った。この日は何組かの宿泊客があるようだった。
日帰りの入浴客などもあるようで、ひとの出入りがそこそこある。風呂は、昨日はすっかり貸し切りだったが
今日は先客があった。大浴場には浴槽が大小二つあり、洗い場も二つ、蛇口が五つずつ入り口から向かって右手と
左手に分かれて配置されているが、浴槽の小さい方には、節約のためか小さい方には湯が張られていない。
昨日使った右手の洗い場には先客が二人いたのもあって今日は逆サイドを使ってみようかなとそっちへ向かおうとしたところ、
「そっちはお湯出ませんよ」と先客に教えられた。ムウ、徹底した節約シフトが敷かれておる。世知辛い。

二泊目の夕食メニューは昨年も同じジンギスカン。ダッチオーブン料理のインパクトがあまりに強かったので
宿に予約を入れるとき、二日ともダッチオーブンに出来るかとお願いしてみようと思ったり……実はしたのだが、
このジンギスカンも猛烈に美味い! ゴハンが! ゴハンがススムくん!! お、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃヒツジさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  お宿のおねいさん「お味どうですか?」
  旅人のオイサン 「大変美味しいです(キリッ」

宿の方のお話では最大10連泊した方もおられたようで、その時は食事メニューのローテーションが回らなくなり、
途中からまたダッチオーブンに戻ったのだそうな。マそりゃそうだな。全然ありだよそんなの。毎日でもいいよ。
 
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ゴハンの最後に、朱鞠内名物ワカサギのサクサク佃煮が出てきお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃおさかなさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  「どうですか?」
  「大ッ変美味しいですッ(キリッ」

このサクサクワカサギは朱鞠内のイチオシ商品で、期間限定・売り場も限定なのでヨソではなかなか手に入らない。
実家に送ろうかと思ったが、今年の一般販売開始はまだちょっと先なので無理だった。朱鞠内以外では、旭川・札幌など、
道内の一部のお店でしか手に入らないレアアイテム。ヒグマを倒してもドロップしないので注意が必要だ。
うーん、全国のとらのあなかメロンブックスあたりで委託販売してくれたらいいのに(無茶言うな)。

夜。少しウトウトしてしまい、22時半頃から星を見に外へ出る。

夕方、雨が去ったあとからもまた雲が湧き出していていたから望み薄かなと思っていたが、どうしてどうして、
なかなかの星空だった。カメラの設定をさぐりさぐりどうにか撮れるくらいに追い込んで、夜の湖畔を彷徨う。
この日はキャンプ客も多くて、テントがあちらこちらに張られている。まだまだ時間も宵の口、
火を囲んで楽し気に談笑しているところも多い。あまりウロウロしてると怪しまれそうだが構うことはあるまい。

昨年も思ったが、自動販売機が明るい! もう少しパワーを落としても良いのではあるまいか。
闇が濃いから余計にそう感じるのだろうが。次行ったら、キャプテンかオペレーターおばちゃんに進言してみよう。
 
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しばらくすると北の方から湧いてきた雲が空を覆い始め、星空を隠してしまった。けちんぼである。
昨年の、まさにウチュウガマルゴトヤッテクルと言わんばかりの星空を知ってしまっているから
今年の規模と時間ではちょっと物足りなかった。
 
 
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 ↑あまりに凄まじかった、2016年の星空↓

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帰り際に近くを通ったテントでは、ビールを飲みながら昔のアニメの話をしていた。
いなかっぺ大将を歌ったりして楽しげである。オイサンと似たような世代であろう。



何時ごろ眠りに落ちたか思い出せないが、就寝。
なにもない、盛りだくさんな一日であった。
 
 
 

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2017年10月21日 (土)

■ブスで繋がるラヂオの予感~『彼女はサイボーグ』とノラととラジオ -更新第1167回-

 
■『ノラと皇女と野良猫ハート』とブス

色々な勢いがあって、アニメから、『ノラとと』こと『ノラと皇女と野良猫ハート』にぶっこんでいる。
ゲームのVita版(アニメBD同梱版)を買い、絶賛この世界観に浸り中なのですが。
危険なWebラジオまであるのを発見した。


 ▼ノラと皇女と野良猫ラジオ
 http://nora-anime.net/news/radio.html


パーソナリティは、明日原役の種崎敦美さんと、ノブチ役の山岡ゆりさん。
種崎さんについては、Vita版のゲーム本編をやってお芝居の能力がたいへんに高いなと感じていて、
今期『魔法使いの嫁』でも良いパフォーマンスを発揮しておられ気に入ってしまったので、
トークの方にも興味がわいた。
山岡ゆりさんは……『たまこまーけっと』でチョイちゃんもやっていたのか。

デ聴いてみたところ、これがまた大変素晴らしかった……。
開幕ショートドラマのシナリオを、ゲーム・アニメともに書いてらっしゃるはと先生が書いているという豪華布陣。
センセイお暇なんでしょうね。 ← コラ
開幕ドラマ、カオスオブカオス。混オブ沌。凄まじい。「才能があるって恐ろしい」と、心底震え上がれる内容です。
「物件ドラゴン」??????どういうこと??????

  ご本人的には「才能なんて簡単な言葉で片付けられたくない」とおっしゃるでしょうけれど、
  そのカオスという踏切板を蹴ることのできるハートと脚力は、ハタから見れば紛う方のない才能です。
  常人は、才能なき者は、キバを持たない者は、
  心臓を何十個握りつぶしても、その踏切板を蹴って跳躍する勇気は得られないモノです。
  そして、たとえ跳躍出来たとして、あなたのような距離と高さは出ないものなんです。
  才能のある人には、それがワカラナイのです。
  その踏切ラインがそこにあるコト、
  それが踏切板であることを見、知るコト、
  他者を無視してそれを踏んで跳んだらどうなるかを知るコト(或いは「正しく知らない」コト)、
  或いはそれを「無視できる」コト。
  それらをすべてひっくるめて、それはもう才能です。
  「泣きやめブス!」って、フツウ書けませんよ。

パーソナリティのお二人は、オシゴト的にそれなりに縁のあるコンビの様で息があっている。
……息があってるというか、いい意味でお互いを気にしない。
種崎さんはトークのテンションは低めで、ラジオ喋りはモ一つこなれていない印象を受けたけど、
センスは一線級。
おかゆさん(「やまおかゆり」の真ん中から抜いて「おかゆ」なのだそうな)は、
全身ラジオパーソナリティサイボーグと言わんばかりの馬力で突っ走るタイプで、
二人そろって丁度いいコンビだと思われる。
聴き始めは、おかゆさんばっかりあんまりしゃべるもんだから、
実は二人でしゃべってるのを聞き分けられていないだけかと思ったほどだった。
こんなに一人が時間を占有して成立する会話ってある? くらいの割合。
主に屋台骨となっているのはおかゆさんの方。
彼女がこれだけ、様々なものを無視して突っ走り続けられるから時間が成立しているようなものだ。

 ▼TVアニメ「ノラと皇女と野良猫ハート」CM その4
 
 サムネイルからすでに漂う曲者感


冒頭、クソみたいなハイテンションの5分ドラマから発射された勢いで4、50分終わるカンジ。
ハッキリ言って頭は全然良くないラジオですが、センスを磨くにはもってこいの教材だと思います。

あと、 種崎敦美 を タネ裂き厚み って変換しないで。

種崎さん、今期は『ブレンド・S』にも出られてますね。
『ブレンド・S』には鬼頭明里さんも出てますね。
久々に気になる声優さんです。



■『彼女はサイボーグ』とブス

「泣きやめブス!」で思い出した。
司会者であり、ミュージシャンであり、ラジオパーソナリティでもあるところの鷲崎健さんの、
『彼女はサイボーグ』という曲を聴きました。『思春期は終わらない』という曲のカップリングです。

歌の内容としては、


 ♪ (恐らく)感情表現が極めて控えめで、人付き合いも良くなく、
 ♪ 周囲から「あいつは美人だけど人間味が薄くて面白くない、サイボーグみたいな女だ」
 ♪ と言われている女のコに恋をした男の子が、
 ♪ 「あの子がサイボーグなら、僕はハカセだ! あの子の魅力を分かるのは僕だけだ、僕が彼女を変えてやる!」
 ♪ と息巻く



っていう、ハハアなるほど、素敵な歌なんですけれども……。
イヤ、歌自身はオイサンもすごく好きです。このままでもとても好き。
2番Bメロの、


 ♪ 無カンケイ女子が言うんだ 「アノ子ハ 美人ナダケノ さいぼーぐ」
 ♪ うっせえ! 寄んな、ブスが! 僕はハカセだ! 今夜プログラム換えてやんだ!



っていう、盲目ラヴ男子のいかにもな熱情の高さは、聴いててたいへん痛々ほほえま好ましく、
胸を打つものがある。



……「ブス」
しかし、ブス
いいですね、ブス
振り切れた感情の高まりを表現するのに、大変優れた言葉です。
「ブス」という言葉そのものの意味や品格が良いというのではなく、
「普通なら言わない、言っちゃいけないことが、ガツン!と口を突いて出てしまった、その高まった感情」を
「言ってしまった」ことで端的に表現できるその性能と、
感情の昂ぶりによって語彙が失われていることを表現するその性能……が、いい。

うっかり口にしてしまう状況までを一気に表現できる言葉としてのフトコロが、たいへん良いと思います。
マ言ってしまえば「悪口の中でも初歩的なもの」ということなんですけど。
武器で言えば、ナイフ。
「ハゲ!」や「デブ!」でも近いものがあるんですが、男社会で流通するそういう言葉と、
「男 → 女」に対して放たれる「ブス」とでは、なんというか、
「無害なものとして扱われる頻度」の差があって、「ブス」の方がより殺傷力は上。
ブス。
うっせえブスが!
泣きやめブス!!
……ウム。日常でも、積極的に使っていきたい。(やめなさい)
閑話休題。



……。



けども、このテの「あの子を変えてやる」っていう感情の正しさが分からない。
正しいのか、理解できない。
貴君が恋したのは、今のその状態の、上の歌で言うなら「サイボーグの様な」彼女ではなかったのか。
それを……変えてしまっていいのか?
変えて、彼女の何を残したいのか。
彼女本人が変わることを望んでいるのなら良いし、サイボーグであることがうわべだけで他に影響しないならいい。

しかしだ、そうでなかったなら? 見た目が気に入ったのか?
サイボーグ外の部分が好きなのか。その愛は、果たして彼女の芯に向いているのだろうか。

かつて私が恋に落ちた女の子の中にも、いました。サイボーグ女子が2人。
ホントはもっといるけど。サイボーグ系女子。けど、代表にその2人の女子。

一人は、私立きらめき高校在籍。
科学と研究、そしてその果てに目指す世界征服という悪魔に魂を売ったサイエンスサイボーグ、紐緒結奈閣下。

そしてもう一人は、青葉台高校在籍。
書物という叡智の檻に自らを繋ぐことを望んだビブリオサイボーグ、中里佳織。

紛う方なき彼女らは、科学研究と読書、道は違えど一つの「機能」に特化した魂しか持たぬ、
まさにサイボーグと呼ぶに相応しい鋼の存在でした。
とはいえ、まあ、そんな彼女らも、所詮はギャルゲーのヒロインだもんですから、
パッとしない主人公ボーイに心を奪われ始めるや、その魂はアレヨアレヨと恋の穢れに蝕まれ、
高潔であったはずの鋼の心はナヨナヨと錆びついてしまうワケです。

……伝説の樹の下で、オイサンは思いました。
頬を染め、「あなたのためなら研究も捨てるわ」と言う紐緒さんを見ながら、
(違う!)と。
(俺の愛した紐緒結奈は、閣下はこんなんじゃない!)と。

同じく、青葉台高校の文化祭で、オイサンは思いました。
フリマに広げられた古本の中にお宝を見つけるや否や、文化祭デートの最中だったオイサンそっちのけで、
段ボールに飛び込もうかという勢いで突進していく彼女の背中を見つめ、
(……そうか、いま俺は、中里さんにフラれたんだ。彼女には、俺ごとき必要なかったんだ)と。
今この瞬間こそが、『TLS2』、中里佳織ルートのトゥルー・ハッピーエンドなのだと、悟りました。
……かってなモンですけれども。

 ▼トゥルーラブストーリー2 ~中里佳織攻略~ 2/3【プレイ動画】
 


私は思うのです。
自分が愛したのはサイボーグである彼女らの、サイボーグゆえの高潔な鋼鉄の魂であって、
そんじょそこらの、一行の数式や化学式にも劣るような、
一篇の詩ほどの価値もない生を生きる人間にたやすく恋をしてしっぽを振るような彼女じゃない。
悪魔に売った魂をやすやすと買い戻すような、無様な姿は見たくないのだ。
自分の物になって変わってしまうくらいなら、寧ろ憎まれたってかまわなかった。

  実際、紐緒閣下は、自分の心を惑わし野望から遠ざかる原因となる主人公を憎み、
  この世からの抹殺を目論んで世界征服ロボを差し向けてくるホンマモンであったのだけれど。
  世界征服メガビーム!!

  


……ノロケが長くなりましたけれども(ノロケだったのか)
サイボーグな女の子を愛したこの歌の主人公くんは、サイボーグな彼女に変わって欲しかったのだろうか。
では彼が愛したものはなんだったのか。
それは幻想ではないのか?
変えてどうするのだ。
「いま」を守るのではないのか。
彼女のサイボーグをバカにした連中に阿って、理解できる形に作り変えて、それでどうなる?
「どうだ羨ましいだろう!」と見返したいのか。
そうではない、自分と彼女にしかわからないその鋼を、高潔を、美を。
互いの掌の中でひっそりと温めてこその愛ではないのだろうか……?
そんな美でさえ、「世間」の分かる形に翻訳しなければ……幸せにはなれぬのだろうか。

……その辺が、四十の関を跨いでも未だに良く分からないオイサンなのです。

本を捨てた中里さん。
研究と、世界征服を諦めた紐緒閣下。

そんな二人と歩む幸せが思い浮かばず、私は、彼女らの心のもとを去りました。
思えば去るのではなく、そばに付き従ったまま、鋼の彼女らを侵そうとする者たちを始末する
返り血に染まった姿こそが、彼女らへの敬意であり、真の愛であったのかもしれない、けれども。

……まあ、なんだ。

そんなことも分からないから、今もオイサンは独り身でいるのだろうとも思いますけどね。
そこんトコは、なんとなく分かる様にはなってきたけども。



マ今日のところはそんな感じでヒトツ。
 
 
 

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