2024年8月14日 (水)

☆≡≡更新情報≡≡☆

■ オキモチ ■
本当にバカみたいなことを言うようだけどさ、ちゃんと秋が来てくれて良かったよ。
もう一生夏なんじゃないかと思ったもんな、今年は。
  
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 ◎『アマガミ』 絢辻さん SS リンク目次
 ◎『アマガミ』 絢辻さんシナリオ解読企画 「手帳の中のダイヤモンド」目次
 
●●====  感想  ============================================= 
 
 ▼夢と友だちのアイダ~2018年秋・10月度アニメのプチ感想

 ▼極上のおしりとおっぱいを差し置いてヘビの下半身を持つ女がモテモテ!
                               2018年・7月期~夏アニメ感想
 
 ▼センチメンタル・グラフィティ
        ~nano.RIPEの『あおのらくがき』が素晴らしすぎたのに不遇だった話
  見よう!『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』!
 
 
●●====  日記・旅行記  ===================================== 
 
 ▼若おかみは白内障!~マイカメラ・RX1さん、入院す!~
   愛用カメラのRX1さんがイカれた。

 ▼硝煙と白米~2018年GW・新潟・長岡・柏崎・湯沢~
    [第1回]  / [第2回] /  [第3回]

 ▼梅花藻の白い花~小諸、18回目。 [前篇]  /  [後篇]
  暑さを逃れて小諸に行ったら、小諸も暑かったし「何しに来たの」って言われたハナシ。
 
 
●●====  二次創作・SS  ====================================== 
 
 ▼渡りビトの遠いなわばり~SS『けものフレンズ』より~
   アニメ『けものフレンズ』より。あの好奇心旺盛なフレンズが、
   フレンズの、そしてヒトのある習性について、知りたいここがあるらしい……。
  
 ▼沢の踏み跡
   『ヤマノススメ』より。 「お漬け物の家」(↓)の続編
 
 ▼お漬け物の家 前篇 / 後篇 / あとがき
   『ヤマノススメ』より。ルリビタキを見たいここなちゃん、お漬け物お弁当で発進!
 
 ▼あやとりのソラ、夏海のストーン・ヘンジ (1) / (2) / (3) / (4)
   『のんのんびより』より、ひとり帰りのバスに乗りそびれた夏海が見つけたものとは。
 
 ▼『GJ部』SS・コタツじかけのオみかん~みかんのすじは俺のすじ~
   その(1)その(2)その(3) Interval
    ある年のお正月、うるさい家を抜け出して、こっそり部室に潜伏に来た真央。
 
 ▼稜・線・鼎・話 ~『アマガミ』SS・絢辻さん・薫・中多さん~ 前編 / 後編
    『アマガミ』より、輝日東高校・放課後の美術室で出会った三人。
 
 ▼a white day~ミューズの座布団 その一 / その二 / その三 / その四 / その五 / その六
  『ひだまりスケッチ』から、なずなと宮子、ある日曜の一幕。
 
  
 
 

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2018年12月 8日 (土)

■お前のかあちゃんヴラド・ツェペシュ~吸血鬼のかなしみ -更新第1268回-

『となりの吸血鬼さん』が好みだ。面白い。



▼悪魔城ドラキュラ

 なぜこのムービーを……?
 
 
自分はどうもこのテの、
人間よりもモンスターの方が常識的で、人間のふるまいに辟易する話が好きらしい。
前期の『邪神ちゃん』もそれに近い趣があった。
吸血鬼のソフィーちゃん自身もチョイチョイおかしいのであるが
灯のおかしさに比べたらかわいい物だ。そう、ソフィーちゃんはかわいい(そういう話ではない)。

とはいえ、作品全体のデキ映えを俯瞰してみると、
その他の中身のない萌えアニメに比べて突出している部分があるわけでもなく、
今こうして「好きであること・面白いと感じていること」を書き並べようとして若干苦労するくらいなので、
決して特別な作品ではないのだと思う。
逆に特別な物でないハズなのに見ていてすごく嬉しいから困ってしまうのだが。
恐らくは、ただのユルさや、さまざまな設定に残されている隙間の幅が、
自分が都合の良い妄想を働かせるのにちょうどいい大きさだということだろう。
私にとって、妄想するのに良いサイズの作品だということだ。

たとえば、ソフィーちゃんは現代的オタクな設定だが、
3X0年という生涯の中でたまたまいまオタクなだけなのだろう、
と何となく思えるところなどがそれにあたる。
いまではアニメの円盤をBOX買いし、ノートPCでSNSを使って交流して、
ネット通販を使いこなして抱き枕を買いあさるソフィーちゃんであるが、
3X0年のときを生きる彼女の心は、そんな生活が続くのもものの時代の一区切りの間でしかないと
どこかで理解しているのだろうと、そこはかとなく私は読み取る。
長命であるがゆえにたくさんの刹那の時代を経験してきているから、
刹那のデキゴトをそれと判別することも、また刹那と知りながら楽しむこともお手の物であり、
そのこなれた諦めの姿に一抹のかなしみを見出すものだ。
彼女は、この先また時代が移ればいまのスタイルに固執することなく
新しいライフスタイルに乗って時代を渡っていくにちがいない。
20年前、30年前、その更に前と、彼女がどんなライフスタイルを転々としてきたのか、
そんなことに興味を覚える。

  ところで、昔から本の虫ではあったようだから素養と気質はあって、
  現代オタクの道へはきっと、ラノベから入ったに違いない。
  ラノベがラノベと呼ばれる以前、スニーカーやファンタジアあたりのレーベルからだろうか。
  そんな彼女があっさりと紙の本から電子書籍に乗り換えているあたりなども味わい深い。

また、長命な生き物が短命なものと心を通わせることで生じるかなしみ、
つまりはやがて訪れる別れが約束されている灯に対する感情のことだが、
これは使い古されたモチーフではあるけれども、興味を禁じ得ない。
ソフィーちゃんは長年引きこもりオタクぼっち体質を貫いてきたせいで、
どうやら友だちとの別れに対してあまり免疫を持たないようである。
その悲しみを、物語がどのように処理するのかに大変興味がある。
そのかなしみを処理するための道具立てとして、
「吸血鬼が仲間にするつもりで噛みつかないと、血を吸われても吸血鬼にはならない」
という設定は面白い。
たとえソフィーがかみついたとしても、灯が吸血鬼になるかどうかは、
それなりに時を経なければ、かみついたソフィー本人にしか分からない。
ソフィーやエリーが灯に牙をたてる場面が頑ななくらい描かれないのは、
来たるべきときのためにとってあるからなのだろう。
 
 ▼光と闇の一般市民
 
にしても、そんなソフィーちゃんの複雑ともいえる人格形成とは対照的に灯はむちゃくちゃだな。
1話をトバして6話くらいまで見進め、それから改めて1話を見るにあたり
「果たしてどんな経緯で灯はソフィーちゃんハウスに住まうことになったのか?」
と期待してみれば、何の予告も算段もソフィーちゃんの同意すらナシに押し掛けただけだったのには
逆に度肝を抜かれた。
もうちょっとなんか考えとけよ原作者。らんぼうすぎるやろ。これだから萌えアニメは。
1話から見ていたらそこでブッた切って終わっていたかも知れん。
ただ、「その無茶苦茶もなんとなく受け入れてしまう」ところに、
ソフィーちゃんの懐の深さというか、400年近いときを生きる超然とした存在であることが
逆に浮き彫りになるのだから侮れないが……。

ソフィーちゃんはうろたえもするし、怯えも怒りもするが感情的には基本平熱の人で
(つっても吸血鬼だから体温はないらしいが)、その様子が妙に、超然として見えたり、
動じることや感情を露わにすることを恥じない、経験を積んだ者の振る舞いであるように見えたりと、
さまざまな矛盾を飲み込んでしまうように感じる。
  
 ▼いまを生きるモンスター、そして現代テクノロジー
 
しかしなんというか、吸血鬼の生活をも一変させる、
現代のテクノロジーであるところのネット通販や家電製品の威力はすごい。
オタク、ニート、引きこもりに媚びた設定にはなっていると思うけど、
実際いま吸血鬼が生きていたら、こんな暮らしをしてても不思議はなかろうという
変な説得力がある。
マさすがに血液は売ってないと思うけど。
モンスターだとて、時代の流れとは無関係ではいられないだろう。

しかしこの辺のことも、この間ちょっと触れた
「現代テクノロジーで再現可能なファンタジー表現」に近いハナシなのかもしれない。
かつては人の想像の世界でしか説明のつかなかったこと・生きられなかった存在が、
テックによって「このようにすれば、実は現存させることが出来る」という発想だ。

人類の敵……とは言わないまでも、好ましい存在ではないハズのモンスターが自らの弱点を、
人類のテクノロジーによって克服したり、単純に免疫がついたり慣れたりしていくというのは、
ご都合主義的でもあるけれども、案外説得力があるのかも知れない。
しかし、最初に「吸血鬼はニンニクが苦手」って決めたヤツは何を考えてたんだろう?
自分もニンニクが嫌いだったか、逆に、自分の好物を弱点に設定して
「万が一実在しても自分は大丈夫」って主張したかったか、どっちかだろう多分。

まあそんなこんなで、主題歌の良さも手伝って喜んでみているのだが、気になる部分がないではない。
ソフィーちゃんは海外から日本に引っ越してくるのに、
あの膨大な蔵書をどうやって運んできたんだろうかとか(細かいな)、
なんでやたらとロードローラーを担いで見せたがるんだろうかとか。本当にどうでもいいな。
それは冗談にしても、なぜあそこまで人間の頃の記憶がないのか、
人間の性質に対して知識が薄いのか、というのは引っかかる。
長いこと生きてるから現代の風習に通じてないだけとか、人との接触を避けているからとか
理屈の様なものは思いつくが、どれも今一つピンとこない。

たまに入る説明的なモノローグも、気付いてみればスマートでないはずなのだが、
こちらはあまり気にはならない。

 ソフィー「結局、日が暮れるまで待って二人で帰った」

みたいな、アレだ。
もっと引っかかってもおかしくないファクターの筈なのだが、寧ろあまり引っかからないことに驚く。
あまり格好の良いものではないように思うが、変に収まりがイイ。
この作品の不思議なところだ。

あと、この程度の規模の物語であれば、
第1話の冒頭からメインキャスト4人が揃っているところから始めても全然良かった、
寧ろその方が楽しめたんではないだろうか、などと思ったりする。
テンポを変えずに物語の密度感を上げるには、そんな風に構成をいじってみてもらっても
良いと思うのだがいかがだろうか。
 
 
 
■Closing~オマケ
 
 
 
ついでに、もう残り1ヶ月もないが今期一応見てるアニメのハナシ。
結局残ったのは『吸血鬼さん』と、
『アニマエール』
『ゾンビランドサガ』
『うちのメイドがウザすぎる』
『シルバニアファミリーミニストーリーズ』
『SSSS.グリッドマン』
『ひもてはうす』
『でびどる』と、
あと『ジョジョ』くらいになった。結構見てるな。大体楽しんでる順番。

『アニマエール』はすっかりクソアニメ枠で流すつもりだったのに、
なんか牛久花和ちゃんの見た目が気になって追いかけているうちに全体的に好きになってしまった。
 
 
▼アニマエール! PV

 髪の赤いのが牛久花和ちゃん。
 

 
なんてことだ。クソアニメの癖に。
こういう、クソアニメにひとりだけ好きなキャラが混じっているがゆえに
面白いものに見えてしまうときの戸惑う気持ちに誰か名前をつけてくれないか? 
まあ有馬ひづめちゃんも好きになってきたんだけど(結構好きなんやないか)。

『ゾンビランドサガ』はネタアニメに見えて、画、構成、音楽ともに出来栄え素晴らしく、
アイドルものとしてもコメディとしても鬱モノとしても聖地ものとしても、
かなりなクオリティを誇るという化け物アニメになりつつある。
イヤ化け物って、そういうイミじゃないけど。

そんな『ゾンサガ』とはちょっと違う枠でデキのすごい『うちのメイドがウザすぎる』。
以前の寸評で書いた通り、ベテラン陶芸氏が熟練の手癖でこね上げる量産型の湯呑の様な
手触りの良さがある。ホント、新しいこと何にもないのに。

『シルバニアファミリー』は魔物。
人物の小ボケに、SEのシンバルで突っ込むという恐ろしい手法で笑いを誘ってくる
大変斬新で野心的な作品。油断がならない。ちょう面白いです。
 
 
▼第1話 おはよう!ショコラウサギファミリー!

 
 
『グリッドマン』は、ヒロイン・サブヒロインのエロさもあってか世間的に大人気のご様子ですが、個人的にはそんな面白いもんでもないと思う。
画ヂカラはあり、色々と頑張ってるんだけど、どこかあざとく、
そのあざとさが愛しくなくて鼻につく。上手い手ではないなーと感じながら見ている。

あとは……『バキ』『ジョジョ』『からくりサーカス』と、
レジェンド級の原作がアニメ化されているが、なぜだろう、『からくり』がダントツで面白くない。
見ててしんどいので溜まりがち。『うしとら』のときもそうだった。原作は好きだったのだが……。
アニメ化に向いていないのか、やり方が下手なのか。
抜きどころがないんですよね。
『ジョジョ』は、第5部以降、原作はちゃんと読めていないが、アニメは見られている。
面白い。が、メインキャストがイケメン声ばかりで、聴いてると段々飽きてくる。
第4部における億泰の様な声が混じっていて欲しいものだと思う。



マそんな感じでヒトツ。
オイサンでした。


アニメばっかり見てないで野菜も食べなさい!


 

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2018年12月 4日 (火)

■逃げ馬異次元殺法 VS 横綱第4コーナー~2018年M-1グランプリ感想・不完全版 -更新第1267回-

日曜日、ツイッターを眺めていてはじめて『M-1』をやっていたことを知り、
慌てて見始めた。
よって、冒頭の2コンビのネタは見損ねてしまったが、
見てしまった以上、見た組の感想は書いておこう。
まあナンダカンダいったところで、たかだか漫才大会の感想文であるが。


■ネタ以外の部分での感想


・大体どのコンビにも言えることだが、ネタが話としては全然閉じていないのに、
 4分しかないことを理由に「もうええわ」でバッサリ切って終わりにしていい、
 という暗黙の風潮になっているのは良くないと思う。
 4分間で、提起した題材のCloseまでちゃんとやってはじめて、評価されるべきではないだろうか。。
 「システムとして一組4分しかない」ことを言い訳にするのは感心しない。

・志らく師匠の審査が随分不評だったようだが、なんというか、
 あれは「文化人枠」として捉えれば良いと思う。
 個人的には、ああいう視点は必要だと思って見ていた。
 一人だけ次元の違うところで評しているので浮いてしまうが、
 これはこれで基準があることが見てとれる(言語化は難しいだろうが)のであってもいい。

・来年以降、カミヌマエミコが年齢なりの謙虚さを身に付けて審査員を辞することを期待したい。
 あの者は色々と勘違いをしている。自分が面白いとか、番組を私物化とするとか。
 ここはお前のためのオモシロホストクラブではない。
 引退でも辞退でもお隠れあそばすでもいいので、なんらかの形で退かれたい。
 ……とかなんとか書いているうちに身の程に気付いたようで、来年からは出ないようだ。
 もっと早くに気付いてほしかった。
 もうちょっと理屈に紐づいた日本語の使える者を呼んできてほしい。

・今田さんの仕事ぶりは相変わらず凄まじい。
 司会に徹しつつ、逸脱しない範囲で自分のツメ跡もしっかり刻んでいく。
 器用な人だと思う。あれだけ瞬間的に存在感をOn/Off出来る人は少なかろう。

・TLに「この上戸彩を見ないと年が越せない」的なことを言っている人がいて、
 驚きながらも何となく納得してしまった。
 個人的には、
 NHKの理系番組にキズナアイがアシスタントとして出ることに異議・違和感と唱えていた人が、
 このお笑い番組のお飾りとして上戸彩が立つことに何らかの感想を持っていないのかが気になる。
 マ感じた問題の根本が違うので気にもしていないと思うが。
 しかしなるほど言われてみれば、この番組のこの位置にウエトアヤというのは
 なかなか気の利いた配置だなと思う。



■各コンビとネタについての感想と個人的評点



①かまいたち  :8
ツッコミがツッコミ損ねてボケから指摘をされるところで笑いになる、
「ボケが急にまっとうなことを言う」という「2周目のおかしさ」は新鮮だった。
コントに陥らず、しゃべくり漫才の域に留めているのは好感度高い。
爆発力もあったが常識的な範疇で、理解しやす過ぎた。
去年の「わたし卍?」くらいの魔球が織り交ぜられても良かったのかも。
 
 
②ジャルジャル :9(最終決戦:7)
和牛が横綱相撲、4コーナー回ってからのサシ脚の馬なら、
こっちは驚異の逃げ足一人旅の馬の勝ち方だった。
ムダを一切排し開幕で相手を幻惑に飲み込む異空間殺法。
ネタとしての緩急はあるが、完成度が高すぎて人間らしいブレが一切ないので、
舞台上と客席の間に一枚分厚い透明の壁があるように感じる。
なんだかよく磨かれた鉄パイプを撫でているような安心感と不安がある。
唯一の弱点は、その「日常生活っぽさ」のなさか。
サンドウィッチマン富澤の言ってることと同じだ。
このままでも充分面白いし、好きな人もいるだろうが、より広く高いレベルの共感を呼ぶには
スキを残す必要がありそうだ。
しかしこの異空間殺法のクオリティを保ち続けるためにそこはそぎ落とさないと
どうにもならない部分なのかもしれない。
最終決戦でのネタは、かつてM-1でやったものだと思うのだけど、敢えてなのか、
テンパってそうしてしまったのか。


③ギャロップ  :4
初めて見たコンビ。しゃべくり漫才と聞いて期待したが大変地味だった。
ボケの方のしゃべりがテンポを悪くしていたように思うが、元からこうなのか、緊張していたのか。
審査員の「4分向けのネタではない」という指摘が適切であったろうが、にしても、
この二人の「緩慢なだけのテンポ」で、4分を有効に使えるものだろうか?
極めて常識的な人たちに映った。松っちゃんの「全然ハゲてへん」、
志らく師匠の「面白いハゲ方じゃない」とはそういう意味ではないだろうか。
逆に、そこに爆発へのヒントがあるようにも思う。
ゆっくりしゃべりのまま行くのなら、徹底的に歪んだものが必要になると思う。
 
 
④ゆにばーす  :4
去年の方が面白かった。おとなしかったな。
ネタ後、引き際に一花咲かせていこうとツッコミ男ががんばるものの空回りで痛々しかったが、
ボケ女の、最後に噛んで退場するのは鮮やかだった。
ネタよりも素のキャラがどんななのか気になる。
自分たちのスタイルを掴んで確立させれば強くなると思うのだが、
まだ「普通のこと」を気にしているように見える。
昨年見せた、叙述トリックのような、言葉でだまして幻を見せた上で
それをひっくり返す技を磨けば良いと思う。
 
 
⑤ミキ     :6
爆発力でもう一歩及ばなかったように感じる。
早い段階で出力85%まで上がり、そのまま終わってしまった。
馬力はあるので、緩急のあるネタ、引きどころのあるネタが作れれば強いと思うのだが。
4分の配分、波の満ち引きを研究する必要があると思う。
 
 
⑥トム・ブラウン:7
初めて見たコンビ。
漫才としては、ネタの土台も展開の仕方も古臭くて子供っぽく、センスを感じなかったが、
場ごと、漫才ではない異空間に引きずり込むテンションとビジュアルは眩暈を感じさせた。
お陰で漫才としてはかなり面白くなかったが、最後には笑わされてしまった。
系統としてはジャルジャルに近い。
いわゆる「漫才」ではないので、その質や技量について論じても意味がない。
自分はとにもかくにもネタのシメを
「(なかじマックスが)出来たので帰ります!」
というところに落とし込んだのが大好きだった。
志らく師匠の「僕はこういうのが好きなんだと思う、この後もウォッチし続ける」
という気持ちがよく分かるが、今のところ、底はそんなに深くなさそうだとも感じる。


⑦霜降り明星  :5(最終決戦:6)
初めて見たコンビ。なぜ高評価だったのか、自分には最後まで分からなかった。
新しさがあるわけでもないし、うまいわけでもないし、クレバーでもない。
子供向け・イマドキ向けに仕立ててあるなとは思ったが、
ツッコミがボケを「言葉で補足・説明する」というやり方は悪手としか言いようがないと思えるし、
またプロがそれを高く評価するのはいかがなものかと思うのだが、漫才というものがここまで
「わかり易くされないとこの先がない」というのであれば致し方なかろう。
だが、彼らを優勝させてしまったことによって漫才全体が壊れなければ良いがな……とまで、思う。
面白い面白くないではなく、構造の問題として。
会場の熱を拾ってか、これを臨機応変に評価できる審査員はすごいな、と思った。
最終決戦で志らく師匠がここに入れたのは意外だった。


⑧和牛     :9(最終決戦:8)
昨年から劇的に変わったところがあるわけではないけれども、今のやり方に自信をつけたのか、
貫録が出てきた。クレバー。堂々の横綱相撲である。
計算づくのシナリオを臆さずにここまで実行できるというのはすごい。
決勝をクリアした時のあのゆとり、「ここにいる他の連中には負ける気がしない」という顔はもう、
イヤミだがそれも納得。
観客のことがカモ、掌の上のお得意さんにしかみえていないのではないか。
「人を笑わせるための方程式」を持っているというのは凄まじいことだ。
その分最後の最後の爆発力には欠いたが、充分な仕事をしたと本人も観客も思っていることだろう。
サンドウィッチマン富澤の「計算通りに笑わされた」というコメントが全てを物語っている。


■Closing~自己分析など


……と、ここまで書いてきて自分の評価軸がちょっと見えてきた気がする。
自分は、「速い⇔遅い」、「常識的である⇔歪んでいる」のタテヨコ2軸で見ているようだ。
ここでの「速い⇔遅い」は絶対的な単純速度ではなく、演出・緩急によって速く見せることも含むし、
「常識的⇔歪み」は、ネタの枠組み全体が、日常的な認識や語彙の範疇に収まるものかどうか、
くらいのことだが。これを軸上に配置すると、こう↓なる。

 ①かまいたち  :8
 ②ジャルジャル :9(最終決戦:7)
 ③ギャロップ  :4
 ④ゆにばーす  :4
 ⑤ミキ     :6
 ⑥トム・ブラウン:7
 ⑦霜降り明星  :5(最終決戦:6)
 ⑧和牛     :9(最終決戦:8)
 
 
 Photo
 
 ・「ゆっくりと」「理解可能なことを言う」と評価は低くなる。
 ・「歪んだ」ことは、早さに関わらず評価が高めになる(適した速さはあると思う)。
 ・「常識的」なことは、「速さ」を意識しなければならない。

自分をアーティストや文化人だとは思わないけれども、
松っちゃん、志らく師匠の言うことはよく理解できた。
志らく師匠のコメント自体は辛口・批評的であったかもしれないが、
文化的・多様的価値を評価したに過ぎないのだと思う。
番組の主旨が「ただゲラゲラ笑いたい」というものであればそれは不適切な人選であったろうが、
ああいう人があそこに座っていることによって、M-1という「舞台」の持つ意義と価値は
一段上がると思う。
娯楽なんだからそんなんいらんわい、というのであれば、視聴層と番組側の齟齬であろう。
自分は「そういう目線の人が座っているのだ」というリテラシーを持って視聴に臨みたい。



マそんな感じでヒトツ。
トータル的に見ると、そうレベルの高い大会でもなかったと思うけど、
安定して鬼の様に上手いコンビとそうでない者たちの差が激しくなってきているようには思う。
 
オイサンでした。
 
 
 

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