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2011年6月28日 (火)

■初夏の風吹くアニメ評~2011年4月期アニメ総評 -更新第687回-

オイサンです。

ちょっとだけやる気を出して、
多少読める記事も書いておこうかなあなどとまた自分を追い込むわけですが。

要らん話しとるヒマがあったら書きかけのもんをさっさと書きなさい、
というお叱りの声が聞こえてくるようです。

ちなみに今自分の中で宿題になっているのは、
GWにClipperさんがお越しになった際のオフレポートと、
ヒトツ、準備中の新作のSS。

などと殊勝なことを書きつつ、
今回のお話はあまり頭を使わなくても書けてしまう、
2011年4月期アニメの全体的な感想だったりするわけです。
とりあえず間を持たせようなんていうね。
小ざかしい話ですよ全く( ← ヒクツ)。



■2011年4月期 アニメ総評



……えらそうに書いていますが、
別にここはアニメ感想サイトでもなんでもないんですけどね。
要するにこのオッサンにはアニメの感想くらいしか書くことがないと、
そういうことを暴露しているようなモンですよ。

まったく。

35歳ですよ。

一月半もすれば36歳ですよ。

ほかになんかないのか。

まったく(5行ぶり2回目)。

まあイイや。


 ▼秀才たちの挽歌

デ、ここ3ヶ月ばかりのアニメの話なんですけど、
「87点の作品が多い」、そんな期だったと思います。
イヤ、下に書いた作品票の中では87点ズバリの作品てないんですが(どないや)、
「100点・120点の突出したものはないけど、
 水準以上には面白いものがたくさんあって、
 タイクツはしない、けど見るのに時間がかかる、そのワリにはエクスタシーにまでは至らない」、
そういう期だったということです。

つまり、作り手の皆さんがすっごく勉強し、研究を重ねている、
ということなのだと思います。

要するに、勉強や研究で、
科学的に積み上げることが出来るものをかなり積み上げてこしらえている。
逆に言えば、想像を超える、思わず涙の溢れるようなものはなかった。
天才はいなかった。
そういう期であったとも言い換えられます。

が。

Twitter上でちょろっと漏らしたことをここにも書いておくと、
そんな想像を絶するような面白い作品が、そう毎期毎期、出てくるワケはないんですよね。
イイトコ、5年・10年に一回。
しかし昨今……いつ頃からでしょうか、『らき★すた』や『ハルヒ』あたりでしょうか、
深夜アニメの周辺では、何故か毎期毎期そういう「天才」、
その期を背負えるような作品が希求されていて、
コレダ! と目を付けたものを盛り上げ、祭り上げたがる人々の気配を感じます。

 ▼空神輿のエレジー

もちろん、彼らが心の目で真に捉えている「面白い作品」の面白さを、
オイサンのハイパー節穴スコープが見事に見落としているだけ、
という可能性も存分にあるのですが、どこか空々しいその空神輿の担ぎ合いを見るにつけ、
みんな何がしたいんだろーなー、
とりあえず騒ぎたいだけなんかなー、
本当に面白いものを素直に見つけたいというわけでは、なんかなさそうだなー、
と、
ちょっと醒めた気持ちになってしまうオイサンです。

まオイサンの醒め方も極端で、
周りが上がれば上がるほど余分に下がってしまうきらいがありますから、
あまり正当な評価とは言い難い気もいたします。
年齢的なギャップもありますしね。

  オイサンはもうエエトシのオッサンでもあるので、
  お若い方々が楽しんでいるものに過去既に出会っていて、
  彼らが新鮮に、お初のものとして出会うものをそのように感じられないだけ、
  ということもあるでしょう。
  作り手だって、オイサンよか年下の方がいっくらでもおられると思いますし。

皆さんは周辺の熱と、オイサンの冷却水を上手く使って
自分なりの適正温度を探してみて欲しいと思います。


 ▼寸詰まりの短距離走

もうヒトツ。
1クールアニメの難しさが露呈した、そんな期でもありました。
1クールのアニメってのは、やっぱりお話のサイズが難しい。

壮大なお話だとスケール感が出せない、というのは前期の『フラクタル』で感じたことですが、
『あの花』ほどの小ぢんまりした話でもハッタリかましてひっぱるのがせいぜいで、
密度がかなり足りてなかったと思います。
「2クールあるうちの前半」という意識であればまだやり易いのかも知れませんが、
1クールで気持ちを閉じるところまで、全て収められる物語のサイズというのは、
思いのほか小さい様な気がすると、今回の『あの花』と『C』を見ていて非常に強く感じました。
ちょっと登場人物が多いとすぐに味が薄まってしまう。
メインキャストは3、4人くらいが限界なんじゃないのかしら。
バカアニメくらいしかやれない気がしてきました

ぼちぼち1クールの長さを見直して、
1年を3クール・4ヶ月くらいに再構成した方がいいんじゃないだろうか?
ワンセット15~16話。
いいトコロではないかと思うのですがいかがでしょうね。

マその辺は、テレビ業界長い慣習の産物ですので、
アニメだけがそこから自由になれるなんて都合のよい話はなかなかないと思いますが、
色んな形態も試していかないと、ちょっとこのままでは、
せっかくの優れた物語たちも次々に無為な死を遂げていきそうで。

なんだか惜しいことが、この先たくさん起こりそうな予感がするのでした。


マそんなことで。
ほな個別にいってみまひょか。
ちなみに個別に点数を振ってみましたが、客観的・絶対的な指標はありません。
見終わって、振り返ってみて、その時間の楽しさを数値にして見ただけなので、
あまり深く追求しないで下さいね。

絶対的な評価項目と軸を用意して、キチンと計るのも面白そうですけどね。



 ▼『Aチャンネル』

これまたTwitter上でちょっとこぼしたコトですが、
『Aチャンネル』は、毎日の日記から、わざと何もない日を選んで作ってるような感覚がある。
日常系って、本来は何もないように見えて何かが潜んでいる、
その潜みの連続性を暴き出していくあるかなしかの緊張感を楽しむものだと思うので、
『Aチャンネル』はその辺を誤解してるかも知れない、とは、終盤になって感じ始めました。
しかしそれが『Aチャンネル』「性」といえるとも思います。
ギリギリ面白かったので、結果オーライとして言えることだと思いますがね。
そんなワケで、個人的に『Aチャンネル』は、後半、結構綱渡りでした。
1クールで良かったなと思う。
このまま続いていたら、もしかしたらどこかで脱落していたかもしれません。

毎話毎話の緊張感のなさを、1クールという短距離走であることを最大限に活用して逃げ切った、
そんな印象。
先行逃げ切り型の名手。
上で述べた「1クール」の難しさ、
その地の利を最も上手くのりこなした作品だったと思います。
日常系・1クール時代の申し子といってもいいのではないでしょうか。
89点。


 ▼『C』

86点。
序盤の静かな立ち上がりから中盤以降徐々によく分からない不気味さをまし、
……ぶっちゃけた話、「よくわからないまんま」終わっていきました。

もっとね、公麿と三国さん、互いの哲学を掘り下げて、
何が正義・何が悪という二元論に陥らない、二つの正義の鬩ぎ合いにもっていければ
もっともっと深みのある、面白いお話になったに違いないです。
公麿だけを主人公に据えるのではない、公麿と三国さんのダブル主人公として、
2クールくらい使った二人の主人公の「お金と未来」に関する
正義と哲学のぶつかり合いになっていけばなあと。

マその分、今のような気楽さは抜けて、
フクザツで肩の凝るお話にはなってしまったでしょうから、
「考えるきっかけ」くらいにするのなら今回くらいの手軽さがちょうど良かったのかもな、
とは思います。

ただ、今回のような(三国さんを敵役に据える)構図にするのだとしても、
もっとこう……三国さんの哲学を、
今の金融市場に対して、一般庶民が嗅ぎつけるような「うさんくささ」、
上滑りする数字だけの論理の上で語られる正義にもっていけたら、
もっと腑に落ちる、わかりやすい悪役として展開出来たんじゃないかなあと思います。
世界の数字を支えていたアメリカの金融工学のいんちきっぽさみたいなものを
背負ったキャラクターにしても良かったんじゃないかなあと。

  だって三国さんの考え方も、間違っているとはオイサンには思えませんもの。
  寧ろ正しい。

ラストの意味の不明さも、もはやアジへと転化させた力技はお見事でした。
個人的には公麿の弱っちさ……

「これって、アンタのやってきたことの結果なんじゃ『ないの』!?」

という、あくまでも疑問系のまま戦い続けるメンタリティに、すっごい惹かれました。
リアルだなあと。
それを演じきった声優さんがすごいと思う。
すっごいセンシティブな声の持ち主ですよね。
あんま知らない男性声優さんでしたけど。

「お金・金融市場」という題材のとり方と、
放映前のカントクインタビューで密かに注目してはいましたが、
立ち上がりのあまりの大人しさに、一時的に不安をおぼえ。
けれども最終的には実に面白いものへと、なるべくしてなっていってくれたと思います。

  ▼アニメで“お金”と“未来”の話を描く
          ――ノイタミナ『C』中村健治監督インタビュー

  http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1104/14/news009.html [ Business Media 誠 ]

よくわかんないんですけどね。
でも心地良いからいい。
そういう分からなさを隠さないのって好きです。


 ▼『あの日見た花の名前を、僕たちはまだ知らない』

ひとつひとつが丁寧過ぎたがゆえに空いた穴の方が目立ちすぎて、
色々裏目った作品だと思います。
65点。
欲張りすぎた。
『Aチャンネル』の真裏に立ってしまってその影ばかりが落ちてきた、悲しみの失敗作。
その影の落ち方は『フラクタル』に近いものがあると感じます。
広げた風呂敷に対してこぢんまりで、不完全燃焼。

当初考えていたものを、
器に合わせてダウンサイジングしたらこうなってしまったのか、
それともハナからこれでイケると考えていたのかわかりませんが……
後者だとしたら……オイサンは、ちょっとイヤですね。
受け手は作り手に舐められてる気がする。
消費者としてではなく(それは『アマガミSS』の作り手の態度だ)、鑑賞の仕手として。
けっこう、バカにされてる気がするよ。

登場人物ひとりひとりの抱えるやりきれなさをもっと掘り下げて、
視聴者がいちいち頷けるように描いていければもっと面白いお話にもなったのでしょうが、
結局みなさん、なんか浅いところしか見えなくて、
それを泣きながら大声でお叫びになるもんですから、
オイサンわりと置いてけぼりでね。
キホン、めんまが火種の恋模様だったわけじゃないですか。
ぽっぽだけ蚊帳の外だったんで、彼はいいヤツに見えてしまって
ひとりだけ毛色の違うトラウマを担がされてしまいましたけど。

個人的には、そこに若者達の自己陶酔がひっかぶさって終盤の展開にはかなり辟易。
非常に冷めた目で見ておりました。
ああ、君らそういうことがしたかったんかと。
つる子とかゆきあつとかは、
じんたん・あなる・ぽっぽサイドの感情系の向こうを張って
最後まで冷静な参謀役でいて欲しかったし、いさせるべきだったと思います。
感慨の爆発のさせ方は、もっと別なのがあるはずで、
誰しもがああいう爆発をするというのはナイと思うので、
彼らには彼らなりのカタルシスを用意してあげて欲しかった。
やっぱじんたんの父ちゃんが一番いいアジ出してましたね。
あと名バイプレイヤーとしては、めんまの弟さん。
いいよねえ。

あと、とても細かいことをいうと、主題歌の

 ♪君と転がす 使い捨ての自転車~

というくだりに、どうしても納得がいかない。
使い捨ての自転車なんてあるの?
何か違う言葉だったのを、倫理的によくないから置き換えたんじゃないのかコレ。

そこまで悪い作品ではないハズなのに、良い所が見つからないなあ。
なんでだろう?


 ▼『電波女と青春男』

これは、まだ終わってないんですけどね。
マここまでくれば途中でやめることもないでしょう。
珍しく。
オイサンが、ラノベ原作のアニメを完走できた例になりました。
現時点では82点くらいでしょうか。

主人公の理屈っぽい語りが、何が違うのか今作に限ってはちょっと面白かった。
布団を出てからのエリオがすっかり薄まってしまって、リュウシさんなり脇のキャラ主体になってきましたが、
夏の奇蹟、夏の青春という意味では、『あの花』よりもよっぽどいい雰囲気が出ていた気がします。
ペットボトルロケットのくだりは実に清々しかった。
サラリーマンのオッサンの郷愁と四十路オバサンの話とか。

ラノベの、狙い澄まして、奇を衒っていく開き直りが、寧ろ心地良く。
奇人変人系のお話でありながらも、その裏打ちとしてキチンとした人間像が、
ちょっとデフォルメされながら盛り込まれており、しみじみとした世界が広がる。
これはもう原作者の手腕のなせる技でしょう。
正直、原作にも興味がありますが、チラ見した感じやはりラノベラノベし過ぎていたので……
もしもこの作者さんが一般レーベルに移って書くことがあれば、
その時は喜んで購読したいと思います。


 ▼『アスタロッテのおもちゃ』

大穴でしたね。
これまた歴代の猛者たちと並ぶと極めて突出したモノを持ってるワケではないですが、
王道で丁寧。ソツがない。
81点。
この+1点が大事だと思います。
1クール・ドラマ系のエースアシスト。

  ちなみにオイサンの中でのエースは『放浪息子』や『青い花』。
  志村貴子強し。

おロリさん御用達のぷにぷにアニメかと思いきや、
ちょっとビターなホームコメディという、
なかなか難しいところをきっちり楽しませてくれた良作でした。
惜しむらくは、
「ロッテとアスハが異父姉妹である」
という設定と、
その
「娘の姉(妹だっけ?)であるロッテに対するナオヤの複雑な感情」
というところを、お話の道中あまり活かすことが出来なかったということでしょうか。
しかしそこにまで手を広げていたら収拾はついていなかったでしょうし、
勇気ある決断だったのかもしれませんねえ。
ただ、丁寧ではある分エッジの効きがやはりもの足らなくて……
本来は、そのドロッとしたところに踏み込んでこそ、
ようやくこのお話独自の面白さに触れることができたのではないかなあと思います。
惜しい。
本作もある意味、1クール制の犠牲者なのか。

あとどうでもいいけど、『アスタロッテ』のユーディットと、
『戦国乙女』の明智ミツヒデは、見た目といいキャラといいそっくしだな。


 ▼『そふてにっ』

なんというか。
最終的な感想としては、

 「アニメ化する作品なんて、
  結構な見切りとてきとうな判断で選ばれているんだろうな」

と思った一品。
それは別にこの作品が悪いというわけではなくてね。
なんつうか……すごく「つなぎ」の匂いがしてしまった感があります。
そんなに売る気もなかったんじゃないかなー、などという、
あまりよろしくない意味で肩の力が抜けていた作品だったな。
『けいおん』フィーバーの余熱を借りて、
熾き火、残り火でちょっとお小遣い稼がせてもらいましょうか、
くらいの精神を感じました。
悪いとは言わないけど、そこに駆り出された原作はちょっと気の毒ですね。
オイサン的な位置づけとしては『かなめも』と同じあたり。
55点。


 ▼『戦国乙女』

85点? まさか!
なんつうか、これはもう水戸黄門ですよ。
主要キャラが出揃ってからは、裏をかいたり意表をついたり、一切ナシ。
テンプレから抜き出した、
アチラとコチラの頭にあることの最大公約数だけをホイホイと貼り付けてハイ出来上がり、
という分かりやすさ。
難しいことや面倒なことは考えない、盛り込まない。
じゃコレ色塗っといてー、みたいな。

いや、面白かないですよ?
本当の意味での面白さは、ここにはない。
これを以って、作り手やスポンサーが何を狙ったのかも正直分かりません。

が、
とりあえずオイサンはこれを見てすごくラクで楽しい気持ちになれましたし。
生きてく上での箸休めというか、
本当の意味での「娯楽」、大衆演劇みたいなものの良さが、
この作品にはキチンと再現されてたなと、そんな風に思いますよ。

  意外と最終話のノブナガ公の強さ、潔さ、格好良さには
  ワリと真剣にホレそうになってしまいました。

そして来期の中頃には多分もう、その日の出来事に追われて
この作品のことは綺麗サッパリ忘れているというね。
別にオイサンはこれを見て原作のパチンコを打ちに行こうとは思わないし、
CDも、DVDも、関連グッズは買わない、一切買わない。
結局主題歌CDも買いませんでしたし。

この作品に関する記憶は手元に残さないのが、
多分この作品との関わり方の正しい在り方なのだと、なんとなく思いました。
それでは皆さんごきげんよー、明日も頑張ってね!
というよくばらない良さ。

ありがとう、『戦国乙女』!
さようなら、『戦国乙女』!
僕らは、キミのことを忘れない!( ← あっ)

  ♪センゴク オ・ト・メ・ヨ マイアガレー、っとくらあ。

あの、めっちゃ褒めてますよ。
あ、そうそう。
日曜日、ジョギング中に通ったパチンコ屋の前で、
原作となるパチンコ台のポスターを見たんですけど、
キャラデザインは全然違ってましたね。



マそんな感じですわ。



2クール組の『シュタゲ』さんと『日常』さんは今日も元気に疾走中。
楽しんで見られるのがたくさんあって、ニギヤカケッコウな期でありましたが……
如何せん、時間がかかってアカンですね。

二本くらい、それだけでオナカ一杯になれる作品があってくれると
ありがたいんですけどねえ。
贅沢ですかね。


オイサンでした。



 

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