« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »

2017年5月の4件の投稿

2017年5月27日 (土)

甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その3~ -更新第1126回-

2017年のゴールデンウィーク日記の続き、いよいよ最終章。
つって、別に他人が読んでも面白いこと何もないけど。
5月4日から、5月7日まで、人類が滅亡するまでの最後の4日間を描く感動巨編。


  ~~あらすじ~~


主に、新宿都庁に向けて北朝鮮からミサイルが飛んできて、
オイサンが疲労で一人で滅亡します。



■■■ 05/04(木・祝) ■■■



  サテここからはGWもいよいよ後半戦。
  しかし祝日2日を含めたこの最後の4連休にはコレといった大きな予定は入れなかった。
  6日の土曜日に、夜から新宿で朗読劇を聴きに行く、というのが一つあったくらいだ。
  それ以外はのんびりと、普段の土日をこねて引き延ばしたような時間を過ごした。

前日、帰るなり倒れるように寝てしまったので4時過ぎに目を覚ます。
この日は、ハッキリとした予定にははしていなかったものの、
近頃あまり行っていないネオ百合丘のオサレ喫茶でスコーンを食べようという心づもりにはしていた。

その店は木~土曜日にしか開いておらず土曜日はいつもそこそこ人が入るので、
ゆっくりしようと思って朝イチから入ったところ、
この日は連休中で皆遠くまで出払ってしまっていたのか、訪う人も少なかった。
かなりゆっくりしていたのだけど、オイサン以外にやってきたお客は一組だけだったのではなかったか。
独りだけ気合が入り過ぎて開店と同時に入ってしまった人みたいで若干はずかしい。
緑に囲まれた窓辺の席で、木漏れ日を眺めながら大変心安い時間をすごした。

Dsc03093

Dsc03101


あんまり天気がいいものだから
店を出てからも近くの公園でなんてことのない木や影の写真ばかり撮ってしまった。
ホント何もない時間のようで、やっているときはフと我に返り

  「せっかくの長い休みを、こんな時間の使い方してて良かったろうか……」

と思ったりもしたのだが、今こうして振り返ってみるとそれはやはり良い時間、
普段は出来ないことだったなと思えるので、間違っていなかったのだろう。
普段出来ないワケではないけど、その前後に、大きなゆとりの時間が控えている
あの状態の心の在りようというのは、やはり得難いものだ。

帰りもブラリと店を覗いたあとは、そこから二駅、柿生、鶴川と歩いて帰った。
あまり写真ばかり撮る気はなかったのだが、
途中どうしても大きな木やら、キレイな影やらを見かけると我慢ができず
カメラを取り出してしまうのだった。
マ撮ったからと言って、これといった写真になりはしないのだが。

  しかし自分が大きな木にやたらと気を惹かれてしまうのは、
  いまだに『ときめきメモリアル』の暗示が抜けないからなのではないか、と
  柿生と鶴川の道沿いに張り出した、大きなケヤキを見て思う。

 Dsc03115 Dsc03128


この道は、ツイッターに一番がっつりとはまってた時期によく歩いていた道なので、
この場所であんなツイートしたな、みたいな記憶がそこかしこで蘇る。
たかがSNSだが、長くやってると、ボチボチそういう「思い出」のようなものも付きまとうようになるな。

Dsc03135


結局、10時半頃に家を出て、帰り着いたのは17時近かったのではなかったろうか。
うち2時間ほどはお茶していたが、あとはずっと歩いてたんだな。
夜は、昨日、忍野八海の名泉そば製麺所で買ってきた太うどんを茹でたのだが……
自分の買って帰った太うどんは、店で出たそばや細うどんと違い
15~20分も茹でなければならないなかなかの高難度ミッションであり
普段うどんなんか家で茹でないもんだから量も間違えて、わりと大変な事態となった。
そばや細うどんは、一人前ずつキレイに別れて箱に収まっていたようだったのに、
太うどんは、なんかもうゴチャッと! ……箱に突っ込んであったんで、
一人前がどのくらいか分かりづらかったんである。
しかしそれでも美味いのだから大したもんである。

好天と緑に包まれた、なんとも幸せな一日。



■■■ 5/5(金・祝) ■■■



子どもの日。オッサンだけど子どもなので、この日はオイサンの日です。
正直、この日は何をしたのか殆ど記憶にない。
どうやら朝ジョグをし、あとは近所の喫茶をハシゴしつつ本を読んでいたようだ。

2軒目を出るときマスターが出口まで追いかけてきて、
「日曜は臨時で休みなので」
と教えてくれたのが印象に残っている。
以前はよく食べていたのだが、最近見かけなくなっていた美味しい納豆(だが高い)が
売られているのを見つけた。

あとは、PCにたまったの写真を整理したくらいだろうか。
HDDの空き容量が、現在十数GBしか開かないのですぐ一杯になってしまうのだった。



■■■ 5/6(土) ■■■



ここからは普通の土日になる。祝日は死んだ!
今日は新宿の、紀伊国屋サザンシアターで
「声の優れた俳優によるドラマリーディング 日本文学名作選 第四弾 三四郎/門」を聞きに行く。
開演は19時からなので遅くから行ってもいいのだが、
母の日の贈り物を見たりする都合もあって早めに家を出、途中カフェで書き物をしたりしつつ、新宿へ向かう。

……が、母の日案件については隣駅でさっそくカタが付いてしまい、
12時過ぎには新宿に着いた。
マその先どのあたりに潜伏するかも考えてはあったのだけど、
チョット色気を出して、都庁の展望台まで上がってみようだとか、
探偵・神宮司三郎のデビュー作でおなじみ、新宿中央公園を覗いてみようだとか、
余計なことをしているうちに考えていた場所へ行くことは出来なくなってしまった。
マそれは大した場所じゃないからいいんだけど、
ずっと新宿近辺にいたせいでどえらく消耗した……。

電車を降り、南口から外へ出てみて、人が少ないことに大変驚いた。
実際は出口へ向かう途中、改札を抜けた辺りで、既に人の少なさを感じていたが、
こんなに人のいない新宿は初めてだ。
人がいない、と言ってもあくまでも平日の新宿との比較にすぎず、
魚津や甲府に比べれば全然ひとはいるのだが、
それにしても歩きやすい。
GW中は都心から人が出払っていて人口密度が下がっていると聞いていたが、ここまでだったのか。
そら初日は高速中が真っ赤になるわ。


 ■都庁の展望台


都庁の展望台で思ったのだが、
お隣の半島や大陸からの来訪者が多い場所では積極的に日本語を発していかないと
違うアジアの言葉で案内されてしまうことが多い。
どうやら自分は「勝手が分からなくてキョロキョロしてる人」みたいに見えるようだ。
時々チャイニーズで案内されそうになる。

都庁の展望フロアへは過去にも一度来たことがあり、
そのときは曇りがちだったのであまり良い印象がなかった。
今日は晴れているから印象も変わるだろう! と勢い込んで乗りこんでみた、のだが。
……天気が良くて、遠くまで見えても、あんまり面白いモンでもなかった。
なんだろうな、あのつまらなさ、不毛さは。

確かに遠くまでは見られるのだけども、
ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、
って感じなのだった。外から眺めてる方が面白いぞ、都庁。都政と同じだな。 ← あっ

日本語や文化に達者なワカモノ外人さん(30歳くらいのオトコ)が一人いて、
どういう立場にある者同士なのかわからないけど、ガイドっぽいおじいさんに

「日本人は働き者だとか、礼儀正しいとか、
 そういう情報はほかでもたくさん聞けるので今ここで改めて聞いても新鮮味はなくて、
 それよりも現代において日常的にどういう暮らしや遊びをしているのかとか、
 例えば日本人は成人男性でもスマホやコンソールで普通にゲームをする、
 フランス人のオトコはまずもってそういうゲームは遊ばない、
 先日羽田で、もう60歳くらいのオジイチャンがスマホでゲームをしているの見て僕は大変驚いた、
 もっとそういう、今の生の話をしてもらった方がきっと面白いと思う」


みたいな、説教だかアドバイスだかをしてて、そっちの話の方がものすごく面白く、
思いきり聞き耳をたててしまった。横から話しかけてしまおうかと思ったくらいだ。

尚、都庁の展望フロアは地上200mチョイ、サンシャインは240mほどらしい。
先日見た昇仙峡の覚円峰は180mでそのどちらよりも小さいのだが、
なんか、もっともっと覚円峰の方が小さい気がしていたので、
あ、意外に大きいのだなと感心した。
まあ周りにも大きな岩があるとか、視界が開けていないだとか、
環境が印象を左右していることもあるのだろう。

展望台の窓から外を眺めていたら、
「もしキタチョーセンさんが日本めがけてミッサイルをブッパなさるとしたら、
 ……ヤッコサンがガチにクレイジーで、かつ的確に狙いを定められる実力があれば、
   という前提つきだが……
 ここって真っ先に狙われそうなランドマークだよな」

Dsc03193


という、なかなかポップ&エキサイティングな想像が浮かび上がり、
怖くなってきたんで早々に退散することにした。
しばらくベンチにとどまって書き物くらいしてても良かったのだが、
なんか気分良くないんだよあそこ。
空気がよどんでるというか、いかにも閉じ込められてる感がある。閉塞感がある。

都庁の展望台、地上45階で、上がるだけならタダです。
北と南、両方のタワーにあります(直接行き来は出来ない)。


 ■新宿中央公園殺人事件(しんでない)


都庁を出、ちょっと考えてお隣の新宿中央公園を一回りしてみることにした。
DECOファンの聖地、探偵・神宮司三郎さんのお膝元である。若い奴はわかんねえだろう。
しかし三郎さんがデビューした1987年当時はいざ知らず、
禁煙・分煙の進んだ平成の世では(その平成も終わろうとしているが)
ヘビースモーカーの三郎さんもタバコを吸う場所に、さぞお困りであろう。
いまあの公園の中で、タバコ吸う場所とかあんのかな?
多分87年当時だったら、どこでも吸えて、吸い殻だらけだったんじゃないかしら。
イヤそれは想像にすぎませんが。
……などと、87年当時の新宿中央公園の姿に思いを馳せるオッサンであった。

 あとどうでもいいけど、今調べて見たら、
 神宮司三郎さん、新宿中央公園殺人事件当時は29歳だったんだな……ワカゾウやないか。

  ▼探偵 神宮寺三郎シリーズ
  https://goo.gl/EUHp07


その公園でしばらく写真を撮り、ベンチに座って書き物をしたりしていたのだが、
腹がいななきおってな。


無性にラーメンが食べたくなったので近場を検索して見つかったラーメン屋に行ってみた。
普段はこういうことはそうそうしないのだが。
ラーメンくま神。
公園から、歩いて5分もしない住宅街の中に見つかった。
オイサンが入った時、お客はカウンターに1人のみ。この人の少なさも、GW中だからだろうか?
濃いめのとんこつ醤油ラーメンをすすりながら尋ねてみたが、
休日はそもそもそんなに多くないのだそうな。
公園から流れてくる客もそんなにいないと、タレ目が色っぽいガチムチ兄さんが教えてくれた。
そんなもんか。
しかしこの、とんこつ醤油ラーメンというのはウマイマズイ言う以前に、
塩と脂が人体を本能的に喜ばせてしまうので純粋に味を判定するのは難しい、と改めて思う。
満足感はあったが味はわからなかった。

Dsc_0538


なお帰り道、近くのマンションのベランダに、
スラリと良いガタイの白人さんが2人、
     半裸にバスタオルで過剰にくつろいでおられた
ので、
オオもしかするとあれが噂に名高い、と思ったのだが
あまり なかまに なりたそうに そちらを みて いたら
なかまにされてしまいそうなのでそそくさと再び公園へと退散したのだった。

あと、いま書いてて気付いたのだが、
チョーセンミサイルを避けて都庁を逃げてきたのに、
そのすぐ隣の公園にいつまでも留まっておったのでは結局やられるのではないか俺よ。


 ■新宿の高いコーヒー屋に潜むオタク(オイサン以外)


しばらく公園でストレッチしたり写真を撮ったりなどしていたが、お芝居までまだ4時間ほどあった。
さすがにずっとこのまま新宿中央公園にいては顔が寺田克也デザインになってしまう(エエやないか)。
一時、どこか店屋に退避することにした。
前もって、めぼしい店に印をつけて来はしたものの、
土曜の新宿ではさすがに人がいっぱいで、店になど入れたものでないであろう……
と来る前は思ってたのだが、今日のこの様子なら大丈夫そうだ。

……。

休み。
あ、あほぉーーーーーーッ!!



しかしそのすぐ近くにコーヒー屋が見つかったのでそちらに緊急避難した。
あ、あぶなかった……。
デ、滑り込んだ「但馬屋珈琲」。
あほみたいに高かった……。
あ、あほぉーーーーーーッ!!
さすが新宿駅前。ころすきか。
真面目なコーヒー屋が高いのは承知しているが、ワリとフツーの珈琲が700円台から。
ちょっと面白そうなのを狙うと900円、1000円あっという間。
にしても高すぎるだろ。
何が入っているんだ(コーヒーです)。

  横浜家系ラーメンの値段は、主に
   ・店員のおそろいの黒いTシャツ代
   ・そこにプリントしてあるラーメンポエムの考案費と印刷費用
   ・ねじり鉢巻き代
   ・独特の掛け声が一声いくらか
   ・過酷な湯切りアクションによって負荷がかかる肘のメンテナンス費用
  が含まれていてそれだけで750円、そこから上がラーメン代になるのは有名な話だが
  (それより安い店は、肘が頑丈か、声が小さい分)、
  ここのコーヒーにはどうも、上下そろいのタキシード調制服と蝶ネクタイで
  690円かかっている気がする。

席に着くと、2つとなりにスーツ姿の2人組の兄ちゃんを相手に、
カジュアルないでたちのチャラい兄ちゃんが講釈を垂れている。
『あの花』がどうとか、アニメチックな話をしてたからちょっと聞いていたんだが、
なんだかその後、あまりのチャラさに気が狂いそうな話をし始めたのでシャットアウトした。

そしてまた、後から入ってきた女子2人が隣の席に座り、
声優さんがうんぬんカンヌンと話し始めたのでこれまたビックリする。
こちらのご婦人方は話しぶりからもしかすると、そういうエンターテインメント関連で
オシゴト的に声優さんと関わっておられるのではないかな、と思わせる内容だった。

5時半頃まで潜伏し、本日のメインイベント会場へ向かった。


  ■「声の優れた俳優によるドラマリーディング
              日本文学名作選 第四弾 三四郎/門」



紀伊国屋サザンシアターで本日のメインイベントの朗読劇の鑑賞。

このシリーズを聞きに来るのは2回目。
1回目は、同じく漱石作の「それから」だった。
そのときはあすみんが出てたので聞きに来たのだが、
今回は、先日の舞台『ペルソナ3』に風花役で出ていた田上真里菜さんを見に来た。
というか、『P3』での田上さんがなんだかやけに眩しく見えるので、
これは果たして自分は田上さんが好きなのか、それとも田上さんの演じる風花が好きなのか、
その見極めに来たのである。

結論としては、後者、であったような気がする。

今回の朗読劇の中での田上さんが良くなかったというワケでは決してなく、
今回も今回で魅力も存在感もとてもあったのだが、
オイサンの惹き付けられる重要なファクターであったらしい「愛らしさ」は
演じるキャラクターの性質上いくらか減殺されており、
やはりそこはキャラクターありきであったかな、と感じられた。

……のだが、終演後のフリートークセッションではコレマタ大変愛らしくていらっしゃったんで、
やっぱご本人は愛らしいな、ウフフ( ← 盛大にキモチワルイ)と思った次第。
うーん、もう一本くらい見に行ってみるか( ← 思うツボ)。
これって、アイドルにハマるオッサンの心理と同じだろうか。
気を付けよう。手遅れ?
しかしなんだな、役者さんを、演じ手の技量ではなくスの魅力を目当てに見に行くってのも、
大概無礼なハナシな気がするな。

朗読劇の内容としては、
オイサンはスーパー不勉強野郎なので「三四郎/門」も「それから」も、
「アイアムアにゃんこ(英題)」も読んだことがないのだが、
今こうして内容に触れてみると、なんとも平易で親しみやすいモンだな、と感心する。
脚本として均してあるのかしらない(多分それはないと思う)が、
難解な言い回しやもって回った象徴化も感じられないし、
ド直球な物語展開で、ただ淡々と必要なことだけが、
シンプルで明瞭且つ鮮やかな日本語でもって彩られていく様は、
さすが古典の名作として長く世に残り続けるだけのことはあるとただただ感心するしかないものだった。
原作を手に取ってしっかり読み込んでみれば、
もっと思うところや読み取れることも増えるのだろうけれども、
こういう略式のスタイルで向き合うだけでもこれだけ伝わってくるのだから素晴らしい。
朗読劇という形式にも、素晴らしくマッチした題材なのではないだろうか。
役者への演出も、前回ほど過剰な感じを受けなかった。
照明・音響はもう心持ち抑え気味になっても良いように思う。
役者さんは回によって持ちまわりだったり、一回こっきりの登場だったりで変わるのだが、
オイサンの見た回の役者さん4人(男×2、女×2)は誰も皆ちょっと優しめの人たちで、
原作にあるのであろう、心もとなさみたいなものがより鮮明に伝わってきた。

劇の終了は、思ったよりも早く20時半頃。
慣れない夜の新宿を暗闇をアスファルト切りつけながら走り抜け、
独りでは解けない愛のパズルを抱いて帰ってきた。
傷ついた夢はまだ取り戻せていない。



■■■ 5/7(日) ■■■



日曜日。
ワリとしっかり書き物の日。
どこか近場に出かけても良かったが、朝はドトール、昼はサンマルク、
夜は近所で一番落ち着いた近所の喫茶とはしごをして、
非常にマッタリコンと終わった一日だった。

夜、北海道で恐竜のかなり完全に近い化石が見つかった話をやっていて、
この話、過去にも見た気がする……と思っていたが、それは丹波竜のハナシだった。

番組を見ていて、特にすごいなと思ったのが、
発掘した化石の一部を専門家(発掘した人も多分専門家だったと思うけど)に見せたところ、
ほんとに様々な仮説と推論を一瞬で巡らせたあと、
「(この化石の)続きはどこですか」
と、ほぼ確信に満ちて言い放った、というエピソードだった。

細部は忘れてしまったが、
発掘された場所と、
その場所がその化石の発掘された年代にどういう地形だったのかということと、
その地形がその後どういう変遷をたどったのかということと、
海流の動きと……などなど、
そういう情報を考え併せた上で「この人はこの続きも発掘して見つけているに違いない」
と思ったからこそ出た言葉で、
それだけのデータベースと正解を導くエンジンを頭の中に入れてある、
ということにびっくりしてしまった。

今の世の中、記憶装置は外側にいっぱいあるわけだけど、
それだけの材料が頭の中に揃っていないと
処理エンジンがいくら優秀でも、インプット無いとアウトプットは出来ないワケで、
あるインプットのかけらが揃っていないことが原因で回り始めることが出来ないエンジンの、
「かけら」がポンと放り込まれた時のために
その他のかけらは頭に揃えて置いておく、ということの重要性がまざまざと見えたなー、と
感心した次第。
面白い番組だった。
部分的にしか見なかったけど。

夜、
最後の喫茶から家に帰るとき、
日が落ちて暗くなり、色の要素をほとんど失った風景の中を歩きながら、
酷く安心している自分に気が付いた。

陽光の溢れる昼もいいが、やはり夜はいい。
情報の減ったヨルの風景はいい。夜景はいらん。あれはただの電気だ。

1月に摩周に行ったとき、2時、3時に星を見に出かけてコンビニでボンヤリしたりもしたけど、
あの時間も素晴らしかった……。
あの時は雲がかかっていて目的の星を見ることは出来なかったが、
この日は月が出ていて、その傍に小さく星が寄り添っていた。
どうも木星だったらしい。

そう、ワリと子供のころ(といっても小学6年くらいだと思う)から
ヨルの道が好きだった。
塾に通わされていて夜道を歩いて帰らねばならなかったんだが、
その頃辺りから夜の中を歩くのが好きになった……ような気がする。
別に悪さをするわけじゃない、
寝静まった町と、ところどころに落ちているあかりが好きなのだろうと思う。


そんなことに改めて気付いた、ゴールデンウィーク最終日だった。

マそんな感じで。
オイサンでした。



 

| | コメント (0)

2017年5月21日 (日)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その2~ -更新第1125回-

2017年のゴールデンウィーク、9連休日記の続き。
中盤戦のメインインベント。



■■■ 中盤:05/02(火)~05/03(水・祝) ■■■



3紳士―ズ(※テラジさん(@teraji800)・よつさん(@yotsuaki)・オイサン)で山梨へ1泊旅行。
今回の連休のメインイベントである。

  ※これにおみかん隊長(@NOR_kankitsukei)を加えると、暁の四紳士になる。
   銚子に行ったり、小諸に行ったりする。

Dsc02338


八王子から国道411号線・大菩薩ラインを使い、奥多摩湖、昇仙峡、と回って甲府で一泊。
翌2日目は、忍野八海に立ち寄り、道志みちを使って途中道志村で湯に浸かって帰京、という
山梨づくしの旅。





当初は甲府・昇仙峡だけの予定だったのが、
行きの道があまりにスイスイで時間が余りまくりそうになってしまったため急遽予定を色々変更し、
2日目の予定だった昇仙峡を1日目に、
空いた2日目には、忍野八海と道志村での温泉を追加した、という次第。

これまでの旅でもそこまでガチガチに予定を組むことはなかったとはいえ、
今回ほど大胆に動かしたり足したり引いたりしたのはあまり記憶にない。
偶然やら必然やら、いろいろ組み合わさって出来上がったミラクルトリップであった。
詳しくはまた個別に書くけれども、
今回の旅はさまざまな偶然に彩られた旅であり、なんというか……

  「お前たちは行く先々で、3人の賢者に出会うであろう……」

みたいな旅であった。

行き先が昇仙峡になったのは、
ちょっと前にオイサンが甲府一人旅をした時に「たまたま」入った喫茶店で「たまたま」得た情報が元であるし、
テ氏のとった宿が、
オイサンが甲府一人旅をした時に立ち寄った奇ッ怪なメシ屋のほとんど隣りだったことも「偶然」だし、
予定になかった忍野八海で、ナゾのそば屋……否、おみやげ製麺所に立ち寄ることになったのも、
行きの道路事情が「たまたま」快適すぎて甲府にオソロシく早く着いてしまった「イレギュラー」と、
ヨ氏の幼き頃の記憶の産物であった。

そして行く先々すべてで、賢者に出会うことになるなんて……。
なんかもう、『ドラクエ』みたいだ。
まあ出会ったのは賢者じゃなくて、どっちかというと怪人の類だけど……。

■行程概略
 ▼1日目
 早朝、06:00頃集合。八王子経由での411号で奥多摩へ向かう。
 08:30、奥多摩湖。燕と衝突しそうになる。
  大菩薩ライン(国道411号)を抜け、西へ。
 10:00、セブンイレブン・甲州塩山千野店。甲府へ向かう予定を変更し、直接昇仙峡へ。
 11:00、昇仙峡。謎の仙人&節操と美しさの無いカップル(直球)襲来。思いのほか時間を食う。
 15:00、「ひなた」にて遅い昼ゴハン。空腹が災いして判断を誤り、いいだけやられる。
 16:30、「ホビーショップショップ」いちかわにて2000番のやすりを買う。
 17:00、ホテル菊富士。
     本日の宿。部屋が、マーガレットの咲き乱れる超広い、メルヘンなはなれ(ほんとう)でビビる。
     「ひなた」での食いすぎダメージでしばし死ぬ。
 21:00、居酒屋かっぽうぎで少しだけ飲む。
 22:00、宿に帰って大急ぎで風呂。お部屋がジャパリパークに。

 ▼2日目
 08:30、いいだけもたもたした後、出発。
 11:00、忍野八海。人だらけでゲンナリするが水は掛け値なしに美しい。
 12:00、謎のそば屋……否、おみやげ製麺所名泉そばでお昼。謎ビジネスモデルに戸惑う。
  道志みち(国道413号)で、東へ。
 13:00、道志の湯でひとっ風呂。周辺でキャッキャウフフする。キャッキャウフフ。
 15:30、津久井湖で一休み。
 17:30、解散。


  ■1日目 : 出発~甲府まで


朝6時に3人集合し、そこから八王子を経由して、テ氏お気に入りの国道411号に乗って奥多摩湖へ。
奥多摩湖ではやたらと数の多い燕との衝突を回避しつつ(本当にぶつかりそうになるくらい多かった)
休憩を取って、大菩薩ラインへ突入。なかなかのワインディングである。
GW中とはいえ一応平日だからか、妖怪ペダルや妖怪ばくおん、妖怪ヤマノススメはさほど目につかない。
ただ新種の、路肩で三脚広げてはみ出しながら写真トールジジイがいた。あぶない。


Dsc02330

Dsc02320

Dsc02396

Dsc02411


10時にはもう甲州塩山のセブンイレブンに着き、ドライバーのテ氏が
「道が空いてたら、奥多摩湖から甲府まで1時間でくるんだ……」とびっくりしていた。
「このままでは早く着きすぎる!」と、
旅程が順調に進むことに慣れないなれない我々はうろたえ始め(なさけない)、
慌ててこのまま昇仙峡へ行くことに組み替えた。


  ■1日目 : 昇仙峡、弥三郎岳パノラマ台


オイサンがチョイとガイドを誤り、昇仙峡最奥部の駐車場まで辿り着いてしまった。
テ氏は高いところが苦手なのにもかかわらず男気を見せ、
ロープウェイで弥三郎岳の山頂近く、パノラマ台へ。

  ※この先、「ブサイクなカップル」という表現が何度か出てくるが、
   まあその、あまり人様の容姿を論うのが良くないことも、
   自分が人様の容姿をどうこう言えるほどかということもよく理解しているけれども、
   なにぶんこのカップルは人口密集地においても所かまわずもう、
   ムッチョムッチョムッチョムッチョと、あまりにもエニープレイスベッサメムーチョの
   どこでもムーチョ仕様だったので、
   そっちがその気ならコンニャロウこっちだってテメエ出すもん出すぞっていう、
   そういう気持ちを込めてブサイクなカップルめ! と、このような経緯で表現しており
   決して差別や侮蔑やヘイトを助長する意図があるものではありませんし
   なんならフィクションとして処理してもらっても構わない。
   それでは引き続き、オッサン3人の珍道中をうたとおどりでお楽しみください。

Dsc02445

Dsc02456



ロープウェイの車中ではブサイクなカップル(直球)がいちゃつくところを間近に見ることが出来、
山頂では、晴れ渡って富士山と南アルプスを一望できる素晴らしい眺望とともに、
すばらしく雑に配置されたナゾの観光オブジェクトが楽しめる。
無論、一緒に上がってきたブサイクなカップル(直球)が
引き続きあちらこちらで過剰なスキンシップや自撮りを嗜んでいるところを観察できますし、
300円で無限におかわり&シェアが許されているかき氷と、
何故かサービスで繰り出される付け合わせの山菜に舌鼓を打ちつつ
お店の看板娘であるところのご婦人の愉快な話を数十分に渡って聞くことができた。

  まさか、コーヒーとかき氷を頼んだら、お通しにフキとタラの芽が出てくるなんて……
  なんて斬新な茶店でしょう。

  Dsc02529

  Dsc02536

  Dsc02542



  ヨ氏「生涯で一番早い時期に食ったかき氷かもしんないっす」


オマケに甲府市警の人事内情や、帰り道で引っ掛かる危険性の高い取締ポイントまで
聞きだすことが出来た。
詳しくはお話しすることは出来ないが、

  「帰りの三叉路で、
   4月に赴任してきたばかりのいけ好かない小僧っ子が
   Tシャツ姿で取り締まっているので3つ数えろ」


である。

  ……どうであるか。ますます『ドラクエ』の祠に住んでる賢者とか、
  『ゼルダ』の穴ぐら老人の助言っぽいではないか。
  ミンナニハ ナイショダヨ。

こうして第一の賢者との邂逅を果たした我々(主旨が違っている)は、
ロープウェー乗り場がチョイ渋滞していたので一本見送ることにし、もう少し山頂をうろついた。
素晴らしい眺望! 謎のすずアトラクション! ブサイクなカップル!
素晴らしい眺望! ブサイクなカップル! 斬新な顔出し看板! ブサイクなカップル!
大満足。

  いや、後半には、BC(略すな)は先に降りちゃったらしくていなかったんだけど。

今回はサラッとさわりだけで書き済ませたが、濃密というか、濃厚というか、
濃縮カルピスを4倍希釈のそばつゆの原液で割って飲むような時間であった。
生きて脳髄に届く乳酸菌。

しかしなんだろうか、
ロープウェー乗り場が行列するくらい人がいたというのに、
あのおバアの店で舌鼓を打っていたのは我々だけだ。
「昇仙峡 かき氷」で検索をかけても、
クソオサレなサイクリストや山ガールの記事みたいなのが見つかるばかりで、
山頂に住む仙人に「入間のコストコの冷凍餃子がウマイ」みたいな話を聞かされた、という記事は
ついぞ見当たらない。
世間の人間は、昇仙峡くんだりまで行ってあの話聞かずに何を見て帰るのか不思議でしょうがない。
また行くからな、それまで元気で待ってろおバア。
今度はそばかうどんか食うぞ。


  ■1日目 : 昇仙峡・仙娥滝と覚円峰


地上に降り立ち、いよいよここからが渓谷としての昇仙峡の本領である。
ダテに日本二十五勝や平成の名水100選、平成百景ランキング2位などに選ばれていない。
本来、山のてっぺんで1時間半も費やすのがイレギュラーなのであろう。
多分山頂で出会ったのも、無形文化財的な何かだ。

本来の順路としては、下流からさかのぼって来て、
最後にこの2大スポットにババーンとご対面する構成なのだろうが、
マ今回の様に、まず上流まできてしまって下っていくのもアリなご様子。

この昇仙峡の2大親分、これがまたすごかった。

昇仙峡の全体的な地域範囲としては「こぢんまり」の範疇なのに、
これら一つ一つのスポットのスケール感は大変雄大に感じさせる、不思議な収まり具合。
しかしこの昇仙峡、本当に素晴らしい景観目白押しで、
独りで来ていたら多分、朝入って夕方帰るくらいの一日いられるコースだった。
きっと、朝と夕方で全く違う表情をすると思う。
近々、また一人で来てしまうだろう。

Dsc02594
Dsc02610
Cdsc02633


滝に対面するといつも思うのだが、滝は体感するものである。
目で味わう情報が占める割合が、他の景観に比して微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感……。

大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。
まさにその、大きな小部屋に小さくなった自分が降り立った感覚を、
しばしの間、全身でまざまざと味わっていた。

続いて現れる覚円峰。
仙人のありがたいお話で時間をとられ、いい加減腹が減って来ていたお二人を、
「もうちょっとだけ先へ」とだまくらかして、さらに下流へ。

  マ言っとくと、昇仙峡はこっちらへんがホントの見どころなのであって、
  山のテッペンで仙人にとっつかまって1時間も2時間も話を聞くのは邪道であり、
  あまつさえそれで疲弊してしまい、滝だけ見て
  「この辺はもう、そろそろいいでしょう」
  みたいな態度に出るのは言語道断っていうか観光協会に陳謝しなければならない。

これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビってはいたのだが……
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛んだ。
切り立った崖に左右を阻まれ、巨岩と共に間を流れる渓流の壮麗なことといったら。
下流に向かって右手側に、一際高くそびえる岩山が昇仙峡のシンボルでもある覚円峰で、
ほとんど垂直に切り立ち、丸みを帯びた頂きは中国の水墨画の様だ。

  あとから調べたところでは、高さは180mあるのだそうで。
  先日登った飯能の天覧山が190mチョイなので、大体同じくらい。
  マそれでも5、6階建てのビル1個分くらいは違うので結構違うな。

Cdsc02641

Dsc02674

Dsc02644


覚円峰の、堂々としつつも秘密めいたたたずまいもさることながら、
突如視界に展開するこの渓流のバランス、風景全体が持つスピード感に圧倒される。
小さくなった自分が、ググッと下流に向けて巻く渦に飲み込まれるような感覚がある。
いやー、面白い。
この風景の中に踏み込む手前、流れにかかった小さな橋の手前でしばらく足が止まってしまった……。
流れの中に転がっている……というにはあまりに収まりが悪い、
巨岩も遠近感をおかしくするのに一役買っている。
某宇宙戦艦の足みたいだな、と口には出さずに眺めていた。
やっぱり、日本の山深い渓流の風景はファンタスティック。
こういう風景に巡り合うと、つくづく、日本には美しい水がたくさんあって本当に恵まれている、
本当に良かったと思うのことでありますよ。

こうして三人、しばし圧倒的な景勝を楽しみ、
いいだけやられて昇仙峡をあとにしたのでした。

モチロン帰り道は、おバアにもらったアドバイスの通り、
三叉路に十分注意し、一旦停止で4つ数えてから発進したのである。

 ▼昇仙峡 
 http://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

 ▼昇仙峡ロープウェイ
 http://www.shousenkyo-r.jp/

 ▼仙娥滝
 https://goo.gl/cwBcRz
 日本の滝100選に入っているらしい。へー(いま知った


  ■1日目 : お昼ゴハン、ひなたにて。

昇仙峡から車で30分ほど下り、甲府市街へ戻って来、昼ゴハンは、「ひなた」。
至ってフツーの食堂である。
ひと月ほど前に一人で甲府を訪れたときに見つけた食堂で、
フツーなのだが色々独特なのだった。
その時は、特に二人をここへ導くつもりはなかったのだが、
今回の宿があまりに店の近くだったので面白くなってしまい、
またお二人が「イケるクチ」なのは分かっていたので、これはもう宿命ということでお二人にお教えした。
結果、昼が遅れた空腹に任せて若干「盛った」二人はそこそこやられ、
夜までの3時間ほど使い物にならなくなった。

お店の名誉のために付け加えておくと、ゲテモノ・爆盛りの類では決してない。
昭和にはよく見かけた普通の、色々とおおらかというだけで、
初期設定をいじりさえしなければ何もおかしなことのないお店だ。良心的ですらある。

Dsc02761

Dsc02764


前来たときは、OL風の女性が二人でゴハン食べていたほどだ。
ただまあ、壁を見てもらえばわかる通り、
メニューが無用に豊富で、
そのサイズ設定がまた独特で、
それを説明したり運んできたりする人物が若干スペシャルである、ということに尽きる。
よく確かめもせず、空腹に任せて盛ったりするからピンチを招くのであって。
ただ、ピンチを招かせるテンションの高まりを演出する空間であることは否定しない。
また、「面白丼ってのはなんなんです?」という問いに対し
「それねえ、作ってる方は面白くないんだよ」という答えを軽々と返してのけるポテンシャル、
人間力は秘めた者の商う店である。
彼もまた、一般的な経済のくびきから放たれた一人の……否、夫婦で一人の賢者だった。
地元の人たちから愛されているにちがいない、素晴らしきゴハンの店だった。

昇仙峡の山頂で年老いたアルパカちゃんが商うジャパリカフェも、
本人の話を聞く限り50年モノであったが、
この店も44年やっているというから……驚きである。


  「普通は、隣のガストに入っちゃうよな……」


店を出てすぐ、どちらかが言ったことばがやけに印象的だった。
ひなたさんのすぐ隣は、"ザ・無難"、"キングオブ無難"、"無&難"など、
数々の称号を恣にする無難の王、無難なメシ屋の代名詞、ガストさんなのである。
うん。
オイサンも、もう少し心に余裕がなかったら違う店行ってたと思う。
しかしあのとき躊躇なく入って良かったと、今でも思っている。


  ■1日目 : お宿にて


ひなたを出たあとは「ホビーショップいちかわ」で2000番のやすりを買い求め、
道すがら発見した「富士アイス」で「アイスを食う。回転焼きも買う」と言い出したヨ氏に
エースの底力を見せつけられたり、地元のスーパーでいくらか飲み物を買ったりして宿に戻った。

宿の部屋が、なんとマーガレットの咲き乱れるお庭のついたはなれだったのには驚かされた。
そりゃ驚くよ。
宿本館の建屋が、縦に細長いコンクリうちっぱだったのを見たときには
大した期待感を抱かなかったが、通されたときはそりゃあたまげた。
お部屋もオッサン3人にはもったいない広さで、
そしてその広い部屋にもさらにもったいない馬力を持つ巨大なエアコンがついていたからもう
いじり放題である。
最初、ちょっとつけたときに「なんかやたら冷えるな」と気付いたのが始まりだった。

Dsc02798

Dsc02804

夜はテ氏お勧めの「かっぽうぎ」なる居酒屋で一献酌み交わす予定だったが、
「ひなた」でやられたのが、この日のとどめとなった格好だ。
結局少しだけ飲みにも出掛けたが小一時間引っかけただけで宿に戻った。
慌てて湯に浸かったあとは、なぜだか部屋で『けものフレンズ』の話題が盛り上がってしまって
まだ見ていないというテ氏をジャパリパークに引きずり込んでフレンズになってもらった。
たーのしーい!


  ■2日目 : 忍野八海


2日目は忍野八海へ向けてスタート。
朝ゴハンはどっか途中で適当な店に寄ろうとしていたが、
結局町なんかすぐ抜けてしまい、途中に町なんかもなく、コンビニゴハンとなった。
コンビニすげえな。
もしこの世界にコンビニが無かったら俺たちはどうなってしまうんだ。
いや、ホントにコンビニすげえよ。

途中、富士山の良く見える広い場所で一旦車を停めてゴハンを食べていたら、
どうやら土地の持ち主と思しき御仁がウロウロと見回りに来たので慌ててその場を離れる不良中年。
クックック…ここがホテルの駐車場だといつから気付いていた……?
最初からですすみませんガラガラだったのでつい出来心で。

忍野八海までは甲府から1時間チョイで到着した。
ち、近い……。
前々から行こう行こうと思っていながらも、家からではどうにもアクセスが悪く
攻めあぐねていたというのに。オクルマは偉大だ。
ジェントル号おまえやるやないか。

そうしてたどり着いた忍野八海はゲキ混みでした。
ゲキ混み
知ってます? ゲキ混みゲキ混んでんすよ(ダイレクト)。
まあこの日から本格GW突入だったし、
出発前に道路状況を確認したら、都市圏は完全に動脈硬化であり超脳溢血であり即死だったので
ワカランでもないけど、ほぼ朝イチからこんなヒトおらんでエエやん、というくらい。

Dsc02854


そしてまあ、ただ人が、普通のヒト、
人生の色々なことをキチンとわきまえた人々が集っておるだけならそれほどでもないのですが、
実にこう、海の向こうの広い大地で自由奔放にお育ちになった
倫理や儀礼を概ねわきまえない方々ですとか、
国内選りすぐりの野生部分を解放したフレンズとかが一山いくらで押し寄せておいででしたんで、
つまりこう、山頂のブサイクカップル的な節操のない者どもがですね、
まあいいや。
まあこう、なんというか。
穢れている。場が穢れている。ねえ。
バブルの頃の日本人も海外でこうだったんだろうなあと思うと、
いわれのない罰を受けているような気になる。俺たちは何もやってない。



しかしそんな人波を抜きにすれば、忍野八海は大変美しい場所でした。



駐車場はどうやら、現地の方々が有志で土地を提供して各々誘導や管理をしてらっしゃるご様子。
ジェントル号も、エリアに入るや否や、腰も曲がって割烹着に頭巾のおばあちゃんが、
非常に緩慢な動きでコッチダヨーコッチダヨーをやってくれたので、流れるように入庫。
あの手の動きはもしかすると、その招き通りに動かずにはおられない、
魔のリズムでも体得したものだったのかもしれない。
とはいえまあ車のサイズやなんかの難しいことは完全無視で、
来るクルマ来るクルマ片っ端から招き入れていくスタイルなので
入庫にはそれなり以上のスキルが求められるご様子。我々のドライバーは天才で良かった。
駐車料金は、協定でもあるのか、どこも一律終日300円で統一されているらしい。

Dsc02946


遠景には、ちょうど良いサイズの富士山がどっしりと控えて
人間が悪さをしないように常に見張っておられます。
アレに見張られていたのでは、そうそう悪いことをしようという人間は育たないのではないでしょうか。
そしてその富士の裾野を染みて伝わりわき出しているらしい水の美しいこと。
中でも、水深8mにいたるという、村の中心部に位置する最大の湧き出し口を眺め下ろすのは圧巻であった。

Dsc02886

Dsc02899


これでもっと人が少なく、こころ静かに見られたなら……。
今度はどうにか頑張って、オフシーズンの平日に来よう。
人が少なければ、本当に鄙びた昔話のような風景の中を歩くことになると思う。
飛騨に並ぶ、THE・日本の風景(イメージ)を見ることが出来そうな場所だった。
小川沿いに延びる土の小道の並木など、ほとんど手の加わっていない様子で魅力的だった。

水回りについては思い描いていたよりアトラクション化されていて、
富士からの伏流水が自然にわき出す様や、
とうとうと流れるところをめでることが出来ることを期待してたので、
その辺はちょっと残念ではあった。


  ■2日目 : 忍野八海、名泉そば製麺所


サテ、昼ゴハン。
メインスポット周辺で何か食べられそうなところは、砂糖に群がるアリのごとき人だかりとなっている。

ヨ氏が、子どもの頃の記憶だがと前置きをした上で
「もっとはずれの方にそば屋があったと思う、そんなに立派じゃないプレハブみたいな……」
と、いかにも我々向きの情報を出してきた。
もう20年も前の記憶らしいが、こと食い物に関しては、
なんなら母親の腹の中で食ったもののことだって覚えていそうな男の言うことである、
その言葉を信じ、鄙びた村の中でもさらに外縁へ外縁へと歩いて行くと、
(マそれでも、観光客はいなくはならないんだけど)……あった。
それっぽい、プレハブっぽい建物。

  ……今こうして振り返りながら、今回の旅はしみじみと『ドラクエ』っぽいと思う。
  「なかまに案内されて村の外れまでついていくと、
   秘密のお店が開いていて、そこに話のキーになる怪じn……賢者がいる」


っていう。ドット絵で描かれた自分たちが見えるようだ。

Dsc02929


詳しく説明すると長くなるが、この店も甲府の「ひなた」と同様、
いにしえの時代……30~40年前の怪人g……否、賢者が打ち立てた独自のシステムを守り続ける
けったいn……否、優れたお店であって、またも一人の怪人に出会うことになった。
食欲のお導きである。
順を追って話すと長くなってしまうので、この「名泉そば製麺所」のモヤモヤpointを以下にまとめておく。


 ▼「名泉そば製麺所」 モヤモヤpoint
  ・食堂ではなく、製麺所である。
  ・従って、客は「おしながきを見て注文する」ことは出来ない
  ・この「製麺所」で作られた麺(そば・うどん(太・細))をおみやげとして買うことが出来る。
  ・おみやげの麺を買った客は、「サービスとして提供される、茹でたそばとうどんを食べることが出来る」
  ・茹でて食べさせてくれるのは、お客がおみやげとして買った物ではない。あくまでサービス分。
   買った分はそのまま持ち帰ることが出来る。

この謎のシステム……仮に「お土産を買ったら食べられ~るシステム」と呼ぶが(直球)
味見、試食の様なものとも、また異なる。
あくまでも購入後の「お客さん」にしか、「サービス」は提供されないから、説明が難しくなる。
お母さんも、その辺のシステムと「サービス」という言葉をことさら強調して、
訪れては首を傾げる客に対して絶えず説明していたが、ちょっと難しいと思う。
このシステムを理解するのに随分時間がかかってしまった。
「食堂とどう違うのか」とか、
「買ったお土産の麺をこの場で茹でてくれるのだろう」とか、色々と誤解を経た。
システムを理解したあとでも、
「いったいどういうマネタイズシステムなのだ」と、テ氏は頭を悩ませていた。

この、「540円で7食分買えて、且つそれとは別に1食分その場で食べられる」というのは、
現地のいわゆるフツーのそば屋と比較しても、相当お値打ちであった。
カタカナビジネスタームが大嫌いな我々でさえ、
「キミ、このプロジェクトのKPIはどうなっているんだね?」と聞きたくなるほどだ。

ここでも、お店を切り盛りする賢女との小粋な丁丁発止があったのだが、
細部はまた別記事で書こうと思う。
こちらのお母さんも、さすがこの世間の経済的なやり方に完全に背を向けたシステムを編み出し
30年から維持してきているだけあって、一筋縄ではいかない切れ味のトークの持ち主であった。
おいしいそばとうどんを頂きつつ、むやみにゲラゲラ笑っていた気がする。

  ▼忍野八海 名泉そば製麺所
  http://tokyosanpopo.com/archives/13634


  ■旅の終わり


帰りは、国道413号、通称道志みちを通り、東への帰途を辿った。
目立った混雑はなく、逆に西へ向かう車の数が目立った。
やたらと運転の上手い、速いAQUAとRX7が先導してしてくれて、
テ氏的にも面白い道であったようだ。
チョイチョイ、アグレッシブなカーブ、テ氏言うところの「爆笑コーナー」なんかがあったりして、
軽快な横Gを体に感じながらの家路だった。

途中、以前パパさん&湘南大巨人と訪れた「道志の湯」にて風呂を浴びた。
昨晩は、ひなたストライク(超必)を食らって夜までロクに動けず、
ようやく動けるようになりちょっと出掛けて帰ってきたらあっという間に風呂の時間がオシマイで、
ゆっくりと湯に浸かれる時間もなかったから、
足を延ばしてノンビリ湯に浸かることが出来てなかなか良い塩梅だった。

Dsc03003


ここでは、怪人は特には出てこない。



……マそんな感じで。



昇仙峡、自分で言い出したものの、「こんな普通の観光地で大丈夫かな……」と正直不安だったのだが。

  イヤ普通は普通の観光地に行くのが旅行だと思うけど。

色々予定の変更や、予想外の出会いがいっぱいあって、なんとも大満足な旅になった。
怪人たちは、旅を彩ってくれたということ以外にも感ずるところが多々あって、
……それも、あとで詳しく書こうと思うのだけど……
たった2日間、36時間の旅だったけれども、十分すぎるサイズと濃度の旅だったと思う。
イヤハヤ。
こんな旅はなかなかできないのだろう。つくづく、自分は幸せ者だなと、しみじみ思う。

出会った人たちの人生が幸せなものであることを、僭越ながら心から願わずにおられない……
……マ連中は、オイサンたちなんかよりきっとよほどの手練れであろうので、
願わなくても幸せに違いないのだけど。
彼らはハピネス強者だと思う。羨ましくなるほどに。

  ……あ、ブッサイクなアイツらに幸せはまだ早いので、先ずは3週間! お試しいただき、
  その後キッチリ別れたあとで幸せになってもらいたいです。

途中、津久井湖で一旦休憩をしたあと、
コレ言った渋滞や混乱もなく、関東へは無事に帰り着くことが出来た。

三々五々に別れたあと、「ひなた」で聞いた
「面白丼には目玉焼きが3つ乗っている」
という話が忘れられず
(他にも色々乗っていると聞いた筈なのだが、最後に聞いたそれがインパクトすごすぎて忘れてしまった)、
どうしても目玉焼きが食べたくなって、
近所のメシ屋で定食に目玉焼きを追加して、
ワリとしっかり目にゴハンを食べると、帰ったら倒れるように眠ってしまった。



素晴らしき、そして幸せな旅でありました……ぐうぐう。
今回はサワリだけを軽めに書いたけど(それでこんな行数になっちゃったけど)、
違う機会に、エゲツナイ部分もミッチリ書く。



次でラスト、2017年のゴールデン・ウィーク最後の4日間。
まったりしつつも、モノ思う豊かな時間。

オイサンでした。



 

|

2017年5月20日 (土)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その1~ -更新第1124回-

今年のGWは長かった。
オイサンの勤め先も、よーやく人並みに
"5月1日・2日は有給休暇で埋めることをおススメする"
などとしおらしいオサレなことを言い出したので
なんだオイいよいよ潰れるのか? 明けて出勤したら更地になってるとかないだろうななどと
職場内が騒然となったのだが(大げさな表現)、
もはやそのGWの息の根も止まりかけ、これを書き始めている5月の6日の今となっては
ドキドキとワクワクが詰まったワンダーランドの心持ですが(何言ってんだ)、
皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうね?
とりあえず日記メモとして、この世紀の9日間のことを簡単に書き留めておこうという次第。

Dsc02403



 ▼04/29~04/30
   5回目の飯能へ、1泊2日。
   特に目的はなかったが(ないんかい)、
   吾妻峡を歩くのと、龍崖山を登れたら登る、というくらい。
   どちらも「まあその気になれば」くらいのつもりでいたが、結局どちらもやった。
   得た知見は、「水辺でバーベキューやるのは許せるが、音楽をかけるやつは許せん」
   ということです。

 ▼05/01
   特に予定はナシ。
   かばん(リュック)を新調し、ネオかばんちゃんと化す(化さない)

 ▼05/02~05/03
   3紳士ーズで1泊2日の甲府旅行。
   国道411号を使い、八王子~奥多摩~甲府・昇仙峡~忍野八海。道志みちで帰る。
   毎度のごとく、奇跡のようなロクでもない出会いが次から次へと襲い来るミラクルトラベル。
   山梨なのに水辺に親しんだ旅だった。

 ▼05/04~05/05
   特に大きな予定は無い日々。
   1日はネオ百合が丘のオサレ喫茶でスコーンを食べて鶴川まで歩き、
   もう1日はお馴染みの喫茶を梯子して書き物をし、HDDの整理をして日が暮れる。
   いずれも天気が大変良く、無意味にお写真を撮ってしまうが、まあ案の定ロクな結果にならぬ。

 ▼05/06
   後半のイベントデー。19時から新宿で朗読劇を観る予定。
   先日の舞台『ペルソナ3』で風花チャン役をやった田上真里菜さんを目当てに。
   ついでに母の日の贈り物を選んだりする。
   早い時間に都心に着いてボンヤリ時間を過ごすつもりが、
   都心のうるささにすっかり疲弊してしまい、結構なダメージを負う。もうだめだ。
   そんなつもりもなかったのに、都庁の展望台へ登ったり、ラーメンを食べたりしてしまう。
   休日の新宿だというのに、ヒトの少ないことに驚く。

 ▼05/07
   最終日もこれと言って予定はナシ。
   ドトールにこもり、筋トレをしてジョギングをし、また別の茶店にこもる、
   という妖怪喫茶ハシゴじじいとしての責務を果たす。

マ上で「予定がない」としている日は、何もせずボンヤリ暇にしているわけではなく、
「いつも通り書き物をしている」のである。
そして喫茶店にこもっているときも書き物をしているので、
ワリと24時間頭の中で何かがダンスしている人だった9日間、であったと言えよう。

でも、毎度の長い休み様に、予定をきっちり考えて旅をして、
ビキビキとエネルギッシュに過ごす日々ではなかったためか、
ポンヨリとした休みだったように思う。



■■■ 序盤・その1:04/29~05/01 ■■■



当初の心づもりでは、この3日間をかけて群馬は伊勢崎へいくつもりだった。
そう、天下の超人気アニメ『日常』の聖地巡礼である。
だが、なんとなくだるくなった(ヒドイ)のと、
中盤2日間の甲府の旅に向けて1日は温存しよう、という気になったので、近場の飯能で収めることにした。

伊勢崎へは八高線を踏破して向かう気であったので、その途中にある飯能に目が付いたのと、
マあとは……新幹線や特急に乗らなくてすむので、安くつくのである。
飯能。
近いんだよ。あとここなちゃんがいるし(いません ← いるわボケ ← うっさい見たんか)。

Dsc01985



目的らしい目的は特になかったが、
吾妻峡の水と新緑を眺めようということと、
飯能三低山(いま勝手に命名)のうちで唯一未踏で残っている龍崖山へ、
……マ気が向いたら登ろうかな、というくらいのつもりであった。



初日は16時くらいに着いて、ほとんど何もしていない。
目当てのうどん屋が閉まっていたので結局日高屋でゴハンを食べることになって
地味にへこんだくらいである。
いるかその情報?
おかしな日高屋で、ガラス越しに隣のボーリング場の様子を観戦出来てしまう、
やってる側からすれば無料で見世物にされてしまう地獄の動物園仕様であった。
それは言い過ぎだろう。
降るはずではなかった雨に見舞われて空気がしっとりしていた。

2日目は、早朝からいつもの天覧山へ登り、昼からは飯能河原を渡って吾妻峡へ。
すっかり見慣れた景色だが、キレイなモンはキレイだ。

東飯能駅の東側や、秩父へ向かう池袋線沿い辺りは初めて歩いたが、
朝の八幡神社がやけに美しかった。
あと謎のつぶれたての模型屋を見つけたりする。気分しっとり。


Dsc02045
天覧山。変わらぬ眺望

Dsc02011
八幡神社。ゆる狛犬。

Dsc02037
八幡神社。光がきれい。

Dsc02004 Dsc02006 Dsc02005
つぶれた模型屋3連発。時代であるが、つぶれたのは最近。


しかしGW初日とあって、すっかりウェイなウェイ民が河原でウェイウェイBBQなどを嗜んでおられ、
マそれは別に構わんのだけども、
肉や野菜を焼くのはともかく、大きな音でしょーもない音楽をかけるのは、それは必要かね!?
と言いたかった。
必要以上にうるさくする意味がどこにあるのか。川のせせらぎに耳を傾けたまえよ。

お昼ゴハンは、吾妻峡へ向かう途中の、橋のたもとにある名も知れぬ小さなうどん屋でいただいた。
特別なお店ではなかったけど、ひなびた感じの良いお店だった。
テーブルごとにおいてあるお品書きが、コピーでなく全部手書きだったのに驚かされた。
全部を確かめたわけじゃないけど……周り3つが全部ちがってたので、多分そう。
結構な落としのお婆さんとおじいさんでやっているお店だったので、
きっと「コピーをとる」という発想そのものがないのだと思う。
あるにしても、それは「特別なこと」の部類なのだろう……。
なんていうかね、そんな味がするお店だよ。わかるでしょ? わかれ。

Dsc02152

Dsc02153

Dsc02155
じいちゃんばあちゃんでやってるうどん屋。最高のロケーション。


吾妻峡を渡り切ってからドレミファ橋を西岸側の道へあがり、
龍崖山への道を探しながら上流方面へ結構歩いたが
見つけることが出来なかった(調べとけや)。
おかしなオブジェクトにはいくつか巡りあったがそういう出会いは求めてねえ!


Dsc02214
今にも「よく来たな!ここを通りたければクイズです!第一問!」って言いそうなオブジェ。


吾妻峡では、久しぶりにオタマジャクシなんか見たな。
そこそこ歩いた先で橋を渡って折り返し、川の東岸を下って、
またドレミファ橋の地点から西側の道へ上がって今度は町の方、
下流方面へ向けて歩いていたら……あったあった、龍崖山への登り口。

Dsc02200
水清き飯能。さいたま侮りがたし。

Atrdsc02207
オタマジャクシ。何十年ぶりに見たかな。



しかしこの時点で既にそこそこ歩いて体力を消耗しており、時間も……
どうしたものか思案したが、
さっき食べてしまった謎のジェラート屋のジェラートのカロリーが気になってしまい、
とりあえずちょっとだけ登ってみることにした。

 ▼龍崖山 ハイキングコース
 http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=31678

デ後悔することになるのだが、龍崖山、山頂まではすぐなのだ。
15分も登らないのではなかろうか。
そこから南側の龍崖山公園方面へ降りようとすると、
下っては登り、下っては登りを繰り返すなかなかスパルタンな下山となるのだった。
その道の付きようは、なるほど東洋の胴長龍が寝そべって削れた痕のようで、
龍崖山とはよく言ったもんだと正しい名の由来など知らずに感心したものだった。

山を抜けてからも、すり鉢のような公園の底からグイグイ坂を登らされ、
丘の上にあたる住宅街を抜けて飯能の市街地に出るまでがまた長く、
結局、そこそこの日差しと気温の中を4時間半近くも歩かされて大変疲弊する結果となった。

Dsc02225
龍崖山山頂。まあ大した眺めじゃありません(ヒドイ)
Dsc02231

Dsc02246
かつて古代文明において、テトリス的な何かが行われた跡。




ただ、その坂を下る途中で思ったことは今後の課題になることだったので、
こことは別でまとめて考えようと思う。




Dsc02237


今回の飯能でも、またここなちゃんには出会えなかったが、
意外性のある楽しい飯能だった。

そうそう、宿の鍵のお尻のところが何故かパックリと割れて外れる仕様になっていたのが
妙におかしかったな。
フロントで預けるときに「これなんでこうなってんの?」と聞いたら慌てて
次受け取ったときには外れないように直っていたw
別に直さなくてもいいのに。

この日、朝の天覧山への往復も含めると、
踏破距離はどうやらざっくり見積もっても20㎞近くなるようだ……。
山道こみで、トータル6時間チョイ。




帰り着いたときは
「そんなに高い山に登ったわけでもないのに、なぜこんなに疲れているんだ……。
 これが老いというものか……」
って凹んでいたけど、そら疲れるワケだよ。普通疲れるよ。



■■■ 序盤その2:05/01(月・祝) ■■■



5月に入っての1日目は、特に予定はなかった。
日々の些事をこなして、明日からの旅に向けて鋭気を研ぎ澄ます。
前日、山から帰って倒れるように寝てしまったので3時半とかに目を覚ます。

関東近辺の空模様が、昼から突然大雨になる、みたいな予報だったので、
外をうろつくのは午前中に終わらせてしまい、
午後の時間帯にはなじみの喫茶店にしけこんで、
雨の音を聴きながら書き物でもしよう、と雨まで予定に組み込んでみる。

AM、となり駅までカバンを見に出かけた。
あとは、夏山向けのいでたちも整えられたら……と思ったが、
山の衣類なら海老名のモンベルまで行った方がよかったな、と思い直す。
近いうちにそっちも見に出かけよう。

郵便局にお金を引き出しに寄ったとき、
そういえばキャッシュカードが割れかかっていたことを思い出し、
平日で窓口も開いている上アホみたいに空いていたから気まぐれにうかがってみたのだが、
印鑑がいる、と言われて結局処置は出来なかった。マそうですよね。

ハンズが開店直後で、入り口にお出迎えの店員に頭下げられて居心地が悪かった。
こんなオッサンに頭下げんでもエエんやで。そういうことするからアホが勘違いするんやで。

ハンズでは大した収穫がなかったが、
次に行ったスポーツショップでナイスなリュックに出会えた。
今使っている、solo touristの10Lサイズではちょっと容量が足りなくなっており、
それとよく似たデザインの20LがColumbiaから出ていた。
お値段もそこそこだったので、お試し気分で思い切って買ってみる。
取り回しが良ければ良いのだが……この9連休で感じたところでは、もう一歩というところ。
そもそも、リュックという形状が自分には合わんのではないか、という結論にも至りそうである。


Dsc01999
「あらおつかれさま。イッパツ抜いてく?」と言っていることは明らかな、
飯能のナゾ看板。



予定よりも少し早めだが自宅へと引き返して歩く途中で、
ポツリ・ポツリと雨だれに当たり始めた。
イカン、間に合うつもりで布団が干しっぱなしである。
足を速めて帰り着き、ギリギリセーフというタイミングで取り込むことが出来た。
色気を出して、途中のパン屋に寄ったりしなければ完全にセーフだったのだが。

その雨は前兆に過ぎずすぐ止んで、本番の大雨はまだやってこないようだったので
その隙に駅前のひなびた喫茶へ滑りこみ、ドンガドンガ言う雷を聴いて過ごした。
客足も少なく、まあ良い時間であった。
ただ、店でかかってたCDが、つるのナニガシのカバーアルバムでなんとなく気が散る。



Dsc02154
うどん屋さん、窓辺のいちりん挿し。ほっとする、はっとなる。



まだまだ長くなるので一旦ここらで切るか。
次は中盤戦、連休もクライマックス(早いな)3紳士ーズでの甲府・昇仙峡一泊旅行です。
ボルテージは早くも最高潮!(無理やり)


オイサンでした


 

| | コメント (0)

2017年5月 2日 (火)

■最後の仮面の向こう側~舞台『ペルソナ3 the Weird Masquerade 第4章 藍の誓約』感想 -更新第1123回-

アスミンが主演を務める舞台版『ペルソナ3 the Weird Masquerade』の最終公演を見てきた。

「最終」と言いつつも、今回は第4話「藍の誓約」と第5話「碧空の彼方へ」が同時公開で、
両話とも男主人公版・女主人公版があり、1週間のうちに各版4公演ずつあるという超変則公演だった。
まとめると、

 ・第4話 男版:4回 女版:4回
 ・第5話 男版:4回 女版:4回

の16公演ということになる。すげえな。
主役のアスミンや蒼井翔太くん、他のダブルキャスト陣は8回だけだけど、
共通キャストの人は……混乱しないのかね。

最終話についてはチケットが取られず、当日券が出れば……くらいのスタンスでの観劇となったのだけど、
この舞台は毎回期待以上に楽しませてくていたので、
2014年に初回が演じられて以降3年半、毎回見続けてきた者としては
最後だけが見られないのは惜しいと言えば惜しい気持ちではある……が、
マしゃーない。

という都合で、感想を書けるのは第4話のみということになった。


■舞台『ペルソナ3 the Weird Masquerade 第4章 藍の誓約』感想

 ▼全体的なお話の構成と、ちょっと無理を感じた脚本

全体的にザックリいってしまえば、
これまで通りのパワー溢れるお芝居で存分に楽しめた。
CG演出への依存度が若干高まっていたようには思う。
CGを使う頻度という意味ではなく、CGで舞台に投影されるものの具体性が上がっていた。

今回のお話で、みどころを大きく背負っていたのは、

 1)順平とチドリ、恋の悲しい行方
 2)風花、自分の居場所と他者を信じるということ
 3)アイギスとリョウジとヒロイン、デスの覚醒

の3本です! サザエさんか。

3)のデス覚醒は、
今回のメインというか次の最終章(つって同時に上演してるんだけど)へ導くためのエピソードであったので、
メインは1)と2)、ということになるのだが。
2)の風花のエピソードに関しても……正直、「ソレ今やること?」という気持ちがないではない。

課外活動部のデータセキュリティを甘くしてしまってストレガにデータを盗まれ、
自分のことを役立たずと責めて居場所の心配を始めてしまう風花と、
彼女と深い付き合いを始めた女子友だちとの別れのエピソードであったのだけど、
そもそも、風花自身も既にそれしきの失敗であのメンバー内での居場所を失ってしまうかも!
……と心配するほど、自分の基盤を弱いものだと思っている節もなかった
(様に見えていた)ので、「私、また居場所をなくしちゃう!」と言い出した時は、
何のことを言っているのか分からず、唐突に感じた。

あそこに説得力を持たせるには、もう少し、
彼らの中になじみ切れていない風花の姿であるとか、
張り詰めてミッションに当たる彼女の姿を印象付けておく必要があった……と思う。
全体を通して見ても、今ここでこのエピソードってどうしても要ったかしら?

確かに、オハナシ的には1)の内容との絡みも若干あって、
「ストレガの再始動するきっかけ(ハッキングによる情報獲得)を見せて、
 チドリが離れていき、順平のエピソードが盛り上がる」
っていう流れが欲しかったのかも知れぬ。
「ペルソナの覚醒」も、必要な事情としてあったかも知れぬが、
ゲームではないので敢えてそこまでこだわる必要もなかったようにも思う。
ラストエピソード手前で、こうまで時間を割いてやる必要があったのか。
脚本家は全開までの段階で大きな決断をしても良かったのではないかと、
他人事ながら思ったりもした。
物語もコトここに至っては、この問題のスケールは随分小さいと思うし、
終盤のここに配置するには、ちょっとアンバランスだった。

  マ、田上さん演ずるところの風花チャーンをたくさん見られたんで、
  個人的にはいいんだけど。

ストレガの2人はもう、前回までの内容で死なせておいて
(=退場してもらって。実際自分はもうアレで終わりだと思ってた……)、
シナリオ全体をシェイプアップさせても良かったんじゃないのかなーと思う。
最終章で彼ら2人がどれだけ必要とされていたか、
見られなかったオイサンにはわからぬけど。
チドリを手にかけるのがストレガでなければならないということもないと思うし、
どうにか前回までに収めてしまって、
今回はラストエピソードに集中してしまった方が良かったんじゃないだろうかな、
と、見ていて思った次第。

というのも、順平・チドリのくだりと、デス覚醒のくだりをいっぺんにやらすのはキツそうに見えたし、
実際見ていてキツかった。
「キツい」というのは……
「感情の上限を、短時間にあのレベルで2回振り切ることは、自然には出来ない」
と思うんですよね。
順平がそれに対応しきれないし、
そうなると(今回)順平に心を預けている観客も対応出来ず、
ある意味、ニュクスの件に関しては観客は置き去りを食らわされたと思う。
チドリの件で感情を振り切り切った順平に、あの短い時間もうちにもう一度
ニュクスの絶望で振り切れと要求するのは、さすがに無理がある。
ワンクッション、違うエピソードを挟む必要があった。
そのせいで、せっかく大人になりかけた順平がまた早速アスミンにぶち切れるのは、
「お前どないやねん……」と、ちょっと呆れてしまった。
脚本、ちょっと無茶したな。
なんとなく、
「本来はやる筈じゃなかったところまで、
 ここまできたんだから欲張ってやってしまおう!」
っていうことで後から付け足した、
みたいに見えてしまった。

  演劇として、要らないところは切ったらいいのに。
  ゲームや原作のまま全部やる必要はないと思うんだけど。


 ▼あり得難い感情と、歌えない歌、その向かう先について

今回、風花のエピソードを主として、
「友だちだから信じる! 仲間だから助け合う!」「当たり前じゃない、友だちなんだから!」
押しがなかなか激しく、そういう感覚を持ち合わせない自分はキツかった……。
ああいう歌を歌える役者さんは、やはりああいう感覚を身体的に持ち合わせているんだろうか?
オイサンは社会通念以上の意味合いでは「友だちだから・仲間だから」的な感覚は持ち合わせないし、
社会通念である以上、ああいう形で言葉や振る舞いに表すのもなんだかチガウ、と感じるので、
あれを堂々とやられるとウワッとなる。

自分には歌えない歌だなあとつくづく思うが、
役者さんたちは、確かな手ごたえのもとにあの歌を歌っているのだろうか……。

  面倒な話になるけど、
  オイサンは「他者を信じる」ことが出来なくて「他者を諦める」ことで対処しているのだが、
  つまり、
  「自分じゃなく、他人のすること・考えることなんだから、自分の感覚に引き寄せることは出来ないので、
   諦めて任せて好きにやってもらって、自分にとっても良い結果が出たらメッケモンである」
  くらいにしか思っていないのだが、
  それは彼らの言う「他者を信じる」こととはやはり違うだろう。

またそれとは別に、今回劇中を支配した大きな心・感情として、
「自分の命を捧げて順平の命を救った(蘇生させた)チドリと、救われた順平」と、
「デス(ニュクス)の降臨による、絶対普遍的な死の訪れとそのことへの絶望」とがあった。
劇中の彼らは存外あっさりと、それらの超自然現実的な出来事や未来を「事実」として受け止め、
感情に転化していき、
観客の大半も(恐らくは)その劇中の事実を受け入れて、人物たちと共に涙し、
恐れ、絶望していたと思うのだけども……
そのような「現実上起こり得ない感情」を「模倣すること」と、共有し、処理していくことの表現というのは……
この先、どこへ向かっていくのだろうか?

  まあ単純に言えば、「自己犠牲が出来るくらいの愛への畏れ」と、
  「誰にも等しく必ず訪れる、死への恐怖」を象徴したものでしかないので
  そんなに特別な感情でもないはずなのですが、
  オハナシの都合上、キャラクターたちはそれ以上の出力で感情を爆発させることを求められ、
  そこに説得力を見いだされなければならなくなってる。

まあ、伝統芸能であるところの能や歌舞伎にしても、
モノノケ・アヤカシの類に対して人が抱く感情を取り扱ったものが大量にあるので
今に始まったことではないのだが、
ここで形作られた、過剰に水増しされた感のある極端な感情のつかいみちってなんなんだろう? と、
フッと考えてしまった。
娯楽である以上、何かの役に立たなくてはならないということは別にないのだけれども、
表現者、芸術家である役者の方々の目指すところに対して、
その技量、あり得ないかも知れない人間の感情を再現する能力、技術というのは、
やはり価値のある物なんだろうか。

とまあそんなことで、
作品としてのパワーは相変わらずあったのだけれども、
緻密さ、繊細さという意味では、前回の第3話には若干譲る感じになってしまったな、
と感じた。
前回が良すぎたな。

  関係ないけど、ニュクスに対する絶望っぷりについては、
  オイサンはゲームプレイ時、ニュクスとのバトルまでにレベルがMAXの99まで上がってしまっており
  (どんなプレイをしたらそんなになるんだ)、
  ハルマゲドン連発が出来て(確か出来てたと思う……もう10年も前のことだから忘れてしまったが)
  ほぼ無傷で瞬殺上等だったので全然怖い思いをしなかった、
  作業の様に屠った覚えがありまったく恐怖を感じなかったため、
  主人公たちの絶望を共有できんかった。

 ▼役者さんたち

相変わらず順平役の大河元気くんがお気に入りなのだが、
今回はアクション薄目だったのでアクションのキレが見られず残念。
そして前回も書いたけど、やはり風花as田上マリナチャーンがいいですね。かわいいですね。
まあ前回も書いた通り、田上さんが、というよりは田上さん演じるところの風花がいい、と、
自分は感じているのだと思います。多分。

  ▼前回の感想
  BE YOUR TRUE MIND. ~舞台『ペルソナ3 第三部・蒼鉛の結晶』に酔いしれる -更新第989回-
  

最後のあいさつで、アスミスが風花チャーンを引っ張り出してくれたのが良かったですね。
あとラストの歌でキャスト陣が客席まで出てきたとき、
真田先輩とアイギスZAQちゃんがワリと近くまで来てくれて見応えあったです。

  ついでに、本当に風花as田上さんがいいのか、田上さん単体がいいのか、
  検証するために田上さんのお舞台を一発予約しました。


  ▼声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選vol.4「三四郎/門」「それから」
  http://anime.eiga.com/event/117312/



そんな感情爆発が起こる中で、地味に存在感を示していたのは真田先輩だった。
今回脚本上は、事実上見せ場ナシだったにもかかわらず、だ。
真田先輩、すごい良かったなー。

感情を爆発させるシーンがなかったというだけかも知れないけども、
淡々と、ことが起こっても抑えた芝居をしているのが伝わってきたし、
文字通り、あのメンバーの精神的な支柱になっているのが見ていて分かった。
脚本的な出番は同じ位置にあったはずの美鶴先輩にはそのような感じはなかった
(若干、真田先輩の方が優遇されていたが)ので、
演技プランの問題なのか、
或いは単純に舞台上での見栄えの問題なのか、分からないけれども。
アクションも、大きな見せ場もなかったことを考えると、やはり地の部分の芝居が良かったんだと思う。
大変存在感がありました。
これで真田先輩まで、「出番はないけど俺が俺が」の芝居をし始めたらしんどかったろう。
お見事でした。
しかし、今回、真田さんは以前にも輪をかけて細くなってたように思うが気のせいだろうか?
相方の天田君がめっちゃデカく+若干太く(? 多分)なってたような気がしたので、
そのせいもあるかも知れない。子役はキツイだろうね。
そりゃ、第1回から3年も経ってればね。成長くらいするさ。


■その他、お芝居以外の部分で

開場を待つ間、ロビーで物販を眺めつつ、なんでこんなにブツがクソ高いんだ! と思っていた。
缶バッヂが2個500円(ガチャでランダム)。
パンフレットが2000円。中身は実質、イケメンの写真集。
小さ目の布タペストリーが9000円……と、

布地が少なくて値段がハネ上がるのは
         
女子の水着だけの特権のはずだろう!!


と憤慨していたのだが(そこでか)、
舞台を見て、確かにこの芝居はカネかかるな、とも思う。

歌や曲は作らないといけないし、CGも、多分新しく作っているのだろうし……。
そもそも、小屋のシアターGロッソのキャパがそんなにないから
座席代だけでは回収し切れないのかも知れない。

しかも、
録画用のカメラが設置してあるかなり良いセンター周りの席が20ほどツブされていて……
「あそこ座らせればいいのに……」とずっと思っていたのだが、
客を入れるよりも、しっかり録画をしてDVDにして売った方が良い稼ぎにはなるのだろう。
……しかし、それって……お芝居として、演劇としてどうなのよ、という憤りはある。
お芝居本来の醍醐味である生の観劇をしたい客層を犠牲にして、DVDに回すのか。
……などという、旧態依然としたことを言う人間がいるから、
いつまでたっても演劇人が演劇で食えない、という現実もあったりするのかも知れぬな、
ということは、こうして書いていて感じたりもするが。
でも、オイサンは……演劇は生で見たいし、見て欲しいなあ。
役者さんが目の前で声を張ってるのって、やっぱりいいものだよ。

音声にマイクを使うのも4回見て来てようやく慣れてきたけど、
やっぱり声も、生声でやって欲しい、耳に届いて欲しいという気持ちは今尚ある。

しかしイマドキは、お芝居もCGやらプロジェクションマッピングやら
駆使しなきゃいけなくて大変だなあ……。
大学の演劇部とか、小劇場系はどうなってるんだろう?
小劇場でもああいう装置は普通に使うようになっているんだろうか。

しかし、演劇。
オイサンがかかわっていた頃は、
人間の生身の表現力を鍛えるための場であった舞台演劇の世界が、
そういう「装置」への依存度を高めていくことへは、やはり若干の不安と違和感を覚えざるを得ない。
それはたとえるなら、文芸の世界で、挿絵や図が大量に使われるような、
ハイパーテキスト化して音楽まで流れてしまうような……そういう不安と違和感に似ているわけだが。
演劇批評界隈ではその辺の危惧は今現在どういう扱われ方をしてるのだろうか。
きっともう決して新しくない「いまさら何言い始めてんの」くらいの題材なのだろうけど。
そういう意味で、2.5次元というのは難しいな、と思う。
人間以上、非人間未満の、肉体と感情のあり方を、リアリティを持って演じなければならないというのは。
思いのほか、線引きの難しい世界であるように思う。

 ▼腐女子たちのラプソディ

あと面白かったのが、
このお芝居のメインの客層であるところのお若い女性陣の、
しかも俳優好きで見に来られている方々の文化だった。

このお芝居の客層、ざっと見渡したカンジ、7、8割が若い女性の様にお見受けします。
まあ彼女らもオイサンらの様な二次元オタクと同様、
2.5次元の物品を買いあさっておられるワケですが、
山の様な缶バッヂをですね、あの、プラスチックのドキュメントケース、
あれにぎっしり敷き詰めて持ち歩いておられるんですな。
皆さんそうして持ち歩いておられるところを見ると、ああいうトレンドなんでしょうね。
誰かが思いついて始めたのが、きっと広まったんでしょう。
面白い。

あと、かばんに大量にその缶バッヂを付けて歩いてる御夫人もおられたのですが、
そのためのカバンなのでしょう、
缶バッヂを保護するナイロンカバーの層が標準装備されていて、
すげえモンがあるな! 見たことないカルチャーだ!
と、ちょっと見てて面白かった。

そんでまあそれをロビーのあちこちでトレーディングされていて、
なんかこの、たくさんの人が集まってプラスチックケースを開けたり閉めたりしてる光景、
どっかで見たことあるなあと思ったら、
ミニ四駆のパーツをとっかえひっかえする男子小学生でした。
なるほど。
あとは、釣り人とかね。


■Closing


とまあそんなことで。
足掛け4年、ずっと見続けてきた舞台『ペルソナ3』もこれでおしまいでございます。
いやー、……長いシリーズだったな。思えばすごいことだ。
初めて見たときはこんなに長く続くものになるとは思わなかった。
やり続けたスタッフ・役者陣もすごいが、見続けたファンもすごいな。
オイサンは……友人ぺ氏がチェックし続けてお誘い下さったから続けられたけど、
ひとりだったら最後まできていたかどうか……
2回目くらいまでで終わっていたんじゃないかと思う。
決してお安いものでもないですし、場所が都心という最も苦手とするアウェイですし。

初回を見たときは、
まだ2.5次元的なものを見慣れていなかったせいもあり
マイクによる発生・CG、プロジェクションマッピングによる演出に違和感があり、
また実際お芝居自体にもそういうものを使った演出のこなれていなかった部分が残っていて
完成度が高いとは言い難いものでもあって、「ちょっとどうかな」と思っていた。
しかし2回目ではキッチリとその辺の違和感を覆す熟練が見え始め、
3回目では見終わったときに「気持ち良かった」と思わせるほど円熟の度を増したものを見せてくれた。
ガッツリ楽しませてくれて、「次が楽しみ」と言わせるくらいで、
脚本も演出も、良い形に収まる進化を遂げていた。
役者さんもすごかったけど、スタッフ陣の頭の使い方たるやものすごいものだったろうなあと
ご苦労がしのばれる。
4年かけて大変良いものを見せてもらったと思う。


スタッフ陣のことをあまりよく調べられていないけど、
ちょっと調べてみて、次に何かやられることがあればそちらも追いかけてみたいと思います。

マそんなことで。
これだけ長いと、やってた方は終わった後の喪失感が酷いと思うけど
(期間あくからそうでもないかもだけど)、
見てた方も「あー、もうないのか」「次どうしようか」という思いがちょっとある。

まあまたぺ氏が何か見つけてくれるだろう。
期待してます(人任せ&ごういん


オイサンでした。



 

| | コメント (0)

« 2017年4月 | トップページ | 2017年6月 »