2018年3月16日 (金)

■おなかにマルちゃんがいます~2018年1月期アニメ感想・後半戦 -更新第1108回-

御茶ノ水から四ツ谷まで歩いて帰る途中に、評判の良いそば屋があったのです。
あと、うなぎの寝床みたいに狭いけど雰囲気の良さそうな、
メルヘン風味のカレー屋さん。

その道を使い始めた当初、前を通るたびに
うまいタイミングがあったら入ってみようとなんとなく、本当にただなんとなく思っていた。
おそば屋さんの方は、夜はお酒も出るようだったけど、
酒のアテ以外には本当におそばしかないようだったから、
夕飯時にそこを通る自分にはなかなか入るチャンスがなかった。
カレー屋も、気まぐれにしかやってないみたいで、まともに営業しているところを見る機会は
殆どなかった。
この月曜、火曜とその道を歩いていて、アレ? あの店はどこだったかな、
気付かないうちに通り過ぎてしまったな、ということが続き、
水曜日、明らかに店のあった空間そのものが消えているのに気付いたとき、
目の前にある駐車場がその店たちの跡であることを知った。

マそんななぁよくあることで、思い入れがあるお店でもなかったからダメージはないんだけど。
なんか妙にびっくりしてしまったのでした。

オイサンです。

サテ前回に引き続き、2018年1月期のアニメ感想の続き。
後半戦の今回は、みんなも大好きなあのアニメが登場するよ! ← てきとうにもほどがあるだろ
以下、おしながき。

◆-----  前半戦  -----◆
 『ポプテピピック』
 『スロウスタート』
 『ラーメン大好き小泉さん』
 『りゅうおうのおしごと!』
 『だがしかし2』
 『たくのみ』


◆-----  後半戦  -----◆
 『ハクメイとミコチ』
 『宇宙よりも遠い場所』
 『三ツ星カラーズ』
 『ゆるキャン』
 『からかい上手の高木さん』

 
 
 
●●●『ハクメイとミコチ』

個人的には『スロウスタート』と、この『ハクメイとミコチ』がツートップ。
今期の2大湿気アニメ。

ファンタジー日常系で、人や世界の素性も土台もほとんどわからないところから始まるのに、
見る者が細かいことを気にするより早く日常が始まって終わり、
一話が終わる頃にはだいたいその日常のことが分かっている……という、
不思議な飲まれ方をした。一話から。これは原作由来のエッセンスなのだろうか?
 
▼ハクメイとミコチ PV第1弾

 
 
且つ、ただ心地よい思いをしてオシマイはいサヨウナラ、ではなく、
「もう少しこいつらに付き合ってみたい」と思わせる引きを感じた。
別れを惜しませる人となりの良さみたいなものがあって、それでずっと見ているカンジ。
「先が気になる」というより「今日はどうしているかな?」という興味に近い。
覗きに行きたくなる。

中盤のいっとき、緊張感を見せる話もあったけど、異端だった。
見ていて少し違和感があるくらい。
ハクメイの人となりというか、「暮らす」上での横顔を見せるものだったのだろう。
俯瞰すればあって良かったとは思うけれど、ちょっと分厚過ぎた気もする。
もっと薄くても良かったような。ミコチの「仕事」くらいで良かった。

日々の憂いと、物言わぬ「道具」の気持ちを肴にお茶や酒を飲んで、
肯定も否定もしないで、「そうかね」と受け入れて終わる、というお話。
晴と褻でいえば褻の面を主に描きつつもはしばしにある明るさを表現しているスタイルに
たいへん共感を覚える。

画も音楽も、間のとり方も鮮やか。
ときおりマンガのコマ割りみたいまカットがあったりするのは、
ともすればあざとくなりそうなのをイヤミなく挿し挟んでいるなあと感心する。

エンディング曲が素晴らしい。

ちょっと気になることといえば、
ハクメイが女の子であることにどんな必然性があったんだろう? ということだ。
だって、アニメで見る限りほぼ男として描かれてるし、男性の特質を持たされているし。
そうまでして「女の子二人」にしようとした意図が、よく分からない。
女の子であることに不都合もないのだけど、
そういう「違和感」をいちいち植え付けてまで実現したかったことは何なんだろう? という、
作り手側のナゾがとてもある。配置には意味があると思うんですよね。
でないとその違和感はムダなので。「アソビ」と言えるかもしれないけど。

強いていうなら、ミコチとの共同生活者として変な境目をなくしたいという意図、
諍いや争いの気配を消したいというのはあるのかもしれない。
男性と女性じゃ、どうしたって生理的に引き受け合えない部分がありますからね。
そんくらい。
なんかあんまり男がー女がー言うと、
ジェンダー牧場のコワイコワイロッテンマイヤーさんがやってきて
ドスコーイ!! って怒られそうなのでやめときますが。  ←↑ここが一番怒られるわ。
 
 

●●●『宇宙よりも遠い場所』


……さあ困った。けなすところがないぞ? ← 困り方

それぞれの動機を持った女子高生4人が、「宇宙より遠い場所」・南極を目指す王道青春ストーリー。
イマドキ珍しい剛速球。目的地が南極というのもいい。

上で書いた『りゅうおうのおしごと!』同様「よく出来ている」のだけど
それで終わらない予測のつかなさを、
……後から思えば「予測がつかない」というほど斬新なハナシではなかったりもするのだけど、
それをそのように見えるように、演出してコントロールしているのだと思う。
退屈しないのは、たぶん引き算が上手だからだろう。
サービス満点の「見たことがある」ものから過剰な部分を差っ引いて、
「ほどよいリアリティ」に落とし込んでいるように思う。
そのほど良いリアリティが
視聴者に『見たことがないはずのもの』をちゃんと『見たことがないもの』として捉えさせ、
とてつもない臨場感を生んでいる。すごい引き込まれます。

▼よりもい PV

 
 
まあ、おかしなところがないというワケではないんだけど、それは瑣末な部分であって、
よく出来過ぎているがゆえに、ちょっとした引っ掛かりが気になる、という程度。
チョイチョイ「このカットいる?」っていう画が挿し込まれたり、感情過剰なエピソードが入ったり。
一番違和感があったのは、主人公のコの親友が悪い噂を流してたってハナシ。
エピソードそのものは全然破たんしてないんだけど、
南極へ向けて旅立つ主人公の物語のパーツとしてなんの役割を負っていたのか分からなかった。

いずれにせよ、今期「誰にも勧められる本当に面白いストーリーアニメ」を問われたら
迷わずこれを推せる。
でもまあ、優等生だよね。
「名作の新たなスタンダード」ではあると思うけど、傑作にはなりえない。
傑出しているけど、仕方がやさしいというか。
疾風のように駆けてきてコメカミを金槌でぶん殴ってくるような衝撃がどこかに欲しいなあ。
通り魔やないか。
 
 
 
●●『三ツ星カラーズ』

今期の、ザ・いまいちピンと来ないアニメ。
うーん……。どこにもフックがない、というか、
ジャケットを掛けるための壁掛けフックが用意されているんだけどゆるんでしまっていて
何度やってもかけたはずのジャケットが落ちてくる……みたいな感じ。わからんちゅうねん。

「電車の中で騒いでいる、躾のなってないお子様をずっと見ていなきゃならない」
感じに苛まれる作品。微笑ましさや喜ばしさが、ほぼない。

これが、この子ら(カラーズの3人)を自由に射殺していいゲームだったら楽しい作品になるのだが、
如何せん、見守らなければならないのでちょっとシンドイ。
作中に誰かこいつらを「やったる」役割の者が出てくればいいのだが、如何せんそれもない。
誰かがこの子らを「やったらなアカン」のだけど。
『よつばと』には、とーちゃんやお隣の三姉妹やジャンボたちがいるし、
『苺ましまろ』には、ザ・バイオレンス要員がいて、且つ互いの関係の中で「やりあっている」けど、
『三ツ星カラーズ』の世界には「やったる」要員が足りない。
「やったらず」に終わるにはどこかで落としどころが要ると思うんだけど。
視聴者の気分のタイミングで「やったる」キャラが必要ではなかろうか。
もしくは、オイサンが理解していないだけで、「上野というロケーション」が
既にあいつらを「やったってる」のかも知れない。

▼三ツ星カラーズ OP

 
 
どこにも落としどころがないまま毎回終わっている気がするのだが、
まあ、それが多分この作品のオリジナリティ、アジの部分なのであろう。
いまのところ、ちょっとオイサンには理解が出来なくて、
床に落っこちたジャケットをぼーぜんと見つめるだけの日々なのだが。

しかしこのところに至って、
「子どもの日常のリアルなんか、こんなもんなのかも知れない」
とも思っているし、
いつか『ゆるゆり』の時の様に、自分の心の方がなじんでいくのかもしれない、
とも思っている。
 
 
 
●●●『ゆるキャン』
 
えーと、今期の覇権アニメです。
終わり。
終わりの始まり。

かわいいおんなのこたちがのんびりまったり、
近場で安価にキャンプして。肉焼いたりしながらイチャイチャします。
あとSNSによるコミュニケーション全肯定でイチャイチャします。
背景美術、音楽が素晴らしいです。
アウトドアに関する豆知識もいっぱいで、自分がちょっとおリコウなったみたいな気にもなれます。
真似してお出かけてキャンプして、自分が何者かになったような気持ちにも浸れます。
聖地巡礼プレイにもバッチリ対応!

……とかって書いていたら、
「超おもてなし・オタクおだてアニメ」っていう言葉が浮かんできちゃったぞ。
ブヒィ。

いや、見てて愉快な良い作品だと思いますよホントに。
作品に罪は無いんだ。おだてられるオタクが悪いだけで。いやオタクも悪くはないけど。
いいぞいいぞ、有り余る財を使ってアウトドア業界の経済を回せオタク。
山梨にカネを落とせ。高いテントも、ヤマハビーノも買え。
売り切れらしいな、志摩リンちゃん印のヤマハビーノ。
お前らスズキ乗れよ。東山奈央だぞ。ばくおん!!

▼ゆるキャン PV

 ゆるきゃんではない。
 
 
大変良いと思うんです。
女の子もみんな可愛いしいい子だし、画もきれいだし音楽もいいし。
お話もね。
いけない部分は全然ない。犬子ちゃんが若干ケシカランくらいで。もっとやれ。
リンちゃんがぼっち原理主義者で、SNSをバッチリ利用して時空間的には適度に距離を保ち
人間関係から解放されつつ、精神的には都合よく人に依存していこう! っていう、
大変都合のいい位置を確保していて、なでしこちゃんもそれを受け入れ、
お互い大トロの部分だけわけっこして、モツの部分は捨てちゃって、
「私たちってトッテモとってもイイ感じダヨネ♪」っていう、
なんかこう、なんていうか、えーと、なんなんでしょうね?  ← 知らねえよ。

面白いよ。
かわいいよ。
作品としてとても優秀だよ、でもなんかムカつくんだよこのアニメ。
なんだろうね、もう知らん、寝る! ちくわこっちおいで!!  ← そういうトコだぞ

個人的には「失敗しなかった『輪廻のラグランジェ』」みたいな気がする。
いまパッと思いついただけだけど。



……。



そうか、俺は知らず知らずのうちに、このアニメにムカついていたのか……。
なんでかわかんねえけど。
人と人がネチャネチャし過ぎない、「4+1人でひとつ!」みたいなんじゃなく、
「ひとりが三つと、ふたりが一つ」ある感じをしっかり残しているところはすごいと思う。
そこは真面目にすごいし良い。

キライじゃないんだよ、ホントだよ。楽しく見てるんだよ。
でも心の奥底でどっかムカついてるんだよ、どうやら。今気付いたけど。
みんな、『ゆるキャン』のことは嫌いになっても、
オイサンのことは嫌いにならないで下さい(厚かましい)。

あと、ミズハスはもうお母さん声優なんだなって思った。
お母さん!  ← オマエ同い年やろ
 
 
 
●『からかい上手の高木さん』
 
今期の ザ・ピンとこないアニメその2。
いやー……これまた、楽しみ方が分かんねえな。何も伝わってこない。
超でこっぱちニヒヒ笑いの高木さんが、同じクラスの全然冴えない男子ニシカタ君を
いじり倒す作品です。

▼からかい上手の高木さん PV

 
 
高木さんは恐らくニシカタを「気に入っている」のだろうけど。
「気になっている」のかどうかが、伝わってこない。
本当だったら「好きだからちょっかいかけてる」まであるんだろうけど、
素直にそう思って見ればいいんだろうけど……それが全然、実感としてやってこないから
見てても全然わからない。

  こんなだからオンナゴコロが分かんねえとか言われるし、
  四十になっても未婚だとか童貞だとかなんでしょうな。
  分からなくて結構!!(意固地)

見ている限り、お話としても面白みはなくって、
ニシカタが子どもっぽ過ぎて、粗忽モンすぎて、ただただ不甲斐ない。
オマエもうちょっとしっかりしろよ。コレ、作者は男性なんだっけ、女性なんだっけ?

「それ」が分からないモドカシサ、高木さんの本心の分からなさを楽しむものなのかもなあ。
ニシカタと一緒になって悶々としてね! っていう……?
だとすると、アバターとしてのニシカタが愚か者過ぎてイヤなので、
もうちょっとでも品質の高い男子にしてもらいたかった。
見てるとニシカタへの「オマエが!!」っていう怒りばかりが先に立つ。
その弱者であるところの愚か者を、
高木さんが愚か者と知りつつ死なない程度のダメージを与え続けているように見えるので、
やっぱりこう……微笑ましくないんだよ。

  『ガヴリールドロップアウト!』の大悪魔・サターニャさんも
  花澤ラフィ香菜さんに虐げられ続けていたんだけれども、
  サターニャさんは自信に満ち溢れてやられている自覚がなかったし
  なによりやられる・やられないにかかわらず幸せそうだったので
  全然不愉快ではなかった。悪魔的行為<デビルズアクション>。
  そもそもアイツは絶対悪だしな。絶対正義であるところの天使に裁かれるのは道理。
  人間の尺度で考えるのが間違いだ。
  そういう宗教観がベースにある作品なんだから、アレは。(そうか?)

……ああなるほど、高木さんの悪意の大きさと
それを受け止めるニシカタのキャパシティのバランスが悪すぎるのか……
だからこう、からかうのではなく虐待に近いものに見える。
いっそのことニシカタの背中に烙印が残るくらいのことをやってくれれば
むしろ逆にスッと腑に落ちる気がするな。
それはオマエそれでどうなんだオマエ。

ただ、まあ……「男子中学生なんてこんなもんか……」という、イヤな諦めだけは実感としてある。
中学生女子が言う
「同年代の男子なんか、子供っぽすぎて見てられない」
っていう感覚
がもしかしてコレのことなのかと、いまになって感じている。
だとしたら大変優秀なアニメだと思う。
女子目線で見た、男子中学生シミュレータ。

OPは最高に素晴らしいのに、これだけ本編にテンションが伴わないのも珍しい。
キッチリ楽しんでいる人がいたら、どういう視点と解釈で楽しんでいるのかを
レクチャーしていただきたい一品。
BGMとかが殆どなくて、大変物静かで雰囲気は良いんだけど。

▼OP『言わないけどね。』MV

 
 


■Closing
 
マ大体、以上で。
継続的に見ているのはこのくらい。他に、

 ・『ダーリンインザフランキス』
 ・『メルヘン・メドヘン』
 ・『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
 ・『citrus』
 ・『刀使の巫女』
 ・『覇穹 封神演義』

あたりは、開始当初録画リストに入れてはいたけど途中でやめちゃったものです。
『ダーリン~』は録ってはいるけど、全然見てない。
本数的には、10~11本がどうしても限界ですね。
マジメに見られているのは7本くらいだし。

今期ももうじき終わってしまうので、どの作品も最後まで
きっちり走り切ってくれればいいと思います。
けど最近は、昔とかちょっと前みたいに、突然絵が壊れるとか、
ホンマにどうしょうもない終わり方するとか、そういうのは減りましたね。
めでたいことです。
 
オイサンでした。
 
 
 

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2018年3月15日 (木)

■おなかにマルちゃんがいます~2018年1月期アニメ感想・前半戦 -更新第1107回-

ちょっと前の週刊マガジンで、
森川『はじめの一歩』ジョージ先生のロングインタビューが掲載されておりまして、
目を疑ったのだが、ジョージ先生いわく
「マンガに体験や取材は一切必要ないと思う」と語っておられ、目次ページを見ると
今週の『はじめの一歩』は作者取材のため休載となります。ご了承下さい。

オイサンです。

実際ジョージ先生は「取材による休載」って書かれることについてどう思ってるんだろう??
「お前らだって分かってんだろ?」くらいの気持ちなんだろか。

しかしヘタすりゃもう3月も終わるね。怖い怖い。
オイサンは冬が大好きで、春は四季の中では一番好かぬので来ないでもらいたい。
ていうかあったかくなるな、と思っている。クマなどが調子に乗るから。
マお天道さんにはかなわないのでどうしようもないですけども。

イヤそんな話じゃなくって、2018年の1月クールも終わるんで、
久しぶりにアニメの感想とか書いてみようかなって。



■2018年1月期 アニメ感想



今期はなんでしょうか、
大変かわいいかわいいアニメがたくさんでたいへんにかわいいのですが、
それをぶっ壊すくらい憎たらしいヤツもいるので妙な感じでバランスがとれている。
見ている作品のお品書きは以下 ↓ の通り。
長いので2回に分けます。
 
 
◆-----  前半戦  -----◆
 『ポプテピピック』
 『スロウスタート』
 『ラーメン大好き小泉さん』
 『りゅうおうのおしごと!』
 『だがしかし2』
 『たくのみ』
 
 
◆-----  後半戦  -----◆
 『ハクメイとミコチ』
 『宇宙よりも遠い場所』
 『三ツ星カラーズ』
 『ゆるキャン』
 『からかい上手の高木さん』


ほなボチボチいってみまひょ。



================================================================
●●一本目:『ポプテピピック』




……。



ごめん、ヘルシェイク矢野のこと考えてた。

再放送でブレイクしたアニメ。
……なのか? それは違わないか?

イヤ、大変よくやっていると思います。すごいです。
オイサンが本来考えるクソアニメとはクソ具合の違う、
作品としてのクソさを追求した、しっかりと作りこまれたクソアニメです。
素材にこだわって見た目も匂いも感触も本物同然に作り上げた工芸品的クソ、と言いますか。
犬のふんと猫のふんと馬のふんと鹿のふんを寄せ集めて人のふんを再現しましたクソアニメ、
と言いますか。
どう表現するにせよ、最高クラスの頭脳と手腕を結集して作られた最高級クソ。

いかんせん、OPがすごいオシャレでカッコイイところにその真面目さが滲み出ちゃってますよね。
あれではいけません。
クソアニメならば、
小倉唯と花澤香菜と日笠陽子と水瀬いのりに即席ユニット組ませて

 作詞:阿久悠 作曲:ベートーベン
くらいの歌を歌わせないと、本当のクソアニメにはなりません(オーダーきついな)。

OPサビで、ポプ子とピピ美が画面に正対して歩いてくるカットがすごく好きです。
あれを見た瞬間に、このアニメへの向き合い方というか、見るお作法が分かる。

本放送(Aパート)、再放送(Bパート)の両方にOP・EDが入るから、
実質のアニメ部分は10分ないくらいなんでしょう、すごい短く感じる。だから見ていられる。
コーナー(?)も盛りだくさんだし。

6話くらいまでは普通に楽しんで見ていたけど、その先はちょっと息切れ。
総集編くらいはさんで、そこからまた手口を変えてくるもんだと読んでいたのだけど
そこまでの余力はなかったのだろうか。
ラスト付近でもうひと山、何らかビックリさせてほしい。

▼ポプテピピック PV

 
 
個人的にはヘルシェイク矢野がピークだったように思う。
ヘルシェイク矢野よりもマグマミキサー村田の字面の方が好きですな。
今でも、毎回毎回一瞬だけ心を掴まれる瞬間はある。けど、さすがに瞬発力は失われたなー。
テコ入れに期待。
 
 
 
================================================================
●●●二本目:『スロウスタート』


開始当初はほとんど気にもかけていなかったのだけど、今は随分楽しみに、一生懸命見ています。
何がキッカケだったんだ? 分からない。
万年大会さん(「はんねん・ひろえ」と読む。ヒロインのひとり)が出てきたあたりから
妙にハートがきゅんとなるようになったのだが、はんねんさんのキャラがストライクなわけではない。
ただ、「はんねんさん」という言葉の響きはものっすごい好きだ、ということは認めておこう。

まんがタイムきららお得意の、カワイイさが可愛いアニメで、監督が『ごちうさ』の橋本裕之。
ザ・かわいい原作を、ザ・かわいいの第一人者が手掛けるのだから
かわいいアニメが出来ないワケはなく、まったくその通りの結果になっていると思うのだが、
逆にその、なんていうか、そのまっすぐ過ぎる座組に不安が、開始前はあった。

  なんていうかその、
  「ジャイアンツに4番バッターばっかりがそろって長嶋が監督になった」みたいな、
  不吉さみたいなもんである。
  なんかヤでしょ? そういうの。「えー?」って思うじゃん。
  「あざとい」っていう以上の、安易さゆえの不吉さ、みたいなもの。

ストーリーラインには、『ごちうさ』と違って
不安・不吉さ・緊張感がひとつまみだけトッピングされている。
そのチクッとした感じは気に入っている。
その「チクッ」も、あくまでもヒロインの視点に立てばであって、
他人や、物語上の他のキャラから見たって「えーそんなこと?」程度であろうから、
緊張感と呼ぶのもちょっと気が引けるくらいだ。
円満に収まる未来が約束された不安を配置して、なけなしの緊張感を演出している。
それは当事者にしか機能しないから、ヒロインの花名ちゃんに感情移入できない人には
ちょっと理解しえない物語かも知れない。
 
Atr2dsc02331
 史上まれに見る自信なさげなドヤ顔
 
面白いのははんねんさんの機能の仕方で、ヒロイン花名ちゃんが本当に共感し心を通わせ得るのが
大好きで大事な新しいお友だち(主ヒロイン3人)を差し置いて同じ傷を持つ
はんねんさん唯一人だということだ。
その絶妙さを……橋本カントクは上手にさばいているように思う。

きらら系アニメ作品は大概湿気がなくてカサッとしていて、
本作も見た目はカッサカサなのに、見始めるをかなり湿気を含んでいるのが見えてきた。
ところどころで異様な湿気というか、蒸気に近いレベルで水気がでる。
変わったバランスのとり方だなあ、と思う。

しかし気になるのは、橋本監督の「かわいいさばき」である。
監督ご自身は、自分のその、技術なのか才能なのか分からない手さばきを
どのようにとらえているんだろう???
わかって、言語化してやっているのか、あるいはそこそこの割り合い無自覚なのか、
かわいいということをどう考え、どう料理しているのか?
「ここをこうすればもっとかわいくなるから、直して」とか、
「あと音の入りを3コマ遅くしたらちょうかわいい」とか、言ってんだろうか?
動画力はそんなに高くないのだろうけど、4コマをアニメにするのに
マッチした密度を心得ている感はある。

前期の『ブレンド・S』もやっぱりかわいくて、ラクに見られて好きだったんだけど、
如何せんカッサカサだったのでもう一度見たいとは思わない。
けど本作は……何回も見返せるレベルだ。すごい。
この差が一体何によって生じているのか……真面目に考える価値があると思う。
 
▼スロウスタート OP

 
 
あと、放映前の昨年夏くらいからツイッター上ではすごいプロモーションかけてて、
「放映来年の正月やろwwどこが『スロウスタート』やねんwww」って突っ込んでたのも
良い思い出です。
OP、EDともにいい。OPは、開始時は「あんまりだな」と思っていたが。
 
 
 
================================================================
●●三本目:『ラーメン大好き小泉さん』


なんかもうどうでもいいので緊張感もヘッタクレもなく見ていられる。

ラーメン大好き女子高生の小泉さんが、
有名店とかオモシロ袋麺とかレアラーメンとかを食べ歩いて、
食べるたびにオルガスムスに至ってアヘ顔をさらし、それを佐倉綾音がストーキングする……
そんなアニメ(わからんわ)。
つまりラーメンは性であり、ラーメンを食べることは性行為である。妊娠する。
お腹にマルちゃんがいます。
何言ってんだ?

久々に佐倉綾音が良い仕事をしている気がする。あやねるはラジオっぽくしゃべる役で輝きを放つ。
悠木碧はいい意味で不遇(ほめことば)だが、
佐倉綾音ももうちょっと不遇でいいと思う(どういうアレだ)。その方が輝きを放つだろ。

▼ラーメン大好き小泉さん PV



人気女子声優自前の唾液でじゅるじゅる音をたてて
一生懸命ラーメン啜る演技をしている顔を思い浮かべて息を荒くするためのアニメ
(では多分ない。多分)。
開始当初はそのじゅるじゅる音にどうしても馴染めなかったが、
最近は慣れてきたのか、やる方もこなれてきたのか、自然に感じる時間の方が長くなっている。
OPはそこそこ好きだけど、どうしても一節、

  ♪ まだまだマシマシ大丈夫

が気にくわなくて曲は購入していない。マシマシって言葉が嫌い。
エンディングのセンスは論外。

なんていうかこう、全体的に面白いも面白くないも関係ないような作品。
『皇室アルバム』みたいなものだ。

ホントかそれ?
 
 
 
================================================================
●●四本目:『りゅうおうのおしごと!』


ょぅじょのおしごと。性処r(以下検閲。
 

▼りゅうおうのおしごと! 好評対局中

 
 
面白い。
 
ちゃんとしたストーリー……というか、「ザ・ラノベ」な作りで、物凄く作りこまれている、
大変よく出来た工業製品のような印象。
アメリカで売られてる、有名メーカーの知育積み木みたい。
そんなわけで、作りこまれ過ぎていて、面白さも緊張感も笑いも、安心感がありすぎて
何が起こっても笑って見ていられる。
その安心感がすべての緊張感・テンションを台無しにしている。
「ここまできたかあ」とも思える。

登場人物も、
主人公(男)の真面目さ・変態さ・アツさサムさから、
女性陣のババア・おばさん・弱おばさん・女子高生・ょぅじょというラインナップにも
ほぼ全く隙がないのだけれど、整いすぎてて歪みがなく、フックがない。
心地よい角しかない正六角形のチクチクを撫でて遊んでいるようだ。
「よく出来過ぎてるって怖いな」と思わせられる。
テストで狙って毎回79点を延々取り続けるやつみたい。そんなやついるか。
正六角形を作ってから、一回トンカチでガスッと殴ってギザギザに欠けさせたる工程があった方が
良かったんではないか。

この姿を作り上げることが並大抵でないのはヒシヒシと伝わってくるんだが、
「それでキミ、その才能で将来なにやるの?」
って尋ねたくなる一品。

雛鶴あいちゃんはかわいいです。あいちゃん一択。
今期アニメヒロインの中で、
               最も
『オンナ』を感じさせる9歳児

さいこうだぜ。 ← やられとるやないか
でも真面目な話、
今期のアニメで、この子以上に
      本気で腰を振るヒロインを見てないぞ?
  ← 着眼点
 
 
 
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●●五本目:『だがしかし2』


ヒロイン不在で引っ張る引っ張る。

けど、ヒロインほたるさんはそもそも存在感があり過ぎるので
このくらい出てこなくても全然こまらないというか、
それでもちゃんと「そこにいる」感があるのがすごい。
力のあるキャラクターってのはすごいな。
寧ろ「毎回出てくるとうるさいんでもう少し休んでてもらってもいい」くらいある。
ヒデエ。でも本音。

▼だがしかし2 PV

駄菓子各社から大好評w
 
 
相変わらず駄菓子小ネタで、笑いにしたり、エエ話にしたり。大安定。
ほたるさんの可愛さも5割増し。出てないけど。
OPイントロで映し出されるほたるさん百面相だけであと4クールはイケる(無理だろ)。

  あとOPのAメロ終わりで、ココノツ父が覆面脱ぐシーンで毎回笑ってしまうwww
  ばかばかしいwwwwなんでだwww大好きwww
  ココノツくんがいちいち振り返ってビックリするのがまたいいよねwwww
  
  Atr2dsc02327


新キャラのハジメさんの頼りなさがまた良い。
豆くんのイイ奴キャラ度が上がっている気がするが気のせいかも知れない。

OP主題歌がビヨンビヨンしていて駄菓子感たっぷりで良いですね。
そして、そのCDのCM!
ほぼ何の技術も体力も必要のない、かわいいだけの……否、
かわいいのかすら怪しい謎ダンスをムワムワと披露する竹達さんが
どういうポジションにいるかを如実に表しており涙なしには見られません。
竹達さん、もう少し体を鍛えてはどうですか。
そんなことも含めてこのアニメにはジャストマッチしてると思いますけど。
CMの話してないでアニメ本編の話をしろ。

フルタイムアニメから15分アニメに短縮したのは英断だと思う。
このマンガはこのくらいで丁度いいよ。大きな本筋があるわけじゃないし。
本筋の回収はあるんだろうか?
むしろ逆に、これで2時間の劇場版とか作ってみてほしいところだ。
 
 
 
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●六本目:『たくのみ』


『だがしかし』とセットの15分アニメ。
こっちは家呑み向けのうんちくが満載。ドラマ部分はオマケ。
お酒メインなのでオイサンには関係ない話が多いけど、
金髪だらしなガラッパチ系アパレルお姉さんが
やまぶき高校を卒業して東京に出て行き落ちぶれた(失礼)宮ちゃんっぽくてイイ。

……そのくらい。

お酒をとってもおいしそうに飲むので、
飲めないオイサンでもときどき「いいなあ、楽しそうだなあ」って思います。
ほどよく出来てるんでしょうね。ストレスはない。
けど、癒されるために繰り返し見ようとか、何かやってる後ろで流しておこう、とまでは思わない。
一回ザラっと流して終わり。

▼たくのみ PV

 
 
 
……といったところで、前半戦終了。
続きは次回……オヤ?
今期大人気のあの作品がまだ出てませんねえ?
プロデューサーさん、覇権ですよ、は・け・ん!

オイサンでした。
 
 
 

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2018年2月18日 (日)

■おさなさの里帰り~弘前・田舎館・蒼樹うめ展 in 青森~(2) -更新第1097回-

皆さんコンバンワ、
歯医者さんでチョイ難しめの治療をしてもらっていて、
「上手くいきましたよ!」って言ってもらえたんだけど声が出せないので、
無言のグッジョブサムズアップで喜びを表現して見せたら、
先生にも、みんな大好き歯科助手おねえさんにも結構なイキオイで笑われてしまった
オイサンです。
こっちゃしゃべられへんっちゅうねんどないせえっちゅうねん。


さて、気まぐれアラフォーが日本の奥座敷を目指す、
弘前~田舎館村~蒼樹うめ展in青森、3泊4日の旅、今回はその第2回目、初日のお話。

初日は、
午前中が人間ドックで、午後から空港へ向けて移動、夜になってから弘前に到着したので
そんなに書くことないです。
 
 
 
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■■■━ 1日目 2月9日(金) ━■■■
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■脱・東京まで~羽田へ向かうバス~羽田にて~機内

どうやら、空港バスがいつも走っているルートに規制が入っていたらしい。
事故処理の検分やらなんやら。
それで運転手さんが普段よりも頻繁に、そして大きな声で交通情報の交換をしているのが、
前の方の席に陣取ったこともあってよく聞こえてきた。
結果的にはいつものルートが使え到着も定刻通りだったのだが、
運転手同士の無線でのイチャつきがひどくて、
もうお前ら結婚しちゃえよ!
          バスが激しく揺れることが考えられます!

状態だったのが面白かった。
道路が立体的に交錯する地点で無線を入れ、何かを報告するついでに
「いま、上から見てましたw お気をつけてですw!」
「なんだよーw」

って、お前らいま、それ言いたいだけで交信しただろ!
この件は上層部に報告しておく! 神奈中さん、こいつらデキてますよ!
それ以外は特に問題ナシ。 ← それだって問題ではない
 
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空港ではコレといったことはない。
普段通り荷物はサッサと預けてしまい、外に出たり、展望デッキへ行ったりして写真を撮りまわる。
今回はいつもの休日早朝と違い、平日の夜も近い時間帯なので、少しばかり雰囲気はちがう。
売店で厚かましいオバハンに割り込まれて若干イラリとした。
アイツの飛行機、アイツの座席の部分だけ墜ちればいいのに(高機能)

機内。
とにかくフライト時間が短いのに驚いた。
上がって、安定飛行に入って、ほとんど10分15分でまたすぐ下がっていく感じ。もの足らぬ!
俺はヨーロッパに行くぞジョジョ!(きょくたん)
なんとなく隣の席のオッサンの動きが気になった。



■青森空港~バスで弘前

飛行機の出発時刻が、なんだか5分くらい遅れた。
加えて自分の荷物の出がやけに遅く、弘前行きバスが目の前で出てしまいそうになる始末。
おかげで、初青森の実感がわく前に走り出さなければならなかった。
ていうか飛行機遅れたんだからバスも定刻通りに出ようとしないでよ。
とうほぐのバスはスパルタンである。
しかし、失敗したなーと思う。
一本遅らせてでも、少しゆっくりして青森にカラダを馴染ませればよかった。

空港から弘前駅までは、1時間弱、ちょうど1000円。
自分が着いたのは21時を少し回った頃になってしまった。
 
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青森駅までは700円なので、青森の方がちょっと近いのかね。
ちなみに、青森駅から空港までタクシーで行くと大体3000円チョイであるらしい。
会社によっては定額3000円だとか。旭川駅から空港までよりもちょっと近いのかな。
 
 
 
■弘前駅~宿

そうしたわけで……
宿がJRの駅から少し離れており、送迎バスが30分ごとに駅まで往来していたのだけど、
それに乗りそびれてしまった。
しかし、バスの中から宿にチェックインの確認電話をしておいたお陰で、
オイサン一人のために無料タクシーを1台回してくれることになった。やったぜ。

郵便ポストが送迎待ちのスポットであるらしい。
なぜか頭にリンゴを乗せた、ロビンフッドに待ちぼうけを食らわされたみたいなポストである。
 
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下のポストが赤いのは、ロビンフッドの手元が狂ったからであろう(ちがいます)。
大人しく待っていると送迎の札を持った運転手さんが現れた。
あなたが私の王子様なのね? チェンジで!(失礼)

自分の足で町を歩く前から人の車に乗せられて連れていかれるのは、
勝手も距離感もまったく分からないので不安だ。
空港のシャトルバスの件といい、
そういう様々な普段と違う理由が重なって、今回は、旅の実感、いま自分の踏んでいる地面が
青森なのだ、ということを実感するまで、随分時間がかかってしまったように思う。

尚、弘前は今年は雪が少ないのだそう。例年の半分だとか。
北陸がひどいことになっているから心配していたのだが。
確かに、オイサンの滞在した約2日間は、そりゃ寒いは寒いが、
それなりの恰好さえしてればガマン出来ないということはない程度だった。
タイミングによっちゃ「ちょっとあったかいな」という感想が漏れる程度でした。

宿は、弘前の盛り場のまん真ん中で、目の前にコンビニがあり、
そういう遊びの好きな人には大変喜ばしいであろうロケーションだった。
如何せん、そういう遊びが得意でないオイサンは、近所にまともにゴハンを食べられるお店が
ないことはないけど多くはなく、ちょっぴりアウェイ。
このことが2日目の晩に悲劇を生むことになる……のちに言う、「弘前HotMotの変」である。

  その名の通り、晩ゴハンをホカ弁で済ませたってだけの話です。
   ↑ もったいぶる割に引っ張らない。

フライトが18時半なんていう絶妙な時間だったものだから晩ゴハンを食べられておらず、
宿に荷物を置いたら即、店を探しに出かけた。と言っても、この日は目星がつけてあった。
宿から徒歩10分ないくらいのところにある中華屋さん・萬龍さん。

徒歩10分、雪も少ないとあれば何の苦もなさそうであるが、
如何せん、道は若干シャーベット状に濡れて決して整備の行き届いていないアスファルトの凹凸を埋め、
地面のところどころは目立たない程度に雪をかぶって凍っている。
つるつる、というよりはヌルヌルと形容するのが相応しい感触が、靴底ごしに伝わってくる。
道幅もあまり広くはない。除雪のされ方も微妙で歩道をほどよく埋めてしまっており、
歩行者はクルマを気にしながら車道の隅を借りて歩かねばならない。
そしてさらに恐ろしいことに……結構な斜度で下っている!
や、殺る気だー!!

オイサンの知る限り、最も凶悪な冬の道は釧路の都市部、盛り場の裏通り辺りで、
殺意満々のブラックアイスバーンフル装備で歩くものに牙をむいてきますが、
釧路さんが殺意と破壊への欲望を爛々と隠さない狂戦士なら、
弘前の地面はアサシン、暗殺者です。
数々の罠をはりめぐらせ、あの手この手で確実に死へと追い立ててくる……!

……と、ここまで盛り上げて置いて、結局帰るまで一度も転びやしなかったんですけど。
弘前・青森含めて。1回つるっとすべったかな? くらいでした。
でもコワかったのは本当。ホテルの前の下り坂見たときはどうしようかと思った。



■夕食 萬龍
 
萬龍さんはこぢんまりとした町の中華屋さん。
4人掛けのテーブル席が3つにカウンターが5、6席。
お店のおばちゃんがテレビのバラエティ番組を真剣に見ているような、そんなお店です。

  この日は銀座の母とか呼ばれる占い師が、森昌子と年末にやらかした芸人の
  手相だかを見る番組やってんたんですけど、おばちゃん、占い師が手相の説明するたびに
  自分の掌みつめて動きが止まっていた。
  バラエティ真剣に見るオバチャンがいる店は名店。

「この店は焼きそばが美味しいことで評判、近所の人や飲みのシメで来る人が多い」
とネットに書いてあったので、もっと人が入っているものかと思ったけど
入店時点ではオイサン一人。
 
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けれどもあとから3人、4人とやってきて、ほとんどは焼きそばをお土産にして帰っていく感じでした。
お店で食べてったのは、オイサンの他には出張帰り風のサラリーマン二人組くらいだったかな。
キャバクラのお姉ちゃんみたいなんとか、キャバクラのお兄ちゃんみたいなんとか。
中華屋、そば屋、ラーメン屋は多いんだけど、どっこも「飲みのシメにいい」みたいな口コミが並ぶ。
確かにそういうお店の方が多い。
オイサンも久々に「スナックどうですか」なんて声をかけられた。
わぁい、うすしお? あかり、うすしお大好き! (そのスナックではない)



■宿 露天風呂にて、親切な紳士に助けられる

お宿はメジャーな、大浴場ありますよ系チェーンホテルであった。
大浴場があることに重点を置いて探したためこんな立地になってしまったわけだが、
おかげ大浴場+屋上露天がある。

その風呂に入ろうと最上階へ向かったところ、
浴場にはパスワードロックがかかっている(宿泊者に利用をしぼるためであろう)のを忘れてて
入り口で立ち往生していたら、出てきたばかりのご親切なカップルに教えてもらった。
助かった。
さすが、ご結婚なさってて心に余裕のある方々は一味違うぜ。
全くお上品なこって! 羨ましい限りですよ、あやかりたいねえ!
ケッ! ← お前なんだその態度は



そんなんで、いちんちめ、終わり。
 
 
 

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2018年1月20日 (土)

■彼岸坂、蛇の通り途~SS・アニメ『ヤマノススメ』より~ -更新第1192回-

 
「わ、蛇!」
 
 ほのかのデジカメを触っていたひなたが急に大きな声を上げたので、カフェ中の注意がいっせいに三人の方へ向いてしまった。これにはさすがのここなちゃんも驚いて、ひ、ひなたさん! とたしなめなければならず、異様な気配を察したひなたがいつもの屈託のなさで「すみませーん、なんでもないですー」と頭を下げ下げ愛想をふりまくと、池袋のはずれの小さなカフェは、また何事もなかったよう。寄せ波の要領で元のさざめきを取り戻していった。三人の話し声もまた、小さな部分としてその隙間へ滑りこんでいく。
「あーびっくりしたー。セーフ」
「完全にアウト……。びっくりしたのはこっち……」
「へへ、ごめん、ごめんー……って、蛇の写真入れてたのそっちじゃん!」
 憎まれ口にも似た、二人……ほのかとひなたのやり取りを耳に入れながら、ここなちゃんはこっそり、ひなたが手放したデジカメを横取りした。そこには、なるほど確かに、山道を悠然とゆく一匹の大蛇が映し出されていた。
 
 
 
 松こそ明けたが学校はまだ始まらない、町もまだ眠たげな年の始めに、ひなた、ほのか、そしてここなちゃんの三人は池袋に集合した。声掛け人はほのかで、親と遊び人の兄からせしめたお年玉を元手にして登山用具を買い足しに出るつもりだ、ついては少し話などしたいとここなちゃんに連絡が入り、群馬からの片道の足代を兄の車で浮かせたいので日取りはこの日限定になるというすこし急な誘いには、冬季ソロの遠征中だった楓さんが不参加なのは分かっていたものの、ひなたの相棒にして基本的にヒマ人のあおいは当然のように参戦の手はずだったのだが、今朝になってインフルエンザへの罹患が発覚、否、兆候だったものが確定となり、欠席を余儀なくされた。
 
 相棒欠席の知らせを受けたとき、自分の立ち位置を一瞬疑ったひなたではあったが、常に二人ワンセットでなければならない理由もなく、深く考えずノコノコここなちゃんと連れ立ちいつもの西武線で池袋くんだりまで出たのだが、いざ現場に揃ってみると、どうあろう、どうやら自分は著しくおジャマ虫であるらしい。いつものリズムでここなちゃんに会話を繋げようとすると、似た時宜で反応するほのかといちいちかち合って、その都度尖った唇と道を譲りあうことになる。あおい相手なら強引に押し切る一通の道でも、話し馴染みのない年少者相手にそれが出来るほど無法者でない自分がいくらかややこしくもある。こちらも悪気があるでなし、タイミングを変えようとしても、勢いノリが持ち味の自分が、にわか仕込みで染みついたテンポをコントロールできるはずもなかった。
 
 あおい本人の話では、調子は昨日から落としていたようで、いよいよ足元がおぼつかなくなった今朝イチで病院に駆け込み、かの有名な流行性感冒罹患者の称号をおしいただいたとのことだった。もう少し早くに医者かかって欠席を決めてくれていれば、自分だって冷静に進退を見極める時間が持てたのに……。そんな恨み言を練ってみたところで相棒の優柔不断は毎度のことだ、いまさら責めるのもいささかみっともない――。
 
 それで、こりゃ今日はイカントモシガタイと、連れて来られた大きな妹の立場を決め込んだ。買い物のしめで席数三十ほどのウッディなカフェに辿り着いたときも、流れの妨げにならぬようにとほのかのデジカメをいじり始めたのだが、その矢先、蛇の一枚に出くわした。言うなれば、出会い頭の不幸な事故だったのだ。
 
 ほのかが愛用するレンズ付け替え型の大きなデジタルカメラは、大人の男の人が提げている分にはそれこそ絵になるが、自分やあおいが構えるとつり合いが取れない、人間よりカメラの方がよっぽどえらいような見栄えになる。しかしほのかは別だった。彼女の体つきは皆とさほど変わらない、なんとなれば誰よりスレンダーな筈なのに、その武骨な黒塊は不思議と、飼い主に付き従う大型犬の佇まいで彼女のみぞおちあたりにすっきりと収まるのだ。
 
 いまここなちゃんが、よいしょ、と猫でも抱くように膝に抱えたその液晶画面では、見事な体つきのシマヘビが一匹、登山道を我が物顔でのたくっている。落ち葉の坂は急に上っているらしく、ほとんど目の前に張り付くようにして登る蛇の、体を幾重にも折り返してうねる姿が、のびやかに描写されていた。しかし、そこからダイアルをひとつ進めると、玄関にたくさん並んだ華やかな履き物、もうひとつ回すと応接のテーブルに整えられたおせちとお雑煮の写真が出てきて、この流れで蛇に出くわせば、ひなたでなくても素っ頓狂な声を上げてしまうだろう……否、この大きさの蛇であったら、山で出会うべくして出会っても悲鳴を上げてしまいそうだとここなちゃんも納得した。 
 それにしても、他の写真はほのかの家の中だろうか?
 
「ほのかさん、これ、見ても大丈夫ですか?」
 被写体があまりにプライベートな色を帯びてきたものだから、ここなちゃんは改めて尋ねずにおられなかった。先にひなたが許しを得ているのを聞いてはいたが、それでもなお気が引けた。うん、いいよ。ほのかは視線こそ熱っぽいが言葉は平らかだ。安心して再びダイヤルをカタカタ送ると、障子の桟、電柱と坂道、窓と、そこからの風景、なんということのない部屋の壁紙、本棚、庭木、柱の木の模様、こわれかけた帽子掛けに、年代物の物入れの引き出しの取っ手……と、暮らしの温かみを匂わせながらもどうしてそれらが被写体足り得たのか、なにが特別だったのか分かりかねる物物が延々、延々と続いた。空気の色や調度のすわりから、どれもここ数日のお正月の風景であることは分かる。ほのかの本格的なカメラと腕前は、そんなものまでも穏やかに伝える表現力を、十分に備えていた。
 
「見ても、よく分からないよね」
 ほのかの声は細かった。常からはきはきしゃべる方ではないが、それより目盛り半分ほど、のどの奥の方で絞られている気がする。視線も、テーブルの上で合わせたゆび先から動いていない。
 そう言われて、ここなちゃんが改めて手元の液晶画面に目を落とすのを、ひなたは見た。ほのかの言う通り、彼女の写真がどういう狙いで写されたかを想像することは難しかった。暇に飽かせた手すさびの産物にも見える。松の内、親類がとっかえひっかえやってくる慌ただしさはそれをもてなす大人たちのもので、子どもは、視線が自分たちから外れるにも拘らずそこにいなければならないという言い知れない倦怠に曝される。そんな大人たちの視線の隙のまた隙の、ものかげに隠れた時間の断片がかたちをとったのがあの写真たちであったと思えば合点は行く。けれどもほのかの口ぶりは、もっと明らかな意思の業の産物であることを伝えていた。
 
 もう少し先を見れば、その正体が分かってくるかも知れない……そんな風に考えるともなく思いながらダイアルを転がしていたここなちゃんは、答えを一旦保留しながら手を止めた。
 
「これ、ほのかさんのお家ですか?」
「うん、大体そう。うちとか、近所とか……。前の方は、去年登った山の写真が残っちゃってるかも」
 お、作戦を少し変えたな? ひなたは、アイスのアップルティーのストローに前髪の影で口を付けた。なるほど確かにあの蛇のポートレイトは、いかな群馬と言えど住宅地の写真にしては山深過ぎる。自分はダイアルをぐるぐる回すうちに一巡して、古いメモリーに行き着いてしまったのだろう……それにしても、外の気温は日中も十度を下回るらしい。買い物を終えてこの店に辿り着いたとき、迷いはしたが、飲み物をアイスにしたのは正解だった。歩き回ったあとの喉と暖房の効いた店の室温に、アップルティーの冷たさと酸味はするりと心地がよかった。
 
 
 
 ここなちゃんによる、ほのかの写真探求は続いていた。悩んでも、うーん、とうめき声がまた可愛らしい。
 
「思い出とか、愛着があるもの、とか?」
「ちょっと違うかな……。憶えてるようで憶えてないとか、この先思い出せなくなりそうなものとか……。普段、見てないところ。ここなちゃんの家はアパートなんだよね。二階建ての……。じゃあ、階段の手すりの端がどんな形か、憶えてる?」
「え、え?」
 どんなだったっけ? 突然のほのかの逆質問に、ここなちゃんはしばしあたふたと俯いたり空中を指でなぞったりしていたが最後には観念して「憶えてないです……」と白状した。
 
「ひなたちゃんは」
「わ、わたし!?」
 突然水を向けられ、ひなたもクイズ番組の回答者になった気分で膝を揃えなければならなかった。第、一問。
 
「家のキッチンの戸棚、引き手は丸い? 四角い?」
「え! 急にそんなこと言われても!」
「電灯のリモコンの、ボタンの並び、とか」
「分かんないってー」
「そうだよね、ごめん」
 ほのかは静かに詫びて、ここなちゃんの方へすいと手のひらを差し伸べると、カメラを自分のところへ呼び戻した。冬の日は早く、いつの間にか……店の中は灯りが追いつかず、うす闇の紗が一枚、降りている。カタリ、カタリとほのかが丁寧にダイアルを回すと、液晶から映える光が変化して、心をおもてに出す方ではない彼女の面差しに落とす影を動かした。
 
「普通はそういうの忘れると思うし、憶えてて得もないと思う」 
 言葉は、ダイアルを送る手つき同様、ぽつりぽつりとしている。
 
「けど、そういうの、忘れちゃうのが嫌だから。いまどうこうって言うんじゃないけど、この先、思い出したくなる気がして……。戸棚の上がどうなってたとか、どんな食器があったとか、庭にどんな木が植わってた、とか。手触りとか。そのうち壊れて直したり、取り替えちゃったり、家を離れることもきっとあると思う」
「ただきれいだから、とかじゃあないんだ?」
「あまり関係ない気がする。いまは、だけど……。けど、この先もし二度と見られなくなってしまったら、とてもきれいなものだったって思えて、もう一度見たいとか、触れたいって思うように、きっとなる……」
 
 さっき流し見た中には台所の壁に備えられたただの延長電源タップの写真などもあって、そこに単純な美しさを感じ取るのは確かに難しいように思う。その風景が失われた後のことまでは思いが至らないが、ひなたは納得して「そっかあー」と息を漏らした。
 
 ほのかが口にしたのは、記録であり、未来からの郷愁でもあり、訪れる郷愁を待つのでなく自ら作り出すことでもあった。
 
 ひなたは小さく頷いた。はんぶんまではよくわかる。自分は、物を壊すことも失くすのもしょっちゅうするし、決まっていたことが変わってしまうことだってよく知っている。あおいとの関係もそうだった。どんな物もいつまでもそのままでおらず、いつか振り返って惜しむ日が来るのが殆ど絶対の約束であることは、まだ冗談程度の言葉にしか出来ないながらも肌で感じるようになっていた。だとしても、ほのかのその備え――やがて失う物の姿をいまに留めておこうとすることには、なにやら素直に賛同することが出来ない。それでは、引き換えにするものと齎されるものとが、道のりのどこかですれ違うのではないか。そんな気懸りを覚えた。

 ここなちゃんはほのかの話を素直に受け止めて嬉しそうに笑っている。心当たりがあるのか分からないが、そこにある良さに反応する、ここなちゃんはそういう子だ。
 ひなたは安心して、でもさ、と弄んでいたストローをグラスに戻した。
 
「無くなっちゃってからのことなのにいまから残すのって、なんかアベコベな感じでよく分かんなくなっちゃうね。わたしは、忘れちゃったらもう、よっぽどじゃないと気にすることも無さそう」
「そう……かも。そうなっちゃったら、思い出そうとも思えないだろうけど……でも、何かの拍子にこの写真を見ることがあって、ああそういえばって思えたら、わたしはきっと、嬉しい……」
 ほのかもまた確かな言葉を見つけられずにいたが、浮かべたうっすらとしたはにかみには、何かを掴んでいるが故の照れが滲んでいた。
 
 深く傾いた日が遠く離れた並木に長い影をこしらえて、窓辺に座る足元を寒さで掴んでくる。のどを通るアイスティーが急に冷たさを増した。ひなたは、体を前へ横へ揺らめかせ、肘を抱え、知らず知らずのうちに思案に暮れる。
 
 いつか訪れることもあるかも知れない、消え行くものを懐かしむ日々に備えることは、なにか遠い、日の光の及ばない彼岸に手を伸ばすことのように思えてならない。いつかの山で失くしたお気に入りだった筈のヘアゴムはどんな強さを持っていただろう、そうして失くしてきた物たちのあらゆる輪郭は記憶の中ですっかり滲んでいるけれど、だからこそ、いま心に上手に収まっている実感がある。喪失感を前借りして取り寄せる、手元にまだ届かない不確かな絶対は、いくつかの苦い思い出を反芻して甦る舌の渇きを潤すためのものとは少し異なる……。ひなたのそれは思案と呼べるほど上等なものではなく、子どもの絵日記を少しはっきりさせたくらいだったから、人に話して落ち着きの良い言葉まで辿り着くことはなかった。
 
 
 
「ごめん、よく分からない話して」
 ほのかの手元で、ウィィという短い唸りを伴って、液晶から光が消えた。
 今日は黙る時間が長いせいか、自分でも驚くくらい真顔になってしまっていたらしい……ひなたはおどけ半分、普段働きずくめの頬に感じたこわばりを掌で揉みつぶしながら、カメラを片付けるほのかの目を盗んでここなちゃんに視線で尋ねかけた。
 
「わたしは、いいと思いますよ? なんとなくだけど、分かる気がします」
「へへ、だよネ」
「どっちなの……」
 にっこり応えたここなちゃんにひなたが笑いをかぶせると、ふくれっ面のほのかからは抗議の声が上がる。
 
「ごめんごめん。今度、あおいに聞いておくからさ!」
「あおいちゃんにって……」
 ほのかはとうとうひなたの思いの行き先を追い切れず、頭まで上りそびれた熱をため息にして吐き出した。クスリと笑ったここなちゃんと交換した視線の意味は、「笑い事じゃない」「そうですね」。
 
「すまないねえ」
 ひなたは申し訳なさをスルーして、テーブルに投げ出したままの携帯電話を気にした。
 自分自身には分からない。けど、あいつなら分かる気がする。もしかすると、ほのかがするその備えは、来たるべき郷愁への憧れの様な気持ちなのかもしれない。ひなたは笑った。言葉をとらない当て推量が、自分の心の外側の、いまごろ熱にうなされているに違いない相棒との中間点に芽生えるのを感じる。あおいは時々婆くさいし、うじうじしたところがあるから、こういうのはきっと得意だ。
 
「そうだ! 蛇さんと言えば、ですねっ」
 パッと瞳を明るませて場の色を変えたのは、やはりここなちゃんだった。ここ一番、声の高さにかけてはひなたのことを笑えない。また視線を集めてしまいかねないボリュームで切り出す笑顔は眩しいくらいだが、如何せん、その華やかさに比して自分たちは話の入りからしてどうにも色気がない。ひなたが人知れず苦笑いを浮かべて思うのは、そもそもはモテる女子になりたいと駄々をこねるあおいを言いくるめて引き込んだヤマの世界だったけれど、相棒の希望が叶う日はまだまだ遠そうだということだった。
 
 そうして、なになに、蛇がどうしたの? と話の続きを優しくせがむひなたの密やかな戸惑いをほのかはフレームの縁で捉えていたが、もう何も言うことはしなかった。
 
「蛇さんて、山で見かけるとどんな場所でもすっごく早く歩いて行くじゃないですか? 上りでも、藪でも。どうやって道を見つけるんだろうってずっと不思議だったんですけど、あれは実はですね、あの体をうねうねーうねうねーってやってると、自然と自分の進みやすい方へ流れて行っちゃうんですって! あの体に合う方に! なんだかすごいですよね、目で見て考えたりしなくても、ひとりでに道が見つかっちゃうんですよ? 動物さんの世界では、そういうのも頭の良さの一つだって言うんだそうです、そうだほのかさん、さっきの写真、もう一度見せてもらっていいですか?」
  
 ニコニコとキラキラのミルフィーユに真剣な眼差しをほどよく挿し込んで、ここなちゃんは最近どこかで読んだという「蛇が頭ではなくその体に織り込んだ賢さ」についての話に感激を迸らせている。ほのかもほのかで嬉々として、言われるまま一度はしまい込んだカメラを再び取り出すと、二人椅子を寄せ合ってああでもない、こうでもないと頬を紅潮させた。
 
 お開きまでは、まだ少しありそうだ。ひなたはゆび先でスマホを手元に引き寄せると、
『具合どう?』
と簡素なメッセージを画面になぞって送信を終えた。
 ほのかの奇妙な備えがどんな果実を結ぶのか、ひなたには想像が及ばない。けれど、道すがら拾い上げた写真の数枚が、憎からず想うここなちゃんをこんなにも喜ばせているのは、彼女の歩き方が歩きたい道へといざなったことの行く末に他ならない。
 ……って言っても、ヘビに譬えたりしたらまた叱られそうだから黙っていよう……。
 自分とあおいの成り行きは、もっとうんと小さい頃に思い描いていたのとはそっくり違ってしまったけれど、そろそろこの道を歩いてきて丁度良かったと思える何かを相棒に用意してやるのも自分のつとめだということは、自惚れでなく思う。病が快癒した暁に、また気持ちよく汗を流せればいい。ちょうど良いヤマは見つかるだろうかと、いま独り山に取りつく楓さんにも短いメッセージを投げ、二人の声を聴いて開く地図のアプリには、これまで皆で登った山に星印がつけてあって、理屈をつけて適当に結べば何かの形が現れそうだった。谷川岳には雪も降りている様だ。
 
 いつもならノータイムで返ってくる憎まれ口も今日はまだ、届かない。眠っているならその方がいいとひなたは、スマホの画面の灯りを落とし、
「ヘビ先生、わたしも見せて!」
と、丸テーブルの椅子を二人へ寄せた。
 
 
 

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2017年12月 2日 (土)

■マリア様が二度見してる~劇場版『ご注文はうさぎですか? Dear My Sister』感想・2~ -更新第1184回-

オイサンです。

なんだか知らないけど2回見てしまった、
劇場版『ご注文はうさぎですか?~Dear My Sister~』の感想の続き。

ちなみに、2回目を見た帰りに寄ったゲーセンにて、
ルビィちゃんのフィギュアをUFOキャッチャで取ろうとして3000円も使ってしまいました。
デまた結局取れなかったんで、amazonで買っちゃいました、2500円!!
 
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俺は何をやっているんだ……。
 
 
 
……本題の映画の感想の前に映画より面白いハナシしちゃってどうするんだ。



●○● 劇場版『ご注文はうさぎですか? Dear My Sister』、
                              いまいちだったところ ●○●


サテ褒めるところは若干乱暴ではあるがホメたので、
苦言は苦言で、キッチリ落としていきましょうそうしましょう。
 
▼劇場版 公開直前PV

 
 

  ■さみしさ不足の演出~時間スケールの表現について

1回目の鑑賞では時間のスケールがうまくとらえられなかった。
時間のスケールとは、
「物語の中で流れた時間を、鑑賞者に正しく伝えられているか」ということと、
「登場人物が体感的にとらえる時間の感覚(実際より長いor早い)を、鑑賞者にも与えられているか」の
2点を指す。

上でも書いた通り、ココアの帰省は1週間と冒頭でリゼの口から説明されていたが、
1回目の鑑賞が終わった時点では、「ココアは2、3日しか実家にはいなかったのでは?」と見えた。
2回目を見て整理すると、移動時間も含めた(木組みの街を空ける)帰省期間は5日間で、
実質の実家滞在時間は4日弱だったと思われる。

  1日目:ほぼ移動時間。実家に着いて終わり。
  2日目:町で遊ぶ。チノに電話をする。
  3日目:ココアの様子は描かれず。何をしていた?
  4日目:ようやく店の手伝いを始めるが、翌日帰ることにする。
  5日目:朝メシ食って帰る。

……ホンマに何しに帰らはったんですかココアさん!

特にナゾなのは3日目。何も描写されていなかったと思う。
店の手伝いをしていたのかなあ……と考えてみても、
4日目の朝に母・モカの活動開始時間を把握していないことや
大挙するお客のことを知らない様子が描かれてしまっており、どうやら家・店にはいなかったようだと分かる。
店の手伝いをし始めた描写が3日目のハナシなのか? と考えようとしても、
チノが「昨日(=2日目)、ココアさんから電話がありました」と皆に話したあとの夜明けのシーンから
ココアは手伝いを始めているので、やはりそれは4日目の様である。
いずれにしても、当初目的にしていた実家の手伝いをあまりにも果たしていないことは明白であるし、
木組みの街不在も当初より短い。
その辺の不足が積み重なって、
「ココアがいないことに因ってチノちゃんが感じる淋しさ」に鑑賞者が同意できない状況に陥っている。

いなくなったその日のうちに、ただ何の描写もなく「お店がガランとして感じる」と言われ、
頭で理解は出来ても体が共鳴しない。
「刺さらない」「胸に響かない」というやつだ。
 
また、見終えたときの感想は「けたたましい映画」であった。これは1回目も2回目も大体同じ。
『ごちうさ』のテンションは、テレビでの1回30分(実質20数分)で、
主題歌もインターバルもエンディングも挟まるから(少なくとも自分は)耐えられたのであろうと実感した。
劇場の音響で1時間、あのテンションをテレビと同じ密度と連続性でブチこまれたら、
印象としてかなりけたたましい。チノの淋しさを共有するヒマがない。
テレビシリーズの数倍の時間がしかも連続しているのだから、
その広がりを、もっと緩急に回す必要があったのではないだろうか。
ココアと離れている時間の大きさ、
その人に支配されていた時間・空間が開放されて空いた穴の存在を感じるだけの手掛かりが
チノのモノローグ以外にない。
映画の時間軸向けに、もう少しトーンダウン、ペースダウンしても良かったと思う。
それをすると作品の「らしさ」が残らないという判断などもあって今のカタチが守られたのだとも思うが、
結果的に表現すべきところが残らなかったのはいただけなかった。
これらの時間的な違和感、十分な寂しさを得られない作りが、1回目を見終えたときの(っていうか見始めからの)
「……は?」
っていう感覚にも繋がっている。
また、さみしさ・空虚感の演出は、時間的な間だけでなく、絵的にもあまりされていなかったと感じる。

  余談だけれど、
  劇場という場の広さやスクリーンの大きさ、音響環境がある程度整っている前提であることなどは、
  その様な演出には有利に働かない物だろうか? 
  生粋の映画監督さんなどは、その辺どう考えているのだろう。

60分というひとつらなりの「映画の時間」と、物語の時間のスケール感とテンポをひっくるめて
テーマに向けてコントロールすることと、
作品世界が持つトーンをそれらのものとすり合わせることが、あんまり上手くいっていないように思う。
あと……話のスジそのもののしょうもなさっていうのは、やはり拭い難い悪印象の主因になっている。
マしょうもなさは、コントロールがうまくいってないからしょうもなく映ってしまったのだろう。

  ……しかし、このトーンとペースの只中に、仕事とはいえ長時間身を置かれている清川"冬月先生"元夢老が
  精神と健康になんらかの支障をきたしていないか、心配される昨今です。
  8X歳? とかじゃなかった? だいじょぶっすか冬月先生。

   ▼Wikipedia 清川元夢
    御自ら「マンガが嫌い」だとか「逃げ出したい。アニメの声優をやることに抵抗感がある」
    だなんて公言している人が、よくこの作品に長く関わってくれているものだなあ……
    ……今更ながら、大丈夫なんだろうか? 楽しんでくれていたらいいけど。


そもそも1週間程度の不在でさみしく感じるものだろうか? と思いもしたが、
案外それ以上長いと今度はいない状態に慣れてしまいそうだし、
寂しがるにはほどよい時間なのかも知れんな、とは思った。オッサンが薄情なだけだな。



●○● アラフォーのオッサンは、なぜ『ごちうさDMS』を
                     2度見することを宿命づけられたか ●○●


なぜ2回見ることになったかというと、
「ムビチケ」というモノのシステムをよく理解しないままに
「……この映画は恐らく人気で、良い席確保するのは難しいだろうから、
 なるたけ前以て席を抑えられるようにしておこう。
 世の中にはどうやら前売り券というシステムがあるらしい、
 早めに座席を押さえられるならそれを使ってみようじゃないか」
ということで、
TOHOシネマズのムビチケというのを初めて買ってみたのだけれども、
それを購入する際、特段欲しくもないハズのクリアファイル(そして実際手に入れてみても何の感慨もわかなかった)
に目が眩んで、前売りムビチケを2枚買ってしまったから。


……なのであった(長い)。


  あと、ムビチケとか前売り券は「先に券を買う」だけのものであって、
  座席の確保に特段有利になるものではなかった。
  チケットを手にした時点から公開時の座席を予約できるものだと思っていたが、
  「お金を先に払うことでちょっとお安くなる」というだけで、
  座席予約の開始は一般と同じ、(TOHOでは)鑑賞日の2日前からだった……。
  お安くはなるけど、何の意味があるんだよ前売り券。
  買った時点から、普通に見る連中よりも良い席確保も有利にやれるようにしてくれよう……。


2回目も、ただ見るだけならいいんだけどさ。
劇場まで行くとか、帰ってくるとか、そこまで行くんだったらついでになんかしようとか、
「映画を見る」ことの前後の手続きまでいろいろ含め置くとわざわざもう一回、
それらの時間を使ってコレを見るというのは……なかなかハードルがキモい。
最終的には「勿体ないから」というのと「何か見つかるモノがあるかも」というのとで二回目も見て、
それなり以上の収穫もあったので、欲しくもなかったクリアファイルに目がくらんだ俺GJ。。


  ■1回目鑑賞時の認識姿勢の難
    ~「映画」と「劇場版」の違いについて、或いは
       「映画であること」を前提とするか「劇場公開のテレビアニメ」とするか問題~



上で、「映画の時間軸」みたいな話をした。

映画がテレビや記録媒体や配信によって家で当たり前に見られるようになって久しく、
家庭で視聴するための映像作品と劇場で視聴することを前提として制作されるいわゆる「映画」の区別など
もうとうの昔に無くなっているから、
「映画」という言葉で括ることは適当ではないことは承知しているが、
便宜上、「映画=長尺で鑑賞することを想定して作られた、単一で物語のある映像作品」と定義する場合、
作品としての「映画」には、やはりある程度の型、しつらえが存在する。……と、オイサンは考える。

1度目鑑賞時の自分はこの作品に対して、ちょっと「『映画』としての期待値」が高すぎた、というか、
自分の思い描く映画像に『ごちうさ』という作品を近づけて考え過ぎていたところがあったのだと思う。
つまり、

「『映画』なのだから、これくらいの時間で、お話には少なくともこういう構造があって、
 完結するテーマがあって、それが構造によって如何様にかして回収されて……」

という思い込みである。
一つの型というか、様式というか。文化文明・原理原則として連綿と受け継がれてきた
「このメディアを用いて価値ある結果を創出するために編み出された一連の手続き」
をしっかりと踏んだうえで完成された『ご注文はうさぎですか?』を見ようと、1回目の自分はしていた。
2回目には、1回目で作品の実像を得たことによって、その期待の枠から作品を外し、
作品に適した枠の目で見、評価することが出来たのだと思う。
「2回目は、1回目の結果を加味して期待値を下げた」
という言い方になるのだけれども、それではまだ不遜な感じが残る。
作品(および商品として)の特性を正しく理解して、それに見合った映画像を持った上で、
「『映画という型』を重視するのではなく、この作品をただ劇場というメディアで公開する」
という、作品オリエンテッドのサイドに立った認識態度へと改めた(自然に改まった)。

これは、さらに言い方の奥にある実情を整理してしまうと、
「『ご注文はうさぎですか??~Dear My Sister~』を、今なお映画としてはとらえていない」
みたいな要素は出てきてしまうけれども……まあ、それはしょうがねえな。
劇場で公開するための『ご注文はうさぎですか??』としては、十全であった、と言えると思う。

本作を、より自分のイメージする映画としてまとめるなら……
ざっくり言ってしまうと、リゼが思い悩むシーンなんかは要らないし、
千夜・シャロ、マヤ・メグも、お飾りとして以外はバッサリと整理してしまって良い。
物語的に不可欠な役割を果たしているワケではないし、
彼女らの果たした部分は他のメンツで代替することも可能だからだ。

描きたいことへと導くために必要なさまざまな運びを整理して、そこへ向けて誰が何を運んでいくのか、
伴う必然性に従って整理することが出来れば、時間も空間も描きたいことに集約させることが出来る。
それによって間も取れる。より明確な意図へと集約可能になる。
一つ、ズシンと完結した世界を、この世から切り出すとともに、その世界観の中に生み出すことが出来るはずだ

とはいえ、である。

本劇場版は、「映画」である前に『ご注文はうさぎですか?』という一つの商品の一部なので、
作品世界的・商業的な意味では全てのキャラクターを出さないワケにいかず、
そのジレンマにやられてしまったなあというのは、改めて見直してみると感じた。
「映画」に端を欲したそもそも「映画」である作品と、
そもそもは4コマ漫画であり、それをテレビ放映することを前提に作られたアニメとし、
そこからさらに派生した「テレビアニメの劇場版」である作品との差であり、ジレンマなのだろうと思う。

  補足すると、自分としてだって、リゼもシャロも千夜もマヤメグもタカヒロさんも出てこない
  『ごちうさ』なんか見たいとは思わない。
  映画を作るなら、それらも上手に絡めたテーマとすることが必須であろうと思う。

本劇場版のエピソードは、原作の連載中にあったものをまとめ直す形がとられているが、
上の様な事情から、同じエピソードをテレビシリーズ向けに作ったとしても
出来栄えはあまり変わらない結果になっただろう
(動画の内側にあるパラメータ(画面サイズや解像度など)はそれぞれ向けにチューンされるだろうが)。
ただ、上でも書いた、ぬいぐるみを軸にして語られるココアとチノの夢・お姉ちゃん像のエピソードは、
60分一本勝負であることを意識して通底されていた。



……。



マそういうような意味で言うと、
イマイチ華のないガサツババアの出番と山登りの場面をバッサリ切り捨て、
大人気天使ょぅじょの日常を濃密に描くことに色んなものを注ぎ込んでしまった
OVA『ヤマノススメ』の方が態度としてははるかに映画的であった
と言えるかも知れないし言えないかも知れないが言ってもいいんじゃないかとオイサンは思うワケだが
それはのちの歴史の評価を待つのが公正な態度だとも思うわけである。


 ■パンの匂い……美少女の匂い。

あと、1回目と2回目で差が大きかったのが……劇場の環境のハナシ。
……以下、半分ネタなんだけど、半分はワリと本気。

1回目の鑑賞時、劇場はほぼ満席だったんですよ。分かります? 満席。
オイサン、あんなに混んでるTOHOシネマズ海老名は初めてだったんじゃないかってくらいですけど。
デまあ……作品が作品じゃないですか。心がピョンピョンする奴じゃないですか。
オタクのヤロウどもが集まるじゃないですか?
多分、神奈川中部のオタクの大多数が集まったと思うんですよね、あの劇場に。

ことさら悪臭が充填されていたワケではないですが、やはりこう、
血気盛んな若オタヤロウドモの活発な匂いがムンムンに充満するワケですよ。
そうするとまあ……画面の向こうのビジュアルとのギャップがまあヒドイ。
あちら側はもう、美少女と焼きたてパンの楽園ですもの、
視覚的にはイイ匂いの予感しかしないワケですよ。
しかし実際嗅覚から入ってくる匂いはヤロウ臭・ケモノ臭ですから……
鑑賞の途中あたりからちょっと、「なんかおかしいな」ということに気付いたんだけれども、
ちょっとこう、視覚と嗅覚の不一致のあまりの激しさにに酔ってしまった、みたいなところがあった。

2回目はすでにガラガラだったんで大変快適でした。
同じ劇場だったんですけどね。



■Closing~壁紙と、提灯と。



お話と演出のハナシばかりになってしまったが、
絵と音については不安のない作品で、その通りだったと思う。
レイアウトがちょっと単調だったかな……という印象だが、さだかではない(ないんかい)。

2回目の鑑賞時に気付いたことだが、描かれる部屋や家の壁紙が全部ちがっており、
そのどれも可愛いことに驚いた。
背景美術がすごいのは毎度のことだが、
なんでもない筈の部屋の内装までみっちりと凝ることで一種の異世界感が演出されていて、
こういう雰囲気の出し方もあるのだなと感心してしまった。
それで画面もやかましくなっていないからまたすごい。
部屋の壁紙にこんなに凝ってるアニメはちょっとないのではないか。
「ナンタラは細部に宿る」の典型であろう。

また、ラストのお祭りシーンで電飾イルミネーションに交じって変わり種の提灯が配されていたことも
個人的にとても良いと思った。
「そうか、提灯って和風イルミネーションなんだなあ」と思うと、妙な感慨がわいた。
提灯、捨てたもんじゃない。
現実の催しのシーンでも、もっと見直されたらいい(何に感心しているのだ)。

マそんな感じで……
「2回見ました、あんま面白くなかったです」とだけ書いて
今年見たけどまだ感想を書いていなかった他の映画とまとめておしまいにするハズだった、
劇場版『ご注文はうさぎですか??』の感想はおしまいです。

映画的な再構成としてはダメなところも目立つけれども、
         劇場版『ごちうさ』としてはなかなかの出来栄えで、
                     テーマ表現としてはかなりな輝きを放つシロモノでした、


……というのが、忌憚のないところ。
でもまあ……振り返ってみると、面白かったんだろうなあ、という感じ。

「それなり」の目で見るというのが、一つ鑑賞のコツとしてはあるのかもしれない。
一度作品側に立つことによって、1回目に批判的に映った部分をもう一度キチンと捉えなおすことが出来、
良かったなと思う次第である。

コレは、劇場版『ガルパン』でも起こったことなので、
自分には、つまらないと感じた作品には必ず2回目が必要なのかもしれない。
自分はあまり情報処理の能力が高くない上、エモさ爆発オロカモンC! なので(分からんわ)、
冷静に見るには2回目が必要だってだけかも知れぬ。
世間一般の皆さんは1回だって十分だと思うぞ。


オイサンでした。
 
 
 

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2017年12月 1日 (金)

■マリア様が二度見してる~劇場版『ご注文はうさぎですか? Dear My Sister』感想・1~ -更新第1183回-

劇場版『ご注文はうさぎですか?~Dear My Sister~』を、
2回見てきたんですよ。
2回ですよ、2回。
なぜ2回見る羽目になったかの顛末はあとでてきとうに書くとして、
作品自体についてもさながら、周辺のことでも気付くことが多かったので、
感想とともに書き留めておこうと思う。
 
Atrdsc09741_2

 
鑑賞前から作品のデキにはそこそこ期待していたのだけれども、
1回目を見終えた時点では
「……俺は、コレをもう一回見なきゃならんのか……」
という、若干陰鬱な気分でありました。

デ2回見た結論から申しますと、
1回しょうもないと思った映画も2回見てみるモンだなあ
というのが正直なところで、
2回目は、1回目に比べればだいぶ楽しかった。
2回目に何かを新しく見つけることが出来たというより、
発見済みだった要素に整理をつけることが出来た、という面が強い。
得られたインスピレーションもあるので、1300円分のモトはそれなりに取れた。

1回目の鑑賞姿勢や環境に多少難があったというのもあるので、それについても後でまとめる。



●○● あらすじ ●○●

実家から「最近店が忙しい」という手紙を受け取ったココアが店の手伝いのために1週間だけ帰省することにし、
ココアが留守の間チノちゃんがさみしくて凹み、
凹んだチノを見てリゼがうまくなぐさめてやれないと凹み、
マヤ・メグがチノをお風呂で励まして、
千夜・シャロがリゼを甘いもので手なずけて、
昔チノちゃんがリゼにもらったヌイグルミをみんなで自分たちの分を量産して、
花火大会がある! ってんで、ココアは結局帰省を4日半で切り上げて(店の手伝いロクにしないで)町に戻り、
皆で花火大会が見られて良かったね!
 
 ▼予告編映像
 
 
 
……っていうお話でした。
「要約するとアホみたい」とか言わない。

あとから知ったことだが、物語は劇場版用に書き下ろしたものではなく、
原作連載中にあったエピソードであるらしい。
つまりは、「元の話は4コママンガのテンポを前提に作られている」ということになる。
これはあとあと重要になるハナシなので、てきとうに覚えておいてもらいたい。

この先、以下の様な内容で話をまとめていきます。


 ・軽んじられる物語の動機とその回収、そこから導かれる「二人の黒幕と疑惑」
   ~口実に過ぎない実家のお手伝い~モカさんはオトナのオンナ

 ・お姉ちゃんという「クラス」、ワイルドギースを介して予感させるその継承について
   ~ココアとチノ、無言・無意識の姉妹関係~そして「お姉ちゃん=勇者」説

 ・本当の欠点~タイムスケールの不明瞭さと希釈されるさみしさ
   ~作品オリエンテッドか、メディアオリエンテッドか



●○● 物語の起点と、そこに巧妙に隠されたヒトツの謎 ●○●

1回目を見終えたとき、
お話の始まりを支えていたはずのココアさんの動機があまりにもおざなりに打ち捨てられて終わったので
「はあ?」と思った。

「実家の店を手伝うという名目で帰省したはずなのに、結局2、3日しかいなかったみたいだし、
 手伝いもそのうちの1日しかしてないし、大して役に立ってないし、
 当初行かないつもりにしていた木組みの街の花火大会を結局優先させて帰っちゃうし、
 一体なんなんだろう」

という、不整合ばかりが目立ち、疑問と不満が募った。
その疑問・不満は、小さな認識違いはあれど概ね間違ってはいない。
けれども、2度目を見ることで、お話の主要な動機だと思っていたその「ココアの事情」が、
物語の動機ではあれど、主題的には実は枝葉であるということが納得出来た。

そもそも、
「お話の始まる動機はなんだったのか」「それらは動機足りえる確かさを持っていたのか?」 とか、
「その動機となった出来事を、人物たちがちゃんと解決して回収したのかな?」とか、
そういう生真面目なコトをこの作品のノリで言ってもしょうがねえかな、というところは……ある。
殊に、動機の中心にいるココアさんの思考と行動に関してそこをつついても意味がない。
そこはもう天下の紋所であるところの

  本当に、しようのないココアさんです

と呟いて乗り切ってしまう……のが、『ごちうさ』本来のお作法だが(そうなのか?)、
のちの論点に繋がる重要な部分ではあるので、
ここではその「動機部分の根拠と回収の薄さ」についてもキチンと評しておこう。

お話の冒頭、
「実家のモカさんから、『お店がやたら忙しい』という手紙を受け取ったココアさんが
 手伝いのために一週間だけ帰省して手伝ってくる」
と説明がされるが、

 ・実家のお店の混乱は、一週間で片付くことが見えていたのか?
  またココアさんは、帰省中店の手伝いをしていたのか、していたと言えるのか?

という問題には、物語の起点でありながら、物語中のどんな要素よりも強い疑問が残る薄い根拠しかなく、
そのことが作品像全体を思い切りフワフワさせている感は否めない。
動機が起こす出来事に端を発して周囲が抱く感情がこの物語の全体を支えて行かねばならないので、
動機がテキトーだと、その幹と枝の先に茂る葉と花とが空虚なものになりかねない。
2階建ての鉄筋家屋を建てようってのに、
土台はシロップをたっぷり含ませたシフォン地で、支柱はトッポで仕立てました!
みたいな感じです。
やったぜ最後までチョコたっぷり! て言うとる場合か。
それでチョロまかせるのなんか、ヘンゼルとグレーテルだけだかんな!

上でも書いた通り、この根拠の薄さ・結果の伴わなさはもうココアさんの十八番、お家芸ですんで
言ってしまえば、「振り回し役」ココアさんの本領発揮。いい仕事したなってモンである。
だてに『ごちうさ』ワールドの室伏広治と呼ばれていない(本当に呼ばれていない)。
ココアさんが実家に帰るという始まりは、物語のテーマであるところの「Dear My Sister」を実現させるため、
すなわち
 ・チノちゃんを寂しがらせるためにココアを木組みの街から引き離し、
 ・ココアとモカを引き合わせる

ための道具立てとして、ココアさんのしようのなさを利用してご都合主義的に設えられた状況に過ぎない。
 
 
……ように見える。
 
 
ここで浮かび上がるのは、ココアの行動についてはそれでカタが付くとしても、
その状況を仕組んだ2人の黒幕、モカさんとココア母たちになんらかの思惑があったハズではなかろうか?
という疑念である。
「店が忙しい」ことをほのめかしてココアが自ら帰省するように仕向けておきながら、
その実、店の忙しさははモカさん一人でも捌ける程度ではあり、
ココアがロクに手伝いもしないで町へ戻って行ってもなんら文句もツッコミすら上げない、
この2人の「本当の狙い」がどこかにあったのではいだろうか?

「物語の最重要動機の根拠と回収がここまであからさまにフニャフニャで放置されている背景には、
 鑑賞者の視線を、黒幕2人の思惑へ誘導するという意図があったのではないだろうか」
……と、2度目の鑑賞で自分は考えた。
 
だって、あまりにもあからさまに
             動機も結果もテキトーなんだもの!!

オトナが考えてオトナが作って、これに違和感を覚えないというのはありえない。
……マ逆に、そのご都合感に目を瞑れないオイサンの方が子供だ、とする解釈もあるなあ、とも考える。
「君も男なら聞き分けたまえ」と……囁くのよ……あたしの中のムスカ大佐が……。

ではその、モカさんとお母さんの思惑とはなんだったのか?



●○● "Sister"の系譜、および『ごちうさ』世界における「お姉ちゃん」のクラス ●○●

その疑問に答えを出す前に、
本作(『ごちうさ』全般ではなく、ひとまずこの劇場版に限った話として捉えてもらいたい)の
テーマについて確認しておこう。

本作のサブタイトルは『Dear My Sister』であり、姉妹関係が前面に据えられている。
且つ、ここでの「Sister」は、「姉妹」「妹」でなく「姉」・「お姉ちゃん」と捉えるのが適切だ。
作中では、もっぱら妹の立場から捉える「お姉ちゃん」への視線が描かれている。

  ……いいですか、「姉」ではなく、あくまでも「お姉ちゃん」。
  「お姉ちゃん」です。間違えないよう、何度か声に出して読んで下さい。
  「お姉ちゃん」。「お姉ちゃん」。はい、いいですね。続けます。


チノがココアに向ける視線、ココアのモカさんへの視線。
そしてもう一つ、ココアが己のうちに持っている、内なるお姉ちゃん像へ向ける視線。
いずれも強調されるのは「お姉ちゃん」に対するものであることである。
ココアは毎度の如くチノちゃんへの妹愛を露わにするが、
その際も強調されるのは「お姉ちゃんになりたい自分」であり、
チノちゃんはそのために必要だから妹に位置づいているのであって、
意識は「お姉ちゃん存在」に向いている。
無論ココアはチノちゃんのことは心から好いているだろうし、
「お姉ちゃんでありたい」という望みはチノの存在に端を欲しているのかもしれないが
(お姉ちゃんへの憧れとチノとの出会いのどちらが先にあったか明示はされていない)、
妹を欲することはそれ自体が最終目的であるのに対し、
「お姉ちゃんであること」には、際限のない広がりがこの物語の中では描かれている。

今作では、モカ・ココア・チノを繋ぐ「お姉ちゃん性」の継承に関して、
あとから考えると驚くほど鮮やかにまとまっており舌を巻いた。レロレロレロレロ。 ← まじめにやれ

映画の中盤、主要メンバーが、チノのぬいぐるみ(ワイルドギース)に似せて、
それぞれのイメージに合わせたアレンジでぬいぐるみを手作りするエピソードがある。
そこで
「現在チノがココアに対して抱いているイメージと、
 ココアがかつてなりたいと願ったもの(=魔法使い)が一致する」
というくだりが描かれる(チノはココアのかつての夢について知らないが、それがまたいい)が、
これは、チノの中で「ココア=自身のかつての夢をかなえた存在」となる手続きである。
且つ、
一方で、ココアは実家でモカの力を見せつけられて「お姉ちゃんたる者」への憧れを新たにし、
魔法使いからさらに一歩進んだ
「お姉ちゃんになれればいい
 (しかもこれまで考えていた以上のよりすごいお姉ちゃんになりたい)」
と改めて宣言をしている。
ココアの今の望みは、チノの目に映るかつての夢の姿の中になく、
「お姉ちゃん」という次の高みへ向け、チノの思い描くらせんの速さを上回って先へ進んでいる、
チノにとってココアが一種の聖なるもの・越え難いものとしての位置を獲得する流れである。

そのことがさりげなく、
冒頭でココアからチノに手渡されるぬいぐるみ(しかもそれはただのギャグの一部として!)を通して提起され、
一回りして回収される流れは素晴らしかったとさえ言える。

またそれが直接的な言葉を用いず、何よりも、
チノとココアが全く直接的に触れ合わずに行われていること、
二人には最後まで認識させないでおく作劇は衝撃的ですらある。
二人が知らず知らずのうちに結ばれ合っていることを知るのは鑑賞者だけなのである。
鑑賞者に、見ている者だけに分かる事実を預けることで、「見守る」位置に強く縛り付けることに成功し、
「この二人の結末を見届けなければならない」という気持ちを生じさせる手管は鮮やかこの上ない。



  ……アレ? なんかすげえホメてるな……。
  この映画、もしかしてすごく面白かったのか?



花火大会の件についても、
ココアの「そういう風にしたらいいよ!」というアドバイスの様なもの
(実際はただの、ココア自身の希望でありワガママだけど)を受けいれ、
取り入れるようになったチノの姿を見ていると、
チノの中ではココアは実質お姉ちゃんみたいなモンになりつつあるのであろう。


  ■モカと母、2人のオンナの謎めくパーソナリティが思い描かせる継承劇

ところで、上では「お姉ちゃん性の『継承』」という言葉を使った。
これは、少しずつ偉大なお姉ちゃん存在に近付きつつあるココアの元で、
次はチノちゃんがココアを見てお姉ちゃんになることを意識したものだ。
ぬいぐるみのくだりを用いた、チノとココアの関係の前進は初回の鑑賞で理解できたが、
この「継承」の兆しを感じたのは2度目の鑑賞の折、
「ああこの話は、やがてモカさんが退場し、チノちゃんの下に何らかの『妹分』が入場して、
 幕を閉じるんだな」
ということを思うようになった。
というのは、今回の劇場版でモカさんが「お姉ちゃん」の位置から退場する気配を感じたからだ
(ただしチノちゃんの妹分登場についてはまだなんの影も見えない)。
マこの先は、ただの妄想というか、印象論とおかしな嗅覚のなせる業の話だ。

モカさんがいま大学生なのか社会人なのか、どういう立場か分からない(なんか情報あったっけ?)ケド、
母と並ぶとどことなく「オトナのオンナ」の匂いがしてきてしまう。
一人ずつだとただの可愛い呑気者なのだが、
二人並ぶとそれなりの生活っ気が見え隠れし始め、それに応じた色気と生々しさが漂い始める。
二人でいるときにはオトナの会話をしていそうだ。

忘れもしない、ココアが街に帰ろうとする朝、
呑気にメシ食ってる妹をせかす姿とその装い(ふりふり付きのノースリーブにタイトジーンズ)が、
あーこのヒト普通に彼氏いるんだろうな、しかも仲はそこそこ進んでるな、という妄想を起動させた。

ここで、冒頭に論じた「モカと母が、ココアを帰省するよう仕向けた思惑」に帰ろう。
2人は、店の手伝いにココアの手が必要だったワケではなく、何らかの話をココアにしたかったのではないだろうか?
それはすなわち「モカのお姉ちゃんからの退場」に関わることであり、
妹との関係性を希薄する出来事である。

例えば、今回のココアの帰省中に彼氏をキチンと紹介する踏ん切りがつけられたら、
彼氏さんとの結婚もちゃんと考えようかな、と思っていた……けど今回は結局そこまで出来ず、
ココアが帰ってから、ヘタレな自分をお母さんにいじられたりしていた、
のような裏エピソードの存在である(※アラフォーの妄想です)。
モカさんは、結婚して家を出ることはココアを手放すことになるのは分かっているし、
少なからずココアがショックを受けるであろうことも分かっているから、
おいそれとは言い出せない……みたいなことである。
そうしてモカさんが結婚・家を出ることによって「お姉ちゃん」としての位置から退場をし、
あらたにチノちゃんが妹分を物語に迎え入れることでこのお話の輪廻は完成して
終幕へ向かうものであろう……つまり!



  『ごちうさ』は『マリみて』の系譜に当たる作品だったんだよ!!

   ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー



……うーん。
こんなしょうもない妄想までしてしまうくらいなんだから、
この映画、やっぱり面白かったんだろうなあ。
まあそこまでは無い話だとしても。
モカさんとお母さん、二人だけの時間の会話には、正直興味が尽きないのである。のである。


  ■お姉ちゃん > 魔法使い

ここまでやたらとお姉ちゃんお姉ちゃん言ってきたが、この流れで
「待て待て、『お姉ちゃん』は『魔法使い』より上位クラスなのか?」
という違和感を覚えたそこのアナタ!Σm9 良い目をしているな……見どころがある。  ← 上から

そう、今回の劇場版では、『ごちうさ』ワールドにおける「お姉ちゃん」というクラスの位地の高さが
改めて示されたと見て良いだろう。
お姉ちゃん>魔法使い であることは明示されたし、
小説家・バリスタ・国際弁護士などをも上回るクラスであることも、暗に宣言されたと見ていい。
恐らく「お姉ちゃん」は、『ドラクエ』における勇者に等しいクラスであり、
本世界観における最上位職・万能の位であり、最強の戦士である。

  お姉ちゃん=勇者。

これまで「血縁と等しいくらい近しい関係にある年上の女性」でしかなかった「お姉ちゃん」が、
実はクラスであったと明示したことも、本作の大きな役割であったと言えるだろう……。

「それはココアの価値観であって『ごちうさ』世界のじゃなくてだろ!」

などという至極まっとうなツッコミも、耳をすませばホラ、聞こえてきそうだが、
今回の劇場版が
「実は世界は魔女化したほむらちゃんの精神世界だったということを最後まで誰も見破れなかった
 『まどか★マギカ』の劇場版」みたいな映画だった

ことを思えば、
「ココアの認識=世界のありよう」としてしまって、なんかもうイイんじゃないか? と
おっちゃんは想っちゃったのでそれでいいのである。
オッサンもう言いたい放題だな。
いやイイよ、賛成したい人だけ賛成してくれれば。



……ムウ、思いのほか長く語ってしまった……
ちょっと一回分けるか。
2回見ることになった理由とかは次回になってしまうが、まあいいか。
大した話じゃないし。

ではまた次回。
オイサンでした。
 
 
 

 

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2017年11月23日 (木)

■月あかりに浮かぶ邪教の宿~『月がきれい』川越巡礼~赤城~小川町(第2回) -更新第1179回-

9月、『月がきれい』の巡礼で川越に行ってきたときのお話。
その第2回目。
 
Dsc07685
道の駅 おがわまち 
 

お宿のステキアメニティの話と、
2日目に行った埼玉・小川町、小川小学校下里分校のこと。
大きな出来事はありません。
 
 
 
▼今回の旅マップ

 
 
 
●○● 邪教の宿のアメニティ~邪教の女将、邪教の風呂、邪教のwifi ●○●


 ▼邪教のアメニティ・その1~悪魔召喚wifiに手を出すな!
 
話は、宿に戻る。
邪教の宿、ゴハンは大変おいしかった。豪勢で大変美味しかった。大満足。
 
Dsc07592 Dsc07596
Dsc07597
 
 
帰り際に少しだけお話をさせてもらった宿のおかみさんもなかなかのキャラクターだった。
おかみさんは宿を所狭しと埋め尽くすオブジェ群を見渡し、

  「……こういうのは、主人が色んな所から持ってくるんですけど、
   最初は片付けてたんですけどしまう場所もなくなってきたからもう、
   『だったら飾っちゃえ!!』ってことになって、そうなるとねえ? もう全部は綺麗に掃除は出来ないから、
   毎日ちょっとずつ違うところ違うところってやってるけど」


と、しれっとぶっちゃけてくる辺り、なかなかの開き直りを感じさせる。
ウンウン、大変ですよねえ。けどね女将さん?
ボクらそういうの別に気にしないんで、「wifiの正しい繋げ方」とか「露天風呂の本当の利用ルール」とかは
ちゃんとしといて頂けるかなマドモワゼル?

部屋に通されるなり、「wifiの使い方は、お部屋にありますので!」とビシッと言い切られたので、
なるほどそうかと信じ切り、お部屋を探してみたけれども、それらしい情報が見当たらない。
それでも何らかのヒントがないかと、3人総出でほとんど家探しのようにして
あらゆる収納から物陰まで探ってみたけれどもそれでもやっぱり見つからず、
オイサンなどは額ブチの裏まで探しているところを2人に見られ

 「オイサンwwwいくらなんでもwwそんなところにwwwwifiのパスワード置かないでしょwwwww」

と爆笑される始末。イヤ分かってるけどさw! 普通はそうだけどw! 他にもう、探すところないじゃんw!
しびれを切らしたよつさんがおかみに再度アタックをかけても

 「いえ、お部屋に……ありますでしょ?」

と、まるで取り合ってもらえない始末。
そうまで自信たっぷりに言われてしまうと、コチトラ長年世間から虐げられ冷遇されて生きてきた
日陰者のオタクでございますゆえ、自分たちのすることにそこまでの自信もなく、
もしかすると俺たちに見えていないだけなのかも知れない、などと思い始めてしまうのも無理からぬこと。
 
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邪教の宿・セーブポイントライブラリー
 

おかみを呼びつけて叱責するなどという野暮はせず、嗚呼ここはこういう宿なのだと飲み込んで
結局wifiのパスワードを発見するには至らず、オイサンのポッケトwifiを細々と分け合って暮らしたのです。
尚、ルーター本体らしき物体は廊下の本棚の上に発見出来たものの、
如何せんその裏を確認出来るほど動かすことが出来なかった。

 ▼邪教のアメニティ・その2~悪魔合成露天風呂

そして、露天風呂の利用ルールである。
「露天風呂はですね、行って頂いて、ご利用の間は利用中の札をかけて置いていただければ、
 その間は貸し切りとなりますので、ええ、ごゆっくりお入りください」

と説明を受け、なるほどそれは素晴らしいと、イザよっちゃんが偵察に行ってみれば小首を傾げて戻ってくる。
 

  「なんか、30分制で、先に予約で
        名前書いとかないとダメみたいです……」

 

お、おかみーー!! 話が! 話がちがうではないかーー!
まあ確かに、その間30分はフダかけとけば貸し切りなのかも知れぬがーー!!
大事なところの説明が抜けておるではないか、おかみーー!!
……となかなかに、旅のスパイスを多めにふりかけてくれるお宿だったのでゴザル。
マ露天風呂っつっても、夜半からは大雨ザーザー大風ビュービューで入れたもんじゃなかったんですけど。
 
露天風呂が露天風呂なら、内風呂の方もなかなかのスパルタン仕様して、
湯船と洗い場は広々として良いようなものの、3つある湯口のうちまともに機能しているのは1つのみ。
イザ体を洗おうと湯口の前に陣取ると、先に入っていた見知らぬ御仁に
「あ、そこ出ませんよ! ここしか出ないみたいです! 私、もう空けますんで!」
と気を使われてしまい却ってこちらが恐縮する事態に。
見知らぬ人を交えた四人で、唯一湯の出る洗い場を譲り合って使うという、
戦時下戦後の井戸端のような光景が現出したのでした。
あと、風呂にも謎のオブジェは進出していた。くそっ、連中こんなところにまで!



……。



そんなわけで、いやー……どこまでいってもくつろがせてはくれない、
何らかの緊張を強いてくる邪教の宿でありました。
宿の主であるところの、謎オブジェを世界中から買い付けてくるダンナの方は、
梁に頭をぶつけたよつさんに
「兄ちゃんでけえなあw!」
と絡んできたくらい(コレと言った気遣いの言葉などはナシ)で、
オイサンはとうとうコンタクトを取るチャンスに恵まれなかった。ひと目お会いしたかった。
 
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……しかしなんでしょうか、
日本人の旅の愉しみは「物見・ゴハン・お風呂」が一般的だと思うけれども、
海外の方々が自国内を旅する時、「観光・ゴハン」までは同じかも知れないが、
やはり同様に「お風呂」も楽しみにカウントされるのだろうか?
なんかそんな気はしない。外国人の自国内旅行では、どんなことを主たる楽しみにするんだろう??

……以上、赤城温泉のどんづまり、邪教の宿からお送りしました。
おお寒い。



■■■━ 2日目 ━■■■



2日目はやはり雨。
小ぬか雨のそぼ降る中、目指すのは埼玉県、小川町の道の駅。
オイサンの希望で『のんのんびより』の聖地、小川町・小川小学校の下里分校へ三度目の巡礼である。
あそこ好きなんスよ。
今まで巡った「聖地としての聖地」の中では、一番好きかも知れない。
普通の旅先としては、小諸とか高山とか城端とかがやっぱり好きなのだけど。
 
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やたらと目につくエキサイティングホテルの看板をやり過ごし、
まずは近場の道の駅に立ち寄っておみやげを物色。
……ム。よつ氏、そのたぷたぷ水の入ったビニールは? なにを買ったんだね?

  「タニシです」
  「タニシ」
  「生きてるやつ。熱帯魚の水槽に入れるんですけど」
  「生きてる」
  「ここ、バカ安ですよ!」
  「バカ安」
  「ヘラクレスオオカブトも売ってましたよ」
  「ヘラクレス」

あまりに自分の知らない世界のデキゴトで、オイサンはもうおうむ返しに呟くことしか出来ない。
近場の農家で養殖してるんであろう。すごいな。
オイサンもちょいとお土産物を見繕い、イザ小川町。

道の駅小川町にはちょっとした因縁があって、
最初に訪れたとき、辿り着いてさあ昼ゴハンを食べよう! と喜び勇んで食堂へ向かったら、
売り切れだかなんだかで、まだ閉店時間前だったのにタッチの差で店がしまってしまったのだった。
今回はそのリターンマッチ。
 
なんらかイベントをやっているのか、駐車場がやたら混んでいたのが印象に残っている。
今回も、席につき、メニューを眺めているとお姉さんがやってきて、
 
「今日はおそばがもう売り切れでして!」
大人気か! 
 
「あと、ゴハンものもないです!」
小川町の人間は炭水化物が大好きか!
 
「うどんしかないです!」
じゃあしょうがないな!
 
一人だけ売れ残ってしまったうどんがなんだかちょっぴり気の毒なくらいだが、
オイサンの注文した田舎汁うどん、とってもおいしかったです。
売店で、なにやら地元のイラストレーターさんがデザインしたカッコいい手拭を売っていて、
心惹かれたが今回はやめておいた。またくることもあるだろう。
 
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●○● のんのん聖地~小川小学校下里分校 ●○●


聖地・下里分校までは、クルマらな数分。徒歩や自転車でも行かれない距離ではない。
何度か、一人でも来てみようと企ててはみたのだが、如何せん家から日帰りではちょっとしんどい距離なのに、
周辺には都合のいい宿もないのでまだ一人で来たことはない。

雨の下里分校は、これはこれで、大変アリな佇まいをしていた。
雨脚はもう、小雨、小ぬか雨と呼ぶには勢いを増し過ぎていて、
すべての色が晴れ空の下よりもひと刷毛、ふた刷毛ぶんくらい濃い。
雨降りだと、視界の中で絶えず何かが動いているし、水の鏡がたくさんできているから
多くのまやかしが働いているように感じる。風景が持つ、脈動や息吹の様なものが色濃く感じられる。
 
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雨の音が強い。
 
 
ここを訪れた二度目のとき、驚いたことがあった。
校舎の、放送室のような場所にオーディオのセットが組み込まれて、
『のんのんびより』の音楽がかけられていた。
主題歌やエンディングのようなキャッチーなものではなく、静かな、第1期1話冒頭のあの曲だった。

ここを管理しているバッチャンがいて、彼女は
「せっかくだから、楽しんでもらえるように」と、そのようにしたんだと言う。
バッチャンはおしゃべりが大好きで、
アニメにも聖地にも全然関係ないような自分の農業のことなんかをベラベラしゃべるおかしな人なのだけど、
オイサンは、なんだろうか、その心遣いみたいなものにいたく心を打たれてしまった。

バッチャン一人でやっていることでもないのだろうけれども、
掃除をしたり、ノートを置いたり、募金筒を置いたり、戸の開け閉めをしたり、
自分にはなんだか分からないアニメと、
それが好きというだけでやって来るなんだか分からないロクデナシどものために
毎日そんなことを続けてくれる人がいることが大変ありがたく、
オイサンには彼らが妖精か何かのように思えてしまった。

だから今回は聖地に訪れたいという気持ちもありつつ、
バッチャンが元気でやってるかどうか確かめたくて来たのでもあった。
さっき道の駅で買ったおみやげも、実はバッチャン向けに買った物だった。
いなけりゃいないで、持って帰って自分で食べればいいだけだ。
 


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とはいえ、不安はある。
なにしろ『のんのんびより』は第2期の放映も終わってそこそこ時間が経っているし、
原作こそ元気に続いているものの続編の声も聞かず、
果たして、敬虔な巡礼者がどのくらい残っているかもおぼつかない。
訪う人が絶えていたとしても、なんら不思議はない。

  かくいうオイサンだって2年ぶりなのだ。不信心な巡礼者で申し訳ない。

そうなっていたら、巡礼者向けのサービスが続けられていることもないであろう。
それは致し方ない、
致し方ないとはいえ……そうやっておもてなしをしてくれる人の気持ちを
たかが流行り廃りでさみしく萎えていってしまうこと、
「飽きられてしまったのだな」と萎びさせてしまうことが、オイサンはひどく悲しかったのである。
だからせめてひとこと、
バッチャンのしてくれたことは本当に嬉しかったんだよ、
楽しかったんだよということくらいは伝えておきたかった。
 
 
雨の音が強い。
 
 
ジェントル号が駐車場に入ったとき、音楽は聞こえてこなかった。
だからまあ、嗚呼、やっぱりそういうことなのかなと、
残念ではあるけれどもある程度予想もしていたことだったからそういう気持ちで車を降り、
傘をさして、
ずくずくと水を吸った校庭の古い土を踏んだ。
大きな校庭を半分くらい進んだところで、先行していたよつさんが、足を止めて嬉しそうに振り返った。

  「鳴ってる」

駐車場は、校庭をはさんで校舎からそこそこ距離がある。
オイサンにはまだ届いていなかったが、耳を澄ませると確かに、
落ちてくる雨だれの間から聞こえてくるメロディーがあった。
こんな雨の日にもバッチャンはここにやって来て、生真面目にオーディオのスイッチを入れてくれたのだろう。
 
 
  ~♪ ~♪♪♪  ~~♪♪ ~♪ ~♪
 
 
果たして、バッチャンかどうかは分からない。別な管理者、職員さんかもしれない。
いずれにしてもそれはとてもありがたいことだ。
校庭にも校舎にも、人影はまだ見当たらなかったが、きっとどこかでオシゴトをされているのだろう。
会うことが出来ればそれでいいし、出来なくても仕方ない。
ともかく毎度の如く、普通に回れるところを見せてもらって、時間が来れば帰ることにしよう。
特別なことはしないでおこう、そう決めて、小川小学校下里分校を、今回も回らせてもらった。

ところどころ変わっているところもあった。
訪問ノートの置き場所が、西側のげた箱から東側の教室の入り口に移動になっていたり、
代わりに西側のげた箱にはお手製の小さなマップが貼り付けられていたりした。
焼却炉もなくなっていた。
あの、一穂ねえねえが
  
   ♪早よ燃えろ~ 早よ燃えろ~ もっとボーボー燃ーえーろー♪
  
と、物騒な歌を口ずさみながらゴミを焚いていた焼却炉である。
訪問ノートは6冊目に至っていたが、なんでも3、4、5冊目の行方が分からなくなっているようで、
そのことを伝えるれんちょんがかなしんでいるイラストが、オイサンの心にそのまま入り込んできて
正直心が痛かった。
 
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  もし持って行ってしまった人がいるのなら、早く返してあげて下さい。
  お願いします。

  

一番新しい6冊目のノートを見ると、定期的な訪問者はまだまだいるようだった。
ワリと近い日付に、「ここで写真を撮ってコンテストで賞をもらいました」みたいな書き込みがある。
「10回目です!」みたいな書き込みもたくさんある。
どうやら世間は、オイサンのようなまだ3回目の怠け者ばかりではないようだ。
世のオタクのすることの無さ、しつこさはまだまだ有り余っている様で安心した。



ここから先は、ちょっと書けないことが多い。
バッチャンとの約束があるからだ。



つまりオイサンたちはこのあとバッチャンと会うことが出来、
オイサンは無事、群馬で買ってきたお土産を手渡すことが出来たのである。
なんかテラジさんには爆笑されてしまったけれども。
まあ、見知らぬ男の持ってくる菓子なんか、よく受け取ってくれたなと我ながら思わないでもない。
 
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先客も一人いて、彼は青梅からもう10回も通っている大ベテランらしく、
我々は彼のことを「青梅パイセン」と呼ぶことにした。
駐車場でジェントル号の隣に停まっていたのはパイセンの車で、オイサンにはわからないが大層お高いヤツらしい。
バッチャン曰く、西側の校舎の一画にカフェをオープンする予定なのだそうだ。
現時点でのオープン目標は、来年春。

「マンガに出てきた、桜餅なんかも出せたら面白いじゃない、ねえ?」

色々と若い人たちが頑張ってくれているらしい。楽しみだ。
青梅からなら3時間程度で来られると言っていた青梅パイセンも、きっと春には来るだろう。
またここで会えるのではないだろうか、そんな気がする。
バッチャンは……前に会った2年前の夏よりも少し小さくなって、元気がなかったように思う。
転んで足をケガをしたとか、「耳が聞こえにくくなって」とか言っていた。
お歳はうかがっていないが、見るからに結構な年齢である。節々に衰えがあるのはいたしかないことであろうけど、
元気でいてもらいたい。
もしかするとバッチャンはこの学校のOGなんだろうか?
なんかそんな気がしてきたな……春にまた、会うことが出来たら聞いてみよう。



●○● Closing ●○●



以上を以て、2017年秋・川越~赤城~小川町の旅は終幕である。

  ……本当は、最後の最後、雨の中でもうひと悶着あったんだけれども、
  半ば解散後のデキゴトなのでノーカウントとしておく。
  ひと言、雨だれが車内に入って来ないように頑張るのが大変だったこととと、
  雨にぬれてシワシワになった帳票を、それでも頑なにこちらに寄越そうとする若い官憲のことを
  ボクらは忘れない。テメー顔覚えたからな( ← 忘れた)。

今回は昇仙峡のような、たてつづけに大仙人に出くわすスケールの大きな時の旅ではなかったが、
崩れやすい小さな崖をいくつか渡るような、懐かしさのある旅であったように思う。
珍しく三人それぞれに趣旨があり、そのそれぞれを、皆それぞれに楽しめた旅だった。
それだけにひとつに括れる言葉を見つけるのは難しいが、
落ち葉の舞う川越の新河岸川のほとり、
木漏れ日の差す赤城神社の森、
そして桜の咲く下里分校の春などを、
またいつの日か、ぶらりと訪れてみたいと思うオイサンです。
 
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IT'S GOOD TIME.
チキンは一つで十分だ。
 
 
 

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2017年11月19日 (日)

■月あかりに浮かぶ邪教の宿~『月がきれい』川越巡礼~赤城~小川町(第1回) -更新第1178回-

秋の気配に誘われて、川越へ行ってきた。
『月がきれい』のジュニアハイスクール・ラヴにやられたよつさんの発案からの聖地巡礼である。
 
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天候は生憎の、超魔球的角度でやってきた台風さんの接近予報でどうなるか全然わからなかった……否、
唯一「晴れではない」ことだけはバッチリ分かっている有様だったのだが、
結果から言えば、
川越の街歩きをしている最中はほぼ全く降られずに済み、なんなら若干日の差す場面もあるくらいで、
ひと巡りし終えて「じゃあ宿に向かいますか」とクルマに乗り込んだ「その途端」降り始めるという
超神回避仕様であった。

  「その途端」が本当にビックリするくらい「その途端」で、
  「いやー、天気もちましたね」と言いながら車のドアを開ける、シートに着く、シートベルトを締める、
  前を向く……と、フロントガラスに水滴がついてる、というタイミングであった。
  その後川越がどうなったか知らないが、雨雲レーダーさんを信じるなら、
  ワリとなメジャーリーグ級のドジャース降りであったハズである。
 
 
▼今回の旅マップ

 
 
 
●○● 邪教の宿 ●○●


「川越に巡礼行った」という話の冒頭から宿の話をして申し訳ないけれども。
宿は、テラジさん慧眼の面白チョイスで、
赤城の山の中腹に位置する赤城温泉などというあまり聞き及ばない温泉地のさらにドンづまりにあるクソボロお宿。
「クソボロだなんてキミ、随分な言いようじゃないか!
 そのお宿だってきっと一生懸命やってるんです、不謹慎ですよ! FF外から失礼しました!」
と怒られそうであるが、じゃらんの紹介文で自ら「ボロい!」と売り文句にしているくらいなので言ってもいいのである。

そしてまた、ボロい以上に邪教の宿でもあった……。

……なんかね。
これから出てくる写真や動画を見てもらえばお分かりいただけると思うが、
そのテのオブジェが、ご主人自称するところのボロい建屋の中にところせましとディスプレイしてあり、
夜中にトイレに行こうものならランダムエンカウントでバトルに突入する有様である。
彼らもどうやら、夜な夜な好き勝手にうろついているようであるので(そんなことはない。……ハズ)。
 
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オイサンが子どもだったら、きっとコワくて帰りたいと泣いていると思う。
これは大げさでなく、本当の実感である。あれは子供には怖いと思う。
オイサンらの他に数組の宿泊客があったのだが、
お隣でゴハン食べてたのは小学校低学年ぐらいのお子さん二人のご家族連れで、オイサンは正直、
「あの子らはこの宿に泊まってて怖くないんだろうか!? 強いなあ!」
と、感心してしまったほどである。
イヤね、ホント怖いと思うよ。
ただ奴らは食事の仕方が汚かったのでバチの一つも当たれば良いとは思う。
異教の神々のみなさん、やっちゃって下さい!

そんな異様なこの宿に、さすがのテラジさんはアラフォーの慧智を以て、「邪教の館」と名付けたが、
イヤ全くその通り。
『女神転生』、デジタルデビルストーリー、DDS、デジデビメガテンの世界ですよ。
オイサン的には『ペルソナ3』のダンジョンみたいという感想が真っ先に心に浮上してきたが、
マ示すところは概ね一致であると見て良い。
コンゴトモ ヨロシク ...
 
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 ▼季節外れのハァンヒィータァー

ところでこの日は、陽が落ちてからはとにかく寒かった。
台風が連れてくる雨風のせいも、赤城山の中腹という標高のせいもあるだろうけれども、
肌寒いというレベルを通り越して普通に寒い。
 
その上、宿が先述の通りのボロイ&背筋サムイサムイ仕様だったので、
なんと、石油ハァンヒィータァーにお世話になる始末。
まだ9月半ばだったんだぜ……。
ていうか、その寒さを見越してなのか、石油ハァンヒーターが部屋にスタンバってあるのがすごい。
自称する通り、確かにボロブドゥール(遠回しな表現)な建屋で、
設備的にはホメられるところのあまり多くないお宿ではあったけれども、
そして不要な設備(オブジェ)ばかりやたら充実した宿であったけれども、
そこはそこだけは素晴らしい気配り、先見の明であったと思う。
ていうか、そういう心配りが出来るなら周辺にも活かしてみてはいかがだろうか!!(ドン!!
謎のオブジェばかり世界中から買い付けてないで。


●○● 三夜沢赤城神社 ●○●


この辺で、お読みの皆さんはもう不思議に思っておいででしょう?

観光のメインが川越でありながら、なぜ宿泊が赤城温泉などという遠く離れた辺鄙な群馬の果てに設定されたのか?
それはもうひとえに、コーディネーターであるテラジさんの、
「面白そうな宿を見つけちゃったぜー
               ヘッヘーンポーチッとなぁー!!」

という勢いのせいもさながら、三夜沢赤城神社に詣でたい、という真摯なご希望があったからである。

その……三夜沢赤城神社? は、なんでも戦艦?赤城の艦内神社の元になるものだから、ということらしい。
ふむう。
三夜沢赤城神社は、赤城温泉地域に入る手前の、山の中腹にある。
なんだかよくわからないけど、 赤 城 。 なんですねぇー。(何かの物まね)
 
 
▼大人のプラモ道 赤城製作編

なぜこんな動画を載せるのかというと、クルマの中でこの人の話ばかりしていたからだ


その神社に着いたのは、川越を堪能し、関越道をひた走った後の17時頃で日もすっかり傾き、
雨雲もすぐ背後までせまった暗がりの中でだった。
これがもう……暗くて!
「え、こんなに暗いの!?」とびっくりする。
肉眼ではそこまでの暗さは感じなかったのだけれども、いざカメラを構えるともう、明るさが追いつかない。
人間の目というのは本当に優秀だなと感心する。
そしてまた……。
寒かった……。
ジェントル号の外気温度計は13℃。半袖で活動できるギリギリの感じであった。

しかし、その暗さ・寒さも相まって、大変雰囲気を感じられる神社でもあった。
何から何までじっとりと苔むし、気を抜くとそこから自然に還ってしまいそうな遠さがあった。
ていうか、ところどころ自然に還りつつあった。
時間の流れさえじっとりと這い寄ってくる。
日の差す明るい中で見ればまた印象も変わるのだろうが、
鬱蒼とした中に鎮座するあの佇まいは、おごそかながらも気持ちをスッと清涼なものにしてくれるだろう。
 
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あと、そのとき一緒にそこにいた親子連れがうるさい。特に子ども。
お前、何でそんなにやたら水を汲みたがるんだ。「水が! お父さん、水が!!」って。
水属性か。水上桜か。 ← 分からない人は、今すぐ『ディーふらぐ!』を読もう。


 
 
 
●○● 小江戸・川越 ●○●


主目的が川越であったのは冒頭で書いた通りで、『月がきれい』にハマったよつさんのリクエストである。
同作のあまり真面目な視聴者でなかったオイサンは6話か7話あたりでストップしてしまったのだが、
情景の美しさや、物言わぬ心のゆったりと揺れ動く表現などは、確かに近年では類を見ないものであった。

  そのクールは、オイサンはテンションがちょっと違って、
  『ID-0』とか『有頂天家族2』なんかにかまけてて完走出来なかったんである。

往路、あまりに早く着き過ぎそうだったので、珍しくスタバなどで軽く一服する。
聞けば、ドライバーのテラジさんは、川越には過去にそこそこご縁があったらしい。
観光として来るのは初めてで、今回はいわば、再発見の旅となるとのこと。
ナルホドわかる。
オイサンは上でも書いた通り、作品の方にもさほど明るいわけではないのでいつも通りのオノボリさんであるが、
案ずることはないぞ。オイサンにツッコめない観光地などないのだ(イヤな自信)。

川越さんは、自ら小江戸などと名乗るだけあって見どころはたっぷりとあった。
作中でもしっかりと描写されていたという県道39号線の目抜き通りを中心に、
シンボルタワーであるところの「時の鐘」、
古めかしい駄菓子を売る店が軒を連ねる菓子屋横丁、
縁結びパワーでインスタ女史を無限に飲み込み続ける氷川神社、などなど。
昔ながらの趣を残す木造の町家と土蔵が並ぶ様は、空気はひたりと静まり、しっとりとした落ち着きがあった。
自分の知る観光地から似たものを照らし合わせるなら、鎌倉と柴又をブレンドしたような印象である。
こぢんまりと広々の中間。
 
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……が、それもAM9時を回るまで。

我々は早起きさんであり、且つこの日は首都圏周りの血流も極めて快適であったため
8時半頃には川越に着いてしまっていた。
「いやー、人が少ないねー」
なんつって、台風接近と天候不順の予報もあいまってこの日はこのまま快適な状態が続くかと思いきや、
9時を回ってからは小江戸の決して広くない小路に、有象無象がモジャモジャと溢れかえる始末……
お前ら何しに来とんねん。

しかしまあ我々は、小江戸川越のメインストリートは人が溢れかえる前に巡り切ることが出来た。
「日射し」とタイトルされた彫刻になんだか爆笑してみたり、
立ち寄ったファミマで行き合った、なんかもう「民度が低い」としか言いようのない……否、
「品のない」で十分だ、品のない一家に憤慨しながら爆笑したりと、あんまりメインではない楽しみも満喫して、
町からは少し外れた氷川神社の方へを足を延ばした。
 
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……小僧!!
だからお前、プレミアムチキンは1個しかないって店員さん言ってんだろ!!
ケースを叩くな! 親もお前、なんか言えよ! あとなんだそのTシャツのセンスは! 「IT'S GOOD TIME」だあ?
そりゃお前らはいいだろうよ、店員さんは地獄だよ!!


●○● 川越・氷川神社~インスタ映え地獄 ●○●


個人的には、町なかの観光地観光地しつつも昔の佇まいを残す分かりやすい空気よりも、
中心から外れて氷川神社へと至る、住宅街を流れる新河岸川沿いの風景が好ましかった。
ザ・生活臭。
流れる水はお世辞にもキレイとは言い難かったが、かなり改善はされているご様子で、
土手には彼岸花が咲き乱れていた。
 
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氷川神社は、『月がきれい』の作中でも中学生がイチャイチャいちゃいちゃと……否、
しっとりと描かれた聖地でした……様です。確か。知らんけど(知らんのかい)。

現地視察のために前の週にも訪れていたよつさん(やる気)は、
アニメでも描かれていた風鈴祭りをご覧になったそうですが、
無数の風鈴が梁からぶら下がった様子は、それはもう壮観だったご様子。
……フム。
その風鈴を男性期のメタファーとして捉えれば、
 このときのハネテル君がどれほどエキサイトしていたか

如実に描かれた屈指のエロシーn失礼、
話題を変えましょうマドモワゼル。
 

町から神社方面へ移動する間にも、色々と聖地ポイントはあった。
新河岸川沿いに点在するそれらを辿りながら歩いたが、聖地であることを除いたとしても、
閑静で、大変好ましい雰囲気のある街並みだった。
中学生がこの道を歩きながら、恋に落ちたり、恋を失ったりする気持ちも理解できる。
オイサンは中学生ではないが(分かっとるわ)、
今でも実家に帰って大学を出るまで慣れ親しんだ景色の中で過ごしていると、
過去の心情や風景と隔絶された「大人時代の自分」しか知らない現在住まっている神奈川の風景の中にいるときとは
明らかに異なる熱を、心や体が帯びるのを感じる。
『月がきれい』のハネテルくんたちがこの先どこへ移り住んでも、
こころと体にはこの景色と繋がった渦の様なものが宿り続けるのだろうと思う。
 
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濯柴(たくし)公園で一休みし、田谷堰の恐ろしい看板に爆笑しいしい歩いていく。

道すがら、見かけたアパートをさかなに、
「この辺は家賃は高いのだろうか」「XXXX万円ぐらいじゃない?」「(スマホで検索)……お、ニアピンw」
などと下世話なオッサン会話を楽しんだりしたのだが、
あとで宿に戻って調べてみたら、まさにそのアパートがアニメ作中でもがっつりと描かれていたりして、
偶然を喜んだりもした。おかしな偶然もあるものだ。

  もしかすると、ファミマで見かけたクソッタレプレミアムチキン坊やのIT'S GOOD TIME親が、
  成長してこの町へ帰ってきたハネテルくん、なんていう偶然もあるかも知れない。
  あってたまるか。
 
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氷川神社は……大勢の参拝客でにぎわっていた……。
なんでこんなに人がいはるの……? ただの神社でしょ……?
と思ったら、なるほど、縁結び系か……。そう、縁結び系神社は、どこにいっても強いのである。
旅先でも、「え、こんなショボくれた町のしょぼくれ神社にこんなに人が!?
」とびっくりするくらい、とにかく縁結びでさえあればそれなりに参拝者の姿がある。
お前ら必死か。 ← お前も少しはやる気を出せ

  こうも縁結びジネスが順調であるなら、もしかすると縁結び属性のついていない閑古鳥神社の皆さんは、
  どうにかして祀ってある神様に縁結びアビリティを付加出来やしないかと
  必死であったりするかもしれない。
  課金して能力強化するとつけられるとか、空きスロットに縁結びマテリアを付けるとか。

そうか、ハネテルくんも必死だったのか……。
 
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氷川神社もまあ、大きいから余計になのか、
或いは群がるラブ亡者の課金を受けてここまで成長したのかしらんが結構な人出で、
結婚式を挙げている一団も見受けられた。
ていうか、隣にセレモニーホールが併設されてるんだな。イタレリツクセリじゃないか。
なんとも品位に欠ける話だ。すっかりナイスお商売、信仰心を食い物にされていることに気付き給え。
子宝神社のとなりにラブホテルや産科を建てるかって話ですよ。
背の高い草の生える茂みを整えるぐらいにしておきたまえ(下世話)。

そんな人ごみ万歳な神社の中を一巡りして、再び氷川橋のたもとに戻ってきてみると……
なんと! 信じがたい、伝説上の生き物が私たちの前に姿を現した。
川の土手と道路を隔てるガードレールを乗り越え、
土手に咲く花々の中にしゃがみこんで、渾身の作り笑顔でお友だちに写真を撮ってもらっている、
そう、あれは噂に聞くインスタ女子!! なんてこった、実在していたのか……。

その涙ぐましい努力を前に、我々もメイキング現場を撮影してあげて、

「彼女たちはこうまでして、自分の暮らしの充実度をアピールしなければやっていけないんです!
 こんな努力を重ねてでも結婚したいんです! 誰か、誰か早くもらってあげてください、
 踏みつけにされた土手の花が枯れ絶えてしまう前に!!」


って、アピールのお手伝いをしてあげれば良かった。
ごめんよ、力になってあげられなくて。早く良い人が見つかるといいね。
きっと、君と、君の作り笑顔インスタ映え写真に騙さr……否、
君の本当の姿に気付いてくれるクソみたいなオトk……否、ステキな旦那様の間に生まれる子供は、
ファミマの店員さんがプレミアムチキンは今一個しか準備できないと訴えているのに、
2個欲しいんだ、今すぐ2個よこせとケースを叩く様なゴミみたいn……否、
交渉力に長けた子供に育つのだろうね。
オイサンは、すごく遠くからあなたの幸せを願っています。
だから二度と、その化学物質を塗りたくったツラを俺たちの前に晒すんじゃないぞ。
 
 
●○● 本川越~川越 ●○●
 
 
インスタ映え女子をこき下ろしていたら腹が減ってきたので、
昼ゴハンの店を探しがてら、川越の繁華街を歩く……が、
どうも私たちの舌と心を満たしてくれそうな、オモシロめし屋が見当たらない。

食事をしようというのに「面白さ」を求めてしまうあたりがそもそもどうかしているのだが
そのように遺伝子レベルでプログラムされているのだから如何ともしようがないのである。
ウソです。
このときは別段面白さを求めていたワケでもないのだけれども、
ただ何となく、「ナンチャッテとはいえ旅行としてやってきておいて、食事がこの店っていうのはちょっとなあ」
みたいな、なんとも空気感でしか表せない様な微妙さのお店しか見当たらなかったのである。
さすがは日本有数のベッドタウン・埼玉。
日本の「ザ・平均点と赤点のちょうど真ん中にある町」である(偏見です)。
歩くうち、本川越から川越の駅まで来てしまったので、ちょっとだけ折り返して、
なんとなく目についたラーメン屋へ入ることにした。

  本当は、その隣にあったもうちょっと怪し目の、
  緑色のノボリを上げた喫茶店みたいなところに入ろうとしたのだけれども、
  営業してんのかしてないのか分からなかったので諦めた。

まあまあまあ、普通でした。美味しかったけどね。
色気を出して半チャーハンなんかにつけてみたのだけれども、
ラーメンがしょっぱめだったので、「ここは白飯だったね」と、お二人とうなずき合う結果に終わった。
なんだか普通さに拍車をかける結論でした。

 ▼オッサン、歩道橋から物を落とす~アベ政治を許さない川越の人々

よつさんが「川越駅にも聖地がある」というので、
せっかくここまで来たんだからコンプリートして帰ろうってんで覗きに行く。

先ずは、……ペデストリアンデッキっていうんでしょうか?
日本語ではなんていうんでしょうねアレ、建物同士をつなぐ、広場が一緒になった大きな歩道橋ですけれども、
あそこの上から駅舎と駅ビルを一緒に映しましょう、ってんで、
よつさんが写真を撮ってる間に、オイサンはアニメ本編とは全然関係のない、
この見るからに胡散臭い「オルジュ」という看板のお店が気になってしまって写真を撮りに歩いていただけれども。

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Dsc07518  
 
 

……いやあ、油断って恐ろしいですね。
ちょっと手を緩めた隙にカメラのカバーが風にさらわれ、下の車道に向けて落っこちてしまった。
マ重くも固くもない物なので、ヒトやモノに当たったところで怪我やキズに繋がるものではないのだけれども、
さすがに焦った。
なんせ真下にはクルマが走っているので、走行中の自転車や二輪車が踏んで滑って転んだり、
驚いてハンドルを誤ったりしないとも限らない。
そして、そこにいるのは埼玉県民です。
オンドルャアコルァボケガニイチャンナニシテクレテンネンチョットツラカセヤアヤマッテスムトオモテンカイ
ジムショマデコイヤエンコツメタロヤナイカアーン!?
などと、1の事故が10の事件になる修羅の街です( ← 北九州と間違っている ← 北九州に謝りたまえ)。

ブツはどうやら、停まっている自動車の屋根の上に落っこちたご様子。
確か、明るい青色の、アクアだかデミオだか、そんなサイズ感のお車だったと記憶しております。
あわくって歩道橋を駆けおり、アスファルトタイヤを切りつけながら暗闇走り抜けると、
異変に気付いたドライバーさんが拾ってくれておりました。
とても良い方で、ニコニコしながら返して下さいました。ああ良かった。
これが一般的な埼玉県民であれば、その場で全裸になって土下座&裸踊りは免れないところでした。
あードキドキした。
きっと県外の方だったのでしょう。 ← やめなさい

もう一つ、駅の中に聖地がありそれも見に行ったのだが、
駅の入り口で機関紙を配っていたアベ政治を許さない人たちのアベ政治を許さない情熱が凄まじく
大変胸を打った。
その情熱を、世の中をもっとマトモに見てモノを考える方向に回せていれば世界はもっと素敵になる(確信)。
Viva川越。
ハネテルくんもきっとこの機関誌を受け取ってその熱情に感化され、大きくなったらここで機関誌を配るのでしょう。
「僕と水野さんを引き裂いたアベ政治を許さない!!」

なんというか、実にイマドキの生活感にあふれた聖地だったなと思う。
川越近辺は
 
  ・川越駅
  ・本川越駅
  ・川越市駅

 
が密集していてややこしい。
本川越と無印の川越だったらどっちがよりプレーンな川越なんだろう?
なんだよプレーンな川越って。アイスで言うならバニラ。バニラ川越。
いいですね、高収入っぽくて(時事ネタ)。
大変気になるところではあるので、千反田える嬢を巻き込んで、折木奉太郎先生に真実を突き止めて頂きたいモノです。
実写劇場版が大ゴケして、きっと今ごろお暇でしょうし(コラ!)。

マグロと本マグロ、どっちがよりピュアでプレーンか、と言う問題ですね。
「だし」と「本だし」だと多分「だし」の方がよりプリミティブなだしなのでしょうけれども。
今調べてみたところ、本マグロとはクロマグロのことで超お高いらしいので、
本川越もいっそクロ川越って名前にして地価を上げてみたらどうですかね(思いつきで経済を揺るがすな)。
クロ現みたいでかっこいいじゃないですかね(いいかげんなことばかりいうな)。
ついでに言うと、千葉も
 
 ・千葉
 ・新千葉
 ・本千葉
 ・千葉中央
 
が隣接しててどないやねんって思ったことがある。
「ド千葉」とか「激千葉」とか「千葉ゼロ」とか増やして、パチモン感高めて行ってもらいたいものです。

……とまあ、そんな風にして今回のメインである、川越の巡礼は幕を閉じたのでした。
このあと車を停めた駐車場に帰り、乗り込んだ途端に雨が降り出したのです。
 
 
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第2回に続く。
2日目は、特になんにもなかったんだけどね。
 
 
 

 

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2017年10月31日 (火)

■オススメマウンテン~ヤマノススメのOVA劇場上映に行く -更新第1169回-

 

『ご注文はうさぎですか?』の劇場版見たさのあまりうさぎになってしまった我々は、
そのついでと言ってはアレだが、『ヤマノススメ』のOVAの劇場上映にも行ってしまったのである。

オイサンです。

ムビチケとか、映画の前売り券なんてものを生まれて初めて買ったぜ。
しかし勢い余って、『ごちうさ』のムビチケは2枚買ってしまったのだが、
果たして2回も見に行く価値のあるものになっているのだろうか。
欲しい人がいたら安価でお譲りするまである。

デ先日、先に公開になった『ヤマノススメ』の方を見てきた。
別にそんなに大急ぎで見に行くつもりもなかったのだが、
この先数週間は週末の予定が空かない感じで、何週間も公開が継続されるとも思わなかったので、
行けるときに行っておこう、と考えを改めたからである。

考えを改めた理由にはもう一つあって……座席の予約状況を見たところ、
全然混んでいなかったからだ。

  オイサンてっきり、公開直後はキモチの悪いオタクが大挙して押し寄せ、
  ブモオオオオォォォォォォ!!ごごな゙ぢゃあああああああん!!!
  と、鳴きながら恐ろしい咆哮を上げるという地獄の非公式応援上映になるであろうと予想していたのにだが、
  そんなのは全然杞憂であったようだ。仕方ないからオイサン一人で盛り上げておいた。
  ブモオオオオォォォォォォルォッフォオオオオオオォォォォォォ!!
  ごごな゙ぢゃあああああああんンンンンヌワアアアアンヌ!!!


ついでに言うと、オイサンの赴いた劇場では死ぬほどガラガラでした。超ガラガラ。
20人いなかったくらい? もっと少なかったかも知れん。
朝イチの回だったってのもあるかもだけど、2回目もあんまりかわらなかった。

内容。
いつものヤマノススメでした。
ヤマ、ひとっつも登らないんでやんの。すげえな。通常営業過ぎんだろ。
OVAなんだから、モ少しチカラ入れてもいいんではないのか? とは思った。
イヤあれはあれで成立してるからいいんだけどさ。
もっとこう、テレビシリーズで出来ないコトとか、あるだろ!
TVシリーズよりチカラ抜いてるとは言わないけど、
TVシリーズで一番チカラの入っている回ほどチカラが入ってるかと言われたら、それは確実にNoだったと思う。
それに1100円(前売り価格。通常価格は1300円)払って見に行く俺!
イヤいいんだけどさ。
テレビだったらタダ!
まあお金の問題じゃないけども。
3期に向けた投資だと思えばよろしい。3期全編に向けて1100円払ったと思えば安い物である。

にしても、山にも登らず、
カエデさんの出番・セリフが、ひなたの親父さんより少ない
ってのはさすがにどうかと思うぞ。
実際少なくはないと思うけど、良くてトントン。印象は親父さんの方が強かったなあ。
カエデさん、本筋には絡んでこないんだもん。ジングルで断崖に立つ姿は凛々しかったけどさ。

時間はちゃんと見なかったけど、多分15分15分の2本立てで、
前半15分は青羽"ザ・エンジェル"ここなちゃんの独壇場、
後半15分はひなた+あおいコンビ。
ここなちゃん、優遇され過ぎ。エンジェル優待
すなわち小倉唯、時間単価安すぎ。
これで日笠とギャラが同じだっていうんですから、
さすがのエンジェルも神の許しを得て人類滅ぼす意向を固める模様です。

  いや、ギャラ一緒か知らんけど。てきとうですよw

そんな風に、不人気ババアキャラ( ← あっ)を隅に押しやって得た時間でたっぷりと描くのが、
ロリ天使の相変わらず貧乏でちょっと気の毒な日常! っていうね。

  「えっお母様、また娘さんとの約束を
                  お破りになるんですか!?」


って、
オイサンが児童相談所の職員かなんかだったら思わず声に出してるでしょうね、エエ。

  「えっ文科省さん、また廃校取り消しの約束を
                  反故になさるのですか!?」


みたいな話ですよ、エエ。
パンツァーフォー!!
そんなに蔑ろにして、娘さんがここなちゃんじゃなくてヒカリさんだったら、
とっくの昔に隠れてタバコ吸ってますよお母さん!
セックスもクスリも、やり放題ですよお母さん!
イイですかお母さん、僻地と言えども、ここは埼玉なんですよ!!

ヒカリさんをそんなキャラだと思っているのか & 埼玉をなんだと思っているのか。

とまあそんな具合で(そんな具合ではない)、すごいですね、ここなちゃんは。
ビタミンDだけで駆動してるんでしょうか。
炎天下の埼玉をお散歩してるだけで元気! っていう。
並みの中学生がマネをしようものなら、光の速さで熱中症であの世行きです。

……ああ、ごめんうそ
山、登ってたわ。ここなちゃんが。第2天覧山とかいう、飯能でもマイナーと思しき山に。
多分、天覧山を滅ぼしても、すぐまた第二、第三の天覧山が現れるであろう……っていう予言が
飯能にはあるんだと思う。ないんだと思う。

うーん。

しかしなあ。せっかくOVAで、それなりにお金とって制作するんだったら、
TVシリーズでやれないような内容を、きっちり1本で完結する内容でやればいいのに……
そんなことばかりやってて、『きんいろモザイク』になっても知りませんよ!
『ガルパン』のアンツィオ戦を見なさいよ。ああいうのだよああいうの。
まああそこまでやれとは言わないけどさ。
あれは変態だよ。やり過ぎだよ。身を滅ぼすよ。

まあ、一回しか見てない代物ですので、ちゃんと見られていないところも多々あるのでしょうけれども。
にしても、こう……人見知りというか、心を掴まなさすぎというか、
ちょっとサワヤカに心を駆け抜け過ぎる出来栄えでありました。
スッ! と。 スッッ!! とこう、ね。
どっかいっちゃった。
あおいちゃんとひなたは仲良しさんだなあ! みたいな。

良くも悪くも、いつもの『ヤマノススメ』でしたね。
……「良くも」の部分、ここまでにお前なんかしゃべったか?
「良さ」的には、テレビシリーズ好きの人には、安心してお迎えできる良さはありましたよ。
変にいじられたりはしてないです。
原作にいない、メガネの少年とかが出てきたりはしないです。
安心!
私たちは普通に白ゴハンのおかわりを求めていたのに、
二膳目が急に勝手に豆ごはんになったりはしない。
おかわり!


マそんな感じでヒトツ、
『ヤマノススメ』ファンの方は、是非とも劇場に足を運んでもらえると良いのではないでしょうか。
私も大好きなんですよ? 信じられないかも知れないけど。
1期も2期も何度見たことか。飯能へも何度足を運んだことか。
明日またヤッホー!
オイサンでした。
 

色々文句が出そうだが、まあ仕方がない。
いや、つまんなくはない、つまんなくはないんだが……ウーム。
まあ、……うん、いや……うーーん……。
まあこういう作品なのは分かってるんですけどね。
にしても、ちょっと、もうちょっとこう……やりようがあるハズだと思うんですよね……。
映画館で見たのがよくなかったかもしんないな、とは思う。

 
……あー、あと、前売り券って、
オンラインの座席予約に使えないんだったら何の価値もなくないですか?
購入時点で、日付と座席指定予約まで出来るモンだと思ったけど、
そんな希望はおろか、公開後のオンライン予約にも使えないという……
何のために、前もって店舗まで足ぶんだ。
 
 
 

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2017年10月21日 (土)

■ブスで繋がるラヂオの予感~『彼女はサイボーグ』とノラととラジオ -更新第1167回-

 
■『ノラと皇女と野良猫ハート』とブス

色々な勢いがあって、アニメから、『ノラとと』こと『ノラと皇女と野良猫ハート』にぶっこんでいる。
ゲームのVita版(アニメBD同梱版)を買い、絶賛この世界観に浸り中なのですが。
危険なWebラジオまであるのを発見した。


 ▼ノラと皇女と野良猫ラジオ
 http://nora-anime.net/news/radio.html


パーソナリティは、明日原役の種崎敦美さんと、ノブチ役の山岡ゆりさん。
種崎さんについては、Vita版のゲーム本編をやってお芝居の能力がたいへんに高いなと感じていて、
今期『魔法使いの嫁』でも良いパフォーマンスを発揮しておられ気に入ってしまったので、
トークの方にも興味がわいた。
山岡ゆりさんは……『たまこまーけっと』でチョイちゃんもやっていたのか。

デ聴いてみたところ、これがまた大変素晴らしかった……。
開幕ショートドラマのシナリオを、ゲーム・アニメともに書いてらっしゃるはと先生が書いているという豪華布陣。
センセイお暇なんでしょうね。 ← コラ
開幕ドラマ、カオスオブカオス。混オブ沌。凄まじい。「才能があるって恐ろしい」と、心底震え上がれる内容です。
「物件ドラゴン」??????どういうこと??????

  ご本人的には「才能なんて簡単な言葉で片付けられたくない」とおっしゃるでしょうけれど、
  そのカオスという踏切板を蹴ることのできるハートと脚力は、ハタから見れば紛う方のない才能です。
  常人は、才能なき者は、キバを持たない者は、
  心臓を何十個握りつぶしても、その踏切板を蹴って跳躍する勇気は得られないモノです。
  そして、たとえ跳躍出来たとして、あなたのような距離と高さは出ないものなんです。
  才能のある人には、それがワカラナイのです。
  その踏切ラインがそこにあるコト、
  それが踏切板であることを見、知るコト、
  他者を無視してそれを踏んで跳んだらどうなるかを知るコト(或いは「正しく知らない」コト)、
  或いはそれを「無視できる」コト。
  それらをすべてひっくるめて、それはもう才能です。
  「泣きやめブス!」って、フツウ書けませんよ。

パーソナリティのお二人は、オシゴト的にそれなりに縁のあるコンビの様で息があっている。
……息があってるというか、いい意味でお互いを気にしない。
種崎さんはトークのテンションは低めで、ラジオ喋りはモ一つこなれていない印象を受けたけど、
センスは一線級。
おかゆさん(「やまおかゆり」の真ん中から抜いて「おかゆ」なのだそうな)は、
全身ラジオパーソナリティサイボーグと言わんばかりの馬力で突っ走るタイプで、
二人そろって丁度いいコンビだと思われる。
聴き始めは、おかゆさんばっかりあんまりしゃべるもんだから、
実は二人でしゃべってるのを聞き分けられていないだけかと思ったほどだった。
こんなに一人が時間を占有して成立する会話ってある? くらいの割合。
主に屋台骨となっているのはおかゆさんの方。
彼女がこれだけ、様々なものを無視して突っ走り続けられるから時間が成立しているようなものだ。

 ▼TVアニメ「ノラと皇女と野良猫ハート」CM その4
 
 サムネイルからすでに漂う曲者感


冒頭、クソみたいなハイテンションの5分ドラマから発射された勢いで4、50分終わるカンジ。
ハッキリ言って頭は全然良くないラジオですが、センスを磨くにはもってこいの教材だと思います。

あと、 種崎敦美 を タネ裂き厚み って変換しないで。

種崎さん、今期は『ブレンド・S』にも出られてますね。
『ブレンド・S』には鬼頭明里さんも出てますね。
久々に気になる声優さんです。



■『彼女はサイボーグ』とブス

「泣きやめブス!」で思い出した。
司会者であり、ミュージシャンであり、ラジオパーソナリティでもあるところの鷲崎健さんの、
『彼女はサイボーグ』という曲を聴きました。『思春期は終わらない』という曲のカップリングです。

歌の内容としては、


 ♪ (恐らく)感情表現が極めて控えめで、人付き合いも良くなく、
 ♪ 周囲から「あいつは美人だけど人間味が薄くて面白くない、サイボーグみたいな女だ」
 ♪ と言われている女のコに恋をした男の子が、
 ♪ 「あの子がサイボーグなら、僕はハカセだ! あの子の魅力を分かるのは僕だけだ、僕が彼女を変えてやる!」
 ♪ と息巻く



っていう、ハハアなるほど、素敵な歌なんですけれども……。
イヤ、歌自身はオイサンもすごく好きです。このままでもとても好き。
2番Bメロの、


 ♪ 無カンケイ女子が言うんだ 「アノ子ハ 美人ナダケノ さいぼーぐ」
 ♪ うっせえ! 寄んな、ブスが! 僕はハカセだ! 今夜プログラム換えてやんだ!



っていう、盲目ラヴ男子のいかにもな熱情の高さは、聴いててたいへん痛々ほほえま好ましく、
胸を打つものがある。



……「ブス」
しかし、ブス
いいですね、ブス
振り切れた感情の高まりを表現するのに、大変優れた言葉です。
「ブス」という言葉そのものの意味や品格が良いというのではなく、
「普通なら言わない、言っちゃいけないことが、ガツン!と口を突いて出てしまった、その高まった感情」を
「言ってしまった」ことで端的に表現できるその性能と、
感情の昂ぶりによって語彙が失われていることを表現するその性能……が、いい。

うっかり口にしてしまう状況までを一気に表現できる言葉としてのフトコロが、たいへん良いと思います。
マ言ってしまえば「悪口の中でも初歩的なもの」ということなんですけど。
武器で言えば、ナイフ。
「ハゲ!」や「デブ!」でも近いものがあるんですが、男社会で流通するそういう言葉と、
「男 → 女」に対して放たれる「ブス」とでは、なんというか、
「無害なものとして扱われる頻度」の差があって、「ブス」の方がより殺傷力は上。
ブス。
うっせえブスが!
泣きやめブス!!
……ウム。日常でも、積極的に使っていきたい。(やめなさい)
閑話休題。



……。



けども、このテの「あの子を変えてやる」っていう感情の正しさが分からない。
正しいのか、理解できない。
貴君が恋したのは、今のその状態の、上の歌で言うなら「サイボーグの様な」彼女ではなかったのか。
それを……変えてしまっていいのか?
変えて、彼女の何を残したいのか。
彼女本人が変わることを望んでいるのなら良いし、サイボーグであることがうわべだけで他に影響しないならいい。

しかしだ、そうでなかったなら? 見た目が気に入ったのか?
サイボーグ外の部分が好きなのか。その愛は、果たして彼女の芯に向いているのだろうか。

かつて私が恋に落ちた女の子の中にも、いました。サイボーグ女子が2人。
ホントはもっといるけど。サイボーグ系女子。けど、代表にその2人の女子。

一人は、私立きらめき高校在籍。
科学と研究、そしてその果てに目指す世界征服という悪魔に魂を売ったサイエンスサイボーグ、紐緒結奈閣下。

そしてもう一人は、青葉台高校在籍。
書物という叡智の檻に自らを繋ぐことを望んだビブリオサイボーグ、中里佳織。

紛う方なき彼女らは、科学研究と読書、道は違えど一つの「機能」に特化した魂しか持たぬ、
まさにサイボーグと呼ぶに相応しい鋼の存在でした。
とはいえ、まあ、そんな彼女らも、所詮はギャルゲーのヒロインだもんですから、
パッとしない主人公ボーイに心を奪われ始めるや、その魂はアレヨアレヨと恋の穢れに蝕まれ、
高潔であったはずの鋼の心はナヨナヨと錆びついてしまうワケです。

……伝説の樹の下で、オイサンは思いました。
頬を染め、「あなたのためなら研究も捨てるわ」と言う紐緒さんを見ながら、
(違う!)と。
(俺の愛した紐緒結奈は、閣下はこんなんじゃない!)と。

同じく、青葉台高校の文化祭で、オイサンは思いました。
フリマに広げられた古本の中にお宝を見つけるや否や、文化祭デートの最中だったオイサンそっちのけで、
段ボールに飛び込もうかという勢いで突進していく彼女の背中を見つめ、
(……そうか、いま俺は、中里さんにフラれたんだ。彼女には、俺ごとき必要なかったんだ)と。
今この瞬間こそが、『TLS2』、中里佳織ルートのトゥルー・ハッピーエンドなのだと、悟りました。
……かってなモンですけれども。

 ▼トゥルーラブストーリー2 ~中里佳織攻略~ 2/3【プレイ動画】
 


私は思うのです。
自分が愛したのはサイボーグである彼女らの、サイボーグゆえの高潔な鋼鉄の魂であって、
そんじょそこらの、一行の数式や化学式にも劣るような、
一篇の詩ほどの価値もない生を生きる人間にたやすく恋をしてしっぽを振るような彼女じゃない。
悪魔に売った魂をやすやすと買い戻すような、無様な姿は見たくないのだ。
自分の物になって変わってしまうくらいなら、寧ろ憎まれたってかまわなかった。

  実際、紐緒閣下は、自分の心を惑わし野望から遠ざかる原因となる主人公を憎み、
  この世からの抹殺を目論んで世界征服ロボを差し向けてくるホンマモンであったのだけれど。
  世界征服メガビーム!!

  


……ノロケが長くなりましたけれども(ノロケだったのか)
サイボーグな女の子を愛したこの歌の主人公くんは、サイボーグな彼女に変わって欲しかったのだろうか。
では彼が愛したものはなんだったのか。
それは幻想ではないのか?
変えてどうするのだ。
「いま」を守るのではないのか。
彼女のサイボーグをバカにした連中に阿って、理解できる形に作り変えて、それでどうなる?
「どうだ羨ましいだろう!」と見返したいのか。
そうではない、自分と彼女にしかわからないその鋼を、高潔を、美を。
互いの掌の中でひっそりと温めてこその愛ではないのだろうか……?
そんな美でさえ、「世間」の分かる形に翻訳しなければ……幸せにはなれぬのだろうか。

……その辺が、四十の関を跨いでも未だに良く分からないオイサンなのです。

本を捨てた中里さん。
研究と、世界征服を諦めた紐緒閣下。

そんな二人と歩む幸せが思い浮かばず、私は、彼女らの心のもとを去りました。
思えば去るのではなく、そばに付き従ったまま、鋼の彼女らを侵そうとする者たちを始末する
返り血に染まった姿こそが、彼女らへの敬意であり、真の愛であったのかもしれない、けれども。

……まあ、なんだ。

そんなことも分からないから、今もオイサンは独り身でいるのだろうとも思いますけどね。
そこんトコは、なんとなく分かる様にはなってきたけども。



マ今日のところはそんな感じでヒトツ。
 
 
 

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