2017年12月20日 (水)

■雪見こもろ。~小諸、15回目のおとずれ~ -更新第1187回-

我はオイサン……。
おさんぽ感覚で小諸を旅する者なり……。
さあ、望みを言うがいい……。
 
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小諸行ってきました。今年3回目。通算15回目。
2017年グランプリファイナル(グランプリではない)。
今年は、3月にズベ公たちと落ち合ったのと、6月に一人で行ったのとあったが、
ズベ公と会う前に一人で行ったような気がしていたが勘違いだった。

満を持して、何をしに行ったというわけでもない。マ毎回そうだけど。
1泊2日で、
初日は、
キャンディライトでお昼を食べて、
ツルヤに寄って、おやき(ピリ辛なすとえのき)と謎のお菓子「リンゴ味かりんとう」を購入、
線路の西側、懐古園と、千曲川方面へ向かう田園を歩いて、
珈琲こもろさんでコーヒー頂いて……おしまい。
宿はグランドキャッスル。やはり温泉がすばらしい。
 
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2日目は雪。
朝、駅前そば屋できざみそば(+山菜)を頂いて、
飯綱山方面へいつもの散歩。
弁天の清水で写真を撮り、駅前の停車場ガーデンでコーヒーをもらって一旦宿に戻り、
昼前にチェックアウトし、
そば七さんでおそばを食べて、またツルヤで買い物をして、
また珈琲こもろさんでのんびりして……
最後にみやさかさんでおみやげ買って、終了。
 
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目的らしい目的といえば……年末に、実家でハヤの甘露煮を食べたかったので
それをおみやげがてら実家に送ろうとした、ことくらいであろうか?

着いてから起こったことは
 ・キャンディライトさんで、ツルヤさんの休業(来年1月31日~)を知らされる。
 ・グランドキャッスルに、高校柔道部の団体がいくつも泊まっていて、
  「夕飯のバイキングは早めにした方がいいです!」と深刻に告げられる。
 ・雪でこけそうになる(2回)。

……くらい。
どれも地味だなw でも、本当に何もなかったんだもん。


▼初日昼、到着即キャンディライト直行。
キャンディさんはすっかり通常営業で、着いて注文して、ゴハンも出てくる前から
「聞いてよ、ツルヤさん休業しちゃうのよ」
って、それ旅行者にする話かw なんでオイサンがツルヤ知ってる前提なんだよw
ふつうの旅行者は知らないぞ。ふつうの旅行者ではないけど。
まあツルヤさんにはアラフォー共々お世話になっているので、
キャンディさんの期待通り超びっくりしてしまい、
「ほらw! 旅の人でもビックリするわよww!」と喜ばれる始末。
 
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あと、キャンディライトさんでは初めてぶたしょうが焼きを食べたけど、
肉厚でゲキウマであったことをお伝えしておく。
これは、旭川のブラジルさんと双璧を成すな。
マぶたしょうが焼きなんて、腹さえ減ってりゃどこで食ったって死ぬほど美味しいんだけど(ミもフタもない感想)。
ていうかそもそも、ぶたしょうが焼きの麻薬的なうまさ自体が人類の一大発明だと思うのだがどうか?
ノーベルぶたしょうが焼き賞を授与されたい。
世界で最初にぶたしょうが焼きを考えたやつは誰だあっ!

それはそうと、お勘定のときに奥さんが「懐古園、行く? 券あげようか?」と言うので
またもらってしまった。
ホントは市民にだけ配られる無料券なんだけど、
「あんたはもう、準市民だから」つって、もらっちゃった。
マもらうばっかりで使わないんだけど。
だって懐古園でお金払わなかったら、小諸に落とすお金ほとんどないんだもん。
なので、券は有難くいただくけれども、入園にはお金を払っていますオイサンです。
 
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▼ツルヤさん
キャンディライトで聞いた(聞かされた)ツルヤさんの休業発表(というか決定?)は、
地元の人にとってはなかなか寝耳に水で電撃的であったらしい。
今回の休業は、店舗の拡張を視野に入れた計画であるようで、
撤退や廃業ではない……ようなのだが、再開に関する見通しが何も発表されないことが
皆さん(つってもハナシきいたのキャンディさんとみやさかさんでだけだけど)を不安にさせているご様子。

「拡張したい」「休業するかも」ってウワサ話は、どうやら10年も昔からずっとあったらしい。
コレは2日目に聞いたみやさかさん情報。
それが今回緊急浮上で具体化したので、皆さんビックリしているご様子。
また公式発表が新聞でちょこっとされたのと、
お店の入り口に超ちょっとだけ掲示されてるだけで、
キャンディさんなんかはそれでブーブー言っておられた。
 
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休業・拡張の背景としては、借地でやってる駐車場の方が土地代がかさんでしまい、
今の店舗面積では赤字なのだとか……
……って、そんな細かいウラ事情までヨソものに話したってどうなるっていうんですか、
キャンディライトさん、おみやげのみやさかさん!
そりゃまあ私&アラフォーなんかは、ヨソモノにしちゃあ利用してる方だと思うけど。

買い物する場所、他にないんだってさ。なんとか考えてあげてよツルヤさん!
市長からもご意見が出ているとか出ていないとか。
拡張先の土地確保も見通したたずにとりあえず休業だというから、キャンディさんで
「ある程度見えてから、段階的にやればいいのにねえ?」と言ったら
「本当にそうなのよ、誰だってそう思うわよねえw!?」
えらい食いつかれた。

あと、今回新たに買ってみたえのきのおやきは、シソが入っていて大変おいしかった。
謎のお菓子・リンゴ味かりんとう
「ミスマッチであるけれども、コレはなんだかアタリの予感がする……」と思って買ったのだけど、
ほぼもくろみ通りのお味で大変おいしかった。
 
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みやさかさんの話では、ツルヤオリジナルの商品にはファンが多く、
市街から車でドレッシングを買いに来る御仁もおられるのだとか……
……自分は、小諸に何の話をしに行っているんだろう?
ホント、こんな情報を与えて、神は俺に何をさせようとしているんだ?
阻止すればいいの?
 
 
 
▼懐古園
懐古園は今回あんまり時間をかけてまわらなかったけど、
冬は木々の葉が落ちて、見通しがよく、いつもより大変広く感じた。
あと、人っ子一人いなかった……というのは大袈裟だけど、真面目にカウントして、
園内にいた1時間程度で、
 ・遭遇した人の数は5人
 ・気配を感じたのは2人
でした。
「後者はなんだ、怖い!」と言われそうだが、神社の中にいたっぽい人数である。
水の手展望台の裏手から出て、最近歩いていなかった田園地帯を歩いてきたけど、
あそこはやはり良い雰囲気である。
やはり人っ子ひとり出くわさないワケだが。
「あ~チミチミ、こんなところで何やっとんの?」とか聞かれたら
上手く説明出来ないワケだが。
 
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▼珈琲こもろ
珈琲こもろさんでは、土曜の夜には毎年恒例のクリスマスパーティーだったようで、
参加予定と思しきお客さんが大勢でワイワイやっておられた
(パーティは18時からで、オイサンは参加しなかったが)。
行くといつもいる、ちょっと声の大きい夏まちおじさんが相変わらずの調子であった。
今回は前回みたいに、オイサンがモンベルのジャケット着て座ってる隣で
モンベルの悪口言い始めたりされずに済んでホッとする。ジブンもうチョット周り見た方がエエで。
しかしあそこのお店は、夏まち的お客とそうでないお客がよく共存してるなーと思う。
 
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2日目行ったとき、雪で電車が止まったりしないもんか聞いてみたけど、
そこまでのことには滅多にならないご様子で安心する。
今まであまり頼んだことのない、浅めのブレンドを頼んでみた。
アメリカンブレンドと、スウィートブレンド。こういうのもなかなかいいね。
ホッとするひと時。


▼お宿・グランドキャッスルさん
グランドキャッスルさんにチェックインする際、夕食の時間をきかれて、
「5時半、6時、6時半、7時、7時半……と開始時間をお選びいただけるんですが……
 実は今日、柔道部の団体様のご予約が入っておりまして……
 6時から7時の間は集中すると思われますので、5時半をオススメしております!」
と実質一択の、選択ではなく決断を迫られた。
だって、『帯ギュ』の福知山高校みたいな連中が100人とか押し寄せてきて、
7時半にはもうスッカラカンの可能性があるって言われてんでしょコレ!?

実際は、一回エレベーターですれ違ったけど、
そんなに大柄ではない、ちょっとガッシリしてるかな? くらいの10人程度の一団でした。
他にもいたんだろうけど。
 
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そうして早めになってしまったゴハンでしたが、相変わらず美味しかった。
カニの食べ放題だったり、何種類かのお鍋を取り揃えていたりしていたが、
そんな中でも……お味噌汁と、野沢菜とたくあんで頂くゴハンがとても美味しかった……。

グランドキャッスルさんの温泉は、温度といい、湯の柔らかさといい、
今まで自分が浸かった湯の中では飛びぬけて印象が良い。
パンチの利いた、分かり易いお湯ではないが、浸かっていて心地よく、
長い時間入っていられる。
ちょうのんびり。
もしかしたらここでも柔道部とかち合ってしまうのではないか……とビクビクしていたが、
夜と朝、二度ともほとんど貸し切り同然に気分よく浸かることが出来てのんびりできた。


▼弁天の清水・飯綱山
あとは……ここまで本格的に雪の小諸は初めてだったかな。
おかげで、飯綱山の上まで上がるのは腰が引けてしまったけれども、
上から見下ろしても、雪の町並みはきっと美しかったに違いない。
弁天の清水はいつも通りの美しさであり、
水は思いのほか冷たくなかったのが印象的だった。
外気よりもちょっとあったかいくらいで驚いたものである。
 
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▼停車場ガーデン
停車場ガーデンさんではいつもアイスコーヒーばかり飲んでいたような気がするが、
今回改めてホットコーヒーを飲んでみたら、こちらも思いのほか美味しかった。
時間帯によってセルフサービスになったのね。
けど、セルフなのに、オイサンの言った時間が早すぎて、
ほとんどオイサンのためだけに一杯新しく点ててくれるくれるような状態であった。
淹れたてだったせいもあってか、めっちゃおいしかったです。
アイスコーヒーはイマイチなんだよね…… ← あっ
 
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……っていう。



ちょいちょいと細かな発見はあったけど、超平常運転だった、2017年最後の小諸。
平常運転どころか、普段よりもスローペースくらいだった。
これといって特別な感慨がわくことも、今回はなかったけど。
しっとりと、ゆったりと、田舎の山と川の寒風にさらされてきた。

けど、如何せん、今年は……あんまり、自分で撮った写真に「これだ!」っていうのがなくて、
どうしちゃったのかなーと思っているオイサンでした。
おかしい……俺は天才のはずなのに。
 
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そんな、2017年最後の、ひとりぼっちの小諸でした。
雪。
 
 
 

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2017年11月26日 (日)

■しゅまりない旅情2017~4日目(3)・終~ -更新第1182回-

空と海が入れ替わり、深い空へと落ちていく朱鞠内。
2017年8月の訪問録、その4日目、のその3。
 
……最終回です。楽しかった2017年夏・朱鞠内の旅も、おしまい。かなしいぜ。
 
 
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たびびと風いち姫 
 
4日目、早朝から昼にかけて7時間もの美瑛のスパルタン丘行軍をどうにか生き延び、
旭川の駅に戻るところから。






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■4日目 8月21日(月)
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  ●○●14:00~15:30 旭川、cafe花みずき ●○●
 
 
・予定の時刻通り、旭川に戻ってくる。朝、ロッカーに放り込んでおいた花みずきさんへのおみやげを回収し、花みずきさんへお茶しに行く。これがないと旭川の旅が終わらないオイサンです。スコーンだッスコーンを食うのだッ!

cafe花みずきさんとは13年前の初渡道からのお付き合いだが、ワリと最近まで辿り着くのに道を間違えたり所在を見失ったりしていた。だって旭川って碁盤目状に整理されてて、ハズレまでくるとしんなり寂れてて寂れ具合に見分けがつかないんだもの。

らーめん黄拉々(きらら)さんを目印にすることを最近ようやく覚えた(遅いわ)。そうなると、らーめん黄拉々(きらら)さんにも興味が出てきたので、ちょっと食べに入ってみたい気持ちにもなっている。思えばこの店も、13年間看板を眺めて前を素通りしてきた店である。

・今回はもう一軒、常磐公園の入り口近くにある、「たく」というコーヒー屋を開拓しようと思っていたのに、とうとうその時間がとれなかった。朝早くからやっているお店の様で勝手が良さそうなのである。こちらも次回の宿題であるな。
 
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・花みずきさんは……金曜日に確かめた貼り紙どおり、営業しておられた。良かった。お客の入りはいつも通りくらい。カウンターに一人、奥のテーブル席に2、3組。

・スコーンのセットを頼んで、小一時間ばかりとりとめのない雑談をする。

・そう、オイサンは今回お土産を持って行ったのである。観光地へ観光に行くのに、おみやげを持っていくのである。あべこべである。ブツは、この一週間前に帰省した際、京都駅で買った加茂葵なる小豆の和菓子。花みずきの母娘が奈良が好きだというのは知ってたので、「一週間後に北海道に行くんだし……」という、いわばついでみたいなモンである。

・しかしそのおみやげも、そんなにたくさん入ってる物でもないのにオモタセでオヨバレしてしまった。エエんか。いただきます(食うんかい)。……ム、パンチの効いた甘みに大きすぎないサイズ、さくっとした歯応え。これは美味いな(自画自賛)! つまらないものですが美味しいお菓子です!(鉄板ネタ)

お  店「でもねえ、来てくれたのが今日で良かったー。お店、昨日まで夏休みだったのよー」

 オイサン「知ってますw」
 お  店「来wwてwwたww」

・お店の夏休みの話から、休みの間に見に行ったというサーカスの話を聞かされた。札幌に木下大サーカスが来ていたらしい。木の下大サーカス、まだ生存していたのか……。てっきりもう、ディズニーとシルクドソレイユ辺りの外来種に駆逐されてしまったものとばかり思っていた。

・カウンターにいたお客のご婦人も、そのサーカスを見に行くつもりだという話が折り重なって、チケットが全然とれないから早くした方がイイ、自由席は安くて当日券もあるかもだけど、殆ど見えない様な席になることもあるから避けた方がイイ、みたいな話をしていた。

・しかしそのカウンターに座ってた常連さんは、Loppiの使い方が分からぬ。メロス。

・サーカスのショーはやはりインパクトがある様だ。ホワイトタイガーがウリだったらしいが、それはあまり響かなかったらしい……。「うーん……確かにちょっと白い……? ぐらい」なのだとか。身もフタもない。まあ動物見るんだったら動物園だろうな。今なら、サーバルキャットを連れてきた方がおかしな客が良い食いつき方をするだろう。たーのしーい!

・この夏の話だったか忘れたが、お店の母娘は最近、また奈良にも来たらしい。どこか目新しいところに行ったのかと尋ねたが、「全然w! 毎回同じところに行っちゃうのw 新しいところに行きたいとも思うんだけど、前に行った良いところとか好きなところを予定に入れたら、そこだけで終わっちゃうのよね、どうにかできないかしらw」だそうな。あー……わかるわー。 ← さっきまで、3日間かけて去年と同じ道歩いてきた人

・大体、東大寺や国立博物館のあたりにしか行かないそうな。目抜き通りみたいなものですな。飛鳥、高野山へも行かれたことはあるのだそう。吉野へはまだ行ってないとのこと。

・しかしこの母娘がオイサンと違うのは、いくらかの国際性を帯びていることだ。パリにも行ったことがある、という話になったのである。ところが折悪く、エッフェル塔の2基あるエレベーターのうち片側が工事中で大行列が出来てしまい、普段は開放されない階段を使って上っても良いことになった。しかし如何せん、高所があまり得意でないお母さん(オイサンの母と同じ年齢であらせられる)は、その足元がスケスケな階段を使うのが怖いので、娘さんに一人で行ってこいと言ったらしいのだが。

店娘「それで私が『じゃあそうするわー、行ってくるわー』って行こうとしたら、
    この人『私を一人にする気!?』って言うのよー、もうどうしたらいいのーw?」

 店母「だってねえw」
 
・……ですってよ。「だってねえ」じゃないっての。何ののろけ話だ。もう結婚しちゃえよ。

・しかしそのインターナショナル母娘の国際性もどこか怪しい。
 「サンフランシスコって、ニューヨークとは違うの?」
 ……。ああ、ええ、違いますねえ。 

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・娘さんの旅話は続く。

・昨年の大みそかから正月にかけて、なんと鎌倉へ凸したらしい。あー……そらアカンわ。正月の鎌倉は、アカン。信仰心が試される場所である。案の定、元日に八幡宮にぶっこんでコミケ4日目になったそうな。石段の下で2時間待たされ、上ってまた待たされて、みたいな話でった。まあそうだろうな。うーむ。

・オイサンは、元旦の鎌倉は行ったことがないが、2日にならあるな。早朝だったのでさほどの込み具合でもなかった記憶がある。あそこは、秋と正月は迂闊に近寄ったらアカンのである。

・尚、その際泊まった宿は大船だったらしい。大船にホテルなんかあったのか。

・驚いたのが、話が長谷の寺に及んだときのことである。

・長谷寺へはオイサンも行ったことがある。お寺自体はあまり印象に残ってなかったのだが、時期のせいか百日紅がきれいだった覚えがあって、「百日紅がきれいですよね」と水を向けたら、「え? サルスベリってなに?」と言われてしまった。北海道ではあまりメジャーではないらしい。基本的に温かいところ向きの花木だったのだな。確かに夏の盛りの花であった。

・あと、娘さんの長谷寺の印象は、「洞窟の中の仏像がイマイチ」。あー。なんかそんなだった気がする。

・途中、オイサンの持参したお土産のお菓子が食べながら話したり、突然「近所の人が畑で作った」というスイカが出てきたり、なんだか親戚の家にでも遊びに来たような展開になる。まあ不定期ながら13年も巡礼を続けていれば、ご本尊とも面識ができるというものである。
 
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・どんな流れだったか忘れたが、話の最後はミサイル防衛の話をしていた気がする。このときはまだ襟裳の南にミサイルがー、みたいなことの前だったはずなので、なんかのたまたまだったと思うが。一時間半ほどの年一定期巡礼であった。お母さんも娘さんも、お元気そうでなによりであった。またくるぜ。


  ●○●15:30~16:30 ブラジル、旭川空港 ●○●


・飛行機は、20時台の最終便である。

旭川駅周辺から空港までは車で40分弱なので、18時半頃にこちらを出れば十分に間に合うのだが、空港の傍にある展望の丘でボンヤリする時間が欲しいから、その1時間くらい前には着きたい所存。今が15時半なので、ゴハン食べてしまったら、もう宿に荷物を回収に行ってしまおう。

・晩ゴハンの店は決めてある。暗黒地下喫茶・ブラジルさんである。イヤ普通の喫茶だけど。ここのしょうが焼きが、悪魔に魂を売ったとしか思えないほど美味いのである。なるほど、それで地獄により近い地下に店を構えておるのであるな(論理的な解釈)。マ所詮はオイサンのさじ加減でしかないが。

・歩きなれた、変わり映えのしない道を歩く。花みずきさんは目抜き通りからは結構離れている。

・街路樹のナナカマドが、ところどころ赤く色づいている。中心街に近付いたある一区画にだけ植えられているらしい。そういえば、花みずきには冷房がかかっていなかった。扇風機が回っていただけだったが、それでも十分に涼しかったのである。もう秋を感じる季節であるのだな。

・喫茶ブラジルさん。看板に「コーヒーひとすじ」と謳いながら、となりに掲げられたメニューではあきらかに、海粥、山粥、オムライスに肉丼が推されている感のあるブラジルさん。相変わらずの即オチぶりがSごころをくすぐる(くすぐるかそんなもん)。
 
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・薄暗い地下店内。中途半端な時間のせいか客はいない。お店のおっかさんも、オイサンを見て「アレこんな時間に」といった風情だ。無理もない。

・適当に陣取ってひとしきりメニューを眺めはするが心はしょうが焼き定食に決まっていた。こんなところまで昨年の通りなのである。「違うモン食うても罰は当たらんのとちゃうか」と心は騒ぐが、胃袋と心臓がしょうが焼きを欲して止まないのだから仕方ない。へっへっへ、口では冷静なふりしてても体はしょうが焼きだな! や、やめてえ!

・……などと独りで悶えていたら(悶えません)、しょうが焼き到着。うむ美味い。なんてことないのに美味い。多分ヨソで食っても味にはそんな大差ないんだろうけど(身もフタもない)美味い。とにかく美味いのでいい。体に染み入ればそれでいい。

・値段は780円。またこの値段がイイではないか。800円でも750円でもない、780円。ゾイドの値段である。
 
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北海道の地下でせかいせいふくをたくらむいち姫
 
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 世界一うまいしょうが焼き
 
・食事を終えたら一旦宿へ戻り、フロントに預けておいた荷物を受け取って、空港へ向かう。少し早い気もするが、まあいいだろう。遅いよりはずっといい。

空港~駅間は、便の発着に合わせたリムジンバスが走っていて、大体4、50分で800円くらい……だったかな? 来るときはコレを使ったが、帰りは大体タクシーを使うことにしている。運転手さんが何かしゃべるなら、そこから何か拾える話もあるだろう、というくらいのことである。

・宿のエントランスにあったタクシープールでクルマを拾い(生意気にも立派な宿であった)、旭川空港まで、と告げる。そうしたらまあ、大体の運転手さんは「旅行ですか」とか聞いてくる。聞いてこない人も中にはいる。であればなにもすることはない。無理してしゃべる気もない。今回は前者だった。

・昨日までは暑かったけど今日は涼しいだとか、今年は雨が多いとか雪が少なかったとかの一般的な話から始まって、どこへ行ってきたのか、どこへ帰るのか? という、話は少しプライベートな方へ色をグラデーションさせていく。どうやら今回の運転手さんはお話が好きなご様子だ。いいじゃないか、話聞くよ?

・運転手さんは車が大好きで3台持っているというハナシで、車種は忘れてしまったが、どれも高そうなものだったことはなんとなく覚えている。運転するのも大好きで、以前お客に乗っけたお婆さん三人組が、美瑛をどう見て回ったらいいか分からず悩んでいたというので、翌日休みだった運転手さんは自前の車を出し、タダで乗っけて見どころを巡回してあげたという。

・マ正直、自分だったらそんな風に申し出られても多分色々考えてしまって遠慮してしまうところだが、ご婦人3人組も喜んでいたというし、運転手さんもドライブがてらにいい気分で走れたというんだから、良い話だったのであろう。

・「美瑛の青い池には行ったのか?」、と、だしぬけに聞かれる。しつこいようだが美瑛歴13年間のオイサンである、なめてもらっては困る。スンマセン、恥ずかしながらまだ行ったことがないッス。だってあそこ、冬は入れないんだもん。夏場はバカみたいに人が多いというし、冬が主戦場のロンリートラベラー・オイサンにはちょっと縁遠い場所だ。リア充のための場所だ。

・青い池がことさら有名になり、観光客が大挙するまでになったのはここ数年のことではあるが、その存在だけはオイサンも13年前から聞き及んでいた。『北へ。DiamondDust』にもスポットとしてフィーチャーされていた筈だし、何よりも、初めての渡道の帰りの空港へ向かうタクシーの中で、運転手さんに聞かされたからだ。

・その運転手さんは言っていた。「お客さんは『青い池』って知ってる? あ、知ってるんだ。あそこもね、ちょっと前までは私らみたいな地元の運転手くらいしか知らないような場所でね。観光協会に、どこか穴場になりそうな場所を知らないかって聞かれて、誰かが話しちゃったんだろうな。そうしたら最近はねえ、もうちょっとずつ、情報誌なんかにも出るようになっちゃって。なかなか、ああいう隠れた場所も減って来ちゃったよね」

・それから13年。運転手さんは言う。「駐車場が出来てるんだけどさ。でっかいよ。そこがすぐに満杯になって、溢れて渋滞しちゃうんだからね。行くんだったらもう、早朝じゃないとね」……なのだそうな。まあ話には聞いていたが。そんな噂を聞くものだから、なかなか手が、否、足が伸びないのである。まオイサンが行くとしたらレンタサイクルを借りてということになるだろう。距離は12、3㎞のはずだから、自転車と時間さえあれば苦にはならぬはずだ。

・旭川の中心地から空港までの間には大きな田園地帯が広がる。今年はいいが、昨年は台風続きで大変だったろう。その台風が3つ続けてやってく合間を縫って、昨年のオイサンはここに居たのだ。帰りの飛行機が飛ばないのではないかと、オロオロひやひや、戦々恐々としながらの旅はなかなかにスリリングであった。そんなスリルは求めたくないのだが。

・台風、というハナシになると、運転手さんは話し始めた。釣りが好きなのだと。お友だちとあちらこちらへ釣りに行くのだそうだが、台風が来ると、その翌日はオホーツク側まで車を走らせ、……紋別といっていたっけか、海岸に立つのだそうな。そうすると打ち上げられた大きなホタテがわんさと収穫できるのだそうである。

・「こんなのが! こんな大きいのがもう取り放題なんだよw!」と楽しそうに語る運転手さんである。オイサンは漁業権とかそういうのには詳しくないが、まセーフなのだろう。

オイサンがどこから来たのか、という話の中で最寄駅の名を告げると、「え! 昔そのすぐ近くに住んでたよ!」という反応が返って来て驚かされた。なんでも30年ほど前、オイサンの住む町の近辺に大きな石油関連メーカーの研究所だか研修所だかがあって、そこで勉強をしていたのだそうな。話のディティールは忘れてしまったが、高い車を何台も持てるほどの収入を得られているのには、その頃学んだ技術が関係していたような、そんな話を聞いた気がする。

・……などと、多岐にわたる話をしていたら、40分などあっという間なのである。
 なんだか、運転手さんの 自慢話ばかり聞かされたような 気がするなあ……。
 マいいさ、面白い話もあった。

・運転手さんは最後に名刺を渡して「次また来ることがあったら、連絡をもらえたらお安く案内するよ」と付け加えることを忘れない、その小まめさが収入に繋がるのだろう。連絡などなくて当然、あったらめっけものの精神なのであろう。働くのもきっと大好きなのだ。

・フライトまで2時間近くある。サッサと荷物を預け……てしまうのは素人。先にお土産を買って一緒に預けてしまえば楽なので、まずは2階のお土産コーナーを見て回るのだった。

・買い物が終わったら荷物と一緒にして預けてしまい、身軽になったら……展望の丘へ向かう。あそこは気を付けないと蚊にくわれるので、虫よけをしっかり噴いておく。



■Closing~たびのおわり~



以上を以て、今回の旅はおしまいである。
あとは空港全体を見渡す丘の上で搭乗便が羽田から到着するのを待ち、
その便の折り返しで羽田へ向かったのみだ。
 
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今回の旅は……色々と、すれ違い、食い違い、簡単に言えばポカの多い旅だった。
 
 
 
初日朝に訪れる予定だったcafe花みずきさんが休みだったことに始まり、
あるハズだった深川駅前のコインロッカーが撤去されていたこと、
2日目、昨年は同じタイミングで営業してた朱鞠内の商店がお休みだったこと、
朱鞠内から深川へ折り返すバスが、日曜は運行していなかったことと、
名寄から旭川へ帰る列車の時間を一時間勘違いしていたこと。

上から3つは、田舎の気まぐれであってどうともしようのないことだ。
実際、花みずきさんの夏休みの予定はwebサイトにもどこにも書いていなかったし、
深川のコインロッカー情報も、あることを調べて行った結果である。
朱鞠内の商店なんか調べようもないしな……当日朝に電話するくらいしか?

下の2つは、自分のシンプルな油断であって、しかも場合によっちゃ致命傷になるものなので、
今後気を引き締める必要があろう。
「走ってるはずのバスが走ってない」「一本乗り逃す」なんて、
旅程の決まった田舎のバス・電車旅では、やっちゃいかんことだ。
いま無事にこの空港の丘に予定通り座っていられるのは幸運と言っていいだろう。
イヤ大げさじゃないよ。
バスがその一本でおしまいとか、電車が3時間後とかだったらと思うとぞっとする。

  ……まあゾッとはしつつも、その状況に「これは……おいしいな」と思っている自分も
  きっと何%かはいるだろうけれどもだ。

それにしても、である。
昨年とまったく同じ物を見てきたがいやはや、美しく、心地よい場所であることが確かめられた
朱鞠内の旅であった。
掛け値なし。
思えば「全く同じ場所に、同じ行程で行く」などというのは、
自分の旅においては稚内でもそうだし、摩周に行くときだってそうだから、何ら珍しいことではなかった。
それらの場所へ、何故そうやって幾たびも訪れるかといえば、
それらの場所が素晴らしいからであって、「それで完成している」と言えるからだ。

  ……マ、他に周りようがない、バリエーションの無い土地だということもあるけれども。 ← あっ

つまりそれに堪え得た朱鞠内の旅は、自分の新たな定番として定着したのだろう。
今後もたびたび、人生のそこかしこで登場する場所になると思う。
素敵な隠れ家の誕生です。旭川・美瑛をからめて行けるっていうのがまた良い。オイサン向きである。
だって、花みずきにも行けるもの。空港が使いやすいしさ。

ひと的には、特段面白い出会いがあったワケではないけれども。

登場した新キャラは……朱鞠内のバス待合で働いていたビビる昇太くんと、
名寄の北緯45度のおっかさんくらいだろうか。
ビビるくんとは二度と再び会うことは……まあ、ないであろう。行けば会えるってモンでもないし。
てか会いたいワケでもないw
彼はどういう立場なのかもよく分かんないし。
新キャラではなかったにせよ、
朱鞠内湖の遊覧船チケットオフィスオペレーターのおばちゃんと船長とは、
あらためて密なコミュニケーションを取らせてもらえ嬉しかった。
多分彼らとは、今後繰り返し訪れる中で顔見知りにはなっていくだろう。

  ……万が一船長になんかあったらあの遊覧船ってどうなっちゃうんだろう?
  他にも、操る人がいるのかな?
 
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空港を見渡せる丘の上、発着する飛行機を(そんなに便ないけど)眺めていると、
日はみるみる傾いて写真を撮るのにも難儀する暗さになる。
ベンチの上には、前のお客さんの忘れ物であろうCANONのレンズキャップが置き去りにされていた。
純正っぽいから、コイツもきっとそのナリからは想像できない様なお値段であるのだろう。

  オイサンのRX-1さんのレンズキャップ。
  これは本体についてきた純正品なのだが、単品で買うと7000円する。
  この黒い薄っぺらいのが(薄くはないが)、7000円。
  ちょっと面白いので、最近は親や仲間内に対してネタとして使っている。
  だからきっと、あそこに置き去りにされていたキャップも同じくらいするだろう。
  だからといって、拾って帰っても有難い値段で売れたりはしないので
  そんなこともしないが。

小一時間ばかり、そこで写真を撮って過ごした。
これもまた、昨年の通りである。撮れた写真も昨年と大差ない。

日のすっかり暮れた滑走路に誘導灯が灯り、一機の飛行機が降りてきた。
これから折り返しで羽田に向かう、自分が乗る予定の本日の最終便だ。
アレが来た以上、自分もここを去る準備をしなければならない。
手元に広げた色々を片付けて、ロビーへ帰った。

ロビーの一画にガチャガチャがやたらと並んでいるので気になって見に行ってみると……
海外(すなわち主に近場の半島)からのお客さん向けの、最後の小銭搾り取り装置であるようだった。
「これは日本で人気の、おもちゃの自動販売機だ!
 小銭なんか自国に帰ったらもう使えないんだからここで出し切って帰れ!」
と書いてある。
マ連中にはこれくらい言った方が伝わり易いのだろう。
自分も何か回してみようかと思ったが品揃えがフォリナー向けにチューンされており、
自分のセンスに響くものがなかったので結局やらなかった。
 
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旭川空港の保安検査場は広くなくて並ぶので、早めに済ませてしま……ったつもりだったが、
通り抜けた先のロビーは、もう出発を待つ人々で溢れかえっておった。
ムウ、どうやら自分は最後の方だったようだ。
まあ、おりしもお盆翌週の最終便、みな遊ぶだけ遊び切ってしまって、
これ以上そとでウロウロするような元気も残っていないのであろう。終わった終わった、ってなモンである。

オイサンとて疲れがないわけではない。
盛りだくさんな4日間であったし、今日は早朝から昼過ぎまで、6時間も炎天下の丘を上ったり下ったりして
すっかり疲労困憊であるからして、長イスに適当な空きを見つけ、荷物と腰を下ろした。
 
 
 
 
 
……すると、空いたとなりに二人の女の子がやってきた。
 
 
 
 
 
小学校に上がったか、上がらないかほどの二人であったと思う。
オイサンは女性の年齢を見立てるのに長けていないので正しいかわからないが。
 
オイサンの隣は残念ながら一席しか空いていなかったのだけれども、
その二人はとても小さかったので「ここでいいよね」「座れるよね」と合意をとると、
その一つのシートを不器用に分け合っておしりを乗せた。
それでもオイサンの方にはみ出したりはしないほど、二人は小柄であった。チッ ← あっ

くたびれて、熱の靄がかかったアタマをなるたけ働かせないように心がけていると、
二人の話す声がころころと、
お花畑を駆け回る木彫りの人形が足もとの小石を蹴とばす音の様に頭の中を転がり始める。
二人は遠く離れて暮らしているようだった。
家族ぐるみの知り合いなのか、縁戚同士なのかはわからない。
ともあれ二人は友だちで、今回家族同士で連れだって、ここへ旅行に来たらしい。
二人は仲良しだった。空港の冷房に身を寄せ合って夏を惜しんでいた。
旅の終わりをはかなんでいた。

「もっと、ずっと一緒に遊んでたいって思っちゃう」

片割れがつぶやいた。
そんな!
ドラマかマンガか、ギャルゲーかエロゲーか、
ツイッターに流れてくる百合妄想みたいな言葉(やめなさい)を、
まだ年端もいかない生身の少女の、舌足らずな口から聞くことがあるとは思ってもみなかった。
あまりにもプリミティブなのぞみであった。

……マ、だからなんだって話ではない。
二人の少女は草臥れ果てたアラフォーの横でいいだけイチャこいたあと、
ムッハァームッハァーってなってるオッサンを残して、またどこかへ走り去ってしまった。

旅のしまいにそんなことがあった、っていうだけの……
小ぬか雨パラつく朱鞠内のバスターミナルで、春風亭昇太とビビる大木を足して2で割った顔をした、
声ばかりやたらでかい若者に話しかけれたっていうのと同じ重さのエピソードである。

昨年の旅の終わりはよく覚えていないが、こんなことはなかったはずだ。
台風の接近に怯えきって、今回よりも一本早い飛行機が飛ぶかどうか直前までハラハラしていた。

彼女らがどこを巡ってきたか知らないが、旅が楽しいものだったことだけは確かだろう。
だから、何年かが過ぎたときまだ二人が仲良しであったなら、
今日の日の素晴らしい思い出を再び確かめに、ここで再会するような約束が、
言葉にされない気持ちのどこかで結ばれていたなら良いのになあ、と思うオイサンです。

そして願わくば。
またその隣にはオイサンがいて、ひとつのいすに座った二人のおしりが、
今度こそ! 今度こそこっちにハミ出して来ればいいのになあ!!
 
 
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旅は、二回は同じところへ行くのがいいぞ!
オイサンでしt……むっ、家の前にパトカーが停まったようだ。
物騒だな!
 
 
 

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2017年11月25日 (土)

■しゅまりない旅情2017~4日目(2)~ -更新第1181回-

空と湖、二つの青にはさまれた朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その4日目。の、その2。

4日目、美瑛の丘めぐりの続き。
 
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千代ヶ岡の駅から歩き始め、本日のクライマックスであるNTTの無線中継所
(クライマックスが早いうえに地味)を経、
かしわ園公園を抜けて、折り返しのセブンスターの木にはまだ辿り着かない。






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■4日目 8月21日(月)
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●○● セブンスターの木 ●○●


・オサレパン屋のビブレさんをパスし、折り返しポイントであるセブンスターの木を目指す。ここからセブンスターの木までは、美瑛さんのらしい美瑛さんらしい眺望を堪能しつつ歩ける、絶好のインスタ映えポイントである。

・セブンスターの木へは、今回のルートのように東側からアプローチすると丘の風景を眺めながら少しずつ近づいている実感がもてて大変気分が盛り上がる。北瑛第三会館のある南、南西側からやってくると、ちょうど丘の谷間のから坂を上ってくる感じでやってくることになり、これはこれで、登り切ったところで丘の視界がわっと広がる格好になるのでドラマチックではある。好き好きだが、自分は今回の東ルートが好きだ。

・道はうねるように穏やかに下り、まだ上っていく。当たり前だが、こちらが下りのときは対向の人は上りだ。
 
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・早い時間、車はまだ少ないが、サイクリストの数はチラホラと増している。どこから走ってきているのか知らないが既にそこそこ消耗した様子のロードレーサーが2台、ゆるやかな隊列を組んでエッチラオッチラと上がってくる。ロードならこのくらいの上りはチョロいものかと思っていたがそうでもないらしい。後ろの1台は前からそこそこ遅れてついていく。

・ついでに言うと、徒歩の人間とすれ違うことは皆無であった。地元の農家の人とすら道で歩いているところにはすれ違わない。どうやらオイサンはレアケースの様である。徒歩、楽しいし便利。

・その2台のロードとすれ違って暫く、後ろの方で何やら行き先を相談する声が聞こえ、せっかく上った道を下ってきた。どうやらこの先の分岐を折れるプランに変更らしい。ご苦労なことである。
 
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・彼らの選んだ分岐した先の道はちょっとした砂利のようで、1台は降りて、交換するのかタイヤに何か手を加えていた。1台は先に行ってしまったようだ。自転車というのはそういう関係性であるのかな。

・さてオイサンも負けてはおられず、下ったら、エッチラオッチラ少しの上りである。マもうここまで歩いて来れば下りも上りも全然関係なくなってくる。ぜんぶ道である。たかが道である。筋道がつけられて、歩きやすくしてあるだけ、上っていようが下っていようがありがたいものだ。本当にそういう気分になるから不思議だ。

・この眺めもそういう気持ちにさせるのであろう。先が延々続いており、視界は地面と空で二分されている。否、空の面積が若干勝つ。どこまで行く気か知らないが、これだけ広大に続いている中で、目の前の道が多少傾いていたところで大きな違いはないと、無意識のうちにそんな気にさせるのだろうか。今振り返って気付くのだが、上りを見たところでウンザリもしたものではないのだった。ついでに言うなら、地面と空も、意識の中で大して違いが無くなっている。

・道はうねり、幾重にも重なる丘の陰に隠れては現れる。いま目の前に見ている道が、あの遠くに再び現れる道と同じ道なのかは分からない。ふたつの、或いはみっつの丘の谷間に吸い込まれるように、道も畑も広がっていて、大きな径をゆっくり描いて渦を巻いているように見えるから、きっと最後にはみんな、どこかにあるのであろうこの丘という渦の中心に飲み込まれてしまうに違いない。

・それにしても。空が多い。空がたくさんある。妙な言い方だが、このとき素直にそう思った。
 
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・天気の良さは昨年と変わらない。時間が少し早いのと、暑くはあるが昨年ほどではないことが少し違っている。まだ気分にゆとりがあるからかもしれない。同じ道を歩いて、同じ景色を見ているはずなのに、昨年は思わなかったことをずいぶんたくさん思っている。

・深い深い深い空の底に、潜水艦の様に飛行機が飛んでいる。そちらからも見えるだろうか?

・これもまた昨年気付かなかったことだが、無線中継所さんはここからでも見えるのだな。彼は結構なランドマークである様だ。

・2度目ともなると、落ち着いて周りがよく見られる。ゲームも旅行も2周目が本番だ。2周目に1周目よりも大きな感動を得ることが出来てこそ本当の良い物語、本当の素晴らしい景色であるのだ、というのがオイサンの持論である。

・セブンスターの木が近付いてくる。まだ視界に小さいが、既にたくさんの旅行者が集まっている様だ。しかしなんだな、オイサンから見ればアレも風景の一つであって、今こうして立っている一歩分の場所と何ら変わりないので、彼らもこの道をずいずいと歩けばよいと思う。歩数と同じ数だけ、絶景と感慨があるのだぞ。無論、それぞれ見栄えの良い悪いはあるけどな。

・あとインスタ映え度は違うぞ。

・はい、これが有名なセブンスターの木です(どれだ)。
 
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・セブンスターの木は美瑛の丘の中でも特に有名な上、比較的分かりやすく、アクセスもしやすい場所にあってしまうので訪れる観光客がとりわけ多い。駐車場も整備されているので、大型のバスがひっきりなしにやって来ては、20分ほど停車しては去っていく。オイサンの到着したのはまだ10時も回らない時間帯だったというのに、既に20人近くがたむろしていた。

・そんな、整備された観光地という趣のあるセブンスターの木だが、トイレはないので注意が必要だ。

・あるのは小さな売店と自動販売機、あとちょっとしたベンチだけ。売店の中には当然お店の人が使うトイレがあるのだろうけど、貸してはもらえない。ひとたび開放してしまったらキリが無くなるからであろう。良い判断だと思う。そういうところで、断固たる決意を揺るがせないことは大切だ。

・売店を切り盛りしているのはもう結構な……いつ生物の普遍的事情で閉店しても不思議ではないくらい老齢の老ご夫婦で、まーあ長いことやっておられるのでしょうけれども、その心の強さには、皮肉ではなく感心する。心の持ち方が強いのは、ベクトルはどうあれ素晴らしいことである。

・このご老人夫婦、いつからここでやっているのか、そしていつ頃から身に付いたのかは分からないが、とにかく心が強い。今年見たのは、どこかへ出かけていたバア様が車で帰ってきたときに、ツアーの大型バスから雑魚メカのようにバラバラと射出されたとなりの国……と呼ぶとこちらも近所の友だちみたいに見られそうでイヤだから……「海の向こうの別な町内会に属する国」から来た連中が、駐車場への進路をふさいで写真を撮っておったのだが、もうスピードもロクに緩めず、クラクションを鳴らすのに一切の躊躇もしないという、大変力強いお姿だった。

・昨年はその逆で、バア様がどこかへ出かけようとするタイミングで似たようなことが起こっていた。
 
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・昨今、そのテの、犯罪者と大して変わらぬ品位しか持ち合わせない異国からの旅行者が増加しているのであろうが、そんな輩相手にまで、商売だからと良い顔をする必要などない。便所など貸してやる必要はないのだ。バッサリと対応しないのがよろしい。

・もちろん、ここに集うのはそんなケッタイな連中ばかりではない。ホホエマ可愛らしい旅行者もいっぱいなので、皆さんも是非来てもらいたい。彼らを眺めているだけでも充分に面白い。旅の風景の中でしか見られない旅人の心安さも、旅の醍醐味であることだ。それらは日常に持ち帰る必要はないものだ。

・旅先では人は開放的になるし、キホン「情け深く、寛容な良い人」になることの方が多いとオイサンは思う。日常から遠く離れた別天地で、出来るだけ良い思い出をたくさん作って帰りたいというのは、やはり旅をする者の共通の思いであるのだろう。無論、日常を過ごす場でより長く過ごし、そこをより過ごしやすい場にしようというマインドだって素晴らしいぞ。マとはいえ、やはり空気は地に染みつくから、日常の湿りを払拭することは難しいとは思う。

昨年、ここで見た夫婦も素晴らしい二人だった。旦那の名前は分からなかったが、旦那は奥方を「チエ」と呼んでいた。この辺からしてなんかもうかなり良い雰囲気丸出しの二人なのだが、この先がまた良いのである。

・チエさんは終始ボンヤリ口調で穏やかなのだが、主導権はどうやらチエさんにあるようだ。なにをしたい、どこへ行こう、という主だった方針を口にするのは彼女の方で、小太りでメガネの旦那は、それをハイハイと自分の思うところも交えつつも基本的には承り、反論しようと思えば簡単に出来るその話を、二度目の主張はしないと決めてでもいるかのような滑らかさで受け止め、奥方の展望に沿って物事を進めていく。細部を補いながら話を具体化していっている。自販機でお茶一本を買う様子を見ているだけでも、その整頓された関係が浮かび上がってくるようだった。

・文字通り、主導、「主に導線を引く」のはチエさんであるのだが、その主張に一定の承認を与えているのは旦那さん。奥方も、それをどこかで理解しているように見える。どちらも強引なところは一つもない。ペタペタと、二人で一つのねん土をこねるような、なにやらひとつ理想的な夫婦のやり取り像を見たような心持がした。それをこの、80年のセブンスターの木の下で見られるというのも、なかなか味わい深さがある。
 
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・そう、このセブンスターの木(カシワの木である)さんも、1976年からずっと現役で美瑛の一線級観光スポットをやってらっしゃるのだからお疲れさまだ。乾いた風が吹き付け雪深い、この厳しい自然環境でよくぞ。オイサンとほぼ同い年の40歳……ではなく、有名になってから、つまりほぼこのサイズに完成してから40年だから、実際の樹齢はもっとだろう。100歳近いのではなかろうか?そこまでいかない? ケンメリは85歳なのだそうだが、「比較的若い」らしい。木の世界ではまだまだ若造か。大変だな。

・チエさんが主張していた次に向かいたいスポットは、美瑛経験13年のオイサンからすると「奥さんそこはちょっと遠くありませんか」という場所であったが、マ彼らはレンタルサイクルであったからそう苦にもならぬのかも知れぬ。お二人はオイサンよか十ほどは年上であった様だから、あまり無茶をして、牙をむいた美瑛さんの本性にやられてツラいさんにならなければ良いが、と心配したことを、いま思い出している。

・お二人の去り際の会話が、また素晴らしかったのである。サイズがちぐはぐなレンタサイクルにまたがり、

  旦那「それじゃあしゅっぱつしまーす。チエの言った通りに走りまーす」
  チエ「えー? ちょっと待って、分かんないわかんない」
  旦那「困りまーす」

 坂を下り、だんだん小さくなっていく二人。年取ったチッチとサリーが一緒になったらこんな感じかも知れぬ。

・……とまあ、それは昨年のここで見かけた風景である。かように仔細に覚えているほど、印象的だったのだ。

・まさかあの時、その場に一緒にいた怪しげなカメラの青年が今年もまたここに居るとは彼らは思ってはおるまいが。今頃家で、「去年は美瑛行ったね」などと思い出を反芻していたりするだろう。まあ、あのあとエーゲ海にでも行って美瑛のことなんかキレイサッパリ忘れているかもしれないが。

・話を現在にもどそう。

・やってくる観光客は6:4で外国人が多いように思われる。その殆どは「海向こうの町内会」の人たちである。10年前はもう少し欧米の方々が多かったように思う。時間が少しだけ早いせいか、昨年よりは木の写真も恵まれた環境で撮れている。

・今年の発見は……セブンスターの木というと、やはりこの全景、木の姿全部を捉えた写真を思い浮かべがちだが、こうして枝の中に入って撮ったものもまたセブンスターの木の姿であることだな、と実感したことだ。
 
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・こうして見ているとなんとなく、初代『ときめきメモリアル』の伝説の樹も、かしわの樹であったのではないかという気がしてくる。幹や葉の風合いが優しく、似ている気がする。花言葉に「永遠の愛」が含まれている辺りもおあつらえ向きであろう。

・伝説の樹の下でしばらくいち姫とイチャイチャし、ヒットポイントも回復した辺りで次へ向かう……というか、あとはもう帰路なのである。特に見るものはない。

・ンなこと言ったら、ここまでだって特段大したものは見ていない。空と畑と電波塔と木である(身もフタもない)。

・駅まで歩くだけ、だが、ここから先は概ね苦行。見どころはチョイチョイあるが、キャッチーさや親切さはないので、心身に余裕がなければ面白くもナントモない農道の日常である。美瑛さんでは試されるのである。どれだけ自分の心に余裕を残しながら歩くことが出来るのかを。己が、いかに心にゆとりを持って日常に輝きを見出すことの出来る人間なのかを試してくるのである。

飽きてからが美瑛。

・ところで歩くコースであるが、当初の予定では特に何も考えておらず、昨年と同じ、西側の北瑛会館への坂を下る腹づもりであった。しかし、ここに来る直前ですれ違った二人のロードバイク乗りが下って行った道でも同じルートに合流するし、何よりも来た道を少し戻るのが、いくらかは展望が残って楽しそうだ。ここは一つ、少しだけルート変更をしてみることにする。


●○● セブンスターの木~美瑛駅 ●○●


・もと来た道を少し戻る。少しといっても10分~15分くらいは平気で戻るぞ? その間に、たくさんの車とすれ違った。時刻は10時を回って、一般的な観光客どもも目を覚まし始めたと見える。さっきまでは道の真ん真ん中を堂々と歩いてこられたのに、いまそれをやっているとクラクション鳴らされた挙句ひき殺されそうな勢いである。分岐では、タイミングによってはちょっとした渋滞が起こっている。やれやれ。

・先ほどの自転車乗りたちが下って行った分岐にきた。なるほど、結構な砂利道である。ひとりがタイヤに何らかの手を加えようとしていたのも納得がいく。

・砂利の小道を抜けると大きめの道に出る。昨年はこの辺で折れどころを間違えて結構なロスをしたのを覚えている。藪を漕いで進んだ先は普通の畑だった、というオチである。今年は過たず、これまた美瑛の有名スポットである「親子の木」を右手に見上げながら歩く丘を越える……と言えば聞こえはいいが、ただの結構な坂だからな。お前ら分かってんだろうな(急にキレる)。

・イヤ、まあ……坂の多い町で育った、しかも歩くの大好きなオイサンなので「ああ、これ上るのね、OK」で済んでいるのだと思うが。ちょっと軟弱ワガママな御仁が同行であったなら、いやいやいやいや、無理無理ムリムリ、と弱音やキレ芸の一つも漏れるところだと思われる。
 
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・それが証拠に、あとから上ってきたレンタカーの助手席に座ってたオンナからは怪訝な目で見られてしまった。マ連中のごときカップルは、写真を撮るのにも車から降りないような類の人種であったのでハナから分かりあえはしない。これは推測に過ぎないが、いい加減このどれだけ走っても変わり映えのしない丘の風景に、女の方は辟易しておったのではないだろうか。「土じゃん」「空じゃん。さっき見た」みたいな。……うるせえな!! お前らの好きなイルミネーションなんか電気と電球だろうが!! ウチ帰って天井でも見上げてやがれこのブス!!(いよいよ妄想にキレる)

・そのクルマをしり目にオイサンが思っておったのは、今年は蝶が多いな、ということだった。同じ時期でも昨年はもっとトンボが飛んでいた印象であった。何が違ってこうなるのかはわからないが……朱鞠内で「昨年は雪が少なくて湖の形が違う」と教えてもらったのと同じような何かが、どこかで起こっているのだろう……。雪や水が少なくて、トンボの生育に適していなかったとか、なんとか。自然はデリケートだ。

・ホーラ、今年はこんなところからもさっきの電波塔が見えるぞ。あの塔のてっぺんまで登れたら、この辺まで見渡せるのだろうか。登りたいなあ。もしアレをもう使っていないなら、開放して、物見台にしてしまったらいいのになあと思う。それってちょっと、『ゼルダ』っぽいやん? ときめくやん?
 
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・……とはいえまあ、さっきのドライブ女のことも、安易に責められはすまい。歩けど歩けど、こんな緑色一色の日陰もない中を、エッチラオッチラ坂を上らねばならないのだ。飽きて疲れて、文句の一つも垂れるのが多分、普通のセンスであることであろう。万が一誰かを連れてくることになったなら、その辺に注意の一つも払わねばなるまい。

・アタマの中でコブラが会話を始める。
 「もうすぐこの丘を上りきる」
 「するとどうなる?」
 「知らんのか」
 「(無言でうなずく)」
 「下りが始まる」

・昨年も、この下りで大きなダンプ2台とすれ違って砂埃と排ガスにゴホンゴホンした記憶があるが、今年もまた同じだった。ゴホンゴホン。

・この行程はそこそこ長くて単調なのである。2時間弱、起伏のないジワジワとした上りの道を大きな展望もないまま淡々と歩く。時刻が昼に近付き、日差しも強くなってくる。北海道といえど、旭川は盆地で比較的気温が上がりやすい。庇になる木立もない。体温を下げるのも至難の業だ。心のゆとりを失ったが最後、美瑛は一転、死の丘に姿を変える。負けるなオレ。気をしっかり持つんだ。自分に言い聞かせながら、一度は素通りしそうになった味のある標識や看板を、数メートル引き返してカメラに収めたりする。カメラを取り出すのもおっくうになってくる時間帯である。頑張って収めたお写真の数々。ところどころボケながらでないと気持ちが支えられない。(そんなにか)
 
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 何がカキだ!お前ジャガイモだろ、知ってんだぞ!
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・途中、自動車や、ファミリー自転車の一団に何度か抜かれはするものの、人類との接触はそんなに多くはなかった。しかしチャリで抜いてった一団……ご家族連れの2セット(つまり2家族の団体)だったと思うが、もうヘトヘトの様相であったな。どこまで行ってきたのやら。小さなお子様が完全にくたばってて気の毒この上なかった。彼らは大人になってから思い出しても、「イヤあそこへはもう行きたくない」と言うであろう。オイサンのようなM気質であれば、大人になってからそのツラさを確かめに、ここへ戻るであろう。

・この時点では、さすがのオイサンもいい加減くたばっていた。昨年と同じ道を歩いているはずなのだが、こう長いとやはり「どこかで道を過ったのではないか」という疑心暗鬼にかられ始めるのである。

・道を過ったとするなら、今のメンタリティを身に付けたことがそもそもの間違いの始まりであろう。 ← そういうの今はいいから

・地図上の、目印のつもりにしてきたペンションの様なものは、結局最後まで姿を現さなかった。潰れたか、名を変えたかしたのであろう。お陰で距離感と時間の感覚がすっかり狂ってしまった。

・途中に一軒、自家製パン屋を見つけたのだが、昼も近かったしかなりくたばっていたので立ち寄るゆとりがなかった。少し覗いて見るくらいはあっても良かったと少し後悔している。……来年だな。また同じ苦行を?

・来年はコースをリバースにすればいいんじゃないかな、という気がしてきた。美瑛駅を出発点に、セブンスターの木に至り、電波塔をラストに見て帰るのである。ラストに見どころが来るので飽き感は小さくて済むように思う。だがそれも、くたびれてしまってせっかくの見どころで体力が切れている恐れがあるし、美瑛駅周りで買い物できないのはつらいな。

・とりとめのない思考に取憑かれながら、ようやくテクテクと市街地方面へと至る。ここまで来れば、駅まではあと少しだ。た、助かった!!

・北西の丘展望公園を横目に丘をくだり切るとぶつかる富良野国道は交通量が多く、大型のトラックが多い。交差点の手前に建つ謎の建物、「風林火山・武田信玄」はケアハウスになっていた……大丈夫なのか。
 
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・日に当たり過ぎた皮膚から、まるでそれ自体が発熱しているようにじりじりと熱を押し込んでくる。とりあえず、セブンに逃げ込んで冷ます。水分も食べ物も、ウェットティッシュ的な物もそれなりに備えて行ってもこのザマである。素人さんは気を付けること。美瑛さんはスパルタンだ。

・美瑛の駅周辺も、オイサンが初めて訪れた13年前に比べると随分とあか抜けた。当時から……否、そのもっと昔から観光のメッカであったに違いないのに、2000年代初頭まで手つかずに近い状態だったのは奇跡的というか、牧歌的というか。

・正直、個人的に今の美瑛はちょっとオサレ傾向が強すぎて、商売っ気が過剰であるように感じる。鎌倉の小町通りか、小樽の様だ。時代に合わせ、生き残るためのチューニングが施されるのは致し方ないとはいえ、これでもまだ足りないのだろうか? 町が潤うのは結構なのだが、うるおいが過ぎるとズクズクの沼になって沈下していくので注意してもらいたい。要る分だけ潤えばよいではないか……まあ、いつの世も、そのさじ加減が人間には分からないのだろうが。

・駅にほど近いお土産施設「道の駅 びえい丘のくら」も、その2000年以降に出来た、比較的新しい施設だ。実家に送るワインやら、職場にもっていくお菓子やら買い物をする。駅の北側にある「美瑛選果」でも農産物を見る予定にしていたが、時間の余裕も体力もそんなになかったので断念した。農産物の品揃えなら断然あちらである。

・……サテ、昼ゴハンはどうしたものか?

・まだ12時前だが、なにせ朝が5時前と早かったし、この先ガッツリとゴハンを食べる時間はない。軽くでも腹に入れておきたい。でも今はもうあんまり動きたくない。 ← 相当やられている 

・店を探す前に一休みしたいなどという矛盾に葛藤していたのだが、目の前が食堂であった。ここで済ませてしまおう。冷やしうどんなどという、おあつらえ向きに軽くて冷たいエネルギー食があったのでそれにした。

・番号札をもらって席で待つ間に、みるみるお客が増えてきてたちまち待ち時間が発生しだした。どうやらギリギリのタイミングであったらしい。いいぞ俺。

・出てきたおうどんはリキリキとしたコシに恵まれたパワフルうどんであった。正直、疲労がまさってしまって味をあまり覚えていない。食感とのど越しが存在感にあふれていたことは憶えている。美瑛産の小麦で作られたものだ。ここ何年かで美瑛さんは、自前の農産物を前面に押し出した料理を出すお店を増やした。その発想に辿り着くのは遅すぎる気はしたが、そうまでする必然性がなかったのだろうし、今の推し方はちょっとがっつき過ぎにも見える。
 
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・しかしこのお店、レジがみやげ物と軽食スタンド(ソフトクリーム、コーヒー、コロッケなど)と合わせて一つしかなく、そこを受け持つ兄ちゃんがてんてこ舞いになっている。てんてこダンス。ウーム、やはり早めに着いて買い物を済ませておいて正解だった……。良い判断だったなオレ。さすがこの道13年のベテラン。

・食後、レジが空いたタイミングを見計らって軽食スタンドでカフェラテをテイクアウトして店を出る。あとは駅前でブラついて写真でも撮ってれば、じきに列車の時間になるであろう。

駅前の案内施設「四季の情報館」で一休み。ここはいわゆる観光案内所であるが、観光情報、お土産、トイレ、休憩所と、冷暖房完備の大変優れた施設。13年前は駅前にもこういう施設はここしかなくて、タクシーの運転手さんに「四季の情報館まで」って言っても分かってもらえないくらいだったのだが。オイサンはずっとここにお世話になりっぱなし。丘めぐりの地図はこまめにアップデートされていて便利だし、冬場訪れたときは、年によって雪による通行止めポイントは変わったりするから必ずここに来ないとならない。優秀な案内機能を持っている。

・トイレで用を足し、顔を洗う。冷水が熱された肌に心地よい。結構焼けてしまった気がする……。ここにも海の向こうマンたちが大勢たむろしている。まあお行儀よくしててくれる分にはいいんだけどさ。

・情報館から出てきたところで、紙袋を提げたメガネのあんちゃんにつかまった。おお、イケメン。なにかしらボウヤ? こんなおじいちゃんと、ウフフ、遊んでくれるの?

・と思ったら(思うな)、美瑛の観光に関するアンケートだった。北海道ナントカ大学の学生さんらしい。時間もあったので付き合ってあげたが、まーあ事細かに、色々と聞かれてしまった。今回の旅の目的、滞在時間、利用交通機関、便利だったこと、不便だったこと、使ったお金の金額を使途ごとに……など。

「美瑛は今回が初めてですか?」
 「いえ、何回か」
 「何回目かうかがってもいいですか?」
 「え、回数? ……うーん、十~……十~……?」
 「あー……wwwじゃあ十回以上でww」
 「そうしといてw」

 「滞在時間はどのくらい?」
 「朝6時に着いたから」
 「えw?」
 「7時間弱」

 「えww?? ああ。はいw 7時間、と。おいくらぐらい使われました?」
 「XXXX円ぐらいかなあ」
 「内訳は?」
 「お土産と、ゴハン……あと飲み物代くらいか」
 「交通費は?」
 「美瑛の中で? 旭川からの列車代は含む?」
 「含めずです」
 「ゼロです」
 「え?」
 「歩きなんで」
 「7時間w? 歩きでww?
 「はあ、まあ」
 「……じゃあほとんどお土産代なんですねー」
 「うーんそうね。あとは……ああ、さっきあそこの道の駅で」
 「はいはい」
 「ガチャガチャ一回回したから、それが200円
 「www」

・キミ、失礼じゃないかw! なんで終始半笑いなんだよ! チョイチョイ「こいつウソついてんじゃねえか?」って顔をするのは遠慮してもらおう! 美瑛なんて、もっとスパルタンなガチホリック勢がいっぱいいるだろう!
 
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・とまあ10分弱、若者に協力をした。こうやって観光資源を強化しているんだな。地道と言えば地道だ。お礼に、美瑛名物おみやげラスクをくれた。パッサパサ!! パッサパサだよ、口ン中パッサパサ!! 飲み物も一緒にくれよ!!

・列車までまだ時間がある。駅前でチラホラと写真撮影。この駅舎を撮るのももう何回目なのか。撮らなくてもいいじゃん、と思わないでもない。撮る理由もコレといってないのだが。まあ来たんだから撮っておく。

・いち姫を入れても撮っておく。さっと出てきてもらってサッと撮る。周りに見られてないとは言わないが、極力目立たないように撮る。こんなところにアイドルがいては騒ぎになりかねないからな。

・列車まではまだ時間があるが、切符を先に買っておく……「オレカ」とはなんであるか? 北海道限定のスイカの様なものが運用されているのであるか? と思ったが、オレンジカードのことだった。そんな略し方知らない!
 
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・そんな風に駅前でフラフラしていたら、今度は美人のお姉さんがすり寄ってきた……職務質問でもされるのかと思ったが(オトコのときと妄想の方向性が違う)、さっきのイケメンと同じ紙袋を提げている。同じアンケート要員だった。さっき済ませた旨を告げると、きまり悪そうにそそくさと立ち去ってしまった。この暑い中、ご苦労なことである。

・美瑛は、言わずもがな超メジャー観光地である故、人が多い。列車の乗降者数も、富良野線では有数であろう。改札前で列をなす人間の数もそれ相応。
 
・一つ思い出した。朝来るときに乗った列車が、四両編成だったのである。「こ、こんなに長い車両が富良野線に!?」とびっくりした。恐らく、平日の通勤・通学時間帯用なのであろうが、その実、旭川から少なくとも千代ヶ岡までの区間では、後ろの2両しか開放されていなかった。そこから先は通せんぼでドアも開かなかった。ナンヤネン。帰りの列車はふつうの2両……だったと思う。3両だったかな?
 
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・昨年の美瑛からの帰りでは、ムッチムチの白人美女と、ムッキムキの白人イケメンのカップルが、向かいの座席でニチャニチャしており目のやり場に困ってしまって逆にガン見したのだったが、今年は小学生くらいの息子を連れた海の向こうから来た親子であり違う意味で目のやり場に困った。
  
これにて、2017年夏の美瑛アタックはおしまい。
いやー、疲れた、暑かった。 ← 嘘でも「楽しかった」って言っとけよ

次回、4日目の第3回。この旅もいよいよグランドフィナーレです。
いつものcafe花みずきさんでコーヒー飲むだけ。
  
  
  

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2017年11月24日 (金)

■しゅまりない旅情2017~4日目(1)~ -更新第1180回-

ひかりあふれる朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その4日目。の、その1。

1日目は羽田から旭川に飛び、行きつけの店が休みだったり、
深川のコインロッカーが無くなっていて困っているところを地元のお店のご厚意で救われたり。

2日目は朱鞠内の湖畔で、
遊覧船の船長やチケット売り場のおばさんと交流を深め、
急な雨に降られた町の方では謎の好青年(ビビる大木+春風亭昇太似、声がでかい)とエンカウントしたりした。

3日目。
乗って深川方面へ戻る予定だったバスが、実は平日しか走っていないことに時間直前に気付き、
ルートを急遽名寄経由に変更したり、
そうして行き着いた名寄で道路元標に行き当たったり、北緯45°でゴハン食べたり、
今度は旭川に向かう列車の時間を1時間間違えたりと、間違いだらけ。
 
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最終日の4日目は、美瑛を巡る予定。
これまた昨年と同じ足取りで巡るのである。
マンネリ、大好き!



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■4日目 8月21日(月)
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●○● 03:30~06:00 起床~列車で千代ヶ岡 ●○●



・起床は驚きの3時30分。夜中やないか。

・朝5時半の旭川 → 美瑛の列車に乗ろうというので、この時間の起床。もう少しゆっくりでも良かったはずだが、寝オチして目が覚めてしまった。

・本日の予定は、早朝美瑛~昼まで丘をかるく一回り~美瑛駅周辺でおみやげをちょっと購入~午後、旭川に帰って花みずき~晩ゴハン食べて空港。

・美瑛を歩くコースも、予定では昨年と同じ。いいのかそれで。

・やや高級なホテルから、5時前にチェックアウトする怪しい男。フロントさんも「なんで?」みたいな顔をしている。すまんな。

・買物公園のいつもの松屋で朝食をとり、駅へ向かう。足の甲が傷んでいたので、途中コンビニでバンソウコウやら、ちょっとした補給物資を買ったりする。美瑛の丘歩きはそれなりの備えをしておかなければただの苦行に早変わりなのである。

・宿を出る直前まで悩んでいたことに、花みずきさんに渡すお土産をどうするかがあった。金曜日が休みだったのでお渡しできなかったアレである。持って出て駅のロッカーに入れておくか、宿に荷物と一緒に預けておき、美瑛から戻ったら一旦取りに宿まで戻ってくるか……。結局、持って出てロッカーに入れておくことにした。常温保存でOKな代物だから、問題ないであろう。

・ここでさらに一つ、危険なことに気が付いた。トイレだ。大都会・旭川を発つ前にトイレを済ませておかねばならない。

・歩き始めの駅・千代ヶ岡は無人だし、コンビニがあるにはあるが、田舎のコンビニである。朝6時から空いている保証はないし、歩く予定の丘の道にもトイレなどない。

美瑛さんはスパルタンなので、観光スポットにもご親切にトイレなどがあったりはしないのである。「どこでしてもいい」という意味ではないぞ。畑は農家の方の大事な財産です!

・とりあえず慌てて旭川の駅でトイレに行ってみる。どことなく、腹に大きな塊の存在を感じるが、今のところ差し迫った便意の気配はない。特に警戒する必要もないかと思い、列車の時刻も迫っていたので乗車。

・前も書いた通り、北海道の列車は早くからホームにおって、乗ろうとするお客も早くからスタンバっておるので混む時期や時間帯にはあっという間に席が埋まってしまうのである。

・平日の朝とはいえ、さすがに6時前から通勤・通学する人も多くはない。乗客はオイサン入れて10人足らず。車両に人影はまばらだった(それでも想定より多かった)が、どうやら半分は旅行者だ。

・旭川から千代ヶ岡まで乗車時間は30分弱。手持無沙汰に、車窓の風景や同行者のいち姫をカメラにおさめたりしていたのだが……ここで恐ろしいジャパリトラップが発動する。

・突如、静謐な車内に聞きなれた警告音にも似たホルンが轟き、車内が緊迫の空気に包まれた。
 ホルンの音色に続いて賑やかな歌声!
 
  ♪ \フォフォーンフォフォフォーン/Welcome to ようこそジャパリパーク! 
  ♪ 今日もどったんばったん お・お・さ・わ・ぎ !

 
・「だ、誰だ!? まさか俺か!?」と、一瞬慌ててスマートフォンヌを確認したが、よく考えれば自分はスマートフォンヌにようこそジャパリパークへは入れていない。辺りの様子を窺えば、三つくらい向こうのボックス席の、見るからにそこそこソレモノ感漂わすお兄ちゃんが、オイサンと同じくらい慌ててスマートフォンヌをいじっていたので、恐らく彼であろう。
 
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・お客様! 携帯電話はマナーモードに設定していただかないと、周りのお客様が無用に肝をつぶすことになります!! くれぐれもご注意ください!!

・あービックリした。……そんなよくある朝の風景(そうそうあってたまるか)をやり過ごし、列車は千代ヶ岡に到着。
 
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・降りるのはどうやらオイサンだけらしい。マそりゃそうか、こんな辺鄙な住宅+畑駅。無人なので、車掌さんに切符を渡して降りる(無人駅から乗った場合だと、ここで現金を支払うことになる)。

・ここでまた一つ、うっかりミス発覚。切符を渡す際、車掌さんが妙に念入りに「大丈夫ですか?」と確認をするから、何故だろうと思っていた。

・(はっはぁ~ん、サテはオイサンのことを初心者旅人だと思って、「美瑛に行く観光客が間違って降りようとしてるんじゃないか? と気を回してくれているな?)……くらいに思っていたのだが。

・オイサン、間違って切符を美瑛駅まで買ってしまっていた。千代ヶ岡は美瑛駅の2つ手前であって、運賃にして180円ほど違う。なるほど、車掌さんが首をかしげるのも当然である。そこで精算が出来るワケでもなし、降りてしまってから気付いたので、まあ致し方ない。ホントに間違いの多い旅だな。

・思えばあの、『ようこそジャパリパークへ!』は、これからワイルドな一日を過ごすことになるオイサンへの餞であったのかもしれぬ。なかなか粋なことをする若者であるな(そんなわけがあるか)。



●○● 06:00~ 千代ヶ岡~セブンスターの丘 ●○●



・ひと気も、列車が来る気配もない千代ヶ岡の駅で、法をはみ出さない範囲でチラホラ撮影。朝6時の澄んだ光はそれ自体素晴らしい被写体である。早起きイズグレイト。駅舎の中もツッコミどころと雰囲気満載である。
 
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 バカには見えないチラシ
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・駅を出て、少し歩くと見えてくるセイコーマート。

・昨年来たときは、シャッターが4分の3くらいしか上がっていなくて、「これ以上上がりません! 営業中です!」みたいな乱暴な貼り紙 のあった店だ。

・そんなステキストアだから、こんな早朝からは営業していないだろう……と思っていたのだが、あ、開いてたー! そんなばかな! 北海道の田舎コンビニが!? まだ朝の6時だぞ!?(失礼)

・まあ開いていてくれるのに越したことはない。トイレを借りて先ほどの煮え切らない腹にリベンジを果たし、補給物資の追加としてラスクを買った。昨年もここでラスクを買った気がする。ついでに言うなら、昨年はこの向かいの郵便局でお金を下ろした。どうでもいいな。
 
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昨年の様子
 
 
・店を出たら、ここから先はひたすら歩くのみである。帰りは、13:10の列車には乗りたいので、滞在時間は約7時間。マそのほとんどが歩いてる時間なので、体力的にもギリギリであろう。

・ルートは、下の地図に示した通り。昨年と全く同じルートである。
 
 

 
 
・折り返し地点の目標はセブンスターの木。中継地点としては、NTTの電波塔(無線中継所)廃墟、かしわ園公園。折り返してからはひたすら駅に向かう道を歩き、駅前でお土産を買って旭川に帰る手はずである。マ変えられるところ・新たに寄りたい・寄れるところは、歩きながら考えよう。なんせ時間はあるのだから。

・小さな川の流れに沿ってクルマ道を離れ、金色の稲穂が埋め尽くす田んぼの間の道に入る。視界が横に広い。

・昨年は道と田んぼに気を取られて気付かなかったが、道の右側になかなか立派な水路がある。水量が多くて勢いがあり、これだけでも見ていて飽きない。

・何故昨年は気付かなかったかというと、道の左側ばかりを歩いていたせいであろう。歩く場所を少し変えるだけで見えなくなるものがある。人の人生、歩く道筋は決まってしまっているかもしれないが、その道幅の中を蛇行するだけでも違う発見をすることが出来るのかもしれない。

・などと油断していたら、目の前を、7、80センチはあろうかという蛇がニョロニョロ道路を横断していった。うっかり「おお、蛇だ」などと口に出していた。久しぶりに見たな。

・道にビシッと埋まった「道」の印(コレは何にするものなのか)とか、早朝独特の長く淡い影が稲穂のじゅうたんに落ちるのなどを、ポチポチと写真に拾いながら歩く。
 
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・田んぼ道を過ぎ、丘へ続く道を左に折れる。緩やかに登り始めるが、まだ朝早く、日陰が大きくて気温も高くない。人や車も少なくて、快適この上ない。心も弾むというものである。弾み過ぎて、心があさっての方向へ行ってしまったりもする。


●○● NTT美瑛無線中継所 ●○●


・最初のポイントは、今ではもう使われていないらしい、NTTの無線中継所の大きな電波塔。

・昨年は、とりあえず目印になりそうということで地図上に現れたコレを目掛けて歩いたのだが、実際に辿り着いてみるとその姿の異様なことに驚いた。広大な、青空と畑の中にただ立つ姿が高潔で孤独な宇宙船のように思えたのだった。

・「ここにはまた来たくなるだろう」と思ったものだが、早速まんまと二度目である。

・旅先というものは、1回目で終わらせてしまったらそれきりである気がする。2度目があって、ようやく自分の場所に近付く。2度目を訪れるかどうかも自分次第であるから、気に入った場所へは、早々に2度目を訪れることをおススメする。それによって何度もその場所を訪れることに抵抗感がなくなって良い。閑話休題。

・昨年の道筋を忠実にたどって歩く。そういう目的ではないが、そうならざるを得ない。ところどころ、新たに見出したものを拾ってはいくが、マイナーチェンジの域を出ない。

・最初の分岐を越えたところで一休み。時刻は7時半。ブラブラ歩きとはいえ、もう1時間ちょっと経ってしまったか。木陰で景色を眺めつつ、ストレッチをして、靴を脱ぎ、コーヒーを飲んだりラスクをかじったりする。くつろぎ。

・旅の重要ポイント。水分・糖分・塩分が足らなくなると、楽しい道が途端に苦行に変わるから、こまめに補給をするといい。休憩も大事だ。

・ここからでも目指す電波塔が見えることに気付く。昨年は、ここで車を停めて写真を撮っているお姉さんがいた。また、荷物満載のサイクルジャーニー小僧があとからやって来たのだが、その彼とはセブンスターの木の手前でもまたすれ違ったのだった。どういうルートを走っていたんだろう、彼は。
 
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・そこからザクザクと歩けば……見えてきました、謎の宇宙船の着陸基地(ただの電波中継塔です)。

・広大に広がる農地、淡く消え残る稜線。宇宙から、深くグラデーションしていく青空の底に潜ってきた潜水艦のような、電波塔のこの不可思議なたたずまいに、オイサンのオッサンハートは完全ノックアウトされたわけです。帰るに帰れない宇宙船の孤独のようなものを彼の横顔にひとたび見出してしまえば、オッサンの妄想はもう止まらないわけです。だってもう人格を見出してシムパシィを感じているのだもの。分っかるかなあ。

・いくらだって眺めていられる、物言わぬ深みがこの風景の中に眠っている。美瑛に観光スポットは数あるけれど、きっと他の物だってそうやってドラマを与えられてきたに違いないのである。この場所が、またドラマやCMの撮影にでも使われたら、きっとここにもアホみたいなオサレインスタ映え女子が押し寄せてきたりするに違いないぞ。バーカバーカ!!(なにかうらみでもあるのか)

・尚この周辺は、物言わぬ鉄塔にロマンを感じられない人でも、そこそこ良い丘ビューも堪能できるのでオススメである……が、そういう人がたくさん来たら「やだーあの鉄塔なんか邪魔ー」とか言い出して取り壊せ!みたいな話になりそうなので、やはり人は来なくていいのである。

・ていうか、あの中継基地は稼働してないのだろうか? なんかどっかで、もう使われていない情報を読んだ気がするのだが……。それもまたオイサンの妄想やもしれぬ。
 
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・鉄塔を見上げ、丘を眺めながらまたプラプラ歩いていくと、どうやら鉄塔に近付ける道があったようだ。昨年は気付かなかったのか、時間がなくてスルーしたのだったか……思い出せないが。今回はスーパー早起きしたおかげで時間があるのでちょっと寄り道して行こう。

・中には入れませんが(当たり前だ)、近寄るとなかなか迫力がある。孤独感や人格が消えて、吹き抜ける寂寥さに変わる。ズシンと巨大な質量を有しているのに、何の温度もない感じ。冬になって、雪に埋もれるとどんな姿を見せてくれるのだろうか……。冬場、この道は除雪がされないのでその姿を近くで臨むことは出来ない。その時にこそ、彼の本当の姿が見えるような気がしてならないのだが。

・尚、ここからは旭川空港に着陸する飛行機もよく見える。

・そうして鉄塔に寄り添ってコーヒーを啜っていると、一台のチャリが道を過ぎて行った。うーむ、地元っぽい車以外で、この道を何かが通るのは初めて見るな。
 
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 旭川空港に向かう飛行機 
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・いくらでもここに居ることが出来てしまいそうだが、時間もあれば腹も減る。次のポイントへ向けて歩き出す。


●○● かしわ園公園 ●○●


・次のポイントは、オサレパン屋のビブレ。……の予定だったが、そのビブレへ向かう分岐の少し先に、「かしわ園公園」などというスポットが地図上に見える。昨年は寄っていない。せっかくなので少し寄って行ってみるか。

・実はすこし尿意がこみ上げてきている。公園とあれば、トイレくらいはあるやもしれぬ。淡い期待もあった。

・かしわ園公園、どうやら昔小学校だった場所を、いくらか遺構を残しつつ公園化した場所であるようだ……否、そのようにしようとした場所であったようだ。

・言い直したのは……志半ばであるように見え、荒れ放題でもあったからである。
 
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・ちょっと盛り土のある場所に札が立ててあって、「ここが校門あと」「ここが礎石があったところ」などとしてあるのだけど、色々足りていなくて分かる人にしか分からない状態であった。大きな朽ち木に囲いがしてあるのも、きっと記念樹かなにかであったのだろう。けれど「乾いて折れっちゃったので、危ないから近付かないで下さい!」的なサインにしか見えない有様であった。

・遊具の大きなタイヤが残っていたり、昔の校長先生だかの石像があったりするのだが。誰かキチンと管理をする人を決めた方が良いと思う……っていうか、恐らく、もう思い入れのある人たちはなくなってしまったんじゃないだろうかと想像させるに足る状態であった。

・しんみりしてしまいそうだが、ここまで荒れ放題だと逆にちょっとこう……計画性の無さ、だらしなさが笑いの種になっていて、アッケラカンとしていた。マ天気が良かったのもあるがね。これで曇ってたり、雨が降ってたりしたら、若干凹んだかもしれぬ。

・トイレは、あるにはあった、が……いやあ、便意が小さい方で助かった。大きい方のブースは、とてもじゃないが使おうという気になれない方式と衛生状態のシロモノで、イザ使う段になったら、底から這い出して来る人ならざる者の陰におびえながら排便をすることになるであろう設備だった。怖い怖い。あの穴に、弱点丸出しでまたがれる者は勇者であるぞ。その勇気をたたえて褒美を取らせ、この国の次なる王たる資格を与えよう。ついでにこの公園を管理する義務と責任を授けよう。

・マそんなことで、辛うじて使用するにたえる小ブースの方で用を足した。マこの辺だったらどこでやっても文句は出ないと思うけど。

・このかしわ園公園で一番の見どころであったのは、岩から萌えた一本の枝であった。たくましいとか生命力とかのありきたりな言葉で済ませる気はないが、言い知れない温かみを感じた。きっと同じ思いであったであろう、いち姫と記念写真のツーショットである。
 
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・どうでもいいが、今回ちょっといち姫をフィーチャーしたフォトに時間を使い過ぎている気がする。イチャイチャしすぎだ。週刊文春さんにスクープされないように気を付けないと(文春さんもそこまで暇ではない)

・かしわ園公園さんの前からも、なかなかの丘ビューが得られる。悪くはない。
 
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・次のポイント・ビブレさんは、とってもオサレなレストラン兼パン屋さん。レストランの方はオサレ過ぎて、オイサンの様な汗だく一人ウォーカーには敷居が高いが、パン屋さんの方でだったら、パンを買うことくらいだったら辛うじて出来る。去年は出来た。しかし今年は辿り着いた時間が9時前とあって、まだ開店準備中のご様子であった。近隣の人が、朝ゴハン用のパンを早くから買いに来たりはしないのだろうか。

・中ではパン焼き職人さんやお店スッタフさんがかいがいしく働いておられた。

・尚、昨年はここで昼ゴハン用にパンを買ったものの、何を血迷ったかこのオッサンはアホなのでチョコチップ入りの物を買ってしまい、しかもすぐ食べればいいものを勿体ぶって灼熱の中セブンスターの木まで歩いてから食べたりしたものだから、パンに埋め込まれたチョコチップがすっかり溶けてヌチョヌチョとした食べ辛い物になり果ててしまっておった。ビブレさんに罪はない。オイサンのミスである。



……といったところでそこそこの長さになってきたので
紙幅を次回に譲る。
次回は、セブンスターの木から、旭川に帰るまでの2時間ばかりのデキゴト。
 
 
 
 

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2017年11月23日 (木)

■月あかりに浮かぶ邪教の宿~『月がきれい』川越巡礼~赤城~小川町(第2回) -更新第1179回-

9月、『月がきれい』の巡礼で川越に行ってきたときのお話。
その第2回目。
 
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道の駅 おがわまち 
 

お宿のステキアメニティの話と、
2日目に行った埼玉・小川町、小川小学校下里分校のこと。
大きな出来事はありません。
 
 
 
▼今回の旅マップ

 
 
 
●○● 邪教の宿のアメニティ~邪教の女将、邪教の風呂、邪教のwifi ●○●


 ▼邪教のアメニティ・その1~悪魔召喚wifiに手を出すな!
 
話は、宿に戻る。
邪教の宿、ゴハンは大変おいしかった。豪勢で大変美味しかった。大満足。
 
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帰り際に少しだけお話をさせてもらった宿のおかみさんもなかなかのキャラクターだった。
おかみさんは宿を所狭しと埋め尽くすオブジェ群を見渡し、

  「……こういうのは、主人が色んな所から持ってくるんですけど、
   最初は片付けてたんですけどしまう場所もなくなってきたからもう、
   『だったら飾っちゃえ!!』ってことになって、そうなるとねえ? もう全部は綺麗に掃除は出来ないから、
   毎日ちょっとずつ違うところ違うところってやってるけど」


と、しれっとぶっちゃけてくる辺り、なかなかの開き直りを感じさせる。
ウンウン、大変ですよねえ。けどね女将さん?
ボクらそういうの別に気にしないんで、「wifiの正しい繋げ方」とか「露天風呂の本当の利用ルール」とかは
ちゃんとしといて頂けるかなマドモワゼル?

部屋に通されるなり、「wifiの使い方は、お部屋にありますので!」とビシッと言い切られたので、
なるほどそうかと信じ切り、お部屋を探してみたけれども、それらしい情報が見当たらない。
それでも何らかのヒントがないかと、3人総出でほとんど家探しのようにして
あらゆる収納から物陰まで探ってみたけれどもそれでもやっぱり見つからず、
オイサンなどは額ブチの裏まで探しているところを2人に見られ

 「オイサンwwwいくらなんでもwwそんなところにwwwwifiのパスワード置かないでしょwwwww」

と爆笑される始末。イヤ分かってるけどさw! 普通はそうだけどw! 他にもう、探すところないじゃんw!
しびれを切らしたよつさんがおかみに再度アタックをかけても

 「いえ、お部屋に……ありますでしょ?」

と、まるで取り合ってもらえない始末。
そうまで自信たっぷりに言われてしまうと、コチトラ長年世間から虐げられ冷遇されて生きてきた
日陰者のオタクでございますゆえ、自分たちのすることにそこまでの自信もなく、
もしかすると俺たちに見えていないだけなのかも知れない、などと思い始めてしまうのも無理からぬこと。
 
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邪教の宿・セーブポイントライブラリー
 

おかみを呼びつけて叱責するなどという野暮はせず、嗚呼ここはこういう宿なのだと飲み込んで
結局wifiのパスワードを発見するには至らず、オイサンのポッケトwifiを細々と分け合って暮らしたのです。
尚、ルーター本体らしき物体は廊下の本棚の上に発見出来たものの、
如何せんその裏を確認出来るほど動かすことが出来なかった。

 ▼邪教のアメニティ・その2~悪魔合成露天風呂

そして、露天風呂の利用ルールである。
「露天風呂はですね、行って頂いて、ご利用の間は利用中の札をかけて置いていただければ、
 その間は貸し切りとなりますので、ええ、ごゆっくりお入りください」

と説明を受け、なるほどそれは素晴らしいと、イザよっちゃんが偵察に行ってみれば小首を傾げて戻ってくる。
 

  「なんか、30分制で、先に予約で
        名前書いとかないとダメみたいです……」

 

お、おかみーー!! 話が! 話がちがうではないかーー!
まあ確かに、その間30分はフダかけとけば貸し切りなのかも知れぬがーー!!
大事なところの説明が抜けておるではないか、おかみーー!!
……となかなかに、旅のスパイスを多めにふりかけてくれるお宿だったのでゴザル。
マ露天風呂っつっても、夜半からは大雨ザーザー大風ビュービューで入れたもんじゃなかったんですけど。
 
露天風呂が露天風呂なら、内風呂の方もなかなかのスパルタン仕様して、
湯船と洗い場は広々として良いようなものの、3つある湯口のうちまともに機能しているのは1つのみ。
イザ体を洗おうと湯口の前に陣取ると、先に入っていた見知らぬ御仁に
「あ、そこ出ませんよ! ここしか出ないみたいです! 私、もう空けますんで!」
と気を使われてしまい却ってこちらが恐縮する事態に。
見知らぬ人を交えた四人で、唯一湯の出る洗い場を譲り合って使うという、
戦時下戦後の井戸端のような光景が現出したのでした。
あと、風呂にも謎のオブジェは進出していた。くそっ、連中こんなところにまで!



……。



そんなわけで、いやー……どこまでいってもくつろがせてはくれない、
何らかの緊張を強いてくる邪教の宿でありました。
宿の主であるところの、謎オブジェを世界中から買い付けてくるダンナの方は、
梁に頭をぶつけたよつさんに
「兄ちゃんでけえなあw!」
と絡んできたくらい(コレと言った気遣いの言葉などはナシ)で、
オイサンはとうとうコンタクトを取るチャンスに恵まれなかった。ひと目お会いしたかった。
 
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……しかしなんでしょうか、
日本人の旅の愉しみは「物見・ゴハン・お風呂」が一般的だと思うけれども、
海外の方々が自国内を旅する時、「観光・ゴハン」までは同じかも知れないが、
やはり同様に「お風呂」も楽しみにカウントされるのだろうか?
なんかそんな気はしない。外国人の自国内旅行では、どんなことを主たる楽しみにするんだろう??

……以上、赤城温泉のどんづまり、邪教の宿からお送りしました。
おお寒い。



■■■━ 2日目 ━■■■



2日目はやはり雨。
小ぬか雨のそぼ降る中、目指すのは埼玉県、小川町の道の駅。
オイサンの希望で『のんのんびより』の聖地、小川町・小川小学校の下里分校へ三度目の巡礼である。
あそこ好きなんスよ。
今まで巡った「聖地としての聖地」の中では、一番好きかも知れない。
普通の旅先としては、小諸とか高山とか城端とかがやっぱり好きなのだけど。
 
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やたらと目につくエキサイティングホテルの看板をやり過ごし、
まずは近場の道の駅に立ち寄っておみやげを物色。
……ム。よつ氏、そのたぷたぷ水の入ったビニールは? なにを買ったんだね?

  「タニシです」
  「タニシ」
  「生きてるやつ。熱帯魚の水槽に入れるんですけど」
  「生きてる」
  「ここ、バカ安ですよ!」
  「バカ安」
  「ヘラクレスオオカブトも売ってましたよ」
  「ヘラクレス」

あまりに自分の知らない世界のデキゴトで、オイサンはもうおうむ返しに呟くことしか出来ない。
近場の農家で養殖してるんであろう。すごいな。
オイサンもちょいとお土産物を見繕い、イザ小川町。

道の駅小川町にはちょっとした因縁があって、
最初に訪れたとき、辿り着いてさあ昼ゴハンを食べよう! と喜び勇んで食堂へ向かったら、
売り切れだかなんだかで、まだ閉店時間前だったのにタッチの差で店がしまってしまったのだった。
今回はそのリターンマッチ。
 
なんらかイベントをやっているのか、駐車場がやたら混んでいたのが印象に残っている。
今回も、席につき、メニューを眺めているとお姉さんがやってきて、
 
「今日はおそばがもう売り切れでして!」
大人気か! 
 
「あと、ゴハンものもないです!」
小川町の人間は炭水化物が大好きか!
 
「うどんしかないです!」
じゃあしょうがないな!
 
一人だけ売れ残ってしまったうどんがなんだかちょっぴり気の毒なくらいだが、
オイサンの注文した田舎汁うどん、とってもおいしかったです。
売店で、なにやら地元のイラストレーターさんがデザインしたカッコいい手拭を売っていて、
心惹かれたが今回はやめておいた。またくることもあるだろう。
 
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●○● のんのん聖地~小川小学校下里分校 ●○●


聖地・下里分校までは、クルマらな数分。徒歩や自転車でも行かれない距離ではない。
何度か、一人でも来てみようと企ててはみたのだが、如何せん家から日帰りではちょっとしんどい距離なのに、
周辺には都合のいい宿もないのでまだ一人で来たことはない。

雨の下里分校は、これはこれで、大変アリな佇まいをしていた。
雨脚はもう、小雨、小ぬか雨と呼ぶには勢いを増し過ぎていて、
すべての色が晴れ空の下よりもひと刷毛、ふた刷毛ぶんくらい濃い。
雨降りだと、視界の中で絶えず何かが動いているし、水の鏡がたくさんできているから
多くのまやかしが働いているように感じる。風景が持つ、脈動や息吹の様なものが色濃く感じられる。
 
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雨の音が強い。
 
 
ここを訪れた二度目のとき、驚いたことがあった。
校舎の、放送室のような場所にオーディオのセットが組み込まれて、
『のんのんびより』の音楽がかけられていた。
主題歌やエンディングのようなキャッチーなものではなく、静かな、第1期1話冒頭のあの曲だった。

ここを管理しているバッチャンがいて、彼女は
「せっかくだから、楽しんでもらえるように」と、そのようにしたんだと言う。
バッチャンはおしゃべりが大好きで、
アニメにも聖地にも全然関係ないような自分の農業のことなんかをベラベラしゃべるおかしな人なのだけど、
オイサンは、なんだろうか、その心遣いみたいなものにいたく心を打たれてしまった。

バッチャン一人でやっていることでもないのだろうけれども、
掃除をしたり、ノートを置いたり、募金筒を置いたり、戸の開け閉めをしたり、
自分にはなんだか分からないアニメと、
それが好きというだけでやって来るなんだか分からないロクデナシどものために
毎日そんなことを続けてくれる人がいることが大変ありがたく、
オイサンには彼らが妖精か何かのように思えてしまった。

だから今回は聖地に訪れたいという気持ちもありつつ、
バッチャンが元気でやってるかどうか確かめたくて来たのでもあった。
さっき道の駅で買ったおみやげも、実はバッチャン向けに買った物だった。
いなけりゃいないで、持って帰って自分で食べればいいだけだ。
 


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とはいえ、不安はある。
なにしろ『のんのんびより』は第2期の放映も終わってそこそこ時間が経っているし、
原作こそ元気に続いているものの続編の声も聞かず、
果たして、敬虔な巡礼者がどのくらい残っているかもおぼつかない。
訪う人が絶えていたとしても、なんら不思議はない。

  かくいうオイサンだって2年ぶりなのだ。不信心な巡礼者で申し訳ない。

そうなっていたら、巡礼者向けのサービスが続けられていることもないであろう。
それは致し方ない、
致し方ないとはいえ……そうやっておもてなしをしてくれる人の気持ちを
たかが流行り廃りでさみしく萎えていってしまうこと、
「飽きられてしまったのだな」と萎びさせてしまうことが、オイサンはひどく悲しかったのである。
だからせめてひとこと、
バッチャンのしてくれたことは本当に嬉しかったんだよ、
楽しかったんだよということくらいは伝えておきたかった。
 
 
雨の音が強い。
 
 
ジェントル号が駐車場に入ったとき、音楽は聞こえてこなかった。
だからまあ、嗚呼、やっぱりそういうことなのかなと、
残念ではあるけれどもある程度予想もしていたことだったからそういう気持ちで車を降り、
傘をさして、
ずくずくと水を吸った校庭の古い土を踏んだ。
大きな校庭を半分くらい進んだところで、先行していたよつさんが、足を止めて嬉しそうに振り返った。

  「鳴ってる」

駐車場は、校庭をはさんで校舎からそこそこ距離がある。
オイサンにはまだ届いていなかったが、耳を澄ませると確かに、
落ちてくる雨だれの間から聞こえてくるメロディーがあった。
こんな雨の日にもバッチャンはここにやって来て、生真面目にオーディオのスイッチを入れてくれたのだろう。
 
 
  ~♪ ~♪♪♪  ~~♪♪ ~♪ ~♪
 
 
果たして、バッチャンかどうかは分からない。別な管理者、職員さんかもしれない。
いずれにしてもそれはとてもありがたいことだ。
校庭にも校舎にも、人影はまだ見当たらなかったが、きっとどこかでオシゴトをされているのだろう。
会うことが出来ればそれでいいし、出来なくても仕方ない。
ともかく毎度の如く、普通に回れるところを見せてもらって、時間が来れば帰ることにしよう。
特別なことはしないでおこう、そう決めて、小川小学校下里分校を、今回も回らせてもらった。

ところどころ変わっているところもあった。
訪問ノートの置き場所が、西側のげた箱から東側の教室の入り口に移動になっていたり、
代わりに西側のげた箱にはお手製の小さなマップが貼り付けられていたりした。
焼却炉もなくなっていた。
あの、一穂ねえねえが
  
   ♪早よ燃えろ~ 早よ燃えろ~ もっとボーボー燃ーえーろー♪
  
と、物騒な歌を口ずさみながらゴミを焚いていた焼却炉である。
訪問ノートは6冊目に至っていたが、なんでも3、4、5冊目の行方が分からなくなっているようで、
そのことを伝えるれんちょんがかなしんでいるイラストが、オイサンの心にそのまま入り込んできて
正直心が痛かった。
 
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  もし持って行ってしまった人がいるのなら、早く返してあげて下さい。
  お願いします。

  

一番新しい6冊目のノートを見ると、定期的な訪問者はまだまだいるようだった。
ワリと近い日付に、「ここで写真を撮ってコンテストで賞をもらいました」みたいな書き込みがある。
「10回目です!」みたいな書き込みもたくさんある。
どうやら世間は、オイサンのようなまだ3回目の怠け者ばかりではないようだ。
世のオタクのすることの無さ、しつこさはまだまだ有り余っている様で安心した。



ここから先は、ちょっと書けないことが多い。
バッチャンとの約束があるからだ。



つまりオイサンたちはこのあとバッチャンと会うことが出来、
オイサンは無事、群馬で買ってきたお土産を手渡すことが出来たのである。
なんかテラジさんには爆笑されてしまったけれども。
まあ、見知らぬ男の持ってくる菓子なんか、よく受け取ってくれたなと我ながら思わないでもない。
 
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先客も一人いて、彼は青梅からもう10回も通っている大ベテランらしく、
我々は彼のことを「青梅パイセン」と呼ぶことにした。
駐車場でジェントル号の隣に停まっていたのはパイセンの車で、オイサンにはわからないが大層お高いヤツらしい。
バッチャン曰く、西側の校舎の一画にカフェをオープンする予定なのだそうだ。
現時点でのオープン目標は、来年春。

「マンガに出てきた、桜餅なんかも出せたら面白いじゃない、ねえ?」

色々と若い人たちが頑張ってくれているらしい。楽しみだ。
青梅からなら3時間程度で来られると言っていた青梅パイセンも、きっと春には来るだろう。
またここで会えるのではないだろうか、そんな気がする。
バッチャンは……前に会った2年前の夏よりも少し小さくなって、元気がなかったように思う。
転んで足をケガをしたとか、「耳が聞こえにくくなって」とか言っていた。
お歳はうかがっていないが、見るからに結構な年齢である。節々に衰えがあるのはいたしかないことであろうけど、
元気でいてもらいたい。
もしかするとバッチャンはこの学校のOGなんだろうか?
なんかそんな気がしてきたな……春にまた、会うことが出来たら聞いてみよう。



●○● Closing ●○●



以上を以て、2017年秋・川越~赤城~小川町の旅は終幕である。

  ……本当は、最後の最後、雨の中でもうひと悶着あったんだけれども、
  半ば解散後のデキゴトなのでノーカウントとしておく。
  ひと言、雨だれが車内に入って来ないように頑張るのが大変だったこととと、
  雨にぬれてシワシワになった帳票を、それでも頑なにこちらに寄越そうとする若い官憲のことを
  ボクらは忘れない。テメー顔覚えたからな( ← 忘れた)。

今回は昇仙峡のような、たてつづけに大仙人に出くわすスケールの大きな時の旅ではなかったが、
崩れやすい小さな崖をいくつか渡るような、懐かしさのある旅であったように思う。
珍しく三人それぞれに趣旨があり、そのそれぞれを、皆それぞれに楽しめた旅だった。
それだけにひとつに括れる言葉を見つけるのは難しいが、
落ち葉の舞う川越の新河岸川のほとり、
木漏れ日の差す赤城神社の森、
そして桜の咲く下里分校の春などを、
またいつの日か、ぶらりと訪れてみたいと思うオイサンです。
 
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IT'S GOOD TIME.
チキンは一つで十分だ。
 
 
 

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2017年11月19日 (日)

■月あかりに浮かぶ邪教の宿~『月がきれい』川越巡礼~赤城~小川町(第1回) -更新第1178回-

秋の気配に誘われて、川越へ行ってきた。
『月がきれい』のジュニアハイスクール・ラヴにやられたよつさんの発案からの聖地巡礼である。
 
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天候は生憎の、超魔球的角度でやってきた台風さんの接近予報でどうなるか全然わからなかった……否、
唯一「晴れではない」ことだけはバッチリ分かっている有様だったのだが、
結果から言えば、
川越の街歩きをしている最中はほぼ全く降られずに済み、なんなら若干日の差す場面もあるくらいで、
ひと巡りし終えて「じゃあ宿に向かいますか」とクルマに乗り込んだ「その途端」降り始めるという
超神回避仕様であった。

  「その途端」が本当にビックリするくらい「その途端」で、
  「いやー、天気もちましたね」と言いながら車のドアを開ける、シートに着く、シートベルトを締める、
  前を向く……と、フロントガラスに水滴がついてる、というタイミングであった。
  その後川越がどうなったか知らないが、雨雲レーダーさんを信じるなら、
  ワリとなメジャーリーグ級のドジャース降りであったハズである。
 
 
▼今回の旅マップ

 
 
 
●○● 邪教の宿 ●○●


「川越に巡礼行った」という話の冒頭から宿の話をして申し訳ないけれども。
宿は、テラジさん慧眼の面白チョイスで、
赤城の山の中腹に位置する赤城温泉などというあまり聞き及ばない温泉地のさらにドンづまりにあるクソボロお宿。
「クソボロだなんてキミ、随分な言いようじゃないか!
 そのお宿だってきっと一生懸命やってるんです、不謹慎ですよ! FF外から失礼しました!」
と怒られそうであるが、じゃらんの紹介文で自ら「ボロい!」と売り文句にしているくらいなので言ってもいいのである。

そしてまた、ボロい以上に邪教の宿でもあった……。

……なんかね。
これから出てくる写真や動画を見てもらえばお分かりいただけると思うが、
そのテのオブジェが、ご主人自称するところのボロい建屋の中にところせましとディスプレイしてあり、
夜中にトイレに行こうものならランダムエンカウントでバトルに突入する有様である。
彼らもどうやら、夜な夜な好き勝手にうろついているようであるので(そんなことはない。……ハズ)。
 
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オイサンが子どもだったら、きっとコワくて帰りたいと泣いていると思う。
これは大げさでなく、本当の実感である。あれは子供には怖いと思う。
オイサンらの他に数組の宿泊客があったのだが、
お隣でゴハン食べてたのは小学校低学年ぐらいのお子さん二人のご家族連れで、オイサンは正直、
「あの子らはこの宿に泊まってて怖くないんだろうか!? 強いなあ!」
と、感心してしまったほどである。
イヤね、ホント怖いと思うよ。
ただ奴らは食事の仕方が汚かったのでバチの一つも当たれば良いとは思う。
異教の神々のみなさん、やっちゃって下さい!

そんな異様なこの宿に、さすがのテラジさんはアラフォーの慧智を以て、「邪教の館」と名付けたが、
イヤ全くその通り。
『女神転生』、デジタルデビルストーリー、DDS、デジデビメガテンの世界ですよ。
オイサン的には『ペルソナ3』のダンジョンみたいという感想が真っ先に心に浮上してきたが、
マ示すところは概ね一致であると見て良い。
コンゴトモ ヨロシク ...
 
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 ▼季節外れのハァンヒィータァー

ところでこの日は、陽が落ちてからはとにかく寒かった。
台風が連れてくる雨風のせいも、赤城山の中腹という標高のせいもあるだろうけれども、
肌寒いというレベルを通り越して普通に寒い。
 
その上、宿が先述の通りのボロイ&背筋サムイサムイ仕様だったので、
なんと、石油ハァンヒィータァーにお世話になる始末。
まだ9月半ばだったんだぜ……。
ていうか、その寒さを見越してなのか、石油ハァンヒーターが部屋にスタンバってあるのがすごい。
自称する通り、確かにボロブドゥール(遠回しな表現)な建屋で、
設備的にはホメられるところのあまり多くないお宿ではあったけれども、
そして不要な設備(オブジェ)ばかりやたら充実した宿であったけれども、
そこはそこだけは素晴らしい気配り、先見の明であったと思う。
ていうか、そういう心配りが出来るなら周辺にも活かしてみてはいかがだろうか!!(ドン!!
謎のオブジェばかり世界中から買い付けてないで。


●○● 三夜沢赤城神社 ●○●


この辺で、お読みの皆さんはもう不思議に思っておいででしょう?

観光のメインが川越でありながら、なぜ宿泊が赤城温泉などという遠く離れた辺鄙な群馬の果てに設定されたのか?
それはもうひとえに、コーディネーターであるテラジさんの、
「面白そうな宿を見つけちゃったぜー
               ヘッヘーンポーチッとなぁー!!」

という勢いのせいもさながら、三夜沢赤城神社に詣でたい、という真摯なご希望があったからである。

その……三夜沢赤城神社? は、なんでも戦艦?赤城の艦内神社の元になるものだから、ということらしい。
ふむう。
三夜沢赤城神社は、赤城温泉地域に入る手前の、山の中腹にある。
なんだかよくわからないけど、 赤 城 。 なんですねぇー。(何かの物まね)
 
 
▼大人のプラモ道 赤城製作編

なぜこんな動画を載せるのかというと、クルマの中でこの人の話ばかりしていたからだ


その神社に着いたのは、川越を堪能し、関越道をひた走った後の17時頃で日もすっかり傾き、
雨雲もすぐ背後までせまった暗がりの中でだった。
これがもう……暗くて!
「え、こんなに暗いの!?」とびっくりする。
肉眼ではそこまでの暗さは感じなかったのだけれども、いざカメラを構えるともう、明るさが追いつかない。
人間の目というのは本当に優秀だなと感心する。
そしてまた……。
寒かった……。
ジェントル号の外気温度計は13℃。半袖で活動できるギリギリの感じであった。

しかし、その暗さ・寒さも相まって、大変雰囲気を感じられる神社でもあった。
何から何までじっとりと苔むし、気を抜くとそこから自然に還ってしまいそうな遠さがあった。
ていうか、ところどころ自然に還りつつあった。
時間の流れさえじっとりと這い寄ってくる。
日の差す明るい中で見ればまた印象も変わるのだろうが、
鬱蒼とした中に鎮座するあの佇まいは、おごそかながらも気持ちをスッと清涼なものにしてくれるだろう。
 
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あと、そのとき一緒にそこにいた親子連れがうるさい。特に子ども。
お前、何でそんなにやたら水を汲みたがるんだ。「水が! お父さん、水が!!」って。
水属性か。水上桜か。 ← 分からない人は、今すぐ『ディーふらぐ!』を読もう。


 
 
 
●○● 小江戸・川越 ●○●


主目的が川越であったのは冒頭で書いた通りで、『月がきれい』にハマったよつさんのリクエストである。
同作のあまり真面目な視聴者でなかったオイサンは6話か7話あたりでストップしてしまったのだが、
情景の美しさや、物言わぬ心のゆったりと揺れ動く表現などは、確かに近年では類を見ないものであった。

  そのクールは、オイサンはテンションがちょっと違って、
  『ID-0』とか『有頂天家族2』なんかにかまけてて完走出来なかったんである。

往路、あまりに早く着き過ぎそうだったので、珍しくスタバなどで軽く一服する。
聞けば、ドライバーのテラジさんは、川越には過去にそこそこご縁があったらしい。
観光として来るのは初めてで、今回はいわば、再発見の旅となるとのこと。
ナルホドわかる。
オイサンは上でも書いた通り、作品の方にもさほど明るいわけではないのでいつも通りのオノボリさんであるが、
案ずることはないぞ。オイサンにツッコめない観光地などないのだ(イヤな自信)。

川越さんは、自ら小江戸などと名乗るだけあって見どころはたっぷりとあった。
作中でもしっかりと描写されていたという県道39号線の目抜き通りを中心に、
シンボルタワーであるところの「時の鐘」、
古めかしい駄菓子を売る店が軒を連ねる菓子屋横丁、
縁結びパワーでインスタ女史を無限に飲み込み続ける氷川神社、などなど。
昔ながらの趣を残す木造の町家と土蔵が並ぶ様は、空気はひたりと静まり、しっとりとした落ち着きがあった。
自分の知る観光地から似たものを照らし合わせるなら、鎌倉と柴又をブレンドしたような印象である。
こぢんまりと広々の中間。
 
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……が、それもAM9時を回るまで。

我々は早起きさんであり、且つこの日は首都圏周りの血流も極めて快適であったため
8時半頃には川越に着いてしまっていた。
「いやー、人が少ないねー」
なんつって、台風接近と天候不順の予報もあいまってこの日はこのまま快適な状態が続くかと思いきや、
9時を回ってからは小江戸の決して広くない小路に、有象無象がモジャモジャと溢れかえる始末……
お前ら何しに来とんねん。

しかしまあ我々は、小江戸川越のメインストリートは人が溢れかえる前に巡り切ることが出来た。
「日射し」とタイトルされた彫刻になんだか爆笑してみたり、
立ち寄ったファミマで行き合った、なんかもう「民度が低い」としか言いようのない……否、
「品のない」で十分だ、品のない一家に憤慨しながら爆笑したりと、あんまりメインではない楽しみも満喫して、
町からは少し外れた氷川神社の方へを足を延ばした。
 
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……小僧!!
だからお前、プレミアムチキンは1個しかないって店員さん言ってんだろ!!
ケースを叩くな! 親もお前、なんか言えよ! あとなんだそのTシャツのセンスは! 「IT'S GOOD TIME」だあ?
そりゃお前らはいいだろうよ、店員さんは地獄だよ!!


●○● 川越・氷川神社~インスタ映え地獄 ●○●


個人的には、町なかの観光地観光地しつつも昔の佇まいを残す分かりやすい空気よりも、
中心から外れて氷川神社へと至る、住宅街を流れる新河岸川沿いの風景が好ましかった。
ザ・生活臭。
流れる水はお世辞にもキレイとは言い難かったが、かなり改善はされているご様子で、
土手には彼岸花が咲き乱れていた。
 
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氷川神社は、『月がきれい』の作中でも中学生がイチャイチャいちゃいちゃと……否、
しっとりと描かれた聖地でした……様です。確か。知らんけど(知らんのかい)。

現地視察のために前の週にも訪れていたよつさん(やる気)は、
アニメでも描かれていた風鈴祭りをご覧になったそうですが、
無数の風鈴が梁からぶら下がった様子は、それはもう壮観だったご様子。
……フム。
その風鈴を男性期のメタファーとして捉えれば、
 このときのハネテル君がどれほどエキサイトしていたか

如実に描かれた屈指のエロシーn失礼、
話題を変えましょうマドモワゼル。
 

町から神社方面へ移動する間にも、色々と聖地ポイントはあった。
新河岸川沿いに点在するそれらを辿りながら歩いたが、聖地であることを除いたとしても、
閑静で、大変好ましい雰囲気のある街並みだった。
中学生がこの道を歩きながら、恋に落ちたり、恋を失ったりする気持ちも理解できる。
オイサンは中学生ではないが(分かっとるわ)、
今でも実家に帰って大学を出るまで慣れ親しんだ景色の中で過ごしていると、
過去の心情や風景と隔絶された「大人時代の自分」しか知らない現在住まっている神奈川の風景の中にいるときとは
明らかに異なる熱を、心や体が帯びるのを感じる。
『月がきれい』のハネテルくんたちがこの先どこへ移り住んでも、
こころと体にはこの景色と繋がった渦の様なものが宿り続けるのだろうと思う。
 
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濯柴(たくし)公園で一休みし、田谷堰の恐ろしい看板に爆笑しいしい歩いていく。

道すがら、見かけたアパートをさかなに、
「この辺は家賃は高いのだろうか」「XXXX万円ぐらいじゃない?」「(スマホで検索)……お、ニアピンw」
などと下世話なオッサン会話を楽しんだりしたのだが、
あとで宿に戻って調べてみたら、まさにそのアパートがアニメ作中でもがっつりと描かれていたりして、
偶然を喜んだりもした。おかしな偶然もあるものだ。

  もしかすると、ファミマで見かけたクソッタレプレミアムチキン坊やのIT'S GOOD TIME親が、
  成長してこの町へ帰ってきたハネテルくん、なんていう偶然もあるかも知れない。
  あってたまるか。
 
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氷川神社は……大勢の参拝客でにぎわっていた……。
なんでこんなに人がいはるの……? ただの神社でしょ……?
と思ったら、なるほど、縁結び系か……。そう、縁結び系神社は、どこにいっても強いのである。
旅先でも、「え、こんなショボくれた町のしょぼくれ神社にこんなに人が!?
」とびっくりするくらい、とにかく縁結びでさえあればそれなりに参拝者の姿がある。
お前ら必死か。 ← お前も少しはやる気を出せ

  こうも縁結びジネスが順調であるなら、もしかすると縁結び属性のついていない閑古鳥神社の皆さんは、
  どうにかして祀ってある神様に縁結びアビリティを付加出来やしないかと
  必死であったりするかもしれない。
  課金して能力強化するとつけられるとか、空きスロットに縁結びマテリアを付けるとか。

そうか、ハネテルくんも必死だったのか……。
 
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氷川神社もまあ、大きいから余計になのか、
或いは群がるラブ亡者の課金を受けてここまで成長したのかしらんが結構な人出で、
結婚式を挙げている一団も見受けられた。
ていうか、隣にセレモニーホールが併設されてるんだな。イタレリツクセリじゃないか。
なんとも品位に欠ける話だ。すっかりナイスお商売、信仰心を食い物にされていることに気付き給え。
子宝神社のとなりにラブホテルや産科を建てるかって話ですよ。
背の高い草の生える茂みを整えるぐらいにしておきたまえ(下世話)。

そんな人ごみ万歳な神社の中を一巡りして、再び氷川橋のたもとに戻ってきてみると……
なんと! 信じがたい、伝説上の生き物が私たちの前に姿を現した。
川の土手と道路を隔てるガードレールを乗り越え、
土手に咲く花々の中にしゃがみこんで、渾身の作り笑顔でお友だちに写真を撮ってもらっている、
そう、あれは噂に聞くインスタ女子!! なんてこった、実在していたのか……。

その涙ぐましい努力を前に、我々もメイキング現場を撮影してあげて、

「彼女たちはこうまでして、自分の暮らしの充実度をアピールしなければやっていけないんです!
 こんな努力を重ねてでも結婚したいんです! 誰か、誰か早くもらってあげてください、
 踏みつけにされた土手の花が枯れ絶えてしまう前に!!」


って、アピールのお手伝いをしてあげれば良かった。
ごめんよ、力になってあげられなくて。早く良い人が見つかるといいね。
きっと、君と、君の作り笑顔インスタ映え写真に騙さr……否、
君の本当の姿に気付いてくれるクソみたいなオトk……否、ステキな旦那様の間に生まれる子供は、
ファミマの店員さんがプレミアムチキンは今一個しか準備できないと訴えているのに、
2個欲しいんだ、今すぐ2個よこせとケースを叩く様なゴミみたいn……否、
交渉力に長けた子供に育つのだろうね。
オイサンは、すごく遠くからあなたの幸せを願っています。
だから二度と、その化学物質を塗りたくったツラを俺たちの前に晒すんじゃないぞ。
 
 
●○● 本川越~川越 ●○●
 
 
インスタ映え女子をこき下ろしていたら腹が減ってきたので、
昼ゴハンの店を探しがてら、川越の繁華街を歩く……が、
どうも私たちの舌と心を満たしてくれそうな、オモシロめし屋が見当たらない。

食事をしようというのに「面白さ」を求めてしまうあたりがそもそもどうかしているのだが
そのように遺伝子レベルでプログラムされているのだから如何ともしようがないのである。
ウソです。
このときは別段面白さを求めていたワケでもないのだけれども、
ただ何となく、「ナンチャッテとはいえ旅行としてやってきておいて、食事がこの店っていうのはちょっとなあ」
みたいな、なんとも空気感でしか表せない様な微妙さのお店しか見当たらなかったのである。
さすがは日本有数のベッドタウン・埼玉。
日本の「ザ・平均点と赤点のちょうど真ん中にある町」である(偏見です)。
歩くうち、本川越から川越の駅まで来てしまったので、ちょっとだけ折り返して、
なんとなく目についたラーメン屋へ入ることにした。

  本当は、その隣にあったもうちょっと怪し目の、
  緑色のノボリを上げた喫茶店みたいなところに入ろうとしたのだけれども、
  営業してんのかしてないのか分からなかったので諦めた。

まあまあまあ、普通でした。美味しかったけどね。
色気を出して半チャーハンなんかにつけてみたのだけれども、
ラーメンがしょっぱめだったので、「ここは白飯だったね」と、お二人とうなずき合う結果に終わった。
なんだか普通さに拍車をかける結論でした。

 ▼オッサン、歩道橋から物を落とす~アベ政治を許さない川越の人々

よつさんが「川越駅にも聖地がある」というので、
せっかくここまで来たんだからコンプリートして帰ろうってんで覗きに行く。

先ずは、……ペデストリアンデッキっていうんでしょうか?
日本語ではなんていうんでしょうねアレ、建物同士をつなぐ、広場が一緒になった大きな歩道橋ですけれども、
あそこの上から駅舎と駅ビルを一緒に映しましょう、ってんで、
よつさんが写真を撮ってる間に、オイサンはアニメ本編とは全然関係のない、
この見るからに胡散臭い「オルジュ」という看板のお店が気になってしまって写真を撮りに歩いていただけれども。

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……いやあ、油断って恐ろしいですね。
ちょっと手を緩めた隙にカメラのカバーが風にさらわれ、下の車道に向けて落っこちてしまった。
マ重くも固くもない物なので、ヒトやモノに当たったところで怪我やキズに繋がるものではないのだけれども、
さすがに焦った。
なんせ真下にはクルマが走っているので、走行中の自転車や二輪車が踏んで滑って転んだり、
驚いてハンドルを誤ったりしないとも限らない。
そして、そこにいるのは埼玉県民です。
オンドルャアコルァボケガニイチャンナニシテクレテンネンチョットツラカセヤアヤマッテスムトオモテンカイ
ジムショマデコイヤエンコツメタロヤナイカアーン!?
などと、1の事故が10の事件になる修羅の街です( ← 北九州と間違っている ← 北九州に謝りたまえ)。

ブツはどうやら、停まっている自動車の屋根の上に落っこちたご様子。
確か、明るい青色の、アクアだかデミオだか、そんなサイズ感のお車だったと記憶しております。
あわくって歩道橋を駆けおり、アスファルトタイヤを切りつけながら暗闇走り抜けると、
異変に気付いたドライバーさんが拾ってくれておりました。
とても良い方で、ニコニコしながら返して下さいました。ああ良かった。
これが一般的な埼玉県民であれば、その場で全裸になって土下座&裸踊りは免れないところでした。
あードキドキした。
きっと県外の方だったのでしょう。 ← やめなさい

もう一つ、駅の中に聖地がありそれも見に行ったのだが、
駅の入り口で機関紙を配っていたアベ政治を許さない人たちのアベ政治を許さない情熱が凄まじく
大変胸を打った。
その情熱を、世の中をもっとマトモに見てモノを考える方向に回せていれば世界はもっと素敵になる(確信)。
Viva川越。
ハネテルくんもきっとこの機関誌を受け取ってその熱情に感化され、大きくなったらここで機関誌を配るのでしょう。
「僕と水野さんを引き裂いたアベ政治を許さない!!」

なんというか、実にイマドキの生活感にあふれた聖地だったなと思う。
川越近辺は
 
  ・川越駅
  ・本川越駅
  ・川越市駅

 
が密集していてややこしい。
本川越と無印の川越だったらどっちがよりプレーンな川越なんだろう?
なんだよプレーンな川越って。アイスで言うならバニラ。バニラ川越。
いいですね、高収入っぽくて(時事ネタ)。
大変気になるところではあるので、千反田える嬢を巻き込んで、折木奉太郎先生に真実を突き止めて頂きたいモノです。
実写劇場版が大ゴケして、きっと今ごろお暇でしょうし(コラ!)。

マグロと本マグロ、どっちがよりピュアでプレーンか、と言う問題ですね。
「だし」と「本だし」だと多分「だし」の方がよりプリミティブなだしなのでしょうけれども。
今調べてみたところ、本マグロとはクロマグロのことで超お高いらしいので、
本川越もいっそクロ川越って名前にして地価を上げてみたらどうですかね(思いつきで経済を揺るがすな)。
クロ現みたいでかっこいいじゃないですかね(いいかげんなことばかりいうな)。
ついでに言うと、千葉も
 
 ・千葉
 ・新千葉
 ・本千葉
 ・千葉中央
 
が隣接しててどないやねんって思ったことがある。
「ド千葉」とか「激千葉」とか「千葉ゼロ」とか増やして、パチモン感高めて行ってもらいたいものです。

……とまあ、そんな風にして今回のメインである、川越の巡礼は幕を閉じたのでした。
このあと車を停めた駐車場に帰り、乗り込んだ途端に雨が降り出したのです。
 
 
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第2回に続く。
2日目は、特になんにもなかったんだけどね。
 
 
 

 

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2017年11月18日 (土)

■しゅまりない旅情2017~3日目~ -更新第1177回-

さやかなる朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その3日目。

  前回2日目はこちら

1日目は羽田から旭川に飛び、行きつけの店が休みだったり、
深川のコインロッカーが無くなっていて困っているところを地元のお店のご厚意で救われたり。

2日目は朱鞠内の湖畔で、
遊覧船の船長やチケット売り場のおばさんと交流を深め、
急な雨に降られた町の方では謎の好青年(ビビる大木+春風亭昇太似、声がでかい)とエンカウントしたりした。

3日目は、再びレークハウスしゅまりないさんからスタート。
湖畔を離れ、もと来た深川へとバスで戻って、初日にはあまり見られなかった町並みなどを楽しむ予定。

……そう、予定。
予定だったのである。

 
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================================================
■3日目 8月20日(日)
------------------------------------------------

3日目。
この日は、名残惜しいが朱鞠内を発ち、バスで深川まで戻ってレンタル自転車で深川を堪能する予定。
どこへ向かうかは大体コースを決めてある。綺麗な教会があるらしいので、とりあえずそこを目的地に。



■05:00~10:00 起床~早朝の朱鞠内湖畔~朝ゴハン



・起床は朝5時。毎度のごとく元気に霧の湖畔へ出かける。

・昨日の朝は気付かなかっただけなのか、大きなクモの巣が多い。巣の主を見かけることはなかったが、編み目のやたら大きなクモの巣が、草の先のようなやたら不安定な場所に営まれている。オラタンみたい。クモ界隈でも、建売のデザイナーズ物件が売れ残るのが流行しているのだろうか(そんな流行があるか)。
 
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・キャンプサイトのテントの民たちはまだ目覚めてはおらぬようだ。彼らは一体どういうサイクルで活動しているのであろうか。

・ひと気のない方へと歩いていく。昨年もここに行き着いた気のする小さな入り江に来た。むう、昨日遊覧船のキャプテンが言っていた、「今年は水が少ない、島が大きくなって、切り株がたくさん見えている」という言葉の意味が大変よくわかる。水が昨年よりも引いていて、島の裾が多く姿を現している。これを端的に「島が大きくなった」と表すセンスは地元ならではなのだろう。

・しばし、水と風と霧と戯れる。癒される……というか、こういう場所に来ると、人間も自然の物なのだなとつくづく思う。水に土に木々に、そうしたものと同じ浸透圧の上で生きていて、何も思わないでいると境目がどんどん希薄になっていくのを肌で知る。人の街にいるとき、その辺の障壁をどれだけ濃く硬くしているかを思い知る。弛緩する、リラックスする……という言葉の意味を肌で知る。空気にほどけていくようなことをいうのだな。
 
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・広々と……どこからやってきたか分からないたくさんの振動や波紋が編み込まれてできた空の音は、耳にも肌にも心地が良い。何か面白いものが見られるかと思って朝早くから出てきたが、限りなくゼロに近い低刺激な楽しさに出会った。誰かとここに一緒に来たい、連れて来たいと思うけど、こういう肌触りを共有出来る人とでないとなかなか難しいと思う。退屈させては相手にも悪い。

・朝ゴハンは7時。10時ジャストのバスに乗らねばならぬので、9時半には宿を引き払わなければならない。時間のことは口にしたくないし、名残惜しいけれども。時間の流れが恨めしい。光の2倍の速さで昨日へダッシュしたい。ギャバン!

・少し離れたところにあるバス停が恨めしく、横目に見ながら宿に戻る。……が、このとき、遠目に見るのではなく、もう一度しっかり確かめておいたならば、未来は少し変わっていたかもしれない。いやマジで。

・朝ゴハン。極上の素朴さに身悶えしながらいただく。おいしいったらない。ケシカラン。
 
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・バスは10時。名寄方面に行く(東へ1時間。そこから列車で南へ1時間チョイで旭川)ならもう少し余裕もあるのだが、今回は深川方面へ帰るので、昨年よりもちょっと早い。最後に湖の空気にたっぷりと触れておきたいので早めに宿を出る。

・チェックアウト際、ご主人に「また来てもいいですか」とつい口をついてしまう。「またどうぞいらしてください」と言ってはくれたが、やはりどこかぎこちない。まあ駄目だと言われても来るけど。ほなエエやないか。



■10:?? 朱鞠内~バス~????



・バス停に一番近いあずま屋に陣取って、辺りを少しブラブラする……こんなことをしてねばっても、この空気を連れて帰ることは出来ないのだと思うとうらめしい。なぜ自分はここにいながら町や郷里にいることが出来ないのか。まあ、ここに居ることを選んだっていいんだけどさ……。

・歩いたり空気を吸ったり、見たり、聞いたり、少しでも多くのこの場所の感触を体に取り込もうと抵抗する。いやあもう、本当にねえ。自分の一部はもう間違いなくここにあるのに、ここを去らねばならないことがどうにも……納得がいかない。
 
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・しかしいくら粘ったところで、如何に正義がこちらにあっても、世の理不尽は譲ってくれない。時間が来たのでバス停に戻り、しばし待つ。

・……来ないな、バス。

・田舎のバスが時間通りに来ないことなど百も承知なのである。なにせ昨年ここへ来たときは、運転手が「次の停留所」表示を切り替えるのをさいさい忘れていたせいで、オイサンは降りるはずの三股の停留所をそれと知らず下りそびれるところだったくらいだ。そのくらい、田舎の路線バスなんてのはルーズなのである。だって客いねえもん。

・ちなみに、昨年のその時は、自分でしっかり下調べがしてあって「下りるのはだいたいこういう場所」というのがアタマに入っていたから「ちょちょちょ、運転手さん? 今のって三股じゃありません? 私そこで降りンスけど」って突っ込めたから事なきを得たのである。オモシロ話として披露しているが、ワリと結構な話である。下調べがあとすこし甘ければ、結構面白……否、ギリギリなメに遭っていたハズである。

・とまあ、そんな呑気な田舎のバスであるが、一応チラリとバス停の時刻表を確認してみる。……オウフ。朝10時、深川行き。運行は……平日のみッ!! 今日は……そう! 日曜だ! サンデイ! 神が! 神が休めと言っている! 全世界公認! 神が定めた休日、それがサンデイ! 深川行のバスが走らないとしても! それは世の摂理の一部! それに不満を述べるということは……神に対して弓引くも同じこと! 貴様にその覚悟があるというのかッ、オイサン!! ぬおおおおおおおおーーーーーーーーッ!!!

・……時刻表くらいもっとよく確認しなさい。キホンでしょう。思い切り書いてあるじゃないですか、赤で。深川行は平日のみ運行。「スズメバチに注意」と同じくらい書いてありますよ。
 
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・あれー? なんで見落としたんだろうな、おかしいなー。イヤ、我ながらビックリ。なかなかこういうこと、ないんですよ。エエ。イヤ、でもこの人、このあと向かうことになる名寄でも似たような失敗するんですけどね。エエ。乞うご期待。

・盛り上がってる場合ではない。一昨日、私は深川である人と約束をしているのだ。「2日後、またここに来る」と。その時に自転車を借りるから、自転車を借りてる時間だけでも荷物を預かってほしいと。言いましたよその人は、「エエ良いですよ」と。

・俺はッ!! そんな優しい人の気持ちを!! こんなくだらないミスのせいで裏切ってしまうのかっ、オイサン!! ぬおおおおおおおおーーーーーーーーッ!!!

・だから盛り上がってる場合ではない。ご連絡とお詫びの電話をしなければならない。きっとあの人は待っているに違いない、ああまた2日後にあのイケメンに会えるのだわと。首を長くし股間を湿らせて(下品)待っているに違いない。電話をしましょう、そして念のためJRバス深川営業所にも電話をして、ホンマに深川行のバスは今日は走ってへんのかと、夏休み期間中くらい走らしてみたらいかがですかと余計な提案の一つもしてみようじゃないか。要らんコトことは言わんでエエ。

・運行確認と、お詫びの電話終了。やはり今日は深川行は運行していないし、秘密交渉の相手も大して気には留めていなかった。

・面白おかしく書いているが、実はこれもかなりギリギリな首の皮案件である。乗るハズだった深川行のバスが、幸いなことに名寄行きのバスよりも時間的に前だったので助かったのである。もしこれが逆で、名寄行きのバスが去った後で深川には行けないことが判明していたら、オイサンここで立ち往生である。レークハウスしゅまりないさんにもう一泊である。さっきご主人に言った通り、「また来ました」である。笑えぬ。

・……まあ、午後のバスに乗れば今日中に旭川に着くことは出来るのでもう一泊はさすがに嘘だが。(午後に幌加内行き・名寄行きの便があることはある)、昼までここに残ることになるところだった。

・午後までここに留まるプランも考えた。それだって全然かまわない。問題は、昼ゴハンが確保できないことだ。お宿に戻ってお願いすれば、昨日と同じような対応を取ってもらえるかもだが、それはそれで心もとない。10時20分の名寄行きのバスが来るまでに宿に戻ってその確約を取るのには、時間的に少し無理があった。

・決断を迫られていた。別れは済ませた。去ろう、ここを。予定になかった次のバスで名寄へ向かうのだ。グッバイ朱鞠内、また逢う日まで。私はここが大好きだよ。



■10:17~14:35 朱鞠内~バス~名寄にて~
   突然の道路原標~北緯45度~アラフォーは2度やらかす




・10時21分のバスは時間通りに来たので乗った。ここからは予定になかった道行きだが、昨年通ったルートだから全く知らないワケではない。

・車中は、記憶にある限りオイサンとおばあさんの二人きり。……運転手さんは勿論います。おばあさんと運転手さんはすっかりお知り合いのようで、会話に固有名詞や地名がバンバン出てきて割って入る隙も無く殆どラブワゴン状態。おっぱじまったら自分はどうしようか、後ろの方の席で見てみぬふりをしようかと考えてしまうレベル……うそ。運転手さんは終盤、お婆さんをちょっとじゃまくさそうにあしらっていた。おばあさんしゃべりかけ過ぎ。運転中、車掌には話しかけないでください。

・バス、名寄到着。11時半くらい。コレと言ったアクシデントや乗り降りも見どころもない。
 
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・駅の中にコインロッカーがあったと思ったがなかった。通りがかった掃除のおばちゃんにお尋ねしたところ、駅のすぐ近くに併設されている観光案内所の「よろーな」さんの中にあるとのこと。そうだっけか。前どうしたか忘れてるな。

・駅の待合にある扇風機は相変わらずだった。もう古い型だろうに、昨年同様元気に動いている。

・今年は駐輪自転車が整頓されている交番の前を過ぎ、「よろーな」さんへ。名寄にも寄ろうな!という意味を込めて「よろーな」。何をしに寄れるでもない町、名寄。もうちょっとなんかあれ。

・ロッカー発見……しかし結構な数が埋まっている。オイオイ、こんなクソ田舎で一体誰が何を入れているっていうんだい?(失敬) 

・……と思うそばから、ロッカー前に陣取ってた見た目浮浪者か徘徊老人と思しき独り言老人が、大量のゴミともつかない荷物をゴソゴソとまとめている。オイサンが入れようと思っていた中型ロッカーの、唯一の空きの前でゴソゴソやってるから早くどいてくれまいかと見ていたら、そのゴミ荷物を、小型と中型それぞれのロッカーに一つずつ分けて押し込んで行ってしまった。マジでか。

・仕方がないからちょっと無理をして荷物を小型のロッカーに押し込める。うむ、入った。こんなとき、キャリーバッグとかにしてなくて本当に良かったと思う。コインロッカートラベラーはボストンバッグがスポーツバッグを担いで歩くものだ。融通が利いていいぞ。旅のコツだ。ゴロゴロキャスタはその辺融通が利かんのだ。

・さて、予定外の名寄に来てしまった。何をしようかと思案に暮れていたら、目の前に「痛車フェスティバル」のポスターがあらわれた! オイサンはなかまになりたそうにポスターを見ている! ……しかしコレ、日付は今日だが場所が東神楽(旭川のチョイ東の方)だな。どんな出来栄えのイベントだか気になるが、ちょっと間に合いそうもない。
 
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・検討の結果、普通に町をブラっとしてゴハンだけ食べることにした。前行かなかった、町の北側のエリアをせめてみることにしよう。

・レンタサイクルを借りて少し遠めの自然公園まで行ってみることも考えたが、レンタル時間が丸一日でおいくらというコースしかなかったので、今から2時間ほどしかいない自分にはちょっと長すぎた。マいいんだけどさそれでも。

・コレといった目的もなく、碁盤目状をしたまちを歩き出す。どっかでお土産でも買えればと思うのだが、前回もそれで結局見つけらんなかった気がする。寂し気な町並み。日曜の早い時間だからなのか。とりあえず歩く。

・コミュニティラジオが、結構なボリュームで流れている。……のかと思ったら、どこかの店から漏れ聞こえているだけのようだ。♪東京へは もう何度も行きましたね~♪ 有名な歌らしい。

・途中、水分補給にセブンに寄ってコーヒーを買う。そのついでに、店のおばちゃんにみやげ物を買える場所を聞いてみたが……駅前のよろーなか、西條(スーパー)くらいだという話。うーん、西條も前回行ったけど、あるというほどでもなかったんだよな。
 
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・名寄、相変わらずな町並み。マそりゃそうか。広々としている中に人影が多くなく、老人が多いので、どことなく華やかさには欠ける。忍び寄るものを感じる。前来たときは曇りもよう雨もようの中だったので物寂しく感じたのかなと思ったが、晴れていてもやはりその、根底に漂うボンヤリした感じに変わりはなかった。とはいえ、これがこの町の「いつも」なのだろう。都会に慣れたオイサンが、ここの毎日に慣れないだけだ。ものさびしいなどと言っては失礼なのかもしれない。

・昼ゴハンを食べる場所をさがしながら彷徨っていたら、これ以上行ってもひと気がなくなるばかりだな、という辺りまでやってきた。商業エリアではない、住宅とか、病院とか学校とか、そういうものとの境目の領域だ。引き返すか……と思った初老の男の目に飛び込んできたのがコレである。
 
 
 
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・道路原標……。な、なぜこんなところに……。イヤ何故もクソも、あるからあるんだろうけども。何もこんな時に、何の前触れもなく現れなくてもいいじゃないか。

・道路原標さんは、この一週間前に実家に帰ったときも、奈良で回収したやつのお仲間である。あの時は、あることを知っていてこちらからわざわざ見に出向いたのだが……なんかこう、アクシデントと偶然の先でこうもばったり出くわすと、何かの縁が生じたとしか思えないな。あんまりおかしくて、その場でゲラゲラと笑いこけてしまった。傍から見たらすっかりヤベエやーつでゴザル。

・まあ出会ってしまったものは何かの縁なのでとりあえず写真に収める。いち姫も一緒にはいチーズ、である。もうなんでもいいよ、面白いから。

・ハタから見たら、なんで笑ってるか分からなかったであろう。見知らぬ巨漢の笑う町、名寄。みなさんもぜひお立ち寄りください。(怖いわ行くかボケ)
 
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・いやあ、笑った笑った。

・どことなく、沈みはせぬが散って虚ろになりかかっていた気分がからだに戻ってきた気分がする。良い良い。人間、本当に「なんでもない」状態、どの感情にもあてはまらない具合になってくると、沈んでいるのに近い感触が心にうまれる。嬉しいでも楽しいでも、悲しいでも腹立たしいでもない、かといって辛いわけでも腹が減っているわけでもない。何の感情にも振れない心があるときその人は虚ろで、虚ろになると悲しくなってくる。だだっ広く、ひと気のない北の町を歩いていると、その空気のスケールに慣れない自分は、よくこの状態に陥る。釧路や帯広に、あまり良い印象がないのはこのためだ。……良い印象がないワリにしょっちゅう行ってるな、とか言わない。それがひと笑いしたおかげで気分が戻ってきた。
 
・よし、引き返そう。なんか食って、駅に戻る途中で店が見つかれば買い物をすればよし。
 
・そして次に目に入るのがこの店である。北緯45度。ピンク色した、プレハブか、コンテナハウスのような……レストランか、喫茶店か、これは? カレー&スパゲティ……。キャラクターもかわいいし、まあ入ってみるか。 ← チャレンジャー

・こういう時、何を求めているんだオレは。
 
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・店内は、お世辞にもキレイとは言えない年代物。並んでいるマンガも結構な年代物だが、なぜか奥の方では、やけに立派な調度品の中にマンガが並べられている。スラムダンクだったか、ワンピースだったか。なんでだ。ファンなのか? 特別扱いか?

・お店にはお婆さんが一人。客はいない。しかし真ん中のテーブルのいすの上にナップザックが置いてあるところを見ると、あそこにはお客がいて、トイレにでも行っているのだろうか? ちょっとトイレ行きたいのだが、出てくるまで待ってみるか。

・お店のおばあさんは、ヨボヨボと矍鑠の間。オススメのランチメニューはひと手間変わったようなものだったので、きっと思考はとてもしっかりしているのだと思う。他にも楽しそうなメニューは一杯あったが、せっかくなので、そのオリジナルなランチメニューとコーヒー、ケーキを注文する。

・テレビで高校野球がかかっている……様なのだが、カウンターの奥にあるみたいで、背中を向けたオイサンからは見えない。見ないからいいんだけど、北海道の人たちは高校野球が好きだな。余所よりも、好き率・好き度合いが高い気がする。

・そこそこ待って運ばれてきた、ホタテのクリームパスタにはエビカツが乗っている。彩りがとてもファンシーで、パッと見、ばーちゃん考案のオリジナルメニューとはとても思えない。表参道のおしゃれcafeでイケメンが出せば、バカ女がキャーキャーいいながら食いつきそうだ。まあバカ女は表参道のおしゃれcafeでイケメンが出す物なら、馬の糞にでも食いつくだろうが(表参道のおしゃれcafeで働くイケメンとそこのバカ女客に恨みでもあるのか)。
 
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・お味もとってもオイッスィ。イタリア語。嘘。

・しばらくすると、お客が一人やってきた。壮年の男性である。顔なじみらしく、カウンターに座って「暑いから飲んでいこうかなと思って」のひと言でアイスコーヒーが出てくる。ははーん、さてはお前、ばーちゃんに気があるな?

・しかし男性の話は娘から電話がどうこう、今お祭りにいるからいついつにどうこう、みたいな話になっていた。貴様ッ! 妻子のある身でばーちゃんに近付こうというのかッ!  ← おちつけ

・話を聞いていると、どうやら町から離れたサンピラーパークの方でお祭りが開かれているらしい。お餅がどうのと言っていた。産業まつりか何かだろう。「(祭りの会場を)場所をあっちにして正解だった」とか、「よく続いてる、もう三十何年目だ」とか、地域色の豊かな会話が高校野球の感想のスキマから聞こえてくる。楽しそうだ。町に人がいないのは、今日はそっちのお祭りに持っていかれているからなのかもしれないな。もの寂しいだなんて言ってワルカッタ。
 
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メニューに描かれた可愛いオリジナルキャラクター

・しかしサンピラーパークといえば、レンタサイクルを借りて行ってみようかと思った場所の一つである(ていうか他になんもないんだよ ← あっ)。お祭りなんかやってるなら行かなくて良かった、という思いと、ばーちゃんと男性の話を聞いて、行ってみれば良かった、という思いがない交ぜになる。

・コーヒーとケーキもそこそこ美味しい。ケーキはさすがに業者のものっぽかったけど。

・時刻は13時を回った。突発の名寄だったが、なんだか名残惜しさが出てきてしまった。しっとりとした良い雰囲気の店、北緯45度。良いお店でした。また来よう。

・なにか土産になるものはないかと、昨年も覗いたブラジルさんでお菓子を見繕うも、如何せんここのお菓子はおしゃれ過ぎるしちょっと高い。モノが違う。

・ぷらぷらとアーケードを流していて気になるのだが、普通の歩道に突然、子どもがまたがるような遊具があったり、『金色のガッシュ!』で出てきたやつによく似た水飲み場ば現れたり、名寄さんはオブジェクトの配置が若干バグっているように思う。
このような……↓
 
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……ポリゴン欠け事案も見かける。町全体がどこか不安定であるのは否めないようだ。

・さてもうじき14時、電車の時間だ。ロッカーから荷物を取り出し……って、名寄さんのロッカーは大きいのも小さいのも全部100円である上に、しまいにお金が返ってくるという超自治体ジャパネット仕様。いいのかオイ。深川先生、見習ってください!

・荷物を背負ってエッチラオッチラ、駅の待合まで来たら……おかしい。乗るハズの、14時の列車が改札予定に掲示されていない……。どうしたどうした、と思って時刻表を見てみたら……14時発の列車なんかありやしない。アルェー??

・自分の予定を見直してみたら……13時発でしたッ!! 次の列車は14時35分ッ!! ジョジョッ! 俺は予定を変えるぞォーーーッ!!

・まさかの! 一日で二度目の交通機関確認ミス。うわー。結果的に、どちらも致命傷にはならなかったから良かったようなものの、場所や時間帯によっては取り返しのつかない事態に発展しかねない。冬の道東だったら死んでた。いやマジで。恐ろしい。旅慣れてしまった油断が生んだ不始末であろう……ふし松くん。言うてる場合か。

・今が14時、幸いなことに次の列車は30分後にはやってくる。本当に幸運だ。2時間、3時間後だと言われたってって不思議はない場所なのだ。

・おかげで、ほんの30分待つだけで次の目的地・旭川に向かうことが出来る。危ないところだった。いやコレばかりはホントに「危ないところだった」のである。朝のバスといい、今回といい、北海道の僻地(失礼)で二つ立て続けにやってこれだけのダメージで済むというのは奇跡に近いのではないか。

・名寄駅内の待合で30分ほど待つ。時間が出来たから多少ぶらついてみようかとも思ったが、たかだか30分ではどこへも行かれない。ここでは、東京のまちとは時間のスケールが違うのだ。冬ともなればただ歩くだけでも時間が倍は違うし、立ち止まって何かをする、例えばケータイをいじること一つとっても、立ち止まる、手袋を外す、雪に気を付けながら道を避けて(冬場は道も歩ける幅が限られているので真ん中に突っ立っているわけにはいかない)、初めてケータイの操作が出来る。同じ一つのことでもかかる時間がべらぼうに違う。

・東京であれば、30分もあるならお茶でも飲むかってんで、駅から出れば、目の前にドトールとエクセルシオールとスタバとニューヨーカーズカフェとセブンとファミマとローソンとルノアールとベローチェとマクドとミスドと日高屋とココイチと吉野家があってどこでも好きなところに入ってお茶を飲めばいいのだが、まあ多分どれも全部MacBook開いてる連中で満席で結局座れずに出てくることになると思うけど(アカンがな)、名寄では駅から出ても目に入るのは交番とよろーなさんぐらいである。どっちもいつ行ってもガラガラで座って休む分には何の問題もないだろうけれども。

・すみませんウソを書きました。実は、名寄の駅を出てすぐ右手には、ホンマかどうか知りませんが創業100年という軽食食堂さんがあるので、そこでコーヒーだけ飲む、というテは、実は無いでは無いです。本当は今回も、お昼はそこで済ませてしまおうか、百年ってのも興味あるしと思っていたのだが、せっかく面白そうな北緯45度さんに行き当たってしまったのでそちらを選択した。次回はこの駅前の店に入る機会も作ろうと思う。
 
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左に見えているのが創業100年のめし屋さん 
 

・埒もないことを思いながら30分あまり。待合にはそこそこ人がいる。オイサンのように時間を誤ったわけでもなかろうに、オイサンよりも前からそこにいる人がほとんどである。旅行者もいるが、多くは地元民のようである。そう、ここでは、列車は「30分前から待つもの」なのであろう。そして実際、列車の多くは発車時刻の十分以上前からホームに停車待機していて、改札もそのくらいから始まる。

・……有人田舎駅で列車を待った経験のない人には分からないかも知れない。自動改札などない有人田舎駅では、列車がホームに入る直前までは「改札が行われておらず、ホームに立ち入ることが出来ない」のである。改札の鴨居の様な部分には、「次の列車は××時○●分 ドコソコ行き」と札が下げられていて、「改札は××時○●分ごろからです」などと、改札の開始時刻も掲示されるシステムなのである。驚いたか! そうでもないか! オイサンは最初驚いたぞ! 忘れもしない13年前、2004年の1月10日、初めての北海道で、稚内の駅で宗谷本線を降りたときのことだ。驚いたというか、呆然と、愕然としたが、今思えば、あれを「感動」と言うのだろう。その稚内の駅も、今はもうきれいに改装されてしまった。ただ、まだ自動改札ではなかったと思う。確か。
 
 
 
■14:35~この日の終わり
    名寄~旭川~本日のお宿~スープカレー「ふわわ」

 
 
 
・話を現在に戻す。そんなこんなで、北海道の駅の待合は、どこもたいがい広い。ちょっとした中会議室くらいある。そこにいれば「こんなもんか」くらいに思うが、普段自分が暮らしているスペースに持ってくることを思うと改めてスケールの違いを思い知る。

・ぼんやりと待つ。列車がやってきた。あとは何をするでもない、1時間半ほどで旭川。

・この何でもないはずの列車の中が試練だった。明らかに暑い。後半30分は消耗戦以外の何物でもなかった。なぜこんなに暑いのか! 答えは冷房がロクにかからないから。あと多分、冬向けに車両の気密・保温パワーがパヌェから。こんなに暑い中を走ることを想定していないのであろう。

・ちなみに言うと、北海道の列車は(マ列車に限らず屋内は全てだが)冬場も「暑い」。ムワンムワンのチンチンに暑い。冬は冬で、暖房パワーがパヌェのである。びっくりするぞ。予備知識こそあったものの、「快適に温かい」ことを想定していたものだから、旭川から稚内まで、特急サロベツでの4時間弱を乗り終わるころには脱水症状寸前のクラクラ状態だったのである。乗っている最中は自分がのぼせていることに気付くのに時間がかかる……というかそんな風には夢にも思わない物だから、何だかシンドイなボーっとするな……と思いながら時間が過ぎてしまうのだった。
 
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・そんな、過去の北海道辛かったメモリアルを反芻しつつ旭川到着。

・あまりに消耗が激しかったので、水分を補給しつつ一先ずまっすぐ本日のお宿に向かう。元気が出ない……おかしな形の電柱を写真に撮るための体力しか残っていない(元気やないか)。
 
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・宿への道すがら、今夜の食事の店を探す。かつて、旭川にはカオスヘブンという怪しげな名前のスープカレー屋があって、たまたま立ち寄ったそのお店をオイサンは大層気に入ってしまった。いまその店は旭川からは撤退してしまってもうない。札幌に移ったらしいのだが、その先元気に営業しているかはもう知らない。そこでスープ料理としてのカレーの美味しさに目覚めてしまい、関東に戻って見つけた店が今も大好きなパンチマハルさんであったりするのだが、マそれはいい。

・カオスヘブン亡きいまではあるが、もう一軒、美味しいスープカレー屋には心当たりがあった。今夜はそこへ向かおう……と思って記憶の場所を横目に見ながら歩くのだが、どうもメモリーに誤りがあるらしく、思った辺りにその店は見つからなかった。宿に着いたらネットで探してみよう。

・そうそう、旭川、買物公園(という名のメイン歩行者天国ストリート)の顔であった西部百貨店が閉店して、取り壊されていた。まだ工事中で囲いがあるので見通しはそんなに良くないが。代わりに何が建つのだろう。

・本日のお宿、旭川グランドホテルさんはJTBのパックになるお宿の中ではそれほど値が張るわけでもないのに大変グレードがお高い。荷物をお部屋まで運んでくださるが、オイサンの荷物はおもちゃばっかり入って重たいので、自分より小さい女性に運ばせるのは大変気が引ける。まあ自分より大きい女性はほとんど見たことがないが。

・お部屋は大変見事なオーシャンビュー。目の前が壁でもオーシャンビュー。オレの目には、いつでも大海がうつっているからさ……うそ……かっこいい……。

・宗谷本線でホッカホカになってしまった体を冷ましてひと息ついたら今宵のメシ屋を探しにかかる。しかし目当てのカレー屋と思しき地点には非情の文字が。「閉業」。まじでか……。……まあ、終わってしまったものの影をいつまでも追っていたのでは何も始まらない。近場に別な店を見つけ、本当に閉まってしまっているのか確認がてら、その店に向かう。

・未練がましいオッサンは、閉店してしまったはずのふわわさんの前をわざわざ通ってみる。如何にGoogleさんが情報の巨人とはいえ、何かの間違いであるかもしれない。そうすると普通に営業していた。誰だ閉業なんて情報を登録したのは。オイサンが修正してやる(ホンマにGoogleMapの登録情報を修正した)。

・とはいえ、ホンマにやってるかどうかは入ってみないとわからない。こわごわ暖簾をくぐる(暖簾なんかないけど)。とっちらかったカウンターで、お店のマダムが伝票の整理的なコトをやっておられたので一瞬ギクリとしたが、お店自体は営業しているらしい。良かった。

・食べ終えた後でマダムと少しお話をした。何年か前に2度来たことがあること、GoogleMapで閉業になっていること。そしたら、あんまりそういうの気にしない感じの人かなと思ったが、「まあ! なにこれ! ヒドい! 営業妨害じゃないの、ねえ!」と、そこそこの勢いで憤慨されててびっくりした。しまいには「グーグルに電話する!」って言い出して、それはどうだろうと申し上げたところ「だってグーグルマップ?って、本出してるじゃない!?」って言うから、え、そうなのかな知らないなって思ったら「……ちがうわ、あれは『るるぶ』だわwww」って一人ウケし出したからほっといたw グーグルとるるぶ……似ていると言えば、語感は似ている。

・ちなみに、あとでGoogleMapから、ふわわさんの登録されてるお店情報をいじってみたらいじれたのでいまは直っていると思われる。GJ俺。こういうのは余計なおせっかいの部類に入るのだろうかな。

・余計なおせっかいで思い出すのは、13年前、最初の北海道で、『北へ。Diamond dust』ゆかりのお店に行ったらお店の人が「そのゲームの会社(今は亡きハドソンさん)、取材には来たのに、それっきりで何の連絡もない」と怒るでもなく言っていたので、なんとなく悲しくなってその旨をハドソンに手紙を書いた、なんてことがあった。当時はメールという発想がなかったのだと思う……いや、メールだったか? いずれにせよ、なんとも若々しい話だ。そうしたら後日、お店にハドソンさんがやってきて、『北へ。DiamondDust』のソフトとポスターを置いて行ったらしい。そのお店には、今も足しげく通っている。どこあろう、cafe花みずきさんであるが。

・このお店「ふわわ」さん、マダムひとりで切り盛りしているので時間はかかるがお味は確か。ちょっと斜め上にこじゃれてるのが玉にキズだが。よく見ると、壁に飾られた有名人のサインに交じって大泉さんのものがあり、大泉さんプロデュースのスープカレーのパッケージも飾ってある。なんらかのゆかりがあるのだろうか。特に聞きはしなかった。

・どうでも良い話だが、以前数回この店を訪れた時には、何だか毎回テレビで訪日外国人を捕まえて目的を聞く番組がかかっている気がする。そういうのって変に記憶に残る。以前、美瑛を一回りしてくたびれきった後に立ち寄った定食屋で、石ちゃんのまいう~を聞きつつ、グッタリして豚しょうが定食を食べたのが脳裏に焼き付いている。

・野菜たっぷりスープカレーうめえ。
 
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・しばらくすると客が入ってきた。男一人。立居はしゃっきりとしているが、老人と言っていいくらいの年齢であるような。マダムとは顔見知りのようで、「好きなとこ座って」「散らかってるね」みたいな二言三言を交わしていた。確かに散らかっていた。

・やがてマダムと男の間で何やら業務的なやり取りが始まった。推し量るに、マダムはどうやら歌をお歌いになるようで、近くジャズライブか何かに参加するらしい。単独なのかはわからない。男の方はそのライブの仕切屋らしく、ハコや演奏者の手配をしているようなのだが、そのピアノをがどうするかでモメ始めた。モノとしてはピアノは入れられないが、ピアノタッチの電子オルガンを用意すると聞いている、それなら演奏家も大丈夫なはずだ、イヤイヤそうは言っていない、シンセサイザーである、みたいなことから始まり、埒が明かないのでシンセサイザーでも演奏家は大丈夫なのかどうかを確認するために電話をしたら、演奏家はシンセではだめだ弾けないと言い始めたらしい……。

・ハタで聞いてても言った言わないの見本市みたいなやり取りで、聞いていてむずがゆかった。メンツは全員、ほどよく涸れた男女なので語気の荒がるようなことはなかったのだけれど、まあまあ、傍で聞いているのはなかなかシンドい。そもそもピアノタッチの電子オルガンってなんなんだ。オイサンは電子オルガンとシンセサイザーの違いなんかわかんないけど。

・ごちゃごちゃやってるのを聞きつつカレーを食べ、去り際にはGoogleMapで閉業になってる旨の話をして、退散。だからどうだって話でもないんだけど、なんかこう……大変「ある」雰囲気で、好ましい時間であった。様々なすれ違いが交錯する時間。

・このあとは特に何もしていない。宵の口の町を少しふらついて、19時半にはおとなしく宿に帰った。健全なオッサンである。

・しかしこの日は……何もなかったのに盛りだくさんな日だった(どんなんや)。

・乗るつもりのバスが運休 → 予定外の名寄で予定外の道路原標
              → 北緯45度
               → 旭川行きの電車の時間を1時間間違える
                → 閉店したはずのカレー屋でなぞのいざこざ

・マどれも大したことのない小競り合いでしかないけれども、なんかこう、インスタ映えするザ・ステキな風景の旅! の間に挟まった、ツイッター映えするかなしみの日常! みたいな、アニメの7話目くらいで急に挿入された、うす気味わるい脚本の回みたいなんで、大変好ましい一日でした。

・ただ、これだけは言っとく。ホタテをなめるなよ!(急になんなのだ※)



 

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2017年10月22日 (日)

■しゅまりない旅情2017~2日目(2)~ -更新第1168回-

 
静かなる朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その2日目の午後。
 
 
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1日目は羽田から旭川に飛び、そこで立ち寄るハズだったcafe花みずきさんが夏休み中で肩を落とし、
次いで向かった深川駅でもあるはずだったコインロッカーが撤去されていて往生するも
地元のお店に受けたご厚意に胸を熱くし、
そこから朱鞠内までの長いバスの車窓に流れる風景を楽しんだりした。

そうしてたどり着いたお宿、昨年もお世話になった「レークハウスしゅまりない」さんから2日目はスタート。
午前中は散歩と遊覧船で万華鏡の様な湖を堪能し、
地元テーマ曲である『しゅまりない旅情』のテープを秘密裏に入手して、
お昼のおそばを食べ終えたところからの続き。



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■2日目 8月19日(土) 午後の部
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■13:00~18:00 お昼ゴハン~朱鞠内の町、雨~晩ゴハン



 ▼朱鞠内の集落で雨に遭い、ビビる昇太くんと出会う

ゴハンを終えたら、さてどうしよう?

昨年はここでゴハンが食べられずに、食料を求めて人里まで下りたのである。わしゃ熊か。
今回はこうして食べ物にもありつけたので人里を襲撃する理由はないのだったが……否、ある。あるぞ。

単4電池を買うのだ。深川で買うつもりにしていたのをすっかり忘れていたのだ。
この期に及んで電池なんか何に使うのかと言えば、ヘッドランプである。今宵はきっと晴れるに違いない(祈り)ので、星を見に外へ出るのに、灯りは必須なのである。

電池、あるっちゃあるんだけど、マウスから抜かないとならず、それに切れられると困ってしまう。なので、一応予備が欲しい。

……というワケでなんやかやと理由をつけ、人里を襲撃することにしたクマ。朱鞠内の町の人々にげてー!!
がおーくまだぞー。 ← ノリノリ

身支度をして宿を出、空を見上げて、ふと嫌な予感に見舞われる。
頭上にわいた色の濃い雲と、先ほどまでは肌に触れる空気がカラリとしていたのに、今はヒヤリと冷たいこの余分な潤いの感触。雨が降るのではないか?
 
 
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パッとスマホの予報を確認するが、雲のマークこそついているものの傘の印はない。
雨雲レーダーにも、付近上空に目立った雨雲反応はないことを告げている。

ここで変にワイルドぶって、「雨になる気がする……」などと傘なんか持って歩いた日には、
オイサンのようなシチーボーイにそんな優秀ワイルドなセンサーがついているわけもなく、
自分のことを野生の申し子とか自称している定岡イタイイタイ正二みたいで恥をかくのが関の山である。
ITのチカラ・天気予報を信じてこのまま行くことにする。





うわーっ雨だーっ。(即オチ





宿から朱鞠内の町までは3キロ半ほど。40分ばかり歩いたその町に差し掛かったあたりでポツリポツリと降ってきた。
しかしここまで来ていれば雨宿りをする場所も町にはいくらかはある。雨宿りまちちゃん(無関係な情報)。

ちなみに、宿からここまで40分の道のりにはいくつかのビューポイントがある。
おソバ畑。 
 
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バスの待合ボックス。
 
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……なのだが、このボックスにオイサンは、昨年恐ろしいトラウマを植え付けられており出来れば近付きたくない。
昨年の、今日と同じ2日目、朝のジョギングに出てここまで来たのであるが、
このボックスの中から何やらドンドンとぶつかる音がする。
ハテなんであろうかとガラス越しに覗いて見たところ、一羽の鳥が閉じ込められて窓に向けて無謀なアタックを繰り返していた。
おお可愛そうにと思ってドアを少し開けてやったところ、鳥は利口にもすぐさまそこから出て行った。
……ので、あるが。
……なんでそこまで気付かなかったかな、扉に赤字で大きく貼り紙がしてあったのである。
 
「スズメバチに注意!」。
 
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昨年の写真。気付けよ去年の俺。 
 

いやホンマなんでそこまで気が付かなかったかと自分でも思うくらい、大きな紙に大きな字で貼り紙がしてあった。
そして足元には、駆除されたあとなのでしょう、
おびただしい数の蜂の死骸が敷き詰められていると言えるレベルで横たわっておって、
全身が総毛立ったのを憶えている。

はじかれた様に扉を閉めると、脱兎の如く逃げた。
もしかすると駆除した人間に恨みを持つ生き残りがいないとも限らない。
ジョギングとは言えないペースでその場を走って……
マそんなモン多少速く走ったところで、ホンマに蜂が襲ってきたら何の守りにもなりますまいが……
離れたのでした。

そんなことがあったものだから、この待合ボックスにはなるたけ近寄りたくない。特段覗いて面白いモノがあるわけでもない。
しかしあの時助けてやった小鳥ちゃんはいまだに恩返しに来ないが、どこでどうしているのだろう。
スクールアイドルでもやっているのか、プロのアイドル事務所で事務でもやっているのか? だからどの小鳥だよ。

あと、どこで誰が買ってきてここで捨てたのか……セブンイレブンのコーヒーのカップが転がっていた。
 
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ここにも文明があったんだな、ということを辛うじて表す人間の暮らした跡です。
あとは、川が流れていたり、山がきれいだったりです。

見どころは以上です。みどころ?

サテ、町へはからくも辿り着いた。雨がひどくなる前にさっさと買い物を済ませて帰りましょう。

昨年も来たんですよー、みたいな話を振れば、店のオバサンともいくらか会話も出来るだろう。
そういえば昨年聞いた話では、この商店の娘さんは横浜に働きに出られているというお話ではなかったか。
パンとプリッツかなんか買っただけだったのに、その短時間でよくその情報引き出せたな、去年の自分。
 
 

うわー店が休みだーっ。(まさかの
 
 

うーん、これは予想外。昨年訪れたときは、
 オイサン  「湖のところのホテルに泊まってるんですけどねー。ランチやってなくてw」
 おばちゃん「あらそうー。やればいいのにねえ、お客さんもいるんだから」
って、おばちゃん言ってたのに! お店やればいいじゃない! お客さんいますよ! ここに!

……と、そんな叫びも虚しく朱鞠内の空に吸い込まれていくばかり。
まあまあ、田舎の個人商店なんてそんなもんです。やむなし。今年は去年ほど切羽詰まっているワケでもなし。
もし昨年もこの店が閉まってて、あの時パンも買えずに過ごしていたとしたら……と考えるとゾッとする。
ここまで宿から40分歩くのである。片道3.5㎞である。腹が減っているから来たというのに、合計7㎞のムダ足である。
ムダ足ダイエットである。大変ゾッとする。あと結果にコミットもする。

買い物を諦め、足を再び湖の方へ向けたとき(他に行くところなんか無いんである)雨脚が強くなってきた。
ここは一旦雨をしのげる場所へ退避しようと表の自販機で缶コーヒーだけを買い、旧朱鞠内駅舎……
今のバスの待合所へ。徒歩1分。さっき前を通ったとき、人影があったのが気になるが……怖い人じゃなければいいな。
 
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昨年の話。
この商店の自販機でコーヒーを一本とペットボトルの飲み物を買ったのだが、
あとから買ったペットボトルを取り出すのを忘れたまま歩き出してしまった。
町を15分ほど徘徊した辺りでペットボトルが手元にないことに気付き、即座に戻るのも面倒なのでそのまま散策を続けた。
購入からつごう30分ほど経ってから店の前に帰り着いたとき、果たしてオイサンの買ったボトルは手つかずのまま自販機の中に残っていた……。無理もない話である。
その間見かけた動くもの人影と言えば、クロネコヤマトの車くらいのものだったからな。

バスの待合所に逃げ込んでコーヒーの缶を開けたところで、バス事務所の方から、
作業着っぽいツナギを着た、年の頃27、8ほどの、ツンツン短髪にイマドキ細レンズ黒縁メガネのお兄さんが現れた。

……ここまで書いて思ったのだが、なぜここで
ムチムチライダースーツに身を包んだ、
     年の頃は20代前半、金髪ツインテールの美少女

が現れないのであろう?
ここでそれが出て来ないのではそりゃあ結婚など出来るわけがないではないか。
なるほどすべて世間が悪いことが証明された。 ← そういう考えを捨てないから結婚できないのだ。

それではカメラを現実にお返しします。
いま目の前にいるのは、ちょっとビビる大木と春風亭昇太に似たお兄さんである。
一見人は好さそうであるが、どんな牙を隠し持っているか分からない。
恐る恐るではあるが、「どもこんちわ、降って来ちゃいましたね」と当たり障りのない水を向けてみる。すると。

「ねえ! 降って来ちゃって!
 これから草むしりでもしようかなーって思ったときに限って降って来ちゃうんですよねえーww
 はははははーww!」


おお、声がでかい。ちょっとあたまがよくなさそうだ(超失礼)。いやそうではなく、大変元気がよろしい。
純朴そうである。しかし驚きなのは(話を逸らす)、目の前には大きなパットゴルフ場が広がっておるのだけれども、お兄さん、お一人でこれを養生なさるので?

「いえ、いつもはね! もう一人相方がいるんですけど! 今日ちょっと、葬式の手伝いで休みでいないんで、
 ちょっとやっとこうかなって! はははははw!」


OK声が出てる。聞こえているぞ、雨はそんなに強くない。
なんだかとても真面目で純朴な感じです。彼はなんだろうか、公務員なのか、バス会社の人間なのか……。
しかし彼とのちょっとした会話で、今日この朱鞠内か、幌加内のどこかでお葬式が営まれていることが分かった。
そりゃそのくらいあるだろうけど、なんかこう……やはり人が生きてるんだな、という気になる。

ホントなんでもないただ偶然雨に引き寄せられただけなのだけど、これはこれでヒトツの縁である。
来年か、もっと先になるかは分からないけれども、みたびこの朱鞠内をオイサンが訪れるとき、
彼のことを思い出さずにはおられないだろう。彼はきっとオイサンより先に結婚して立派な家庭を築くであろう。

尚このパットゴルフ場、平日はそこそこの利用率なのだそうな。老人はいいご身分だな(ポイズン)

雨は、降り始めに比べればすこし強めになってはいるものの、そもそもそんなに強くない。
遠く湖の方角には青空も見えていて、長く降るものでも極端に強くなるものでもなさそうだ。
急ぎがある旅でもないが、このままここでじっとしていても実りがない。
なぜならいま隣にいるのは、(ビビる大木+春風亭昇太)×やたら声がデカい=お兄さん であって、
(パツパツ+ムチムチ)ライダースーツ×(金髪+ツインテール)(ツンデレ+巨乳)=美少女ではないからだ。
男同士でウコチャヌプコロしても生産性はない。ウコチャヌプコロ。

ビビる昇太君(命名:オレ、今)は、しきりに
「ええ! ええ! やろうと思ったら雨降って来ちゃうんスけどーww」としきりに繰り返している。
よほど草ぬきをしたくない or やましい思いがあるとお見受けする。
やりたくないなー雨降らねえかなーと粘りに粘って、いま! というタイミングで腰を上げて出てきたのだろう。
明日、葬式の手伝いから戻った同僚氏がやってきたときも同じ話をして、草ぬきが進んでいない理由にするのだろう。

良かろう。嫌いではないそのメンタリティ。オイサンが証人になってあげるぞ。君は確かに草ぬきをやろうとした、
しかし雨が降っていて出来なかった。そうだね?

雨が小やみになったのを見計らって、オイサンは待合所の屋根の下を離れた。
この程度の降りであれば、30分ほど歩いたとて大した被害にはなるまいし、途中でやみもするであろう。
さようなら昇太くん。同僚氏が話を信じてくれなかったときは電話をくれ。番号教えないけど(当たり前だ)。

「番号教えないけど」と書いたけど、実は昨年遊覧船チケットオフィスのオペレーターオバサンには教えているので
調べようと思えば調べはついてしまう。オバサンが憶えてればだけど。多分彼もオバサンとは知り合いだろう。
それではアデュー、朱鞠内町の皆さん。


 ▼雨、強まる。道に走る謎のヒビとミヤマアゲハの絢辻さん


うわーっ雨が強くなってきたー!(出発後5分

待合所の屋根の下を出て5分、待合所まで戻るには億劫だがまだ町のエリアを出ない程度という大変微妙な辺りで、
サラサラと髪を湿らせる程度だった雨が粒の大きさを増し、ばらばらと、地面や木の葉にぶつかって音を立てる程度になった。
これはアカンちょっと被害が大きいぞ。すぐ弱まってくれるなら物の数ではないが、宿までこの調子で降り続けば
カバンの中のエレクトリックデバイス群に支障をきたしかねない……一応防水バッグではあるけれども。

とはいえ、最早退くこともかなわず進むことにする。少しでも雨の掛からない場所を行こうと、
左右の斜面から張り出した枝の下を歩くよう些細な抵抗を試みる。大自然の恩恵はえらいもので、しのげないこともない。

あとから思い出したのだが、オイサンのリュックにはレインカバーが内蔵されていた。
イザとなったらそれをかぶせてしまえば良かったのである。普段使わない機能って忘れがちだなあ。

雨は……そのまま15分ほど続いた。そこそこの濡れっぷりであったが致命傷には至らず、というくらい。
雨上がりの風景を写真に収めることが出来、マ痛み分け、といったところではある。
 
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せっかく雨に遭ったので(ポジティブ)、
濡れた道や潤いに満ちた空気のひずみ、いち姫にも立ってもらった雨上がりの風景を写真に収め、存分に雨を楽しむ。
転んでもただでは起きないというか、これはこれで、この土地の風景であることよ。美しい。
 

 ▼絢辻さんとフカシギな亀裂

ところで、三股のバス停からダム・湖方面へ向かう最後の坂を登る途中で気が付いた。
道のこの区間だけ、雨が乾くのがやけに早い。どうも道路に規則的にヒビが入っていて、その周りだけが
異様な速度で乾いていくのだった。
 
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亀裂は、センターラインに沿った縦に長い亀裂を中心にして、大体等間隔くらいに、横のヒビが道の外側に向けて走っている。
背骨と肋骨の関係をイメージだと思ってもらえたらいい。
それらの規則正しい亀裂に沿って、道がみるみる乾いていっている。ヒビの部分はただ割れているだけではなく、
路面に若干の高低ギャップを生じている。自転車だったらそこそこの振動を感じるレベルだと思う。

意図的してこうあるのか、地震とか自然現象の影響でこうなってしまったのか。意図的で、何らかの仕組みなら良いが、
事故的にこうなってしまって直すお金がないから放ってあるっていうんじゃちょっと怖いなと思ってしまった。

あまりに奇妙な光景だったので(普通に歩いていても気になるレベルだったのである)
写真に撮ってtwitterに問うてみたところ、
「ヒビによって熱や光の集まり方が散ってそんな風になっているのでは?」という意見や、
「融雪のための処置ではないか」などというなんとなく説得力のある話も出てきた。
なるほど前者は考えたが、後者までは思いが至らなかった。あり得ない話ではなさそうだ。
 
こんな些細なことも、雨に遭わなければ気付かなかったであろう。そう思うと、雨も愉快に思えてくる。旅はたのしや。
 
そんな謎のヒビや、道すがら自生しているアサガオやらを収めながら歩いていると、
今度は、路肩に茂った下草の中で、這うようにうごめいている美しい蝶に出会った。
オイサンの乏しい知識では「クロアゲハの一種」としか認識していなかったが、あとから拾った知識に照らせば、どうやら彼女はミヤマカラスアゲハさんと言うらしい。
 
このミヤマさん、どうやら足をイワしている(※壊している・悪くしている)ようである。羽ばたきはするのだが、
地面を上手に蹴ることが出来ないようできちんと飛び上がれないでいる。蝶の体の構造は知らないが。
先ほどの粒の大きな雨にやられでもしたのだろうか。
 
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これもまた何かの縁であろう。このまま濡れた草の中にいたのではジリ貧であろうから、なるたけ優しくつまみ上げ
取り急ぎ目につく高い場所……ガードレールの支柱の上に置いてやったのだが、とにかくうまく歩けず、
体のバランスがとれないらしい。歩く速度は速く、ヨロヨロ這いずってみるみる落っこちそうになるので
そこを間一髪掌で受け止めてやると、今度はオイサンの掌をつたって服の胸のところまで上がってくる。かと思うと、そこをカタパルトにしてどうにか飛び立った。いいぞいいぞ。

その飛び方も、飛行時に足がどんな働きをするのか知らないが危なっかしく不安定で、高さは稼げず、
ひとの胸より下くらいの高さをフラフラと……それが行きたい方角なのか、
操舵がきかず、思わぬ方向に流れてしまっているのか判断できないけれども、道を渡り、坂を下る方向へと飛んでいく。
とりあえず落っこちる勢いではなかったから良いようなものの……林の陰に隠れるまで、見送ってしまった。
しかしまあこれ以上何をしてやれるわけでもない。厳しいだろうが、あとは自分で何とかするしかないだろう。
頑張って生きてもらいたい。

オイサンはクロアゲハを見たら全部絢辻さんだと思うことにしているが、アレがもし絢辻さんであったなら、
今夜あたりひとの姿を借りて恩返しに来るとして、真っ先にオイサンに平手打ちをくらわすことであろう。
 
「貴方ねえ! 人がケガして道端で難儀してるのに、まず助けようとしないで真っ先に写真撮るって
 どういう神経してんのよ、最低、変態!!」

 
ってなモンである。うむ、その通りだ。相手が人間だったときは順番を間違えないようにししないとな。

雨竜第二ダムにも立ち寄る。
朝はちらっと回っただけだったが、こうしてじっくり見てみるとやはりなかなか良い場所だと思う……。
このあと「湖畔で『ドラクエXI』をプレイする」という無謀な試みをするのであるが、
ここでやるのが良かったのではないかと思った次第である。
訪う人も殆どなく、湖も近すぎないため、落ち着いてプレイできたのではないかと
マこんなとこで落ち着いてDSやってどうすんだって話であるが。
このときはそんな準備もなかったので、風景を撮り、連れてきていたいち姫を撮る。
管理棟の奥に咲いていたヒマワリが良いアクセントであった。

……と、
四十がらみのオッサンが一人でカメラを構え
              お人形さん遊びに興じている
ときに限って
カップルさんがやって来る。こちとらそんな姿を見られたところでキモくも痒くもないのだが、
如何せん見た方に強烈なトラウマや不快感を植え付けかねない。
せっかくの楽しい北海道旅行の一番のインパクト大賞が、
「これ以上もなく美しい湖のほとりで、一人でフィギュアの写真を撮ってるオッサンの気持ちの悪い笑顔」
だったのでは、ワンランク上の旅をご提案するバッドトリップアドバイザーの名が廃りますお前のトリップは方向性が違う。
 
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だモンですから、なるたけそのような姿を一般の人様の前に晒さないよう、
妖怪人間としては細心の注意を払ってはいるのですが、マ間の悪い時、間の悪い人と言うのはあるもので、
このときは姫をしまうのがワンテンポ遅れ、カップルの女性の方の目に留まってしまったらしい。
おかげで、展望デッキに続くそう広くもない道ですれ違う時、あからさまに避けられる始末。ウェヒヒヒヒwwwアザースww、
一般人の冷たい視線は堪えられんワイ
← やめんか

そこそこ歩いて、雨にも降られ、いい具合に疲労してきた。再び湖のほとりまで帰って来て、風と静寂と戯れる。
これだけ縦にも横にも広い風景、自分の知る東京にも郷里にもなかなかない。なんの唸りも聞こえない場所は町にはない。
広いのです。
広いのに静かなのです。

そんな静寂の湖畔に一人佇んで……3DSをスイッチオーーーン!! この雄大な景色の中で!
それとよく似たロトゼタシアの荒野を歩き回ったら、一体俺はオレの気持ちはどうなっちまうんだー!!
っていう試みだったんですが、如何せんストーリーが丁度シティアドベンチャーの真っただ中だったので、
目論見は全然うまいこと運びませんでした。砂漠の町のサーカスでわるだくみをするイベント。なにしてはりまんねん。
 
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黄昏の静けさに包まれる朱鞠内湖。日も傾いてきたというのに、まだボートに乗って遊んでいる人もいる。
次回は自分も乗ってみようと思う。そういう遊びは考えたことがなかった。次回、ひとりボートに挑戦。

ひとり暴徒はやったことがあるかも知れない(孤独な暴れん坊)。

ところで、今回はいち姫を連れてきてしまったので、手持ちぶさたになるとすぐいち姫にたよってしまう。
あまり良くないな。ここにはもっと、戯れるべき相手がいる。見るべきもの、聞くべき音がある。

ふと思い立って、動画を撮ってみるなどする。昼に動画機能など使ってみたりしたものだからだが、
まあうまくはいかない。これも練習が必要。当たり前だが。広がりを捉えて持ち帰るには良い手段であるように思う。

夕食の時間が近づき宿に戻った。この日は何組かの宿泊客があるようだった。
日帰りの入浴客などもあるようで、ひとの出入りがそこそこある。風呂は、昨日はすっかり貸し切りだったが
今日は先客があった。大浴場には浴槽が大小二つあり、洗い場も二つ、蛇口が五つずつ入り口から向かって右手と
左手に分かれて配置されているが、浴槽の小さい方には、節約のためか小さい方には湯が張られていない。
昨日使った右手の洗い場には先客が二人いたのもあって今日は逆サイドを使ってみようかなとそっちへ向かおうとしたところ、
「そっちはお湯出ませんよ」と先客に教えられた。ムウ、徹底した節約シフトが敷かれておる。世知辛い。

二泊目の夕食メニューは昨年も同じジンギスカン。ダッチオーブン料理のインパクトがあまりに強かったので
宿に予約を入れるとき、二日ともダッチオーブンに出来るかとお願いしてみようと思ったり……実はしたのだが、
このジンギスカンも猛烈に美味い! ゴハンが! ゴハンがススムくん!! お、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃヒツジさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  お宿のおねいさん「お味どうですか?」
  旅人のオイサン 「大変美味しいです(キリッ」

宿の方のお話では最大10連泊した方もおられたようで、その時は食事メニューのローテーションが回らなくなり、
途中からまたダッチオーブンに戻ったのだそうな。マそりゃそうだな。全然ありだよそんなの。毎日でもいいよ。
 
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ゴハンの最後に、朱鞠内名物ワカサギのサクサク佃煮が出てきお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃおさかなさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  「どうですか?」
  「大ッ変美味しいですッ(キリッ」

このサクサクワカサギは朱鞠内のイチオシ商品で、期間限定・売り場も限定なのでヨソではなかなか手に入らない。
実家に送ろうかと思ったが、今年の一般販売開始はまだちょっと先なので無理だった。朱鞠内以外では、旭川・札幌など、
道内の一部のお店でしか手に入らないレアアイテム。ヒグマを倒してもドロップしないので注意が必要だ。
うーん、全国のとらのあなかメロンブックスあたりで委託販売してくれたらいいのに(無茶言うな)。

夜。少しウトウトしてしまい、22時半頃から星を見に外へ出る。

夕方、雨が去ったあとからもまた雲が湧き出していていたから望み薄かなと思っていたが、どうしてどうして、
なかなかの星空だった。カメラの設定をさぐりさぐりどうにか撮れるくらいに追い込んで、夜の湖畔を彷徨う。
この日はキャンプ客も多くて、テントがあちらこちらに張られている。まだまだ時間も宵の口、
火を囲んで楽し気に談笑しているところも多い。あまりウロウロしてると怪しまれそうだが構うことはあるまい。

昨年も思ったが、自動販売機が明るい! もう少しパワーを落としても良いのではあるまいか。
闇が濃いから余計にそう感じるのだろうが。次行ったら、キャプテンかオペレーターおばちゃんに進言してみよう。
 
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しばらくすると北の方から湧いてきた雲が空を覆い始め、星空を隠してしまった。けちんぼである。
昨年の、まさにウチュウガマルゴトヤッテクルと言わんばかりの星空を知ってしまっているから
今年の規模と時間ではちょっと物足りなかった。
 
 
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 ↑あまりに凄まじかった、2016年の星空↓

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帰り際に近くを通ったテントでは、ビールを飲みながら昔のアニメの話をしていた。
いなかっぺ大将を歌ったりして楽しげである。オイサンと似たような世代であろう。



何時ごろ眠りに落ちたか思い出せないが、就寝。
なにもない、盛りだくさんな一日であった。
 
 
 

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2017年10月14日 (土)

■しゅまりない旅情2017~2日目(1)~ -更新第1163回-

 
美しき朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その2日目。


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1日目は羽田から旭川に飛び、そこで立ち寄るハズだったcafe花みずきさんが夏休み中で肩を落とし、
次いで向かった深川駅ではコインロッカーが撤去されていて往生するも
地元のお店に受けたご厚意に在り難く思い、
そこから朱鞠内までの長いバスの車窓に流れる風景を楽しんだりしました。

そうしてたどり着いたお宿、「レークハウスしゅまりない」さんから2日目はスタート。
2016年夏にもお世話になった、ステキ&ミステリーなアウトドアお宿です。



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●○● 2日目 8月19日(土) ○●○

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■04:00~10:00 起床~早朝の朱鞠内湖畔~朝ゴハン



・起床は4時過ぎ。日の出がそのくらいだったから。
・湖畔に出てみるが、霧が立ち込めていてほとんど何も見えない。霧なのか靄なのか。
・さ、寒い! 長袖を着て出てこなかったのを後悔する。
・水辺まで来て、日が昇り、霧靄が晴れるのを待つ。ストレッチをしたり、写真を撮ったり。
 自分の立つ畔から目と鼻の先にあるはずの島のシルエットさえ見えない靄の濃さ。去年より濃い気がするな。
・しばらくすると、日が昇り始めたのか、灰色だった靄がオレンジとも金ともつかない色に染まって来る。
・昨年よりも風がなく、湖面が穏やかであるように思う。
 靄の向こうに上った太陽がそのまま水面に映っている。靄が濃いせいで周りは見通しにくいけど、
 木々が影絵みたいになって、一風違った幻想風景になっている。
 NHKの影絵絵本の番組に迷い込んだようである。


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鬼のように明るい文明の利器・自動販売機


・何をするわけでもなく、見るわけでもなく、6時前までその場であたりの様子を見守っていた。
・足元に、釣り人が捨てたのか、忘れて行ったのか、はたまた魚に持っていかれたのが打ち上げられた物なのか、
 明るいオレンジ色の浮き球が転がっていて、そこが自分の立っていた場所の目印になった。
 滞在中この先何度か湖畔に立つけれども、毎回何となくそこを気にかけてしまった。
 こういうときに変な縁が結ばれ、思い入れが生まれる。思い入れはドラマを生む。
・丘の方が先に靄が晴れて視界が開けてくる。見覚えのある、変わり映えのしない景色。
・昨年よりも霧が濃いのは風がないせいだろうか。湖面が静かで島や太陽がきれいに映りこんでいる。


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・朝ゴハンは7時30分。まだ6時なので一旦部屋に戻り、軽くジョギングに出かける。
 昨年は6kmほど先の展望台まで行ったが、今年はそこまではいかない。三股までで帰って来よう。
 マそこまでも行ったところでなにもないけど。
・朱鞠内湖の近くにはダムがある……ということはつまり、そこそこ高さのある場所だということだ。
 つまり、上り下りが結構あるのである。ジョギングには不向き。だが!
・結構な坂を下り、上る。それだけのジョギング。帰り道に、ダム近くにある展望台をちょっとだけ覗く。
 昨年はあまり大したことのない眺めという印象だったけど、今見てみるとそう悪くもなく美しい。
 何か変わっただろうか。
・お宿に戻り、シャワーを浴びる。ボイラーは動いていないが、風呂の湯は余熱でまだ暖かいのを知っている。
 昨年もそうだったからな!
・さて朝ゴハン。昨夜の晩ゴハンに負けず劣らず、朝ごはんもおいしいんだここは。
 誰が主となって献立てを決め、調理をしているのか。また今回も聞きそびれてしまった。次回聞こう。
・お宿に、色々と聞きたいことはある。主たる管理者は誰で、トータルコーディネイトは誰のセンスなのかと。
 今回のオサレセンスに移行したのは誰の発案で、昨年までの謎めいたセンスは誰の物だったのかと。
・朝ゴハン、ひと品ひと品はありふれているのに、全部やたらと美味しい。
 美味しい無言の悶絶ダンスを一人で踊りながら喜びにむせかえる。
 テレビには、NHK朝のニュースから、連続テレビ小説。
・隣では昨晩のご家族がゴハンを食べている。
・食後は、ネスカフェの自動コーヒーマシンでエスプレッソ。まあ特別ではないが、うめえ。
・テラス席に近いと虫がたかってくるのはいただけぬ。が、こちらの方々はさほど気に留めていないご様子。
 慣れているのか……。虫は友だち、怖くないのか。


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三股近くにある標識

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ダム展望台からの眺め
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地獄から来たのではと思うほどおいしい朝食


・コーヒーカップを持ってテラスに出るなり、その心地よさに死にそうになる。
 ……これだ。これである。
 昨年、この時間に完全にやられて、私は今年もまたここにいる。この空と木々と湖と空気。
・テラスからは、少し離れたところに湖の水面が見え、そこまでの足取りを導く低い木々と、
 草と砂利の敷かれた小道が延びているのが見える。
 ところどころに枝の疎らな背の高い木が、なにかの目印のように突き出している。
 空を支えているようにも見える。
 もう、ふっと、ふっと自我を忘れそうになる。自分の色とか形とか、

 風と空が、香り立つ色気を立ち上らせている。
 何もない、確かに見る人が見れば何もない場所であろうけれど、これだけ誰が主役でもなく、
 木々に空に石に草に、それぞれのありようを空気が繋いで、その濃さが色気を放っている場所を、
 自分は知らない。

 ボンヤリ景色を眺めたり、思い出したように写真を撮ったり、立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたり。
 ハタから見たら「何やってんだ、何かしたらいいのに」と思われそうだけれども。これをしたくて来た。
 人としての心や体が限りなく薄まる、透明になるカンジ。
 初めて北海道に来たころ、美瑛で感じた、世界と浸透圧が同じになるカンジがここにまたある。
 自分の中と外との境目があいまいになって初めて感じられる「自分がここにある」感触、実感。
 虫か鳥かになったような気持。来年も来ちゃうなこれ。
 
 
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 テラスからの眺め。
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 インスタ映え
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・食堂の方では、お隣のご家族が、奥さんとお子さんは先に先に部屋に引っ込んだのかもうおらず、
 旦那が一人でハンモックに揺られながらタブレットをたぷたぷしていた。
 うんうん、ホリデーイを満喫すればいいよ。

・テラスからちょっと建物を回り込んで裏手を覗き見すると、切り蓄えられた薪に混じって
 謎の将棋盤があったりする、この謎さ! これだよ、このご愛敬。
 これが好きなんだけどな(無茶を言うな)。
 新ルール、水滴将棋の研究中なのか、或いはこの将棋盤も、やがては薪に姿を変えるのか……
 全く捨てられずにここに置かれていることに、若干の含みや文学性を感じてしまうのは
 物書きの悪いくせなのか(おかしな妄想癖を物書きのサガにするな)。


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・このまま森の気配にほどけていってしまってもいい……お腹が空かないのなら、このまま朽ち木みたいに
 乾いてボロボロになってもいいくらいだ。
 ……がそうもいかんので、一念発起して身支度を整え、再び湖の方へ出向く。楽しまないとな。

・尚、今回は3DSを持ってきたので、湖畔で『ドラクエXI』を遊ぶという贅沢をやる予定。
 はたしてどんな気持ちになるもんだろうか。上手にプレイできるかしら。
 
 
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■10:00~13:00 朱鞠内湖畔にて~遊覧船



・実はこのときカメラのレンズキャップが見当たらず、朝出たときに落としたかなとちょっと慌てた気持ちで
 歩いていた。大変惜しいことをした。
 結局キャップは朝着て出たシャツの胸ポケットに入っていたのだが、その些細な執着が自分の心を
 固定していたのがこの旅の心残りになってしまった。

・このレンズキャップ、先の猪苗代への旅でも実家に帰省した折も、「実はこの黒い丸いのが7000円するw!」
 というのをネタにしていたために、「7000円分落っことしてしまったか」と……しょうもないとらわれ方を
 してた。純正品でなければもっと安く買えると思うんだけど、とてもしょうもない、
 とてもとてもしょうもない執着であり、なんかこういうのにとらわれてちっちゃくなってしまう自分
 やっぱかわいいな、などと思えた一幕だった。案外大事なファクターだったと思う。

・クロアゲハ(のちにカラスアゲハとか、ミヤマカラスアゲハだということが分かる)の類がたくさん飛んでいる。
 ここに限らず、後に訪れた美瑛でもだったけど、今年は昨年よりも蝶の類を多く見受けたように思う。
 バッタは少なかったな。去年はバッタが多かった気がする。確か。

・宿を出るとき、恐る恐る聞いてみた。「お昼のランチは……やってないんですよね?」

・そうである。公式サイトには「土日はランチ営業」と書いてあるにもかかわらず、
 なぜかこの時期にはやっていないということを、オイサンは昨年学んだのだ。しっているぞ!!

・……それを今年は知っていたので、今年はちゃんとお昼ゴハンをある程度用意してきたのだ。
 深川で、パンとソバの実入りおにぎりを買い求めてきたのはこのためだ。

・尚、イザ何も備えがなくても、町の方(湖から4㎞弱あります)まで行けば商店が一軒だけあり、
 そこでパンやカップ麺を売っています。
 昨年はそこでパンを買って飢えをしのいだのであります。
 窮状を訴えれば、カップ麺にお湯を入れてもくれますw

・しかし今年は聞いた相手が良かったのか(昨年はご主人の方に聞いた)、
 「時間を言っておいてもらえたら、お任せで良ければご用意しますよ。おそばになると思いますけどw」
 と、なかなか軽妙なお返事が返ってきた。サプラーイズ。
 というわけで、せっかくなので13時からおそばをいただくことにしました。パンとおにぎりどうしようw
 
 
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・ところで、湖に向けて歩き始めたところで少し不安になった。歌が聞こえてこなかった。

・朱鞠内湖畔には歌が流れている。宗谷岬でかかる『宗谷岬』や、えりもの『襟裳岬』と同じように、
 朱鞠内湖にちなんで作られた歌である。なんてことのない歌謡曲なのだが、
 昨年訪れたとき流れていたその歌を聴いてすっかり気に入ってしまい、
 帰ってから音源を手に入れようとネットなどで色々探してみたところ、動画はおろか歌詞も曲名も、
 影のしっぽもつかめないありさまだった。
 いまどきネット上にこんなに情報のない物もまだあのかと感心してしまうほどだった。

・その歌は、記憶では、遊覧船のチケット売り場にあるスピーカーから延々、朗々と
 流れていたような気がしていたのだが、どうもそれが聞こえてこない。
 もしかして流すのをやめてしまったんだろうか。この歌について話を聞くことも、
 今回の再訪の大きな目的のひとつであったというのに。

・とはいえ、その為だけにチケット売り場へ突貫するわけにもいかない。
 どうせあとで遊覧船にも乗る気でいるので、チケットを買うときにでも聞いてみよう。
 水際でぼんやりしておった。

・ところで今年はキャンプ客が昨年より多い気がする。5割増しの印象。
 昨年は2つの台風のハザマで奇跡的に雨ニモ合ワズ、飛行機トラブルにも遭わずという日程だったから、
 キャンパーさん方はその時期を避けていたのかもしれない。
 嵐の中でテントを張りたいキャンパーもいないだろう。……それを思うと、キャンパーという人種は、
 ワイルドでネイチャーなようでありながら、天候に関しては普通の旅人よりも
 文句の多い人種であるかもしれない。普通に宿をとる旅人であれば、雨を歓迎することはないにせよ、
 致命的とまではいかないであろうから。

・ちなみに、朱鞠内湖の遊覧船の就航時間は不定気のようである。そもそも乗る人間が多くはないのだ。

・昨年は、オイサンが乗船希望した時は客が一人だけ(すなわちオイサンのチャーター便である)で、
 さすがにそれでは出せないというのでしばし待ち、もう一人、一人旅のオッサン(ジイサン)がやってきて、
 ようやく就航の運びとなったのである。
・とはいえ、ときによっては一応定期というか、就航時間を定めている場合もあるようだ。雰囲気経営。
・「それだって赤字だ」と、キャプテン(=遊覧船の船長)に愚痴をこぼされる始末であった。しらんがな。

・船内に16人程度、船外のデッキに8人程度乗り組める計24人程度の遊覧船「うきしま」であるが、
 満席になることなどあるのだろうか? 今度聞いてみよう(失礼な質問)。

・だがオイサンは思う。
あの遊覧船のキャプテンとして働いて暮らすこと、
 あのチケット売り場で発券係として暮らすことを夢に見る。

 なんと素晴らしい人生じゃないか。

・尚、キャプテン=遊覧船船長は、50代そこそこの色黒で斎藤洋介のアゴをすこしつづめたような
 個性派俳優風の趣のナイスガイである。
  ※尚、斎藤洋介の名前が分からなかったので「俳優 シャクレ」で検索したら、
   ドあたまに斎藤さんの画像が出てきてしまったのでちょっと申し訳ない気分になった。
 チケット売り場(といっても、四畳半もなさそうなプレハブの掘っ立て小屋だが)を仕切るのは、
 60代前後の昭和パーマのおばちゃんである。おばちゃんはキャプテンを「船長」と呼んでいた。
 なんかよい雰囲気の二人である。どちらもとても健康そうで歯と目がとてもきれいで若々しい。
 年齢はオイサンの見立てだが、実はもっと年齢いってるけど若く見えているという可能性が高い。

  ▼遊覧船に乗る

・オイサン、そうして湖の岸辺で水と風と空と戯れておりますれば(美少女か)、スピーカーからアナウンスが
 流れた。「間もなく、遊覧船うきしまが出航します……」。おお、まじでか。たぶん、乗船希望者があったのだな。
 誰かが乗ろうと希望を出すと、こうしてアナウンスで他の乗客を募るのである。
 コレはいかん、ボヤボヤしていられなくなった。これを逃したら次はいつになるか分からない上に、
 また少人数で乗ることになってキャプテンに「赤字だ!」とボヤかれかねない。知らんがな。
 砂利の地べたに下ろしていた腰を上げ、ザクザクとチケットオフィスへ向かう。

・しかしなんだな、
 もしオイサンが白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女だったら、
                 相当絵になっているであろう
な。
 あまり絵になり過ぎても困るので神様がバランスをとったせいで、
 残念ながらオイサンは白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女ではないのだけれども。
 大マケにマケて白いワンピースと麦わら帽子の似合う
                アラフォーのオッサン
である(SSレア)
 世の白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女好きな男子諸君、残念だったね。
 神を恨み、来世に期待しようではないか。

・そういえば、近くに見えている島の浜辺には、ポツポツと人影やテントのような影が見受けられる。
 ひと影の方は、眺めていた限りでは全く動かなかったので木か何かかもしれないが、
 釣りをしているならそういうこともあるだろう。
 船であちらへ渡って、あちらでキャンプを張った人たちだろうか。そういうことも出来るのかと
 勝手に納得していたが、実はそうでなかったことが、このあとキャプテンとオペレーターから明らかにされる。

・チケットオフィスです↓。
 
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・豪華客船うきしまです↓。
 
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万国旗が華々しいですね。グローバル化戦略。国旗のチョイスは誰のセンスだ。

・チケットを買うとき、キャプテンとオペレータと軽く雑談。去年もここに来たんすよと話すと
 「去年も乗ったの?」と尋ねられる。年をまたいで二度乗りに来る人間がは珍しいのか、乗ったと答えると
 若干ポカンとされたか引かれた気がする。

・歌の話は、航海から無事に戻って来られたらにしよう。転覆死亡事故とか起こったらここじゃ大事件だろうな。

・同乗者は70代くらいの老夫婦。ここまでは車で来たのだろうか。自分入れて3人。君たちとは同じ船の仲間だ。
 長い旅になる、仲良くやろう。乗船時間はおよそ35分です。

・ちなみに遊覧船の料金はひとり1000円である。リーズナブル。しかし独りだからいいけど、
 これが家族5人でだと5000円になるわけで、それだとちょっと高く感じるかも知らんな。

・同乗のお二人に、どっから来たのかくらい聞けばよかったな。

・昨年一緒になった栃木から来たというおじさんは、ヘルペスにやられて片目が見えない人だった。
 2年前にも朱鞠内に来たことはあるらしいのだが、そのときは遊覧船に乗らなかったので改めて乗りに来た
 と言っていた。大好きか。パワフルな人で、今回の渡道は車中泊で6日目、
 熊本の地震のときには長崎にいた、みたいな話をしてた。

・昨年は最初船内にいたのだが、途中からデッキの方に勝手に出た。もしかしたらデッキにいるときは
 ライフベストくらい着なきゃいけなかったかなとか、動いてる最中に勝手に出ちゃまずかったかなとか
 あとから思ったので今年は始めに聞いてみた。

  オイサン 「コレ、外出てていいんですか?」
  キャプテン「ああ、お好きにどーぞー」


 自己責任である。自然界は厳しい。海の男はやさしくないのだ。海じゃないけど。まあ多分キャプテンは、
 こちらがウッカリ落ちようものなら慌てて飛び込んで助けてくれるだろう。甘えとかではなく、
 そういう人っぽい気がする。

・昨年と殆ど同じ日取り、全く同じ場所、全く同じコースの遊覧船である。となれば、そんなに新しいもの、
 違う景色が見られるという期待があったワケはない。そりゃそうだ。大人ならそんなのどうかしてるよ。
 しかし、予想してたのと全然違う、昨年とは全く異なる風景が見られて、オイサンは大層びっくりしたのである。
 
 
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・昨年の島の様子などをつぶさに覚えているわけはないのだが、なにぶん今年は風がない。湖面が静かなのである。
 そうするとどうなるかというと、湖面に、雲や島の姿がまるまる映し出され、
 上と下とで合わせ鏡のような世界が現れた。ここまではまあ、分かる。さっきまでも湖畔から眺めていて、
 ああ美しいなと思っていた。その上を船が走ると、起きる引き波が規則正しくその像を乱して、
 えも言われぬ面白い紋様を湖面に作り出していったのだった。鏡のような湖は見たことがあったが、
 自分の走った後がクルクル変わる、万華鏡のような湖と言うのは初めてだ。素晴らしく面白い。

・それを見てオイサンは、思わず立ち上がって歓声を上げてしまった……が、
 ご一緒だった老人夫婦にはさほど響くものはなかったらしく、オイサン一人で浮いてしまった。浮き島だけに。
 ヘイヘイ老夫婦、お前らもっと喜べよ。テンション低いぞ(照れ隠し)

・しかしその老夫婦も、旦那の方は後半慣れてきたのか立ち上がり、タブレットでぽちぽちと
 写真を撮っておられた。なかなかラヴいご夫婦で、旦那はこまめに奥方の写真も撮っておられた。
 アラアラアラごちそうさま、オホホホホホ、お邪魔だったかしらァ?(ガチで言ったらしばかれるやつ)
 でも真面目な話、二人で乗りたかったのかも知れないな。すまないことをした。
 ごめんなあ、オッチャン空気読まれへんでごめんなあ。
 
 
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・ところで、島の近くを船で走ってみて分かったのだが、先ほど対岸から見えた人影のようなものと
 テントのようなものは、やはりただの枯れ木、朽ち木のシルエットであった。
 テントのように見えたのは、根元だけが大きく残った朽ち木の株。
 キャプテン曰く、
 「今年は雪が少なくて水も少ないもんだから、去年は見えなかった切り株とかが、下の方まで
  出て来ちゃってるよ。島もすこし大きくなっちゃって」
 とのこと。なるほど、さすがグレートネイチャーさん。昨年と同じ場所、同じ時期でも、
 見た目の同じ年などないということか。学んだ。

・遊覧は、本当に30分もあったのかと思うほどあっというまに終了する。
 違うコースや、もっと大回りのコースなんかもあるといいのだが。ダメなんだろうか。
 船着き場に戻り、船を係留するキャプテンの鮮やかなロープさばきになんとなく感心する。なんかカッコイイ。


  ▼『しゅまりない旅情』について

・チケットオフィスで、オペレーター(おばちゃん)とキャプテンと話をする。
 昨年も乗ったこと、台風だったこと、こちらの気候は涼しくて過ごしやすい、すばらしい、東京の気候の話、
 こちらの環境の良いのにすっかりやられてまた来てしまったこと。

・東京はゴミゴミして暑くてしょうがない……という話をしていたときの、キャプテンが言い放った
 「でもさ、電車の中はクーラーがかかってるんでしょ?」という質問の素朴さが色々と物語っているようで
 オイサンのハートに刺さった。キャプテンは萌えキャラ。
 是非いっぺん夏の東京来てみて下さい、それはそれで面白いと思うんでwとオススメしておく

・サテ。本題。肝心の歌の話である。
 この、いまスピーカーから流れている歌はなんという歌で、誰が歌ってて、音源はあるのか? と。
 昨年来た時に気に入ってしまって、帰ってから調べても何も見つからないのだと。

・「むかーしの歌で、ドーナツ盤は出たけど。もう絶盤になってて、残ってるだけしかないよ」
 「歌手は有名なんだよ。ボニージャックスが歌ってる」というので、
 「そのドーナツ盤の残りとやらはどこかで手に入るんですか?」と尋ねたら、
 「ここにあるよ」とww非常に雑にwww書類棚の書類の下から出てきたww
 敷物みたいにされてんじゃないですかww売り物www何枚かあったけど、何枚あったかわからんw

・「いくらなんですかw」「1000円」「下さい」「買うのw」「ありがとうございますw」買っちゃった。

・「プレーヤー持ってるの?」
 「無いっすw」
 「w」
 「だから、買いますけど、いまスピーカーから流れてるのを録音して、それ帰って聴きますw」って言ったら
 二人ともに「何を言ってるのか分からん」「ぜんぜんわからん」という顔をされたw。ジャガーさん。

・「うん、でも、これいい歌だよねw」と笑ったキャプテンの顔が大変良かったです。
 日に焼けた 漁協男の 良い笑顔 

・それから、チケットオフィスの掘っ立て小屋のすぐそばで歌の録音を始めた。
 録音に使える道具は手持ちで3種類。
 カメラの動画撮影機能と、スマートフォンの動画撮影機能と、同じく録音アプリ。
 このカメラで動画撮影はほぼやったコトがないので、果たしてどれが一番優秀なのかワカラヌ。
 とりあえずテストしてみて、明らかに差が出るようならそれで持って帰ればいいし、
 ダメなら全部で録って帰ればいい。
 曲の長さは3分くらいだから、先ずそれぞれの道具で1回ずつ3回、あとは本番が1回になるか、3回になるかだ。
 途中で失敗したらやり直しだけど、マ別にそんな大層な精度は求めない。
 雑音が入らないように! なんて期待していないし、なんならそれらしい雑音が入ってくれた方が
 それっぽくてありがたいくらいだ。2、30分もあれば終わるだろう。
 
 
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 ここでカメラを構えて30分粘っていた(ホンマなにしてん)。
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・結論から言うと、カメラの動画撮影機能が一番しっかりと音を拾ってくれた。
 やる前の予想では、スマートフォンのどちらかの機能が優秀であろう、と思っていた。
 理由は、スマートフォンは曲がりなりにも電話であって、マイクは彼の本業、主機能の一部として
 実装されているものだから、である。

・それに比べて、オイサンのカメラはとっても高い良いカメラではあるが、本業は静止画カメラであって、
 動画撮影は本業ではないから……と思っていた。
 つまりスチルカメラの動画機能なんてオマケ程度だと高をくくっていたわけだが、結果から見ると
 RX1さんの動画機能の圧勝だった。あの距離と風と雑音の中、素晴らしいくらいに音を拾ってくれていた。
 7千円(※)の本業と、20万円のオマケでは20万円のオマケの方がパワフルパワフルだったわけだ。
 マつっても、スマホのマイクもそこまで遠くのものを拾える仕様にはなっておらぬであろうし、
 あんまり悪し様に言ってやるのも気の毒ではあるが。

  ※オイサンのはドコモのなんやらサポートのおかげでそのくらいのお値段で買えてしまったのである

・時間的にはいろいろあって、30分くらいかかってしまって、あんまりいい具合には録れなかったが。
 マこんなもんであろう、という感じにはなったのでよしとする。

・そんな風に、いい歳をしたオッサンが日陰もない炎天下で30分余り、
 カメラやらケータイやらをスピーカーに向けて突っ立っていたわけだが(旅行中になにやってんだ)、
 15分ほど経った頃だろうか、
 次の航海に向けて待機中であったでハズのキャプテン(その間客の姿はない)がほったて小屋から出てきて、
 近くに停めてあった車に乗り込んでいった。
 客があまりにいないからどこかへ出かけるのだろうか? しかし車は一向に発進する様子がない。
 まあこちとらはアルバムリリースに向けたレコーディング作業に忙しかったので
 さほど気にも留めていなかったのだが、しばらく経っても車はとうとう走り出さず、
 キャプテンはそのまま運転席から降りてきた。

・キャプテンは私の方に歩み寄ってきたかと思ったら、「ラジカセは持ってる?」と訪ねてきなさった。
 厳密にはラジカセは持っていないのだが、ラジオの受信機もカセットを再生する道具も所有していたので
 あると答えると、キャプテンは手に持っていた、懐かしい濃いグレーのマクセルの90分テープを
 オイサンに渡してくれた。

・「あげるわ。いま流れてるのとおんなじ曲がぐるぐる回るだけだけど」
 「え。めっちゃ嬉しいんですけど、もらっちゃって大丈夫なんですか?」
 「だいじょぶだいじょぶ、今のがあるし、スペアはあるし。テープ伸びてるかもしんないけどw」
 
 
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・お宝ゲットだぜ!!(ハイテンション)

・……もらってしまった(冷静)。42にもなって、知らない人から何をもらっているんだオレは。

・一体なぜここまでしてもらえるのか。モテ期なのか? いや、多分、「せっかくの旅行中になにやってんだ」
 と思ったのだろう。言われてみれば、この炎天下の30分あまりのせいで、えらく日焼けが進んだ気がする。


そんな苦労をして録音した結果がコレ↓である。
初めて動画編集なんてものをやったので、雑なのは大目に見るがいい。
画像は音とシンクロしておらず、同日の夕方録ったものである。
場所は、チケット小屋からは少し離れているが、湖畔であることに変わりはない。





・今回は他にも、手漕ぎボートに乗ろうというカップルや、ご家族づれもたくさん見かけた。
 なるほどそうだなあ、次回はオイサンも、手漕ぎボートくらい乗ってみようか。やったことないけど。
 道東に行ったらカヌーイングとかにも手を出してみるか……。

・そうしてお宝をゲットし、時刻が13時に近くなっていたので意気揚々と一旦お宿に帰る。
 朝たのんでおいたお任せランチは予告通りおそばであった。朱鞠内の属する幌加内町はおそばの産地で有名。
 深川からここまでバスで上がってくる途中、広大な白いおそばの畑をいくつも見た。
 ここでは機械で打っているとのことですが、しっかりした十割そばです。おいちい。
 おそばもさながら、そばつゆをどういうアレなのかが気になる。
 
 
 
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 幌加内名物、おそば
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レークハウスしゅまりないのご尊顔。ヘンな顔してるでしょ?

……といったところで、えらく長くなってきたのでここで一旦切る。
午後の部では新しい出会いがオイサンを待っています。
キャプテンは斉藤洋介似のナイスミドル、なんならロマンスグレーでしたが、
午後の部の新キャラは
     春風亭昇太とビビる大木を足して2で割った感じ
の若者です。
声がでかい。
 
 
 
 

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2017年10月 8日 (日)

■しゅまりない旅情2017~1日目~ -更新第1161回-

2017年、8月。
昨年に引き続き訪れた、北海道・朱鞠内の旅もようを淡々と綴ります。
その1日目。


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■■■━ 1日目 8月18日(金) ━■■■
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▼関連地図





■05:00~12:00 最寄り~羽田~旭川・cafe花みずき


・朝、チョイ出遅れて空港バスにギリギリ。
 珍しく南町田を経由するルートのバスはかなり満員だったが、自分の隣は空いていた。

・空港には6時15分頃着。フライトは7時50分。
 バスに預けた荷物がなぜか横向きにされて出てきたのでイラリとする。

・チェックイン時に座席を変える。
 もともと窓側だったがすぐ後ろの席に「お子さんを抱いてるマーク」がついており、
 やかましいと辛いので、空いていた別の窓側に移してみた。
 結果的には変更後の席も後ろがお子さんだったのであまり変わらなかったことになる。

・荷物を預け、郵便局のATMでお金を下ろそうと思い彷徨う。
 ゆうちょのATMは自分の搭乗口から最も離れたATMコーナーにしかなく、
 はるばる赴いたのにオープンは7時からで結局使うことが出来なかった。波乱の予感。

・天候は曇り。
 展望デッキを一回りしたが特に目新しいものはなかった。
 が、地味にごみ箱が目立たないつくりになっていることに感心する。

・朝ゴハンにうどん。ンまい。
 そういえば今回の旅では麺類を、ことにうどんを食べることが多かった気がするな。
 
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 タンチョウの群れ

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 ウドンヌ

 
Dsc05502  大変目立ちにくい工夫のされているデッキのゴミ箱



・搭乗からフライト、ランディングまで、これといった出来事はなかった。
 隣の席は普通のオッサンだったが、着陸して席を立つとき、
 尻の下から備え付けのイヤホンを敷きっぱなしになっていたことが判明した。
 ムウ、これがJKだったらコッソリ持ち帰ったのに(へんたいです)。

・今思えば、行きに印象に焼き付いたのがオッサンのケツだったのには意味があったのかもしれない……
 どういう意味かは最終日の戻りのフライトで明らかになる。

・旭川空港での荷物の出は早い方だったと思う。

・機内が満席であったので、市内行きのバスが満席になると面倒だ……と、
 急ぎ目にバス乗り場へ向かうが、どうやら旭山動物園へ直行するバスに乗る人の方が多いようだった。
 なるほど、最近のトレンドはそうか。お陰で市内行バスはほどほどにゆとりがあった。

・オイサンが初めてここを訪れた13年前は、まだ旭山動物園がフィーバーする前だった。
 フィーバー前の姿を見て置く良い機会であったかもしれない。惜しいことをした。

・バスの中でも然したるデキゴトはなかった。
 昨年は日テレのクルーとレポーターがカメラを持ち込んでいて、やかましく動き回っていたのだ。
 
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・旭川駅には10時には着けるかなと思っていたが、バスの出発が10時だったので10時40分。
 荷物を駅のロッカーに入れ、ATMでお金を下ろす。
 予定ではこのあと、cafe花みずきさんに向かうことにしているが、問題はその滞在時間。

・予定では12時のライラック号(列車)で旭川を離れて深川に向かう予定なので、旭川の滞在時間は
 1時間半弱になる。お店にいられる時間が30分を切ることになりそうだったから、
 電車を1本、13時まで遅らせようかと思案する。
 次の目的地・深川でやれることが減るが、それは明後日、戻ってくる時でもいいかもしれない。

・指定券も乗車券も、どうやら自販機で買えるらしい。
 みどりの窓口のおねえさん、手間をとらせてすみませんでした。
 ひとまず電車の切符を買うのはおいといて、お店に向かいがてら考えることにしよう。

・……ら、お店が休みでした! 愕然と、手土産の袋を取り落とすアラフォーです。
 腹いせに店の周りのお写真をいくらか撮る。
 
 

 

・しかしそういうことならと気持ちを切り替えサッサと折り返す。
 エキナカでソフトクリームを食べて時間をつぶす……っていうか、それでももう
 つぶせるほど時間は残っていなかった。ワリといっぱいいっぱいだ。

・大体、こっちの列車は、出発の10分15分、早い時には20分くらい前にはホームに入っているから、
 早めに乗ってしまった方が良い。

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 思わず取り落とす手土産


■12:00~14:30 旭川~特急ライラックで深川、深川あたりを徘徊する。

・ライラックの自由席は北海道の列車と思えないくらい満席だった。
 おお、列車の利用客がこんなにいるのか。まあ深川までは30分もかからないほどだから、
 立っていても良いくらいではある。

・前の座席の背もたれのところに、チケットポケットがついている……ちょっとしたいたずら心。

・などと遊んでるうちに深川到着。本当にすぐだ。

・深川駅、到着。ホームで写真を撮る。
 軒下に下げられていたオリジナルの風鈴が非常に良い味を出している。
 下の部分が使い古しのテレホンカードというのがまたいい。

 

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 アソビゴコロ
 
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・駅を出てみると、ハテ、そこにあるはずのコインロッカーがない。しばしの捜索ののち、
 恐る恐る掃除のおばさんに聞いてみる(そして掃除のおばさんは駅員さんに聞いてくれた)と、
 「ないですね」のひと言。そ、そんな筈は! 駅周辺のコインロッカー調査サイトを調べてきたのに!
 サイトをもう一度チェックしてそれらしき場所を見てみたが、どうも撤去されたあとらしい。
 念のために駅併設の観光案内所でも聞いてみたが、「利用者数が少ないので、撤去した」と、
 より詳細な答えが。丁寧に「申し訳ありません」と頭まで下げてくれる。
 イヤ、別に怒っているワケではない。困っておるだけなのです。

・とりあえず、現時点ではいかんともし難いのでとりあえずゴハン。
 スープカレー屋か、地元でも有名っぽい食堂のどちらにしようか迷っていたのだが、
 駅の紹介コーナーで目立っていて、かつ地元の食材をがっつり使った天丼が美味しそうだったので、
 食堂の方へ向かうことにした。
 あと場所が近い。荷物が置けなくなってしまったのでこの要素はでかい。

・自分のような公共の交通機関だのみで歩きが主体の旅行者には、
 コインロッカーや手荷物預かり所があることはひとつの生命線と言っていい。
 それがないと、場合によっては大荷物を引きずって観光をしなければならなくなる。
 勿論そんな状態では落ち着いて楽しい観光など出来はしないので、
 それがないことによって、自然と訪問対象からははずれていく。

・深川は、そばの実を混ぜ込んだ「そばめし」と、深川近辺で育てた豚・鶏のお肉で押しているらしい。
 食べたのは深川ポークと野菜の天丼。ウム、美味しい。

・店員さんの対応がいちいちたいへん丁寧。
 ……それはよいのだけれども、
 「普通のお水と水素水がありますが?」「普通のお水で」「えっ? あっ、はい」
 ……と、何やら「コレは予想外!」という反応をされたり、セットの飲み物をいつ持ってくるか聞かれ、
 「食事と一緒に」とお願いしたらやはり軽くびっくりされ、そして出てくるのは食後! という、
 「要望は、聴いてはやるが、かなえてやるとは言ってない」システム
 徹底されているのは正直どうかと思った。イヤ面白かったからほっといたけどw

・しかし水素水については、
 特になんの効果もないだけで害があるわけではない、つまるところただの水と何ら変わりないのだから、
 過剰に毛嫌いして絶対飲まない! となるのも、ソレはソレで違う気がしてきた。
 メリットがないにせよデメリットもないのであれば、別にそれが出されるなら飲んでも構わないのだ。
 なんかこう、「飲むことに因ってオカルトに魂が穢される!」みたいな気持ちになるのも、
 それはそれでオカルトの温床であり思うツボではあるまいか、ということに、今回気が付かされた。
 ありがとう深川! そんな感謝があるか。

・店の出しな、お店の人に、近隣に荷物を預けられそうな場所がないかとを尋ねたら、
 店の事務所で預かってくれるとおっしゃる。
 これはありがたい……。対応のおかしな面白レストランだとか思っててすみません。
 しかし、明後日また来た時も同じように甘えるというワケにいくまい。別な方策を考えねばならない。

・深川 → 朱鞠内のバスの、出発時間は14時25分。
 食事を終えた時点で13時を回っており、荷物を預かってもらいはしたものの
 あまりノンビリしている時間はない。明後日のためのリサーチくらい。

・良さゲなパン屋さん、良さゲな喫茶など、駅前になかなか魅力的なスポットも見つかる。
 スープカレーの店も案外近かった。なかなか過ごしやすそうな町という印象。深川。

・目についたのは、ホビーヤスオカ。
 うっかり踏み込んでみたところ、プラモ、フィギュア、ミニカーなどの品ぞろえがステキ。
 塗装テクニックを解説した古い同人誌『Keiちゃんの模型塗装ガイド基礎編』や
 『ヨコハマ買い出し紀行』のココネのフィギュアなど、レアっぽいものも。
 何も買わずに出るのも申し訳ないが、いま買って帰れるようなものもない……と思ったところに、
 タミヤのクリアファイルが目についたのでそれを買って帰ることにした。

・あと、ソフトバンクショップが一軒あり
 「他店圧倒の価格政策!」みたいなノボリを立てて気炎を上げていたのだが、
 少なくとも歩いた範囲にキャリアのショップは見当たらなかった。すでに焼野原なのか。

・石狩川にかかる橋のところまで行ってみたが、そこでタイムアップ。

 

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 ホビーヤスオカ。

 

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・荷物を預かってくれたレストラン・ふじ屋さんへの帰り道、
 明日のお昼用(宿がランチをやっていないことが予想される)にパンをいくつか買い込む。
 ふじ屋さんで見た、そばめしお弁当がどこかで買えればと思うが。

・ふじ屋さんで荷物を回収し、バスの来る駅前へ。ここからはバスで2時間の長丁場である。
 飲み物を確保し、観光案内所で切符はバスの中で買えばいいのか確認。

・観光案内所で、そばめしおにぎり弁当が売られていたので購入。

・バスの時間を乗り場で再確認していたら(バスは既にスタンバっていた)、
 運転手と思しきオジサンがクルマの陰から現れて、「25分発なので20分には開けます」と教えてくれた。

・暇に任せて、この先2時間続くバスのロングライドに備えてストレッチといち姫撮影。

・ちなみに、明後日の荷物の預かりについて、某所でヒミツの交渉をした結果、
 あることを条件に預かってもらえることになった。
 その某所で窓口担当ご婦人に「その明後日まではどうしているのか?」と聞かれたので、
 朱鞠内まで行く旨を明かすと
 「そのバス路線、うちの息子が運転手をしているわw今日はシゴトしてるのかしらww」
 とほっこり情報をくれた。ホッコリ。

 

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■14:30~日の終わり 深川からのバス~幌加内~朱鞠内~宿・レークハウスしゅまりない

・14時25分、バス搭乗。乗客は自分を含めて4人。

・同乗したお友だちらしい老齢のご婦人二人、片方がゼエゼエと咳をし始め、
 もう片方がカバンをまさぐり始めたから飴でも出すのかと思いきや、マスクを取り出して自分ではめた。
 まずは自分の命を守る。

・走り出して30分もしたら、他の客は皆降りてしまって客は自分だけになった。

・バスは幌加内で一旦終着し、そこから名寄行きになる。オイサンはその途中の、朱鞠内で降りる。
 幌加内で停車中、運転手さんにどこまでいくのか尋ねられ、朱鞠内の三股までだと告げると、
 その場で先に料金を計算してくれた。そして、1000円で1100円分使えるボーナス回数券を教えてくれて、
 100円オトクに乗ることが出来た。素晴らしいサービス。
 なぜか、その回数券の表紙を「これは思い出に取っておいて」「これは思い出」と繰り返すのが不思議だったが……
 !! もしや笑うトコロだったのか?

・幌加内のターミナルは立派で、この辺りにJRが通っていた頃の廃線資料館も兼ねていた。
 10分の休憩ののち、再出発。ここから朱鞠内までは1時間。

・途中、道の駅っぽくなっている停留所(せいわ温泉ルオント)で旅行者っぽい若者が乗ってきた。
 運転手さんとひと言ふた言交わしていたので、知り合いか、何らかの交流があったのであろう。
 オイサンが乗る前の、名寄から深川へ向かった往路で乗せていたのかもしれない。

 

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 幌加内バスターミナルの中にある、深名線の資料館

・途中、「鷹泊自然公園入口」という停留所があったが、自然公園どころか周囲は牙むき出しの
 グレートネイチャーしかなく、むしろ公園成分が見当たらなかった。
 地図を確認したら、公園は道から随分離れているように見える……。

・朱鞠内、三股までは滞りなく到着。16時40分。ココからは歩きだ。宿のチェックインは17時だが、
 あと20分で着けるか? 微妙な感じ。ここからずっと登り坂道。いけるつもりでいたが、
 荷物を担いではなかなかスパルタン。

・ギリギリ17時到着。やったぜ。

・宿にチェックイン。昨年と同じ、レークハウスしゅまりないである。てか他に宿なんかない。
 周りはキャンプ場だ。

・今年も、チェックインはご主人(と思しき妖精系男子)が対応してくれた。
 どうやらちょっと覚えてくれているらしい。「以前も、ご利用を?」と聞かれた。私も覚えているぞ。
 キミ今年は帽子をかぶってないな。髪が伸びたな?

・お宿の中は、はしばしがマイナーチェンジされていた。蔵書が整理・厳選されて激減、
 主にアウトドア方面一本にしぼられたり、謎のパットゴルフが撤去されていたり。
 ちょっとオサレ方面にシフトして、昨年はプンプンと匂っていた謎成分がえらく緩和されてもったいない。
 もっともっと謎スメルを発していても良いのに。蔵書にあった謎ラノベとか、謎のゲーム攻略本とか、
 残っていてほしかった。

 

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 昨年のライブラリー。ラインナップが謎。

 

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 昨年の様子。渡り廊下に突然現れるパットゴルフ

・部屋はメジャーにチェンジしていた。畳ベッドが置かれ、押し入れが廃止されて物置スペースになっていた。
 ちょっとびっくりするが、コレはこれで快適。良いのではないでしょうか。

・入り口の靴箱のところに、なぜか虻ハエジェットが置いてある!!
 都会のホテルは部屋にファブリーズが置かれていたりするが、ここではそんななまっちょろい物は要らない。
 ここはそういう場所なのだ。夜になれば窓の向こうはブンブン虫の王国。それを嫌う者は生きてはいけない。

・あと、裏口に設置されていた、深夜~早朝出入り用のナンバーセキュリティもなくなった。
 なぜだろう? 昨年は怪しい人物でも出没してたんだろうか? 逆に恐ろしい。

・サテお待ちかねのゴハン……は19時からなので、先に風呂に入る。風呂は夕方5時から夜10時まで。
 しかし、貼り紙によっては9時までになっていたりして相変わらずトラップが多い。

・この宿は……とにかくゴハンが美味しい!
 この短期間で2度目を訪れて自分のエリアにしたいと思ったのは、風景・空気感のすばらしさは勿論のこと、
 この宿のゴハンのおいしさも大きい。
 ダッチオーブン料理、前回とはお鍋が変わっていた(昨年と同型のもの(深い)は隣のご家族が使っておられた)

・その他のディッシュがプレート方式に変更されている。この辺も前回にくらべてオサレだ。
 写真中央の肉巻き行者ニンニクが美味い! 行者ニンニクも食べ慣れたが、こんなに美味しいのは記憶にない。
 一人で悶絶しながらおいしさにおぼれる。

・となりのテーブルはご家族3人連れ。小さなお子さんがオイサンにからんでくるので面白い顔をして撃退したら
 釣りで来られてるんですか、とお母さんに話しかけられた。アワワ、アワワ ← 大人の相手はできない

・去年も来た話などでお茶を濁す。夜、天気が良ければきっと星がキレイですよ、
 などと知った風なクチを叩いてみたが、道内から来てる人だったら珍しくないかもだな……。
 どこから来たのか聞いてから話を振るべきだった。今回の反省点である。

・あと、「釣りで?」と聞かれたのは多分、
 面白半分で備え付けの「週刊釣り新聞」なんか読んでみてたからだろう。
 「よく食いつくイソメのつけかた!」みたいな記事が載ってて面白かったが、
 釣りに慣れない人間がゴハン食べながら読むもんじゃないなアレは。

・今回もしっかりとゴハンをいただいた……。だめだなあ、年一回はここのゴハン食べたい気がする。

・ゴハンのあとは備え付けの自動エスプレッソマシンでコーヒーもらって部屋に引っ込む。
 何したかはあまり覚えてない。翌日の日の出時刻を調べ、早めに寝る準備。

・お隣のご家族連れにああ言った手前、自分も空模様を気にして一度外を確かめに出てみたが、
 既に雲と霧がすごくて何も見えなかった……。あと、虫がすごいので虫よけは必須である。

 

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初日はここまで。

 
 

 
 

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