2017年10月22日 (日)

■しゅまりない旅情2017~2日目(2)~ -更新第1168回-

 
静かなる朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その2日目の午後。
 
 
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1日目は羽田から旭川に飛び、そこで立ち寄るハズだったcafe花みずきさんが夏休み中で肩を落とし、
次いで向かった深川駅でもあるはずだったコインロッカーが撤去されていて往生するも
地元のお店に受けたご厚意に胸を熱くし、
そこから朱鞠内までの長いバスの車窓に流れる風景を楽しんだりした。

そうしてたどり着いたお宿、昨年もお世話になった「レークハウスしゅまりない」さんから2日目はスタート。
午前中は散歩と遊覧船で万華鏡の様な湖を堪能し、
地元テーマ曲である『しゅまりない旅情』のテープを秘密裏に入手して、
お昼のおそばを食べ終えたところからの続き。



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■2日目 8月19日(土) 午後の部
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■13:00~18:00 お昼ゴハン~朱鞠内の町、雨~晩ゴハン



 ▼朱鞠内の集落で雨に遭い、ビビる昇太くんと出会う

ゴハンを終えたら、さてどうしよう?

昨年はここでゴハンが食べられずに、食料を求めて人里まで下りたのである。わしゃ熊か。
今回はこうして食べ物にもありつけたので人里を襲撃する理由はないのだったが……否、ある。あるぞ。

単4電池を買うのだ。深川で買うつもりにしていたのをすっかり忘れていたのだ。
この期に及んで電池なんか何に使うのかと言えば、ヘッドランプである。今宵はきっと晴れるに違いない(祈り)ので、星を見に外へ出るのに、灯りは必須なのである。

電池、あるっちゃあるんだけど、マウスから抜かないとならず、それに切れられると困ってしまう。なので、一応予備が欲しい。

……というワケでなんやかやと理由をつけ、人里を襲撃することにしたクマ。朱鞠内の町の人々にげてー!!
がおーくまだぞー。 ← ノリノリ

身支度をして宿を出、空を見上げて、ふと嫌な予感に見舞われる。
頭上にわいた色の濃い雲と、先ほどまでは肌に触れる空気がカラリとしていたのに、今はヒヤリと冷たいこの余分な潤いの感触。雨が降るのではないか?
 
 
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パッとスマホの予報を確認するが、雲のマークこそついているものの傘の印はない。
雨雲レーダーにも、付近上空に目立った雨雲反応はないことを告げている。

ここで変にワイルドぶって、「雨になる気がする……」などと傘なんか持って歩いた日には、
オイサンのようなシチーボーイにそんな優秀ワイルドなセンサーがついているわけもなく、
自分のことを野生の申し子とか自称している定岡イタイイタイ正二みたいで恥をかくのが関の山である。
ITのチカラ・天気予報を信じてこのまま行くことにする。





うわーっ雨だーっ。(即オチ





宿から朱鞠内の町までは3キロ半ほど。40分ばかり歩いたその町に差し掛かったあたりでポツリポツリと降ってきた。
しかしここまで来ていれば雨宿りをする場所も町にはいくらかはある。雨宿りまちちゃん(無関係な情報)。

ちなみに、宿からここまで40分の道のりにはいくつかのビューポイントがある。
おソバ畑。 
 
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バスの待合ボックス。
 
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……なのだが、このボックスにオイサンは、昨年恐ろしいトラウマを植え付けられており出来れば近付きたくない。
昨年の、今日と同じ2日目、朝のジョギングに出てここまで来たのであるが、
このボックスの中から何やらドンドンとぶつかる音がする。
ハテなんであろうかとガラス越しに覗いて見たところ、一羽の鳥が閉じ込められて窓に向けて無謀なアタックを繰り返していた。
おお可愛そうにと思ってドアを少し開けてやったところ、鳥は利口にもすぐさまそこから出て行った。
……ので、あるが。
……なんでそこまで気付かなかったかな、扉に赤字で大きく貼り紙がしてあったのである。
 
「スズメバチに注意!」。
 
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昨年の写真。気付けよ去年の俺。 
 

いやホンマなんでそこまで気が付かなかったかと自分でも思うくらい、大きな紙に大きな字で貼り紙がしてあった。
そして足元には、駆除されたあとなのでしょう、
おびただしい数の蜂の死骸が敷き詰められていると言えるレベルで横たわっておって、
全身が総毛立ったのを憶えている。

はじかれた様に扉を閉めると、脱兎の如く逃げた。
もしかすると駆除した人間に恨みを持つ生き残りがいないとも限らない。
ジョギングとは言えないペースでその場を走って……
マそんなモン多少速く走ったところで、ホンマに蜂が襲ってきたら何の守りにもなりますまいが……
離れたのでした。

そんなことがあったものだから、この待合ボックスにはなるたけ近寄りたくない。特段覗いて面白いモノがあるわけでもない。
しかしあの時助けてやった小鳥ちゃんはいまだに恩返しに来ないが、どこでどうしているのだろう。
スクールアイドルでもやっているのか、プロのアイドル事務所で事務でもやっているのか? だからどの小鳥だよ。

あと、どこで誰が買ってきてここで捨てたのか……セブンイレブンのコーヒーのカップが転がっていた。
 
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ここにも文明があったんだな、ということを辛うじて表す人間の暮らした跡です。
あとは、川が流れていたり、山がきれいだったりです。

見どころは以上です。みどころ?

サテ、町へはからくも辿り着いた。雨がひどくなる前にさっさと買い物を済ませて帰りましょう。

昨年も来たんですよー、みたいな話を振れば、店のオバサンともいくらか会話も出来るだろう。
そういえば昨年聞いた話では、この商店の娘さんは横浜に働きに出られているというお話ではなかったか。
パンとプリッツかなんか買っただけだったのに、その短時間でよくその情報引き出せたな、去年の自分。
 
 

うわー店が休みだーっ。(まさかの
 
 

うーん、これは予想外。昨年訪れたときは、
 オイサン  「湖のところのホテルに泊まってるんですけどねー。ランチやってなくてw」
 おばちゃん「あらそうー。やればいいのにねえ、お客さんもいるんだから」
って、おばちゃん言ってたのに! お店やればいいじゃない! お客さんいますよ! ここに!

……と、そんな叫びも虚しく朱鞠内の空に吸い込まれていくばかり。
まあまあ、田舎の個人商店なんてそんなもんです。やむなし。今年は去年ほど切羽詰まっているワケでもなし。
もし昨年もこの店が閉まってて、あの時パンも買えずに過ごしていたとしたら……と考えるとゾッとする。
ここまで宿から40分歩くのである。片道3.5㎞である。腹が減っているから来たというのに、合計7㎞のムダ足である。
ムダ足ダイエットである。大変ゾッとする。あと結果にコミットもする。

買い物を諦め、足を再び湖の方へ向けたとき(他に行くところなんか無いんである)雨脚が強くなってきた。
ここは一旦雨をしのげる場所へ退避しようと表の自販機で缶コーヒーだけを買い、旧朱鞠内駅舎……
今のバスの待合所へ。徒歩1分。さっき前を通ったとき、人影があったのが気になるが……怖い人じゃなければいいな。
 
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昨年の話。
この商店の自販機でコーヒーを一本とペットボトルの飲み物を買ったのだが、
あとから買ったペットボトルを取り出すのを忘れたまま歩き出してしまった。
町を15分ほど徘徊した辺りでペットボトルが手元にないことに気付き、即座に戻るのも面倒なのでそのまま散策を続けた。
購入からつごう30分ほど経ってから店の前に帰り着いたとき、果たしてオイサンの買ったボトルは手つかずのまま自販機の中に残っていた……。無理もない話である。
その間見かけた動くもの人影と言えば、クロネコヤマトの車くらいのものだったからな。

バスの待合所に逃げ込んでコーヒーの缶を開けたところで、バス事務所の方から、
作業着っぽいツナギを着た、年の頃27、8ほどの、ツンツン短髪にイマドキ細レンズ黒縁メガネのお兄さんが現れた。

……ここまで書いて思ったのだが、なぜここで
ムチムチライダースーツに身を包んだ、
     年の頃は20代前半、金髪ツインテールの美少女

が現れないのであろう?
ここでそれが出て来ないのではそりゃあ結婚など出来るわけがないではないか。
なるほどすべて世間が悪いことが証明された。 ← そういう考えを捨てないから結婚できないのだ。

それではカメラを現実にお返しします。
いま目の前にいるのは、ちょっとビビる大木と春風亭昇太に似たお兄さんである。
一見人は好さそうであるが、どんな牙を隠し持っているか分からない。
恐る恐るではあるが、「どもこんちわ、降って来ちゃいましたね」と当たり障りのない水を向けてみる。すると。

「ねえ! 降って来ちゃって!
 これから草むしりでもしようかなーって思ったときに限って降って来ちゃうんですよねえーww
 はははははーww!」


おお、声がでかい。ちょっとあたまがよくなさそうだ(超失礼)。いやそうではなく、大変元気がよろしい。
純朴そうである。しかし驚きなのは(話を逸らす)、目の前には大きなパットゴルフ場が広がっておるのだけれども、お兄さん、お一人でこれを養生なさるので?

「いえ、いつもはね! もう一人相方がいるんですけど! 今日ちょっと、葬式の手伝いで休みでいないんで、
 ちょっとやっとこうかなって! はははははw!」


OK声が出てる。聞こえているぞ、雨はそんなに強くない。
なんだかとても真面目で純朴な感じです。彼はなんだろうか、公務員なのか、バス会社の人間なのか……。
しかし彼とのちょっとした会話で、今日この朱鞠内か、幌加内のどこかでお葬式が営まれていることが分かった。
そりゃそのくらいあるだろうけど、なんかこう……やはり人が生きてるんだな、という気になる。

ホントなんでもないただ偶然雨に引き寄せられただけなのだけど、これはこれでヒトツの縁である。
来年か、もっと先になるかは分からないけれども、みたびこの朱鞠内をオイサンが訪れるとき、
彼のことを思い出さずにはおられないだろう。彼はきっとオイサンより先に結婚して立派な家庭を築くであろう。

尚このパットゴルフ場、平日はそこそこの利用率なのだそうな。老人はいいご身分だな(ポイズン)

雨は、降り始めに比べればすこし強めになってはいるものの、そもそもそんなに強くない。
遠く湖の方角には青空も見えていて、長く降るものでも極端に強くなるものでもなさそうだ。
急ぎがある旅でもないが、このままここでじっとしていても実りがない。
なぜならいま隣にいるのは、(ビビる大木+春風亭昇太)×やたら声がデカい=お兄さん であって、
(パツパツ+ムチムチ)ライダースーツ×(金髪+ツインテール)(ツンデレ+巨乳)=美少女ではないからだ。
男同士でウコチャヌプコロしても生産性はない。ウコチャヌプコロ。

ビビる昇太君(命名:オレ、今)は、しきりに
「ええ! ええ! やろうと思ったら雨降って来ちゃうんスけどーww」としきりに繰り返している。
よほど草ぬきをしたくない or やましい思いがあるとお見受けする。
やりたくないなー雨降らねえかなーと粘りに粘って、いま! というタイミングで腰を上げて出てきたのだろう。
明日、葬式の手伝いから戻った同僚氏がやってきたときも同じ話をして、草ぬきが進んでいない理由にするのだろう。

良かろう。嫌いではないそのメンタリティ。オイサンが証人になってあげるぞ。君は確かに草ぬきをやろうとした、
しかし雨が降っていて出来なかった。そうだね?

雨が小やみになったのを見計らって、オイサンは待合所の屋根の下を離れた。
この程度の降りであれば、30分ほど歩いたとて大した被害にはなるまいし、途中でやみもするであろう。
さようなら昇太くん。同僚氏が話を信じてくれなかったときは電話をくれ。番号教えないけど(当たり前だ)。

「番号教えないけど」と書いたけど、実は昨年遊覧船チケットオフィスのオペレーターオバサンには教えているので
調べようと思えば調べはついてしまう。オバサンが憶えてればだけど。多分彼もオバサンとは知り合いだろう。
それではアデュー、朱鞠内町の皆さん。


 ▼雨、強まる。道に走る謎のヒビとミヤマアゲハの絢辻さん


うわーっ雨が強くなってきたー!(出発後5分

待合所の屋根の下を出て5分、待合所まで戻るには億劫だがまだ町のエリアを出ない程度という大変微妙な辺りで、
サラサラと髪を湿らせる程度だった雨が粒の大きさを増し、ばらばらと、地面や木の葉にぶつかって音を立てる程度になった。
これはアカンちょっと被害が大きいぞ。すぐ弱まってくれるなら物の数ではないが、宿までこの調子で降り続けば
カバンの中のエレクトリックデバイス群に支障をきたしかねない……一応防水バッグではあるけれども。

とはいえ、最早退くこともかなわず進むことにする。少しでも雨の掛からない場所を行こうと、
左右の斜面から張り出した枝の下を歩くよう些細な抵抗を試みる。大自然の恩恵はえらいもので、しのげないこともない。

あとから思い出したのだが、オイサンのリュックにはレインカバーが内蔵されていた。
イザとなったらそれをかぶせてしまえば良かったのである。普段使わない機能って忘れがちだなあ。

雨は……そのまま15分ほど続いた。そこそこの濡れっぷりであったが致命傷には至らず、というくらい。
雨上がりの風景を写真に収めることが出来、マ痛み分け、といったところではある。
 
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せっかく雨に遭ったので(ポジティブ)、
濡れた道や潤いに満ちた空気のひずみ、いち姫にも立ってもらった雨上がりの風景を写真に収め、存分に雨を楽しむ。
転んでもただでは起きないというか、これはこれで、この土地の風景であることよ。美しい。
 

 ▼絢辻さんとフカシギな亀裂

ところで、三股のバス停からダム・湖方面へ向かう最後の坂を登る途中で気が付いた。
道のこの区間だけ、雨が乾くのがやけに早い。どうも道路に規則的にヒビが入っていて、その周りだけが
異様な速度で乾いていくのだった。
 
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亀裂は、センターラインに沿った縦に長い亀裂を中心にして、大体等間隔くらいに、横のヒビが道の外側に向けて走っている。
背骨と肋骨の関係をイメージだと思ってもらえたらいい。
それらの規則正しい亀裂に沿って、道がみるみる乾いていっている。ヒビの部分はただ割れているだけではなく、
路面に若干の高低ギャップを生じている。自転車だったらそこそこの振動を感じるレベルだと思う。

意図的してこうあるのか、地震とか自然現象の影響でこうなってしまったのか。意図的で、何らかの仕組みなら良いが、
事故的にこうなってしまって直すお金がないから放ってあるっていうんじゃちょっと怖いなと思ってしまった。

あまりに奇妙な光景だったので(普通に歩いていても気になるレベルだったのである)
写真に撮ってtwitterに問うてみたところ、
「ヒビによって熱や光の集まり方が散ってそんな風になっているのでは?」という意見や、
「融雪のための処置ではないか」などというなんとなく説得力のある話も出てきた。
なるほど前者は考えたが、後者までは思いが至らなかった。あり得ない話ではなさそうだ。
 
こんな些細なことも、雨に遭わなければ気付かなかったであろう。そう思うと、雨も愉快に思えてくる。旅はたのしや。
 
そんな謎のヒビや、道すがら自生しているアサガオやらを収めながら歩いていると、
今度は、路肩に茂った下草の中で、這うようにうごめいている美しい蝶に出会った。
オイサンの乏しい知識では「クロアゲハの一種」としか認識していなかったが、あとから拾った知識に照らせば、どうやら彼女はミヤマカラスアゲハさんと言うらしい。
 
このミヤマさん、どうやら足をイワしている(※壊している・悪くしている)ようである。羽ばたきはするのだが、
地面を上手に蹴ることが出来ないようできちんと飛び上がれないでいる。蝶の体の構造は知らないが。
先ほどの粒の大きな雨にやられでもしたのだろうか。
 
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これもまた何かの縁であろう。このまま濡れた草の中にいたのではジリ貧であろうから、なるたけ優しくつまみ上げ
取り急ぎ目につく高い場所……ガードレールの支柱の上に置いてやったのだが、とにかくうまく歩けず、
体のバランスがとれないらしい。歩く速度は速く、ヨロヨロ這いずってみるみる落っこちそうになるので
そこを間一髪掌で受け止めてやると、今度はオイサンの掌をつたって服の胸のところまで上がってくる。かと思うと、そこをカタパルトにしてどうにか飛び立った。いいぞいいぞ。

その飛び方も、飛行時に足がどんな働きをするのか知らないが危なっかしく不安定で、高さは稼げず、
ひとの胸より下くらいの高さをフラフラと……それが行きたい方角なのか、
操舵がきかず、思わぬ方向に流れてしまっているのか判断できないけれども、道を渡り、坂を下る方向へと飛んでいく。
とりあえず落っこちる勢いではなかったから良いようなものの……林の陰に隠れるまで、見送ってしまった。
しかしまあこれ以上何をしてやれるわけでもない。厳しいだろうが、あとは自分で何とかするしかないだろう。
頑張って生きてもらいたい。

オイサンはクロアゲハを見たら全部絢辻さんだと思うことにしているが、アレがもし絢辻さんであったなら、
今夜あたりひとの姿を借りて恩返しに来るとして、真っ先にオイサンに平手打ちをくらわすことであろう。
 
「貴方ねえ! 人がケガして道端で難儀してるのに、まず助けようとしないで真っ先に写真撮るって
 どういう神経してんのよ、最低、変態!!」

 
ってなモンである。うむ、その通りだ。相手が人間だったときは順番を間違えないようにししないとな。

雨竜第二ダムにも立ち寄る。
朝はちらっと回っただけだったが、こうしてじっくり見てみるとやはりなかなか良い場所だと思う……。
このあと「湖畔で『ドラクエXI』をプレイする」という無謀な試みをするのであるが、
ここでやるのが良かったのではないかと思った次第である。
訪う人も殆どなく、湖も近すぎないため、落ち着いてプレイできたのではないかと
マこんなとこで落ち着いてDSやってどうすんだって話であるが。
このときはそんな準備もなかったので、風景を撮り、連れてきていたいち姫を撮る。
管理棟の奥に咲いていたヒマワリが良いアクセントであった。

……と、
四十がらみのオッサンが一人でカメラを構え
              お人形さん遊びに興じている
ときに限って
カップルさんがやって来る。こちとらそんな姿を見られたところでキモくも痒くもないのだが、
如何せん見た方に強烈なトラウマや不快感を植え付けかねない。
せっかくの楽しい北海道旅行の一番のインパクト大賞が、
「これ以上もなく美しい湖のほとりで、一人でフィギュアの写真を撮ってるオッサンの気持ちの悪い笑顔」
だったのでは、ワンランク上の旅をご提案するバッドトリップアドバイザーの名が廃りますお前のトリップは方向性が違う。
 
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だモンですから、なるたけそのような姿を一般の人様の前に晒さないよう、
妖怪人間としては細心の注意を払ってはいるのですが、マ間の悪い時、間の悪い人と言うのはあるもので、
このときは姫をしまうのがワンテンポ遅れ、カップルの女性の方の目に留まってしまったらしい。
おかげで、展望デッキに続くそう広くもない道ですれ違う時、あからさまに避けられる始末。ウェヒヒヒヒwwwアザースww、
一般人の冷たい視線は堪えられんワイ
← やめんか

そこそこ歩いて、雨にも降られ、いい具合に疲労してきた。再び湖のほとりまで帰って来て、風と静寂と戯れる。
これだけ縦にも横にも広い風景、自分の知る東京にも郷里にもなかなかない。なんの唸りも聞こえない場所は町にはない。
広いのです。
広いのに静かなのです。

そんな静寂の湖畔に一人佇んで……3DSをスイッチオーーーン!! この雄大な景色の中で!
それとよく似たロトゼタシアの荒野を歩き回ったら、一体俺はオレの気持ちはどうなっちまうんだー!!
っていう試みだったんですが、如何せんストーリーが丁度シティアドベンチャーの真っただ中だったので、
目論見は全然うまいこと運びませんでした。砂漠の町のサーカスでわるだくみをするイベント。なにしてはりまんねん。
 
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黄昏の静けさに包まれる朱鞠内湖。日も傾いてきたというのに、まだボートに乗って遊んでいる人もいる。
次回は自分も乗ってみようと思う。そういう遊びは考えたことがなかった。次回、ひとりボートに挑戦。

ひとり暴徒はやったことがあるかも知れない(孤独な暴れん坊)。

ところで、今回はいち姫を連れてきてしまったので、手持ちぶさたになるとすぐいち姫にたよってしまう。
あまり良くないな。ここにはもっと、戯れるべき相手がいる。見るべきもの、聞くべき音がある。

ふと思い立って、動画を撮ってみるなどする。昼に動画機能など使ってみたりしたものだからだが、
まあうまくはいかない。これも練習が必要。当たり前だが。広がりを捉えて持ち帰るには良い手段であるように思う。

夕食の時間が近づき宿に戻った。この日は何組かの宿泊客があるようだった。
日帰りの入浴客などもあるようで、ひとの出入りがそこそこある。風呂は、昨日はすっかり貸し切りだったが
今日は先客があった。大浴場には浴槽が大小二つあり、洗い場も二つ、蛇口が五つずつ入り口から向かって右手と
左手に分かれて配置されているが、浴槽の小さい方には、節約のためか小さい方には湯が張られていない。
昨日使った右手の洗い場には先客が二人いたのもあって今日は逆サイドを使ってみようかなとそっちへ向かおうとしたところ、
「そっちはお湯出ませんよ」と先客に教えられた。ムウ、徹底した節約シフトが敷かれておる。世知辛い。

二泊目の夕食メニューは昨年も同じジンギスカン。ダッチオーブン料理のインパクトがあまりに強かったので
宿に予約を入れるとき、二日ともダッチオーブンに出来るかとお願いしてみようと思ったり……実はしたのだが、
このジンギスカンも猛烈に美味い! ゴハンが! ゴハンがススムくん!! お、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃヒツジさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  お宿のおねいさん「お味どうですか?」
  旅人のオイサン 「大変美味しいです(キリッ」

宿の方のお話では最大10連泊した方もおられたようで、その時は食事メニューのローテーションが回らなくなり、
途中からまたダッチオーブンに戻ったのだそうな。マそりゃそうだな。全然ありだよそんなの。毎日でもいいよ。
 
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ゴハンの最後に、朱鞠内名物ワカサギのサクサク佃煮が出てきお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃおさかなさんお、おいひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃのおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉらめえええぇぇぇぇぇぇぇ止ッ止まッ止まらないのおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!

  「どうですか?」
  「大ッ変美味しいですッ(キリッ」

このサクサクワカサギは朱鞠内のイチオシ商品で、期間限定・売り場も限定なのでヨソではなかなか手に入らない。
実家に送ろうかと思ったが、今年の一般販売開始はまだちょっと先なので無理だった。朱鞠内以外では、旭川・札幌など、
道内の一部のお店でしか手に入らないレアアイテム。ヒグマを倒してもドロップしないので注意が必要だ。
うーん、全国のとらのあなかメロンブックスあたりで委託販売してくれたらいいのに(無茶言うな)。

夜。少しウトウトしてしまい、22時半頃から星を見に外へ出る。

夕方、雨が去ったあとからもまた雲が湧き出していていたから望み薄かなと思っていたが、どうしてどうして、
なかなかの星空だった。カメラの設定をさぐりさぐりどうにか撮れるくらいに追い込んで、夜の湖畔を彷徨う。
この日はキャンプ客も多くて、テントがあちらこちらに張られている。まだまだ時間も宵の口、
火を囲んで楽し気に談笑しているところも多い。あまりウロウロしてると怪しまれそうだが構うことはあるまい。

昨年も思ったが、自動販売機が明るい! もう少しパワーを落としても良いのではあるまいか。
闇が濃いから余計にそう感じるのだろうが。次行ったら、キャプテンかオペレーターおばちゃんに進言してみよう。
 
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しばらくすると北の方から湧いてきた雲が空を覆い始め、星空を隠してしまった。けちんぼである。
昨年の、まさにウチュウガマルゴトヤッテクルと言わんばかりの星空を知ってしまっているから
今年の規模と時間ではちょっと物足りなかった。
 
 
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 ↑あまりに凄まじかった、2016年の星空↓

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帰り際に近くを通ったテントでは、ビールを飲みながら昔のアニメの話をしていた。
いなかっぺ大将を歌ったりして楽しげである。オイサンと似たような世代であろう。



何時ごろ眠りに落ちたか思い出せないが、就寝。
なにもない、盛りだくさんな一日であった。
 
 
 

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2017年10月14日 (土)

■しゅまりない旅情2017~2日目(1)~ -更新第1163回-

 
美しき朱鞠内、2017年8月の訪問録。
その2日目。


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1日目は羽田から旭川に飛び、そこで立ち寄るハズだったcafe花みずきさんが夏休み中で肩を落とし、
次いで向かった深川駅ではコインロッカーが撤去されていて往生するも
地元のお店に受けたご厚意に在り難く思い、
そこから朱鞠内までの長いバスの車窓に流れる風景を楽しんだりしました。

そうしてたどり着いたお宿、「レークハウスしゅまりない」さんから2日目はスタート。
2016年夏にもお世話になった、ステキ&ミステリーなアウトドアお宿です。



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●○● 2日目 8月19日(土) ○●○

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■04:00~10:00 起床~早朝の朱鞠内湖畔~朝ゴハン



・起床は4時過ぎ。日の出がそのくらいだったから。
・湖畔に出てみるが、霧が立ち込めていてほとんど何も見えない。霧なのか靄なのか。
・さ、寒い! 長袖を着て出てこなかったのを後悔する。
・水辺まで来て、日が昇り、霧靄が晴れるのを待つ。ストレッチをしたり、写真を撮ったり。
 自分の立つ畔から目と鼻の先にあるはずの島のシルエットさえ見えない靄の濃さ。去年より濃い気がするな。
・しばらくすると、日が昇り始めたのか、灰色だった靄がオレンジとも金ともつかない色に染まって来る。
・昨年よりも風がなく、湖面が穏やかであるように思う。
 靄の向こうに上った太陽がそのまま水面に映っている。靄が濃いせいで周りは見通しにくいけど、
 木々が影絵みたいになって、一風違った幻想風景になっている。
 NHKの影絵絵本の番組に迷い込んだようである。


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鬼のように明るい文明の利器・自動販売機


・何をするわけでもなく、見るわけでもなく、6時前までその場であたりの様子を見守っていた。
・足元に、釣り人が捨てたのか、忘れて行ったのか、はたまた魚に持っていかれたのが打ち上げられた物なのか、
 明るいオレンジ色の浮き球が転がっていて、そこが自分の立っていた場所の目印になった。
 滞在中この先何度か湖畔に立つけれども、毎回何となくそこを気にかけてしまった。
 こういうときに変な縁が結ばれ、思い入れが生まれる。思い入れはドラマを生む。
・丘の方が先に靄が晴れて視界が開けてくる。見覚えのある、変わり映えのしない景色。
・昨年よりも霧が濃いのは風がないせいだろうか。湖面が静かで島や太陽がきれいに映りこんでいる。


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・朝ゴハンは7時30分。まだ6時なので一旦部屋に戻り、軽くジョギングに出かける。
 昨年は6kmほど先の展望台まで行ったが、今年はそこまではいかない。三股までで帰って来よう。
 マそこまでも行ったところでなにもないけど。
・朱鞠内湖の近くにはダムがある……ということはつまり、そこそこ高さのある場所だということだ。
 つまり、上り下りが結構あるのである。ジョギングには不向き。だが!
・結構な坂を下り、上る。それだけのジョギング。帰り道に、ダム近くにある展望台をちょっとだけ覗く。
 昨年はあまり大したことのない眺めという印象だったけど、今見てみるとそう悪くもなく美しい。
 何か変わっただろうか。
・お宿に戻り、シャワーを浴びる。ボイラーは動いていないが、風呂の湯は余熱でまだ暖かいのを知っている。
 昨年もそうだったからな!
・さて朝ゴハン。昨夜の晩ゴハンに負けず劣らず、朝ごはんもおいしいんだここは。
 誰が主となって献立てを決め、調理をしているのか。また今回も聞きそびれてしまった。次回聞こう。
・お宿に、色々と聞きたいことはある。主たる管理者は誰で、トータルコーディネイトは誰のセンスなのかと。
 今回のオサレセンスに移行したのは誰の発案で、昨年までの謎めいたセンスは誰の物だったのかと。
・朝ゴハン、ひと品ひと品はありふれているのに、全部やたらと美味しい。
 美味しい無言の悶絶ダンスを一人で踊りながら喜びにむせかえる。
 テレビには、NHK朝のニュースから、連続テレビ小説。
・隣では昨晩のご家族がゴハンを食べている。
・食後は、ネスカフェの自動コーヒーマシンでエスプレッソ。まあ特別ではないが、うめえ。
・テラス席に近いと虫がたかってくるのはいただけぬ。が、こちらの方々はさほど気に留めていないご様子。
 慣れているのか……。虫は友だち、怖くないのか。


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三股近くにある標識

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ダム展望台からの眺め
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地獄から来たのではと思うほどおいしい朝食


・コーヒーカップを持ってテラスに出るなり、その心地よさに死にそうになる。
 ……これだ。これである。
 昨年、この時間に完全にやられて、私は今年もまたここにいる。この空と木々と湖と空気。
・テラスからは、少し離れたところに湖の水面が見え、そこまでの足取りを導く低い木々と、
 草と砂利の敷かれた小道が延びているのが見える。
 ところどころに枝の疎らな背の高い木が、なにかの目印のように突き出している。
 空を支えているようにも見える。
 もう、ふっと、ふっと自我を忘れそうになる。自分の色とか形とか、

 風と空が、香り立つ色気を立ち上らせている。
 何もない、確かに見る人が見れば何もない場所であろうけれど、これだけ誰が主役でもなく、
 木々に空に石に草に、それぞれのありようを空気が繋いで、その濃さが色気を放っている場所を、
 自分は知らない。

 ボンヤリ景色を眺めたり、思い出したように写真を撮ったり、立ち上がって歩いたり、ストレッチをしたり。
 ハタから見たら「何やってんだ、何かしたらいいのに」と思われそうだけれども。これをしたくて来た。
 人としての心や体が限りなく薄まる、透明になるカンジ。
 初めて北海道に来たころ、美瑛で感じた、世界と浸透圧が同じになるカンジがここにまたある。
 自分の中と外との境目があいまいになって初めて感じられる「自分がここにある」感触、実感。
 虫か鳥かになったような気持。来年も来ちゃうなこれ。
 
 
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 テラスからの眺め。
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 インスタ映え
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・食堂の方では、お隣のご家族が、奥さんとお子さんは先に先に部屋に引っ込んだのかもうおらず、
 旦那が一人でハンモックに揺られながらタブレットをたぷたぷしていた。
 うんうん、ホリデーイを満喫すればいいよ。

・テラスからちょっと建物を回り込んで裏手を覗き見すると、切り蓄えられた薪に混じって
 謎の将棋盤があったりする、この謎さ! これだよ、このご愛敬。
 これが好きなんだけどな(無茶を言うな)。
 新ルール、水滴将棋の研究中なのか、或いはこの将棋盤も、やがては薪に姿を変えるのか……
 全く捨てられずにここに置かれていることに、若干の含みや文学性を感じてしまうのは
 物書きの悪いくせなのか(おかしな妄想癖を物書きのサガにするな)。


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・このまま森の気配にほどけていってしまってもいい……お腹が空かないのなら、このまま朽ち木みたいに
 乾いてボロボロになってもいいくらいだ。
 ……がそうもいかんので、一念発起して身支度を整え、再び湖の方へ出向く。楽しまないとな。

・尚、今回は3DSを持ってきたので、湖畔で『ドラクエXI』を遊ぶという贅沢をやる予定。
 はたしてどんな気持ちになるもんだろうか。上手にプレイできるかしら。
 
 
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■10:00~13:00 朱鞠内湖畔にて~遊覧船



・実はこのときカメラのレンズキャップが見当たらず、朝出たときに落としたかなとちょっと慌てた気持ちで
 歩いていた。大変惜しいことをした。
 結局キャップは朝着て出たシャツの胸ポケットに入っていたのだが、その些細な執着が自分の心を
 固定していたのがこの旅の心残りになってしまった。

・このレンズキャップ、先の猪苗代への旅でも実家に帰省した折も、「実はこの黒い丸いのが7000円するw!」
 というのをネタにしていたために、「7000円分落っことしてしまったか」と……しょうもないとらわれ方を
 してた。純正品でなければもっと安く買えると思うんだけど、とてもしょうもない、
 とてもとてもしょうもない執着であり、なんかこういうのにとらわれてちっちゃくなってしまう自分
 やっぱかわいいな、などと思えた一幕だった。案外大事なファクターだったと思う。

・クロアゲハ(のちにカラスアゲハとか、ミヤマカラスアゲハだということが分かる)の類がたくさん飛んでいる。
 ここに限らず、後に訪れた美瑛でもだったけど、今年は昨年よりも蝶の類を多く見受けたように思う。
 バッタは少なかったな。去年はバッタが多かった気がする。確か。

・宿を出るとき、恐る恐る聞いてみた。「お昼のランチは……やってないんですよね?」

・そうである。公式サイトには「土日はランチ営業」と書いてあるにもかかわらず、
 なぜかこの時期にはやっていないということを、オイサンは昨年学んだのだ。しっているぞ!!

・……それを今年は知っていたので、今年はちゃんとお昼ゴハンをある程度用意してきたのだ。
 深川で、パンとソバの実入りおにぎりを買い求めてきたのはこのためだ。

・尚、イザ何も備えがなくても、町の方(湖から4㎞弱あります)まで行けば商店が一軒だけあり、
 そこでパンやカップ麺を売っています。
 昨年はそこでパンを買って飢えをしのいだのであります。
 窮状を訴えれば、カップ麺にお湯を入れてもくれますw

・しかし今年は聞いた相手が良かったのか(昨年はご主人の方に聞いた)、
 「時間を言っておいてもらえたら、お任せで良ければご用意しますよ。おそばになると思いますけどw」
 と、なかなか軽妙なお返事が返ってきた。サプラーイズ。
 というわけで、せっかくなので13時からおそばをいただくことにしました。パンとおにぎりどうしようw
 
 
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・ところで、湖に向けて歩き始めたところで少し不安になった。歌が聞こえてこなかった。

・朱鞠内湖畔には歌が流れている。宗谷岬でかかる『宗谷岬』や、えりもの『襟裳岬』と同じように、
 朱鞠内湖にちなんで作られた歌である。なんてことのない歌謡曲なのだが、
 昨年訪れたとき流れていたその歌を聴いてすっかり気に入ってしまい、
 帰ってから音源を手に入れようとネットなどで色々探してみたところ、動画はおろか歌詞も曲名も、
 影のしっぽもつかめないありさまだった。
 いまどきネット上にこんなに情報のない物もまだあのかと感心してしまうほどだった。

・その歌は、記憶では、遊覧船のチケット売り場にあるスピーカーから延々、朗々と
 流れていたような気がしていたのだが、どうもそれが聞こえてこない。
 もしかして流すのをやめてしまったんだろうか。この歌について話を聞くことも、
 今回の再訪の大きな目的のひとつであったというのに。

・とはいえ、その為だけにチケット売り場へ突貫するわけにもいかない。
 どうせあとで遊覧船にも乗る気でいるので、チケットを買うときにでも聞いてみよう。
 水際でぼんやりしておった。

・ところで今年はキャンプ客が昨年より多い気がする。5割増しの印象。
 昨年は2つの台風のハザマで奇跡的に雨ニモ合ワズ、飛行機トラブルにも遭わずという日程だったから、
 キャンパーさん方はその時期を避けていたのかもしれない。
 嵐の中でテントを張りたいキャンパーもいないだろう。……それを思うと、キャンパーという人種は、
 ワイルドでネイチャーなようでありながら、天候に関しては普通の旅人よりも
 文句の多い人種であるかもしれない。普通に宿をとる旅人であれば、雨を歓迎することはないにせよ、
 致命的とまではいかないであろうから。

・ちなみに、朱鞠内湖の遊覧船の就航時間は不定気のようである。そもそも乗る人間が多くはないのだ。

・昨年は、オイサンが乗船希望した時は客が一人だけ(すなわちオイサンのチャーター便である)で、
 さすがにそれでは出せないというのでしばし待ち、もう一人、一人旅のオッサン(ジイサン)がやってきて、
 ようやく就航の運びとなったのである。
・とはいえ、ときによっては一応定期というか、就航時間を定めている場合もあるようだ。雰囲気経営。
・「それだって赤字だ」と、キャプテン(=遊覧船の船長)に愚痴をこぼされる始末であった。しらんがな。

・船内に16人程度、船外のデッキに8人程度乗り組める計24人程度の遊覧船「うきしま」であるが、
 満席になることなどあるのだろうか? 今度聞いてみよう(失礼な質問)。

・だがオイサンは思う。
あの遊覧船のキャプテンとして働いて暮らすこと、
 あのチケット売り場で発券係として暮らすことを夢に見る。

 なんと素晴らしい人生じゃないか。

・尚、キャプテン=遊覧船船長は、50代そこそこの色黒で斎藤洋介のアゴをすこしつづめたような
 個性派俳優風の趣のナイスガイである。
  ※尚、斎藤洋介の名前が分からなかったので「俳優 シャクレ」で検索したら、
   ドあたまに斎藤さんの画像が出てきてしまったのでちょっと申し訳ない気分になった。
 チケット売り場(といっても、四畳半もなさそうなプレハブの掘っ立て小屋だが)を仕切るのは、
 60代前後の昭和パーマのおばちゃんである。おばちゃんはキャプテンを「船長」と呼んでいた。
 なんかよい雰囲気の二人である。どちらもとても健康そうで歯と目がとてもきれいで若々しい。
 年齢はオイサンの見立てだが、実はもっと年齢いってるけど若く見えているという可能性が高い。

  ▼遊覧船に乗る

・オイサン、そうして湖の岸辺で水と風と空と戯れておりますれば(美少女か)、スピーカーからアナウンスが
 流れた。「間もなく、遊覧船うきしまが出航します……」。おお、まじでか。たぶん、乗船希望者があったのだな。
 誰かが乗ろうと希望を出すと、こうしてアナウンスで他の乗客を募るのである。
 コレはいかん、ボヤボヤしていられなくなった。これを逃したら次はいつになるか分からない上に、
 また少人数で乗ることになってキャプテンに「赤字だ!」とボヤかれかねない。知らんがな。
 砂利の地べたに下ろしていた腰を上げ、ザクザクとチケットオフィスへ向かう。

・しかしなんだな、
 もしオイサンが白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女だったら、
                 相当絵になっているであろう
な。
 あまり絵になり過ぎても困るので神様がバランスをとったせいで、
 残念ながらオイサンは白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女ではないのだけれども。
 大マケにマケて白いワンピースと麦わら帽子の似合う
                アラフォーのオッサン
である(SSレア)
 世の白いワンピースと麦わら帽子の似合う細面の美少女好きな男子諸君、残念だったね。
 神を恨み、来世に期待しようではないか。

・そういえば、近くに見えている島の浜辺には、ポツポツと人影やテントのような影が見受けられる。
 ひと影の方は、眺めていた限りでは全く動かなかったので木か何かかもしれないが、
 釣りをしているならそういうこともあるだろう。
 船であちらへ渡って、あちらでキャンプを張った人たちだろうか。そういうことも出来るのかと
 勝手に納得していたが、実はそうでなかったことが、このあとキャプテンとオペレーターから明らかにされる。

・チケットオフィスです↓。
 
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・豪華客船うきしまです↓。
 
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万国旗が華々しいですね。グローバル化戦略。国旗のチョイスは誰のセンスだ。

・チケットを買うとき、キャプテンとオペレータと軽く雑談。去年もここに来たんすよと話すと
 「去年も乗ったの?」と尋ねられる。年をまたいで二度乗りに来る人間がは珍しいのか、乗ったと答えると
 若干ポカンとされたか引かれた気がする。

・歌の話は、航海から無事に戻って来られたらにしよう。転覆死亡事故とか起こったらここじゃ大事件だろうな。

・同乗者は70代くらいの老夫婦。ここまでは車で来たのだろうか。自分入れて3人。君たちとは同じ船の仲間だ。
 長い旅になる、仲良くやろう。乗船時間はおよそ35分です。

・ちなみに遊覧船の料金はひとり1000円である。リーズナブル。しかし独りだからいいけど、
 これが家族5人でだと5000円になるわけで、それだとちょっと高く感じるかも知らんな。

・同乗のお二人に、どっから来たのかくらい聞けばよかったな。

・昨年一緒になった栃木から来たというおじさんは、ヘルペスにやられて片目が見えない人だった。
 2年前にも朱鞠内に来たことはあるらしいのだが、そのときは遊覧船に乗らなかったので改めて乗りに来た
 と言っていた。大好きか。パワフルな人で、今回の渡道は車中泊で6日目、
 熊本の地震のときには長崎にいた、みたいな話をしてた。

・昨年は最初船内にいたのだが、途中からデッキの方に勝手に出た。もしかしたらデッキにいるときは
 ライフベストくらい着なきゃいけなかったかなとか、動いてる最中に勝手に出ちゃまずかったかなとか
 あとから思ったので今年は始めに聞いてみた。

  オイサン 「コレ、外出てていいんですか?」
  キャプテン「ああ、お好きにどーぞー」


 自己責任である。自然界は厳しい。海の男はやさしくないのだ。海じゃないけど。まあ多分キャプテンは、
 こちらがウッカリ落ちようものなら慌てて飛び込んで助けてくれるだろう。甘えとかではなく、
 そういう人っぽい気がする。

・昨年と殆ど同じ日取り、全く同じ場所、全く同じコースの遊覧船である。となれば、そんなに新しいもの、
 違う景色が見られるという期待があったワケはない。そりゃそうだ。大人ならそんなのどうかしてるよ。
 しかし、予想してたのと全然違う、昨年とは全く異なる風景が見られて、オイサンは大層びっくりしたのである。
 
 
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・昨年の島の様子などをつぶさに覚えているわけはないのだが、なにぶん今年は風がない。湖面が静かなのである。
 そうするとどうなるかというと、湖面に、雲や島の姿がまるまる映し出され、
 上と下とで合わせ鏡のような世界が現れた。ここまではまあ、分かる。さっきまでも湖畔から眺めていて、
 ああ美しいなと思っていた。その上を船が走ると、起きる引き波が規則正しくその像を乱して、
 えも言われぬ面白い紋様を湖面に作り出していったのだった。鏡のような湖は見たことがあったが、
 自分の走った後がクルクル変わる、万華鏡のような湖と言うのは初めてだ。素晴らしく面白い。

・それを見てオイサンは、思わず立ち上がって歓声を上げてしまった……が、
 ご一緒だった老人夫婦にはさほど響くものはなかったらしく、オイサン一人で浮いてしまった。浮き島だけに。
 ヘイヘイ老夫婦、お前らもっと喜べよ。テンション低いぞ(照れ隠し)

・しかしその老夫婦も、旦那の方は後半慣れてきたのか立ち上がり、タブレットでぽちぽちと
 写真を撮っておられた。なかなかラヴいご夫婦で、旦那はこまめに奥方の写真も撮っておられた。
 アラアラアラごちそうさま、オホホホホホ、お邪魔だったかしらァ?(ガチで言ったらしばかれるやつ)
 でも真面目な話、二人で乗りたかったのかも知れないな。すまないことをした。
 ごめんなあ、オッチャン空気読まれへんでごめんなあ。
 
 
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・ところで、島の近くを船で走ってみて分かったのだが、先ほど対岸から見えた人影のようなものと
 テントのようなものは、やはりただの枯れ木、朽ち木のシルエットであった。
 テントのように見えたのは、根元だけが大きく残った朽ち木の株。
 キャプテン曰く、
 「今年は雪が少なくて水も少ないもんだから、去年は見えなかった切り株とかが、下の方まで
  出て来ちゃってるよ。島もすこし大きくなっちゃって」
 とのこと。なるほど、さすがグレートネイチャーさん。昨年と同じ場所、同じ時期でも、
 見た目の同じ年などないということか。学んだ。

・遊覧は、本当に30分もあったのかと思うほどあっというまに終了する。
 違うコースや、もっと大回りのコースなんかもあるといいのだが。ダメなんだろうか。
 船着き場に戻り、船を係留するキャプテンの鮮やかなロープさばきになんとなく感心する。なんかカッコイイ。


  ▼『しゅまりない旅情』について

・チケットオフィスで、オペレーター(おばちゃん)とキャプテンと話をする。
 昨年も乗ったこと、台風だったこと、こちらの気候は涼しくて過ごしやすい、すばらしい、東京の気候の話、
 こちらの環境の良いのにすっかりやられてまた来てしまったこと。

・東京はゴミゴミして暑くてしょうがない……という話をしていたときの、キャプテンが言い放った
 「でもさ、電車の中はクーラーがかかってるんでしょ?」という質問の素朴さが色々と物語っているようで
 オイサンのハートに刺さった。キャプテンは萌えキャラ。
 是非いっぺん夏の東京来てみて下さい、それはそれで面白いと思うんでwとオススメしておく

・サテ。本題。肝心の歌の話である。
 この、いまスピーカーから流れている歌はなんという歌で、誰が歌ってて、音源はあるのか? と。
 昨年来た時に気に入ってしまって、帰ってから調べても何も見つからないのだと。

・「むかーしの歌で、ドーナツ盤は出たけど。もう絶盤になってて、残ってるだけしかないよ」
 「歌手は有名なんだよ。ボニージャックスが歌ってる」というので、
 「そのドーナツ盤の残りとやらはどこかで手に入るんですか?」と尋ねたら、
 「ここにあるよ」とww非常に雑にwww書類棚の書類の下から出てきたww
 敷物みたいにされてんじゃないですかww売り物www何枚かあったけど、何枚あったかわからんw

・「いくらなんですかw」「1000円」「下さい」「買うのw」「ありがとうございますw」買っちゃった。

・「プレーヤー持ってるの?」
 「無いっすw」
 「w」
 「だから、買いますけど、いまスピーカーから流れてるのを録音して、それ帰って聴きますw」って言ったら
 二人ともに「何を言ってるのか分からん」「ぜんぜんわからん」という顔をされたw。ジャガーさん。

・「うん、でも、これいい歌だよねw」と笑ったキャプテンの顔が大変良かったです。
 日に焼けた 漁協男の 良い笑顔 

・それから、チケットオフィスの掘っ立て小屋のすぐそばで歌の録音を始めた。
 録音に使える道具は手持ちで3種類。
 カメラの動画撮影機能と、スマートフォンの動画撮影機能と、同じく録音アプリ。
 このカメラで動画撮影はほぼやったコトがないので、果たしてどれが一番優秀なのかワカラヌ。
 とりあえずテストしてみて、明らかに差が出るようならそれで持って帰ればいいし、
 ダメなら全部で録って帰ればいい。
 曲の長さは3分くらいだから、先ずそれぞれの道具で1回ずつ3回、あとは本番が1回になるか、3回になるかだ。
 途中で失敗したらやり直しだけど、マ別にそんな大層な精度は求めない。
 雑音が入らないように! なんて期待していないし、なんならそれらしい雑音が入ってくれた方が
 それっぽくてありがたいくらいだ。2、30分もあれば終わるだろう。
 
 
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 ここでカメラを構えて30分粘っていた(ホンマなにしてん)。
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・結論から言うと、カメラの動画撮影機能が一番しっかりと音を拾ってくれた。
 やる前の予想では、スマートフォンのどちらかの機能が優秀であろう、と思っていた。
 理由は、スマートフォンは曲がりなりにも電話であって、マイクは彼の本業、主機能の一部として
 実装されているものだから、である。

・それに比べて、オイサンのカメラはとっても高い良いカメラではあるが、本業は静止画カメラであって、
 動画撮影は本業ではないから……と思っていた。
 つまりスチルカメラの動画機能なんてオマケ程度だと高をくくっていたわけだが、結果から見ると
 RX1さんの動画機能の圧勝だった。あの距離と風と雑音の中、素晴らしいくらいに音を拾ってくれていた。
 7千円(※)の本業と、20万円のオマケでは20万円のオマケの方がパワフルパワフルだったわけだ。
 マつっても、スマホのマイクもそこまで遠くのものを拾える仕様にはなっておらぬであろうし、
 あんまり悪し様に言ってやるのも気の毒ではあるが。

  ※オイサンのはドコモのなんやらサポートのおかげでそのくらいのお値段で買えてしまったのである

・時間的にはいろいろあって、30分くらいかかってしまって、あんまりいい具合には録れなかったが。
 マこんなもんであろう、という感じにはなったのでよしとする。

・そんな風に、いい歳をしたオッサンが日陰もない炎天下で30分余り、
 カメラやらケータイやらをスピーカーに向けて突っ立っていたわけだが(旅行中になにやってんだ)、
 15分ほど経った頃だろうか、
 次の航海に向けて待機中であったでハズのキャプテン(その間客の姿はない)がほったて小屋から出てきて、
 近くに停めてあった車に乗り込んでいった。
 客があまりにいないからどこかへ出かけるのだろうか? しかし車は一向に発進する様子がない。
 まあこちとらはアルバムリリースに向けたレコーディング作業に忙しかったので
 さほど気にも留めていなかったのだが、しばらく経っても車はとうとう走り出さず、
 キャプテンはそのまま運転席から降りてきた。

・キャプテンは私の方に歩み寄ってきたかと思ったら、「ラジカセは持ってる?」と訪ねてきなさった。
 厳密にはラジカセは持っていないのだが、ラジオの受信機もカセットを再生する道具も所有していたので
 あると答えると、キャプテンは手に持っていた、懐かしい濃いグレーのマクセルの90分テープを
 オイサンに渡してくれた。

・「あげるわ。いま流れてるのとおんなじ曲がぐるぐる回るだけだけど」
 「え。めっちゃ嬉しいんですけど、もらっちゃって大丈夫なんですか?」
 「だいじょぶだいじょぶ、今のがあるし、スペアはあるし。テープ伸びてるかもしんないけどw」
 
 
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・お宝ゲットだぜ!!(ハイテンション)

・……もらってしまった(冷静)。42にもなって、知らない人から何をもらっているんだオレは。

・一体なぜここまでしてもらえるのか。モテ期なのか? いや、多分、「せっかくの旅行中になにやってんだ」
 と思ったのだろう。言われてみれば、この炎天下の30分あまりのせいで、えらく日焼けが進んだ気がする。


そんな苦労をして録音した結果がコレ↓である。
初めて動画編集なんてものをやったので、雑なのは大目に見るがいい。
画像は音とシンクロしておらず、同日の夕方録ったものである。
場所は、チケット小屋からは少し離れているが、湖畔であることに変わりはない。





・今回は他にも、手漕ぎボートに乗ろうというカップルや、ご家族づれもたくさん見かけた。
 なるほどそうだなあ、次回はオイサンも、手漕ぎボートくらい乗ってみようか。やったことないけど。
 道東に行ったらカヌーイングとかにも手を出してみるか……。

・そうしてお宝をゲットし、時刻が13時に近くなっていたので意気揚々と一旦お宿に帰る。
 朝たのんでおいたお任せランチは予告通りおそばであった。朱鞠内の属する幌加内町はおそばの産地で有名。
 深川からここまでバスで上がってくる途中、広大な白いおそばの畑をいくつも見た。
 ここでは機械で打っているとのことですが、しっかりした十割そばです。おいちい。
 おそばもさながら、そばつゆをどういうアレなのかが気になる。
 
 
 
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 幌加内名物、おそば
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レークハウスしゅまりないのご尊顔。ヘンな顔してるでしょ?

……といったところで、えらく長くなってきたのでここで一旦切る。
午後の部では新しい出会いがオイサンを待っています。
キャプテンは斉藤洋介似のナイスミドル、なんならロマンスグレーでしたが、
午後の部の新キャラは
     春風亭昇太とビビる大木を足して2で割った感じ
の若者です。
声がでかい。
 
 
 
 

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2017年10月 8日 (日)

■しゅまりない旅情2017~1日目~ -更新第1161回-

2017年、8月。
昨年に引き続き訪れた、北海道・朱鞠内の旅もようを淡々と綴ります。
その1日目。


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■■■━ 1日目 8月18日(金) ━■■■
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▼関連地図





■05:00~12:00 最寄り~羽田~旭川・cafe花みずき


・朝、チョイ出遅れて空港バスにギリギリ。
 珍しく南町田を経由するルートのバスはかなり満員だったが、自分の隣は空いていた。

・空港には6時15分頃着。フライトは7時50分。
 バスに預けた荷物がなぜか横向きにされて出てきたのでイラリとする。

・チェックイン時に座席を変える。
 もともと窓側だったがすぐ後ろの席に「お子さんを抱いてるマーク」がついており、
 やかましいと辛いので、空いていた別の窓側に移してみた。
 結果的には変更後の席も後ろがお子さんだったのであまり変わらなかったことになる。

・荷物を預け、郵便局のATMでお金を下ろそうと思い彷徨う。
 ゆうちょのATMは自分の搭乗口から最も離れたATMコーナーにしかなく、
 はるばる赴いたのにオープンは7時からで結局使うことが出来なかった。波乱の予感。

・天候は曇り。
 展望デッキを一回りしたが特に目新しいものはなかった。
 が、地味にごみ箱が目立たないつくりになっていることに感心する。

・朝ゴハンにうどん。ンまい。
 そういえば今回の旅では麺類を、ことにうどんを食べることが多かった気がするな。
 
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 タンチョウの群れ

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 ウドンヌ

 
Dsc05502  大変目立ちにくい工夫のされているデッキのゴミ箱



・搭乗からフライト、ランディングまで、これといった出来事はなかった。
 隣の席は普通のオッサンだったが、着陸して席を立つとき、
 尻の下から備え付けのイヤホンを敷きっぱなしになっていたことが判明した。
 ムウ、これがJKだったらコッソリ持ち帰ったのに(へんたいです)。

・今思えば、行きに印象に焼き付いたのがオッサンのケツだったのには意味があったのかもしれない……
 どういう意味かは最終日の戻りのフライトで明らかになる。

・旭川空港での荷物の出は早い方だったと思う。

・機内が満席であったので、市内行きのバスが満席になると面倒だ……と、
 急ぎ目にバス乗り場へ向かうが、どうやら旭山動物園へ直行するバスに乗る人の方が多いようだった。
 なるほど、最近のトレンドはそうか。お陰で市内行バスはほどほどにゆとりがあった。

・オイサンが初めてここを訪れた13年前は、まだ旭山動物園がフィーバーする前だった。
 フィーバー前の姿を見て置く良い機会であったかもしれない。惜しいことをした。

・バスの中でも然したるデキゴトはなかった。
 昨年は日テレのクルーとレポーターがカメラを持ち込んでいて、やかましく動き回っていたのだ。
 
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・旭川駅には10時には着けるかなと思っていたが、バスの出発が10時だったので10時40分。
 荷物を駅のロッカーに入れ、ATMでお金を下ろす。
 予定ではこのあと、cafe花みずきさんに向かうことにしているが、問題はその滞在時間。

・予定では12時のライラック号(列車)で旭川を離れて深川に向かう予定なので、旭川の滞在時間は
 1時間半弱になる。お店にいられる時間が30分を切ることになりそうだったから、
 電車を1本、13時まで遅らせようかと思案する。
 次の目的地・深川でやれることが減るが、それは明後日、戻ってくる時でもいいかもしれない。

・指定券も乗車券も、どうやら自販機で買えるらしい。
 みどりの窓口のおねえさん、手間をとらせてすみませんでした。
 ひとまず電車の切符を買うのはおいといて、お店に向かいがてら考えることにしよう。

・……ら、お店が休みでした! 愕然と、手土産の袋を取り落とすアラフォーです。
 腹いせに店の周りのお写真をいくらか撮る。
 
 

 

・しかしそういうことならと気持ちを切り替えサッサと折り返す。
 エキナカでソフトクリームを食べて時間をつぶす……っていうか、それでももう
 つぶせるほど時間は残っていなかった。ワリといっぱいいっぱいだ。

・大体、こっちの列車は、出発の10分15分、早い時には20分くらい前にはホームに入っているから、
 早めに乗ってしまった方が良い。

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 思わず取り落とす手土産


■12:00~14:30 旭川~特急ライラックで深川、深川あたりを徘徊する。

・ライラックの自由席は北海道の列車と思えないくらい満席だった。
 おお、列車の利用客がこんなにいるのか。まあ深川までは30分もかからないほどだから、
 立っていても良いくらいではある。

・前の座席の背もたれのところに、チケットポケットがついている……ちょっとしたいたずら心。

・などと遊んでるうちに深川到着。本当にすぐだ。

・深川駅、到着。ホームで写真を撮る。
 軒下に下げられていたオリジナルの風鈴が非常に良い味を出している。
 下の部分が使い古しのテレホンカードというのがまたいい。

 

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 アソビゴコロ
 
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・駅を出てみると、ハテ、そこにあるはずのコインロッカーがない。しばしの捜索ののち、
 恐る恐る掃除のおばさんに聞いてみる(そして掃除のおばさんは駅員さんに聞いてくれた)と、
 「ないですね」のひと言。そ、そんな筈は! 駅周辺のコインロッカー調査サイトを調べてきたのに!
 サイトをもう一度チェックしてそれらしき場所を見てみたが、どうも撤去されたあとらしい。
 念のために駅併設の観光案内所でも聞いてみたが、「利用者数が少ないので、撤去した」と、
 より詳細な答えが。丁寧に「申し訳ありません」と頭まで下げてくれる。
 イヤ、別に怒っているワケではない。困っておるだけなのです。

・とりあえず、現時点ではいかんともし難いのでとりあえずゴハン。
 スープカレー屋か、地元でも有名っぽい食堂のどちらにしようか迷っていたのだが、
 駅の紹介コーナーで目立っていて、かつ地元の食材をがっつり使った天丼が美味しそうだったので、
 食堂の方へ向かうことにした。
 あと場所が近い。荷物が置けなくなってしまったのでこの要素はでかい。

・自分のような公共の交通機関だのみで歩きが主体の旅行者には、
 コインロッカーや手荷物預かり所があることはひとつの生命線と言っていい。
 それがないと、場合によっては大荷物を引きずって観光をしなければならなくなる。
 勿論そんな状態では落ち着いて楽しい観光など出来はしないので、
 それがないことによって、自然と訪問対象からははずれていく。

・深川は、そばの実を混ぜ込んだ「そばめし」と、深川近辺で育てた豚・鶏のお肉で押しているらしい。
 食べたのは深川ポークと野菜の天丼。ウム、美味しい。

・店員さんの対応がいちいちたいへん丁寧。
 ……それはよいのだけれども、
 「普通のお水と水素水がありますが?」「普通のお水で」「えっ? あっ、はい」
 ……と、何やら「コレは予想外!」という反応をされたり、セットの飲み物をいつ持ってくるか聞かれ、
 「食事と一緒に」とお願いしたらやはり軽くびっくりされ、そして出てくるのは食後! という、
 「要望は、聴いてはやるが、かなえてやるとは言ってない」システム
 徹底されているのは正直どうかと思った。イヤ面白かったからほっといたけどw

・しかし水素水については、
 特になんの効果もないだけで害があるわけではない、つまるところただの水と何ら変わりないのだから、
 過剰に毛嫌いして絶対飲まない! となるのも、ソレはソレで違う気がしてきた。
 メリットがないにせよデメリットもないのであれば、別にそれが出されるなら飲んでも構わないのだ。
 なんかこう、「飲むことに因ってオカルトに魂が穢される!」みたいな気持ちになるのも、
 それはそれでオカルトの温床であり思うツボではあるまいか、ということに、今回気が付かされた。
 ありがとう深川! そんな感謝があるか。

・店の出しな、お店の人に、近隣に荷物を預けられそうな場所がないかとを尋ねたら、
 店の事務所で預かってくれるとおっしゃる。
 これはありがたい……。対応のおかしな面白レストランだとか思っててすみません。
 しかし、明後日また来た時も同じように甘えるというワケにいくまい。別な方策を考えねばならない。

・深川 → 朱鞠内のバスの、出発時間は14時25分。
 食事を終えた時点で13時を回っており、荷物を預かってもらいはしたものの
 あまりノンビリしている時間はない。明後日のためのリサーチくらい。

・良さゲなパン屋さん、良さゲな喫茶など、駅前になかなか魅力的なスポットも見つかる。
 スープカレーの店も案外近かった。なかなか過ごしやすそうな町という印象。深川。

・目についたのは、ホビーヤスオカ。
 うっかり踏み込んでみたところ、プラモ、フィギュア、ミニカーなどの品ぞろえがステキ。
 塗装テクニックを解説した古い同人誌『Keiちゃんの模型塗装ガイド基礎編』や
 『ヨコハマ買い出し紀行』のココネのフィギュアなど、レアっぽいものも。
 何も買わずに出るのも申し訳ないが、いま買って帰れるようなものもない……と思ったところに、
 タミヤのクリアファイルが目についたのでそれを買って帰ることにした。

・あと、ソフトバンクショップが一軒あり
 「他店圧倒の価格政策!」みたいなノボリを立てて気炎を上げていたのだが、
 少なくとも歩いた範囲にキャリアのショップは見当たらなかった。すでに焼野原なのか。

・石狩川にかかる橋のところまで行ってみたが、そこでタイムアップ。

 

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 ホビーヤスオカ。

 

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・荷物を預かってくれたレストラン・ふじ屋さんへの帰り道、
 明日のお昼用(宿がランチをやっていないことが予想される)にパンをいくつか買い込む。
 ふじ屋さんで見た、そばめしお弁当がどこかで買えればと思うが。

・ふじ屋さんで荷物を回収し、バスの来る駅前へ。ここからはバスで2時間の長丁場である。
 飲み物を確保し、観光案内所で切符はバスの中で買えばいいのか確認。

・観光案内所で、そばめしおにぎり弁当が売られていたので購入。

・バスの時間を乗り場で再確認していたら(バスは既にスタンバっていた)、
 運転手と思しきオジサンがクルマの陰から現れて、「25分発なので20分には開けます」と教えてくれた。

・暇に任せて、この先2時間続くバスのロングライドに備えてストレッチといち姫撮影。

・ちなみに、明後日の荷物の預かりについて、某所でヒミツの交渉をした結果、
 あることを条件に預かってもらえることになった。
 その某所で窓口担当ご婦人に「その明後日まではどうしているのか?」と聞かれたので、
 朱鞠内まで行く旨を明かすと
 「そのバス路線、うちの息子が運転手をしているわw今日はシゴトしてるのかしらww」
 とほっこり情報をくれた。ホッコリ。

 

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■14:30~日の終わり 深川からのバス~幌加内~朱鞠内~宿・レークハウスしゅまりない

・14時25分、バス搭乗。乗客は自分を含めて4人。

・同乗したお友だちらしい老齢のご婦人二人、片方がゼエゼエと咳をし始め、
 もう片方がカバンをまさぐり始めたから飴でも出すのかと思いきや、マスクを取り出して自分ではめた。
 まずは自分の命を守る。

・走り出して30分もしたら、他の客は皆降りてしまって客は自分だけになった。

・バスは幌加内で一旦終着し、そこから名寄行きになる。オイサンはその途中の、朱鞠内で降りる。
 幌加内で停車中、運転手さんにどこまでいくのか尋ねられ、朱鞠内の三股までだと告げると、
 その場で先に料金を計算してくれた。そして、1000円で1100円分使えるボーナス回数券を教えてくれて、
 100円オトクに乗ることが出来た。素晴らしいサービス。
 なぜか、その回数券の表紙を「これは思い出に取っておいて」「これは思い出」と繰り返すのが不思議だったが……
 !! もしや笑うトコロだったのか?

・幌加内のターミナルは立派で、この辺りにJRが通っていた頃の廃線資料館も兼ねていた。
 10分の休憩ののち、再出発。ここから朱鞠内までは1時間。

・途中、道の駅っぽくなっている停留所(せいわ温泉ルオント)で旅行者っぽい若者が乗ってきた。
 運転手さんとひと言ふた言交わしていたので、知り合いか、何らかの交流があったのであろう。
 オイサンが乗る前の、名寄から深川へ向かった往路で乗せていたのかもしれない。

 

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 幌加内バスターミナルの中にある、深名線の資料館

・途中、「鷹泊自然公園入口」という停留所があったが、自然公園どころか周囲は牙むき出しの
 グレートネイチャーしかなく、むしろ公園成分が見当たらなかった。
 地図を確認したら、公園は道から随分離れているように見える……。

・朱鞠内、三股までは滞りなく到着。16時40分。ココからは歩きだ。宿のチェックインは17時だが、
 あと20分で着けるか? 微妙な感じ。ここからずっと登り坂道。いけるつもりでいたが、
 荷物を担いではなかなかスパルタン。

・ギリギリ17時到着。やったぜ。

・宿にチェックイン。昨年と同じ、レークハウスしゅまりないである。てか他に宿なんかない。
 周りはキャンプ場だ。

・今年も、チェックインはご主人(と思しき妖精系男子)が対応してくれた。
 どうやらちょっと覚えてくれているらしい。「以前も、ご利用を?」と聞かれた。私も覚えているぞ。
 キミ今年は帽子をかぶってないな。髪が伸びたな?

・お宿の中は、はしばしがマイナーチェンジされていた。蔵書が整理・厳選されて激減、
 主にアウトドア方面一本にしぼられたり、謎のパットゴルフが撤去されていたり。
 ちょっとオサレ方面にシフトして、昨年はプンプンと匂っていた謎成分がえらく緩和されてもったいない。
 もっともっと謎スメルを発していても良いのに。蔵書にあった謎ラノベとか、謎のゲーム攻略本とか、
 残っていてほしかった。

 

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 昨年のライブラリー。ラインナップが謎。

 

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 昨年の様子。渡り廊下に突然現れるパットゴルフ

・部屋はメジャーにチェンジしていた。畳ベッドが置かれ、押し入れが廃止されて物置スペースになっていた。
 ちょっとびっくりするが、コレはこれで快適。良いのではないでしょうか。

・入り口の靴箱のところに、なぜか虻ハエジェットが置いてある!!
 都会のホテルは部屋にファブリーズが置かれていたりするが、ここではそんななまっちょろい物は要らない。
 ここはそういう場所なのだ。夜になれば窓の向こうはブンブン虫の王国。それを嫌う者は生きてはいけない。

・あと、裏口に設置されていた、深夜~早朝出入り用のナンバーセキュリティもなくなった。
 なぜだろう? 昨年は怪しい人物でも出没してたんだろうか? 逆に恐ろしい。

・サテお待ちかねのゴハン……は19時からなので、先に風呂に入る。風呂は夕方5時から夜10時まで。
 しかし、貼り紙によっては9時までになっていたりして相変わらずトラップが多い。

・この宿は……とにかくゴハンが美味しい!
 この短期間で2度目を訪れて自分のエリアにしたいと思ったのは、風景・空気感のすばらしさは勿論のこと、
 この宿のゴハンのおいしさも大きい。
 ダッチオーブン料理、前回とはお鍋が変わっていた(昨年と同型のもの(深い)は隣のご家族が使っておられた)

・その他のディッシュがプレート方式に変更されている。この辺も前回にくらべてオサレだ。
 写真中央の肉巻き行者ニンニクが美味い! 行者ニンニクも食べ慣れたが、こんなに美味しいのは記憶にない。
 一人で悶絶しながらおいしさにおぼれる。

・となりのテーブルはご家族3人連れ。小さなお子さんがオイサンにからんでくるので面白い顔をして撃退したら
 釣りで来られてるんですか、とお母さんに話しかけられた。アワワ、アワワ ← 大人の相手はできない

・去年も来た話などでお茶を濁す。夜、天気が良ければきっと星がキレイですよ、
 などと知った風なクチを叩いてみたが、道内から来てる人だったら珍しくないかもだな……。
 どこから来たのか聞いてから話を振るべきだった。今回の反省点である。

・あと、「釣りで?」と聞かれたのは多分、
 面白半分で備え付けの「週刊釣り新聞」なんか読んでみてたからだろう。
 「よく食いつくイソメのつけかた!」みたいな記事が載ってて面白かったが、
 釣りに慣れない人間がゴハン食べながら読むもんじゃないなアレは。

・今回もしっかりとゴハンをいただいた……。だめだなあ、年一回はここのゴハン食べたい気がする。

・ゴハンのあとは備え付けの自動エスプレッソマシンでコーヒーもらって部屋に引っ込む。
 何したかはあまり覚えてない。翌日の日の出時刻を調べ、早めに寝る準備。

・お隣のご家族連れにああ言った手前、自分も空模様を気にして一度外を確かめに出てみたが、
 既に雲と霧がすごくて何も見えなかった……。あと、虫がすごいので虫よけは必須である。

 

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初日はここまで。

 
 

 
 

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2017年10月 7日 (土)

■しゅまりない旅情2017~序~ -更新第1160回-

 
朱鞠内(しゅまりない)という場所のここちよさをひと言であらわす言葉が見当たらず、困っておる。
 
昨年の8月に初めて訪れ、
それがあまりにもここちよい体験であったので、今年もまたお邪魔してしまった。

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とにもかくにも、気持ちの良い場所なのである。
ひとえに均一な浸透圧が全身にかかって、
澄んだ空気がからだにやさしくしみこんでくる感触の場所なんである。
アウトドアーなひとたちの口にする、
「自然に溶け込む、一体になる」とは、まさにこのことではあるまいかと、
さぐりさぐりではあるが実感できる肌触りがそこにあるんである。

元はと言えば音威子府に行きたかったんである。
ところが、音威子府あたりにめぼしい宿がなかったので、
そこに近く且つ興味深いスポットとして朱鞠内が見つかったから、今回はそこに行ってみよう!
……としたのが昨年の話だ。


今年もそれと同じルートをたどる。同じことをする。


リベンジ、などという物騒な字面を当てはめるつもりはない。
リベンジも何も、やりたいことは去年で大体やり終えてしまっている。大きな心残りはない。
強いて言えば、湖畔にかかっていた歌のことを現地の人にお尋ねしたいというくらいか。

だから、今回の主旨は「昨年と同じようにもう一回やる」なのである。
新しさを求めなくても、昨年のままの素晴らしさでもう十分過ぎるくらい素晴らしい場所だったから、
とりあえず「あの心地よさをもう一度」、それが2017年・夏の朱鞠内再訪の理由なのであった。
これは、幸せの旅である。
朱鞠内は、満ち足りた場所だったのである。
一年経って、全く同じことをもう一度、だなんて、進歩のないことであるかもしれない。
しかし、永遠とは、満ち足りるとは、そう言う事なのかもしれない。
いざ、満ち足りた夏へ。

……あと、帰りには旭川・美瑛にも寄るが、そちらも昨年と全くおんなじコースをたどる予定である。
これはこれで、再訪したい場所があるからそうするだけの話だ。


以下、大まかな旅程。


■1日目 8月18日(金)
・早朝   早朝の飛行機で、羽田から旭川へ。
・午前中  旭川。滞在時間は短いが、なじみの喫茶でボンヤリする予定で
      奈良に帰省した時のおみやげを持っていく……が、休み!
・お昼   列車で深川へ移動し、昼ゴハン。近場を少し散策する程度。
      ……が、コインロッカーが消えている!
・昼下がり 深川から、幌加内を経由してバス移動。本日のメインイベント。
      運転手さんがイイ人。
・夕方、夜 朱鞠内着。天気が良ければ、夜、星でも見る。

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■2日目 8月19日(土)
朱鞠内で過ごす一日。
・早朝~朝 湖畔の夜明けを眺め、タイミングが合えば遊覧船に乗る。
      湖畔に流れる歌の正体を突き止めろ。
・昼    町の方へ行く。が、突然の雨。新キャラ・ビビる昇太出現。いいヤツ。
・夕方~夜 湖畔でゴロゴロする。『ドラクエXI』をやる。
      夜、星を見るのが楽しみである。
 
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■3日目 8月20日(日)
・朝    宿を引き払って移動。深川へ戻る予定が、この日の朝はそっち向きのバスが走っておらず
      急遽予定を変更する。名寄へ。
・昼    名寄。突然、道路原標と巡りあって爆笑する。北緯45度というステキなお店でゴハン。
      旭川行きの列車の時間を1時間間違える。
・夜    閉店したと思っていたスープカレーの「ふわわ」さんで大人のいざこざを見守る。

……なんなんだこの日は。
 
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■4日目 8月21日(月)
・早朝~朝 朝5時から美瑛の丘アタック。千代ヶ岡~電波中継所~セブンスターの木
・昼    美瑛で昼食後、旭川に戻る。cafe花みずきさんでだべる。
・夕方   喫茶ブラジルで晩ゴハン。空港へ移動。
・夜    フライトは最終便。20時過ぎ。
 
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ぼちぼちと、淡々と、書き記してまいる。
 
 
 

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2017年8月22日 (火)

■夏を欺いて。~2017年夏、帰省の日記~ -更新第1145回-

2017年、夏休みの後半戦を……去年と同じ北海道は旭川にあります、
朱鞠内湖の湖畔で過ごして来ましたオイサンです。

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前半戦は前半戦であって、先日まで奈良の実家で過ごしておりました。
今回の主題はこちらの奈良のハナシなんだけど。

サテ23回目の渡道となります今回の朱鞠内、また別で詳しく書くとして、
大体のコースは

 旭川 →(電車で西へ30分弱)→ 深川 →(バスで北へ2時間)→ 朱鞠内

のヨテイ。復路はそのまま折り返しで、最終日に、恒例の美瑛をうろつくくらい。
しかし、旭川に着いてすぐに向かったcafe・花みずきさんが盆休みだったり(去年はちがったのに!)、
深川の駅前のコインロッカーを前もって調査もし、「ある!」ことをアテにして行ったのに撤去されていて
荷物を持ったままうろつくことになったりと、
冒頭からなかなかの荒れ模様です。マ大したこっちゃないけど。

花みずきさんのお休みについてはさすがにどうしようもなかった
(サイトやブログはチェックしてたのに……もしや、Facebookとか別で更新されてるんだろうか……)が、
荷物の方は、実は何とかなった。
昼ゴハンを食べた、深川の「ふじ屋」さんというお店で、
出しなに「どこか近場に、荷物を預けられそうな施設はないか」と尋ねてみたら
「うちの事務所で預かってもいい」と言ってもらえたので、お言葉に甘えさせてもらった。

だが、今日はそれで良いが、明後日も深川をぶらつく予定であるので、
その時もふじ屋さんでゴハンを食べて……というワケにはいかない。
「自分の道は自分で切り開かなければ!」と一念を発起し、某所でチョイと交渉。
あることを条件に、明後日、少しの時間だけ荷物を預かってもらう算段をつけた。

  クックック、この程度、西奈良きってのタフ・ネゴシエーターと呼ばれた吾が輩には造作もないことよ。
  異方から来たというザシュニナとかいう若造との交渉も、私に任せていれば万事うまく運んだものを……

妄想はさておき、駅コインロッカー撤去の理由は、
「利用者数が少ないから」だそうで、マそんなら仕方ないわと思いはすれど決してゼロではなかろうので、
ゼロでない部分の救済策は考えておいてもらいたかったと思う。
マそれも「取りこぼしても仕方がない、そのくらいなら惜しくない」と思える程度に
観光客がにぎわっているのなら、こちらから言えることは何もないんですけどね。
オイサンの様な、一人歩きのロンリーウォーカー旅人マンにとって、
「荷物を預ける場所がない」というのは致命的、
もうそこは訪れる対象から外さざるを得ないも同然なので、
出来ることなら何か考えておいてもらいたい所存である。

尚、旭川のエキナカのコインロッカーは、大多数のコインロッカーが
「そんなこと簡単に想像がつくはずなのに恐らく何らかの理由があってその条件を満たせていない案件」
No.1であるところの、
「コインロッカーコーナーに両替機があるととても便利」
を満たしてくれたので最高に最高であると言わざるを得ない。
イヤね、ホント少ないんスよ。両替機が設置されてるコインロッカー。
マ管理する側にしてみれば、ただでも管理が面倒なのにこれ以上余計な手間が増やせるか!
ってなモンなんでしょうけれども、それがあるだけで利用者はそこそこ増えると思うんですけどね……。
しかし、「小銭を作るために近隣の店舗・自販機で買い物をする」ことを見込んでいる、
それを常識としているような面が、きっとあるのだと思います。

うーん、勘弁してほしいなあ。

ちなみに、荷物を預かってもらう交渉相手に、これからドコ行くか尋ねられた。

  オイサン「これからバスに乗って、(深川から)朱鞠内湖まで行き、2泊して戻ってくる」
  おばさん「あー、じゃあ深名線(深川~名寄を結ぶJRバス路線)に乗るのね。
       うちの息子が運転手やってるわw」


と、なんかよくわかんないほっこり情報を得た。なんなんだ。

お宿は昨年と同じ、レークハウスしゅまりないさん。
ダッチオーブン料理と朝晩のゴハンのおいしさ、
スタッフさんのキャラの面白さや宿の謎ギミックの数々が忘れられずに投宿。
しかし、ところどころマイナーチェンジしててツッコミどころは随分減ってしまった……。
本棚の本のラインナップとか、廊下に突然現れるパットゴルフのナゾ加減とか、
廊下の壁に、デカい虫みたいに貼りついてるルーターとか。
イヤいいんだけどさ。



■夏休み前半戦、帰省中の出来事 in 奈良



2017年・夏の帰省が終わった。
なんだろか、何かしらやったけど、何にもしなかったような気もする。
そんなフシギな、5日間の日記。



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■1日目 8月11日(金・祝)
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帰省の新幹線は、14時半頃。
本当は早朝にしたかったのだが、出遅れてしまってとれなかったのです。
新横浜には12時半頃に着いてしまって、いつもの如く新横浜のポティエコーヒーに潜伏して時を待つ。
もう少し早く出て、お昼ゴハンはエキナカのコロラドで本格的にゴハンを食べてしまえばよかった。
どうもこの店の存在をいつも忘れてしまう。ワリといい位置にあるのだが。
新横に着くなり、イヤなアナウンスが耳に入った。

  「本日はたいへん混雑しており、自由席に乗り切れない。
             なので特別に指定席車輛にも立つことを許す」

だと。バカを言うな。乗車規制せえよ。
指定席の快適さを維持するのがスジではないのか、なんのための指定料金だ。
あんなモンにウロウロされたら鬱陶しくてかなわん。
……と、腹立たしい気持ちで待ち時間を過ごし、色々策を考える。

ポティエコーヒーにはゴハンメニューはあんまりないと思っていたが、
サンドイッチやスパゲッティなどそこそこあった。
サンドイッチが高いうえにもう一つっぽかったのでスパゲッティにしたが、
ランチメニューではないレギュラーメニューの方のサンドは良さゲだったのに気付けなかった。
次回はそっちにしよう。

サテ出発直前、自由席難民の流入を恐れてグリーン車への変更を試みるも、
夕方までは何もかもが満席だという。これは本格的な帰省ラッシュのはじまりだ。
オノレ愚民どもめ、いっぺんに移動し過ぎだ。
大した用事があるわけでもなかろうに、関東でじっとしておられんのか。私の邪魔をするな。

  マ結果的には、自由席難民がオイサンの車両まではやってくることは全然なかったんですけども。
  あーハラハラした。余計な心配をさせるな、メンドクサイ。

京都で降りた際、西日本のクワッとした西日の暑さに思わずうなってしまう……が、
フム、普段の関東の不快な湿気に比べれば、全然どうということはない。
尚、この日は関東が随分涼やかだったらしく、
同日から始まっていたコミケ(11日(金)~13日(日))に参加していた隊長からは
「物足らん、試練が足らん!」と声が上がるほどであったが、
関西も、普段のあの嫌らしい気持ちの悪いザ・関東湿気熱に比べれば可愛いものである。
若干カラッとしているくらいだと思うぞ。

京都からは在来線に乗り換えて小一時間。最寄駅で降り、ホーム上からいくらか写真を収める。

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地元の町の、小中学生の自分か、母に誘われてよく行っていた駅前のテナントビルの2階に、
ボンボニエールという喫茶があった。
その店がとうに無くなっているのは知っていたが、
その跡がどうなったかがなんとなく気になっていたのでそれを見に行き、
ついでに明後日行くつもりにしているラーメン屋の盆休みスケジュールを確かめ、
地元スーパーの中のおもちゃ売り場はいまどうなっていたっけ? などなど、
ナワバリの巡回+ポチポチと写真におさめながら家路をたどる。
我ながらよく通報されたりしないなーと感心する。ワリと怪しいと思うんだけど(自分で言うかよ)。

  ところで、今回の帰省では、写真がなんかイマイチだったなと感じる。
  具体的に何がということはないけれども。
  自分のアウトプットに、最近ちょっとご不満です。どうしたんだろう。

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町並みに大きな変化はなかったが、駅前に二階建てのロソーンが出来てたり、
母校である小学校の前を通る細い通りの奥まったところに
突然こじゃれた感じのレストランが出来てたりしたのが更新ポイントだろうか。
他には、新しくたこ焼き屋が出来ていたりして、実家に帰るなり母が
「ドコソコに新しくたこ焼き屋が出来たけどちっとも営業していない」などと言われても、
「そこやったら帰ってくるときやってたで」と即座に対応出来てしまって驚かれたりもした。
ここは私のナワバリだからな。
家への到着は18時過ぎで、他には何もできず。父も母も、マ元気そうである。
家の中は特に
晩ゴハンはスズキの塩焼き。ンマかった。

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■2日目 8月12日(土)
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この日は、父が事前予約してくれていたおそば屋さんへおそばを食べに行く。
そばごときに予約とは大仰なと思われるやもしれませぬが、十割そばは予約分しか打たないのだそうな。
そのあとついでに、私の誕生日プレゼントを見繕ってくれるというので、
近隣のデカい百貨店+イオンの複合施設へ赴くことに相成った。

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「そのそば屋のおばちゃんは愛想が悪い」と母親から聞いていたが、特段悪い感じでもなかった。
やはり関西では、愛想悪い、ノリ悪いと判定される閾値が低いのだろうか。
求められるサービス精神の高さ(サービスの質の高さではなく、あくまでおサービス精神の高さである)が
ハイである気はする。

  愛想の悪さで言えば、オイサンがこっち(関東)で馴染みにしている
  世界一うまいカレー屋の主人の方が百倍愛想がないと思う。
  しかしそれでも、それを分かった上でその店のカレーが美味いのでその店に行くのだ。
  「そのカレー屋は、食べログに書かれるくらい愛想が悪いぞ」と母に自慢したが、
  このそば屋のおばさんも食べログに書かれているらしいw くそうw 引き分けかw(競うな)

おそばの他に、そば屋のサイドメニューで定番の野菜天ぷらと出し巻き卵をご注文。
パプリカの天ぷらがことのほかうまかった。
出し巻きもなかなか。大根おろしが辛いのはポイント高い(謎のポイントシステム)。

  しかしまあ、こんなところで生意気にも「なかなか」とか言ってしまうから、
  「外食してるから舌が肥えてる」とか言われてしまうのだろう。
  イヤ、ぜんぶ美味しいんですよ?

肝心のおそばは、……まあまあ、普通でした。これは後日、車で二人になった時に父自身も言ってた。
「モ一つパンチがきいてない」というのが一致した見解。
マ父は、日本のザ・そばどころ・島根出身(出雲ではないけれども)なので致し方ない。
出雲そばのパンチ力は、日本の他のそばどころと比べてもアタマ一つ抜けてるからのう。

   ……誤解のないように申し上げておくと、「一番うまい」と言っているわけでなく、
   あくまでも「パンチ力」というパラメータが突出してる、と言ってるだけですからね。
   繊細さとか、香り高さとか、他は他で優れてるおそばがある、と思いますよ。
   危ないアブナイ。戦争になるところだった。


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店の駐車場が2台分、しかも縦に停めるレイアウトであってコレマタなかなか利便性が高くなく(婉曲表現)、
父の停め方がセンタリングが利いていた感じ(超婉曲表現)であったため、
後から来た人が停められず、停め直すことになった。
マそれ自体は特に問題ではないのだが、その際、

  ウチのクルマを一旦出す
     → 後から来たクルマを先に(奥に)入れる
         → ウチのクルマをあとから(前に)入れる

という形になって、マそれも別に普通だな、と私は思っていたのだが、母はコレを
「どうしてウチのを先に出す前提で考えたのか?」
と、微妙に納得がいっていないご様子であった。
「さっさと食べて出て行く、という父の意志表示か?」と受け取ったらしい。
母はゆっくりしたい派の人なので、人となりも理解した上ではわからないではないが、
一般的に考えたら「先に来た人が先に出ていく」としておくのが、
万人と相対して一番ケンカにならんで済む考え方ではあろう。
なんとなく「なるほど」と思った一幕であった。

あとこの店はトイレも奥に長い間取りになっており、
座って用を足していたらノックされても手が届かない怪物くん仕様であった。
縦長のスペース構成が好きなのだろうか。

サテ食事も済んで買い物へ向かう。
2、3駅ほどの距離をクルマで走ると、同じ道を以前ジョギングで走ったときにも感じた、
奈良という県・市は、あまり潤沢に儲かっていないのだろうか、という話題になる。
そう、道がよくないのである。
マこれまであまり商売っ気がなく、宿泊する場所が少ないことは知っていたが、
そこそこ稼いではいるものだと思い込んでいた。
最近は宿泊施設の増強にもチカラを入れていると聞いてはいるが、どうなのだろうか。

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  関係ないが以前京都でタクシーに乗ったとき、運転手に奈良から来たことを告げたら、
  「奈良はリニアも通る言うのに、泊まるとこもありませんですやろ、やる気があるんかねえ」
  と悔し紛れにかイヤミを言われたことがある。
  そんなもん吾輩に言われたかて困る。

買い物は……めぼしいアイテムが見当たらず、本来の目的は失敗に終わった。
母の誕生日も近いのでそのリサーチも兼ねて母の動向を観察してもいたのだが、
クツの売り場に吸い寄せられていくからクツが欲しいのかな? と思えば、
今度は陶器の売り場に吸い寄せられ、
挙げ句にカワウソの形をした涼感抱きマクラに吸い寄せられていくもんだから、
結局何が欲しいのかは分からずじまいであった。何でも欲しいだけだろう。

しかし奈良は、ただの駐車場でも景色がいい。安心する。

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買い物を終えたところで、ちょっとひとりで奈良(駅の方)まで行きたい、
ついてはここで分かれて単独で行動すると告げたところ、奈良駅までは乗せて行ってもらえることになった。
目的は……コレを撮りたかったのである。

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以前、ツイッターのフォロワーさんに存在教えてもらってから、
場所のアタリは大体ついていて、行けない場所では全くないのに
見逃していたコトがなんとなく悔しかったのである。

奈良駅へ向かう途中の交差点で停まった時に、
角にあったパチンコ屋に老人が何人も吸い込まれていくのを、母が物珍し気に見ていた。
オイサン的には珍しくもなんともないが、母はそういうのを見慣れていないらしい。
まあ縁がないからな。

三条通を東進し、猿沢の池のほとりでおろしてもらうと……
この炎天下に、まあ人が多い。
ホリデーシーズンに日本有数、否、世界でも有数の観光地に降り立ったのだから無理もないが。
しかしさすがにこの暑さに異人さんたちも辟易されているようである。
堪能して帰れ、そして郷里の知人に喧伝するがいい。奈良は暑い、蒸し暑いと。
そういえば父母から聞いていたが、この一週間、奈良の夜は燈花会としてお祭りになっているらしい。
そりゃまあ人も多いか。

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目当ての物は2分も歩かず見つかった。
ウーン、前見たときは、こんな雑な置かれ方してたっけなあ。
よく盗まれないもんだな。

目的はアッサリと達成したが、このまま帰るのももったいない。
て言うか、両親よりも家に先に着いてしまう可能性がある。鍵を持っていない。
ので、近場で目についた大乗院庭園と、鷺池の浮見堂を見て帰ることにする。
不審ヶ辻子(ふしんがづし、と読むらしい)などという怪しげな小道を抜けて大乗院庭園へ至り、
一回り&一休みしてから瑜伽神社を経由して浮見堂へ至った。
瑜伽は「ゆうが」と読み、サンスクリットに由来するそうな。ヨーガと語源が同じ、とも。
燈花会の準備なのだろう、赤いTシャツを着た準備団体が忙しく動き回っている。
ご苦労様です。

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ほどほどの時間になったので、駅の方へ向けて折り返す。
奈良公園の中を仔ジカの姿をめでたりしつつ歩き、多少店屋でも覗いて行くかと
方角を再び猿沢の池へと向けた。
そこで目についたのが……坂の上から猿沢の池を見下ろすことの出来そうな、潜まった間口のお茶屋さん。
わらび餅やら氷やらと、火照った体を誘惑していらっしゃる。
思えば奈良に暮らして20年、観光客の気分を知るようなことは一切してこなかった。


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せっかくだからここはおノボリさん気分を出してみるか、これも何かの縁だと、
到底格別な味を出してなどいそうもない、雰囲気重視ゲなその店ののれんをくぐってみた。

  ……などと失礼な書き方をしてますが、
  決してチャラついてもいない、なんなら結構な歴史のあるお店だと思われます、
  立地的に。

わらび餅とアイスコーヒーを注文しましたが、
アイスコーヒーよりも、最初に出てきた冷茶の方が美味しかったような気がする。
おかわり用のちいさなポットもついてくるし、大変良い雰囲気でした。
あと、眺めも良い。
後から入ってきたカップルさんの黒づくめの女性が大変良い前髪パッツンわがままボディで
ちょっとうらやましかったです。
くそう。
この後京都のホテルで、そのわがままボディをほしいままにするのか!!(下品)
お会計が1100円だったか……小銭を探したが見つからず、
2000円出したところ
「100円玉があったりは……しないんですよねw! そうw!
 ごめんなさい、2000円出されてるんですもの、ないんですよねw!
 ホントごめんなさい変なこと聞いちゃってww 気にしないで下さいねww」
と、なんだか猛烈にフォローされてしまった。スマヌ、本当になかったんだ。

くだらないおみやげを探して、三条通りのおみやげ物屋を物色すると……
あったあった、くだらないのがw
とりあえず「シカ飛び出し注意」のクリアファイルなどをゲット。他にもいくつか。
このテのは初めて見た気がするけど、最近出始めたんだろうか?
「熊出没注意」に随分とおくれを取ったな。オイサンもこの発想はなかったけど。

しかしそれより驚いたのは……この、5つの塩シリーズ!

Photo

2



それの、奈良県限定バージョンが売られていたこと!!
な、なんだってー!!
……イヤ、そんなビックリするようなことかと思われそうですが。
そして確かにその通りなんですが。
これにはちょっとマクラがありまして、
上の画像をツイッターに上げたときにやたら喜んでくれた食いつきのイイ関西人がおられ、
「そんなん関西にはないw!」と喜んでくれたのですが、
その彼と最初にお会いしたのが猿沢池だった、という、なんというか、
奇跡のような冗談のようなめぐりあわせ。灯台もと暗し。モッてるなあ。

デそのお塩5点セット、
買いもしない物の写真を撮るわけにもいかず、かといって、
買うかっつったらネタのためにそれもどうやねんっていうのもあって買わなかったので
証拠はないんですけれども。
うーん……。次行った時もあるかなあ……。
お疑いの方は、奈良の三条通り、猿沢池から4、5軒目あたりにあるおみやげ屋さんに行って
お確かめいただければ。
そもそも、奈良の塩5点セットて。そんなに塩なんかあるんかい。
シカの汗から乾かしてとった塩とか?

くだらない衝撃を受けた後は、アニメイト奈良に寄って帰ります。
母が「『白暮のクロニクル』の10巻だけ、どこ行ってもない!」と嘆いていたので、
あれば買って帰ろうと思ってましたがなかった。

近鉄奈良の駅前に着くころには、時刻は17時。
夜にはお祭りとあって、人の数も指数関数的に、天文学的に増えてきました。
さっさと退散しないと死んでしまう。
しかし、近鉄奈良駅の中の様子を見るにつけ、昔に比べれば、奈良もワリカシ商売っ気が出てきた気がする。
ゆるキャラも、「せんとくん」みたいなシルクロード博の出がらしみたいなキャラじゃなく、
「しかまろくん」なんていう……中途半端に媚をうったキャラを打ち立ててきたようです。
……どこのバカだ!! こんな何のエッジも利いてない、ねむたいキャラにゴーサイン出したのは!!
センスのかけらもねえな! これだったらせんとくんの方が、周り見えてない感高い分、710倍マシだよ!
ヨソの県が多少しょうもないキャラを打ち出してても腹は立ちませんが、
自分トコのキャラがこう、中途半端にセンスないと……恥ずかしいし、腹が立ちますな……。
まったく。

この日の晩ゴハンは、島根生まれの父が郷里からわざわざ取り寄せてくれた鰻。
マ昨今のアレやコレやもありまして、なかなかおおっぴらには喜べないところもありますが……
やっぱうめえわ。

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昔食べた天然モノに比べると、養殖物は脂のノリ方がちょっとわざとらしいというか、
CGみたいだけど。
「天然モノはとてもじゃないけど手が出ない」とは、
仕入れてもらった業者さんの弁だとか。仕入れることも出来ないんだね。
そりゃまあ、絶滅危惧種だもんね。
ありがたやありがたや。これが最後になるかも知れんのだなあ。



一旦ここまで。3日目~5日目は後日。
オイサンでした。



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2017年7月 8日 (土)

■些伽巳日記~Sagami-Nikki~世田谷散歩マン! -更新第1133回-

今日は、今年初めて蝉の声聞いたな。
オイサンです。


何かのラジオで、パーソナリティがガタイのゴツいゲストに、

「あんたのカラダじゃ経堂辺りは走れないからw!
 それに引き替え先週の××くんは小粒w! 世田谷向きww!」


とネタにしていたのを聞いて
……これは勿論アレですよ、
  オシゴトのスケール的な話もひっくるめて皮肉ってる言いっぷりですよw?……
大変ユカイに笑っておりましたところ、
先々週の土曜日、いつもの4紳士の集まりが新宿であったので、
経堂で途中下車し、豪徳寺、梅ヶ丘まで歩いてみた。

  「なぜそんな寄り道をするのか」だって?
  休みの日に、ただ新宿に行って帰るのってなんか癪に障るんだよw
  新宿以外に目的地が欲しいわけです。

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「セタガヤ」とは、関西生まれの関西育ちのオイサンは、言葉やその響きは知っていたものの、
関東に暮らして20年近くになるのにワリと最近まで具体的にどのへんかは
未だにちゃんと把握してなかった。

経堂へは以前一度だけ、小田急の忘れ物を受け取りに来たことがあり
(小田急では何故か、遺失物・忘れ物は最終的に経堂の忘れ物センターに集められるのです。
なぜこんな中途半端な駅に……?)、
その時に印象に残っていた白山陶舎といううつわ屋さんを覗いて、
特になんてことのない道を選びつつ豪徳寺へ向かう。
するとまあ、どうでしょう。なんとも閑静ではありませぬか。
なるほど、休日の午前中! っていう感じする。

細くて不規則に入り組んだ道に、これまた不規則な形の土地と家が並んでいるが、
嫌な密集の仕方じゃなく、いくらかゆとりを感じさせる立ち並び方をしている。
上品な気配がある。
かといって、あからさま豪邸が建っているわけでもない。イヤ、中には豪邸もありますが。
マときどきぶっ壊れた家とかもあるんだけど、全体としては不思議と、荒んだ感じ、
やさぐれた印象を受けなかった。
強いて言うなら、「絵になる」というか、「絵に描いたような」住宅街であって、
ドラマに出てきそうな風なんであった。

  江の島の北の方、ちょっと山の方も似た感じの場所があるのだけど、
  あそこともちょっと違う感じでしたね。
  あっちには……ゆとりが感じられなかったな。

……ていうか、ドラマで見てきた住宅街が、多分こんな雰囲気をお手本にして作られていたのだろう。
この辺でロケをしたりもそこそこされているのではなかろうか。

……マどっちが先なのか分からんけども。
こういう風景が、視聴者のシンパシーを呼ぶからこの辺が代々舞台にされてきたのか、
この辺がドラマにフィーチャーされたから、人々はこの風景にシンパシーを感じるのか……。
ただまあ何となく、「素敵な東京ぐらし」に憧れを抱く人々のモデルのような風景が
ここからジェネレートされている、ということは、田舎者のオイサンにもなんとなく伝わってきた。
ロクにドラマも見て育ってきてないけど。

  ウェイが「素敵な湘南ライフ」に憧れを抱くのと同じだ。
  確かにこれは、千葉にはないものだ(よけいなおせわだ)。

いずれにしても、歩きながら「なるほど世田谷、こういうことか」
とよく分からないナットクをしてしまった。
確かにここは、ガタイの良いマッチョマンは上手く歩けない気がする。道幅的な意味で。

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豪徳寺から梅ヶ丘に向かう分岐のところにコーヒー屋があったので
気まぐれにそこでテイクアウトしてみようとアイスコーヒーを頼んだら、
ヒゲ面コワモテ細マッチョのにーちゃんが
「カフェラテがおすすめなのですが……」と、
店を開くときに1000万借りた金持ちの後輩を
                        殺して埋めた
ような声
(どんな声だ ※著しく偏った個人の感性です)で言うので、おとなしく要求を呑むことにした。
エスプレッソがご自慢なんですねわかります。良いエゴだ。

デその殺人カフェラテ(ひどいあだ名をつけるな)、美味しかったです。
エスプレッソをダブルにすれば良かったな。
けど牛乳は、普通にお店で売ってる低温殺菌牛乳なんすね。
あと、あの分量で500円はちょっと高いとは思う。しかしそれも、ナットクの世田谷プライスなのだろう。
美味しかったは美味しかった。

しかし世田谷、
住宅密集ジグザグみちを歩いてたら突然結構な広さの砂利敷いただけの雑な駐車場が現れ、
その真ん中に井戸の遺構があったりと、
なかなかこころときめく風景も内包しておられる。
確かにこれは、ドラマの発生を予感させるものではある。
なんていうか、小諸の都会版、みたいな趣。

「閑静な住宅街」なんていう冠を与えられていて、
いやいやいや、言うても都会の真ん中でしょ、東京でしょ?
そんな静かなはずないやん、そこそこうるさいんでしょ? て思ってましたが、本当にしずかでやんの。
ブッ殺すぞ(どうした急に)。

そうして梅が丘までトボトボ歩き(どうした元気を出せ)、
駅の北側にあった羽根木公園とやらをひと巡り。
そこで眠っていたツラ構えの良いネコスケをぱちりと撮ってツイッターに上げれば、
ネコ好きのヨ氏から即座に反応が返ってくる。ホントにネコ好きだな!! 隊長もだけど。

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ヨ氏が
「美登里寿司が食いてえ」
などと言うので、なんだそれはと尋ねれば、
どうやら駅前を通ったときゲロみたいに行列していた店がそうだったらしい。
なるほどアレには並びたくないな。安くて美味しいらしいのだけど。

新宿での集まりまではまだ随分時間があったので
梅が丘周辺をぐるっと回って見つけた適当な店でとろろなどを食べ、駅前で古い喫茶にしけこんだ。
するとまあ、本当に古くから親しまれた地元のお店だったご様子で、
結構な年老い系マスターが、若いご夫婦と、でっぷりと風格を身にまとった常連と思しきデb
……巨漢の御仁と談笑しておられる。
子どもが生まれたばかりの若夫婦が、その報告に来ておられたようだ。
ホンマブッ殺すぞ(なんでや)。

マスターの、いちいち歌うような
「いらっしゃ~ぃ♪」「ごっ注文は~?♪」「ありがとうございま~っす♪」
という応対が大変心安いお店でありました。
心がルンルンする。

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というワケでなるほど、
世田谷にはトレンディドラマが憧れた、暮らしの空気があったように思われる。
まあトレンディドラマ見たことのないオイサンにはあまり関係ないけども。
同系統のアニメが参考にしているテンプレな町並みってのも、
日本のどこかに転がっているのだろうか。

しかしどうであろう、住みたいか? と問われたら……まあ、あんまりだな。
幼き自分の原風景とはあまりにかけ離れている。
が、自分の原風景など追い求めていては、
いつまで経っても、自分の今いる風景でさえも借り物以上のものにはならないであろう。

こちらへ出てきて、今年ではや20年。
しかしオイサンにはこの住まいも、この町も、この風景も、
未だ借り物、骨を埋める場所だとは、到底思えずにいるのだった。
覚悟を決めるに足るような、確固たるものが見つからない。


 

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2017年6月30日 (金)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その四~ -更新第1131回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅。
第4回……。
ようやく2日目。
景色はいいけど、イベントはもうそんなにないです。
今回でおしまい。ちょっと長いけど。

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お宿・菊富士のメルヘンなお庭にて。



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■■■━ 2日目 ━■■■
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■2日目:朝 ホテル菊富士を出発し、忍野八海へ


2日目、決まっているのは
  ・忍野八海に行く
  ・道志みちを通り、途中、道志の湯で風呂を浴びて帰る
ということくらいで、朝メシをどこで食らうかということすら決まる前から
クルマは走り出してしまいました。
「どこか目についたところで入れそうな店にでも入りましょう」
という言葉も虚しく、車窓の風景は走り出してものの数分で人里から草原へと変わっていったのです。
合掌。
いやー、甲府、ひらけているように見えて、ひらけ過ぎ。
フルオープン。田舎。あっという間に野原だもの。

結局、朝食はお店を見つけることなど出来ず、
山がちな日本の国土が育んだ神がかりな流通網の申し子、
すなわちコンビニエンスストアさんの力を借りて眺めの良い場所でいただいた。
コンビニさんはすごいぜ……感動的です。
本当に、コンビニがなかったら私たちの旅は一体どうなってしまうのかというくらい、
水分の確保と言い、トイレと言い、コンビニさんへの依存度が高い。

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  コンビニ無し・カーナビ無しの縛りで旅をしてみる、というのはどうだろうか?
  いったいどんな気分が味わえるのでしょうか……。
  20年前、30年前、40年前の旅とは、はたしてどんな姿をしていたのでしょう。
  残念ながら、その当時まだ子供だった自分は、本当の意味でのその姿を知りません。
  うちには車もありませんでしたし、そんなに旅行する一家でもありませんでした。
  じーちゃんとばーちゃんは旅行が好きで、さいさい出かけていた記憶がありますが……
  それでも最近母に聞いたところだと、出かけてもイイトコ近畿一円程度で、
  それほどの遠くへは出掛けない列車旅だったらしいから、
  そのような事情とは無縁であったでしょう。
  子ども心に、色んな所へ旅行に行っているなあと思っていましたが、
  旅行、というだけで「とても遠くへ行く」というイメージしかなかったものだから、
  たくさんの知らないものを見てきているのだろうと思っていたけれども、
  母に聞いたところだと、北海道へも行ったことはなかったはずだと言っていました。

  ちなみにこれから向かう忍野八海へは、
  ヨ氏がまだ幼かった頃に訪れたことがあるらしいのですが、
  彼がまだ10歳に満たなかったというから恐らく四半世紀ほど前のハナシ。
  今ほど自動車のさまざまなアシスト機能も充実していなかった時代に、
  道志みちや大菩薩ラインを使って旅をしたヨ氏の父君の世代のドライビング技術と車との一体感とは、
  今とは比にならないくらいだったのではなかろうか。
  閑話休題。

朝食を摂るため、ほど良く視界のひらけた場所にジェントル号を休ませ
雄大な裾を広げるおフジ山を眺めつつサンドイッチにありついていると、
土地の持ち主らしき御仁が辺りをうろつき始めたので怒られる前に退散を試みます。
そう、怒られる前なら違反でも違法でもありませぬゆえ(そんなルールはない)。

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デ、忍野八海に着いてみて、驚いた。
まだ10時を回ったばかりだっちゅうのに、なんでありましょうかこの人出は。
ザ・アクセスし辛い観光地100選で堂々第一位(※)に輝いた忍野八海さんだというのに、
人また人。

  ※オイサン観光研究所調べ。
  実際、富士山周りはクルマ持ってないとアクセスが非常に困難です。
  新宿からバスが出ていたりしますがイチイチ都心まで出るのもかったるく、
  それらのバスには途中八王子辺りから乗れたりもしますが、
  その乗り場がまた、町から外れた高速道路の途中みたいな場所で
  そこまでもクルマで行く必要があるみたいな場所デ本末転倒。

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その行きにくい忍野八海さんへも、
甲府からなら1時間チョイで着くことが出来てしまって驚いた……というのに。
時間的に、クルマを駐車場に入れられないという事態は回避できたが、
もう30分、否、15分遅ければそれもあり得たかも知れない、そのくらいの人の数でありました。

マこの日からGWさんも本気でしたので致し方ないといえばその通りなのですが。
お前らもっとヨソに行けよ(勝手)。

前にも少し書きましたが、
忍野八海さんの駐車場システムは民間の協力を得て成立しているようでした。
付近の民家の方々の敷地に一台おいくら(どうやら一律300円)で停めさせてくれます。
誘導もその家の方々がおやりになっているようでした
(もしかしたら当番制だったりするのかもしれないが)。

  けれども、
  あれだけ大量のクルマが押し寄せてくるとなると、周りの環境への影響も大きかろうと思う。
  騒音にしろ、空気にしろ。
  あと、危ない。道も決して広くはないし。
  お年寄りや子供が多そうなので、その辺どう思ってるんだろうなと、
  押し寄せた側の身でありながら少し心配になる。

    フーゾク店に行って女の子に「こんな仕事はよくない」と説教するオッサンのようだ。
    フーゾク店行ったことないけど。

  「駐車場は町のもっと大外にまとめて用意して、そこから先は歩きでないと入っちゃダメ」とか、
  整備出来ないもんだろうか?
  ……などとは、ヨソ者が善意という名の暴力で要らぬ浅知恵を働かせると
  ロクな結果にならぬのでクチが裂けても言わないが。書くだけ(屁理屈)。
  あの駐車場料金で結構な稼ぎを得ている古くからのゴーツクご老人なんかも多そうだし、
  余計なことを言ったら刺されかねない。
  長い目で見たらどっちがいいんだろうかね。
  あからさまな観光地化を整備をすることが良いとも決して思わないし。
  地元の人たちが「地元」であることを維持しながら、
  やれる範囲で必要なだけ進めていって、ダメになったらもう来んな!
  っていうのが正しい姿なのかもしれぬ。日本全国遊園地化は好きじゃない。

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マそんなオトナっぽい事情話はともかく。
水、景色。
驚くほど美しかったです。……そこから人を差っ引きたかったけど。
平日の早朝とかに、もう一度行きたいですなあ。
特に、中心の見どころである、水深8mだかの湧水池は神秘的で、
しかしちょっと、やはり遊園地化が、しかも「日本の古き観光地化精神」が進んでいて、
演出過剰・サービス過多な感じがちょっとあって……
なんでしょうね、「ドヤ感」は否めなかったように思った。
思い描いていたのとは、ちょっと違いました。
もっと自然なまま、放置され、のんびりした場所だと思っていた。
小諸の、弁天の清水みたいな。

あの辺り一帯には、恐らく富士のお山からの水がワンサカ湧き出ているポイントなのだろうから、
もっと端っこまで行って探せば、地元のヒトしか見ないような美しい場所が隠れているのだろう、
とは思う。
それを探しに、あの辺をブラブラするのは楽しいかも知れません。
観光の中心から外れていく流れていく小川の風景に、より心を惹かれたオイサンです。
あの小川沿いを散歩したかったゾイ。

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■2日目:忍野八海 名泉そば製麺所


サテ諸君。
お昼ゴハンの時間です。生存戦略しましょうか。

時刻はまだ11時を回ったばかりでしたが、
恐らくこのGWに日本で一番人が集中しているのであろうこの忍野八海(オイサン調べ)では、
目につく食堂らしき食堂、食べ物を提供する施設は既に人であふれかえっている。
比喩でなく、本当に人であふれかえっているのでした。
溢れちゃってもう、噴きこぼれて火に落ちて死ねばいいのに。
おっといけない、人ごみに晒されて心が荒み始めているぞ、スマイルスマイル。

朝メシのこともロクに考えられないダメな大人の我々は、
当然昼ゴハンのことなど何も考えずに来てしまっていました。
どこか適当に何か食べられる場所はあるまいか……と考え始めたところに、
我らがエースが鼻を利かせ始めました。
むむっ、どうしたヨ氏、なにか考えがあるのかね。

  ヨ氏「子どもの頃の記憶なんで、曖昧なんですけど」

ヨ氏がいうことには、
なんでも20年近く前に家族でここを訪れたときに行ったおそば屋さんがあるのだそうな。
その店は観光の中心地からはそこそこ離れていたので、
もしかするとそこならそんなに混まずに済んでいるかもしれない、という。
ウム分かった、他にアテのあるでなし、ここはヒトツその言葉を信じようではないか。
そもそもからして、我らが食い意地モンスター・ヨ氏を育てた素晴らしき血族が、
20年もの昔……食べログはおろか、まだホットペッパーもぐるなびもインターネッツすらロクにない時代に、
食い意地とすきっ腹と鼻だけをたよりに嗅ぎ当てた
店である、
ひいき目に見ても(間違った日本語)不味いハズはない。

  ……ホメてますよ? もちろんです。
  完全に褒めている。

そんなこともあって、ヨ氏の記憶だけを頼りに、村のハズレへ向けて歩き出した。
「こっちの方だと思う」
「プレハブっぽい建物だったような」

歩きながら、断片的に甦るヨ氏の記憶……
果たして自分に10歳の頃に訪れた観光地の記憶がどれほどあるかと言われると、
正直全く自信がない。

  10歳のころと言えば、家族で城崎(きのさき)に旅行をした記憶がある。
  しかしあるのはそれだけだ。
  なぜ城崎だったのか? 季節はいつだったか? 何で行って、何を見、何を食べたか?
  全く覚えていない。
  唯一憶えているのは、夜の旅館でトランプをし、
  負けて罰ゲームに正露丸を食べさせられたことくらいだ。
  城崎に皆で旅行をしたとして、「何がうまい?」「正露丸」ではシャレにもなるまい。
  まあ今なら、ブログに面白く書ける自信はあるが。
  閑話休題。

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クルマもすれ違えないような細い道をつらつらと歩いていくと、
突き当たった右手、富士山を背景に借りた手前に、なるほどそれらしい建物がある。
プレハブでこそないが、決して立派ではない、立ち食いそば屋のような建物だ。
あれじゃないっすかね、とヨ氏も半分ほど確信しているようだった。
すごいな。本当にあったぞ。
しかし残念ながら「空いているかも」という予想はハズレで中は満席、
2、3人立って並んでいるようだ……そして表の貼り紙の意味が俄かには理解できず、
三人とも「本当にここで食事ができるのだろうか」と、首をかしげてしまった。
何しろおもてには、

  ・ここは食堂ではありません。
  ・製麺所であり、そばをお土産として販売している店舗です。
  ・お買い上げいただいた方に、サービスとして麺を茹でて提供しています。


……といった旨のことが書かれてある。
これは果たして、どういうトンチであろうか?
中にはカウンターで席が10ほどあり、お客が座って、うどんと蕎麦をすすっている。
取り敢えず中に入ってみて、すこし情報を集めてみたところ、

  ・ここは確かに、食堂ではないらしい。
  ・製麺所であり、土産のそばとうどんが買えるらしい。
        それぞれそこそこの量が540円だ。
  ・お土産のうどん・そばを買った人だけが、
        カウンターに座ってうどん・そばを食べることが出来るらしい。


ということが分かった。
おk、ほとんど情報が増えない。お店の人の話を聞いていても、それ以上わからないのだ。

  ヨ氏「……アレじゃないですか、買ったお土産をここで茹でて食べられるシステムじゃないですか」

いいぞヨ氏、私もそう思っていたところだ。
いずれにしても、ここで食事を済ませるつもりなら、
どういうシステムであれあのお土産そばを買わねばならないというのであれば、
買おうじゃありませんか。
テ氏とヨ氏はどうやらおそばをひと箱、オイサンは太いうどんをひと箱買いました。
ひと箱、けっこうずっしりあるなあ。
おそば・細いうどんではどうやら200gずつ7束ほどが入っているご様子。

  ちなみに太うどんはサンプルがなかったため中の様子はわからなかったのですが、
  家に帰って開けてみると、束にはされずに箱一杯ギッシリと、
  野太いうどんが詰め込まれておりました。大した密度です。

買ったブツをそれぞれ手渡され……カウンターに座ります。

  ヨ氏「買ったのを茹でてもらえるんじゃないんだ?」

おいヨ氏、言ってたことと違うじゃないか! 困るぞそういうことじゃ。
実際食べてみて……否、ここで買い物をしてみて最終的に分かったことは、

  ・ここは食堂ではない。
    その証拠に、料理の注文をすることは出来ない(勝手に出てくる)。
  ・製麺所であり、そばをお土産として販売している店舗である。
  ・そば・うどんをお土産として買うと、サービスにそば・うどんを食べさせてもらえる。
  ・ここで食べられるそば・うどんは、お土産に購入したものとは別である。
    購入分はそのまま持ち帰ることが出来、それに+αして
    一人一人前(おそらくそば0.5人前・うどん0.5人前)を、茹でて食べさせてもらえる


……というシステムである、ということでした。
 ? ? ? ? ?
つまりなんだ、一人前買うと、一人前無料で食べられる、ということか???
それは奥さん、お店的にはワリカシ大変なことなのでは???
だってお店的には、一人前分のお金をもらったら、二人前商品が減るってことでしょ???
これには敏腕マネージャーのテ氏も首をかしげるばかり。

  「一体どういうマネタイズシステムになっているんだ」
  「誰がアグリーしたんでしょうね」
  「KPIはどうなっているんだ」

などと、意識の高い我々の間ではついうっかりランチミーティングが開かれ
ディープなディベートがビギンしてしまうのでありましたが。
「30年前からずーっとこんな感じでやってるからねえ」とは、女将さんのコメント。
まあ30年値段が同じってことはないと思いますが、どうやらそうらしい。
ヨ氏が、20年前にも自分はここに来ているはずだと言うと、
「あーじゃあきっと会ってるかもねえw」
と、こともなげにおっしゃる。まさか彼女が、甲府三人目の賢者なのか。

  「はい、喧嘩するんじゃないのよー」

と彼女は、
奥から、テ氏・ヨ氏・オイサンとカウンターに並んで座った我々3人の間に、
うどんとそばの乗ったザルをそれぞれ1枚ずつ並べていく。

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なるほど、これを3人で分け合って食べろということらしい。
そんな風にネタ振りをされたら、お答えしないワケにも参りますまい、
「お、そういうことならいっちょおっ始めますかw?」
と軽くうでをまくって乗って見せると、これまで出会った2人の賢者同様、
まあさすがソバ屋の看板娘と言いますか、つるつると滑らかに流れるトークを展開なさる。
  「あ、じゃあテレビが事情聴取に来たら私が応えよう。
   『最初は仲良さそうに食べてたんですけど、なんか急に殴り合いを始めて……』」

  「おお、こりゃメガネの一つも割らないと帰れそうにないですなw」
  「あ、これ、使わない?」
と出されたのは、このお店オリジナルなのか忍野ではメジャーなのか知りませんが、
薬味の唐辛子味噌。ワサビやしょうがじゃないんだ。
  「辛くておいしいんだけど、使わない?
    お子ちゃまだから? 辛いのだめ?」

……なんで、チョイチョイ煽ってくるんスか。
デフォルトで指がR2ボタンにかかってません?(わかりにくいたとえ)
ああ食ってやるよ! 辛いのなんか平気だよボクもうおとなだから!
とばかりにその唐辛子味噌をそばつゆに溶いていただいてみると、
これがまた何とも言えず美味しい。
これも売っているらしいので、あとで買って帰りましょう。

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……と、ここでもまあ色々と、なんだかんだおかしな会話に花を咲かせはしたものの、
やはり何よりインパクトを放っていたのは謎のビジネスモデルでありましょう。
お土産一つ分のお値段で、お土産と、おそば一人前がいただけてしまうリーズナビリティ(そんな英単語はない)。
店を出てからも、テ氏はしきりに首をかしげておられた。

  「あれで……成り立つんですかね?」
  「まあ……30年やってるって言ってますしね。成り立つんでしょうね」
  「ちょっと気になるから、向かいのソバ屋の値段見ていきましょう」

さすが、敏腕Pは市場リサーチも怠りません。
この名泉そば製麺所のお向かいにあるおそば屋さん、
あえて店名は伏せますが(調べたら一発じゃねえか)、もりそば一枚700円弱。
お土産が付かずにこのお値段です。
名泉そば製麺所さんは、お土産のおそばが、7食分入って540円、
それにおそばとうどんが合わせて一人前いただけてしまう……。
なんという価格破壊行為、
これでは明日にもMIB(麺・IN・BLACK)に目を付けられて、
姫ノ宮ざるそば(かわいい)ちゃんの様に拉致監禁されてしまうやもしれませぬ。

   『ざるそば(かわいい)』、MF文庫Jより絶賛発売中!
         
   とっても面白い!


まあまあくだらない冗談はともかく、そのくらいおトクで美味しいお店だったということですよ。
とりわけテ氏はご満悦で、食後のおタバコをふかしながら空を見上げて
  「いっや~……イミ分かんねえもんなあ……
   クッソうまかったなあ~……絶対もう一回こよ」

としきりに呟いておられました。

あ、料金システムのおかしさばかり書いてしまいましたけど、
おそばもおうどんも、とびぬけて美味しいです!!
素晴らしい歯ごたえにのど越し、ほのかな粉の香り。
つやっつやのもっちもちで、麺類は、ここまでなめらかになれる! 全米が茹でた! と、
もしあれが麺類ではなく美少女だったら求婚しているところです。
あぶないあぶない。
個人的にはうどんのインパクトが強かったですが、テ氏はおそばの方をお好みだったご様子。

あとを引く美味しさで……あのね、食堂じゃないのが惜しい。
おかわりや大盛りが注文出来ないだもの。
「お土産を買ったら、一人前食べさせてもらえる。サービスで」。
それが、名泉そば製麺所のオキテなので。
家で茹でても……やっぱりねえ、ああは行きませんでしたね。
おいしさにいたく感激して「いや絶対また来ますよ!」と口走るテ氏に、
  「あっはっはw でも、次来てもあたしもういないかもしんないしw
      いても、一か月以内じゃないともう、ホラ、忘れちゃうからw!」

と、どこまでも威勢のいいおっかさんでありました。
もう……ねー。
30年。
30年、ああして、富士山に見守られながら、そこのお水でおそばを茹で続ける暮らしというのは……
単調なようでいて、
変わり映えしないようでいて、
それなのに、想像を絶します。
そこに宿る時間の凝縮した壮大さに、なにやら軽いめまいを覚えるまだ目覚めきらない忍野の春ですよ。

まあイマドキ、普通に生きていれば30年くらいは同じことの繰り返しで過ぎていくのでしょうし、
あながち特別なことではないのでしょう。
しかしだとすると、これと同じことが日本中で起こっていることを思うと……
あらゆるの人生のあらゆる毎日が、貴重で偉大なことなのだと思います。
なんてことないんですよ?
なんてことないんですけどね。
けどそれを、淡々と、黙々と、
「あー今日も終わった終わったー」
なんつって、
来るともしれない明日を今日のうちに乗り越えてしまうような営みというのは……
なんでしょうね、
その明日をまだ知らない私たちには、明日へ向けて今日を生き抜くための、
大きなヒントであるような気も致します。
大きなうねりや変化もあったでしょうに、それを、グッとこう足の裏で地面にかみついてですね、
「いや、でも、今のままでいいんじゃね? 明日には元に戻ってるでしょ」
なんつって、罪もなく、あと一日、あと一日と積み重ねていく姿の、
なんと逞しく、強かでで、靭かなことか。

人生には同じ日は一日としてない、というけれども、
そんだけあったら2、3日は同じ日があるかも知れませんよね。
そんな気もしてまいります。そんな人生も、すごくいいと思うよ。安心しますよね。


■2日目:道志みち~道志村の温泉~旅のおわり


最後に忍野八海をぐるっと一回りしてジェントル号の待つ駐車場へ戻り、
またあのバア様の素晴らしいマニューバに誘導されて出発する。
ここから先は道志みちに乗っかって、首都圏まで帰ります。

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途中、道志村の温泉に立ち寄ってひとっ風呂浴びる予定。
昨晩はあまりしっかり湯に浸かれなかったので、そのリベンジを果たすのです。

道志みちは以前、湘南のシャイボーイの運転するクルマに乗せてもらい
パパさんと一緒に富士のふもとまで走ったことがある。
その時はあいにくの雨で富士山のお姿はロクに拝めずじまいだったのだけれど、
帰りの山の上では晴れて、夜空を移動するISSがよく見えた。

そんな、以前も走ったことのある道志みちだったが、
記憶していたよりも右へ左へ、ぐりぐりと車体を振り回されて
思いのほかトリッキーだったことを思い知らされた。
前半の牧歌的な風景の印象ばかりが強く残っていたらしい。

……。

これより先は大きな出来事もなく、
オイサンのたよりない案内でもどうにか道志村の銭湯に辿り着くことが出来、
湯に浸かって、すんなりと津久井湖へ抜けて帰り着くことが出来ました。

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たのしい道志みち。けど、こんなに大変な道だったっけかな。


道志の湯では、
以前あった一人用の露店桶風呂がどうやらなくなってしまったらしく残念ではあったけども
昨晩の仇を打つようにたっぷりと湯に浸かることが出来、
温泉の前を流れる渓流辺りで戯れて再び出発した。
ふむ、同じ山梨でも、このくらい富士や甲府から離れれば、仙人を生み出す謎の波動は届かぬらしい。
人は多かったが、これといって危険なオーラの人物に出くわすことはなかった。

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しかし、大変な旅でありましたよ、エエw

……どうなんでしょうね、コレをお読みの皆さんも、
旅行のたびにこんな色々、面白いメに遭うのでしょうか。
これが普通なのかなあ、と……不思議な思いに駆られます。
「これで合ってるのかな」と。
マどうってことないといえば、どうってことないんですよ。
多分。
観光地の茶屋でケッタイなバア様の世間話につき合わされて、
奇ッ怪なメシ屋で濃い味付けとたいがいな分量にやられ、
独特なシステムのよくわかんないソバ屋に迷い込んだ、
っていう……だけなのかもしれないんですけどね。
普通はイチイチそれに付き合って、
30分も話を聞いたりしないとか、
「……味が濃いな。あと量が多い」で済ませるだけなんだと思います。
ゲラゲラゲラゲラ、たくさん笑ったんだけども、
我々の、これらを楽しむ心が常軌を逸している部分もあるんでしょう。
同じ行程を辿ったって、不愉快になったり、イライラしたりする人も、きっといるでしょうしね。

路傍に咲く花をいかに愛でるか……そんな、ワンランク上の旅をご提案。

  マ我々の行く先々にはなぜか毎回、
  ラフレシアがガッバガバな匂い振りまいて咲いてるんだけどな。
  「くっさ!」「くっさww!なにこれww!」
  みたいな。

しかし、それを冷静になって振り返ったあとでも、
心に残る特別な部分が今回の旅にはあったと感じている。

50年、山の上で仙人やってるお婆といい、
44年、町なかで味の濃いハンバーグで人々をBigりさせてるご夫婦といい、
30年、富士山のふもとで謎の経済システムに則りおそばを茹で続けているおっかさんといい……
一体いつ、どこで、どんなタイミングで。
その時間を過ごす……人生を全うすると決めたのだろう。
その時間に納得がいくことを、どうやって確かめたんだろう……。

「これでよいのだ」と。

あんな道もあった、こんな恋もあったと、思うこともあるだろうに、
どんな手がかりや肌ざわりをもって、衰えた自分の時間をよしとしてきたのか。
何か筋道があったのか、気が付くといつの間にかそうでしかなかったのか。
ヒトの在りようとは、さりげなく自然であるようでなんと凄まじいものかと、
しみじみとオミマイされるオイサンなのでした。
実は人生なんていうのは、
否、
人生に限らずすべての時間というのは、
結果から逆さに流れているのかも知れません。
山梨・甲府という土地柄が、人をそういう風に育むのかもしれない。

あんなどっしりしたものに近くで見守られていたら、
何をやったってどうにかなる、なんてこころ安くおられるのかもしれないと、
トムソーヤーを育んだミシシッピよろしく、
初夏の雲にかすむ富士山を心によみがえらせるオイサンです。

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のんびりと、陽気に、力強く。
オイサンでした。
 
 
 
 
 

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2017年6月25日 (日)

■目を瞠るとき。~小諸、十四回目~ -更新第1130回-

アテもなく小諸へ行ってきた。
14回目。

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14回目だったか、15回目だったかあやふやになってきたけど、
珈琲こもろさんのノートを見たら前回の自分の書き込みがあって、
「13回目」と書いていたので今回は14回目なのだろう。GJ、今年3月の自分。

本当に、何をした、何をしに来たというわけじゃなく、
いつも通りやってきて、ボンヤリゆっくりして帰った、というだけの24時間でした。

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一つだけ新しい楽しみとして、町はずれの野菜餃子のお店に行くというのがありまして、
実際行ったのですが、えー、歯に衣着せずに言うと、イマイチでした。
落ち着かない店だった……。
ツッコミどころ満載ではありましたが、マあんまり楽しい気分にはさせてくれないというか。
じめっとした哀しみに包まれたお店でした。どんなんだ。

  マ一緒にいたご家族づれが鬱陶しかったってのもある。
  小さい子どもを連れてくるな! などとは申しませんが、
  子どもが「しつけられること」を了解しておらず、
  しつけ未満の家庭内不和を周りにまき散らさないとならない
  それは最低限解決してから表に出てきていただきたい。
  しつけをその場で実行するのは構わないので、
  しつけられたら子どもはそれに従う、という関係性はハッキリさせてから表に出ていらして?
  鬱陶しくってよ、祐巳。

初日の12時45分くらいに小諸に着き、
お宿に荷物だけあずけてキャンディライトさんでゴハンを食べ、
やたら混んでいた停車場ガーデンさんでコーヒーをテイクアウトして
弁天の清水へ向かったのが14時半くらい。

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弁天の清水で小一時間写真を撮って、飯綱山公園に登る頃には16時半を回っていた。
そっからまた小一時間ボンヤリと写真を撮って山を下り、
目当てのギョーザ屋さんに着いたのは18時半頃だったと思う。

ウームと思いながら店を出て、駅前に戻って珈琲こもろさんに入る頃には19時半近かった。
20時を少し回ったくらいで店を出て、ツルヤさんに寄ろうと思ったらもう閉まっていたので
まっすぐお宿に帰ったら、カクンと寝オチしてしまった。
そんなに疲れることをした覚えはないのだが。

帰りの新幹線は、軽井沢を14時前なので、小諸は13時には発たねばならない。
早朝からブラブラジョギングをするつもりだったのに
寝落ちして2時半頃に目を覚まし、そこから風呂に入って寝直す、
なんてトリッキーなことをしたもんだから、結局8時頃に起き出すことになった。自堕落。
チェックアウトして荷物は駅前のロッカーに投げ込み、
朝食は駅前の立ち食い的ソバ屋(座って食べられます)でいただき、その足で懐古園に向かう。
ちょうのんびり回ると、あっという間に(どっちだ)10時半。
そっからみやさかさんとツルヤでお土産を買って、再び珈琲こもろさんで軽くお昼ゴハン+お茶をいただき、
最後にふらっと、町屋館みはらし亭で山並みと町並みを眺めたら、もうサヨナラです。



……という、完全にいつもの定番コース。



2日目のお昼を、珈琲こもろサンにしようか、懐さんにしようか最後まで悩んでたけど、
コーヒー飲みたかったんでこもろさん。
次回は懐さんにしたい。ソースカツ丼なんてすばらしいメニューもランチに加わっていたようだから……。
そば七さん、ふじたさんにも行かなかったな。
マ1泊2日じゃゴハンの回数も限られるからのう……。

前回行かれなかったので今回は行こうと思っていた、田園見渡しスポットやダムも行けませんでした。
マそれをぶち込むと……時間キッチキチのスパルタンになっちゃうからねえ。
今回はのんびりしたかったので、無理はしませんでした。

しかしそんな、超定番コースだったにも関わらず、
案外、新しい発見をしたりとか、新鮮な視点を見つけたりとかがありまして。
なかなか納得の行く小旅行でありましたよ。

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新しい刺激や発見は、期待も、それに出くわすための仕込もしていかなかったので、
まあないだろうと思っており、
そのせいで、弁天の清水でひとしきり写真を撮り終えて一息ついたところで
フッと気が抜けてしまった。

「まあ今回は、ずっとこんなモンかな……」

という気持ちが鼻から抜けて行って、次は飯綱山公園の上まで上がろうと思っていたのだけれども、
そうして気持ちのハリが途切れてしまったら、
「じゃあここはおしまい、次」と、この場を離れて次へ行くキッカケを作れずにおりました。

どーしたものか、ここはもうおしまいにして良いものか? と、
水場を一度離れてコーヒーに口を付けておりましたところ、
湧水の吐き出し口の、アゴの裏に下がった苔から垂れ落ちる水の軌跡の美しいことに目を奪われ、
軽い興奮状態に陥ってしまいました。

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それからしばらくは、またそこにかぶりつきでカメラを構えていた。
しかしそうなると今度は、なかなかそこ離れ難くなってしまって、
4時過ぎまでとどまってしまった。水も汲まないのに何をやっているんだ。
人が少なくて良かった。

そこにいたる時間と行いのひとつらなりは、
自分の心身と時間をしっくりと繋いだ分岐点、接続点であったように感じている。

あのとき、あそこであの苔が目について、心がクッと持ちあがったことが、
それまでの時間と今こうして文字を打っている今の時間の流れをつないだ明らかなジョイントになっていて、
あのときとりあえずの惰性で休憩を取らずそのまま山へ向かっていたら、
今の自分は、今とは明らかに違う今にいただろうという確信が、今回は強くあります。

  マその「今とは違う今」が、今より良いか悪いかはわかりませんけれども。
  変わんなかったかもしんないし。

その時、吐き出し口にアゴヒゲみたいに垂れていた苔が目についたのは偶然なんだけども……
いやあ、「偶然ってこわいな」と、あとから思うとつくづく恐ろしい。
アレが無かったらその先の時間にあった出来事も、どう転んでいたかわかりません。
「苔が目についたこと」は、自分が用意したわけでもないし、
積み上げてきたモノゴトによって必然的に導かれたわけでもない、
ひとえにポッと出の事実が飛び込んできただけの瞬間だったから、狙いようも避けようもありませんでした。

なんでもない風景にうずもれた、ただ水の滴るだけ苔が一つ目に入るか入らないか、
たったそんなことで人の暮らしはこうも変わるものなのだということを
今回は実感しました。今回の旅は、そのことに尽きました。

そのあとも、見慣れた風景の中で新鮮な発見が続きました。

飯綱山から見下ろす風景でも、今回は北側の浅間山より南の町側の方に心ときめく、
心惹かれる美しさを感じ、
町なかにある水田に水が張られ、澄んだ光を鈍い色で照り返しているのに目を引かれました。
町がいつもより近く、広く見渡せた。
小諸は、町なかにもビューポイントにも木がよく茂っており、
視界も、見渡す中にも季節によって視界が大きく変化するので
あまり来たことのない時期に訪れると景観が一変して新鮮に映る。

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楽しみにしてきたギョーザ屋はイマイチでそれは残念でしたけれどもが、
そこから町への帰途に使った道は通るのが初めてで、
これまで通ってきた道と思わぬところで繋がっていたり、
見たこともないトンネル……これがまた、奇怪な怖さを持ったトンネルだったのだが……をくぐったりして、
あの苔との遭遇以降、幸せな出会いが続いた。
よく見知ったはずの道のわき、弁天の清水の裏手に小さな公園があることを初めて知ったり。
単純に、気持ちがそういう風に向いただけなのか、実際におかしな扉がひらいたのかは分からない。

  まフツーに考えれば「おかしな扉」なんてものは存在する筈もないファンシーイマジネーションで、
  目線を引いて見れば、
  全ては人間が「そこにある物に対して、そうある様に」行動しているにすぎないのは明らかなのだけど、
  果たして客観が先にあるのか、無数の主観が絡み合うのが先で
  そこから客観・客体が生まれているのか……それはまだワカラン気がする。

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2日目は、惰眠を貪ってしまったせいで懐古園を回るだけで精一杯になってしまった。
特に新しい発見があったわけでもなかったがけれども、
自分の視野がやけに広く、風景が新鮮に見えた。
これは気分的な話ではなく、実際の目に見えている認識範囲の話。
いつもより広く、風景が目に入ってきていた。

もしかすると、
「普段も目のレンズには同じだけ映っているが、それを映っているとアタマが認識・処理できてないだけ」
かも知れないので、気分・コンディション的な違いなのかもしれないけど。

なんなんでしょうね。
季節のせいなんでしょうか、空気の透明度がとても高かったように感じ、遠くの方まで……
ただ単に、「晴れて、澄んで、遠くが見えた」というのとも少し違って、
「遠くが見えて、さらにその細部まで、精細に見えた」気がしている。
遠く・深くが見えた感じ。
カメラのピントが合う距離の範囲のことを被写界深度と呼びますが、それが深い感じに似ている。
かつ、平面的に感じない。

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そのせいかはわからないけど、いつもよりゆっくり回ってしまったようで(いつもより時間ないのに)、
1時間半も園内にいたようです。
それでも、気持ち的にはもっともっといられるのを慌てて出てきてしまったのですが。

……そんなこんなで、なんでしょうか、自分で言うのもなんですが、
大変澄んだ瞳で過ごせた2日間だったような気がします。
その分、とてもボンヤリした2日間でもあったけど、満足感、充足感はあった。
ピンと来た時間ではありましたよ。エエ。
不思議と。
何かを追い求めていなかったから、見つかったものそのままを納得出来た、
というのはあるかもしれません。
それでいいのか? と言う人は言うだろうけども……
それはそれで、大事なことだと思うオイサン、42歳になろうとしている初夏であった。

ザ・初夏。

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以下、時系列順に
それぞれのスポットで起こったことを書き留めて終わりにする。



■全般
あのね、小諸寒かった。
来しな、軽井沢で新幹線からしなの鉄道に乗り換えるときに結構な寒さを感じ、
そのときは半袖を着ていたので、これはアカンなと長袖に着替えてどうにか乗り切れる気持ちでいたのだが、
日が傾き始めると最早上着がないのが不安なレベルで冷えてきた。
信州、侮れぬ。
あとでキャンディライトさんやみやさかさんで聞いたところによると、
ここ数日は風さえなければ霜が降りても不思議ではないくらいなのだそうで、
広報アナウンスでは畑に霜対策をせよ、と注意がかかるほどだったらしい。
珈琲こもろのマスター曰く、雨が降るようになればもっと冷える、とのこと。
東京みたいに、雨も降らないのにじっとりと湿気に苛まれるようなことはあまりないのだそうな。
「伊達に避暑地じゃないよね」という一言が、妙に印象に残っている。



■キャンディライトにて
サービスメニューのBセットに夏野菜カレーがあったので、それを注文してみた。
Aセットが「アジフライ+焼肉」だったのでものすごい悩んだ。
デこれである。

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決して「カワイイ」と呼べるシロモノではないと思うのだが、
あとから入ってきたJK二人の片割れが同じものをたのんで、
「かわいいー」とケータイでお写真なぞ撮っておられ、オイサンは大層肝をつぶした。
さすが小諸のJKはイカレたセンスしてるぜ(失礼)。
相方のJKもなかなか奮っておられ、

  JK「この、『カツ重』ってどんなんですか」
  マスター「……カツ丼って知ってる?」


という、一見コブラと悪役の様な小粋トークをぶちかましていてオクラ吹きそうになった。

  海賊酒場のマスター「見ねえ顔だな、よっぽど田舎の宙域から出てきたのか?」
  コブラ「実はそうなんだ。マスター、このカツ重ってのはなんなんだい?
      オレぁ生まれてこのかたカツ丼しか食ったことがねえ」

……みたいな(そんな会話があるか)。
このJKお二人は、嘗ては小諸近辺で暮らしていたのが小諸で再会した、
的なシチュエーションであったご様子で、会話を聞いててなかなか味わい深かった。

あと、カウンターの奥に賞状が貼ってあるのには前から気付いていて、
衛生認定証的なモノか、そうでなくても料理コンテストとかそのテの類のモノだろう、
と何となく勝手に思い込んでいたのだけど、
書いてある文字列に違和感を覚えてよく見てみたら、駅伝に入賞したときの賞状だった……。
3位と5位。

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なんでそれを貼ったんだ。
あと、本棚の『こち亀』27巻がかぶってた。
かつて客同士で27巻を取り合ういざこざでもあったのだろうか……。



■停車場ガーデンさんにて
小諸へ来ると、毎度、動き出す前(今回は山方面へ向かう前)に
この停車場ガーデンさんでマグボトルにコーヒーを買っていくのだが、
今回はどうしたことかものすごい満員でえらく時間がかかってしまった。
マそもそも人気の高いお店なので結構待つことも珍しくないですけども、今回は特に。
オサレなお店ですし、女子でいっぱいです。

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尚、コーヒーといっしょに必ず手焼きクッキーも買っていくのだけど、これがまた絶品です。
味の種類は、紅茶味とかチーズ風味とかいろいろあるけど、
オイサンはスタンダードなシナモン風味が好き。
山のてっぺんで一人コーヒーを飲みつつ頂くのが最高です。
乙女か。山ガールか。


……( ゚д゚;)……ハッ!


いま、恐ろしい推論をひらめいてしまった……。
ここなちゃんに会おう会おうと思って飯能へ何度か足を運びながらも、
ついぞ出会ったことがない、その影を捕まえたことすらないのだが、もしや……
俺自身がここなちゃんなのでは……!?
それならば会えないことにも納得がいkおや誰か来たようだ。
まあそんな、ここなちゃん&ユイオグラファンから殺されそうな冗談はサテオキ、
実はこの日、飯能では『ヤマノススメ』ファンミーティングイベントが開催されておりまして
(小諸現地で知った)、
『ヤマノススメ』のOVAとその劇場上映、あとTVアニメ3期放映が発表されておりましたとさ。
おおめでたい。
小諸関係ないけど。


……。


小諸をひとりブラついていたらお忍びで巡礼に来てた阿澄佳奈とバッタリ出くわしたりしないだろうか、
などとアラフォーらしからぬ都合の良い妄想をコチトラ楽しんでいたというのに、
地に足の着いた当の阿澄さんは飯能でせっせとお金を稼いでおりましたとさ。
トホホのホ(何がだ)。



■弁天の清水にて
いつもはひっきりなしに、水くみの車が訪れては去り訪れては去りするのだけども、
今回は、人はそれほど多くなかったな。時間帯のせいもあるのだろうか。
オイサンが見たのは、
着いたときに始めからいたバーサンと
気合の入ったジーサン(3Lくらい入りそうな、焼酎のボトルみたいなの30本くらい汲んでいた)、
遊びの途中でやってきた、年が2ケタに上がるか上がらないかくらいの少年5、6人、
あとは業者っぽい、ごついポンプを積んだ軽トラのおっさんくらいだった。

少年たちは顔洗ったり水飲んだり、わーっとやってきては
「公園で遊ぼうぜ!」と5分もいないで走り去ってしまった。
いいねえ、近場にこんな場所があって。

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最初のバーサン・ジーサンもなんだかなーな二人で、
二つある注ぎ口の、やたらと勢いのある方を使ってたバーサンが、
ジーサンが汲み終わったボトルを運んでいる隙に彼の使っていた勢いの弱い方を
なぜか使い始め、
「……そこ私が汲んでんだけど」
「2本だけだから」
という、非常にもっちゃりしたやり取りだけがあって、なんか居心地が悪かった。
なんだよ、「2本だけだから」って。面白えなチクショウ。
マ確かに、勢いある方は水勢が強すぎて汲みにくいんだけど。
ヘンな人間模様である。



■飯綱山公園にて
いつもは、山の一番奥まで歩いたところにある山頂の広場からの眺めが一番良いと感じるが、
今回改めて見てみると、高原美術館の裏手の駐車場から見る浅間山も近くて迫力もあり、
CGめいた非現実感が大変よいな、と思った。
また上でも書いたが、今回は南側、町の方の眺めが大変良かったと思う。
町も山もいつもより近く感じたのは……なぜなのか分からない。

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■駅前そば屋にて
年輩のスーツおじさんが、東南アジアげな若者とずっと英語でしゃべってた
どういう関係だったんだろう。

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■おみやげのみやさかにて
買い物をして、実家に送りつけるための伝票を書いている途中のおやつ(毎回出てくる)に、
今回は、ご自宅の晩ゴハン用に茹でたという枝豆をお出し頂いたのだが(なぜだ)、
これがまた美味い!
何の味もつけていないというのに驚くほど味のある豆で、名物にならないのが不思議なくらいだった。
名前忘れちゃったな。なんかちょっと変わった名前を教えてもらったんだけど。
以前、新潟出身のテ氏に、新潟名産のダダ茶豆をいただいて
それも驚くほど美味しかったのだけど、タメをはるおいしさ。

しかし……なぜ私は、みやげもの屋でヨソんちの晩ゴハン用のお豆さんをいただいておるのか。
この調子でいくと、次回はいよいよ夕ご飯に招待され、
その次はお風呂を借りて、
しまいには泊めてもらえるんじゃないだろうか。すみませんね奥さん。
ところで、オイサンはみやさかさんで売られている中でも、
この「焼きはや甘露煮」がグレイトにオススメ
大変おいしい。生臭さもなく、クセもない。

ホロホロに崩れるくらい柔らかく煮込んであり、
ちりめんじゃこの骨でも喉にかける(本当)我が家の母でさえ
「頭から食べても何の問題もない」と評するほどである。
同じラインナップに鮎もあるのだが、オイサンはこっちのが好きだった。

  仕入れをご希望で手渡し可能な方は、事前にご注文いただければ
  オイサン買ってきますよ。別に通販ページで買ってもいいけどw(そっちのが早いだろ)

デ、そんな話をしたら
「そうなんですよ、これ美味しいんですよね!!」
と、お母さんからも、大お母さん(お婆ちゃん)からも満面の笑みでリアクションが。
野沢菜の話を訊ねると、夏場は違うのを扱うことに今回から試してみていて、
これも美味しくて……と、商品の研究にも余念がないご様子……なのだが、
どれの話を聞いても「美味しい」とかキチンと感想が返ってくる。
……一体自分とこの店のみやげもの、どのくらい自分で食べてるんだろう。

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■ツルヤさんにて
地元信州に展開するローカルスーパーのツルヤさん、
テ氏の奥方がここのおやきが大好物なことで全国的に有名ですが(そんなことはない)、
「ツルヤオリジナル」というプライベートブランド商品を、チョイチョイ展開していらっさる。
いままでは、そのおやきとか(これは別にPBじゃないけど)、
ドライフルーツ(とくにやわらかリンゴ)とか、謎のレモン風味ポテチ(一風変わってるけどクセになる)とか
くらいしか買っていなかったのだが、
「店内しっかり歩き回ったら、もっといろいろあるんじゃないか?」
と思いついて、今回いろいろな棚を探して回ってみたら……あるわあるわ。

お菓子をはじめ、ドレッシング的なものから、お出汁、味噌汁、スープ、農産乾物、びんづめ、缶詰、
ふりかけやらなんやら。
そんなんで、目について気になった物を色々買ってしまった。
あんまりかさばらなくて軽い物ばかりだけど。
しばらくはこれで楽しんでいく所存です。

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マそんな感じでヒトツ。

しかしワタクシ、曲がりなりにも『あの夏で待ってる』の巡礼がらみで小諸を訪れているにもかかわらず、
公式聖地であるところのみまき大池にはまだ行っていなかったことを思い出した。
マ歩きではなかなかアクセスし辛いところにあるのですけれども、
どうやらそこからもなかなか美しい眺めが拝めるようなので、
次回行くときはそこを目指そうかなと、それっぽいことも言っておきましょうか。



オイサンでした。
 
 
 

   

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2017年6月21日 (水)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その三~ -更新第1129回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅。
第3回……ようやく初日の午後だよ……
まあ今回は前半に色々集中してて、後半はひとえにまったりしていくばかりなので。


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ホテル菊富士の庭にて。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■━ 1日目 ━■■■
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■1日目:甲府市街 ホテル「菊富士」、そして「ひなた」へ



時刻は14時を過ぎた。駐車場で一休みし、イザ、町へ戻って昼ゴハンを。

昇仙峡と町をつなぐ道もなかなかにワインディングでしたが、
くだりは特に、雑木のすきまから甲府の町越しに富士山の勇壮な姿を臨むことが出来て見応えがありました。
マここまでくると富士山は、よっぽど邪魔者のあるアングルでもないと
大抵見られるのでいい加減飽きてはくるのだが。

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関東に越してきてびっくりしたのは、意外といろんなところから富士山がみられてしまうことだった。
関西に住んでいると、富士山なんか「あるのは知ってる」くらいで
全然遠い存在ですからね。
せいぜい東海道新幹線の窓から臨むくらいのモノで、日常からはかけ離れている。

そんな、非日常的なものをマイニチ当たり前みたい眺めて暮らしているから……
こんな突拍子もない人間が、あっちこっちで発生してしまうのかもしれません、甲府!
甲府、驚異の三賢者の二人目(厳密には二組目)は……人里を遠く離れた仙人郷ではなく、
人の世界、まちの暮らしの中に潜んでいました。



テ氏の予約した宿は「ホテル菊富士」。



甲府駅から、徒歩でも15分ほどの好立地であるが……そのお値段、なんと一泊3200円。
まじでか。
富山の魚津スカイホテル、銚子のホテルニュー大新につぐ歴代記録のお値打ち価格ではあるまいか。

ただ如何せん、テ氏いわく、

  「宿の場所が、マップ上じゃ分からないんですよー。ディーンとしか書いてない。
    宿の名前はディーンじゃないのに。ディーンしかないの」


と、宿を予約したテラジさんがディーンディーンうるさい。
なるほど、確かに地図上ではディーンが目立つ。





しかし、一旦車で宿近くまで行くと、ホテル菊富士は案外すぐに見つかりました。
駐車場も、ちょいと狭いがすぐ前。便利。
着いたのが15時前とチェックインにはまだ少し早かったので部屋には入れず、
一先ず車だけ置かせてもらい、腹がいななきよって仕方ない二人と
宿から歩いて15秒、走れば5秒のところにある食堂「ひなた」へ向かいました。
さあ、腹減ってるんだろ? たらふく食えよ。
しかしその店構えを見て、二人は口を揃えてこう言いました。

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「オイサン……ここ、よく一人で入りましたね。勇気あるわ」


……うむ。今は自分でもちょっとそう思う。
残念ながら、店先をしっかり捉えた写真はないので、
店内の写真を見てもらい「大体これと同じ」と思ってもらえれば良いです。

蛮勇である。

別に、その時は面白いから入ろうと思ったわけでもないし、
「やべえなこりゃ……へっへっへ、腕が鳴るぜ……」と決意して飛び込んだわけでもなく、
「まあ、ココだろう」と思って入っただけなのですが、
改めて人から指摘されるとちょっとコレはどうだろうな、と思わされる。
オイサンが独りでいるときの判断というモノが、如何ほどの常軌の逸し方をしているか、
なんとなく見せつけられてしまった気がする。
今後気を付けよう……否、気を付けない方がいいのか?
別に死ぬ思いをしたワケじゃなし、今のままで良いように思うな。

  すぐ隣がガストさんだったのも、逆に奏功したのかもしれない。
  「さすがにここまできてガストはねえわな」と思ったので。
  なんとなく2択が成立したのだろう。マけがの功名というやつである(ケガ扱いかよ)。

オイサンが既に潜入調査済みである、ということを知っていても、
お二人の腰はまだ若干引けていたように思う。
何せお二人は、今日一日、大切に大切に空腹を育てていらしたのであるからして、
その蓄えに蓄えた空腹を、生半可なメシで満足させたくないという思いもあるのであろう。
その情熱、分からないではない。
正直を申せば、その情熱に『ひなた』のメニューがお応え出来るかどうかに確信もなかった。

だから包み隠さず、車中でこのようにお伝えした。

「決して飛びぬけてウマイってワケじゃないです。まずくはないですよ。
 味はフツウ。普通です、ふつーですけど、フツーの人が油断して入ったら
 色々コミで結果マイナス評価になる系のお店です」

多分間違ってはいないと思う。
そして、店を出た後のお二人の反応から察するに、間違っていなかったと今でも思っている。
そして我々は……フツーじゃないのか、色々コミで、プラスで終われたのだとも思う。

もしかするとお二人は……空腹に余裕があればここは避けたかもしれないな、と、
入る前の腰の引けっぷりを思い返すに、察するところがある。
「よく一人で入りましたね」と、3、4回言われた気がする。
しかしもう彼らものっぴきならないところまで来ていたんじゃなかろうか、
今からほかの店を探すゆとりもなく、テ氏が扉を開いた。

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まあ、内装にやられますよね。

九龍城か。

あと、本棚に揃えられたマンガのラインナップにやられる。
オイサン・テ氏の世代には、かなりツボを押さえた品ぞろえに見える。
しかし我々は、九龍城に遊びに来たわけではない、メシを食いに。腹を満たしに来たのだ。
メニューを選ぼうじゃないか、さあさあコレだ、
この一昔前のカラオケの選曲本みたいな厚さの本がメニューなんだぞコノヤロウ。
選べ?

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お写真提供:テ氏

このパートなんとかって書いてあるのに惑わされるな、
ほとんどそれはページ数みたいなもんだから!
そこへ、注文を聴きに来てくれたのか? お店の旦那さんが通りかかる。

  旦那「そのパートメニューってのはね、
       メニューの前の方にあるレギュラーのメニューを組み合わしたやつだから」


  テ氏「オイサンwwwww説明が間違ってるじゃないですかwwww」

  弊社「オウフwwwwすまぬwww知ったかであったwwwwフォカヌポゥ」

  旦那「そんで、組み合わした値段から、400円引いてあるの。オレ計算できなくてバカだから」

  ヨ氏「自虐wwww」



どうですかこの、一瞬のトークのキレ。
ついでだ聞いてしまえと振り返ると、旦那さんの姿はない……どこへ消えた?
この「面白丼」ってなんなのか聞きたかったのに……と思ったら、トイレから出てきた。
注文をとりにきたんじゃなかったのか……。

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  弊社「この『面白丼』ってのはなんなんです?」
  旦那「それはね、面白丼って名前だけど作ってる方は面白くないんだよ


そんな情報は求めていない!
旦那さん曰く、色々乗っかり過ぎて、利益率が悪いという事らしいが、
それは他の、パートメニューなども同じことの様だ。
尚『面白丼』、色々と乗っていることを説明してもらったのだがホントに色々過ぎて
何が乗っているのか殆ど失念してしまった……せっかく聞いたのに。
唯一憶えているのは、旦那さんが最後に言っていた「目玉焼きが3個乗っている」ということだけだ。

しかしもう、このトークのキレだけで相当やられてしまった我々ちゃんは、もうすっかり夢見心地。
大量のメニューから、各々苦慮して厳選したお料理を注文すると胸を躍らせて到着を待った。

お二人とも空腹が酷いらしく、
ワリと盛りメのチョイスにアディショナル(追加オプション)を加えたらしいが、
大丈夫だろうか?
このお店、デフォでバカみたいに大盛りなワケではない。普通に食べられる。
ただ、サイズ設定の名付けが独特で、

 無印(普通) < Large < Bigり(ビッグり) < 超Bigり

……とか、シレッと書いてあってびっくり……否、ビッグりする。

また名称だけではなく、ノーマル以上の設定を注文すると
量のアップ幅は大きいので注意は必要……なのだが、まあ2人ともツワモノだから、
それほど問題にはならないだろう。

時代物の14インチブラウン管テレビからは、殺人事件モノのサスペンスが流れている。
前来た時も刑事ドラマ流れてたなあ……店の奥さん、空いた客席の一つに座ってガッツリテレビ見てるけど、
まさかアンタ、お気に入りのドラマの録画を流してるんじゃあるまいな?

待つことしばし、

  奥方「パート16(じゅうろく)の2はどなた?」
  ヨ氏「ぼくでーす」
  奥方「パート12(じゅうに)の、カニクリームコロッケ4個追加は?」
  テ氏「あ、私です!」
  奥方「パートテン(10)は?」
  弊社「……。え? あ、はい」

なんで「10」だけ「テン」なんだ。一瞬わかんなかったわw
ちなみに「パート16の2」というのは、
「レギュラーメニューにある何かしらの肉を焼いたものと何かしらの揚げ物を組み合わせた
 (チキンカツ+ハンバーグ など)パートメニュー16番に、
 何かしらのオプションバージョン2が付加されたもの」
であり、これが大体、パート20くらいまである。
テ氏がコッソリ

  「パート16の2って……『ファイナルファンタジーX-2』かよ……」

と呟くのを、私は聞き逃さなかった。だってオイサンも同じことを思ったから。

  弊社「パートⅣとⅨはないんですね?」
  奥方「シとクは抜いてるの」
  我々「(そこは普通にゲン担ぎなんだ……)」

テ氏はハンバーグにカニクリームコロッケ(×6!)を増量+ゴハン大盛り、
ヨ氏は焼き肉に焼きチキン増量(×2)+ゴハン大盛り。
よほど腹が減っていたのだな……。

 「オレ、カニクリームコロッケなら
                無限に食えると思うんスよ」


と、百万石の領主におさめられた年貢のごとく皿に積まれた
6個のカニクリームコロッケを前にフラグ立てに余念のないテ氏を最終的に見舞ったのは、
2度目の「大好きだったものをキライになりそうになる」瞬間だった。
だって最後の方、明らかにしんどそう、というか、
おハシで転がして食べるのをためらっているご様子でいらしたもの。

まあ……いっこいっこ、味が濃いんですよねw
そして、本来箸休めになるはずの千切りキャベツがみるみるその濃い味ソースを吸い込んで、
濃い味に疲れてキャベツに手を付けたくなる頃には
キャベツさんもすっかりそちら側に染まっているという、2重3重にからめとってくるワナ。
甲府のヒトの好みなのかしら。
甲府のヒト、血圧高いんじゃない? でなきゃあんなにしゃべれないと思うわ
(※偏ったサンプルに基づいた感想です)。

オイサンは……大盛りにしたりしませんよ。ええ、しませんとも。

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おいしそうでしょ? そうでもないんですよ ← オイ

店を出たとき、テ氏も、そして真に無尽蔵の胃袋を持つヨ氏までもが、
若干体を重そうにしていたが印象的であった。
うーん、すきっ腹の詰め込んだのが苦戦のもとだろうか。
普段だったら、そこまで苦戦するような物量ではなかったと思うんですよね。
マ味は確かに濃かったかも知れないけど。
昼ゴハンが15時近くまでずれ込んで、胃の縮こまったところにブッ込んだのが苦戦の主因か。

  ※ しかしここまで読んでいただいて皆さんお気付きの通り、
  ※ 別にね、遊び心がひどい店でも、何かのタチの悪い店でもない、
  ※ 色々天然なだけの極めて良心的なサービスのお店なのです。
  ※ 強いていうならそう、無邪気。
  ※ ひなたは今日も無邪気なサービス精神で、皆様のご来店をお待ちしております。



■甲府の夜と、再びホテル「菊富士」



さあ腹も一杯になってしまったら、あとは宿に帰ってぶっ倒れて眠るだけ……
というワケにも参りませんし、大体お前まだ夕方の4時だぞ。
大人なんだから、旅先の夜にはまだまだやることが残ってるだろ?
オトナの遊びがよ……ウヒヒ。
そう。
テ氏御用達の模型店に行って、……なんでしたっけ? やすりの、何千番だかを買うんでしょ?

なぜかアラフォーモデラーテ氏にはこの甲府に行きつけの模型店があって、
今回は奥方から、そこで何らかの塗料と2000番のヤスリを買ってこいと指令を受けているらしい。
まあテ氏からしてみれば、甲府なんてのは近所みたいなもんですから、
近所の美味しいラーメン屋でラーメンを食べて、その帰りにヤスリを買って帰ったりされるわけです。

そんなわけで、なかなか気難しそうな親父がムッツリとカウンターに陣取った、
模型店「ホビーショップイチカワ」にて買い物をすませ、
さあ軽く飲みものでも買って宿へ帰

  ヨ氏「お、クムーリ(*1)売ってる! 食べましょう!」

     うちのチームではソフトクリームをクムーリと呼びます。
     たまに間違ってムクーリという人がいますが間違えすぎると破門になります。



食うんかい! どないなっとんねん。さすが我らがエース、すげえな……。


 テ氏「食べましょう」


……。うちのチームは層が厚いなあ……
ボカぁ、あっという間に2軍に落とされてしまうよ。 ← 食べなかった人
なお、ヨ氏はクムーリの他に大判焼きを買って帰って夜食にし、
エースとヒラの格の違いを見せつけていました。

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こうふ です。 どうしますか? ボス!


宿から目と鼻の先にある地元のスーパーで飲み物を買い、宿に戻ってチェックイン。
すると、宿のおかみさん(※この人は今回地元で関わったショップ関連の人材で唯一マトモ)から
衝撃の一言が。

  「お部屋ははなれになりますねー」

これがそのはなれです。

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マーガレットの咲き乱れるお庭付きの別棟。どうです? メルヘンでしょう?
平均年齢・約40歳のバラ色ダンディ3人組が愛を育む(育みません)には最高のロケーションです。
ちなみに二部屋あって、もう一室は別のお客さんが来られるご様子。
あのね、このお宿、めっちょ安いんですよ? それなのにこの所業。鬼です。安さの鬼。

中も大変広くてお手入れも行き届いており、なんら不満はありません。
しかしこの日は天気も良く、ちょっと暖かすぎるくらいだったので、
ちょっとだけお部屋を冷やしましょうかね。
エアコンのスイッチをぽちっとな……。
……。
寒くね?
あまりのエアコンの威力のおかしさに気付いたヨ氏・テ氏が天井を見上げるとそこには、


……エアコン、でかくね?


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なんとそこには、映画『インディペンデンス・デイ』に出てきた異星人の
母艦UFOほどもあるエアコンが!!
まあそれはオオゲサっていうかただの嘘ですが(日記にうそを書くな)、
嘗ては大きなアミューズメント施設の長でもあったテ氏いわく、
「ちょっとしたデカ目のゲーセンにあるやつ」くらいのエアコンらしいっす。
ちょっとONしただけでもう寒いのなんの。

「この宿も、一見マトモなフリをして見えるが、
 実はおかしなところで牙の剥き方が斜め上なのでは」

と、我々調査団の間に緊張が走るが……クッ、なんだこの、異様な眠気は!
まさかさっきの食事になにか……ZZZ  ← 食いすぎ

ヨ氏はいつも通り、部屋に着くなりなんの抵抗もなくフトンに滑り込み、
なんだかんだ言いつつテ氏・オイサンもそれに続いて横になると、部屋はもう横になり祭り。
買い物を終えて帰ってきたのは確か5時くらいだったハズでしたが、
それから8時くらいまで……3人は無抵抗主義を貫いたのでした。


……。


実はこの日にもう一つ、
ホビーショップではないテ氏の行きつけであるところの飲み屋さんで、
夜は一献酌み交わそう、という目論見があったのですが、
如何せん、3時間ばかり無抵抗でいても、ひなたでやられたダメージが抜けきらない。

  そう、当初の予定であれば、夕方からそこに入ってゆっくり舌鼓を打とう、
  などと寝ぼけたことを目論んでいたその店である。
  誰だ、そんなあまっちょろいことを考えていたのは! 調査任務を何と心得る!

しかしまあ、せっかくなので一杯だけでもということで、
宿の風呂が閉まる22時には戻って来られるように20時をナンボか回ったころに繰り出した。
店はほぼ満員ながらかろうじて3人座れる席を確保、小一時間ばかり酒を酌み交わし、
今日我々を襲った恐ろしい出来事の数々について振り返っては互いの無事と健闘を喜び合ったのでした
(訳:何を話したのかあんまり覚えていない)。
出てくるお料理は大変おいしかったのをよく覚えている。
すじ煮と卵焼きだっただろうか。

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駅前に鎮座する、信玄公の像(ようやく甲府っぽいの出てきたな)


宿に帰ると風呂はもうボイラー切られるほとんどギリギリで、
ものの10分ほどで浴びるように湯に浸かり(間違えた表現)……
その後、なぜ部屋がジャパリパークになってしまったのかが思い出せない。
なんか色々とコンテンツの話をしていたように思うのだが、
そこから『けものフレンズ』の話になって、
ヨ氏の手持ちライブラリから、未視聴だというテ氏にキモの部分をご紹介したのだったと思う。

  なんか最初に『日常』をご紹介したときも似たような流れであったように思うが……
  マそんな感じだ。あれは魚津でであった。

そんなこんなで甲府に突如出現したジャパリパークの夜は更けた。
たーのしーい。


というところで再び小休止。
あとは、忍野八海でソバ食って、道志村で風呂入って帰るだけだよ。

オイサンでした。
 
 
 

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2017年6月19日 (月)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その二~ -更新第1128回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅、第2回。
まだ1日目の午前中なんですけども。
なんでここまでがこんなに長くなってるんだ?

さて初日の午前中に、早速旅のクライマックスが来ている辺り、
今回の旅は出し惜しみナシのご様子です。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■━ 1日目・その2 ━■■■
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■1日目:昇仙峡 パノラマ台~茶屋「賢者の庵」にて(※)~
               ※実際はそんな名前じゃありません




ところで、この山の上にはお店が大きく2軒あり、
1軒はロープウェーのりばに隣接した、小ぎれい&シャレオツないかにもイマドキの観光客向けの顔をしている。

そしてもう一軒……
絶景ポイントをひとめぐりしてもといた広場へ帰ってくると、のりばから少し離れた、
山頂神社近くにあるあばらy……失礼、いかにも年季のしみこんだ山の茶屋然とした方の店から、
見るからに曲者臭の漂うらんぼうn……失礼、
威勢の良い、百戦錬磨の呼び声がする。
さきほどヨ氏が、
「あの店、『かき氷1杯300円、食べ放題』て書いてますけど、1杯なんですよねw?」
と軽くいじっていた店である。
確かにあの書き方ではよく分からヌ。


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店から出てきたご婦人の呼び声があまりに威勢が良すぎて、寄り付く客もない。
ワカル。
私たち3人も、当初は取り合っていなかったし、取り合う気もなかった。
しかしまあ……なんでしょうな。



申し訳ない。



私です。
私が最初に拿捕されたのです。

お店というか、海の家の山版のような、その内装……なんだかよく分からないオブジェが、
屋根の下に収まりながらもむき出しになって牙をむいているその様に、
そこに何があるのかに、好奇心を抑えられなかった。
声を張り上げているご婦人からは、まだ相当距離があった。
もしあれがRight-Onの店員だったら完全に射程外だ。
向こうが距離を詰めてきたとしても、離脱出来る自信があった。

それなのにまさか、
移動しながらMAP兵器を撃ってくるユニットがいるだなんて、フツー思わない。
最近ラノベだかで、『通常攻撃が二回攻撃で全体攻撃のお母さんがうんぬんかんぬん』というのがあるらしいが、
RTSでもないのに高速移動しながらMAP兵器を撃ってくるお母さんだったわけです。
そんなの見抜けない。

声をかけてくるにしてももう少し近づいてからかけるもんだろうに、
完全に油断したオイサンの左ななめ後方約5、6mの距離から話しかけてきた。
もう、最初の言葉が何だったか覚えていない。
ただ、それよりちょっと離れたところにいたテ氏が、なんとも言えない複雑な表情で笑っているのが見えた気がした。
会話の内容で憶えているのは、話がかき氷のシステムに及んだ辺りからだった。

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「かき氷もねえ、これ1杯300円でしょう? おかわりし放題だし、シロップもかけ放題なんだわ」
「あ、これ食べ放題なんですか?」
「そう。ひとりで何杯食べてもいいし、一人が注文して、他の人に分けてもいいのよ。
 毎回シロップもかけていいし」
「あ、え? 他の人が食べてもいいの? それ大丈夫なンすか?」
「いいんだズラ(*)。せっかく来てさあ、楽しんでってほしいじゃん?」


  *原文ママ。ズラ訛りって初めて聞いた。


なんというサービス精神。まさか、そこまでタガの外れた食べ放題だとは思わなかった。
下界では、おかわり自由を謳いながら実は2杯までだったり、大食いメニューも協力プレイは禁止だったりと、
様々な制約を設けて自分たちのアガリを守ろうとするのにキュウキュウとしているというのに。
ここでの無限は真の無限、本当の愛はここにあった。


  ……いま書いてて思ったのだが、このご婦人、

    1. 山の上でカフェ(?)を営んでいる
    2. 訛りがすごい(かわいい)
    3. サービス精神がすごい
    4. お客が少ないのを嘆いている

  などの共通点から、もしやアルパカちゃんだったのではないだろうか? 
  という恐ろしい仮説にたどり着いた。
  「博士に教えてもらったんですか?」って聞いてみれば良かった……。

けものフレンザーたちから殺されそうな冗談はさておき、
オイサン一人ではこの重力圏内から脱することは不可能、
最低でもかき氷は平らげて見せねば解放してもらえないだろうと踏んで、
「ヨ氏ー、かき氷、本当に食べ放題らしいぞ」
と、エースを呼び寄せる。
そうなると、若干遠巻きに見守っていたテ氏もやって来ざるを得ない。
何を呑気に見ているんだね! 知ってるんだぞ、君らこういうの大好きだろう!

そしてここからは……怒涛の一時間であった。

オイサンとテ氏はアイスコーヒー、ヨ氏は300円で、のちに
「この時期にかき氷食べるのは、生涯で最速かもです」
と語ることになる、食べ放題のかき氷を注文した。

  お婆「シロップは? なにかける?」
  ヨ氏「じゃ苺で」
  お婆「もう一種類は?」
  ヨ氏「え? どういうことっすかw」

こういうことである。


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上と下、別々のシロップを選んでいいのだ。無限のサービス精神!
選ぶのに困ったヨ氏に請われ、オイサンはマンゴーを指定した。

目の前で、ガリガリと音を立ててイキの良い氷が削られていく。
コーヒーも運んでこられ、さあコレを片付ければ観光を再開できるぞ!
……と思ったのもつかの間、お婆はさっきまであんなに熱心だった客引きもやめてしまって
我々のテーブルにつきっきりでトークショーを始めた。
こ、これでは迂闊に脱出できない!

 「かき氷はねえ、3杯半食べてった人もいるよ!」
 「あの神社はねえ、本当はあっち(ロープウェー乗り場の反対側)が正面だったのさ。
  でもあっちにのりばが出来るからっつうんで、こっちに鳥居こさえて
  お迎えするようにしたズラ。
  あたしらはさあ、その前からずっとここで商売してるじゃん?
  そういうのもずーっと見てきたんさ」

などと、まだまっとうな観光情報も提供するかと思えば、
急に一度店の中にひっこんで、お、話は終わったかな? 今なら脱出できるかな? と思わせておいて、

 「食べる?」

と持ち出してきたのは……フキである。
アイスコーヒー&かき氷に、フキの突き出し! しかも突き出しが後に出てくる!
ざんしんwww! と、ひと笑いしたのも束の間、
……このフキ、下処理がしっかりされていて、嫌な匂いやエグ味が一切なく
サクサク食べられてしまうのだった……達人の仕事です。

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  ここでウッカリ「あ、美味い。美味いっすねえ!」などとホメようものなら、
  2撃目のタラの芽弾が装てんされてしまうので、早く退散したいときは言わない方がいい。
  ……。
  しかしオイサンらは比較的時間の都合をつけやすい旅程で来ているから良いようなものの、
  時間カッチリで予定組んじゃってる人はヒヤヒヤもんだろうなw

ヨ氏がかき氷の一杯目を平らげると、
「もう一杯どうする? シロップは?」
と追撃をかけてくるものだから、ヨ氏にだってエースとしてのプライドがありますもの、
応戦しないワケにいきません。
そうするとイキオイ、話も長引いて、あちらも果たして観光客相手にそんな話がしたいのかどうか、
よく分からない話題まで持ち出してきます。


「入間のコストコで買ってくる冷凍餃子がうまい!」



とかそんな情報、わざわざ甲府の仙人から聞くような話か!
よくこんな話wwww観光客相手にwwwwするよなwwwww

  ……うーん。
  RPGの、町から外れた一軒家に住んでる婆さんから、
  たまに変な道具の効能を聞かされることがあったりするけど、なんかそんな気分だ。

マ入間方面の話になったのは、私たちがどこから来たかというハナシから派生して、
東京、神奈川の方という流れから、
お婆自身が関東圏のどんなところへ行くか、行ったことがあるかみたいな話になり、
横浜中華街の中華に話が及んで、

  「麻婆豆腐ならあたしのが美味く作れるね!
   でもあの、えびチリつうの? アレは美味かったね。
   でも餃子! 餃子はね、入間の方のコストコ、あそこで買ってくるね! あれは美味い!
   あとそこのティッシュ。それもね、コストコでまとめて買ってくるね、安いから!」

つって、もう一体俺たちは何の話を聞かされているのだか
おかしくて仕方がない。
こっちも半分調子に乗って、その話題に相槌を返してしまうものだから、
向こうはさらにサービス精神を発揮してくる無限のマッチアップ。
テ氏はテ氏で、お婆の話す道路事情やその速さに共感を示す。
お婆はときおり店に引っ込んで、「お、終わったかな?」臭を漂わせつつも、
ものの数分でまた現れる、という謎のシーンチェンジを繰り返し、
なんなら衣装替えがないのが不思議なほどの舞台転換さばきでありました。

  テ氏「あの、時々いなくなるのはなんなんでしょうねwww?」

分かりませぬw 奥で水でも飲んでるんじゃないのかwwwリポビタンの瓶でww
一体、お婆の本来のオシゴトは何なのか、客引きなのか、ホールなのか厨房なのかホステスなのか。
話の最中、神社に備え付けの自動おみくじ機の調子が悪かったらしく、
独りのお父さんが訴えにやってきたのだが、
なんだか非常にざっくりした対応をしていたようにお見受けしました。
山の看板娘を、オイサンたち3人で独占しちゃってていいのかなあ。
ボクらそろそろ、オイトマした方がいいんじゃなあい(そろそろ次へ行きたい)?

突き出しに出てきた山菜についても、ちょっと尋ねれば

  「ああ、あんなもん、ここに上がってくる途中にちょっちょっと寄り道すればもう、
   お店で売ってるズラ? こーんなちょびっとの束が、300円、400円?
   (いかにも作った渋い顔の前で手を振る)とーんでもない。
   タダさー、自分で摘んで来れば」

演技派だもの。
お婆、どっかで女優でもやってたんじゃないの?
……などと話を振った日には、きっと娘時分の自慢話の一つや二つ飛んでくるので
言いませんでしたけれども。
そうして極めつけは、お婆、昇仙峡の地図を持ってきて、
とっておきの観光情報でも教えてくれるのかな? と思いきや。

 お婆「あんたらどうやってきたズラ? 車? どこ停めたさ? この道で、この駐車場。ははあ。
    よく聞きな、ここに三叉路があるでしょう?
    昇仙峡の入り口のところに駐在所があるズラ。
    ここにはねえ、もうずーっと前からいてくれてるお巡りさんがいたんだけども、
    この四月で定年になっちゃって。替わるときもちゃーんとあいさつに来てくれてねえ……
    それはそれはいいお巡りさ(中略)
    そんでこの4月から、新しい駐在さんがくるズラ?
    これがまた……(さっきの渋面+煙たいしぐさ)……なんズラねあいつは!
    Tシャツにジーパン履いてもう、小僧っ子みたいな格好して、
    ここ! この三叉路の陰に隠れて、一旦停止するかもう、じー……っとみてるズラ!」
 俺ら「(ああ、三叉路のハナシはここからなのか)」
 お婆「この三叉路で、一旦停止するズラ? そしたらそいつ物陰から出てきて、
    『止まってない!』って7000円と減点よ。マーいけ好かない!
    だからね、あんたらはここの一旦停止でキチッと止まって、3秒! 三つ数えて発進するの!
    いいね!」
 俺ら「はい、わかりました!」
 お婆「ねえ! せっかく遊びに来てくれてさあー、
    そんなことでイヤな思いして帰ってほしくないじゃん? 3秒! ね! 気を付けて!」

お婆、観光案内所では教えてもらえない貴重な情報ありがとう!

かくして、かき氷2杯、アイスコーヒーを2杯、そして突き出しの山菜(フキ、タラのメ)をいただき、
我々は賢者の祠をあとにしたのであった……。
あ、ついでに話の中で出てきたマスコット犬コロちゃん(故人)のお写真も見ていきました。

かれこれ……3、40分は捕まっていたのではないだろうか。
イヤ、お婆、悪い奴じゃないんだよ。すっごいいい人!
でも、なんだろう! なんなんだろうなー!
しかしなんだろうな、なんでこんなに長引くのか。
オイサンがリアクション返すのが悪いのか?

……。

などと面白おかしく書いてはいるが(実際面白おかし過ぎたんだけど)、
あとから思い返して調べてみれば、
昇仙峡ロープウェーの開業がおよそ50年ほど前で、
お婆はそれ以前からあそこに店を構えていたような口ぶりではあった。
また、定年になったお巡りさんからも敬意を払われる関係性は、
まず間違いなく年上であろうと推測できる。
……お婆はいま一体いくつで、いつからここに庵を結んでいるんだい……?
まさか俺たちはとんでもない偉人にコンタクトしたのではないだろうか……。

ちなみにお婆は一人ではなく、お店にはもうひと方、同じくらいのお年のご婦人がおられました。
ずっと一緒にやっているのかね。なんだかすげえや。

釈放されたあと、さあ人間界へ帰ろうとのりばに行くと、
次の便は近かったのだが随分ギッシリと並んでおられ、もしかするとギリギリ乗れないかも知れない、
というほどであったので、20分ほど時間をつぶして次の便を待つことにした。



……キミらさあ、こんなに人間おんのに、なんで誰もあの店に来ぇへんかったん?



例の、例の占いマシンが故障した不信心な親子くらいやん?
こんだけ、ロープウェーに乗り切られへんくらい人来てんのに。
この前にも後にも、ロープウェーは20分間隔で運行しているのに。
あの店来た人、ゼロやったやん?
試しに「昇仙峡 かき氷」などでググってみても、
何やらクソオサレな山ガールやサイクリストのいけ好かないブログやインスタばかりが見つかって、
山頂でお婆さんにつかまり、入間のコストコの冷凍餃子がウマイ話を聞かされた、
などの奇譚は一つとしてヒットしないのです……
お前ら、昇仙峡までいって、あの話を聞かないで何をやっているのか!
何を思い出と呼ぶんだ、お前らは。

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窓部が顔出しになっている、ある意味逆転の発想の看板。
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景色は普通に絶景なんすよ。


20分ばかりは、謎の鈴投げ入れアトラクションと、
変わりダネ顔出し看板(ロープウェー型の窓から顔出すタイプ)などで楽しく過ごした。
オッサンてなんでも楽しくできるから最高だな。
これがJKやOLではそうはいかないであろう。



■1日目:昇仙峡・仙娥滝



さあ、山頂で1時間半ほども費やしてしまいました。
昇仙峡は、なんて見るトコ盛りだくさんなんでしょう。
地上に降り立った我々、ようやく昇仙峡の本丸に切り込んでまいります。
ここから昇仙峡さんの本気が……

  テ氏「そんじゃ、ちょろっと滝くらい見て帰りますかw」
  ヨ氏「でっすねw」

きみたちw! なんでもう「見終わった」みたいな空気を出しているんだねw!!
分かってるぞ、キミらもうすっかり腹ペコなんだろうw!
そりゃそうだよ、だってもう1時半なんだから。
山頂であんなに時間食うなんて思ってないだろ!
そういうときはもう「空腹はゴハンまでとっとこう」なんて考えないで、
なんかお腹に入れるんだ! じゃないと、落ち着いた気持ちで景色を見られやしないんだぞ!

  以上、途中のコンビニでパン買って腹ごしらえ済みの人の意見です!
  マ、あとで美味しいものをお腹いっぱい詰め込みたい!
  って気持ちはよく分かりますが。
  まあいいさ、見てろよ、あとでモノスゴイのたらふく食わせる店に連れてってやっから。
  ですけども、ホント皆さん、旅行で景色を落ち着いて見たいときは、
  お腹の具合は先に整えた方がいいですよ、ホント。すきっ腹は落ち着きがなくなるから。

そうして向かった先が、昇仙峡のメインスポット、仙娥滝と覚円峰。
「ロープウェーの駅を降りたら、歩いて5分くらい」というお婆の情報に従って川沿いを下っていき、
なぜかエイリアンVSプレデターが展示されている(ホンマになんでや)謎のみやげもの長屋を抜けると、
年季を経て見るからにザワザワした手触りの、ひやりと冷たい鳥居が現れます。

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それをくぐり、左手に切り落とされた断崖、右手にはそびえる岩壁を見つつ下った先に、
舞い上げられた水の粒子が早くも辺りをつつみ込み始める。
渓流だけが持つ涼やかな水気(すいき)に、体がつま先から洗われていくのが
ありありと感じられるようになる。
石段も、岩壁も、どんよりくぐもった鼠色とこげ茶色の中間の色をしているのに、
空から降りてくる光の淡い緑が一枚加えるトーンが、それらを打ち消して余りある明るさを作っていた。

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そうしていよいよ姿を現す、仙娥滝。
はあ、これはなるほど、立派な滝。荘厳。
水もどうどうとたいへんな勢いで、滝の頬とも呼ぶべき、しぶきに濡れる巨大な岩の壁も艶っぽい……。
ちょろちょろ注いだり、サラサラ舞い散ったりするのも滝ですが、
これはもう、昔話の滝。ザ・滝。文句のつけようのない滝オブ滝。た&きであります。

滝というのは、いつも思うのだが、見聞きするにとどまらず、体感するものである。
写真では言わずもがな、動画でも、伝わるものは全体の1割、2割というところだろう。
今はやりの、VRや4DXを組み合わせて世界中の滝を楽しむコンテンツを作れば
かなり良いのではないだろうか。

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目で味わう情報の全体を占める割合が、他の景観に比してきわめて微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感。
擬音で表現すると、

 どずん!
 ガン!
 ふわっ……
 ゴドドドドドドドドドドド……

というような(分からんわ ← いや分かるよ)。
大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。

この日はもう、天候的にはこれ以上ないくらいのパーフェクトウェザーだったので
大変にすがすがしかった
ここ多分、曇りか、小雨くらいの時に行ってもまた違う良さがきっとあるであろうなあと思う。
マその場合、足元には厳重な注意が必要だろうけど。



■1日目:昇仙峡・覚円峰



……どうでもいいけどさ、昇仙峡行って、
茶屋のオモシロお母さんを、仙娥滝と覚円峰と同じ扱いの章区切りで扱って書くのって
どうなんだろうね。イヤいいんだけど。

天上で過ごした仙人との時間で随分と予定が狂ってしまったとあって焦りを見せ始める
(あと大変お腹が空いている)二人を
「もうちょっとだけ! もうちょっとだけ奥まで行ってみません?」
と説き伏せ、もうチョットだけ奥へと進むことに。 先っちょだけ! 先っちょだけだから!!

……マそもそも、仙人の庵にウカツに近寄り
問答無用のマップ兵器でズドンとやられたのはオイサンなので、
時間食ったのはオイサンのせいみたいなところはあります。
これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビっておりましたが、
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛びました。

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覚円峰とその周辺の景観については、マ以前書いた通りで、
頭上に大きく、庇のように張り出した岩をくぐった先で急に広がる渓流の眺めが大変ドラマチック。
自然というのは本当に、想像を越えてくるくせにある種人間臭い、
心になじむ景色を作ってくるから畏れとともに親しみを覚えざるを得ない。

覚円峰さんは、目の前にもう突然、ずがんっ! っと。
ずがんっ! と垂直立ち上げの人であり、また流れの対岸に一人でおられるので手にふれることも出来ず、
狂った遠近感の向こう側で、どこか蜃気楼のように佇んでおられるので、
あまりこう……現実感がない。
「高さ180m」というスペックも、正直、この感覚の前ではあまり意味がないように思われる。
皆さんにも分かりやすくたとえると、
ダイターンがガオガイガーを肩車したくらいの大きさです。

  ちなみに、かの有名な一枚岩、オーストラリアのエアーズロックさんは地上からの高さは350m弱らしい。
  真下からずばっと見上げたら……どんなもんだろうか。やっぱり差はわかるのかな。
  あと、エアーズロックさん、
  最近は現地人の呼び方で「ウルル」という呼び方に直されているご様子ですね。

ぬぼっと高く、凹凸はありますがことさらゴッツンゴッツンした感じではないので
赤いペンキで「SOUND ONLY」とか落書きしてやりたい(怒られます)。
前回、「水墨画の様だ」と書いたのですが、そう書くのは、
現実味、存在感の希薄さを無意識に感じとったときなのかもしれませんな。
はっはっは。 ← 何を笑ろとんねん

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こういう大きな岩には、険しさよりも、語り掛けてくるようなやさしさ、
包容力のようなものを感じてしまうのは、この星のザ・岩な部分を感じてしまうからなのでしょうか。

などと、先へ進むほどバリエーション豊かに変化する景観と、とうとうと流れる清流に身を任せていると
時の流れにのってどこまでも行ってしまいそうだったので、
ここらでおしまいにして次のスポットへ向かいましょう。
ていうか、お二人の空腹がきっともう限界だ。

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自分ひとりだったら、きっと本当に、朝から晩まで丸一日、
上から下まで何往復もして過ごしてしまうことでしょう。
ていうか、今度一人で来てそれやーろうっと。
早朝の光と夜の光できっと全然違うであろう。



……。



サテまたしても長くなってきたのでここらでお別れ。
次回、ようやくお昼ゴハンにありつきます。

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オイサンでした。

 
 

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