2017年6月25日 (日)

■目を瞠るとき。~小諸、十四回目~ -更新第1130回-

アテもなく小諸へ行ってきた。
14回目。

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14回目だったか、15回目だったかあやふやになってきたけど、
珈琲こもろさんのノートを見たら前回の自分の書き込みがあって、
「13回目」と書いていたので今回は14回目なのだろう。GJ、今年3月の自分。

本当に、何をした、何をしに来たというわけじゃなく、
いつも通りやってきて、ボンヤリゆっくりして帰った、というだけの24時間でした。

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一つだけ新しい楽しみとして、町はずれの野菜餃子のお店に行くというのがありまして、
実際行ったのですが、えー、歯に衣着せずに言うと、イマイチでした。
落ち着かない店だった……。
ツッコミどころ満載ではありましたが、マあんまり楽しい気分にはさせてくれないというか。
じめっとした哀しみに包まれたお店でした。どんなんだ。

  マ一緒にいたご家族づれが鬱陶しかったってのもある。
  小さい子どもを連れてくるな! などとは申しませんが、
  子どもが「しつけられること」を了解しておらず、
  しつけ未満の家庭内不和を周りにまき散らさないとならない
  それは最低限解決してから表に出てきていただきたい。
  しつけをその場で実行するのは構わないので、
  しつけられたら子どもはそれに従う、という関係性はハッキリさせてから表に出ていらして?
  鬱陶しくってよ、祐巳。

初日の12時45分くらいに小諸に着き、
お宿に荷物だけあずけてキャンディライトさんでゴハンを食べ、
やたら混んでいた停車場ガーデンさんでコーヒーをテイクアウトして
弁天の清水へ向かったのが14時半くらい。

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弁天の清水で小一時間写真を撮って、飯綱山公園に登る頃には16時半を回っていた。
そっからまた小一時間ボンヤリと写真を撮って山を下り、
目当てのギョーザ屋さんに着いたのは18時半頃だったと思う。

ウームと思いながら店を出て、駅前に戻って珈琲こもろさんに入る頃には19時半近かった。
20時を少し回ったくらいで店を出て、ツルヤさんに寄ろうと思ったらもう閉まっていたので
まっすぐお宿に帰ったら、カクンと寝オチしてしまった。
そんなに疲れることをした覚えはないのだが。

帰りの新幹線は、軽井沢を14時前なので、小諸は13時には発たねばならない。
早朝からブラブラジョギングをするつもりだったのに
寝落ちして2時半頃に目を覚まし、そこから風呂に入って寝直す、
なんてトリッキーなことをしたもんだから、結局8時頃に起き出すことになった。自堕落。
チェックアウトして荷物は駅前のロッカーに投げ込み、
朝食は駅前の立ち食い的ソバ屋(座って食べられます)でいただき、その足で懐古園に向かう。
ちょうのんびり回ると、あっという間に(どっちだ)10時半。
そっからみやさかさんとツルヤでお土産を買って、再び珈琲こもろさんで軽くお昼ゴハン+お茶をいただき、
最後にふらっと、町屋館みはらし亭で山並みと町並みを眺めたら、もうサヨナラです。



……という、完全にいつもの定番コース。



2日目のお昼を、珈琲こもろサンにしようか、懐さんにしようか最後まで悩んでたけど、
コーヒー飲みたかったんでこもろさん。
次回は懐さんにしたい。ソースカツ丼なんてすばらしいメニューもランチに加わっていたようだから……。
そば七さん、ふじたさんにも行かなかったな。
マ1泊2日じゃゴハンの回数も限られるからのう……。

前回行かれなかったので今回は行こうと思っていた、田園見渡しスポットやダムも行けませんでした。
マそれをぶち込むと……時間キッチキチのスパルタンになっちゃうからねえ。
今回はのんびりしたかったので、無理はしませんでした。

しかしそんな、超定番コースだったにも関わらず、
案外、新しい発見をしたりとか、新鮮な視点を見つけたりとかがありまして。
なかなか納得の行く小旅行でありましたよ。

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新しい刺激や発見は、期待も、それに出くわすための仕込もしていかなかったので、
まあないだろうと思っており、
そのせいで、弁天の清水でひとしきり写真を撮り終えて一息ついたところで
フッと気が抜けてしまった。

「まあ今回は、ずっとこんなモンかな……」

という気持ちが鼻から抜けて行って、次は飯綱山公園の上まで上がろうと思っていたのだけれども、
そうして気持ちのハリが途切れてしまったら、
「じゃあここはおしまい、次」と、この場を離れて次へ行くキッカケを作れずにおりました。

どーしたものか、ここはもうおしまいにして良いものか? と、
水場を一度離れてコーヒーに口を付けておりましたところ、
湧水の吐き出し口の、アゴの裏に下がった苔から垂れ落ちる水の軌跡の美しいことに目を奪われ、
軽い興奮状態に陥ってしまいました。

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それからしばらくは、またそこにかぶりつきでカメラを構えていた。
しかしそうなると今度は、なかなかそこ離れ難くなってしまって、
4時過ぎまでとどまってしまった。水も汲まないのに何をやっているんだ。
人が少なくて良かった。

そこにいたる時間と行いのひとつらなりは、
自分の心身と時間をしっくりと繋いだ分岐点、接続点であったように感じている。

あのとき、あそこであの苔が目について、心がクッと持ちあがったことが、
それまでの時間と今こうして文字を打っている今の時間の流れをつないだ明らかなジョイントになっていて、
あのときとりあえずの惰性で休憩を取らずそのまま山へ向かっていたら、
今の自分は、今とは明らかに違う今にいただろうという確信が、今回は強くあります。

  マその「今とは違う今」が、今より良いか悪いかはわかりませんけれども。
  変わんなかったかもしんないし。

その時、吐き出し口にアゴヒゲみたいに垂れていた苔が目についたのは偶然なんだけども……
いやあ、「偶然ってこわいな」と、あとから思うとつくづく恐ろしい。
アレが無かったらその先の時間にあった出来事も、どう転んでいたかわかりません。
「苔が目についたこと」は、自分が用意したわけでもないし、
積み上げてきたモノゴトによって必然的に導かれたわけでもない、
ひとえにポッと出の事実が飛び込んできただけの瞬間だったから、狙いようも避けようもありませんでした。

なんでもない風景にうずもれた、ただ水の滴るだけ苔が一つ目に入るか入らないか、
たったそんなことで人の暮らしはこうも変わるものなのだということを
今回は実感しました。今回の旅は、そのことに尽きました。

そのあとも、見慣れた風景の中で新鮮な発見が続きました。

飯綱山から見下ろす風景でも、今回は北側の浅間山より南の町側の方に心ときめく、
心惹かれる美しさを感じ、
町なかにある水田に水が張られ、澄んだ光を鈍い色で照り返しているのに目を引かれました。
町がいつもより近く、広く見渡せた。
小諸は、町なかにもビューポイントにも木がよく茂っており、
視界も、見渡す中にも季節によって視界が大きく変化するので
あまり来たことのない時期に訪れると景観が一変して新鮮に映る。

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楽しみにしてきたギョーザ屋はイマイチでそれは残念でしたけれどもが、
そこから町への帰途に使った道は通るのが初めてで、
これまで通ってきた道と思わぬところで繋がっていたり、
見たこともないトンネル……これがまた、奇怪な怖さを持ったトンネルだったのだが……をくぐったりして、
あの苔との遭遇以降、幸せな出会いが続いた。
よく見知ったはずの道のわき、弁天の清水の裏手に小さな公園があることを初めて知ったり。
単純に、気持ちがそういう風に向いただけなのか、実際におかしな扉がひらいたのかは分からない。

  まフツーに考えれば「おかしな扉」なんてものは存在する筈もないファンシーイマジネーションで、
  目線を引いて見れば、
  全ては人間が「そこにある物に対して、そうある様に」行動しているにすぎないのは明らかなのだけど、
  果たして客観が先にあるのか、無数の主観が絡み合うのが先で
  そこから客観・客体が生まれているのか……それはまだワカラン気がする。

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2日目は、惰眠を貪ってしまったせいで懐古園を回るだけで精一杯になってしまった。
特に新しい発見があったわけでもなかったがけれども、
自分の視野がやけに広く、風景が新鮮に見えた。
これは気分的な話ではなく、実際の目に見えている認識範囲の話。
いつもより広く、風景が目に入ってきていた。

もしかすると、
「普段も目のレンズには同じだけ映っているが、それを映っているとアタマが認識・処理できてないだけ」
かも知れないので、気分・コンディション的な違いなのかもしれないけど。

なんなんでしょうね。
季節のせいなんでしょうか、空気の透明度がとても高かったように感じ、遠くの方まで……
ただ単に、「晴れて、澄んで、遠くが見えた」というのとも少し違って、
「遠くが見えて、さらにその細部まで、精細に見えた」気がしている。
遠く・深くが見えた感じ。
カメラのピントが合う距離の範囲のことを被写界深度と呼びますが、それが深い感じに似ている。
かつ、平面的に感じない。

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そのせいかはわからないけど、いつもよりゆっくり回ってしまったようで(いつもより時間ないのに)、
1時間半も園内にいたようです。
それでも、気持ち的にはもっともっといられるのを慌てて出てきてしまったのですが。

……そんなこんなで、なんでしょうか、自分で言うのもなんですが、
大変澄んだ瞳で過ごせた2日間だったような気がします。
その分、とてもボンヤリした2日間でもあったけど、満足感、充足感はあった。
ピンと来た時間ではありましたよ。エエ。
不思議と。
何かを追い求めていなかったから、見つかったものそのままを納得出来た、
というのはあるかもしれません。
それでいいのか? と言う人は言うだろうけども……
それはそれで、大事なことだと思うオイサン、42歳になろうとしている初夏であった。

ザ・初夏。

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以下、時系列順に
それぞれのスポットで起こったことを書き留めて終わりにする。



■全般
あのね、小諸寒かった。
来しな、軽井沢で新幹線からしなの鉄道に乗り換えるときに結構な寒さを感じ、
そのときは半袖を着ていたので、これはアカンなと長袖に着替えてどうにか乗り切れる気持ちでいたのだが、
日が傾き始めると最早上着がないのが不安なレベルで冷えてきた。
信州、侮れぬ。
あとでキャンディライトさんやみやさかさんで聞いたところによると、
ここ数日は風さえなければ霜が降りても不思議ではないくらいなのだそうで、
広報アナウンスでは畑に霜対策をせよ、と注意がかかるほどだったらしい。
珈琲こもろのマスター曰く、雨が降るようになればもっと冷える、とのこと。
東京みたいに、雨も降らないのにじっとりと湿気に苛まれるようなことはあまりないのだそうな。
「伊達に避暑地じゃないよね」という一言が、妙に印象に残っている。



■キャンディライトにて
サービスメニューのBセットに夏野菜カレーがあったので、それを注文してみた。
Aセットが「アジフライ+焼肉」だったのでものすごい悩んだ。
デこれである。

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決して「カワイイ」と呼べるシロモノではないと思うのだが、
あとから入ってきたJK二人の片割れが同じものをたのんで、
「かわいいー」とケータイでお写真なぞ撮っておられ、オイサンは大層肝をつぶした。
さすが小諸のJKはイカレたセンスしてるぜ(失礼)。
相方のJKもなかなか奮っておられ、

  JK「この、『カツ重』ってどんなんですか」
  マスター「……カツ丼って知ってる?」


という、一見コブラと悪役の様な小粋トークをぶちかましていてオクラ吹きそうになった。

  海賊酒場のマスター「見ねえ顔だな、よっぽど田舎の宙域から出てきたのか?」
  コブラ「実はそうなんだ。マスター、このカツ重ってのはなんなんだい?
      オレぁ生まれてこのかたカツ丼しか食ったことがねえ」

……みたいな(そんな会話があるか)。
このJKお二人は、嘗ては小諸近辺で暮らしていたのが小諸で再会した、
的なシチュエーションであったご様子で、会話を聞いててなかなか味わい深かった。

あと、カウンターの奥に賞状が貼ってあるのには前から気付いていて、
衛生認定証的なモノか、そうでなくても料理コンテストとかそのテの類のモノだろう、
と何となく勝手に思い込んでいたのだけど、
書いてある文字列に違和感を覚えてよく見てみたら、駅伝に入賞したときの賞状だった……。
3位と5位。

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なんでそれを貼ったんだ。
あと、本棚の『こち亀』27巻がかぶってた。
かつて客同士で27巻を取り合ういざこざでもあったのだろうか……。



■停車場ガーデンさんにて
小諸へ来ると、毎度、動き出す前(今回は山方面へ向かう前)に
この停車場ガーデンさんでマグボトルにコーヒーを買っていくのだが、
今回はどうしたことかものすごい満員でえらく時間がかかってしまった。
マそもそも人気の高いお店なので結構待つことも珍しくないですけども、今回は特に。
オサレなお店ですし、女子でいっぱいです。

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尚、コーヒーといっしょに必ず手焼きクッキーも買っていくのだけど、これがまた絶品です。
味の種類は、紅茶味とかチーズ風味とかいろいろあるけど、
オイサンはスタンダードなシナモン風味が好き。
山のてっぺんで一人コーヒーを飲みつつ頂くのが最高です。
乙女か。山ガールか。


……( ゚д゚;)……ハッ!


いま、恐ろしい推論をひらめいてしまった……。
ここなちゃんに会おう会おうと思って飯能へ何度か足を運びながらも、
ついぞ出会ったことがない、その影を捕まえたことすらないのだが、もしや……
俺自身がここなちゃんなのでは……!?
それならば会えないことにも納得がいkおや誰か来たようだ。
まあそんな、ここなちゃん&ユイオグラファンから殺されそうな冗談はサテオキ、
実はこの日、飯能では『ヤマノススメ』ファンミーティングイベントが開催されておりまして
(小諸現地で知った)、
『ヤマノススメ』のOVAとその劇場上映、あとTVアニメ3期放映が発表されておりましたとさ。
おおめでたい。
小諸関係ないけど。


……。


小諸をひとりブラついていたらお忍びで巡礼に来てた阿澄佳奈とバッタリ出くわしたりしないだろうか、
などとアラフォーらしからぬ都合の良い妄想をコチトラ楽しんでいたというのに、
地に足の着いた当の阿澄さんは飯能でせっせとお金を稼いでおりましたとさ。
トホホのホ(何がだ)。



■弁天の清水にて
いつもはひっきりなしに、水くみの車が訪れては去り訪れては去りするのだけども、
今回は、人はそれほど多くなかったな。時間帯のせいもあるのだろうか。
オイサンが見たのは、
着いたときに始めからいたバーサンと
気合の入ったジーサン(3Lくらい入りそうな、焼酎のボトルみたいなの30本くらい汲んでいた)、
遊びの途中でやってきた、年が2ケタに上がるか上がらないかくらいの少年5、6人、
あとは業者っぽい、ごついポンプを積んだ軽トラのおっさんくらいだった。

少年たちは顔洗ったり水飲んだり、わーっとやってきては
「公園で遊ぼうぜ!」と5分もいないで走り去ってしまった。
いいねえ、近場にこんな場所があって。

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最初のバーサン・ジーサンもなんだかなーな二人で、
二つある注ぎ口の、やたらと勢いのある方を使ってたバーサンが、
ジーサンが汲み終わったボトルを運んでいる隙に彼の使っていた勢いの弱い方を
なぜか使い始め、
「……そこ私が汲んでんだけど」
「2本だけだから」
という、非常にもっちゃりしたやり取りだけがあって、なんか居心地が悪かった。
なんだよ、「2本だけだから」って。面白えなチクショウ。
マ確かに、勢いある方は水勢が強すぎて汲みにくいんだけど。
ヘンな人間模様である。



■飯綱山公園にて
いつもは、山の一番奥まで歩いたところにある山頂の広場からの眺めが一番良いと感じるが、
今回改めて見てみると、高原美術館の裏手の駐車場から見る浅間山も近くて迫力もあり、
CGめいた非現実感が大変よいな、と思った。
また上でも書いたが、今回は南側、町の方の眺めが大変良かったと思う。
町も山もいつもより近く感じたのは……なぜなのか分からない。

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■駅前そば屋にて
年輩のスーツおじさんが、東南アジアげな若者とずっと英語でしゃべってた
どういう関係だったんだろう。

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■おみやげのみやさかにて
買い物をして、実家に送りつけるための伝票を書いている途中のおやつ(毎回出てくる)に、
今回は、ご自宅の晩ゴハン用に茹でたという枝豆をお出し頂いたのだが(なぜだ)、
これがまた美味い!
何の味もつけていないというのに驚くほど味のある豆で、名物にならないのが不思議なくらいだった。
名前忘れちゃったな。なんかちょっと変わった名前を教えてもらったんだけど。
以前、新潟出身のテ氏に、新潟名産のダダ茶豆をいただいて
それも驚くほど美味しかったのだけど、タメをはるおいしさ。

しかし……なぜ私は、みやげもの屋でヨソんちの晩ゴハン用のお豆さんをいただいておるのか。
この調子でいくと、次回はいよいよ夕ご飯に招待され、
その次はお風呂を借りて、
しまいには泊めてもらえるんじゃないだろうか。すみませんね奥さん。
ところで、オイサンはみやさかさんで売られている中でも、
この「焼きはや甘露煮」がグレイトにオススメ
大変おいしい。生臭さもなく、クセもない。

ホロホロに崩れるくらい柔らかく煮込んであり、
ちりめんじゃこの骨でも喉にかける(本当)我が家の母でさえ
「頭から食べても何の問題もない」と評するほどである。
同じラインナップに鮎もあるのだが、オイサンはこっちのが好きだった。

  仕入れをご希望で手渡し可能な方は、事前にご注文いただければ
  オイサン買ってきますよ。別に通販ページで買ってもいいけどw(そっちのが早いだろ)

デ、そんな話をしたら
「そうなんですよ、これ美味しいんですよね!!」
と、お母さんからも、大お母さん(お婆ちゃん)からも満面の笑みでリアクションが。
野沢菜の話を訊ねると、夏場は違うのを扱うことに今回から試してみていて、
これも美味しくて……と、商品の研究にも余念がないご様子……なのだが、
どれの話を聞いても「美味しい」とかキチンと感想が返ってくる。
……一体自分とこの店のみやげもの、どのくらい自分で食べてるんだろう。

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■ツルヤさんにて
地元信州に展開するローカルスーパーのツルヤさん、
テ氏の奥方がここのおやきが大好物なことで全国的に有名ですが(そんなことはない)、
「ツルヤオリジナル」というプライベートブランド商品を、チョイチョイ展開していらっさる。
いままでは、そのおやきとか(これは別にPBじゃないけど)、
ドライフルーツ(とくにやわらかリンゴ)とか、謎のレモン風味ポテチ(一風変わってるけどクセになる)とか
くらいしか買っていなかったのだが、
「店内しっかり歩き回ったら、もっといろいろあるんじゃないか?」
と思いついて、今回いろいろな棚を探して回ってみたら……あるわあるわ。

お菓子をはじめ、ドレッシング的なものから、お出汁、味噌汁、スープ、農産乾物、びんづめ、缶詰、
ふりかけやらなんやら。
そんなんで、目について気になった物を色々買ってしまった。
あんまりかさばらなくて軽い物ばかりだけど。
しばらくはこれで楽しんでいく所存です。

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マそんな感じでヒトツ。

しかしワタクシ、曲がりなりにも『あの夏で待ってる』の巡礼がらみで小諸を訪れているにもかかわらず、
公式聖地であるところのみまき大池にはまだ行っていなかったことを思い出した。
マ歩きではなかなかアクセスし辛いところにあるのですけれども、
どうやらそこからもなかなか美しい眺めが拝めるようなので、
次回行くときはそこを目指そうかなと、それっぽいことも言っておきましょうか。



オイサンでした。
 
 
 

   

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2017年6月21日 (水)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その三~ -更新第1129回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅。
第3回……ようやく初日の午後だよ……
まあ今回は前半に色々集中してて、後半はひとえにまったりしていくばかりなので。


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ホテル菊富士の庭にて。



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■■■━ 1日目 ━■■■
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■1日目:甲府市街 ホテル「菊富士」、そして「ひなた」へ



時刻は14時を過ぎた。駐車場で一休みし、イザ、町へ戻って昼ゴハンを。

昇仙峡と町をつなぐ道もなかなかにワインディングでしたが、
くだりは特に、雑木のすきまから甲府の町越しに富士山の勇壮な姿を臨むことが出来て見応えがありました。
マここまでくると富士山は、よっぽど邪魔者のあるアングルでもないと
大抵見られるのでいい加減飽きてはくるのだが。

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関東に越してきてびっくりしたのは、意外といろんなところから富士山がみられてしまうことだった。
関西に住んでいると、富士山なんか「あるのは知ってる」くらいで
全然遠い存在ですからね。
せいぜい東海道新幹線の窓から臨むくらいのモノで、日常からはかけ離れている。

そんな、非日常的なものをマイニチ当たり前みたい眺めて暮らしているから……
こんな突拍子もない人間が、あっちこっちで発生してしまうのかもしれません、甲府!
甲府、驚異の三賢者の二人目(厳密には二組目)は……人里を遠く離れた仙人郷ではなく、
人の世界、まちの暮らしの中に潜んでいました。



テ氏の予約した宿は「ホテル菊富士」。



甲府駅から、徒歩でも15分ほどの好立地であるが……そのお値段、なんと一泊3200円。
まじでか。
富山の魚津スカイホテル、銚子のホテルニュー大新につぐ歴代記録のお値打ち価格ではあるまいか。

ただ如何せん、テ氏いわく、

  「宿の場所が、マップ上じゃ分からないんですよー。ディーンとしか書いてない。
    宿の名前はディーンじゃないのに。ディーンしかないの」


と、宿を予約したテラジさんがディーンディーンうるさい。
なるほど、確かに地図上ではディーンが目立つ。





しかし、一旦車で宿近くまで行くと、ホテル菊富士は案外すぐに見つかりました。
駐車場も、ちょいと狭いがすぐ前。便利。
着いたのが15時前とチェックインにはまだ少し早かったので部屋には入れず、
一先ず車だけ置かせてもらい、腹がいななきよって仕方ない二人と
宿から歩いて15秒、走れば5秒のところにある食堂「ひなた」へ向かいました。
さあ、腹減ってるんだろ? たらふく食えよ。
しかしその店構えを見て、二人は口を揃えてこう言いました。

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「オイサン……ここ、よく一人で入りましたね。勇気あるわ」


……うむ。今は自分でもちょっとそう思う。
残念ながら、店先をしっかり捉えた写真はないので、
店内の写真を見てもらい「大体これと同じ」と思ってもらえれば良いです。

蛮勇である。

別に、その時は面白いから入ろうと思ったわけでもないし、
「やべえなこりゃ……へっへっへ、腕が鳴るぜ……」と決意して飛び込んだわけでもなく、
「まあ、ココだろう」と思って入っただけなのですが、
改めて人から指摘されるとちょっとコレはどうだろうな、と思わされる。
オイサンが独りでいるときの判断というモノが、如何ほどの常軌の逸し方をしているか、
なんとなく見せつけられてしまった気がする。
今後気を付けよう……否、気を付けない方がいいのか?
別に死ぬ思いをしたワケじゃなし、今のままで良いように思うな。

  すぐ隣がガストさんだったのも、逆に奏功したのかもしれない。
  「さすがにここまできてガストはねえわな」と思ったので。
  なんとなく2択が成立したのだろう。マけがの功名というやつである(ケガ扱いかよ)。

オイサンが既に潜入調査済みである、ということを知っていても、
お二人の腰はまだ若干引けていたように思う。
何せお二人は、今日一日、大切に大切に空腹を育てていらしたのであるからして、
その蓄えに蓄えた空腹を、生半可なメシで満足させたくないという思いもあるのであろう。
その情熱、分からないではない。
正直を申せば、その情熱に『ひなた』のメニューがお応え出来るかどうかに確信もなかった。

だから包み隠さず、車中でこのようにお伝えした。

「決して飛びぬけてウマイってワケじゃないです。まずくはないですよ。
 味はフツウ。普通です、ふつーですけど、フツーの人が油断して入ったら
 色々コミで結果マイナス評価になる系のお店です」

多分間違ってはいないと思う。
そして、店を出た後のお二人の反応から察するに、間違っていなかったと今でも思っている。
そして我々は……フツーじゃないのか、色々コミで、プラスで終われたのだとも思う。

もしかするとお二人は……空腹に余裕があればここは避けたかもしれないな、と、
入る前の腰の引けっぷりを思い返すに、察するところがある。
「よく一人で入りましたね」と、3、4回言われた気がする。
しかしもう彼らものっぴきならないところまで来ていたんじゃなかろうか、
今からほかの店を探すゆとりもなく、テ氏が扉を開いた。

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まあ、内装にやられますよね。

九龍城か。

あと、本棚に揃えられたマンガのラインナップにやられる。
オイサン・テ氏の世代には、かなりツボを押さえた品ぞろえに見える。
しかし我々は、九龍城に遊びに来たわけではない、メシを食いに。腹を満たしに来たのだ。
メニューを選ぼうじゃないか、さあさあコレだ、
この一昔前のカラオケの選曲本みたいな厚さの本がメニューなんだぞコノヤロウ。
選べ?

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お写真提供:テ氏

このパートなんとかって書いてあるのに惑わされるな、
ほとんどそれはページ数みたいなもんだから!
そこへ、注文を聴きに来てくれたのか? お店の旦那さんが通りかかる。

  旦那「そのパートメニューってのはね、
       メニューの前の方にあるレギュラーのメニューを組み合わしたやつだから」


  テ氏「オイサンwwwww説明が間違ってるじゃないですかwwww」

  弊社「オウフwwwwすまぬwww知ったかであったwwwwフォカヌポゥ」

  旦那「そんで、組み合わした値段から、400円引いてあるの。オレ計算できなくてバカだから」

  ヨ氏「自虐wwww」



どうですかこの、一瞬のトークのキレ。
ついでだ聞いてしまえと振り返ると、旦那さんの姿はない……どこへ消えた?
この「面白丼」ってなんなのか聞きたかったのに……と思ったら、トイレから出てきた。
注文をとりにきたんじゃなかったのか……。

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  弊社「この『面白丼』ってのはなんなんです?」
  旦那「それはね、面白丼って名前だけど作ってる方は面白くないんだよ


そんな情報は求めていない!
旦那さん曰く、色々乗っかり過ぎて、利益率が悪いという事らしいが、
それは他の、パートメニューなども同じことの様だ。
尚『面白丼』、色々と乗っていることを説明してもらったのだがホントに色々過ぎて
何が乗っているのか殆ど失念してしまった……せっかく聞いたのに。
唯一憶えているのは、旦那さんが最後に言っていた「目玉焼きが3個乗っている」ということだけだ。

しかしもう、このトークのキレだけで相当やられてしまった我々ちゃんは、もうすっかり夢見心地。
大量のメニューから、各々苦慮して厳選したお料理を注文すると胸を躍らせて到着を待った。

お二人とも空腹が酷いらしく、
ワリと盛りメのチョイスにアディショナル(追加オプション)を加えたらしいが、
大丈夫だろうか?
このお店、デフォでバカみたいに大盛りなワケではない。普通に食べられる。
ただ、サイズ設定の名付けが独特で、

 無印(普通) < Large < Bigり(ビッグり) < 超Bigり

……とか、シレッと書いてあってびっくり……否、ビッグりする。

また名称だけではなく、ノーマル以上の設定を注文すると
量のアップ幅は大きいので注意は必要……なのだが、まあ2人ともツワモノだから、
それほど問題にはならないだろう。

時代物の14インチブラウン管テレビからは、殺人事件モノのサスペンスが流れている。
前来た時も刑事ドラマ流れてたなあ……店の奥さん、空いた客席の一つに座ってガッツリテレビ見てるけど、
まさかアンタ、お気に入りのドラマの録画を流してるんじゃあるまいな?

待つことしばし、

  奥方「パート16(じゅうろく)の2はどなた?」
  ヨ氏「ぼくでーす」
  奥方「パート12(じゅうに)の、カニクリームコロッケ4個追加は?」
  テ氏「あ、私です!」
  奥方「パートテン(10)は?」
  弊社「……。え? あ、はい」

なんで「10」だけ「テン」なんだ。一瞬わかんなかったわw
ちなみに「パート16の2」というのは、
「レギュラーメニューにある何かしらの肉を焼いたものと何かしらの揚げ物を組み合わせた
 (チキンカツ+ハンバーグ など)パートメニュー16番に、
 何かしらのオプションバージョン2が付加されたもの」
であり、これが大体、パート20くらいまである。
テ氏がコッソリ

  「パート16の2って……『ファイナルファンタジーX-2』かよ……」

と呟くのを、私は聞き逃さなかった。だってオイサンも同じことを思ったから。

  弊社「パートⅣとⅨはないんですね?」
  奥方「シとクは抜いてるの」
  我々「(そこは普通にゲン担ぎなんだ……)」

テ氏はハンバーグにカニクリームコロッケ(×6!)を増量+ゴハン大盛り、
ヨ氏は焼き肉に焼きチキン増量(×2)+ゴハン大盛り。
よほど腹が減っていたのだな……。

 「オレ、カニクリームコロッケなら
                無限に食えると思うんスよ」


と、百万石の領主におさめられた年貢のごとく皿に積まれた
6個のカニクリームコロッケを前にフラグ立てに余念のないテ氏を最終的に見舞ったのは、
2度目の「大好きだったものをキライになりそうになる」瞬間だった。
だって最後の方、明らかにしんどそう、というか、
おハシで転がして食べるのをためらっているご様子でいらしたもの。

まあ……いっこいっこ、味が濃いんですよねw
そして、本来箸休めになるはずの千切りキャベツがみるみるその濃い味ソースを吸い込んで、
濃い味に疲れてキャベツに手を付けたくなる頃には
キャベツさんもすっかりそちら側に染まっているという、2重3重にからめとってくるワナ。
甲府のヒトの好みなのかしら。
甲府のヒト、血圧高いんじゃない? でなきゃあんなにしゃべれないと思うわ
(※偏ったサンプルに基づいた感想です)。

オイサンは……大盛りにしたりしませんよ。ええ、しませんとも。

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おいしそうでしょ? そうでもないんですよ ← オイ

店を出たとき、テ氏も、そして真に無尽蔵の胃袋を持つヨ氏までもが、
若干体を重そうにしていたが印象的であった。
うーん、すきっ腹の詰め込んだのが苦戦のもとだろうか。
普段だったら、そこまで苦戦するような物量ではなかったと思うんですよね。
マ味は確かに濃かったかも知れないけど。
昼ゴハンが15時近くまでずれ込んで、胃の縮こまったところにブッ込んだのが苦戦の主因か。

  ※ しかしここまで読んでいただいて皆さんお気付きの通り、
  ※ 別にね、遊び心がひどい店でも、何かのタチの悪い店でもない、
  ※ 色々天然なだけの極めて良心的なサービスのお店なのです。
  ※ 強いていうならそう、無邪気。
  ※ ひなたは今日も無邪気なサービス精神で、皆様のご来店をお待ちしております。



■甲府の夜と、再びホテル「菊富士」



さあ腹も一杯になってしまったら、あとは宿に帰ってぶっ倒れて眠るだけ……
というワケにも参りませんし、大体お前まだ夕方の4時だぞ。
大人なんだから、旅先の夜にはまだまだやることが残ってるだろ?
オトナの遊びがよ……ウヒヒ。
そう。
テ氏御用達の模型店に行って、……なんでしたっけ? やすりの、何千番だかを買うんでしょ?

なぜかアラフォーモデラーテ氏にはこの甲府に行きつけの模型店があって、
今回は奥方から、そこで何らかの塗料と2000番のヤスリを買ってこいと指令を受けているらしい。
まあテ氏からしてみれば、甲府なんてのは近所みたいなもんですから、
近所の美味しいラーメン屋でラーメンを食べて、その帰りにヤスリを買って帰ったりされるわけです。

そんなわけで、なかなか気難しそうな親父がムッツリとカウンターに陣取った、
模型店「ホビーショップイチカワ」にて買い物をすませ、
さあ軽く飲みものでも買って宿へ帰

  ヨ氏「お、クムーリ(*1)売ってる! 食べましょう!」

     うちのチームではソフトクリームをクムーリと呼びます。
     たまに間違ってムクーリという人がいますが間違えすぎると破門になります。



食うんかい! どないなっとんねん。さすが我らがエース、すげえな……。


 テ氏「食べましょう」


……。うちのチームは層が厚いなあ……
ボカぁ、あっという間に2軍に落とされてしまうよ。 ← 食べなかった人
なお、ヨ氏はクムーリの他に大判焼きを買って帰って夜食にし、
エースとヒラの格の違いを見せつけていました。

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こうふ です。 どうしますか? ボス!


宿から目と鼻の先にある地元のスーパーで飲み物を買い、宿に戻ってチェックイン。
すると、宿のおかみさん(※この人は今回地元で関わったショップ関連の人材で唯一マトモ)から
衝撃の一言が。

  「お部屋ははなれになりますねー」

これがそのはなれです。

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マーガレットの咲き乱れるお庭付きの別棟。どうです? メルヘンでしょう?
平均年齢・約40歳のバラ色ダンディ3人組が愛を育む(育みません)には最高のロケーションです。
ちなみに二部屋あって、もう一室は別のお客さんが来られるご様子。
あのね、このお宿、めっちょ安いんですよ? それなのにこの所業。鬼です。安さの鬼。

中も大変広くてお手入れも行き届いており、なんら不満はありません。
しかしこの日は天気も良く、ちょっと暖かすぎるくらいだったので、
ちょっとだけお部屋を冷やしましょうかね。
エアコンのスイッチをぽちっとな……。
……。
寒くね?
あまりのエアコンの威力のおかしさに気付いたヨ氏・テ氏が天井を見上げるとそこには、


……エアコン、でかくね?


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なんとそこには、映画『インディペンデンス・デイ』に出てきた異星人の
母艦UFOほどもあるエアコンが!!
まあそれはオオゲサっていうかただの嘘ですが(日記にうそを書くな)、
嘗ては大きなアミューズメント施設の長でもあったテ氏いわく、
「ちょっとしたデカ目のゲーセンにあるやつ」くらいのエアコンらしいっす。
ちょっとONしただけでもう寒いのなんの。

「この宿も、一見マトモなフリをして見えるが、
 実はおかしなところで牙の剥き方が斜め上なのでは」

と、我々調査団の間に緊張が走るが……クッ、なんだこの、異様な眠気は!
まさかさっきの食事になにか……ZZZ  ← 食いすぎ

ヨ氏はいつも通り、部屋に着くなりなんの抵抗もなくフトンに滑り込み、
なんだかんだ言いつつテ氏・オイサンもそれに続いて横になると、部屋はもう横になり祭り。
買い物を終えて帰ってきたのは確か5時くらいだったハズでしたが、
それから8時くらいまで……3人は無抵抗主義を貫いたのでした。


……。


実はこの日にもう一つ、
ホビーショップではないテ氏の行きつけであるところの飲み屋さんで、
夜は一献酌み交わそう、という目論見があったのですが、
如何せん、3時間ばかり無抵抗でいても、ひなたでやられたダメージが抜けきらない。

  そう、当初の予定であれば、夕方からそこに入ってゆっくり舌鼓を打とう、
  などと寝ぼけたことを目論んでいたその店である。
  誰だ、そんなあまっちょろいことを考えていたのは! 調査任務を何と心得る!

しかしまあ、せっかくなので一杯だけでもということで、
宿の風呂が閉まる22時には戻って来られるように20時をナンボか回ったころに繰り出した。
店はほぼ満員ながらかろうじて3人座れる席を確保、小一時間ばかり酒を酌み交わし、
今日我々を襲った恐ろしい出来事の数々について振り返っては互いの無事と健闘を喜び合ったのでした
(訳:何を話したのかあんまり覚えていない)。
出てくるお料理は大変おいしかったのをよく覚えている。
すじ煮と卵焼きだっただろうか。

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駅前に鎮座する、信玄公の像(ようやく甲府っぽいの出てきたな)


宿に帰ると風呂はもうボイラー切られるほとんどギリギリで、
ものの10分ほどで浴びるように湯に浸かり(間違えた表現)……
その後、なぜ部屋がジャパリパークになってしまったのかが思い出せない。
なんか色々とコンテンツの話をしていたように思うのだが、
そこから『けものフレンズ』の話になって、
ヨ氏の手持ちライブラリから、未視聴だというテ氏にキモの部分をご紹介したのだったと思う。

  なんか最初に『日常』をご紹介したときも似たような流れであったように思うが……
  マそんな感じだ。あれは魚津でであった。

そんなこんなで甲府に突如出現したジャパリパークの夜は更けた。
たーのしーい。


というところで再び小休止。
あとは、忍野八海でソバ食って、道志村で風呂入って帰るだけだよ。

オイサンでした。
 
 
 

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2017年6月19日 (月)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その二~ -更新第1128回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅、第2回。
まだ1日目の午前中なんですけども。
なんでここまでがこんなに長くなってるんだ?

さて初日の午前中に、早速旅のクライマックスが来ている辺り、
今回の旅は出し惜しみナシのご様子です。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■━ 1日目・その2 ━■■■
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■1日目:昇仙峡 パノラマ台~茶屋「賢者の庵」にて(※)~
               ※実際はそんな名前じゃありません




ところで、この山の上にはお店が大きく2軒あり、
1軒はロープウェーのりばに隣接した、小ぎれい&シャレオツないかにもイマドキの観光客向けの顔をしている。

そしてもう一軒……
絶景ポイントをひとめぐりしてもといた広場へ帰ってくると、のりばから少し離れた、
山頂神社近くにあるあばらy……失礼、いかにも年季のしみこんだ山の茶屋然とした方の店から、
見るからに曲者臭の漂うらんぼうn……失礼、
威勢の良い、百戦錬磨の呼び声がする。
さきほどヨ氏が、
「あの店、『かき氷1杯300円、食べ放題』て書いてますけど、1杯なんですよねw?」
と軽くいじっていた店である。
確かにあの書き方ではよく分からヌ。


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店から出てきたご婦人の呼び声があまりに威勢が良すぎて、寄り付く客もない。
ワカル。
私たち3人も、当初は取り合っていなかったし、取り合う気もなかった。
しかしまあ……なんでしょうな。



申し訳ない。



私です。
私が最初に拿捕されたのです。

お店というか、海の家の山版のような、その内装……なんだかよく分からないオブジェが、
屋根の下に収まりながらもむき出しになって牙をむいているその様に、
そこに何があるのかに、好奇心を抑えられなかった。
声を張り上げているご婦人からは、まだ相当距離があった。
もしあれがRight-Onの店員だったら完全に射程外だ。
向こうが距離を詰めてきたとしても、離脱出来る自信があった。

それなのにまさか、
移動しながらMAP兵器を撃ってくるユニットがいるだなんて、フツー思わない。
最近ラノベだかで、『通常攻撃が二回攻撃で全体攻撃のお母さんがうんぬんかんぬん』というのがあるらしいが、
RTSでもないのに高速移動しながらMAP兵器を撃ってくるお母さんだったわけです。
そんなの見抜けない。

声をかけてくるにしてももう少し近づいてからかけるもんだろうに、
完全に油断したオイサンの左ななめ後方約5、6mの距離から話しかけてきた。
もう、最初の言葉が何だったか覚えていない。
ただ、それよりちょっと離れたところにいたテ氏が、なんとも言えない複雑な表情で笑っているのが見えた気がした。
会話の内容で憶えているのは、話がかき氷のシステムに及んだ辺りからだった。

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「かき氷もねえ、これ1杯300円でしょう? おかわりし放題だし、シロップもかけ放題なんだわ」
「あ、これ食べ放題なんですか?」
「そう。ひとりで何杯食べてもいいし、一人が注文して、他の人に分けてもいいのよ。
 毎回シロップもかけていいし」
「あ、え? 他の人が食べてもいいの? それ大丈夫なンすか?」
「いいんだズラ(*)。せっかく来てさあ、楽しんでってほしいじゃん?」


  *原文ママ。ズラ訛りって初めて聞いた。


なんというサービス精神。まさか、そこまでタガの外れた食べ放題だとは思わなかった。
下界では、おかわり自由を謳いながら実は2杯までだったり、大食いメニューも協力プレイは禁止だったりと、
様々な制約を設けて自分たちのアガリを守ろうとするのにキュウキュウとしているというのに。
ここでの無限は真の無限、本当の愛はここにあった。


  ……いま書いてて思ったのだが、このご婦人、

    1. 山の上でカフェ(?)を営んでいる
    2. 訛りがすごい(かわいい)
    3. サービス精神がすごい
    4. お客が少ないのを嘆いている

  などの共通点から、もしやアルパカちゃんだったのではないだろうか? 
  という恐ろしい仮説にたどり着いた。
  「博士に教えてもらったんですか?」って聞いてみれば良かった……。

けものフレンザーたちから殺されそうな冗談はさておき、
オイサン一人ではこの重力圏内から脱することは不可能、
最低でもかき氷は平らげて見せねば解放してもらえないだろうと踏んで、
「ヨ氏ー、かき氷、本当に食べ放題らしいぞ」
と、エースを呼び寄せる。
そうなると、若干遠巻きに見守っていたテ氏もやって来ざるを得ない。
何を呑気に見ているんだね! 知ってるんだぞ、君らこういうの大好きだろう!

そしてここからは……怒涛の一時間であった。

オイサンとテ氏はアイスコーヒー、ヨ氏は300円で、のちに
「この時期にかき氷食べるのは、生涯で最速かもです」
と語ることになる、食べ放題のかき氷を注文した。

  お婆「シロップは? なにかける?」
  ヨ氏「じゃ苺で」
  お婆「もう一種類は?」
  ヨ氏「え? どういうことっすかw」

こういうことである。


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上と下、別々のシロップを選んでいいのだ。無限のサービス精神!
選ぶのに困ったヨ氏に請われ、オイサンはマンゴーを指定した。

目の前で、ガリガリと音を立ててイキの良い氷が削られていく。
コーヒーも運んでこられ、さあコレを片付ければ観光を再開できるぞ!
……と思ったのもつかの間、お婆はさっきまであんなに熱心だった客引きもやめてしまって
我々のテーブルにつきっきりでトークショーを始めた。
こ、これでは迂闊に脱出できない!

 「かき氷はねえ、3杯半食べてった人もいるよ!」
 「あの神社はねえ、本当はあっち(ロープウェー乗り場の反対側)が正面だったのさ。
  でもあっちにのりばが出来るからっつうんで、こっちに鳥居こさえて
  お迎えするようにしたズラ。
  あたしらはさあ、その前からずっとここで商売してるじゃん?
  そういうのもずーっと見てきたんさ」

などと、まだまっとうな観光情報も提供するかと思えば、
急に一度店の中にひっこんで、お、話は終わったかな? 今なら脱出できるかな? と思わせておいて、

 「食べる?」

と持ち出してきたのは……フキである。
アイスコーヒー&かき氷に、フキの突き出し! しかも突き出しが後に出てくる!
ざんしんwww! と、ひと笑いしたのも束の間、
……このフキ、下処理がしっかりされていて、嫌な匂いやエグ味が一切なく
サクサク食べられてしまうのだった……達人の仕事です。

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  ここでウッカリ「あ、美味い。美味いっすねえ!」などとホメようものなら、
  2撃目のタラの芽弾が装てんされてしまうので、早く退散したいときは言わない方がいい。
  ……。
  しかしオイサンらは比較的時間の都合をつけやすい旅程で来ているから良いようなものの、
  時間カッチリで予定組んじゃってる人はヒヤヒヤもんだろうなw

ヨ氏がかき氷の一杯目を平らげると、
「もう一杯どうする? シロップは?」
と追撃をかけてくるものだから、ヨ氏にだってエースとしてのプライドがありますもの、
応戦しないワケにいきません。
そうするとイキオイ、話も長引いて、あちらも果たして観光客相手にそんな話がしたいのかどうか、
よく分からない話題まで持ち出してきます。


「入間のコストコで買ってくる冷凍餃子がうまい!」



とかそんな情報、わざわざ甲府の仙人から聞くような話か!
よくこんな話wwww観光客相手にwwwwするよなwwwww

  ……うーん。
  RPGの、町から外れた一軒家に住んでる婆さんから、
  たまに変な道具の効能を聞かされることがあったりするけど、なんかそんな気分だ。

マ入間方面の話になったのは、私たちがどこから来たかというハナシから派生して、
東京、神奈川の方という流れから、
お婆自身が関東圏のどんなところへ行くか、行ったことがあるかみたいな話になり、
横浜中華街の中華に話が及んで、

  「麻婆豆腐ならあたしのが美味く作れるね!
   でもあの、えびチリつうの? アレは美味かったね。
   でも餃子! 餃子はね、入間の方のコストコ、あそこで買ってくるね! あれは美味い!
   あとそこのティッシュ。それもね、コストコでまとめて買ってくるね、安いから!」

つって、もう一体俺たちは何の話を聞かされているのだか
おかしくて仕方がない。
こっちも半分調子に乗って、その話題に相槌を返してしまうものだから、
向こうはさらにサービス精神を発揮してくる無限のマッチアップ。
テ氏はテ氏で、お婆の話す道路事情やその速さに共感を示す。
お婆はときおり店に引っ込んで、「お、終わったかな?」臭を漂わせつつも、
ものの数分でまた現れる、という謎のシーンチェンジを繰り返し、
なんなら衣装替えがないのが不思議なほどの舞台転換さばきでありました。

  テ氏「あの、時々いなくなるのはなんなんでしょうねwww?」

分かりませぬw 奥で水でも飲んでるんじゃないのかwwwリポビタンの瓶でww
一体、お婆の本来のオシゴトは何なのか、客引きなのか、ホールなのか厨房なのかホステスなのか。
話の最中、神社に備え付けの自動おみくじ機の調子が悪かったらしく、
独りのお父さんが訴えにやってきたのだが、
なんだか非常にざっくりした対応をしていたようにお見受けしました。
山の看板娘を、オイサンたち3人で独占しちゃってていいのかなあ。
ボクらそろそろ、オイトマした方がいいんじゃなあい(そろそろ次へ行きたい)?

突き出しに出てきた山菜についても、ちょっと尋ねれば

  「ああ、あんなもん、ここに上がってくる途中にちょっちょっと寄り道すればもう、
   お店で売ってるズラ? こーんなちょびっとの束が、300円、400円?
   (いかにも作った渋い顔の前で手を振る)とーんでもない。
   タダさー、自分で摘んで来れば」

演技派だもの。
お婆、どっかで女優でもやってたんじゃないの?
……などと話を振った日には、きっと娘時分の自慢話の一つや二つ飛んでくるので
言いませんでしたけれども。
そうして極めつけは、お婆、昇仙峡の地図を持ってきて、
とっておきの観光情報でも教えてくれるのかな? と思いきや。

 お婆「あんたらどうやってきたズラ? 車? どこ停めたさ? この道で、この駐車場。ははあ。
    よく聞きな、ここに三叉路があるでしょう?
    昇仙峡の入り口のところに駐在所があるズラ。
    ここにはねえ、もうずーっと前からいてくれてるお巡りさんがいたんだけども、
    この四月で定年になっちゃって。替わるときもちゃーんとあいさつに来てくれてねえ……
    それはそれはいいお巡りさ(中略)
    そんでこの4月から、新しい駐在さんがくるズラ?
    これがまた……(さっきの渋面+煙たいしぐさ)……なんズラねあいつは!
    Tシャツにジーパン履いてもう、小僧っ子みたいな格好して、
    ここ! この三叉路の陰に隠れて、一旦停止するかもう、じー……っとみてるズラ!」
 俺ら「(ああ、三叉路のハナシはここからなのか)」
 お婆「この三叉路で、一旦停止するズラ? そしたらそいつ物陰から出てきて、
    『止まってない!』って7000円と減点よ。マーいけ好かない!
    だからね、あんたらはここの一旦停止でキチッと止まって、3秒! 三つ数えて発進するの!
    いいね!」
 俺ら「はい、わかりました!」
 お婆「ねえ! せっかく遊びに来てくれてさあー、
    そんなことでイヤな思いして帰ってほしくないじゃん? 3秒! ね! 気を付けて!」

お婆、観光案内所では教えてもらえない貴重な情報ありがとう!

かくして、かき氷2杯、アイスコーヒーを2杯、そして突き出しの山菜(フキ、タラのメ)をいただき、
我々は賢者の祠をあとにしたのであった……。
あ、ついでに話の中で出てきたマスコット犬コロちゃん(故人)のお写真も見ていきました。

かれこれ……3、40分は捕まっていたのではないだろうか。
イヤ、お婆、悪い奴じゃないんだよ。すっごいいい人!
でも、なんだろう! なんなんだろうなー!
しかしなんだろうな、なんでこんなに長引くのか。
オイサンがリアクション返すのが悪いのか?

……。

などと面白おかしく書いてはいるが(実際面白おかし過ぎたんだけど)、
あとから思い返して調べてみれば、
昇仙峡ロープウェーの開業がおよそ50年ほど前で、
お婆はそれ以前からあそこに店を構えていたような口ぶりではあった。
また、定年になったお巡りさんからも敬意を払われる関係性は、
まず間違いなく年上であろうと推測できる。
……お婆はいま一体いくつで、いつからここに庵を結んでいるんだい……?
まさか俺たちはとんでもない偉人にコンタクトしたのではないだろうか……。

ちなみにお婆は一人ではなく、お店にはもうひと方、同じくらいのお年のご婦人がおられました。
ずっと一緒にやっているのかね。なんだかすげえや。

釈放されたあと、さあ人間界へ帰ろうとのりばに行くと、
次の便は近かったのだが随分ギッシリと並んでおられ、もしかするとギリギリ乗れないかも知れない、
というほどであったので、20分ほど時間をつぶして次の便を待つことにした。



……キミらさあ、こんなに人間おんのに、なんで誰もあの店に来ぇへんかったん?



例の、例の占いマシンが故障した不信心な親子くらいやん?
こんだけ、ロープウェーに乗り切られへんくらい人来てんのに。
この前にも後にも、ロープウェーは20分間隔で運行しているのに。
あの店来た人、ゼロやったやん?
試しに「昇仙峡 かき氷」などでググってみても、
何やらクソオサレな山ガールやサイクリストのいけ好かないブログやインスタばかりが見つかって、
山頂でお婆さんにつかまり、入間のコストコの冷凍餃子がウマイ話を聞かされた、
などの奇譚は一つとしてヒットしないのです……
お前ら、昇仙峡までいって、あの話を聞かないで何をやっているのか!
何を思い出と呼ぶんだ、お前らは。

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窓部が顔出しになっている、ある意味逆転の発想の看板。
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景色は普通に絶景なんすよ。


20分ばかりは、謎の鈴投げ入れアトラクションと、
変わりダネ顔出し看板(ロープウェー型の窓から顔出すタイプ)などで楽しく過ごした。
オッサンてなんでも楽しくできるから最高だな。
これがJKやOLではそうはいかないであろう。



■1日目:昇仙峡・仙娥滝



さあ、山頂で1時間半ほども費やしてしまいました。
昇仙峡は、なんて見るトコ盛りだくさんなんでしょう。
地上に降り立った我々、ようやく昇仙峡の本丸に切り込んでまいります。
ここから昇仙峡さんの本気が……

  テ氏「そんじゃ、ちょろっと滝くらい見て帰りますかw」
  ヨ氏「でっすねw」

きみたちw! なんでもう「見終わった」みたいな空気を出しているんだねw!!
分かってるぞ、キミらもうすっかり腹ペコなんだろうw!
そりゃそうだよ、だってもう1時半なんだから。
山頂であんなに時間食うなんて思ってないだろ!
そういうときはもう「空腹はゴハンまでとっとこう」なんて考えないで、
なんかお腹に入れるんだ! じゃないと、落ち着いた気持ちで景色を見られやしないんだぞ!

  以上、途中のコンビニでパン買って腹ごしらえ済みの人の意見です!
  マ、あとで美味しいものをお腹いっぱい詰め込みたい!
  って気持ちはよく分かりますが。
  まあいいさ、見てろよ、あとでモノスゴイのたらふく食わせる店に連れてってやっから。
  ですけども、ホント皆さん、旅行で景色を落ち着いて見たいときは、
  お腹の具合は先に整えた方がいいですよ、ホント。すきっ腹は落ち着きがなくなるから。

そうして向かった先が、昇仙峡のメインスポット、仙娥滝と覚円峰。
「ロープウェーの駅を降りたら、歩いて5分くらい」というお婆の情報に従って川沿いを下っていき、
なぜかエイリアンVSプレデターが展示されている(ホンマになんでや)謎のみやげもの長屋を抜けると、
年季を経て見るからにザワザワした手触りの、ひやりと冷たい鳥居が現れます。

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それをくぐり、左手に切り落とされた断崖、右手にはそびえる岩壁を見つつ下った先に、
舞い上げられた水の粒子が早くも辺りをつつみ込み始める。
渓流だけが持つ涼やかな水気(すいき)に、体がつま先から洗われていくのが
ありありと感じられるようになる。
石段も、岩壁も、どんよりくぐもった鼠色とこげ茶色の中間の色をしているのに、
空から降りてくる光の淡い緑が一枚加えるトーンが、それらを打ち消して余りある明るさを作っていた。

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そうしていよいよ姿を現す、仙娥滝。
はあ、これはなるほど、立派な滝。荘厳。
水もどうどうとたいへんな勢いで、滝の頬とも呼ぶべき、しぶきに濡れる巨大な岩の壁も艶っぽい……。
ちょろちょろ注いだり、サラサラ舞い散ったりするのも滝ですが、
これはもう、昔話の滝。ザ・滝。文句のつけようのない滝オブ滝。た&きであります。

滝というのは、いつも思うのだが、見聞きするにとどまらず、体感するものである。
写真では言わずもがな、動画でも、伝わるものは全体の1割、2割というところだろう。
今はやりの、VRや4DXを組み合わせて世界中の滝を楽しむコンテンツを作れば
かなり良いのではないだろうか。

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目で味わう情報の全体を占める割合が、他の景観に比してきわめて微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感。
擬音で表現すると、

 どずん!
 ガン!
 ふわっ……
 ゴドドドドドドドドドドド……

というような(分からんわ ← いや分かるよ)。
大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。

この日はもう、天候的にはこれ以上ないくらいのパーフェクトウェザーだったので
大変にすがすがしかった
ここ多分、曇りか、小雨くらいの時に行ってもまた違う良さがきっとあるであろうなあと思う。
マその場合、足元には厳重な注意が必要だろうけど。



■1日目:昇仙峡・覚円峰



……どうでもいいけどさ、昇仙峡行って、
茶屋のオモシロお母さんを、仙娥滝と覚円峰と同じ扱いの章区切りで扱って書くのって
どうなんだろうね。イヤいいんだけど。

天上で過ごした仙人との時間で随分と予定が狂ってしまったとあって焦りを見せ始める
(あと大変お腹が空いている)二人を
「もうちょっとだけ! もうちょっとだけ奥まで行ってみません?」
と説き伏せ、もうチョットだけ奥へと進むことに。 先っちょだけ! 先っちょだけだから!!

……マそもそも、仙人の庵にウカツに近寄り
問答無用のマップ兵器でズドンとやられたのはオイサンなので、
時間食ったのはオイサンのせいみたいなところはあります。
これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビっておりましたが、
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛びました。

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覚円峰とその周辺の景観については、マ以前書いた通りで、
頭上に大きく、庇のように張り出した岩をくぐった先で急に広がる渓流の眺めが大変ドラマチック。
自然というのは本当に、想像を越えてくるくせにある種人間臭い、
心になじむ景色を作ってくるから畏れとともに親しみを覚えざるを得ない。

覚円峰さんは、目の前にもう突然、ずがんっ! っと。
ずがんっ! と垂直立ち上げの人であり、また流れの対岸に一人でおられるので手にふれることも出来ず、
狂った遠近感の向こう側で、どこか蜃気楼のように佇んでおられるので、
あまりこう……現実感がない。
「高さ180m」というスペックも、正直、この感覚の前ではあまり意味がないように思われる。
皆さんにも分かりやすくたとえると、
ダイターンがガオガイガーを肩車したくらいの大きさです。

  ちなみに、かの有名な一枚岩、オーストラリアのエアーズロックさんは地上からの高さは350m弱らしい。
  真下からずばっと見上げたら……どんなもんだろうか。やっぱり差はわかるのかな。
  あと、エアーズロックさん、
  最近は現地人の呼び方で「ウルル」という呼び方に直されているご様子ですね。

ぬぼっと高く、凹凸はありますがことさらゴッツンゴッツンした感じではないので
赤いペンキで「SOUND ONLY」とか落書きしてやりたい(怒られます)。
前回、「水墨画の様だ」と書いたのですが、そう書くのは、
現実味、存在感の希薄さを無意識に感じとったときなのかもしれませんな。
はっはっは。 ← 何を笑ろとんねん

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こういう大きな岩には、険しさよりも、語り掛けてくるようなやさしさ、
包容力のようなものを感じてしまうのは、この星のザ・岩な部分を感じてしまうからなのでしょうか。

などと、先へ進むほどバリエーション豊かに変化する景観と、とうとうと流れる清流に身を任せていると
時の流れにのってどこまでも行ってしまいそうだったので、
ここらでおしまいにして次のスポットへ向かいましょう。
ていうか、お二人の空腹がきっともう限界だ。

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自分ひとりだったら、きっと本当に、朝から晩まで丸一日、
上から下まで何往復もして過ごしてしまうことでしょう。
ていうか、今度一人で来てそれやーろうっと。
早朝の光と夜の光できっと全然違うであろう。



……。



サテまたしても長くなってきたのでここらでお別れ。
次回、ようやくお昼ゴハンにありつきます。

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オイサンでした。

 
 

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2017年6月18日 (日)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その一~ -更新第1127回-

先にもお伝えした通り、GWに1泊2日で、山梨は甲府にある昇仙峡を訪ねてきました。

素晴らしい景観と美しい水と、豊富な才能といろいろと過剰な料理に恵まれた
それは素晴らしい旅だったことは前回書き残した通りなのですが概略を記したに過ぎず、
アレでは圧倒的にディティールが不足しているので、
描き切れていない様々な驚き、甲州七大驚異についてつぶさに書き残して置こうと思います。

なぜならコレは日記なのですから。



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■■■━ 黎明~Awaking~ ━■■■
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先の日記でも書いた通り、今回の旅は、始まりと成り立ちからして
いくつかの偶然が織り重なって出来たモノでした。

行先を決めるに当たっては、候補に挙がった山梨という言葉に私が反応しました。

旅の数週間前、私はたまたま一人で甲府を訪れていました。
旅先には、比較的近隣で、静かで、人の少なそうな町を選んだつもりが、
その日はたまたま町の一番のお祭りの日で騒がしいことこの上もなく、
辟易した私は、目抜き通りを外れた小さな喫茶店に逃げ込んだのでした。
そこで、よくしゃべる店の女将に、昇仙峡という渓谷のことを聞いたのです。

旅を仕切るテ氏が行き先の候補を挙げた中に山梨があり、
昇仙峡のことを思い出した私が、そういえばこんな場所があるらしい、と、
よく調べもしないうちから名前を挙げたことが、第一のきっかけとなりました。
出立の日も近付いていたので、サッサと行先を決めてしまいたい、
という心もあったのかも知れません。

いずれにせよ私たちは行先を甲府・昇仙峡と定めで旅に出、
そこで一人の怪人……否、賢者、仙女と出会うことになるのです。
彼女はそこに、50年住まう者でした。


第2の偶然は、テ氏が選んだ宿の場所でした。
ここだ、と彼が送って来た宿の地図の場所を見て、私は思わず目を眇めました。
その宿は、私が一人旅行をしたときに立ち寄った、奇怪なメシ屋のすぐ傍でした。
そのメシ屋は、味こそやや濃いめではあるものの普通の範疇でしたが、
その立ち居というか、佇まいというか、風体というか、
つまりは見た目と雰囲気が独特、
独特中の独特、
ザ・独特、
独オブ特でありました。
世間には、監獄を装うなどエキセントリックな見た目を
セールスポイントにしているレストランなどが多々ありますが、
本人はそんなつもりないのに結果あんな感じになったお店、と言えば良いでしょうか。
そんなお店であるので、私は特段、2人の旅仲間にお店のことを教えたり、
お連れしたりするつもりもなかったのですが、
そんな偶然の方からこちらへ歩み寄って来られてしまうと面白くなってしまい、
彼らにその店のことを話してしまいました。

  彼らがあのテの魔窟をよく好むことは知っていたので、
  そこに恐れや躊躇はありませんでした。

そうして初日の昼をその店で摂ることが決まり、
……そこでもまた、私たちは一組のエキセントリック老年カップルと出会い、
独特の世界観に飲み込まれることになったのでした。
彼らはその場所で、40年に渡ってあの頑迷なメシを人々に供し続ける者でした。

最後の偶然は、初日から連なり2日目に起こりました。
今回の旅はとにかく快適だったのです。
天候は最高でした。
空はよく晴れ、暑すぎず、寒すぎもせず、そして道路事情も素晴らしく快適で、
日本一の大型連休のさなかであったにもかかわらず渋滞知らずでスイスイと、
我らがジェントル号の足はよく回ってくれました。
そのせいで……我々は、「あまりに早く目的地に着き過ぎる」という道の恐怖を体験することになりました。
なにぶん、予定を「昇仙峡に行く」しか考えていなかったのです。
しかも、それは2日目に行われる筈でした。
初日は、甲府の町近辺でもゆっくりと見て回り、少し早い時間から宿と飲み屋にでも入って、
のんびりマッタリしようじゃあないか、という
壮年の男にありがちなプランニングをしておったものですから、
さあ困った、いざ初日の午前中のうちに甲府についてしまいそうだとなってくると
さすがにそんな時間からは宿には入れない、飲み屋にだって入れない。
慌てふためいた我々は、昇仙峡は初日のうちに見てしまおう、
明日は明日で何かを考えようと、なんともらんぼうな、
行き当たりばったりにもほどのあるプラン組み換えを敢行したのです。
その時誰かが……たしかヨ氏であったと思うのですが……言った、
「水のきれいな場所とか、なんか近くにありませんでしたっけ?」
という言葉から、2日目の目的地として忍野八海が決定されたのです。

そしてそこで、幼い頃に訪れたことがあるというヨ氏の記憶に導かれ、
訪ねた謎の「製麺所」にて……そこで30年のときを刻む最後の賢人、
ビジネスモデルの神と巡りあうことになるのでした。

大きな3つの偶然と、出会う3人の……厳密には2人と一組の……怪人。
90年代の終わりに2000年代のテクノロジーを悉く予見した、
名著『機動警察パトレイバー』の中で、
登場する敏腕刑事・松井がこのようなセリフを残しています。


 「俺も偶然は二つまでは許すことにしてるんだ。
  しかし三つも重なったらこいつは偶然とは思えん、何らかの必然があるんだ」



あまり想像したくはありませんが、そう、これはもう必然なのでしょう。
テ氏と、ヨ氏と、そして私、3人には、怪人を引きよせ、怪人に引き寄せられる
素養が備わっているに違いありません。
スタンド使いみたいなモンです。
今こうして思い返してみても、不可思議な出会いの糸が、
何者かの優秀なストーリーテラー……たぶん堀井雄二あたりだと思いますけど……によって
紡がれていたのではないかと思える、そんな旅でした。

……マ前のときにも書いていますけど、大筋はコレで大体全部なので、
あとは細かいところが気になる人だけ読んで下さい。
お写真なんかも、良いトコは前の記事で大体載せているので、そっちを見れば済んでしまいます。
3賢者のありがたいお言葉をつぶさに心に刻みたい勇者だけが、この先の頁に進んでいい。



さあ、旅を始めましょう。



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■■■━ 1日目 ━■■■
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■1日目:出発 八王子~奥多摩湖~国道411・大菩薩ライン



集合は朝の6時。
よつさんは、前日何やらとてつもない肉を食らっている様子がTwitter上で見受けられたので、
もしかすると羽目を外して、今日こそは久々に良いシゴトするかも(※)?
と期待されましたが全然オンタイム。

  ※遅刻するかも、の意


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GW期間中とはいえこの日は平日で、八王子、青梅を抜けて奥多摩湖へ向かう途中では、
垢抜けないJC、JKや学ラン姿のクソ坊主、
サッソーと自転車を走らせるイケメン学生さんらと道を行き交うので、
退屈しのぎに、「こいつはモテねえ!」「こいつはモテる。余裕がある」
などと、積年の知見を元に的確な品評会を開催しておりました。
すまない学生諸君。
オジサンたちは平日に遊んでいる上、これから学校へ行こうという君らをダシにして
ワリと笑わせてもらったぞ。

  しかしそれは仕方のないことなのです。
  なぜなら、この時点では旅がどういう方向に転がるか、まだわからないのですから。
  何かしらでも拾いあげて土台固めをしておく必要があるのです。
  なにも素晴らしいことが起こらなかったとしても、
  なにがしかの「楽しい」があったことを、組み立てておかなければならないのです。

時間の割に車の数は目につくものの渋滞とは無縁で、
妖怪ペダル、妖怪ばくおん、妖怪山登りジジイ・ババアなどの妨害も少ない。
奴らの出現は、やはり休日であることが条件であるもよう。
ただし今回は新たなトラップとして、妖怪路肩三脚ハミ出し老人の出現が数体確認されました。
あれは動的なトラップではありませんが、危ないな。
この世ではみ出していいのは、唯一二次元ギャルの乳輪だけである。

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「平日の朝のワリに人がいる」と、テ氏も驚きの奥多摩湖。
まあワンサカというほどではないけれど確かに人影は目につき、
しかしそれ以上に目についたのは燕の多さでした。
気を抜くと衝突しそうな数と頻度でヒュンヒュン飛び回っておられ、
見れば、あずまやの軒に巣を建設中のご様子。


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30分ほど休憩ののちエンジンを再始動させ、いよいよ道は青梅街道・大菩薩ラインへ。
大菩薩ラインは、国道411号線の、大体奥多摩湖の西のしっぽの辺りから、
甲府に入る手前あたりまでをその様に呼ぶようです。
テ氏もお気に入りの道なのだそうで、
「いきなり現れるヘアピンとかあっていいんすよ。
 うちの奥さんと『爆笑カーブ』って呼んでんですけど!」
とご満悦。笑ろてる場合なんスかそれ。

  ※テ氏の安全運転技術はグレイトです。

そんなテ氏オススメの大菩薩ワインディングロードをワインワインすること、1時間あまり。
私たちは、塩山千野のセブンイレブンにおりました。


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「まだ10時……。道がすいてたら、奥多摩湖からここまで1時間で来れちゃうんだなあ」


しみじみとテ氏が言いました。

オイサンは、自動車の運転を一切しないせいか、
他の3人(※隊長を含む)に比べると道路のことや途中の休憩ポイントの特徴などについて、疎い。
しかしこのセブンは印象に残っていて、以前もここで休んだ記憶が甦ります。
坂の途中にあるからなのか、建て方が乱暴なのか、
なんかちょっと傾いている感じがするからかもしれない。

このままいくと、11時には甲府に着いてしまいます。
甲府で何をするのか? 実は、何もありません。
冒頭でも述べた通り、今回の旅の大きな目的は昇仙峡だけであって、
あとは「なんかのんびりしよう」くらいしか考えてこなかった。
昇仙峡は明日、今日はゴハン食べて湯に浸かってエッヘッヘッヘくらいの、のんべんだらりよていなのん!
無計画じゃこまりますん!

そこで、……記憶は曖昧なのですが、
「なんかこの辺に、水がキレイなとことかありませんでした? 前言ってた……」
と言ったのはヨ氏ではなかったでしょうか。
それを聞いてピンと来たのが忍野八海でした。
甲府から近いかどうかは、オイサンのモノサシではわかりませんでしたが。


  「忍野八海? 帰り道に? 行けるの?」
  「調べてみる……全然ヨユー」
  「じゃそれで」


決まりました(はやい)。



■1日目:昇仙峡ロープウェー~パノラマ台駅



そこから一時間あまり。
甲府の町を一旦抜けて、山に入り、昇仙峡のエリアに足を踏み入れます。
オイサンは言い出しっぺなので、昇仙峡の大体のマップは頭に入れてきております。
できる子。
……の、筈だったのですが。

昇仙峡は、甲府の北の山中を南北に流れる荒川に沿って形成された渓谷で、
オイサンの調べたところでは、その北端と、中ほど、南端の三か所に代表的な駐車場があるようでした。
端っこの駐車場に止めて反対の端まで歩けば1時間半ほどらしく、
自分ひとりであればそのコースをとるだろうけど、
さすがに三人でそれだけ歩くのは、時間的にも距離的にも無理があるので、
クルマを見どころの集中する真ん中の駐車場に停め、その周辺を散策するプランを提案しました。
……の、筈だったのですが!

一つ目の駐車場がゲキ混みだったので。
知ってます? ゲキ混み。ゲキ混んでんすよ。
まだ奥に駐車場があるので、もう一つ奥まで行きましょう、とテ氏にお願いして車を走らせてもらったトコロ、
着いたのは……どうやら、最も奥まった駐車場。
あるぇ~~お~かしいぞお~???
……どうやら、先ほどパスしたゲキ混みPがセンター駐車場で、
南端の駐車場は気付かぬうちにパスしてしまっていたらしい……。
すまないみんな、オレのせいでこんなことになってしまって……。

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しかしそれしきのことでうろたえる我々ではありません。
順調であることには滅法弱いが、乱れることに関してはオーソリティなのです。
これまで伊達に、100㎞も寄り道をしたり、
木崎湖に行くつもりが白馬までに行ってしまったりしてきたわけじゃない、この程度はへのカッパ。
「じゃあもうここを拠点にしちゃいましょう。駐車場広いし」
と決断し、車を降りてすぐ目に入るのは……
穏やかな荒川の流れと、昇仙峡ロープウェーの文字。

しかし今にして思えば、この誤りとも呼べない些細な道誤りも、
今回の旅の重要な偶然ファクターであったかもしれません。

……もし首尾よくセンター駐車場に車が停められ、
下流からさかのぼるお仕着せの探勝ルートを辿っていたならば。
ここにたどり着くまでに、観光らしい景勝を存分に堪能していたならば!
……果たしてテ氏は、苦手を押してまで「ロープウェーに乗ろう!」などという決断を下したでしょうか。
オイサンのアタマでは、このロープウェーには乗るつもりはなかったのです。
なぜなら、

  テ氏  「……ロープウェー乗りましょう。せっかくだから」
  オイサン「え? ダイジョブなんすか?」
  テ氏  「全然。ダメに決まってるじゃないですか」


こちらの御仁、高いところがダメなのである。
だからネットで見たときから、オイサン的には「この乗り物はハズシだな」と考えていたのだが。

  テ氏  「乗りましょう! せっかくだから!」
  オイサン「え? 本当にダイジョブなんですか??」
  テ氏  「全然!? ダメに決まってるじゃないですか!!」


男気という奴です。もしくはドMです。
まオトナが自分で「大丈夫だ」とこれだけ言うんですから、
周りとしては、それ以上何も口出し出来ることはありません。
乗りましょう乗りましょう。

弥三郎岳ロープウェーは、片道約5分、往復で1200円。
マ平均的な観光ロープウェーと言えましょう。
大きな混雑ではありませんでしたが、オイサンらはその便のほぼ最後尾での搭乗となったので
ワリとぎゅっと詰め込まれた感じです。
個人的には、マこんなもんだろうな、という運行と眺望であったのですけれども……
降りてみると、テ氏とヨ氏が何やら盛り上がっている。

  テ氏「あいつらが! あのブサイクが!」
  ヨ氏「ですよねw! ですよねw!」


あとから聞けば、どうやらぶっさいくなカップル……失礼、美しさの著しく不足した一組の男女が、
その見た目に違わず、心の美しさも一緒に母親の腸の中に置き忘れてきたらしく、
ロープウェーの恐怖に打ち震えるテ氏の眼前でムイムイちゅっちゅと
いちゃラブワンダーランドを建国していたのだそうな。
普段は温厚で、他人を悪しざまに言うことなど一切ないテ氏であったが、
このときばかりは憤懣やるかたないとばかりに
そのいら立ちを面白おかしく爆発させておらっしゃった。

なんでも、ゴンドラの外を見るのがおっかないので内側に目を移せば、
ギュウギュウの車内ではもう目の前のブサイクラブキャッスルしか目に入らず、
それでも構わず彼らは分泌物の交換に余念がないという状況で、
引くも地獄、進むも地獄の昇仙峡・愛の絶景地獄であったらしい。

  あっはっはっはっはっはwwww災難だったなwwwww ← 鬼


 テ氏「まあ、そんな人の容姿を悪く言うつもりなんかないですよ?
     ないんですけど!
     それでもあのブサイク……!
     あいつらねえ、あの濃厚さはきっとまだ付き合い始めたばっかですよ!
     あんなモンひと月は持たない! 絶対です! 3週間かなーもって!
     ホントもう、めちょめちょベチョベチョと……男の方もですけど、
     女の方! 絶妙ですよ! ブサイク! しかもカラダの方がロケットおっぱいでしょ!?
     あのワガママボディでブサイクとかもう……尚のことたちが悪い!」



と、オイサンとヨ氏も、手を叩いて賛同するよりほかなかった。知らんけどw
いや、まあ、確かに。
言われて意識して見てみれば、
ロープウェーを降りた先の山頂に点在するスポット先々での彼らの淫行は目に余るものがあった。
もう少しこう、節度をもってワイセツ行為に臨んでもらいたい。

  このあと、宿に帰って今日一日を振り返った際に、
  彼らはこの先つがいでいるであろう期間(見積もり)から
  「3週間フレンズ」
  と名付けられることになる。
  我々の眼前で、ヘタにオモシロ行いに及んだのが運の尽きである。
  コチトラ何だって拾っていくんだからな? コノヤロウ。

……というワケでこれからしばらく、この弥三郎岳山頂周辺のスポットをご紹介してまいりますが、
我々の周りでは大体常にブサイクなカップルが濃厚ラヴを育んでいると思いながら読むと、
暑苦しくて良いと思われます。

ロープウェーでは、弥三郎岳の「パノラマ台」と名付けられた場所まで上がることが出来ます。
山頂まではそこから20分ほど尾根を歩かなければならないようですが、
我々はそこまでは行きませんでした。

パノラマ台からの眺めでも、晴れてさえいればどこからでも富士山と南アルプスの山並みが見渡せ
十二分に美しかった。
ザ・絶景。
……にもかかわらず、コレである。


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どうです、この自信。
絶景なら、キミの背後にもあるではないか……。
「こんなもんじゃないんだ、本当の絶景はこの先にあるんだよ!」
と押し付けてくるこの態度に、
「……もしかして、この後ろの崖の下になんか見せたくない物でも転がっているんじゃないか?」
と勘繰りたくなるほどのリードぶりである。
そしてこれである。


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「くん」を付けただけで愛着がわくからすごい。
大事なものであるなら、せめて屋根の下に置くとかケースに入れるとかすれば良いのに。
野ざらし。
それに、周りにこれだけの絶景があるのだから……
ナンも、敢えてここにモーターを展示しなくても良いようなものだが……。

  責任者「おい、こんなに何もなくて大丈夫か。山しかねえぞ」
  下っぱ「た、確かに……。せめてコレ置いときますか?」
  責任者「おう、無いよりマシだ、置け置け」

ってなモンであろう……つまり!
「モーターくん」がここに置かれていることは、
この絶景がこの辺りで暮らす人たちにとっていかに特別でないタイクツなものであるかを
逆に示している……のだと思われる。奥が深い(深いものか

一応、この山頂付近には絶景ポイントがいくつか用意されているのだけど、
正直どこから見たってどれも絶景オブ絶景、絶オブ景、絶&景なので、ひとまとめにお写真置いときます。


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あ、ただし、天気が悪かったらナンモ見えないと思います。
そんな時こそこの、モーターくんの出番であろう。
旅が雨で台無しになった旅行者の心を、そっと慰めるモーターくん!
……マ、そぼ降る雨に濡れる、役目を終えた野ざらしモーターを見て、
盛り上がった観光マインドがどれほど満たせるか……オイサンは知らんが。
それでテンション上がる女とは付き合いたくない……かな? イヤちょっと興味あるな(知らんわ


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よくある鳴らすと幸せになるアレ


ほど良く長くなってきたので一旦ここで。
次回、いきなりクライマックス。
オイサンでした。

↓次回の惨劇の舞台

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2017年5月21日 (日)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その2~ -更新第1125回-

2017年のゴールデンウィーク、9連休日記の続き。
中盤戦のメインインベント。



■■■ 中盤:05/02(火)~05/03(水・祝) ■■■



3紳士―ズ(※テラジさん(@teraji800)・よつさん(@yotsuaki)・オイサン)で山梨へ1泊旅行。
今回の連休のメインイベントである。

  ※これにおみかん隊長(@NOR_kankitsukei)を加えると、暁の四紳士になる。
   銚子に行ったり、小諸に行ったりする。

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八王子から国道411号線・大菩薩ラインを使い、奥多摩湖、昇仙峡、と回って甲府で一泊。
翌2日目は、忍野八海に立ち寄り、道志みちを使って途中道志村で湯に浸かって帰京、という
山梨づくしの旅。





当初は甲府・昇仙峡だけの予定だったのが、
行きの道があまりにスイスイで時間が余りまくりそうになってしまったため急遽予定を色々変更し、
2日目の予定だった昇仙峡を1日目に、
空いた2日目には、忍野八海と道志村での温泉を追加した、という次第。

これまでの旅でもそこまでガチガチに予定を組むことはなかったとはいえ、
今回ほど大胆に動かしたり足したり引いたりしたのはあまり記憶にない。
偶然やら必然やら、いろいろ組み合わさって出来上がったミラクルトリップであった。
詳しくはまた個別に書くけれども、
今回の旅はさまざまな偶然に彩られた旅であり、なんというか……

  「お前たちは行く先々で、3人の賢者に出会うであろう……」

みたいな旅であった。

行き先が昇仙峡になったのは、
ちょっと前にオイサンが甲府一人旅をした時に「たまたま」入った喫茶店で「たまたま」得た情報が元であるし、
テ氏のとった宿が、
オイサンが甲府一人旅をした時に立ち寄った奇ッ怪なメシ屋のほとんど隣りだったことも「偶然」だし、
予定になかった忍野八海で、ナゾのそば屋……否、おみやげ製麺所に立ち寄ることになったのも、
行きの道路事情が「たまたま」快適すぎて甲府にオソロシく早く着いてしまった「イレギュラー」と、
ヨ氏の幼き頃の記憶の産物であった。

そして行く先々すべてで、賢者に出会うことになるなんて……。
なんかもう、『ドラクエ』みたいだ。
まあ出会ったのは賢者じゃなくて、どっちかというと怪人の類だけど……。

■行程概略
 ▼1日目
 早朝、06:00頃集合。八王子経由での411号で奥多摩へ向かう。
 08:30、奥多摩湖。燕と衝突しそうになる。
  大菩薩ライン(国道411号)を抜け、西へ。
 10:00、セブンイレブン・甲州塩山千野店。甲府へ向かう予定を変更し、直接昇仙峡へ。
 11:00、昇仙峡。謎の仙人&節操と美しさの無いカップル(直球)襲来。思いのほか時間を食う。
 15:00、「ひなた」にて遅い昼ゴハン。空腹が災いして判断を誤り、いいだけやられる。
 16:30、「ホビーショップショップ」いちかわにて2000番のやすりを買う。
 17:00、ホテル菊富士。
     本日の宿。部屋が、マーガレットの咲き乱れる超広い、メルヘンなはなれ(ほんとう)でビビる。
     「ひなた」での食いすぎダメージでしばし死ぬ。
 21:00、居酒屋かっぽうぎで少しだけ飲む。
 22:00、宿に帰って大急ぎで風呂。お部屋がジャパリパークに。

 ▼2日目
 08:30、いいだけもたもたした後、出発。
 11:00、忍野八海。人だらけでゲンナリするが水は掛け値なしに美しい。
 12:00、謎のそば屋……否、おみやげ製麺所名泉そばでお昼。謎ビジネスモデルに戸惑う。
  道志みち(国道413号)で、東へ。
 13:00、道志の湯でひとっ風呂。周辺でキャッキャウフフする。キャッキャウフフ。
 15:30、津久井湖で一休み。
 17:30、解散。


  ■1日目 : 出発~甲府まで


朝6時に3人集合し、そこから八王子を経由して、テ氏お気に入りの国道411号に乗って奥多摩湖へ。
奥多摩湖ではやたらと数の多い燕との衝突を回避しつつ(本当にぶつかりそうになるくらい多かった)
休憩を取って、大菩薩ラインへ突入。なかなかのワインディングである。
GW中とはいえ一応平日だからか、妖怪ペダルや妖怪ばくおん、妖怪ヤマノススメはさほど目につかない。
ただ新種の、路肩で三脚広げてはみ出しながら写真トールジジイがいた。あぶない。


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10時にはもう甲州塩山のセブンイレブンに着き、ドライバーのテ氏が
「道が空いてたら、奥多摩湖から甲府まで1時間でくるんだ……」とびっくりしていた。
「このままでは早く着きすぎる!」と、
旅程が順調に進むことに慣れないなれない我々はうろたえ始め(なさけない)、
慌ててこのまま昇仙峡へ行くことに組み替えた。


  ■1日目 : 昇仙峡、弥三郎岳パノラマ台


オイサンがチョイとガイドを誤り、昇仙峡最奥部の駐車場まで辿り着いてしまった。
テ氏は高いところが苦手なのにもかかわらず男気を見せ、
ロープウェイで弥三郎岳の山頂近く、パノラマ台へ。

  ※この先、「ブサイクなカップル」という表現が何度か出てくるが、
   まあその、あまり人様の容姿を論うのが良くないことも、
   自分が人様の容姿をどうこう言えるほどかということもよく理解しているけれども、
   なにぶんこのカップルは人口密集地においても所かまわずもう、
   ムッチョムッチョムッチョムッチョと、あまりにもエニープレイスベッサメムーチョの
   どこでもムーチョ仕様だったので、
   そっちがその気ならコンニャロウこっちだってテメエ出すもん出すぞっていう、
   そういう気持ちを込めてブサイクなカップルめ! と、このような経緯で表現しており
   決して差別や侮蔑やヘイトを助長する意図があるものではありませんし
   なんならフィクションとして処理してもらっても構わない。
   それでは引き続き、オッサン3人の珍道中をうたとおどりでお楽しみください。

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ロープウェイの車中ではブサイクなカップル(直球)がいちゃつくところを間近に見ることが出来、
山頂では、晴れ渡って富士山と南アルプスを一望できる素晴らしい眺望とともに、
すばらしく雑に配置されたナゾの観光オブジェクトが楽しめる。
無論、一緒に上がってきたブサイクなカップル(直球)が
引き続きあちらこちらで過剰なスキンシップや自撮りを嗜んでいるところを観察できますし、
300円で無限におかわり&シェアが許されているかき氷と、
何故かサービスで繰り出される付け合わせの山菜に舌鼓を打ちつつ
お店の看板娘であるところのご婦人の愉快な話を数十分に渡って聞くことができた。

  まさか、コーヒーとかき氷を頼んだら、お通しにフキとタラの芽が出てくるなんて……
  なんて斬新な茶店でしょう。

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  ヨ氏「生涯で一番早い時期に食ったかき氷かもしんないっす」


オマケに甲府市警の人事内情や、帰り道で引っ掛かる危険性の高い取締ポイントまで
聞きだすことが出来た。
詳しくはお話しすることは出来ないが、

  「帰りの三叉路で、
   4月に赴任してきたばかりのいけ好かない小僧っ子が
   Tシャツ姿で取り締まっているので3つ数えろ」


である。

  ……どうであるか。ますます『ドラクエ』の祠に住んでる賢者とか、
  『ゼルダ』の穴ぐら老人の助言っぽいではないか。
  ミンナニハ ナイショダヨ。

こうして第一の賢者との邂逅を果たした我々(主旨が違っている)は、
ロープウェー乗り場がチョイ渋滞していたので一本見送ることにし、もう少し山頂をうろついた。
素晴らしい眺望! 謎のすずアトラクション! ブサイクなカップル!
素晴らしい眺望! ブサイクなカップル! 斬新な顔出し看板! ブサイクなカップル!
大満足。

  いや、後半には、BC(略すな)は先に降りちゃったらしくていなかったんだけど。

今回はサラッとさわりだけで書き済ませたが、濃密というか、濃厚というか、
濃縮カルピスを4倍希釈のそばつゆの原液で割って飲むような時間であった。
生きて脳髄に届く乳酸菌。

しかしなんだろうか、
ロープウェー乗り場が行列するくらい人がいたというのに、
あのおバアの店で舌鼓を打っていたのは我々だけだ。
「昇仙峡 かき氷」で検索をかけても、
クソオサレなサイクリストや山ガールの記事みたいなのが見つかるばかりで、
山頂に住む仙人に「入間のコストコの冷凍餃子がウマイ」みたいな話を聞かされた、という記事は
ついぞ見当たらない。
世間の人間は、昇仙峡くんだりまで行ってあの話聞かずに何を見て帰るのか不思議でしょうがない。
また行くからな、それまで元気で待ってろおバア。
今度はそばかうどんか食うぞ。


  ■1日目 : 昇仙峡・仙娥滝と覚円峰


地上に降り立ち、いよいよここからが渓谷としての昇仙峡の本領である。
ダテに日本二十五勝や平成の名水100選、平成百景ランキング2位などに選ばれていない。
本来、山のてっぺんで1時間半も費やすのがイレギュラーなのであろう。
多分山頂で出会ったのも、無形文化財的な何かだ。

本来の順路としては、下流からさかのぼって来て、
最後にこの2大スポットにババーンとご対面する構成なのだろうが、
マ今回の様に、まず上流まできてしまって下っていくのもアリなご様子。

この昇仙峡の2大親分、これがまたすごかった。

昇仙峡の全体的な地域範囲としては「こぢんまり」の範疇なのに、
これら一つ一つのスポットのスケール感は大変雄大に感じさせる、不思議な収まり具合。
しかしこの昇仙峡、本当に素晴らしい景観目白押しで、
独りで来ていたら多分、朝入って夕方帰るくらいの一日いられるコースだった。
きっと、朝と夕方で全く違う表情をすると思う。
近々、また一人で来てしまうだろう。

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滝に対面するといつも思うのだが、滝は体感するものである。
目で味わう情報が占める割合が、他の景観に比して微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感……。

大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。
まさにその、大きな小部屋に小さくなった自分が降り立った感覚を、
しばしの間、全身でまざまざと味わっていた。

続いて現れる覚円峰。
仙人のありがたいお話で時間をとられ、いい加減腹が減って来ていたお二人を、
「もうちょっとだけ先へ」とだまくらかして、さらに下流へ。

  マ言っとくと、昇仙峡はこっちらへんがホントの見どころなのであって、
  山のテッペンで仙人にとっつかまって1時間も2時間も話を聞くのは邪道であり、
  あまつさえそれで疲弊してしまい、滝だけ見て
  「この辺はもう、そろそろいいでしょう」
  みたいな態度に出るのは言語道断っていうか観光協会に陳謝しなければならない。

これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビってはいたのだが……
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛んだ。
切り立った崖に左右を阻まれ、巨岩と共に間を流れる渓流の壮麗なことといったら。
下流に向かって右手側に、一際高くそびえる岩山が昇仙峡のシンボルでもある覚円峰で、
ほとんど垂直に切り立ち、丸みを帯びた頂きは中国の水墨画の様だ。

  あとから調べたところでは、高さは180mあるのだそうで。
  先日登った飯能の天覧山が190mチョイなので、大体同じくらい。
  マそれでも5、6階建てのビル1個分くらいは違うので結構違うな。

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覚円峰の、堂々としつつも秘密めいたたたずまいもさることながら、
突如視界に展開するこの渓流のバランス、風景全体が持つスピード感に圧倒される。
小さくなった自分が、ググッと下流に向けて巻く渦に飲み込まれるような感覚がある。
いやー、面白い。
この風景の中に踏み込む手前、流れにかかった小さな橋の手前でしばらく足が止まってしまった……。
流れの中に転がっている……というにはあまりに収まりが悪い、
巨岩も遠近感をおかしくするのに一役買っている。
某宇宙戦艦の足みたいだな、と口には出さずに眺めていた。
やっぱり、日本の山深い渓流の風景はファンタスティック。
こういう風景に巡り合うと、つくづく、日本には美しい水がたくさんあって本当に恵まれている、
本当に良かったと思うのことでありますよ。

こうして三人、しばし圧倒的な景勝を楽しみ、
いいだけやられて昇仙峡をあとにしたのでした。

モチロン帰り道は、おバアにもらったアドバイスの通り、
三叉路に十分注意し、一旦停止で4つ数えてから発進したのである。

 ▼昇仙峡 
 http://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

 ▼昇仙峡ロープウェイ
 http://www.shousenkyo-r.jp/

 ▼仙娥滝
 https://goo.gl/cwBcRz
 日本の滝100選に入っているらしい。へー(いま知った


  ■1日目 : お昼ゴハン、ひなたにて。

昇仙峡から車で30分ほど下り、甲府市街へ戻って来、昼ゴハンは、「ひなた」。
至ってフツーの食堂である。
ひと月ほど前に一人で甲府を訪れたときに見つけた食堂で、
フツーなのだが色々独特なのだった。
その時は、特に二人をここへ導くつもりはなかったのだが、
今回の宿があまりに店の近くだったので面白くなってしまい、
またお二人が「イケるクチ」なのは分かっていたので、これはもう宿命ということでお二人にお教えした。
結果、昼が遅れた空腹に任せて若干「盛った」二人はそこそこやられ、
夜までの3時間ほど使い物にならなくなった。

お店の名誉のために付け加えておくと、ゲテモノ・爆盛りの類では決してない。
昭和にはよく見かけた普通の、色々とおおらかというだけで、
初期設定をいじりさえしなければ何もおかしなことのないお店だ。良心的ですらある。

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前来たときは、OL風の女性が二人でゴハン食べていたほどだ。
ただまあ、壁を見てもらえばわかる通り、
メニューが無用に豊富で、
そのサイズ設定がまた独特で、
それを説明したり運んできたりする人物が若干スペシャルである、ということに尽きる。
よく確かめもせず、空腹に任せて盛ったりするからピンチを招くのであって。
ただ、ピンチを招かせるテンションの高まりを演出する空間であることは否定しない。
また、「面白丼ってのはなんなんです?」という問いに対し
「それねえ、作ってる方は面白くないんだよ」という答えを軽々と返してのけるポテンシャル、
人間力は秘めた者の商う店である。
彼もまた、一般的な経済のくびきから放たれた一人の……否、夫婦で一人の賢者だった。
地元の人たちから愛されているにちがいない、素晴らしきゴハンの店だった。

昇仙峡の山頂で年老いたアルパカちゃんが商うジャパリカフェも、
本人の話を聞く限り50年モノであったが、
この店も44年やっているというから……驚きである。


  「普通は、隣のガストに入っちゃうよな……」


店を出てすぐ、どちらかが言ったことばがやけに印象的だった。
ひなたさんのすぐ隣は、"ザ・無難"、"キングオブ無難"、"無&難"など、
数々の称号を恣にする無難の王、無難なメシ屋の代名詞、ガストさんなのである。
うん。
オイサンも、もう少し心に余裕がなかったら違う店行ってたと思う。
しかしあのとき躊躇なく入って良かったと、今でも思っている。


  ■1日目 : お宿にて


ひなたを出たあとは「ホビーショップいちかわ」で2000番のやすりを買い求め、
道すがら発見した「富士アイス」で「アイスを食う。回転焼きも買う」と言い出したヨ氏に
エースの底力を見せつけられたり、地元のスーパーでいくらか飲み物を買ったりして宿に戻った。

宿の部屋が、なんとマーガレットの咲き乱れるお庭のついたはなれだったのには驚かされた。
そりゃ驚くよ。
宿本館の建屋が、縦に細長いコンクリうちっぱだったのを見たときには
大した期待感を抱かなかったが、通されたときはそりゃあたまげた。
お部屋もオッサン3人にはもったいない広さで、
そしてその広い部屋にもさらにもったいない馬力を持つ巨大なエアコンがついていたからもう
いじり放題である。
最初、ちょっとつけたときに「なんかやたら冷えるな」と気付いたのが始まりだった。

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夜はテ氏お勧めの「かっぽうぎ」なる居酒屋で一献酌み交わす予定だったが、
「ひなた」でやられたのが、この日のとどめとなった格好だ。
結局少しだけ飲みにも出掛けたが小一時間引っかけただけで宿に戻った。
慌てて湯に浸かったあとは、なぜだか部屋で『けものフレンズ』の話題が盛り上がってしまって
まだ見ていないというテ氏をジャパリパークに引きずり込んでフレンズになってもらった。
たーのしーい!


  ■2日目 : 忍野八海


2日目は忍野八海へ向けてスタート。
朝ゴハンはどっか途中で適当な店に寄ろうとしていたが、
結局町なんかすぐ抜けてしまい、途中に町なんかもなく、コンビニゴハンとなった。
コンビニすげえな。
もしこの世界にコンビニが無かったら俺たちはどうなってしまうんだ。
いや、ホントにコンビニすげえよ。

途中、富士山の良く見える広い場所で一旦車を停めてゴハンを食べていたら、
どうやら土地の持ち主と思しき御仁がウロウロと見回りに来たので慌ててその場を離れる不良中年。
クックック…ここがホテルの駐車場だといつから気付いていた……?
最初からですすみませんガラガラだったのでつい出来心で。

忍野八海までは甲府から1時間チョイで到着した。
ち、近い……。
前々から行こう行こうと思っていながらも、家からではどうにもアクセスが悪く
攻めあぐねていたというのに。オクルマは偉大だ。
ジェントル号おまえやるやないか。

そうしてたどり着いた忍野八海はゲキ混みでした。
ゲキ混み
知ってます? ゲキ混みゲキ混んでんすよ(ダイレクト)。
まあこの日から本格GW突入だったし、
出発前に道路状況を確認したら、都市圏は完全に動脈硬化であり超脳溢血であり即死だったので
ワカランでもないけど、ほぼ朝イチからこんなヒトおらんでエエやん、というくらい。

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そしてまあ、ただ人が、普通のヒト、
人生の色々なことをキチンとわきまえた人々が集っておるだけならそれほどでもないのですが、
実にこう、海の向こうの広い大地で自由奔放にお育ちになった
倫理や儀礼を概ねわきまえない方々ですとか、
国内選りすぐりの野生部分を解放したフレンズとかが一山いくらで押し寄せておいででしたんで、
つまりこう、山頂のブサイクカップル的な節操のない者どもがですね、
まあいいや。
まあこう、なんというか。
穢れている。場が穢れている。ねえ。
バブルの頃の日本人も海外でこうだったんだろうなあと思うと、
いわれのない罰を受けているような気になる。俺たちは何もやってない。



しかしそんな人波を抜きにすれば、忍野八海は大変美しい場所でした。



駐車場はどうやら、現地の方々が有志で土地を提供して各々誘導や管理をしてらっしゃるご様子。
ジェントル号も、エリアに入るや否や、腰も曲がって割烹着に頭巾のおばあちゃんが、
非常に緩慢な動きでコッチダヨーコッチダヨーをやってくれたので、流れるように入庫。
あの手の動きはもしかすると、その招き通りに動かずにはおられない、
魔のリズムでも体得したものだったのかもしれない。
とはいえまあ車のサイズやなんかの難しいことは完全無視で、
来るクルマ来るクルマ片っ端から招き入れていくスタイルなので
入庫にはそれなり以上のスキルが求められるご様子。我々のドライバーは天才で良かった。
駐車料金は、協定でもあるのか、どこも一律終日300円で統一されているらしい。

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遠景には、ちょうど良いサイズの富士山がどっしりと控えて
人間が悪さをしないように常に見張っておられます。
アレに見張られていたのでは、そうそう悪いことをしようという人間は育たないのではないでしょうか。
そしてその富士の裾野を染みて伝わりわき出しているらしい水の美しいこと。
中でも、水深8mにいたるという、村の中心部に位置する最大の湧き出し口を眺め下ろすのは圧巻であった。

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これでもっと人が少なく、こころ静かに見られたなら……。
今度はどうにか頑張って、オフシーズンの平日に来よう。
人が少なければ、本当に鄙びた昔話のような風景の中を歩くことになると思う。
飛騨に並ぶ、THE・日本の風景(イメージ)を見ることが出来そうな場所だった。
小川沿いに延びる土の小道の並木など、ほとんど手の加わっていない様子で魅力的だった。

水回りについては思い描いていたよりアトラクション化されていて、
富士からの伏流水が自然にわき出す様や、
とうとうと流れるところをめでることが出来ることを期待してたので、
その辺はちょっと残念ではあった。


  ■2日目 : 忍野八海、名泉そば製麺所


サテ、昼ゴハン。
メインスポット周辺で何か食べられそうなところは、砂糖に群がるアリのごとき人だかりとなっている。

ヨ氏が、子どもの頃の記憶だがと前置きをした上で
「もっとはずれの方にそば屋があったと思う、そんなに立派じゃないプレハブみたいな……」
と、いかにも我々向きの情報を出してきた。
もう20年も前の記憶らしいが、こと食い物に関しては、
なんなら母親の腹の中で食ったもののことだって覚えていそうな男の言うことである、
その言葉を信じ、鄙びた村の中でもさらに外縁へ外縁へと歩いて行くと、
(マそれでも、観光客はいなくはならないんだけど)……あった。
それっぽい、プレハブっぽい建物。

  ……今こうして振り返りながら、今回の旅はしみじみと『ドラクエ』っぽいと思う。
  「なかまに案内されて村の外れまでついていくと、
   秘密のお店が開いていて、そこに話のキーになる怪じn……賢者がいる」


っていう。ドット絵で描かれた自分たちが見えるようだ。

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詳しく説明すると長くなるが、この店も甲府の「ひなた」と同様、
いにしえの時代……30~40年前の怪人g……否、賢者が打ち立てた独自のシステムを守り続ける
けったいn……否、優れたお店であって、またも一人の怪人に出会うことになった。
食欲のお導きである。
順を追って話すと長くなってしまうので、この「名泉そば製麺所」のモヤモヤpointを以下にまとめておく。


 ▼「名泉そば製麺所」 モヤモヤpoint
  ・食堂ではなく、製麺所である。
  ・従って、客は「おしながきを見て注文する」ことは出来ない
  ・この「製麺所」で作られた麺(そば・うどん(太・細))をおみやげとして買うことが出来る。
  ・おみやげの麺を買った客は、「サービスとして提供される、茹でたそばとうどんを食べることが出来る」
  ・茹でて食べさせてくれるのは、お客がおみやげとして買った物ではない。あくまでサービス分。
   買った分はそのまま持ち帰ることが出来る。

この謎のシステム……仮に「お土産を買ったら食べられ~るシステム」と呼ぶが(直球)
味見、試食の様なものとも、また異なる。
あくまでも購入後の「お客さん」にしか、「サービス」は提供されないから、説明が難しくなる。
お母さんも、その辺のシステムと「サービス」という言葉をことさら強調して、
訪れては首を傾げる客に対して絶えず説明していたが、ちょっと難しいと思う。
このシステムを理解するのに随分時間がかかってしまった。
「食堂とどう違うのか」とか、
「買ったお土産の麺をこの場で茹でてくれるのだろう」とか、色々と誤解を経た。
システムを理解したあとでも、
「いったいどういうマネタイズシステムなのだ」と、テ氏は頭を悩ませていた。

この、「540円で7食分買えて、且つそれとは別に1食分その場で食べられる」というのは、
現地のいわゆるフツーのそば屋と比較しても、相当お値打ちであった。
カタカナビジネスタームが大嫌いな我々でさえ、
「キミ、このプロジェクトのKPIはどうなっているんだね?」と聞きたくなるほどだ。

ここでも、お店を切り盛りする賢女との小粋な丁丁発止があったのだが、
細部はまた別記事で書こうと思う。
こちらのお母さんも、さすがこの世間の経済的なやり方に完全に背を向けたシステムを編み出し
30年から維持してきているだけあって、一筋縄ではいかない切れ味のトークの持ち主であった。
おいしいそばとうどんを頂きつつ、むやみにゲラゲラ笑っていた気がする。

  ▼忍野八海 名泉そば製麺所
  http://tokyosanpopo.com/archives/13634


  ■旅の終わり


帰りは、国道413号、通称道志みちを通り、東への帰途を辿った。
目立った混雑はなく、逆に西へ向かう車の数が目立った。
やたらと運転の上手い、速いAQUAとRX7が先導してしてくれて、
テ氏的にも面白い道であったようだ。
チョイチョイ、アグレッシブなカーブ、テ氏言うところの「爆笑コーナー」なんかがあったりして、
軽快な横Gを体に感じながらの家路だった。

途中、以前パパさん&湘南大巨人と訪れた「道志の湯」にて風呂を浴びた。
昨晩は、ひなたストライク(超必)を食らって夜までロクに動けず、
ようやく動けるようになりちょっと出掛けて帰ってきたらあっという間に風呂の時間がオシマイで、
ゆっくりと湯に浸かれる時間もなかったから、
足を延ばしてノンビリ湯に浸かることが出来てなかなか良い塩梅だった。

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ここでは、怪人は特には出てこない。



……マそんな感じで。



昇仙峡、自分で言い出したものの、「こんな普通の観光地で大丈夫かな……」と正直不安だったのだが。

  イヤ普通は普通の観光地に行くのが旅行だと思うけど。

色々予定の変更や、予想外の出会いがいっぱいあって、なんとも大満足な旅になった。
怪人たちは、旅を彩ってくれたということ以外にも感ずるところが多々あって、
……それも、あとで詳しく書こうと思うのだけど……
たった2日間、36時間の旅だったけれども、十分すぎるサイズと濃度の旅だったと思う。
イヤハヤ。
こんな旅はなかなかできないのだろう。つくづく、自分は幸せ者だなと、しみじみ思う。

出会った人たちの人生が幸せなものであることを、僭越ながら心から願わずにおられない……
……マ連中は、オイサンたちなんかよりきっとよほどの手練れであろうので、
願わなくても幸せに違いないのだけど。
彼らはハピネス強者だと思う。羨ましくなるほどに。

  ……あ、ブッサイクなアイツらに幸せはまだ早いので、先ずは3週間! お試しいただき、
  その後キッチリ別れたあとで幸せになってもらいたいです。

途中、津久井湖で一旦休憩をしたあと、
コレ言った渋滞や混乱もなく、関東へは無事に帰り着くことが出来た。

三々五々に別れたあと、「ひなた」で聞いた
「面白丼には目玉焼きが3つ乗っている」
という話が忘れられず
(他にも色々乗っていると聞いた筈なのだが、最後に聞いたそれがインパクトすごすぎて忘れてしまった)、
どうしても目玉焼きが食べたくなって、
近所のメシ屋で定食に目玉焼きを追加して、
ワリとしっかり目にゴハンを食べると、帰ったら倒れるように眠ってしまった。



素晴らしき、そして幸せな旅でありました……ぐうぐう。
今回はサワリだけを軽めに書いたけど(それでこんな行数になっちゃったけど)、
違う機会に、エゲツナイ部分もミッチリ書く。



次でラスト、2017年のゴールデン・ウィーク最後の4日間。
まったりしつつも、モノ思う豊かな時間。

オイサンでした。



 

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2017年5月20日 (土)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その1~ -更新第1124回-

今年のGWは長かった。
オイサンの勤め先も、よーやく人並みに
"5月1日・2日は有給休暇で埋めることをおススメする"
などとしおらしいオサレなことを言い出したので
なんだオイいよいよ潰れるのか? 明けて出勤したら更地になってるとかないだろうななどと
職場内が騒然となったのだが(大げさな表現)、
もはやそのGWの息の根も止まりかけ、これを書き始めている5月の6日の今となっては
ドキドキとワクワクが詰まったワンダーランドの心持ですが(何言ってんだ)、
皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうね?
とりあえず日記メモとして、この世紀の9日間のことを簡単に書き留めておこうという次第。

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 ▼04/29~04/30
   5回目の飯能へ、1泊2日。
   特に目的はなかったが(ないんかい)、
   吾妻峡を歩くのと、龍崖山を登れたら登る、というくらい。
   どちらも「まあその気になれば」くらいのつもりでいたが、結局どちらもやった。
   得た知見は、「水辺でバーベキューやるのは許せるが、音楽をかけるやつは許せん」
   ということです。

 ▼05/01
   特に予定はナシ。
   かばん(リュック)を新調し、ネオかばんちゃんと化す(化さない)

 ▼05/02~05/03
   3紳士ーズで1泊2日の甲府旅行。
   国道411号を使い、八王子~奥多摩~甲府・昇仙峡~忍野八海。道志みちで帰る。
   毎度のごとく、奇跡のようなロクでもない出会いが次から次へと襲い来るミラクルトラベル。
   山梨なのに水辺に親しんだ旅だった。

 ▼05/04~05/05
   特に大きな予定は無い日々。
   1日はネオ百合が丘のオサレ喫茶でスコーンを食べて鶴川まで歩き、
   もう1日はお馴染みの喫茶を梯子して書き物をし、HDDの整理をして日が暮れる。
   いずれも天気が大変良く、無意味にお写真を撮ってしまうが、まあ案の定ロクな結果にならぬ。

 ▼05/06
   後半のイベントデー。19時から新宿で朗読劇を観る予定。
   先日の舞台『ペルソナ3』で風花チャン役をやった田上真里菜さんを目当てに。
   ついでに母の日の贈り物を選んだりする。
   早い時間に都心に着いてボンヤリ時間を過ごすつもりが、
   都心のうるささにすっかり疲弊してしまい、結構なダメージを負う。もうだめだ。
   そんなつもりもなかったのに、都庁の展望台へ登ったり、ラーメンを食べたりしてしまう。
   休日の新宿だというのに、ヒトの少ないことに驚く。

 ▼05/07
   最終日もこれと言って予定はナシ。
   ドトールにこもり、筋トレをしてジョギングをし、また別の茶店にこもる、
   という妖怪喫茶ハシゴじじいとしての責務を果たす。

マ上で「予定がない」としている日は、何もせずボンヤリ暇にしているわけではなく、
「いつも通り書き物をしている」のである。
そして喫茶店にこもっているときも書き物をしているので、
ワリと24時間頭の中で何かがダンスしている人だった9日間、であったと言えよう。

でも、毎度の長い休み様に、予定をきっちり考えて旅をして、
ビキビキとエネルギッシュに過ごす日々ではなかったためか、
ポンヨリとした休みだったように思う。



■■■ 序盤・その1:04/29~05/01 ■■■



当初の心づもりでは、この3日間をかけて群馬は伊勢崎へいくつもりだった。
そう、天下の超人気アニメ『日常』の聖地巡礼である。
だが、なんとなくだるくなった(ヒドイ)のと、
中盤2日間の甲府の旅に向けて1日は温存しよう、という気になったので、近場の飯能で収めることにした。

伊勢崎へは八高線を踏破して向かう気であったので、その途中にある飯能に目が付いたのと、
マあとは……新幹線や特急に乗らなくてすむので、安くつくのである。
飯能。
近いんだよ。あとここなちゃんがいるし(いません ← いるわボケ ← うっさい見たんか)。

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目的らしい目的は特になかったが、
吾妻峡の水と新緑を眺めようということと、
飯能三低山(いま勝手に命名)のうちで唯一未踏で残っている龍崖山へ、
……マ気が向いたら登ろうかな、というくらいのつもりであった。



初日は16時くらいに着いて、ほとんど何もしていない。
目当てのうどん屋が閉まっていたので結局日高屋でゴハンを食べることになって
地味にへこんだくらいである。
いるかその情報?
おかしな日高屋で、ガラス越しに隣のボーリング場の様子を観戦出来てしまう、
やってる側からすれば無料で見世物にされてしまう地獄の動物園仕様であった。
それは言い過ぎだろう。
降るはずではなかった雨に見舞われて空気がしっとりしていた。

2日目は、早朝からいつもの天覧山へ登り、昼からは飯能河原を渡って吾妻峡へ。
すっかり見慣れた景色だが、キレイなモンはキレイだ。

東飯能駅の東側や、秩父へ向かう池袋線沿い辺りは初めて歩いたが、
朝の八幡神社がやけに美しかった。
あと謎のつぶれたての模型屋を見つけたりする。気分しっとり。


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天覧山。変わらぬ眺望

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八幡神社。ゆる狛犬。

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八幡神社。光がきれい。

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つぶれた模型屋3連発。時代であるが、つぶれたのは最近。


しかしGW初日とあって、すっかりウェイなウェイ民が河原でウェイウェイBBQなどを嗜んでおられ、
マそれは別に構わんのだけども、
肉や野菜を焼くのはともかく、大きな音でしょーもない音楽をかけるのは、それは必要かね!?
と言いたかった。
必要以上にうるさくする意味がどこにあるのか。川のせせらぎに耳を傾けたまえよ。

お昼ゴハンは、吾妻峡へ向かう途中の、橋のたもとにある名も知れぬ小さなうどん屋でいただいた。
特別なお店ではなかったけど、ひなびた感じの良いお店だった。
テーブルごとにおいてあるお品書きが、コピーでなく全部手書きだったのに驚かされた。
全部を確かめたわけじゃないけど……周り3つが全部ちがってたので、多分そう。
結構な落としのお婆さんとおじいさんでやっているお店だったので、
きっと「コピーをとる」という発想そのものがないのだと思う。
あるにしても、それは「特別なこと」の部類なのだろう……。
なんていうかね、そんな味がするお店だよ。わかるでしょ? わかれ。

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じいちゃんばあちゃんでやってるうどん屋。最高のロケーション。


吾妻峡を渡り切ってからドレミファ橋を西岸側の道へあがり、
龍崖山への道を探しながら上流方面へ結構歩いたが
見つけることが出来なかった(調べとけや)。
おかしなオブジェクトにはいくつか巡りあったがそういう出会いは求めてねえ!


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今にも「よく来たな!ここを通りたければクイズです!第一問!」って言いそうなオブジェ。


吾妻峡では、久しぶりにオタマジャクシなんか見たな。
そこそこ歩いた先で橋を渡って折り返し、川の東岸を下って、
またドレミファ橋の地点から西側の道へ上がって今度は町の方、
下流方面へ向けて歩いていたら……あったあった、龍崖山への登り口。

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水清き飯能。さいたま侮りがたし。

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オタマジャクシ。何十年ぶりに見たかな。



しかしこの時点で既にそこそこ歩いて体力を消耗しており、時間も……
どうしたものか思案したが、
さっき食べてしまった謎のジェラート屋のジェラートのカロリーが気になってしまい、
とりあえずちょっとだけ登ってみることにした。

 ▼龍崖山 ハイキングコース
 http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=31678

デ後悔することになるのだが、龍崖山、山頂まではすぐなのだ。
15分も登らないのではなかろうか。
そこから南側の龍崖山公園方面へ降りようとすると、
下っては登り、下っては登りを繰り返すなかなかスパルタンな下山となるのだった。
その道の付きようは、なるほど東洋の胴長龍が寝そべって削れた痕のようで、
龍崖山とはよく言ったもんだと正しい名の由来など知らずに感心したものだった。

山を抜けてからも、すり鉢のような公園の底からグイグイ坂を登らされ、
丘の上にあたる住宅街を抜けて飯能の市街地に出るまでがまた長く、
結局、そこそこの日差しと気温の中を4時間半近くも歩かされて大変疲弊する結果となった。

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龍崖山山頂。まあ大した眺めじゃありません(ヒドイ)
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かつて古代文明において、テトリス的な何かが行われた跡。




ただ、その坂を下る途中で思ったことは今後の課題になることだったので、
こことは別でまとめて考えようと思う。




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今回の飯能でも、またここなちゃんには出会えなかったが、
意外性のある楽しい飯能だった。

そうそう、宿の鍵のお尻のところが何故かパックリと割れて外れる仕様になっていたのが
妙におかしかったな。
フロントで預けるときに「これなんでこうなってんの?」と聞いたら慌てて
次受け取ったときには外れないように直っていたw
別に直さなくてもいいのに。

この日、朝の天覧山への往復も含めると、
踏破距離はどうやらざっくり見積もっても20㎞近くなるようだ……。
山道こみで、トータル6時間チョイ。




帰り着いたときは
「そんなに高い山に登ったわけでもないのに、なぜこんなに疲れているんだ……。
 これが老いというものか……」
って凹んでいたけど、そら疲れるワケだよ。普通疲れるよ。



■■■ 序盤その2:05/01(月・祝) ■■■



5月に入っての1日目は、特に予定はなかった。
日々の些事をこなして、明日からの旅に向けて鋭気を研ぎ澄ます。
前日、山から帰って倒れるように寝てしまったので3時半とかに目を覚ます。

関東近辺の空模様が、昼から突然大雨になる、みたいな予報だったので、
外をうろつくのは午前中に終わらせてしまい、
午後の時間帯にはなじみの喫茶店にしけこんで、
雨の音を聴きながら書き物でもしよう、と雨まで予定に組み込んでみる。

AM、となり駅までカバンを見に出かけた。
あとは、夏山向けのいでたちも整えられたら……と思ったが、
山の衣類なら海老名のモンベルまで行った方がよかったな、と思い直す。
近いうちにそっちも見に出かけよう。

郵便局にお金を引き出しに寄ったとき、
そういえばキャッシュカードが割れかかっていたことを思い出し、
平日で窓口も開いている上アホみたいに空いていたから気まぐれにうかがってみたのだが、
印鑑がいる、と言われて結局処置は出来なかった。マそうですよね。

ハンズが開店直後で、入り口にお出迎えの店員に頭下げられて居心地が悪かった。
こんなオッサンに頭下げんでもエエんやで。そういうことするからアホが勘違いするんやで。

ハンズでは大した収穫がなかったが、
次に行ったスポーツショップでナイスなリュックに出会えた。
今使っている、solo touristの10Lサイズではちょっと容量が足りなくなっており、
それとよく似たデザインの20LがColumbiaから出ていた。
お値段もそこそこだったので、お試し気分で思い切って買ってみる。
取り回しが良ければ良いのだが……この9連休で感じたところでは、もう一歩というところ。
そもそも、リュックという形状が自分には合わんのではないか、という結論にも至りそうである。


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「あらおつかれさま。イッパツ抜いてく?」と言っていることは明らかな、
飯能のナゾ看板。



予定よりも少し早めだが自宅へと引き返して歩く途中で、
ポツリ・ポツリと雨だれに当たり始めた。
イカン、間に合うつもりで布団が干しっぱなしである。
足を速めて帰り着き、ギリギリセーフというタイミングで取り込むことが出来た。
色気を出して、途中のパン屋に寄ったりしなければ完全にセーフだったのだが。

その雨は前兆に過ぎずすぐ止んで、本番の大雨はまだやってこないようだったので
その隙に駅前のひなびた喫茶へ滑りこみ、ドンガドンガ言う雷を聴いて過ごした。
客足も少なく、まあ良い時間であった。
ただ、店でかかってたCDが、つるのナニガシのカバーアルバムでなんとなく気が散る。



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うどん屋さん、窓辺のいちりん挿し。ほっとする、はっとなる。



まだまだ長くなるので一旦ここらで切るか。
次は中盤戦、連休もクライマックス(早いな)3紳士ーズでの甲府・昇仙峡一泊旅行です。
ボルテージは早くも最高潮!(無理やり)


オイサンでした


 

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2017年1月15日 (日)

■立ち止まる時間のまちと湖。~『北へ。』22、四度目の摩周湖~ -更新第1103回-

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1月6日の午後から1月9日にかけて、3泊4日で北海道へ行ってきた。
場所はおなじみ、道東・弟子屈(てしかが)、釧路・摩周である。
4年ぶりに摩周湖さんに会いに行こうと思った。やっておきたいことがいくつかあった。



■『北へ。』その22~釧路・摩周~ 旅のはじまりは……


「そういえば、まだRX1さんと摩周湖さんを会わせていなかった」
と気付いたのが、今回の旅の端緒。
前に弟子屈を訪れたのが2013年のやはり1月だから、
丸4年、ご無沙汰していることになる。
RX1さんがうちに来たのがその翌年の夏なので、摩周湖さんとRX1さん、お二人はまだ面識がない。

「新しいカメラを買ったからなんか撮りに行きたい!」というのはこちらの沼では常套の話だが、
「カメラを替えたから、前のカメラで撮ったあの景色を収め直しに行きたい」
というのは、個人的にはあまり聞いたことがない。
マ皆さん言い分けていないだけかもしれないけれども……。
我ながら、なんだかおかしな欲求かもしれないとも思う。
しかしRX1さんにはぜひ一度、その目で摩周湖さんを見ておいてもらいたかった。

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いつもなら、「北海道へ行く!」と決めても、そこから
「……サテ、広い北海道、どこへ行こうか?」といくらか思い悩むのが常なのだが、
今回はその気持ちがあったからスンナリと行く先が決まった。



■旅の宛て先

 ▼その一~星をみるひと

今回やろうとしたことのヒトツに、星を見ることがある。
今までのようにざっくりと「きれいな星空を見る」ではなく、
決まった星を一つ、目的として持っていった。

……のだが、摩周に滞在した2夜とも空は陰り進行だったため、
結果として見ることは出来なかった。

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深夜3時の弟子屈。

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けれども、「星を見る」という今当てどころをよりつぶさに解きほぐせば、
「ある星を見たいと思って出かけることと、その気分」がより重要で、それは十分に味わえた。
結果的に見られなかったことも、実は予定通りに見られるよりむしろ良い発想の種になったから
首尾は上々といえる。
まったく、旅というのは出掛けてみないとどんな良い結果が得られるかわからない。
そもそも目的の星も、特段北の空気のきれいな場所でないと見られないというワケでもないから
ただ見たいなら方法を少し考えれば良いので構わない。

ていうかじゃあ、お前のその目的の設定がそもそもどうだよw


 ▼旅の宛て先・その二~細岡の大観望にたどり着けない、その代わり……

釧路・摩周・弟子屈を堪能するとあっては、釧路湿原さんへのご挨拶は欠かせないわけだが、
如何せん、今回はそれがかなわないことが分かった。

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2013年、細岡の大観望からの釧路湿原


これまで釧路湿原さんにお目通りするのには、
摩周からの帰りに釧路湿原駅で降りて2時間ばかりごあいさつをし、
また列車に乗って釧路に戻る、という経路をとっておった。
今回も同じようにしようと考えて時刻表を確認したところ……なんと!
驚くべきことに! 釧路湿原駅の下り(網走→釧路)方面の時刻表がこうなっておったのである。

  ▼えきから時刻表・釧路湿原駅 [JR]釧網本線 釧路方面
  http://ekikara.jp/newdata/ekijikoku/0101121/down1_01661031.htm

1日1本!
これではいけない、降りたが最後、氷点下の吹き曝しに捨て置かれる地獄のぶらり途中下車である。
幸い、まだのぼり方面は日に2本をキープされているのだが……。
この、私と釧路湿原さんを引き会わせまいとするJR北海道さんの陰謀により、
今回は釧路湿原さんとの邂逅をあきらめざるを得なかった。
しかしそれでは旅を満喫したことにならぬ、
どうにか湿原へのアクセス出来ないものかと方法を探していたところ……
こんなものが見つかった。


  ▼リバー&フィールド
   http://riverandfield.com/


弟子屈を中心に展開されている、ネイチャーガイドさんである。
湿原をカヌーで下ったり、摩周湖近辺をスノーシューでトレッキングしたりという、
一昨年の冬、阿寒でやったのの弟子屈版である。

摩周湖さんの美しさを愛してやまない自分ではあるが、
冬にしか訪れたことが無いため第一展望台からの眺めしか知らない。
この機会に、摩周湖さんに違う角度から話しかけてみるのも良いのではなかろうかという思いもあり
外輪山をスノーシューで歩くツアーに申し込んでみた。
これが今回の目的の大きな2つ目になった。


 ▼旅の宛て先・その三~マチアソビ

あとは、いつも立ち寄っている町のお店をめぐって帰ってくることくらいだが、
これはほぼオマケだ。
毎回立ち寄るコーヒーの専門店、珈路詩(カロシ)さんでお茶をいただくことと、
駅の古本屋にいたドールさんが元気で店番をしているか、
ご機嫌をうかがいにいくくらいなものだ。



■流れない時間への旅

我ながら、変わり映えのしない旅ではある。
宿も毎回同じホテル摩周さんだし、
お昼ゴハンは、駅前にある喫茶・人形の家さんで食べるつもりにしている。

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摩周駅前、喫茶 人形の家


人からは「何回も行ってるのに、なにか新しいことはしないのか」と叱られそうな気がする。
しかし、自分にとって釧路・摩周への旅は、新しい発見の旅ではなく、
変わらなさを確かめるためのものであるように、今回思い当たった。

摩周湖さんの水鏡は、青と白の中にぴたりとその流れを止め、
もう幾千年も姿を変えていないであろう。
実際、流れ込む川も、流れだす川も、摩周湖さんは持たない
(おかげで、厳密に国土管理的には「湖」のカテゴリから外されてさえいる(本当))。
細岡の大観望から見渡す釧路湿原の、視界の隅から隅までピクリとも動かないたたずまいを確かめ、
変化に乏しい(失礼)釧路の町を歩く。
初めて訪れた2005年から12年、四度に渡って同じ足跡をたどっても何ら変わるところがない。
その変わらなさに、嬉しさと安心を……自分はどうやら、感じているらしい。


それに、上でも書いたけれども、釧路の駅の中にある古書店には一人のドールのお嬢さんがいる。
店の通路に置かれた椅子に、しんずりと座っておられるのだ。
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2013年、釧路駅の中の古本屋


彼女に初めてお目通りしたのは2005年、
アニメやオタク文化が、まだまだ世間に浸透する前の、白眼視も拭われきれない頃からだ。
ドールなんて物が店の真ん中に置かれてあっては、うす気味の悪いと噂されかねない頃である。
それでも彼女はそこにいて、2009年にも、2013年にもずっといた。
果たして今日もいてくれるだろうか? と、不安と期待を抱いたオイサンを、
彼女は変わらず迎えてくれたのだった。

古本に囲まれて座る彼女を見つけたとき、
えらくうれしい気持ちになっている自分に気が付いた。とてもホッとした。
なんだかひとン家のドールに恋をしてる変人の様だなあ、とは自分でもキチンと思ったが、
マ別に今更、ドールに恋をしてなくたって変人なのは分かり切ってるから
してたっていいんだけども、
とにかく、
彼女が今もそこにいてくれたことに、胸に花の咲くような喜びと、
その花に水をやるような安らぎを覚えたことは確かなのだった。

自分にとって彼女は、危うさの上にありながら変わらない様々のことの象徴のように、
無意識のうちになっているのかも知れない。
昨日の昨日、そこに立って相対するまで、そんな風には全く思っていなかった。

ともあれ、釧路から摩周湖へいたるまでのそっと変わらぬ旅路を歩くとき、
オイサンは、自分の時間がきゅっと音を立てて縮こまるのを感じる。
摩周の駅に降り立って遠く美羅尾山を見はるかすと、
時間の中に閉じ込められて縮こまりながら、踏み出しても踏み出しても景色の変わらない中で立ち止まって、
満足げに振り返っている感じがするのだった。

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摩周駅から臨む美羅尾山。変わらぬ佇まい


……マそうは言ってもね。
先にも書いた、JR事情のように変わりつつあるものもある。町並みも端々はチョイチョイ変わる。
その危うさがまた自分を惹きつけてもいる。
いま感じている自身のこの気持ちも、終着点ではないのだろうと思うから、
その先を確かめるために、きっとまたこの町と湖を訪れてしまうのだろうと思う。

つまりこのオジサンはまた釧路に来ます。



■摩周湖さんの肌艶

デ、肝心の摩周湖さんのご機嫌は? おハダのノリはどうだったかというと、
これがまた、自分史上最高の摩周湖さんにお会いできたと言っていいほどだ。

いまコレを書きながら、心が洗われるとはこういうことかと実感している。
大げさに聞こえるかもしれないが、
胸の内側が大きな風景と空気に占められて、余分なものはどこかへ行ってしまった。
ただただ清涼な気分が、体の肉の内側に張り付いている。
いま、自分の体の中を歩くことが出来るなら、摩周の風景が広がっていることだろう。

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これまでも存分に美しい美しいと思ってきて、
きっと今回も同じように美しいのだろうなあ、くらいに思って来たオイサンの、
慣れて緩んだ心の糸がスパッと切り落として新しいものに張り替えられてしまった。
澄み切ったはじめての美しさで迎えてくれたのだから……
なんていうか、デキるオンナです。デキた女房です。


こんばんわ、オイサンです。摩周湖と結婚しました。


  そう、いつもの第一展望台から摩周湖さんと見つめ合っていて
  「霧のない摩周湖を見ると今期が遅れる」という、言い伝えなのか言葉遊びなのかわからない
  一見無責任な言いっぷりに実は根拠があったことに、
  今更ながら実感を持って気付くことが出来た。
  あんな美しさを知ってしまっては、伴侶にも同じ程度を求めてしまうから相手を見つけられなくなってしまう、
  と言っていたんだと、
  ポカンと口を開けて気付いたのだった。
  ウーム。遅い。4回めでようやくだ。なんてこった。

今回は摩周に2泊して、両日とも摩周湖さんに会いに行った。

初日は晴れて風もなく、湖面がとても穏やかだった。
すると鏡になった深い青の湖面に雪でお化粧なさった摩周岳が映り込み、
なんとまあ……此方と彼方を隔てる窓のように美しい。
素朴なのに豪奢である。

摩周湖さんのいる景色全体の有り様は、オイサンごときの手ではとてもじゃないけど
写真で写し取ることは出来ないけれども、
この鏡になった水面の美しさは、どうにか持って帰ってくることが出来たと思う。
いやあーRX1さん、
オイサンはあなたの目で摩周湖さんの美しいのを見て撮って帰って欲しいと思って、
摩周湖さんに会わせたいと思って連れてきたのだけど、
素晴らしいタイミングでお二人を引き合わせることが出来たと思う。

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展望台から西。雄阿寒岳、噴煙を噴く雌阿寒が見える。

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陽が落ちて、凍てた色を濃くする。


スノーシューでの摩周湖外輪山・軽トレッキングは2日目。
午後2時前、摩周湖第一展望台をスタートし、第三展望台のある北方向へ向けて1時間ばかり歩いた。

  ちなみに、スノーシューってのはこういうのね。
  写真撮ってくれば良かった……。みすった。
  

天気は徐々に変化して、
うっすらとした曇りから雪が少しちらつき、最後には晴れて、
煙っていた湖面と摩周岳の山頂が顔を覗かせていく様はドラマチックだった。
夕日に照らされて、雪をかぶった外輪山の斜面が金色に染まった。
これまでと角度を変えて見る摩周湖さんは、
第一展望台からよりも近く、大きく見えて、劇的な違いこそなかったが、
短い時間に次々と面差しを変えてコレマタ非常に魅力にあふれていた。
それが、北東側の風景。

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西側は、弟子屈(てしかが)の原野と低い山々を挟んだ先に阿寒の峰がそびえ、
その上から、まっすぐに日の光が降りているのが見えた。
太陽柱、サンピラーと呼ばれる現象だった。
そしてまた、青とオレンジ、
一見馴染み難そうな二つの色が絶妙な配合で調和して揺るぎなかった空の色は、
おおよそこの先一生お目にかかれないであろうという代物だった。
関東は言わずもがな……地元奈良でも、信州でも北陸でもお目にかかれないであろう、
色と落ち着きだった。

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今回案内してくれたガイド歴12年というタケギシさんはオイサンより二つ上で、
「なんか今日はいい景色が見られそうな予感がする」
と、雪男らしいざらっとしたアゴヒゲの口元で、スタートから言っていた。
マ半分はリップサービスであるにしても、この数時間のうちに現れた情景はその言葉にあまりある。

いやはや。絶佳。堪能した。



■Closing、そして……

そんなことで。
取急ぎディティールはおいといて、
あまりに素晴らしかった今回、北海道22回目の釧路・摩周編、4度目の摩周湖のことを書き留めた。
ガイドのタケギシさんは、

  「こうして来てみて、帰ったら、なんかこの時間なんかホントにあったのか、
   幻だったんじゃないかって思うことありますねw
   あのガイド、ホントにいたのか? っていうくらい」

と、ヒゲのくせに(失礼)冗談めかしてロマンチックなことをおっしゃる。
悔しいので、
「ああ、ヒゲの濃い妖精かなんかだったんじゃないかってw?」
と落としておいたけど、本当に夢のようなひとときであった。

  尚このタケギシさん、かつてはカナダのユーコンでガイドを務めた経歴もお持ちで、
  かの名作『水曜どうでしょう ユーコン160㎞』を現地で見、ゲラゲラ笑っていたのだという。
  ブルーゴールドの摩周湖と、雄阿寒に降りるサンピラーを右手と左手に捕まえて、
  「ユーコンの男ピートw!」
  と二人で大笑いしたことは、まあなかなか忘れられそうにない。

  道東の新雪はそれはもうフカフカで、不慣れなオイサンはスノーシューを履いていても
  時折ズッポシズッポシと膝まで、ときには腿まで埋もれるほどだった。
  それを見てタケギシさんは、またゲラゲラ笑うのだった。
  ありがとうタケギシさん、ツアーのはじめに一通りの身ごしらえをしたオイサンを
  頭のてっぺんからつま先までシゲシゲ眺めて、
  「えー、ペースに合わせて行けるところまで行こうと思います。
   オイサンさんは体力に自信は……マ大丈夫ですよね」
  と、安心したように言ったことをオイサンは忘れない。
  バカヤロウこちとらか弱いアラフォーのオッサンやぞ。ちょっとしたことで死ぬぞ。
  やさしいせえよ。

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タケギシさんと二人見上げて、「この青色にはもうお目にかかれないかもしれない」と話した空。
正直、ちゃんと撮れてはいない。

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しかし彼の言うように、摩周で過ごした3日あまりの時間は、
日常へ帰ると心からも体からもすっと離れていってしまう、夢マボロシの時間だ。
身魂をあれほど強く満たした感覚でさえたちまちのうちに剥がれ落ちて、思い出すことも出来なくなる……。
人とは、何とも薄情に出来ている。

しかしそれでは、あまりに寂しい。
だからオイサンはむしろ、あの場所・あの時間こそが現実なのだ、と思うのだ。

詳らかな言葉には出来ないが、
人が……自分がよりよく感じ、生命を発揮するのはあのような時空でこそあって、
街に生きる日常の時間は、そこへたどり着くまでのかりそめの、休養であり充電のときであるように、
あの空気を知ってしまうと、思えてくる。
どちらがウソでホントウという話ではない。
いつが生命の開き切る本番か、というくらいのことだ。
心も体も、街にいるよりケタ違いに力を持っていたからそう思う。


 ▼冬休みの宿題

「堪能した」とは言うものの、やはり今回もいくつも宿題を残してしまった。
細岡大観望から釧路湿原さんにご挨拶出来なかったのは、やはり大きな心残りではあるし、
釧路の喫茶店・珈路詩さんへも、立ち寄ることが出来なかった。
珈路詩さんは月曜定休だったのである。これはウッカリしておった。残念である。

  キレイで広くて、いいお店なんですよ。ホント。
  大病院が目の前だから、病院帰りのご老人のたまり場だけど。

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2013年の珈路詩さんの店内。翌年再訪すると、マスターはこの1週間後に亡くなられていた。刹那の出来事。

珈路詩さんへはまた訪れればよいが、
細岡の大観望へは、JRの運行事情が改善されぬことには、
再び訪れることはオイサンには難しかろう。
今後釧路湿原さんとお近づきになるには……
次回、またリバー&フィールドさんをお呼びしてカヌーイングやらお楽しむしかねえなこりゃ。
参った参った(アウトドアグッズのカタログを開きながら)。

くだんの、ドール子さんのこともある。

彼女のことは、今回敢えて写真に収めてこなかった。
4年前に撮ったものがある。彼女の姿は変わらない。それで十分だ。
あとは、次も、その次も会いに訪れて、姿を確かめれば済むことだ。
お名前はあるのかとか、いつからいるのかとか、
次行ったらお店の方にお聞きしてみたいと思っている。

  ……思ってはいるが、そん時多分、オイサンもう50手前だな……
  さすがにうす気味悪さマックスハートか?
  うーむ、ご、50か……さしものオイサンも、ちょっと考えてしまうな。
  マいいけど。聞くんだろうけど。

今回店を訪れて、最初姿が見当たらなかったときは、
前回「足の具合がちょっと悪いんですよ」とお店の方が言っていたので、
もしかしたら……という考えが頭を掠めた。
けれど本棚の陰の、少し目立たないところに変わらない姿の彼女を認めたとき、
思わず「あ」と小さく声を上げてしまった。

空港へ向かう帰りのバスの中、ドール子さんへの肩入れの度が膨れている自分に気が付いて、
どうしてなのだろうか、と考えた。
もしかすると彼女自身が、本好きの、古本屋の主なのかもしれない……とか、
摩周湖が人の姿を借りて下界に降りてきたその憑代の抜け殻だったら、とか……
我ながらおかしな方向へ飛び去ろうとする思考を楽しんでいるうち、
変わらず、あやういものへのシンパシーに気付いたのだった。
思えば、変わらない場所をおとずれることは、「帰る」ことに等しいように思う。

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帰りの機上。近くに別の機影。


などと、また突拍子もない妄想をふつふつと胃の底で温めながら、今回の旅は帰途を迎えた。
このたいせつな一つの町と湖を、ゆっくりを時間をかけて味わっていきたいと思う。
次もまた変わらぬ姿で、ただすぎ行く旅人の自分をクスリと笑って見送って欲しいと思うのだった。

We can never change.
立ち止まり、ただ振り返るように生きてゆきたい。

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あと、悪いことは言わないから、
行ったことのない方は、騙されたと思って是非一度、
死ぬまでに冬の摩周湖へ行かれることをお勧めする。
損はさせぬよ。


オイサンでした。


 

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2017年1月 7日 (土)

■ミライガ マルゴト ヤッテクル。~PRay Back 2016~ -更新第1102回-

2017年、あけましておめでとうございます。
オイサンです。

  ……もう七日やないか何を言うてまんねん、と突っ込まれそうだが、
  いいんですぅー、まだセーフですぅー(根拠なし)。

旧年中も皆さんにたんまり笑って頂きました。
本年もガッツリ笑って頂く所存なので、マその才覚のある御仁だけ読めばいいと思います。
ついて……こられるか?

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鎌倉、鶴岡八幡宮。超解像ズームの練習で撮った。


マそんなんで、年も明けたというのに早速新年らしくないお話、
2016年の総まとめをやるます。
それをやったからといって何か発展的になるワケでもないけれど、
振り返らないと忘れちゃうから……老人なので。


  ※チョイチョイ入るお写真は本文とは概ね無関係な、
    2016年の個人的に気に入ってるお写真です。


■ある阿呆の一年 '16年版


  ▼反省~人生をたいせつに扱うこと、心と体の衰えと使い方を知れ。

とにかく2016年は……時間が全然、上手に使えなかった。
足りなかったんじゃなく、使えなかった。何もカタチに出来なかった。
楽しむことだけは出来て色々楽しかったが、けど、生み出したり作り出したり、
全然出来なかったのが……やはり、不甲斐ない。それをするのに体がついてこなかった。
ベースでやろうとしていることの分量は変わらないのだけど、体力的にそれが出来なくなった。
仕事して、インプットして、体動かして、書き物して……が出来ない。

体と心が、完全に緩んだ。
2017年は、いくらなんでももう少し引き締め直す方向で行くことにする。


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旭川空港。8月の朱鞠内の帰り。ワリとてきとうに撮ったのに。


ただし、自分がもう老人であることはしっかり意識に捉え、
摂取するのも、消費するのも、熱量を抑えて行こうと思う。
「たくさん動くからたくさん食べていい」のではなく、
「少しだけ食べて、それなりに動く」の方向性だ。
内臓がたくさん取り込む馬力を失いつつある実感がある。
すぐにヘタるので、たくさん取り込むことにエネルギーを使い、ダメージを負う。
弱虫ヘタる。
内臓を動かすのに体力を使う、そういう段階にきている気がする。
こればかりはどうしようもあるまい。

とはいえ今のオイサンは41歳、数え年では42歳で
(この数え年って勘定のしかたもなんなんだよって思うけど)、
世間的にはいわゆる本厄のトシだったワケです。
本厄コンニャク。うるさいわ。
その本厄を、ひとまずは目に見えた大禍なくやり過ごせたことについては、
この程度で済んでまあ良かったのかな? と思いもする。感謝である。

2017年こそは悪いカオで、
「クックック……この体にもだいぶ慣れてきたぞ」
と自信満々で言えるよう、削ったり足したりをバランス良くやって、精進していきたいと思います。
……人間、いくつになっても精進なんだなー。
メンドクセエ ← あっ

計画的に……というのは性にもスタイルにも雰囲気にも合わないので言わないが、
なんというか……うまいことやる。

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これも8月の朱鞠内。早朝、釣りに漕ぎ出す見知らぬフィッシャーマン。



 ▼2016年のスローガン「知性と教養」について、そして未来志向の世相について
   ~AIと宇宙的神秘の出会い、VR・ARと日常の出会い~


2016年は、年の初めに「知性と教養を!」なんてことを嘯いていたわけだけれども、
そのお陰なのか、大したレベルでは全くないにせよ多少「お勉強」のようなことも、
日常レベルで手を付けることが出来た。
それこそ本当に大した話ではない、娯楽目的でなく、何かを知るために本を読む、みたいなことでしかないけども。
「知ることにキチンと時間を割こう」というのは、億劫がりの自分としてはなかなか上等な発想であった。
それと関連して、2016年は「明るいニュースが多かった」と、個人的は言ってしまおう。

  ほかで起こったおかしな悪いニュースが帳消しにされるわけじゃなく、
  一年全体の印象として「よろしくない年だった」ことが打ち消されるわけでなく。
  「悪いことはあったが、良いニュースもそれはそれで多かった」というだけだが、
  喜ぶべきことではあると思う。

具体的にニュースとして報じられないまでも、
世間に流布した様々な出来事の中に、心躍らせる要素がたくさん……オイサンには感じられたので、
「良かった」と思った。


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掛川、2月。千反田さんに呼ばれて行った加茂荘菖蒲園。


それらは主に、テクノロジーの進歩、と言ったら最前線の人には鼻で笑われそうだが、
テクノロジーのちょっとした前進が実用・日常のレベルまで落とし込まれてきたなという実感で、
AIだったり、VRだったりARだったり、使い方のこなれてきたセンシング技術だったりなのだけど、
それらによって、なんかこう……

  「ああ生活が変わってきたな、これからまた変わるな、
   そして人間の『ものごとを把握し理解する能力』が少し拡張されたな」

ということを実感する。
人間(少なくとも日本くらいの文化レベルで暮らす若い世代)は、「新しく」なってきているなー、と、
見ていて思う。
その分切り捨てられる箇所もたくさんあるけど、それは多分、
視点が全般的に「上がって」しまったのだろう。
管理職が実務者の細かい作業まで把握しないのと似ている。

  その細部こそ大切な場合も多々あるので、一概に手放しで喜ぶことは出来ないが、
  ここで取りこぼした部分については、あとの世で(時間はかかるかもしれないが)うまいこと回収されることだろう。

VR機器が本格的にご家庭に入り込み始める傍らで、ARが『ポケモンGO』で世間に旋風を巻き起こした。
AIの分野では「こっちはしばらくは人間に追いつくのは無理だろう」と予測されていた囲碁の世界で
予測をあっさり覆し、人間に勝ってしまったり、
医療の分野でも人間の医師には見出すことのできなかった治療法だか病原だかを特定してしまったり、
し始めている。
自動翻訳の世界でもガンガン成果が上がっているというし、なんなら自分で作品を書き出すAIもいるという。
それを見て、世界最高峰の頭脳(人間の方な)が、
「ぼちぼちAIはやべえ。人間は警戒した方がいい」と言い出したりし始めてる当たり、
ガチでキテると思っていいのだろう。
意図的にアホな日本語を用いるのはやめろ。


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3月?スカイツリー。Pe氏と。


それと並行して、宇宙開発的な面での成果にもよく目がいった。
重力波の観測に始まって、新しいブラックホールがどうしたとか、
今まで見えなかった何かが見えたとか、見つかったとか。
まあ正直、オイサンにはそれらが具体的にどうすごく、将来的に生活にかかわってくるのかどうかもわからないけれども、
ここ100年くらいは何かを確かめることが主だった分野で、確かめが終わり、
過程で抽出できた物事を使った新しいことが始められたり、拡張されたり、
という段階に入っている……ように、まあ、素人目に見えている。
実際はわからん。

特に、宇宙規模的な
「なんか仕組みはハッキリとは分からんけど、
 観測結果から推測しまとめるにこういうことのようだ、
 リクツの根底まではハッキリせんが、それはもう確実で決まり事だ」
みたいな扱いに留まっていた事々について、この先発達したAIが、その仕組みの解明を手助けしたり、
「実は今までの理解はちょっと違っていて、実はこうなんだ、
 ここんとこで間違ってたからよくわからなかったんだ」
みたいな指摘に上手に手を貸してくれるようにこの先なるのではないか、
という不思議な期待を感じている。
なぜなら、彼ら(=AI)は既に人間の予想を覆す結果を出している。
即ち、人間には観測しきれない物事の関連性を膨大な事象の中から導き出すことをやってのけ始めているのだから。
ヒトには出来ない観察と推論と思考を彼らはやってくれる。

そこの「人間には気付けない辺り」に、
今まで辿り着くことの出来なかった宇宙の深淵への希望が見いだせるのではないか、
新しい扉が、また一歩開かれるのは案外すごく近い将来なんじゃないかと、
昨年一年、ひしひしと感じていた。

  この辺の変化については、確認したわけじゃないけれども、
  多分宮沢賢治あたりが大昔に詩に詠んで予見しているんじゃないかと思う。


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城端2連発。上は富山へ向かう途中のPA、グロッキーのアラフォーをしり目に。下は城端のローソン。


それはとても楽観的で、来年即花開くかと言ったらそんな甘いこともないと思うけど、
なんだろか、
2020年あたりには、もうオリンピックどころの騒ぎじゃないことに世界がなっているんじゃないなかなあ、
などと思うわけです。
エエ。
その辺、ワリと真面目にね。

  且つ、そういう予感を感じつつも、
  「マどうなるかは分からないけど、とりあえず次回もオリンピックの準備はしとこうぜ」
  という態度を守ることのできる人間という生き物に、オイサンは深く敬意を抱くものである。

まあオイサンなんかはどこまでいってもいんちきメルヘン物書きですから、
「面白そうな方向に」しかモノゴト考えませんけれども。エエ。
いいじゃありませんか。

VRやARは、
AIと違って新しく何かを切り拓く助けになるかはちょっとわからないけど、
自動運転とかドローンとかそういうものとも繋がって生活をちょっと良くする、
「足場を固める・歩きやすくする」助けになっていくんじゃないかと思っている次第。

そういう、「足場を固め、新しくする技術」と「頭の上をどんどん突き進んでいく技術」の2面が、
合わせていっぺんに突き抜け始めた、そんなトキメキを感じた1年でした。
なんていうかね、これから先5年くらいで、地球上とそのちょっと上の宇宙のあたりは、
今よりいくらか楽しいことになり始めるんじゃないだろうか。

多分、インターネットが一般的に流布する前からネットワークに明るかった人たちは、
90年代後半頃には、これと似たようなトキメキを抱いておったのではなかろうかと思う。

そんな風潮と予感から刺激を受けたこともあって、話は知性と教養の話に戻り……
いままで漠然としか捉えていなかった、
「宇宙でわかってることやわかってないこと」がどこまでなのか? とか、
そもそもの基礎の理屈、すなわち相対性理論などに対するジブンの認識はどのくらい正しいのか? とか、
それを確認したうえで、重力とは、ブラックホールとは、光とは、時間とは……
そんなことを知ろうと思って新しく本を読んだり、
人から借りた本に触発されて、改めて日本語を勉強し直してみたり。
そんな一年でした。
その辺りの、「遊びとしての勉強」の楽しさを、新たに思い出せた年ではあったかもしれない。
楽しかった。

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ダブル小諸。上は1月、下は4月。小諸の八重桜は美しいと思う。


■様々の遊び~2016年・大体のイベントごと

 ▼1月
  ・ 9日 小諸、10回目。オマケで上田。日帰り。
  ・24日 流山。だんけつ君と巡る『ろこどる』の舞台。謎の味りん屋大活躍。ちょう楽しかった。

 ▼2月
  ・ 6日 流山2回目。ひとりで。前回巡り切れなかった川の合流地点などを見に。寒かった。
  ・11日 鎌倉へ一人で。大仏が工事中で石棺の中。バインミー、もっふるを食う。ンまい。

 ▼3月
  ・12日~13日 関西よりPe氏来訪。朗読劇を聴き、スカイツリー、東京タワー、国会議事堂とはしごする。
  ・20日 掛川、『氷菓』の聖地・加茂荘菖蒲園へ。ひとりで。突発の思い付きで日帰りする。
     素晴らしき静けさに包まれた良き旅。たこ焼きがうまい。
     ここへはまた行きたいなあ。天浜線をとろとろと旅がしたい。
 ▼4月
  ・ 3日 鎌倉へ、一人で行ったっぽいが特に記憶がない。ボンヤリした。
  ・10日 厚木から南へ海まで歩く。静けさを求めたロング散歩だったが、やかましかった。
  ・16日 小諸・11回目。桜を見に、というなんとも旅行らしい試み。
     ひとりで。ひまわりちゃんと一緒に。どっちだ。
  ・30日 山登り。明神ヶ岳~金時山に登る。縦走の真似事が出来、眺めがよく、充実感のある山だった。
  ・この頃、なんとなく腕時計を買う。必要と心境の変化に駆られて。

 ▼5月
  ・ 3日~ 5日 城端! 素晴らしい天気に穏やかな町並み。
  ・22日 ひとり鎌倉アゲイン。

 ▼6月
  ・04日~05日 上野村~酷道299号踏破の旅。峠の上でエゾハルゼミ。諏訪のシェモアなど見どころ満載。
  ・18日~19日 小諸、12回目。アラフォーと二人、前日に突発的に決め、行った先で宿泊も決めるアドリブ旅。
 ・多分この辺りで『ガルムウォーズ』を見て、あまりのつまらなさに
  『押井言論』を読み、『TNGパトレイバー』など過去押井映像作品を家で見始める。


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7月、秩父巡礼。部屋と、宿の前のガラス細工のような清流。


 ▼7月
  ・11日 小銭入れを新調。
  ・17~18日 秩父『あの花』巡礼。藤岡温泉ホテルリゾートにて共産党の偉い人(偽)に会う。秩父パリー。

 ▼08月
  ・14日 実家に帰省。石上神宮・三輪明神をお詣でる。これは城端帰りに諏訪大社に参った余波。
  ・26日~29日 北海道、21回目。名寄~朱鞠内湖~旭川・美瑛。台風におびえつつも最高の旅。

 ▼09月
  ・ 4日 J氏とJR平井駅で喫茶しゃべり。東京の片隅でラブライバーをこきおろす。
  ・17日 ひとり鎌倉日帰りぶらり旅。

 ▼10月
  ・ 9日~10日 新潟県、湯沢・美人林へ4人旅行。雨に降られるも大変楽しい旅。
  ・16日 映画『レッドタートル』鑑賞。概ね想像の範疇だが、鮮やかな衝撃も受ける。
  ・23日 映画『君の名は。』鑑賞。当たり前を積み重なて斬新を作り上げた、傑作。名作ではないが。
  ・30日 川崎ブンキョウにて、FCB・ファミコンバンド13th。『オホーツクに消ゆ』が聞きたくて。パパさん、J氏と。

 ▼11月
  ・12日~13日 長野県、伊那・辰野。紅葉を見る。ものすごいパワーのチョッチュネホテルに完全にやられる。
  ・26日~27日 なんとなく3回目の飯能。なんでだろ? ムーミン谷、多峯主山、天覧山をハシゴ。

 ▼12月
  ・ 4日 Pe氏来訪。亀有、柴又散歩。なかなか楽しかった。
  ・10日~11日 勢いづいて、飯能、4回目。『ステラのまほう』巡礼を兼ね、西吾野、顔振峠、吾野。
        同11日、テラジさん、パパさんと秘密のお茶会。
  ・24日 歳末大紳士会。新宿にて。店が大ハズしでスマヌ。でも楽しかった。
  ・25日 ケータイ変更。さらばブラックベリーさん。
  ・26日 J氏と二人、駒込あたりでぶらぶらと。六義園でラッセンをこきおろす。

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8月、帰省した実家近くで。一番下は、脱皮中に絶命したと思われるセミ。無情。



 ▼お出掛けのこと

お出掛けはたくさんした。
多すぎて、振り返ると「うお、あそこ行ったのも今年だったか!」と驚くところもある。
掛川とか。遊び過ぎだ。

最初に書いたように、アウトプットがインプットに全く追い付かず、
6月に、アラフォー&エースと行った酷道299号線走破の旅とか、
7月の秩父巡礼や8月の朱鞠内など、
どれも素晴らしい旅だったけど書き残せていないのが不甲斐ない。
朱鞠内は手元ではまとまっているが。
大体、どの旅も高密度ラッシュ過ぎるんだよ。なんで毎回毎回、ああいろいろなことが起こるんだ。
11月の、伊那・辰野の紅葉も素晴らしかった……色んな意味で。

鎌倉は、気候の良い時期なら大仏様のおひざ元や、
円覚寺山門そばのベンチで日がな一日ぼーっとしたり書き物したりできるので、
行く頻度が上がってしまった。近いし、お金もかからない。

これまたごくごく最近の話になるが、飯能へも2回行った。
気軽に登れる山が集中しているから、また何度か訪れるかもしれない。
飯能が結構好きになってきた。

その分、小諸が減った。お金かかるからね……。それでも年3回行ってれば十分だと思うけど。

見て分かる通り、お出掛けの頻度は、
もはやこれ以上増やすのは不可能なくらいの域に達している……と思う。
Twitterのフォロワーさんには、もっと信じられないような頻度で
たくさんの山にアタックしてる人もおられるけど、オイサンにはそこまではとても。
デたくさん出かけるのは構わないのだけど、やはりこう、
出掛けたら出掛けたなりに何らかの糧にしたいというのはあるし、
アウトプットには変えていきたいと思う。
そういうこと考え始めるとまた、ただのお出掛けにも面倒な枷を設けてしまいそうだから
考えないようにしてはいるが、
大事なのは、カタチにするそのやり方だと思う。

  ……ということを考えて、北海道・朱鞠内の旅日記は形式を変えて書き進めていたんだけど
  それでも結構な重量になってまだ形になっていない。
  残念だ。

一人では、山に登る機会をもう少し増やしたいとは思う。

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8月、上から早朝の朱鞠内、昼の湖畔、美瑛の電波塔。電波塔にはまた会いに行きたい。




■取り入れたモノ

 ▼本
  ・『押井言論 2012~2015』
  ・『追想五断章』
  ・『ざるそば(かわいい)』
  ・『数式なしでわかる相対性理論』
  ・『[図解]相対性理論とブラックホール』

      


ドキュメンタリー系で文句なく面白かったのは『押井言論 2012~2015』。
『ガルムウォーズ』を見た後、あまりに面白くなかったので逆に興味が湧いてしまい、
5000円もする核廃棄物みたいなこの本をついつい買ってしまったのだけど、
これがまあ面白かった。
『ガルムウォーズ』の、軽く8000倍は面白かった。
しかもクソみたいに分厚いもんだから読んでも読んでも終わらず、何度風呂でのぼせそうになったことか。
何というか、モノ、特に映像、物語を作って売るというにはどのようなスタンスで向き合うかという、
そのやり方のうちの面白い一手について楽しく知ることが出来たし、
色々と取り入れることが出来そうな考え方や、見てみると面白そうな作品のことが書かれていて、
次はその辺を確かめる作業につなげていきたい感じである。
というワケで今2周目を読んでいる。
尚、この本をきっかけに、これからしばらく押井監督作品を見続ける流れになった。

フィクション系で面白かったのは上で上げた2冊で、他にも10冊くらいは買ったはずだがどれも楽しめなかった。
やはりラノベは苦手だし、純文系もすこしそれるとキツくなる。
ただ、最近やってる英語の速読訓練のおかげで、
「興味の持ち辛い本でも大筋を掴む程度に少ない時間で(それでも人より遅いと思う)読み終える」
ことが出来るように、ちょっとずつなってきたので、面白いと思えない本でも
流し読み・拾い読みしていくくらいは出来るようになるのではないだろうか。
序盤はダメでも、ある程度内容を拾った中盤以降は楽しめるものもあるだろうし。

また、昨年手に入れたスキルの一つに、
「一時的に物語から感情の距離をおく」というのがあって、
これはなかなか、物語を楽しんでみるためには役に立つと思う。
物語の人物がヘマしたり危機に陥ったりしたとき、いままでついついグイグイとのめり込んで
心が負荷に耐え切れなくなったりしてたのだが、
それを、「マお話なのですし」と一時的に解放して冷静に見つめる技を身に着けた。
これでこの先、見るのが辛い作品とか、入口でちょっと興味もてないとかツマンナイとか思う作品も
いくらかラクに見続けることが出来るようになるであろう。


 ▼映画・映像
  ・押井作品;『ガルムウォーズ』『TNGパトレイバー』『東京無国籍少女』『28 1/2 妄想の巨人』
  ・『レッドタートル』
  ・『君の名は。』
  ・『シン・ゴジラ』
  ・登山映画:『エヴェレスト』『ヒマラヤ~運命の山』『アイガー北壁』
  ・『インターステラー』
  ・『漫勉』(藤田和日郎先生回)
  ・『百日紅』
  ・『きんいろモザイク pretty days』


いろいろ齧り見したが、どれが面白かっただろうか……。
作品としてがっつり心に残っているのは案外『レッドタートル』かも知れない。
『君の名は。』も面白かったが、サービスにサービスを重ねて、
かつしつこくないように削って削って削り取る、というやり方はとてもではないが真似の出来るレベルではなく、
一人でハイレベルにもっていけるものでもない。
サービス精神と、集団でのモノづくりについて見習うところを持っておこう、というくらいか。
その点では『シン・ゴジラ』は使えそうな発想はいくつかあって面白かった。
『インターステラー』は、ブラックホールや相対性理論のお勉強の延長。
面白かったけど、ワリと予想の範囲内。序盤が素晴らしかった。
この他にも高倉健さんの映画とかも見てみたが、あまり響くところはなかった。
健さんは萌えキャラだったんだ、ということが分かったくらいか。
しかしいろいろな作品を多めにインプット出来たことは、やはり収穫があったと言えると思う。

  あ、『きんいろモザイク pretty days』は、自分には合わないのを分かって行ってみたけど、
  本当にその通りで、いま思い出してもpretty過ぎてクラクラします。
  初めて左手で同人誌を書くのに挑戦する中学生は、コレを参考にすればいいと思います。

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秋、伊那。宿はどこまでもファンキーに、紅葉はしっとりと。


 ▼テレビアニメ
  ・『田中くんはいつもけだるげ』
  ・『ステラのまほう』
  ・『ばくおん!』
  ・『アクティヴレイド』
  ・『このすば!』
  ・『クロムクロ』

歳末大紳士会でも話題に挙がったが、昨年オタク界隈で通念的に大ヒットだったのは多分
『Re:ゼロ』あたりであったのだろう。
しかし自分的にヒットになったものと言ったら上に挙げた分で、
『ステラ』は7話の、たまちゃんのユミネへのかかわり方にシンパシーを感じ、
『ばくおん!』は6話、10話で、「バカの情熱」の潔さに心を撃ち抜かれ、
『アクティヴレイド』は作品の成り立ち自体がすばらしく、
『このすば!』には、「世界は如何にして優しくなるべきか」が的確に描かれており、
それぞれが心にぶっ刺さった。

『クロムクロ』が地味に優秀で、中盤まではほぼ光るところを感じられなかったのが、
後半からジワジワと、語りの成分といい盛り上げ方といい非常に丁寧で面白く、引きつけてくれた。
特に好きだったのは、学校の先生が剣之助の将来について真面目に進路指導する辺り。
ああいう一手を打つだけで、世界観がぐっと引き締まる。
中盤までも、ダレ気味で爆発力がないというだけで、目も当てられないというほどではないので
そう悪いものじゃない。

『田中くん』は……『のんのんびより』枠。
尚、『田中くん』『ステラ』は『のんのん』の川面監督、
『ばくおん!』は『true tears』の西村純二カントク、
『このすば!』は『これゾン』と同じ金崎監督+上江洲さんタッグと、
作り手に心を掴まれているところがある。
『ばくおん!』は何よりも、川崎マッハ・来夢センパイという
最高のキャラクターの存在抜きには語れないけれども。

  今年一年、『アクティヴレイド』のあさみちゃんやら、
  『大家さんは思春期!』のチエちゃんやら、『田中くんは~』の太田やら
  『ろんぐらいだぁす!』の葵ちゃんやら、
  結構な強力萌えキャラ勢に恵まれたにも関わらず、
  来夢パイセンの魅力はぶっちぎりでした。凄まじい。


いずれにせよ、毎クール楽しめる作品があり、
年が終わってみて心に残る作品があったことは幸せなことだ。
なにより、『ばくおん!!』『ろんぐらいだぁす!』『大家さんは思春期!』のそれぞれのOPで、
ステキな歌詞に出会えたことは心の活力になった。



 ▼ゲーム
  ・『ミラクルガールズフェスティバル』
  ・『マクロスΔスクランブル』
  ・『レコラヴ』

ゲームは……例によってあんまりやれていない。
けれども、『MGF』をトロフィーコンプリートして、今はわりと楽しく『マクロス』をやれている。あまりスマートなプレイではないけど、昨年から考えると大きな進歩だ。
少なくとも、ゲームを楽しんでいこうというマインドが心に再び萌し始めていることが
個人的には嬉しい。良き哉。
今年は恐らく最後の『ドラクエ』になるであろう(という勝手な予測)、
『ドラクエ11』が出るし、ニンテンドーSWITCHも出るしで、
しっかりと、ゲームを楽しめる心と体と環境を作っていきたい。

 ▼『ドラゴンクエストXI』オープニング映像
  
  なぜでしょう、このOPを見るとすごくドキドキします。『ドラクエⅣ』の時と似ている。


……しかし、こんなことを考えながら年を重ねていくのかね。
マいいんだけどさ。そういう人生だから。


 ▼お金ほしい。

あとね、お金がない。お金が欲しい。
イヤないワケではなくて食うに困る貧窮の仕方はしてないけど、ちょっとこう……心がキュウキュウとしてきた。
だから昔を思い出して、びんぼう根性丸出しで行こうと思う。
マ自分がお金のことで汲汲とするのは、金銭感覚がおかしいせいなので
仕方ないといえば仕方ないのだが。
あーお金ほしい。
2017年も引き続き、お金を欲しがっていく気持ちだけは強く持ち続けていこうと思う。

あとはまあ……親が、何かのはずみにどうにかなってしまっても、
……イヤ実際はまだ早いとは思うけど、しかしそれでも「不思議ではない」境に達しているので、
そういう気持ちづくりはしておかないといけないかも知れない。
その上で、変わりなく、穏やかに接していきたい。

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鎌倉。下は、早く来すぎて大仏の開店待ちのガイジンさん。かわいい。




■Closing~それらを踏まえて、2017年のこと



そんな感じでして、2016年は、
「色々ため込めるだけため込んだ(ため込んでしまった)」年だったな、と思う。

アウトプットが追い付かない病については、体を動かすことを制限して対処する。
そして時間も体力もセーブして、アウトプットにしっかり回す
(時間と体力をセーブすれば、おのずとMPにも余裕が出来るので)。
そうなると当然、インプットも減らしていく必要がある。
カロリーという意味でも、情報という意味でも。

今年も色んなところへお出かけてしまうのだとは思う。一人で、紳士で、家族で。
must事項として「秋に親を金沢へつれてく」があるので、
そこを軸にバランスよく配置していくしかないだろう。

信州・北陸方面は、紳士会議の高潔な魂によって決定されるので、
私ごときにコントロール出来る物ではない。決定に従うまでだ。

一人では、西の方へ行きたいと考えている。中国地方方面へ。
大学時代の友人がいて、松来さんの生産地で、
『ゆるゆり』……じゃないや、『げるぐぐ』……でもなくて、『たまゆら』の聖地であって、
『田中くんはいつもけだるげ』の聖地であるところの広島に行きたいなあ、と。
宮島も、小学校の修学旅行以来、見たい。
小・中・高と修学旅行は行っているけど、小学校のが一番印象に残ってるってのはどういうこっちゃ。
みんなそんなもん?

近場では、忍野八海へも行こうと思う。
今年も水がきれいなところへ行って、水のお写真をパキパキと撮りたい所存のオイサンです。
新造人間ショゾーン。
小諸へは、とりあえず3回行く。春、秋、冬。
北海道は1回だけになると思う……イヤ、普通そんな年に何回も行かないと思うケド
(小諸かてフツー年に3回も4回も行かんわ)。

 ▼1月~3月
  ・北海道
 ▼4月~6月
  ・小諸1
 ▼7月~9月
  ・帰省+西方面?
 ▼10月~12月
  ・金沢
  ・小諸2

……という軸の合間に、紳士遠征が挟まる感じになっていくだろう。
……っていう話をだな、いま北海道で書いているのだが、どうしたものかね?(しらんわ)

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2017年は、とにかくゲームだ。
ニンテンドーSWITCHが出る。『ドラクエ11』が出る。
VRも本格化するだろうから、PS4は導入が必要になる。
きっと『セイレン』もゲームで出るだろう……まあシステムに魅力がなければやらないけど。
瑞々しい感性を保って、素直な態度で、「面白い」ものをまっすぐに受け止められる人間になっていきたいと思う。

アウトプットの仕方については悩んでいる。
結局のところ、自分の手の遅さ、段取りの悪さ、作ろうとする物の性質、時間配分の下手さに踏ん切りの悪さなど、
あらゆる要素が悪い方へかみ合っているので、
何かを諦めるか、どこかを変えるかするよりほかない。
自分のためにもならないので……早いトコどうにかせんとなあ。


  ▼2017年という「歳」

今年2017年は、21世紀に入って17年目。
言い方を変えると、21世紀さんがセブンティーンにおなりになる。
青春真っ盛り、高校2年生です。
かつては誕生を嘱望され、お生まれになった時は周りから盛大にチヤホヤされたおしたというのに、
今となっては口先ばっかり立派でなかなか見向きもしてもらえない「新しい時代」さんが、
ようやく自分らしさを発揮できる自我を手に入れ、視野も広がり始める……なんなら、
サカリの付き方もよーやく板についてきた、そんな時期に入る。
ここらでいっちょ、21世紀ここにアリ、
部活に勉強、恋にオシャレに大忙し! なトキメキをほとばしらせてくれるんじゃないかと、
オリンピックもワールドカップもないイベント不在の年ではあるけれども、
その分、時代さん自身がなにやらこう……熱い情念を爆発させてくれそうな、
そんな予感をオイサンは感じるワケです。

そのワリには自分の方針は、
「衰えつつある肉体にペースを合わせていく」
なんて、随分夢もイキオイもないアレなんだけど。

来年の今頃には、この世界にどこからどんな横やりが入って来ててもおかしくない、
そのくらいのひずみの存在を、このところ、時代の空気に感じているオイサンです。
果たして、鬼が出るか、蛇が出るか。
ヌージャデル・ガー。




……このネタ、随分前にもやった気がするな。
マいいか。誰も覚えてないだろう。
オイサンでした。
今年もヨロシク。


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上から、スカイツリーvs偽スカイツリー、飯能の妖精、小諸。一番下のが'16年ベストかなー。



……あと、若者に煽られたので今年は「マリモ食べ力(りょく)」を鍛えようと思います。
どうやったら鍛わるのかしらねえけど。
だからとりあえず道東に来た。



オイサンでした。


 
 
 

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2016年12月11日 (日)

■葛飾、亀有、あくびをひとつ。 -更新第1099回-


先日、関西から友人Pe氏が遊びに来たので随伴した。


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炊飯ではない。ズイハン。
彼は相変わらずの強行軍で、早朝深夜バスに乗って新宿に着き、昼過ぎから千葉でお芝居を見て、
夜にはまた深夜バスで関西に帰るという。
タフだ。

朝の東京大神宮で待ち合わせをし(彼の巡回コースなのだそうな)、
そこから移動して亀有、柴又で帝釈天を見て、
彼はそこから千葉方面へ、オイサンは分かれて神奈川方面へ帰った。

今回は、演目にイマイチぴんとくるところがなかったので、観劇にまでは付き合わなかった。
2、3時間程度、どこかで映画でも見て時間をつぶし、あとから再合流でも良かったのだが、
マそんなにベタベタしなくても良いかな、と思い今回はあっさり終わらせることにした……
こういう態度が、友だち離れを起こす一因なのかもしれぬ。



◆    ◆    ◆



待ち合わせは9時半、東京大神宮にてだったのだが、
飯田橋近くには8時過ぎには着き、まだ人の少ないルノワールでぼんやりしていた。
市ヶ谷~御茶ノ水は通勤徒歩コースだが、素直に川沿いの道を歩かないため飯田橋はバイパスされる。
そんなわけで、市ヶ谷から飯田橋まで、神田川沿いを歩くのは初めてだったのだが、
休みの朝とあって人も少なく、なかなかの風情だった。

  法政大学は、裏手のアホみたいな高い塔の方歩いたことなかったのでヘンな学校だなーと思っていたが、
  正面から見たらなかなか立派だった。
  モノゴト、裏からだけ見たって楽しいことは何もないな
  (そういう話でもない)。

東京大神宮という名前は以前にもPe氏の口から聞いたことがあったが、
場所が飯田橋だとは知らなかった。
休みの朝9時だというのに、たかが神社くんだりに、ぞろぞろと人がそこそこ多い。
しかも若い女性ばかりと来た。
なんなんだここはと思っていたら、なるほど、縁結びでフェイマスらしい。
そーゆーことか。
オイサンの後ろに歩いていたのはキャリーバッグを引いた関西弁のお嬢さんで、
わざわざ遠方から来たのか、
そうでは無いにしても東京の観光のついでにでも、この辺鄙な場所にあるお社を詣でようというのだから、
女性の色恋に傾ける情熱というのはおよそ男には及びのつかない何かかを孕んでいる……ように思える。

  マ女子一般ではないにしても、少なくとも傾向的には男性よりも女性の方が、
  出会いに、恋に、理屈ではない強い憧れや思いを抱いてガツガツしている。
  オイサンは占いは嫌いではないのでそういうページを拾い見するが、
  特に「女性向け」の断りがなくとも、女性目線で書かれているページは多い。
  これもまた、性欲の内だと思うのだがね。

東京大神宮とやらの由緒はサッパリ知らず、合流したPe氏の知識を借りても、
「伊勢神宮の関係らしい」ということしかわからなかった。
今Webで調べてみたが、遥拝殿、なるものらしい。
よーするに、
「関東からでは有難い伊勢神宮は遠すぎるけど、こっからでもお参り出来ますよ」
という、お祈りゲートウェイである。
思いに空間を越えさせる仕掛けだ。
……マ思いだけなら、もともと勝手に時間も空間も越えはするだろうから、
そのことに気付かせるため、敢えて人が思いを向けるための、
憑代(ヨリシロ)という言い方が正しいだろう。

境内では、伊勢神宮由来らしく赤福とお茶を配っていた。
配っていた、と言ってもただではなく……イヤただなのだが、
自発的に「お志」をお納めする必要がある。実質有料! ンマイ。


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しかしまあ……本当に女性が多いな。
皆男こn……否、オトコ……否、ステキな出会いに餓えているのだな。
今の世の中、お相手を見つけるのも大変だろうしね。
男は全然、恋にも結婚にも積極的でないし、メリットもないし。
しかし女性陣は、そうした市場性の上では決して「強者」でもないハズなのに、
なーんでああも強気なのでしょうね……。



◆    ◆    ◆



メトロに乗って、飯田橋 → 大手町 → 亀有 と移動。
今回場所を亀有にしたのは『こち亀』が完結したのでその記念のつもりだ。


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私もPe氏も、特段『こち亀』の深いファンではなかったけれど、
オイサンの生まれが1975年、『こち亀』の連載開始が1976年で、ほぼ同い年。
生まれてからずっと傍らにあったワケで、なんの感慨もない、と言ったらウソになる。
なぜか我が家には単行本の1巻があって(今もまだ残ってるのかしら)、
幼心にも「なんかワカランが面白い」と心にあった作品なので、
マおかしな縁結びのゲートウェイよりは、その聖地に詣でておく方が、何倍も心に価値のあることである。

Pe氏は確か今でもジャンプの読者のはずなので、お嫌いではなかろう、という程度のことだ。

マかと言って、マンガの舞台がそこだっちゅうだけで、特に何を見て回れるわけでもない。
北口の交番は、商店街の意向で昔のままの姿を残してもらっているらしい。
ムウ、確かに古めかしいぞ。
味がある。
……のはいいんだけど、老朽化とか、耐震とか、大丈夫なんだろうかコレ。
内部のレイアウトも殆どそのままっぽかった。
意図しているのか?

大洗では、劇場版『ガルパン』で砲弾喰らって吹っ飛んだホテルが、
しばらくの期間「修繕中」としてブルーシートをかけてたという
なんとも計らいの粋なエピソードがあったけども、
さすがにこちらでは両さんが交番を吹っ飛ばしたあとにブルーシートかけたり出来はしないであろう

腐っても官憲の施設である。腐ってはいない。

  ところでオイサンはもう、両さんが寿司屋になったりする辺りから原作は殆ど読んでいないので、
  ……2000年以降くらいサッパリなのだが、
  それ以降も両さんは、元気に派出所を爆破したりしてたのであろうか。
  両津のバカはどこだ!!

それもさながら、駅前の本屋さんが非常に古めかしくて良い雰囲気だった。
これにはPe氏も感嘆。

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あとは、タイトルにもなっている「亀有公園」。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』であるからな。
……今にして思えばさほど長いタイトルでもない。
しかし昭和50年当時、よくこのタイトルが通ったものだ。
いまよりも色々と寛容ではあったのだろうが。

亀有公園の前に交番はないけども。ドラマのときには組んだらしい。ドラマ見たことないよ。
亀有公園、なかなか広くて立派であった。ご家族連れ満載。


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舞台として巡ったのはそのくらいで、
あとは観光マップに載っていたいくつかの銅像・記念像をチョイチョイ見て回った程度。
駅前に2体、交番近くに1体、公園に2体。
しかしまあ……

ど れ も デ キ が 悪 い な !!!

これにはPe氏も閉口。
全然だめじゃん。角度によっては多少見られる……というものがあるくらいで、
なんかもう。ひどいと思う。
ケチったのか、お金のかけ方を間違ったのか、
いずれにしたってこれはリテイクしたっていいんじゃないの?というレベルのオンパレードで、
ガッカリ観光名所の見本みたいになってました。

唯一デキがいいと思ったのが、この……


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なんで本田なんだよwww 丸井だっていうよりはいいけどもwww
Web上で一覧を見たときから「ム、こいつが一番デキがマシっぽい」とアタリをつけていたのだが
本当にその通りだった。なんなんだw
一応全部に秋本先生のサインが入っていたからご本人のお墨付きなのではあろうが、
納得しているのか。
先生、ひとこと言ってやった方が良いですよ。



◆    ◆    ◆



とまあイイ感じにしょんぼりしながら、コンビニ寄ったりイオン寄ったりしつつ中川を渡り柴又方面へ。
帝釈天へ、かちにてまうでけり。

途中、交通公園あたりの町並みは、なるほど鄙びて良い雰囲気だった。
駄菓子屋前でなんとなくガチャガチャを回してみる。
ビューンと走るよ!

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10時前に飯田橋を出、10時半頃に亀有に着き、ブラブラしつつ、柴又あたりについたのは12時前だった。
そうなるとぼちぼち、腹具合が気になってくる。
そば屋か、天ぷらか、はたまたウナギか……そのような店が何軒かあったハズ、
とてきとうに考えていはしたものの、日曜の、都下の観光地(ですよね一応)なので
どーせ人も多かろうと踏んでいたのでちょっと早めに済ませてしまいたい。

「どーしよう? 何食べたい?」と尋ねながら歩いていたところに……
目に飛び込んできたのが、踏切近くの居酒屋さん。
ランチのメニューがなんだかおいしそう。

  よし、ここにしてしまおう(てきとう)。

最初に彼が東京へやって来た時は、浅草で柳川とかものすごいベタなものを食べたりしたけど、
今ではもう適当w
しかしこの店、美味しかった。
Pe氏はカマトロ定食。オイサンは牛スジ煮込み定食。それにお刺身の4種盛り合わせと、豚モツ煮込みを追加。
こんだけで3000円弱。ぼちぼち。
とても美味しかったです。
特にカマトロは溶けてなくなるほど柔らかい……のかと思ったら、
サクサクとした食感でちょっとした驚きが。

  いまさら言うまでもないことですが、カマトロというのは、
  シボレー・カマロのトロの部分です。
  ▼クルマで行こう シボレーカマロ
  


4人掛けのテーブルが3つに3、4人がけのカウンターがあるだけの」こぢんまりとしたお店に、
ひっきりなしに人が入れ替わりしていった。なかなかの人気店ではあるご様子。
うむ、満足であった。店主! ほめてつかわすぞ!

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踏切を渡ったすぐのところに柴又の駅が見えた。



◆    ◆    ◆



柴又の駅から帝釈天に至るまでの参道は大層な賑わいで、
二間半ほどの広さの通りの左右に、つくだ煮屋、せんべい屋、団子・まんじゅう屋の類が軒を並べる。
あとは変なお土産物とか、ちょっとした彫り物・布モノの類。
両さんの実家もつくだ煮屋だったはずだが、あちらは浅草。

ムウ。想像以上の人出だ。

だが鎌倉の小町に比べればまだマシであるし、年齢層が高めな分、粗野な感じは控えめだ。
マ「年寄りだから品が良い」とは言わないが、少なくとも「余分な元気はない」という感じか。
道幅も広くなく、通りも長くない。サイズ感は丁度いい。
"こぢんまり"という表現がしっくりくる可愛らしさである。

あまり多用するのは好きではない表現だけれども、
「人情味」というものがスッキリと表現される距離感であるように思う。
面白い。
なるほど、こういうサイズ感が、そういう雰囲気を感じさせるのに一役買うこともあるのか……。
一つ勉強になった。

山門も、こぢんまり。
建長寺や円覚寺のような、どーんと威厳ある風貌ではなく、どことなく愛嬌がある。
好ましい。

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手水舎があったのでふつーに手を洗い口をゆすごうとしたところ、
となりにいたオジサンの謎マニューバに驚いた。
手水舎の奥にあった、お酒やローソクがお供えされている岩にパッと水を放ったのだ。
ぬ、びっくりした。そういう方式なのか?
ワケのわからぬまま真似をしてみたが合っているのか。

他に特にすることもなく、
帰り道、参道のつくだ煮屋で、自分の土産にせんべいとちりめん山椒を買い、
写真を撮った。

柴又に来たのも『こち亀』でしばしば見かける地名だから……なのだが、
よく考えれば、どちらかといえばここは寅さんのお膝元であった。
駅前には寅さんの像があったが、……ムウ。こちらはさすがにクオリティが高いな。
ちゃんとしている。
亀有の方も、もう少し頑張った方が良いのではないか。数で勝負していないで。
そこから京成線で京成高砂駅まで戻って、Pe氏とはそこで分かれた。



◆    ◆    ◆



ものの4時間強のお散歩だったけど、マこんなもんでいいのかもね。
都心は人が多くて普段歩く気には殆どならないが、
たまにこういう機会に、人の住んでるあたりを歩いてみると多少の愛着もわいてくる。
面白い地形や、フッと田舎びたところも見え隠れする。

ことさら人情味やカントリー風味であることを喜ぶわけではなくて、
そういうものに「根付いた落着き」を感じるから尊び喜ぶのであって。
うさんくさかったり薄っぺらかったりするのであれば、べつにそんなんどーでもいい。
逆に言えば、高層マンション住まいだって、今の都心じゃどっちかといえばそっちの方が
ズドンと根を張った割り切りや土性骨を感じるから、その方が面白いと思える。

都心の、フツーサイズの一戸建てを見ると、
その人たちはきっと昔からその土地に住まっていたりするのだろうけど、
なんというか、風土の方から掘り返されてしまった感のある今にあっては、
ちょっと落ち着きが悪そうだな、と感じたりもする。

  マその辺は所詮外見えの感想でしかないけども。
  「大丈夫なのかな」なんて思ったりしてしまう。

『こち亀』の始まった40年前とは、この辺りのそうした空気も随分ちがっているのだろう。
せんべいやつくだ煮や団子、それらそのものは何も変わっていないはずだけど、
そうしたものが人の心に形作る何か、そうしたものが人の心に占める割合は、
なんだかわからないけどきっともう随分ちがってるのだろう。
当たり前だが、不思議な気もする。

そういう不思議さをもって、人は「タイムマシンの様なまち」などと、
こういう場所のことを評するのだろう。



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……マそんな感じでヒトツ。
オイサンでした。


 

 

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2016年11月27日 (日)

■マンガを持て、そして山へ行こう。~3度目の飯能へ疲れに行こう~ -更新第1096回-

皆さんおはようございます。
あなたの夢のとびら、オイサンです(てきとう。

飯能に来てしまいました(書きながら今いる)。

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特に大きな理由や目的はありません。
出掛ける前々日の晩は「また小諸に行くか」と思っていたのに、
その翌日、つまり金曜の朝には「うむ、飯能にしよう」になっていた。
特段、『ヤマノススメ』でどうこうしようとかいうつもりがあるワケでもなく
ただブラブラと。

  ちなみに、最初に飯能にお邪魔したのも11月の最後の土曜日だったご様子。
  全く同じタイミングでびっくりした。
  時期的になにか感ずるところがあるんだろうか、飯能に。
  初冬になると飯能物質ハンノミンでも出すとか?

   ▼ここがあたしのB.C(ベースキャンプ)~オッサン、飯能へ行く
    (前篇)  /  (後篇) 

  尚、2度目の訪問はトシが明けて2月の頃だったように思う。

   ▼星空のメッセージ~笑顔をさがして。
    http://ikas2nd-special.cocolog-nifty.com/ybsk/2015/03/-973--9be3.html


ブラブラのルートが、上記の1度目・2度目のコース……、

 ・飯能駅南東側の、入間川沿いにあけぼの子どもの森公園まで歩くパート
 ・飯能駅西側の、吾妻峡+多峯主(とうのす)山+天覧山


……を合体させたものを1日で回るものだったので、
結果、ワリとスパルタンなことに。またか。

  04時半頃 起床
  05時半頃 出発
  07時過ぎ 飯能に到着
  08時半頃 朝ゴハン+宿に荷物を置いて出発
   :
   :
  16時半頃 全行程終了、帰宿

という、ほぼ歩き通しの8時間。レンジャー部隊の訓練か。
当然昼に休憩ははさみ、常時フルスピードというワケでもない。
それでも歩いてる最中は元気だったが、宿に帰った途端ガクガクになった。
やべえ。
しかし飯能、チョイ町+田舎の、相変わらずバランスのあまりよくない具合の中、
自然の風景は綺麗だったのでその辺中心に書き留めておこうと思う。
……飯能なー。
なんていうか、「埼玉」という都下ブランドが、
ひとえに実に悪い方向に作用しているように見えるな。
「都会なんでしょ?」みたいなさ。全然便利良くないんだけどね。

そのせいで、ひと気を嫌う田舎好きする人も来ないし、町を好む人も来ない、
みたいな扱いになっている気がする。







 ▼東飯能・立ち食いそば『奥武蔵』

7時過ぎ、東飯能の駅に降りる。
朝ゴハンを軽くしか食べてないのでどうしようか迷ってたところ、
駅目の前の「奥武蔵」という立ち食いそば屋が開いていた。
鬼のように渋い店構えにも引かれて入ってみた。朝定食、530円。
「シャケとアジがあるよ」とのことだったのでアジをチョイス。
立ち食いなのに全席イスあり。ステーキ屋でさえ椅子をおかない近年にあってはかなりロックだ。
飯能駅まで歩く。

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 ▼飯能駅・観光案内『ぷらっと飯能』

宿に荷物を預けるついでに、駅の観光案内所に立ち寄る。
以前来た時よりも、聖地化に力を注いでいるご様子。感心だが、現金なことだ。
フツーに周辺地図だけもらって立ち去るつもりだったが、
欲が出て「写真撮らせてもらっていいか」と尋ねたところ一発で
「『ヤマノススメ』ファンの方ですか?」と見抜かれる。
ファンって言わないで!! なんか恥ずかしいから!!
もっと
「……ああ……はい、ご自由に(うわっオタクだ気持ち悪っ。あんまり話さんとこ)」
って接して!!

  ▼ぷらっと飯能
   http://hanno-tourism.com/about/annaijyo/01annaijyo_plat.html

尚、前回来たときは品薄で貰えなかった『ヤマノススメ』版観光案内も
今現在は潤沢に増産しているようで、何も言わなくてもスッと貰えてしまいました。
「ここなの飯能大冒険」版も一緒に。
ムウ、訓練されておる。
ダメですよ、あんまりオタクを甘やかしちゃあ。連中、すぐに図に乗るんだから。
人に褒められたり親切にされることに慣れてないんだから。

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 ▼あけぼの子どもの森公園に向かう

と、せっかく「ここなの飯能大冒険」版案内図をもらえたので、
なるたけエンジェルここなの足跡を忠実にたどりつつ、あけぼの子どもの森公園へ向かってみる。
前来たときは本当にてきとうだったからな。
写真は、川べりに広がる矢颪(やおろし)凝灰岩層の地形。
白くズルズルした泥の様な土が靴にまとわりついて、滑るし歩きづらい。
ここなちゃんもここで白濁まみれになったのかと思うとフキフキしてあげたくなります。 ← 図に乗ったオタク

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 ▼あけぼの子どもの森公園 新企画、頓挫

駅からあけぼの子どもの森公園までは6㎞弱。1時間ほどで到着。
前回既に来たところだから特段の驚きはない。
メインのキノコの家が、今内部改装中で入れなかった。
1月まで?のヨテイっぽい。
行くつもりの人はご注意。

  ▼あけぼの子どもの森公園内の建物「きのこの家」空調設備改修工事のお知らせ
  [ 飯能市 ]


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しかしまあ、もとからこんな素っ頓狂な見た目の家をさらに改装だなんて、
依頼された匠も頭が痛いでしょうな。
「これ以上、どう劇的アフターにすれば……!!」なんつって(そういう趣旨の改装ではない)
いっその事、全然普通の和風建築にするとか、
建売2×4の、安っぽいプラモみたいな家を建てて見に訪れた人を驚かせるとか
すれば良いのではないだろうか。かなりシュールな絵面だが。
オイサンは娘ちゃんに立ってもらって撮影。
青い水遊び小屋? には前回入れなかったので入ってみたら、なかなか面白い写真が撮れた。
雪がちらほら残っている。

しかし場所の雰囲気がら、ここなちゃんよりも、継続高校のお三方が現れそうな雰囲気である。
写真は道中見かけた、
地面に埋もれて敵チームを待ち伏せするカール自走砲のようなもの(うそを書くな)。

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デ、今回こちらを訪れた主な目的は……ここから阿須山に登るハイキングコースなのだけど……
落石があったとかで通行止めになっていた。
ぬおー。

  ▼あけぼの子どもの森公園内から桜山展望台へ向かう園路の一部通行止めについて
  [ 飯能市 ]  

今回唯一の新企画がさっそくポシャってしまい、こんどこそ新鮮味の全くない
飯能おさんぽ会になってしまった。マいいけど。
新しいことが何もない方が落ち着いて回れたりもするからね。
そんなこんなで、小一時間ばかり園内にとどまってぷらぷら写真を撮って遊んだ。
当たり前だけど、小さなお子様連れのご夫婦が多いね。

池の畔で三脚立ててピクリとも動かないガチの写真撮りと、
犬畜生を連れて嬉しそうに犬コロの写真を撮り続けてるご夫婦なんかもあった。
人生いろいろだ。 ← よけいな勘繰り

そういえば、ここで掃除のオジサンが話しているのを聞いて、
メタセコイアのことをアケボノスギということを知った。

あと、昨晩だろうか、公園入口の自販機が壊されたご様子で、
パトカー2台に大勢のおまわりさんが駆けつけ若干物々しい雰囲気も。
ムーミン谷の入口に人間のお巡りさんがたむろしてるのもなかなかシュールな画であった。


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 ▼cafe『Hotpot』

公園のお隣、カインズホーム裏手にあるカフェ、Hotpotさんでお昼ゴハン。
外見えは一見こぢんまりとした、サブカルこじらせクソアートヒゲ親父がやってそうな店構えだが
(偏見が激しい)、
中に入ってみると、これがなかなかどうして、
どちらかというとファンシー乙女マインドをこじらせた北欧にイメージだけで憧れた老女が
一人でやってそうな内装だった(いちいち偏見が酷い)。
いや、いい雰囲気ですよ。ホントに。オイサンの良心がねじ切れてるだけです。

  ▼カフェ&レストラン Hotpot
  https://tabelog.com/saitama/A1106/A110602/11014874/


ハンバーグランチ美味しかった。しかしここは雑炊にするべきだったか。
居心地が大変良かったので、セットのコーヒーが運ばれてくるまでの間にウトウトしてしまった。
なかなか繁盛しているご様子なので、こちらも来られる方は早めにした方が良いと思われる。
オイサン、開店11時に入って12時前には出たのに、お店を出るときにはほぼ満席だった。

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 ▼吾妻峡

お店でウトウト出来たので体力回復。
ここからもと来た道に沿って入間川をさかのぼり、紅葉の名地・吾妻峡へ。
そこからさらに東にわたって、多峯主(とうのす)山、天覧山と、前回とは逆ルートでめぐります。
……散々歩いた後に山登り2連戦という、
まるで最後に水泳があるトライアスロンのごときスパルタン構成。

しかしそんな田舎道も、飯能さんは田舎だけあって、素っ頓狂な看板には事欠きませんね。
地獄から来たグッドデザイン賞を総なめに出来そうで退屈しない。
あおいやひなたのセンスも、この中で磨かれたものと言って差し支えない。

  ……つーか、作者のしろ先生からして
  ここでもまれて一流マンガ家の仲間入りを果たされたのであろうから間違いない
  (しろ先生のセンスがトンチキのたまものみたいに言うな)。

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そんな中でも、吾妻峡の美しさはホンモノ。
規模の丁度よさと美しさのバランスがナイスマッチ。
手の届くサイズ感がお気に入り。
オイサンとは逆方向、すなわち山登りを終えた方々が、続々と下って来られる。
まあもう2時ですし、そろそろ山登りはおしまいの時間帯だね。
それにしても美しい水の流れに、オイサンは捕まってしまう。

あああと、そうそう、吾妻峡にたどり着く途中でトイレが我慢できなくなってしまい、
子ども図書館でトイレをお借りしました。

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 ▼多峯主(とうのす)山

吾妻峡を抜けてどれみふぁ橋を渡り(別に音が鳴るわけではないぞ)、
一見ラブホテルみたいな幼稚園をパスすると、すぐに多峯主山の登山道が始まる。
こっからは、マただの山です。標高たかだか270mとは言え、山は山。
その倍程度の生駒山に登ったときに死ぬような思いをしたのを忘れたかオレ、油断するな。

まハイキングコースがしっかり整備されていて、
近隣の方なら犬の散歩にだって来てしまう山だからビビるようなものでもないけど。
ザクザク登れば小一時間とかからず、山頂。
ハイ着いた。
飯能のセクシークイーンの健在ぶりも確認できたし、満足。
さあ次に行こう。

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 ▼天覧山

続きで天覧山。
こっちは200mにも満たないので、ここまで15㎞ほど歩いた負債があるにせよラクショーラクショー……
と思っていたのに実はここからが曲者で、
前日? そんなに雨が降ったのか、地面がドロドロのびちゃびちゃでズルズル。
ひとたび滑れば、そのままどろんこプロレスの世界にスカウト確実なトリックステージに早変わり。
ぬおおおお、自然さんはなぜこうも千変万化なのか!
少しは人類を、優しく包み込んでくれても良いのではないか!?
ぬかるみに足をとられないよう歩くのに大変神経を使ってしまった。

途中、オイサンを追い越していった地元の方と思しきオジサンは、
あまりに泥具合にお散歩中だった愛犬のラブちゃん(そう呼んでいた)を自ら抱きかかえて歩くという
意味の分からない所業に及んでおられた。大変だな犬の散歩も。

  けど、犬に「ラブ」って名前付ける人結構いるよね。
  アレ、元ネタとかあんのかしら。
  ラブ。
  相手は人間のことを、自動エサ出しマシーンくらいにしか思ってないのにね。

   人間「ラブ、おいで、ラブ!」
   ラブ「呼んだ? 自動エサ出しマシーン! エサくれるの? 自動エサ出しマシーン!」
   人間「ははは、ラブはかわいいな! お前は私たちの家族の一員だぞ!」
   ラブ「自動エサ出しマシーン、何言ってるか全然わかんないけど、
      あとでエサ出してね、自動エサ出しマシーン!」


  こんな感じであろう。
  見知らぬ壮年の男の犬の散歩をこき下ろすのはこのくらいにましょう。

多峯主山の山頂から天覧山の山頂までは……1時間はかからないねえ。
ヌカヌカ地面を除けば、何も困ること、辛いことはなかった。
ちなみにどちらの山の山頂も、ひっきりなしに登山客が訪れて、絶えることはなかった。
小さい子を連れたご家族連れも多かった、そんな程度の山です。
しかしそれもまた『ヤマノススメ』という作品の良くできたところで、
ホント、「天覧山に登ることだって登山で、必要以上に危険や辛さに警戒することはないんだ」
と思わせてくれる辺りが大変に優れたガイド役であると、オイサンは思う。

  マとはいえ、山登りは先へ進めばそれなり以上に危ない行為なので、
  そこの境目に立ち入ったときに上手に気が付けるようには、当人がならないといけませんけども。

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……そうそう、辛いことといえば、天覧山を下るときに、
ヒョロメガネの男大学生3人組が『ヤマノススメ』ごっこをしながら
「ひなた~待ってよぉ~」とか甘えた声を上げながら上がってきたのとすれ違った
のが辛かった……かな。
「オッスおらここなちゃん!!」
とでも言ってやれば良かっただろうか?

とまあ、そんな心霊体験をしつつも……
前回来た時も思ったけど、天覧山の紅葉は、本当にきれいだね。
植わっている木々の種類がそうさせるのだろうけど、
赤・黄・緑のバランスが良く、光に透けて淡く輝く色合いがたまらなくいいです。
伊達に天覧の名を冠していないと思う。


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ふもとのコンビニも聖地として有名。
前回来たときより『ヤマノススメ』コーナーが充実しておったように思う。
中学生くらいの女子が熱心に巡礼ノート書いてたのも印象的だった……
JC辺りにもウケてるのかー。
良かった……薄気味悪いオッサンとヒョロメガネ男大学生しかいない世界じゃなくて
本当に良かった……。

……しかしこの後、そんなオイサンのささやかな安堵を叩き潰す出来事が……


 ▼飯能駅前、商店街

ヤロウドモに土産でも買って帰るかってなもんで、
やってきたのは飯能銀座の『夢彩菓すずき』さん。

  ▼夢彩菓すずき
  http://www.yumesaika-suzuki.co.jp/
  こう見えて、明治から100年以上の歴史を誇る老舗。


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『ヤマノススメ』ではあおいちゃんのバイト先です。
店の表には制服の、店の中にはお店のユニフォーム姿のあおいちゃんのPOPが立ってます。
しかしこのPOPがのちのち悲劇を呼ぶことに。

買い物を終えて立ち去ろうとしたとき、
オイサンの前に会計を済ませていたヒョロメガネ男大学生(らしき)人物が、
店員さんにカメラのシャッターを頼んでおる。
なるほど、まあそうじゃないかと思ってはいたが、君もヤマにススム感じか。
店員さんも慣れたもので快く応じておられたが、
その彼のとったポーズは、取憑くように、POPを横からを抱きすくめる姿であった。
お、おおう……。
……そうか、うむ、そうか。
うん。いいんだけどね。お店が良いというなら。
元気があっていいと思います。

帰る道すがら、お腹が減ったので老舗の喫茶店、『コーヒー 苑』さんで
クリームシチューを食べてフィニッシュ。

ここはもう、すっかり古くからある地元の常連さんたちの集会所のようだね。
『ヤマノススメ』一切関係ナシ。
競馬のハナシやら病気のハナシやら、地域どころか個人レベルに根差した話題が飛び交う。
それでも居心地は悪くない(というかオイサンが気にしない)のでゆっくり出来た。
うぬぬ、寒いところから暖かいところへ入ってゴハンまで食べるとねむみがマッハじゃわい。
うつらうつら。
4時起きでノンストップ長時間登山してるから無理ないがのう。
しかしまだ眠るわけにいかぬ。
本屋に寄って、今日発売の『ひだまりスケッチ』の9巻を買うのだ(時事ネタ)。
……というワケで、駅ビルのPePeに寄って購入。風呂で読もう。

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■2日目



2日目は雨予報だったので特に予定はなく、
ちょっとお店を覗いてゴハン食べて帰るだけのつもりだったのだが、
そのお店、駅前の山用品店『山遊人』で、お店のご主人(女性です)に声をかけられた。

  ▼山遊人
  http://san-yu-jin.com/

なんだ、このお店も聖地だったのか。
単行本10巻であおいが……あおいと言っても葵ちゃんではないぞ……
あおいがザックを買い替えるときのお店がそうらしい。
「これが私!」と描かれた店主を指さして説明するご本人。そうかよww
今回はどこに行ったのかというハナシから近辺の山やルートの情報を教えてもらったりした。
いつから『ヤマノススメ』関連の活動をされてるのか知らないけど、
『ヤマノススメ』から山や飯能に興味持つ人が増えてきて、
そのまま飯能が好きになる人が多くてうれしい……と、
ム?
前にもどこかで聞いたような話を嬉しそうにしてくれた。
そうかそうか。
2年前に来たときはまだまだそこまで、町で盛り上がってる感じはしなかったけど、
今ではすっかり愛されているのだな。結構結構。



……の割には。



あっちこっちで置いてる公式らしきグッズの版権絵プリントが解像度低いのは改善されてないけどな!
もう少しクオリティを上げてくれんか……。ザラザラなんスよ、絵が。
等身大POPとか。

ここでは手ぬぐいと、フツーにインナー手袋を買った。通勤用に丁度いいんじゃよ。
すると「これは非売品なのですが」と、「三期熱烈希望!!」と書いたステッカーをくれた。
この手ぬぐいは良いな。


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 ▼珈琲館

2日目の昼ゴハンは、上記の『コーヒー 苑』の通りの向かい側にある『珈琲館』で。
チェーン店だが、ここは『ヤマノススメ』推しでグッズやらも売っている。
店長の趣味だろうか。特に何も買わなかったが。
フツーに焼きサンド食ってアイスコーヒー飲んで、おしまい。

前はここでマグカップとLEDライトを買ったのだった。どちらもまだ家で健在。
LEDライトの方は、摩擦でここなちゃんのプリントが消えてしまって
ただのLEDライトになっているが……灯りは点く(それはキャラグッズとして健在と言えるのか?)。


 ▼謎のバス車庫

飯能駅から東飯能へ向かう途中、バスの車庫があって、
そこに『ヤマノススメ』ラッピングバスが数台まとめて停まっていた。
おお、なんという偶然……ていうか、コレはあまり有難味がないなw
お蔭で何種類も絵柄をいっぺんに収められたけど。いいのかコレは。

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■Closing



以上で、飯能訪問3回目、ぶらり飯能タンノー散歩はおしまい。
ホントは4回目なんだけど、3回目は秩父のついでに寄っただけなのでノーカンにしておく。
思ったよりも満喫したような……気がする。
予想と何が違ったのかわからないが、随分楽しかった。

しかしやはり、徒歩20㎞・8時間連続活動は老いた体にそこそこ堪えたようで、
1日目宿に着いてからは、体がグネグネとぐったりしてしまって
宿でしたいと思っていたことに手がつかなかった。ちょっとゲームが出来たくらい。
無念。


 ▼「疲れ」の面白さ

しかしこの、なんだろうね、「疲れ」というものの正体は、いったい何なのであろうか?
栄養を摂り、風呂で体も温め睡眠をとっても、疲れというやつは残る。
癒すだけの材料は揃え手続きも踏んでいるのに、それでも尚、消し去ることは出来ない。
なんだかそれが理不尽なようにも思えてくるのだった。
筋肉だとか、内臓だとか、そういうものの使用負債であることは勿論なのだけど……
今回のように、極端にダメージを与えるようなことをしたわけではない、
ただ緩やかに延々と使い続けたときに、
それらよりももっと奥深い、芯の部分に刻み込まれ、滲み出す「疲れ」は……
筋肉や内臓ではない部分から感じているような気がする。
骨とか、違う部品の細胞の隙間が熱を持っているような感じがする……。

別に、「だからなんだ」って話ではないのだけど、
今日、歩き終えてベッドで横になりながら、ハッキリした意識の中で
ただジンジンと熱を抱いて動こうとしない体のことを思っていたら、
「疲れってなんだろう」という疑問が湧いてきたので書いておいた。
「疲れってなんだろう」と、当たり前のことを考えている自分も面白かったし、
分かっているようで分かっていない、
誰もが体で理解しているからこの上もなく具体的なようで、
それなのに根本は理解されていないという意味で抽象的な「疲れ」というものに、
このとき初めて向き合った気がして楽しかったので、書いておこうと思った次第。
これも一つの収穫だ。


 ▼マンガを持って、山に登ろう。

こうして聖地巡りなんかを楽しんでいて、
地元のフツーのアニメに興味なんかなさそうだった(何なら今でもなさそうな)人たちが
アニメのキャラクターのことを知っていたり、グッズやPOPを取り扱っていたりするところを見ると、
長年、白眼視されたり、
迫害を受けてきた(刺激的な物言いではあるが決して言い過ぎではないと思う)者としては、
嬉しい限りだ。

  ……あのね、何が嬉しいって、別に、自分が暮らしやすくなったこととか、
  ヒドイ扱いを受けなくなったってことじゃないのさ。
  グッズを買いやすいとか、町なかでキャラや世界を見かけられることでもないのよ。
  そんなのは自分が我慢したり、苦労したりすればなんとでもなる。
  「アニメや漫画やゲームが面白い」ことが、
  他の映画やらドラマやらスポーツやらがそうであるのと同じように、
  フツーの人でも理解できるようになって、楽しめるようになったことが良かったなあと思うのよ。
  「こんなに面白いものが、なんで皆分かんないんだろうか? 
   分かんないハズないのに、他と同じなのに」
  と、ずっと思ってたんだから。
  とはいえ、オイサンにもわからない面白さはあるから自分の領域のことばかり言えないけども。


しかし、「住みやすい世の中になってきたなあ」と思うのと同時に、同じくらい
「な、なんだかおかしな世の中になってきてしまった……」とも思うのだけれども。
けど、アレだね。
オイサンなんかは昔からそうだけど、アニメ・マンガ・ゲームっていう媒体が、
それらが物語る世界に興味を持つためのゲートウェイとして
しっかり機能し始めたというのは、非常に健全なことだと思いますね。

ただのサッカー少年を『キャプ翼』がサッカー選手に育てたように、
マンガを読んで、アニメを見て、旅行してもいいし、山を登ってもいいし、
ギター弾いても自転車乗ってもバイク乗ってもいいし、
化学の世界、星の世界、栄養や医療の世界に興味を持ったっていいわけで、
そこにある覗きこまなければ知りえないドラマとかロマンとか、あるワケで、
学ぶために、そして無闇な勢いで背中を押されるためには、恰好の材料だと思うのですがね。


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「書を捨てよ、町へ出よう」と昔の偉い人は言ったというが、
……そんでその原版をオイサンは読んでないから裏があるならそれは分かんないので
  言葉の意味そのままにとるが……
書は読んで、その手にずっと携えたまま、町へ出ればいいと思うよ。
FEEL×ALIVE!



オイサンでした。



……あと、同じ手放すにしても捨てずにブックオフへ持っていけば、
イザと言うとき町で遊ぶ足しになるよ。
あーお金欲しい。



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