2017年6月25日 (日)

■目を瞠るとき。~小諸、十四回目~ -更新第1130回-

アテもなく小諸へ行ってきた。
14回目。

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14回目だったか、15回目だったかあやふやになってきたけど、
珈琲こもろさんのノートを見たら前回の自分の書き込みがあって、
「13回目」と書いていたので今回は14回目なのだろう。GJ、今年3月の自分。

本当に、何をした、何をしに来たというわけじゃなく、
いつも通りやってきて、ボンヤリゆっくりして帰った、というだけの24時間でした。

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一つだけ新しい楽しみとして、町はずれの野菜餃子のお店に行くというのがありまして、
実際行ったのですが、えー、歯に衣着せずに言うと、イマイチでした。
落ち着かない店だった……。
ツッコミどころ満載ではありましたが、マあんまり楽しい気分にはさせてくれないというか。
じめっとした哀しみに包まれたお店でした。どんなんだ。

  マ一緒にいたご家族づれが鬱陶しかったってのもある。
  小さい子どもを連れてくるな! などとは申しませんが、
  子どもが「しつけられること」を了解しておらず、
  しつけ未満の家庭内不和を周りにまき散らさないとならない
  それは最低限解決してから表に出てきていただきたい。
  しつけをその場で実行するのは構わないので、
  しつけられたら子どもはそれに従う、という関係性はハッキリさせてから表に出ていらして?
  鬱陶しくってよ、祐巳。

初日の12時45分くらいに小諸に着き、
お宿に荷物だけあずけてキャンディライトさんでゴハンを食べ、
やたら混んでいた停車場ガーデンさんでコーヒーをテイクアウトして
弁天の清水へ向かったのが14時半くらい。

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弁天の清水で小一時間写真を撮って、飯綱山公園に登る頃には16時半を回っていた。
そっからまた小一時間ボンヤリと写真を撮って山を下り、
目当てのギョーザ屋さんに着いたのは18時半頃だったと思う。

ウームと思いながら店を出て、駅前に戻って珈琲こもろさんに入る頃には19時半近かった。
20時を少し回ったくらいで店を出て、ツルヤさんに寄ろうと思ったらもう閉まっていたので
まっすぐお宿に帰ったら、カクンと寝オチしてしまった。
そんなに疲れることをした覚えはないのだが。

帰りの新幹線は、軽井沢を14時前なので、小諸は13時には発たねばならない。
早朝からブラブラジョギングをするつもりだったのに
寝落ちして2時半頃に目を覚まし、そこから風呂に入って寝直す、
なんてトリッキーなことをしたもんだから、結局8時頃に起き出すことになった。自堕落。
チェックアウトして荷物は駅前のロッカーに投げ込み、
朝食は駅前の立ち食い的ソバ屋(座って食べられます)でいただき、その足で懐古園に向かう。
ちょうのんびり回ると、あっという間に(どっちだ)10時半。
そっからみやさかさんとツルヤでお土産を買って、再び珈琲こもろさんで軽くお昼ゴハン+お茶をいただき、
最後にふらっと、町屋館みはらし亭で山並みと町並みを眺めたら、もうサヨナラです。



……という、完全にいつもの定番コース。



2日目のお昼を、珈琲こもろサンにしようか、懐さんにしようか最後まで悩んでたけど、
コーヒー飲みたかったんでこもろさん。
次回は懐さんにしたい。ソースカツ丼なんてすばらしいメニューもランチに加わっていたようだから……。
そば七さん、ふじたさんにも行かなかったな。
マ1泊2日じゃゴハンの回数も限られるからのう……。

前回行かれなかったので今回は行こうと思っていた、田園見渡しスポットやダムも行けませんでした。
マそれをぶち込むと……時間キッチキチのスパルタンになっちゃうからねえ。
今回はのんびりしたかったので、無理はしませんでした。

しかしそんな、超定番コースだったにも関わらず、
案外、新しい発見をしたりとか、新鮮な視点を見つけたりとかがありまして。
なかなか納得の行く小旅行でありましたよ。

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新しい刺激や発見は、期待も、それに出くわすための仕込もしていかなかったので、
まあないだろうと思っており、
そのせいで、弁天の清水でひとしきり写真を撮り終えて一息ついたところで
フッと気が抜けてしまった。

「まあ今回は、ずっとこんなモンかな……」

という気持ちが鼻から抜けて行って、次は飯綱山公園の上まで上がろうと思っていたのだけれども、
そうして気持ちのハリが途切れてしまったら、
「じゃあここはおしまい、次」と、この場を離れて次へ行くキッカケを作れずにおりました。

どーしたものか、ここはもうおしまいにして良いものか? と、
水場を一度離れてコーヒーに口を付けておりましたところ、
湧水の吐き出し口の、アゴの裏に下がった苔から垂れ落ちる水の軌跡の美しいことに目を奪われ、
軽い興奮状態に陥ってしまいました。

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それからしばらくは、またそこにかぶりつきでカメラを構えていた。
しかしそうなると今度は、なかなかそこ離れ難くなってしまって、
4時過ぎまでとどまってしまった。水も汲まないのに何をやっているんだ。
人が少なくて良かった。

そこにいたる時間と行いのひとつらなりは、
自分の心身と時間をしっくりと繋いだ分岐点、接続点であったように感じている。

あのとき、あそこであの苔が目について、心がクッと持ちあがったことが、
それまでの時間と今こうして文字を打っている今の時間の流れをつないだ明らかなジョイントになっていて、
あのときとりあえずの惰性で休憩を取らずそのまま山へ向かっていたら、
今の自分は、今とは明らかに違う今にいただろうという確信が、今回は強くあります。

  マその「今とは違う今」が、今より良いか悪いかはわかりませんけれども。
  変わんなかったかもしんないし。

その時、吐き出し口にアゴヒゲみたいに垂れていた苔が目についたのは偶然なんだけども……
いやあ、「偶然ってこわいな」と、あとから思うとつくづく恐ろしい。
アレが無かったらその先の時間にあった出来事も、どう転んでいたかわかりません。
「苔が目についたこと」は、自分が用意したわけでもないし、
積み上げてきたモノゴトによって必然的に導かれたわけでもない、
ひとえにポッと出の事実が飛び込んできただけの瞬間だったから、狙いようも避けようもありませんでした。

なんでもない風景にうずもれた、ただ水の滴るだけ苔が一つ目に入るか入らないか、
たったそんなことで人の暮らしはこうも変わるものなのだということを
今回は実感しました。今回の旅は、そのことに尽きました。

そのあとも、見慣れた風景の中で新鮮な発見が続きました。

飯綱山から見下ろす風景でも、今回は北側の浅間山より南の町側の方に心ときめく、
心惹かれる美しさを感じ、
町なかにある水田に水が張られ、澄んだ光を鈍い色で照り返しているのに目を引かれました。
町がいつもより近く、広く見渡せた。
小諸は、町なかにもビューポイントにも木がよく茂っており、
視界も、見渡す中にも季節によって視界が大きく変化するので
あまり来たことのない時期に訪れると景観が一変して新鮮に映る。

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楽しみにしてきたギョーザ屋はイマイチでそれは残念でしたけれどもが、
そこから町への帰途に使った道は通るのが初めてで、
これまで通ってきた道と思わぬところで繋がっていたり、
見たこともないトンネル……これがまた、奇怪な怖さを持ったトンネルだったのだが……をくぐったりして、
あの苔との遭遇以降、幸せな出会いが続いた。
よく見知ったはずの道のわき、弁天の清水の裏手に小さな公園があることを初めて知ったり。
単純に、気持ちがそういう風に向いただけなのか、実際におかしな扉がひらいたのかは分からない。

  まフツーに考えれば「おかしな扉」なんてものは存在する筈もないファンシーイマジネーションで、
  目線を引いて見れば、
  全ては人間が「そこにある物に対して、そうある様に」行動しているにすぎないのは明らかなのだけど、
  果たして客観が先にあるのか、無数の主観が絡み合うのが先で
  そこから客観・客体が生まれているのか……それはまだワカラン気がする。

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2日目は、惰眠を貪ってしまったせいで懐古園を回るだけで精一杯になってしまった。
特に新しい発見があったわけでもなかったがけれども、
自分の視野がやけに広く、風景が新鮮に見えた。
これは気分的な話ではなく、実際の目に見えている認識範囲の話。
いつもより広く、風景が目に入ってきていた。

もしかすると、
「普段も目のレンズには同じだけ映っているが、それを映っているとアタマが認識・処理できてないだけ」
かも知れないので、気分・コンディション的な違いなのかもしれないけど。

なんなんでしょうね。
季節のせいなんでしょうか、空気の透明度がとても高かったように感じ、遠くの方まで……
ただ単に、「晴れて、澄んで、遠くが見えた」というのとも少し違って、
「遠くが見えて、さらにその細部まで、精細に見えた」気がしている。
遠く・深くが見えた感じ。
カメラのピントが合う距離の範囲のことを被写界深度と呼びますが、それが深い感じに似ている。
かつ、平面的に感じない。

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そのせいかはわからないけど、いつもよりゆっくり回ってしまったようで(いつもより時間ないのに)、
1時間半も園内にいたようです。
それでも、気持ち的にはもっともっといられるのを慌てて出てきてしまったのですが。

……そんなこんなで、なんでしょうか、自分で言うのもなんですが、
大変澄んだ瞳で過ごせた2日間だったような気がします。
その分、とてもボンヤリした2日間でもあったけど、満足感、充足感はあった。
ピンと来た時間ではありましたよ。エエ。
不思議と。
何かを追い求めていなかったから、見つかったものそのままを納得出来た、
というのはあるかもしれません。
それでいいのか? と言う人は言うだろうけども……
それはそれで、大事なことだと思うオイサン、42歳になろうとしている初夏であった。

ザ・初夏。

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以下、時系列順に
それぞれのスポットで起こったことを書き留めて終わりにする。



■全般
あのね、小諸寒かった。
来しな、軽井沢で新幹線からしなの鉄道に乗り換えるときに結構な寒さを感じ、
そのときは半袖を着ていたので、これはアカンなと長袖に着替えてどうにか乗り切れる気持ちでいたのだが、
日が傾き始めると最早上着がないのが不安なレベルで冷えてきた。
信州、侮れぬ。
あとでキャンディライトさんやみやさかさんで聞いたところによると、
ここ数日は風さえなければ霜が降りても不思議ではないくらいなのだそうで、
広報アナウンスでは畑に霜対策をせよ、と注意がかかるほどだったらしい。
珈琲こもろのマスター曰く、雨が降るようになればもっと冷える、とのこと。
東京みたいに、雨も降らないのにじっとりと湿気に苛まれるようなことはあまりないのだそうな。
「伊達に避暑地じゃないよね」という一言が、妙に印象に残っている。



■キャンディライトにて
サービスメニューのBセットに夏野菜カレーがあったので、それを注文してみた。
Aセットが「アジフライ+焼肉」だったのでものすごい悩んだ。
デこれである。

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決して「カワイイ」と呼べるシロモノではないと思うのだが、
あとから入ってきたJK二人の片割れが同じものをたのんで、
「かわいいー」とケータイでお写真なぞ撮っておられ、オイサンは大層肝をつぶした。
さすが小諸のJKはイカレたセンスしてるぜ(失礼)。
相方のJKもなかなか奮っておられ、

  JK「この、『カツ重』ってどんなんですか」
  マスター「……カツ丼って知ってる?」


という、一見コブラと悪役の様な小粋トークをぶちかましていてオクラ吹きそうになった。

  海賊酒場のマスター「見ねえ顔だな、よっぽど田舎の宙域から出てきたのか?」
  コブラ「実はそうなんだ。マスター、このカツ重ってのはなんなんだい?
      オレぁ生まれてこのかたカツ丼しか食ったことがねえ」

……みたいな(そんな会話があるか)。
このJKお二人は、嘗ては小諸近辺で暮らしていたのが小諸で再会した、
的なシチュエーションであったご様子で、会話を聞いててなかなか味わい深かった。

あと、カウンターの奥に賞状が貼ってあるのには前から気付いていて、
衛生認定証的なモノか、そうでなくても料理コンテストとかそのテの類のモノだろう、
と何となく勝手に思い込んでいたのだけど、
書いてある文字列に違和感を覚えてよく見てみたら、駅伝に入賞したときの賞状だった……。
3位と5位。

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なんでそれを貼ったんだ。
あと、本棚の『こち亀』27巻がかぶってた。
かつて客同士で27巻を取り合ういざこざでもあったのだろうか……。



■停車場ガーデンさんにて
小諸へ来ると、毎度、動き出す前(今回は山方面へ向かう前)に
この停車場ガーデンさんでマグボトルにコーヒーを買っていくのだが、
今回はどうしたことかものすごい満員でえらく時間がかかってしまった。
マそもそも人気の高いお店なので結構待つことも珍しくないですけども、今回は特に。
オサレなお店ですし、女子でいっぱいです。

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尚、コーヒーといっしょに必ず手焼きクッキーも買っていくのだけど、これがまた絶品です。
味の種類は、紅茶味とかチーズ風味とかいろいろあるけど、
オイサンはスタンダードなシナモン風味が好き。
山のてっぺんで一人コーヒーを飲みつつ頂くのが最高です。
乙女か。山ガールか。


……( ゚д゚;)……ハッ!


いま、恐ろしい推論をひらめいてしまった……。
ここなちゃんに会おう会おうと思って飯能へ何度か足を運びながらも、
ついぞ出会ったことがない、その影を捕まえたことすらないのだが、もしや……
俺自身がここなちゃんなのでは……!?
それならば会えないことにも納得がいkおや誰か来たようだ。
まあそんな、ここなちゃん&ユイオグラファンから殺されそうな冗談はサテオキ、
実はこの日、飯能では『ヤマノススメ』ファンミーティングイベントが開催されておりまして
(小諸現地で知った)、
『ヤマノススメ』のOVAとその劇場上映、あとTVアニメ3期放映が発表されておりましたとさ。
おおめでたい。
小諸関係ないけど。


……。


小諸をひとりブラついていたらお忍びで巡礼に来てた阿澄佳奈とバッタリ出くわしたりしないだろうか、
などとアラフォーらしからぬ都合の良い妄想をコチトラ楽しんでいたというのに、
地に足の着いた当の阿澄さんは飯能でせっせとお金を稼いでおりましたとさ。
トホホのホ(何がだ)。



■弁天の清水にて
いつもはひっきりなしに、水くみの車が訪れては去り訪れては去りするのだけども、
今回は、人はそれほど多くなかったな。時間帯のせいもあるのだろうか。
オイサンが見たのは、
着いたときに始めからいたバーサンと
気合の入ったジーサン(3Lくらい入りそうな、焼酎のボトルみたいなの30本くらい汲んでいた)、
遊びの途中でやってきた、年が2ケタに上がるか上がらないかくらいの少年5、6人、
あとは業者っぽい、ごついポンプを積んだ軽トラのおっさんくらいだった。

少年たちは顔洗ったり水飲んだり、わーっとやってきては
「公園で遊ぼうぜ!」と5分もいないで走り去ってしまった。
いいねえ、近場にこんな場所があって。

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最初のバーサン・ジーサンもなんだかなーな二人で、
二つある注ぎ口の、やたらと勢いのある方を使ってたバーサンが、
ジーサンが汲み終わったボトルを運んでいる隙に彼の使っていた勢いの弱い方を
なぜか使い始め、
「……そこ私が汲んでんだけど」
「2本だけだから」
という、非常にもっちゃりしたやり取りだけがあって、なんか居心地が悪かった。
なんだよ、「2本だけだから」って。面白えなチクショウ。
マ確かに、勢いある方は水勢が強すぎて汲みにくいんだけど。
ヘンな人間模様である。



■飯綱山公園にて
いつもは、山の一番奥まで歩いたところにある山頂の広場からの眺めが一番良いと感じるが、
今回改めて見てみると、高原美術館の裏手の駐車場から見る浅間山も近くて迫力もあり、
CGめいた非現実感が大変よいな、と思った。
また上でも書いたが、今回は南側、町の方の眺めが大変良かったと思う。
町も山もいつもより近く感じたのは……なぜなのか分からない。

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■駅前そば屋にて
年輩のスーツおじさんが、東南アジアげな若者とずっと英語でしゃべってた
どういう関係だったんだろう。

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■おみやげのみやさかにて
買い物をして、実家に送りつけるための伝票を書いている途中のおやつ(毎回出てくる)に、
今回は、ご自宅の晩ゴハン用に茹でたという枝豆をお出し頂いたのだが(なぜだ)、
これがまた美味い!
何の味もつけていないというのに驚くほど味のある豆で、名物にならないのが不思議なくらいだった。
名前忘れちゃったな。なんかちょっと変わった名前を教えてもらったんだけど。
以前、新潟出身のテ氏に、新潟名産のダダ茶豆をいただいて
それも驚くほど美味しかったのだけど、タメをはるおいしさ。

しかし……なぜ私は、みやげもの屋でヨソんちの晩ゴハン用のお豆さんをいただいておるのか。
この調子でいくと、次回はいよいよ夕ご飯に招待され、
その次はお風呂を借りて、
しまいには泊めてもらえるんじゃないだろうか。すみませんね奥さん。
ところで、オイサンはみやさかさんで売られている中でも、
この「焼きはや甘露煮」がグレイトにオススメ
大変おいしい。生臭さもなく、クセもない。

ホロホロに崩れるくらい柔らかく煮込んであり、
ちりめんじゃこの骨でも喉にかける(本当)我が家の母でさえ
「頭から食べても何の問題もない」と評するほどである。
同じラインナップに鮎もあるのだが、オイサンはこっちのが好きだった。

  仕入れをご希望で手渡し可能な方は、事前にご注文いただければ
  オイサン買ってきますよ。別に通販ページで買ってもいいけどw(そっちのが早いだろ)

デ、そんな話をしたら
「そうなんですよ、これ美味しいんですよね!!」
と、お母さんからも、大お母さん(お婆ちゃん)からも満面の笑みでリアクションが。
野沢菜の話を訊ねると、夏場は違うのを扱うことに今回から試してみていて、
これも美味しくて……と、商品の研究にも余念がないご様子……なのだが、
どれの話を聞いても「美味しい」とかキチンと感想が返ってくる。
……一体自分とこの店のみやげもの、どのくらい自分で食べてるんだろう。

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■ツルヤさんにて
地元信州に展開するローカルスーパーのツルヤさん、
テ氏の奥方がここのおやきが大好物なことで全国的に有名ですが(そんなことはない)、
「ツルヤオリジナル」というプライベートブランド商品を、チョイチョイ展開していらっさる。
いままでは、そのおやきとか(これは別にPBじゃないけど)、
ドライフルーツ(とくにやわらかリンゴ)とか、謎のレモン風味ポテチ(一風変わってるけどクセになる)とか
くらいしか買っていなかったのだが、
「店内しっかり歩き回ったら、もっといろいろあるんじゃないか?」
と思いついて、今回いろいろな棚を探して回ってみたら……あるわあるわ。

お菓子をはじめ、ドレッシング的なものから、お出汁、味噌汁、スープ、農産乾物、びんづめ、缶詰、
ふりかけやらなんやら。
そんなんで、目について気になった物を色々買ってしまった。
あんまりかさばらなくて軽い物ばかりだけど。
しばらくはこれで楽しんでいく所存です。

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マそんな感じでヒトツ。

しかしワタクシ、曲がりなりにも『あの夏で待ってる』の巡礼がらみで小諸を訪れているにもかかわらず、
公式聖地であるところのみまき大池にはまだ行っていなかったことを思い出した。
マ歩きではなかなかアクセスし辛いところにあるのですけれども、
どうやらそこからもなかなか美しい眺めが拝めるようなので、
次回行くときはそこを目指そうかなと、それっぽいことも言っておきましょうか。



オイサンでした。
 
 
 

   

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2017年6月21日 (水)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その三~ -更新第1129回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅。
第3回……ようやく初日の午後だよ……
まあ今回は前半に色々集中してて、後半はひとえにまったりしていくばかりなので。


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ホテル菊富士の庭にて。



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■■■━ 1日目 ━■■■
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■1日目:甲府市街 ホテル「菊富士」、そして「ひなた」へ



時刻は14時を過ぎた。駐車場で一休みし、イザ、町へ戻って昼ゴハンを。

昇仙峡と町をつなぐ道もなかなかにワインディングでしたが、
くだりは特に、雑木のすきまから甲府の町越しに富士山の勇壮な姿を臨むことが出来て見応えがありました。
マここまでくると富士山は、よっぽど邪魔者のあるアングルでもないと
大抵見られるのでいい加減飽きてはくるのだが。

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関東に越してきてびっくりしたのは、意外といろんなところから富士山がみられてしまうことだった。
関西に住んでいると、富士山なんか「あるのは知ってる」くらいで
全然遠い存在ですからね。
せいぜい東海道新幹線の窓から臨むくらいのモノで、日常からはかけ離れている。

そんな、非日常的なものをマイニチ当たり前みたい眺めて暮らしているから……
こんな突拍子もない人間が、あっちこっちで発生してしまうのかもしれません、甲府!
甲府、驚異の三賢者の二人目(厳密には二組目)は……人里を遠く離れた仙人郷ではなく、
人の世界、まちの暮らしの中に潜んでいました。



テ氏の予約した宿は「ホテル菊富士」。



甲府駅から、徒歩でも15分ほどの好立地であるが……そのお値段、なんと一泊3200円。
まじでか。
富山の魚津スカイホテル、銚子のホテルニュー大新につぐ歴代記録のお値打ち価格ではあるまいか。

ただ如何せん、テ氏いわく、

  「宿の場所が、マップ上じゃ分からないんですよー。ディーンとしか書いてない。
    宿の名前はディーンじゃないのに。ディーンしかないの」


と、宿を予約したテラジさんがディーンディーンうるさい。
なるほど、確かに地図上ではディーンが目立つ。





しかし、一旦車で宿近くまで行くと、ホテル菊富士は案外すぐに見つかりました。
駐車場も、ちょいと狭いがすぐ前。便利。
着いたのが15時前とチェックインにはまだ少し早かったので部屋には入れず、
一先ず車だけ置かせてもらい、腹がいななきよって仕方ない二人と
宿から歩いて15秒、走れば5秒のところにある食堂「ひなた」へ向かいました。
さあ、腹減ってるんだろ? たらふく食えよ。
しかしその店構えを見て、二人は口を揃えてこう言いました。

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「オイサン……ここ、よく一人で入りましたね。勇気あるわ」


……うむ。今は自分でもちょっとそう思う。
残念ながら、店先をしっかり捉えた写真はないので、
店内の写真を見てもらい「大体これと同じ」と思ってもらえれば良いです。

蛮勇である。

別に、その時は面白いから入ろうと思ったわけでもないし、
「やべえなこりゃ……へっへっへ、腕が鳴るぜ……」と決意して飛び込んだわけでもなく、
「まあ、ココだろう」と思って入っただけなのですが、
改めて人から指摘されるとちょっとコレはどうだろうな、と思わされる。
オイサンが独りでいるときの判断というモノが、如何ほどの常軌の逸し方をしているか、
なんとなく見せつけられてしまった気がする。
今後気を付けよう……否、気を付けない方がいいのか?
別に死ぬ思いをしたワケじゃなし、今のままで良いように思うな。

  すぐ隣がガストさんだったのも、逆に奏功したのかもしれない。
  「さすがにここまできてガストはねえわな」と思ったので。
  なんとなく2択が成立したのだろう。マけがの功名というやつである(ケガ扱いかよ)。

オイサンが既に潜入調査済みである、ということを知っていても、
お二人の腰はまだ若干引けていたように思う。
何せお二人は、今日一日、大切に大切に空腹を育てていらしたのであるからして、
その蓄えに蓄えた空腹を、生半可なメシで満足させたくないという思いもあるのであろう。
その情熱、分からないではない。
正直を申せば、その情熱に『ひなた』のメニューがお応え出来るかどうかに確信もなかった。

だから包み隠さず、車中でこのようにお伝えした。

「決して飛びぬけてウマイってワケじゃないです。まずくはないですよ。
 味はフツウ。普通です、ふつーですけど、フツーの人が油断して入ったら
 色々コミで結果マイナス評価になる系のお店です」

多分間違ってはいないと思う。
そして、店を出た後のお二人の反応から察するに、間違っていなかったと今でも思っている。
そして我々は……フツーじゃないのか、色々コミで、プラスで終われたのだとも思う。

もしかするとお二人は……空腹に余裕があればここは避けたかもしれないな、と、
入る前の腰の引けっぷりを思い返すに、察するところがある。
「よく一人で入りましたね」と、3、4回言われた気がする。
しかしもう彼らものっぴきならないところまで来ていたんじゃなかろうか、
今からほかの店を探すゆとりもなく、テ氏が扉を開いた。

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まあ、内装にやられますよね。

九龍城か。

あと、本棚に揃えられたマンガのラインナップにやられる。
オイサン・テ氏の世代には、かなりツボを押さえた品ぞろえに見える。
しかし我々は、九龍城に遊びに来たわけではない、メシを食いに。腹を満たしに来たのだ。
メニューを選ぼうじゃないか、さあさあコレだ、
この一昔前のカラオケの選曲本みたいな厚さの本がメニューなんだぞコノヤロウ。
選べ?

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お写真提供:テ氏

このパートなんとかって書いてあるのに惑わされるな、
ほとんどそれはページ数みたいなもんだから!
そこへ、注文を聴きに来てくれたのか? お店の旦那さんが通りかかる。

  旦那「そのパートメニューってのはね、
       メニューの前の方にあるレギュラーのメニューを組み合わしたやつだから」


  テ氏「オイサンwwwww説明が間違ってるじゃないですかwwww」

  弊社「オウフwwwwすまぬwww知ったかであったwwwwフォカヌポゥ」

  旦那「そんで、組み合わした値段から、400円引いてあるの。オレ計算できなくてバカだから」

  ヨ氏「自虐wwww」



どうですかこの、一瞬のトークのキレ。
ついでだ聞いてしまえと振り返ると、旦那さんの姿はない……どこへ消えた?
この「面白丼」ってなんなのか聞きたかったのに……と思ったら、トイレから出てきた。
注文をとりにきたんじゃなかったのか……。

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  弊社「この『面白丼』ってのはなんなんです?」
  旦那「それはね、面白丼って名前だけど作ってる方は面白くないんだよ


そんな情報は求めていない!
旦那さん曰く、色々乗っかり過ぎて、利益率が悪いという事らしいが、
それは他の、パートメニューなども同じことの様だ。
尚『面白丼』、色々と乗っていることを説明してもらったのだがホントに色々過ぎて
何が乗っているのか殆ど失念してしまった……せっかく聞いたのに。
唯一憶えているのは、旦那さんが最後に言っていた「目玉焼きが3個乗っている」ということだけだ。

しかしもう、このトークのキレだけで相当やられてしまった我々ちゃんは、もうすっかり夢見心地。
大量のメニューから、各々苦慮して厳選したお料理を注文すると胸を躍らせて到着を待った。

お二人とも空腹が酷いらしく、
ワリと盛りメのチョイスにアディショナル(追加オプション)を加えたらしいが、
大丈夫だろうか?
このお店、デフォでバカみたいに大盛りなワケではない。普通に食べられる。
ただ、サイズ設定の名付けが独特で、

 無印(普通) < Large < Bigり(ビッグり) < 超Bigり

……とか、シレッと書いてあってびっくり……否、ビッグりする。

また名称だけではなく、ノーマル以上の設定を注文すると
量のアップ幅は大きいので注意は必要……なのだが、まあ2人ともツワモノだから、
それほど問題にはならないだろう。

時代物の14インチブラウン管テレビからは、殺人事件モノのサスペンスが流れている。
前来た時も刑事ドラマ流れてたなあ……店の奥さん、空いた客席の一つに座ってガッツリテレビ見てるけど、
まさかアンタ、お気に入りのドラマの録画を流してるんじゃあるまいな?

待つことしばし、

  奥方「パート16(じゅうろく)の2はどなた?」
  ヨ氏「ぼくでーす」
  奥方「パート12(じゅうに)の、カニクリームコロッケ4個追加は?」
  テ氏「あ、私です!」
  奥方「パートテン(10)は?」
  弊社「……。え? あ、はい」

なんで「10」だけ「テン」なんだ。一瞬わかんなかったわw
ちなみに「パート16の2」というのは、
「レギュラーメニューにある何かしらの肉を焼いたものと何かしらの揚げ物を組み合わせた
 (チキンカツ+ハンバーグ など)パートメニュー16番に、
 何かしらのオプションバージョン2が付加されたもの」
であり、これが大体、パート20くらいまである。
テ氏がコッソリ

  「パート16の2って……『ファイナルファンタジーX-2』かよ……」

と呟くのを、私は聞き逃さなかった。だってオイサンも同じことを思ったから。

  弊社「パートⅣとⅨはないんですね?」
  奥方「シとクは抜いてるの」
  我々「(そこは普通にゲン担ぎなんだ……)」

テ氏はハンバーグにカニクリームコロッケ(×6!)を増量+ゴハン大盛り、
ヨ氏は焼き肉に焼きチキン増量(×2)+ゴハン大盛り。
よほど腹が減っていたのだな……。

 「オレ、カニクリームコロッケなら
                無限に食えると思うんスよ」


と、百万石の領主におさめられた年貢のごとく皿に積まれた
6個のカニクリームコロッケを前にフラグ立てに余念のないテ氏を最終的に見舞ったのは、
2度目の「大好きだったものをキライになりそうになる」瞬間だった。
だって最後の方、明らかにしんどそう、というか、
おハシで転がして食べるのをためらっているご様子でいらしたもの。

まあ……いっこいっこ、味が濃いんですよねw
そして、本来箸休めになるはずの千切りキャベツがみるみるその濃い味ソースを吸い込んで、
濃い味に疲れてキャベツに手を付けたくなる頃には
キャベツさんもすっかりそちら側に染まっているという、2重3重にからめとってくるワナ。
甲府のヒトの好みなのかしら。
甲府のヒト、血圧高いんじゃない? でなきゃあんなにしゃべれないと思うわ
(※偏ったサンプルに基づいた感想です)。

オイサンは……大盛りにしたりしませんよ。ええ、しませんとも。

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おいしそうでしょ? そうでもないんですよ ← オイ

店を出たとき、テ氏も、そして真に無尽蔵の胃袋を持つヨ氏までもが、
若干体を重そうにしていたが印象的であった。
うーん、すきっ腹の詰め込んだのが苦戦のもとだろうか。
普段だったら、そこまで苦戦するような物量ではなかったと思うんですよね。
マ味は確かに濃かったかも知れないけど。
昼ゴハンが15時近くまでずれ込んで、胃の縮こまったところにブッ込んだのが苦戦の主因か。

  ※ しかしここまで読んでいただいて皆さんお気付きの通り、
  ※ 別にね、遊び心がひどい店でも、何かのタチの悪い店でもない、
  ※ 色々天然なだけの極めて良心的なサービスのお店なのです。
  ※ 強いていうならそう、無邪気。
  ※ ひなたは今日も無邪気なサービス精神で、皆様のご来店をお待ちしております。



■甲府の夜と、再びホテル「菊富士」



さあ腹も一杯になってしまったら、あとは宿に帰ってぶっ倒れて眠るだけ……
というワケにも参りませんし、大体お前まだ夕方の4時だぞ。
大人なんだから、旅先の夜にはまだまだやることが残ってるだろ?
オトナの遊びがよ……ウヒヒ。
そう。
テ氏御用達の模型店に行って、……なんでしたっけ? やすりの、何千番だかを買うんでしょ?

なぜかアラフォーモデラーテ氏にはこの甲府に行きつけの模型店があって、
今回は奥方から、そこで何らかの塗料と2000番のヤスリを買ってこいと指令を受けているらしい。
まあテ氏からしてみれば、甲府なんてのは近所みたいなもんですから、
近所の美味しいラーメン屋でラーメンを食べて、その帰りにヤスリを買って帰ったりされるわけです。

そんなわけで、なかなか気難しそうな親父がムッツリとカウンターに陣取った、
模型店「ホビーショップイチカワ」にて買い物をすませ、
さあ軽く飲みものでも買って宿へ帰

  ヨ氏「お、クムーリ(*1)売ってる! 食べましょう!」

     うちのチームではソフトクリームをクムーリと呼びます。
     たまに間違ってムクーリという人がいますが間違えすぎると破門になります。



食うんかい! どないなっとんねん。さすが我らがエース、すげえな……。


 テ氏「食べましょう」


……。うちのチームは層が厚いなあ……
ボカぁ、あっという間に2軍に落とされてしまうよ。 ← 食べなかった人
なお、ヨ氏はクムーリの他に大判焼きを買って帰って夜食にし、
エースとヒラの格の違いを見せつけていました。

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こうふ です。 どうしますか? ボス!


宿から目と鼻の先にある地元のスーパーで飲み物を買い、宿に戻ってチェックイン。
すると、宿のおかみさん(※この人は今回地元で関わったショップ関連の人材で唯一マトモ)から
衝撃の一言が。

  「お部屋ははなれになりますねー」

これがそのはなれです。

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マーガレットの咲き乱れるお庭付きの別棟。どうです? メルヘンでしょう?
平均年齢・約40歳のバラ色ダンディ3人組が愛を育む(育みません)には最高のロケーションです。
ちなみに二部屋あって、もう一室は別のお客さんが来られるご様子。
あのね、このお宿、めっちょ安いんですよ? それなのにこの所業。鬼です。安さの鬼。

中も大変広くてお手入れも行き届いており、なんら不満はありません。
しかしこの日は天気も良く、ちょっと暖かすぎるくらいだったので、
ちょっとだけお部屋を冷やしましょうかね。
エアコンのスイッチをぽちっとな……。
……。
寒くね?
あまりのエアコンの威力のおかしさに気付いたヨ氏・テ氏が天井を見上げるとそこには、


……エアコン、でかくね?


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なんとそこには、映画『インディペンデンス・デイ』に出てきた異星人の
母艦UFOほどもあるエアコンが!!
まあそれはオオゲサっていうかただの嘘ですが(日記にうそを書くな)、
嘗ては大きなアミューズメント施設の長でもあったテ氏いわく、
「ちょっとしたデカ目のゲーセンにあるやつ」くらいのエアコンらしいっす。
ちょっとONしただけでもう寒いのなんの。

「この宿も、一見マトモなフリをして見えるが、
 実はおかしなところで牙の剥き方が斜め上なのでは」

と、我々調査団の間に緊張が走るが……クッ、なんだこの、異様な眠気は!
まさかさっきの食事になにか……ZZZ  ← 食いすぎ

ヨ氏はいつも通り、部屋に着くなりなんの抵抗もなくフトンに滑り込み、
なんだかんだ言いつつテ氏・オイサンもそれに続いて横になると、部屋はもう横になり祭り。
買い物を終えて帰ってきたのは確か5時くらいだったハズでしたが、
それから8時くらいまで……3人は無抵抗主義を貫いたのでした。


……。


実はこの日にもう一つ、
ホビーショップではないテ氏の行きつけであるところの飲み屋さんで、
夜は一献酌み交わそう、という目論見があったのですが、
如何せん、3時間ばかり無抵抗でいても、ひなたでやられたダメージが抜けきらない。

  そう、当初の予定であれば、夕方からそこに入ってゆっくり舌鼓を打とう、
  などと寝ぼけたことを目論んでいたその店である。
  誰だ、そんなあまっちょろいことを考えていたのは! 調査任務を何と心得る!

しかしまあ、せっかくなので一杯だけでもということで、
宿の風呂が閉まる22時には戻って来られるように20時をナンボか回ったころに繰り出した。
店はほぼ満員ながらかろうじて3人座れる席を確保、小一時間ばかり酒を酌み交わし、
今日我々を襲った恐ろしい出来事の数々について振り返っては互いの無事と健闘を喜び合ったのでした
(訳:何を話したのかあんまり覚えていない)。
出てくるお料理は大変おいしかったのをよく覚えている。
すじ煮と卵焼きだっただろうか。

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駅前に鎮座する、信玄公の像(ようやく甲府っぽいの出てきたな)


宿に帰ると風呂はもうボイラー切られるほとんどギリギリで、
ものの10分ほどで浴びるように湯に浸かり(間違えた表現)……
その後、なぜ部屋がジャパリパークになってしまったのかが思い出せない。
なんか色々とコンテンツの話をしていたように思うのだが、
そこから『けものフレンズ』の話になって、
ヨ氏の手持ちライブラリから、未視聴だというテ氏にキモの部分をご紹介したのだったと思う。

  なんか最初に『日常』をご紹介したときも似たような流れであったように思うが……
  マそんな感じだ。あれは魚津でであった。

そんなこんなで甲府に突如出現したジャパリパークの夜は更けた。
たーのしーい。


というところで再び小休止。
あとは、忍野八海でソバ食って、道志村で風呂入って帰るだけだよ。

オイサンでした。
 
 
 

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2017年6月19日 (月)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その二~ -更新第1128回-

2017年のGW、オッサン3人で行く甲府・昇仙峡と忍野八海の旅、第2回。
まだ1日目の午前中なんですけども。
なんでここまでがこんなに長くなってるんだ?

さて初日の午前中に、早速旅のクライマックスが来ている辺り、
今回の旅は出し惜しみナシのご様子です。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■━ 1日目・その2 ━■■■
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■1日目:昇仙峡 パノラマ台~茶屋「賢者の庵」にて(※)~
               ※実際はそんな名前じゃありません




ところで、この山の上にはお店が大きく2軒あり、
1軒はロープウェーのりばに隣接した、小ぎれい&シャレオツないかにもイマドキの観光客向けの顔をしている。

そしてもう一軒……
絶景ポイントをひとめぐりしてもといた広場へ帰ってくると、のりばから少し離れた、
山頂神社近くにあるあばらy……失礼、いかにも年季のしみこんだ山の茶屋然とした方の店から、
見るからに曲者臭の漂うらんぼうn……失礼、
威勢の良い、百戦錬磨の呼び声がする。
さきほどヨ氏が、
「あの店、『かき氷1杯300円、食べ放題』て書いてますけど、1杯なんですよねw?」
と軽くいじっていた店である。
確かにあの書き方ではよく分からヌ。


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店から出てきたご婦人の呼び声があまりに威勢が良すぎて、寄り付く客もない。
ワカル。
私たち3人も、当初は取り合っていなかったし、取り合う気もなかった。
しかしまあ……なんでしょうな。



申し訳ない。



私です。
私が最初に拿捕されたのです。

お店というか、海の家の山版のような、その内装……なんだかよく分からないオブジェが、
屋根の下に収まりながらもむき出しになって牙をむいているその様に、
そこに何があるのかに、好奇心を抑えられなかった。
声を張り上げているご婦人からは、まだ相当距離があった。
もしあれがRight-Onの店員だったら完全に射程外だ。
向こうが距離を詰めてきたとしても、離脱出来る自信があった。

それなのにまさか、
移動しながらMAP兵器を撃ってくるユニットがいるだなんて、フツー思わない。
最近ラノベだかで、『通常攻撃が二回攻撃で全体攻撃のお母さんがうんぬんかんぬん』というのがあるらしいが、
RTSでもないのに高速移動しながらMAP兵器を撃ってくるお母さんだったわけです。
そんなの見抜けない。

声をかけてくるにしてももう少し近づいてからかけるもんだろうに、
完全に油断したオイサンの左ななめ後方約5、6mの距離から話しかけてきた。
もう、最初の言葉が何だったか覚えていない。
ただ、それよりちょっと離れたところにいたテ氏が、なんとも言えない複雑な表情で笑っているのが見えた気がした。
会話の内容で憶えているのは、話がかき氷のシステムに及んだ辺りからだった。

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「かき氷もねえ、これ1杯300円でしょう? おかわりし放題だし、シロップもかけ放題なんだわ」
「あ、これ食べ放題なんですか?」
「そう。ひとりで何杯食べてもいいし、一人が注文して、他の人に分けてもいいのよ。
 毎回シロップもかけていいし」
「あ、え? 他の人が食べてもいいの? それ大丈夫なンすか?」
「いいんだズラ(*)。せっかく来てさあ、楽しんでってほしいじゃん?」


  *原文ママ。ズラ訛りって初めて聞いた。


なんというサービス精神。まさか、そこまでタガの外れた食べ放題だとは思わなかった。
下界では、おかわり自由を謳いながら実は2杯までだったり、大食いメニューも協力プレイは禁止だったりと、
様々な制約を設けて自分たちのアガリを守ろうとするのにキュウキュウとしているというのに。
ここでの無限は真の無限、本当の愛はここにあった。


  ……いま書いてて思ったのだが、このご婦人、

    1. 山の上でカフェ(?)を営んでいる
    2. 訛りがすごい(かわいい)
    3. サービス精神がすごい
    4. お客が少ないのを嘆いている

  などの共通点から、もしやアルパカちゃんだったのではないだろうか? 
  という恐ろしい仮説にたどり着いた。
  「博士に教えてもらったんですか?」って聞いてみれば良かった……。

けものフレンザーたちから殺されそうな冗談はさておき、
オイサン一人ではこの重力圏内から脱することは不可能、
最低でもかき氷は平らげて見せねば解放してもらえないだろうと踏んで、
「ヨ氏ー、かき氷、本当に食べ放題らしいぞ」
と、エースを呼び寄せる。
そうなると、若干遠巻きに見守っていたテ氏もやって来ざるを得ない。
何を呑気に見ているんだね! 知ってるんだぞ、君らこういうの大好きだろう!

そしてここからは……怒涛の一時間であった。

オイサンとテ氏はアイスコーヒー、ヨ氏は300円で、のちに
「この時期にかき氷食べるのは、生涯で最速かもです」
と語ることになる、食べ放題のかき氷を注文した。

  お婆「シロップは? なにかける?」
  ヨ氏「じゃ苺で」
  お婆「もう一種類は?」
  ヨ氏「え? どういうことっすかw」

こういうことである。


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上と下、別々のシロップを選んでいいのだ。無限のサービス精神!
選ぶのに困ったヨ氏に請われ、オイサンはマンゴーを指定した。

目の前で、ガリガリと音を立ててイキの良い氷が削られていく。
コーヒーも運んでこられ、さあコレを片付ければ観光を再開できるぞ!
……と思ったのもつかの間、お婆はさっきまであんなに熱心だった客引きもやめてしまって
我々のテーブルにつきっきりでトークショーを始めた。
こ、これでは迂闊に脱出できない!

 「かき氷はねえ、3杯半食べてった人もいるよ!」
 「あの神社はねえ、本当はあっち(ロープウェー乗り場の反対側)が正面だったのさ。
  でもあっちにのりばが出来るからっつうんで、こっちに鳥居こさえて
  お迎えするようにしたズラ。
  あたしらはさあ、その前からずっとここで商売してるじゃん?
  そういうのもずーっと見てきたんさ」

などと、まだまっとうな観光情報も提供するかと思えば、
急に一度店の中にひっこんで、お、話は終わったかな? 今なら脱出できるかな? と思わせておいて、

 「食べる?」

と持ち出してきたのは……フキである。
アイスコーヒー&かき氷に、フキの突き出し! しかも突き出しが後に出てくる!
ざんしんwww! と、ひと笑いしたのも束の間、
……このフキ、下処理がしっかりされていて、嫌な匂いやエグ味が一切なく
サクサク食べられてしまうのだった……達人の仕事です。

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  ここでウッカリ「あ、美味い。美味いっすねえ!」などとホメようものなら、
  2撃目のタラの芽弾が装てんされてしまうので、早く退散したいときは言わない方がいい。
  ……。
  しかしオイサンらは比較的時間の都合をつけやすい旅程で来ているから良いようなものの、
  時間カッチリで予定組んじゃってる人はヒヤヒヤもんだろうなw

ヨ氏がかき氷の一杯目を平らげると、
「もう一杯どうする? シロップは?」
と追撃をかけてくるものだから、ヨ氏にだってエースとしてのプライドがありますもの、
応戦しないワケにいきません。
そうするとイキオイ、話も長引いて、あちらも果たして観光客相手にそんな話がしたいのかどうか、
よく分からない話題まで持ち出してきます。


「入間のコストコで買ってくる冷凍餃子がうまい!」



とかそんな情報、わざわざ甲府の仙人から聞くような話か!
よくこんな話wwww観光客相手にwwwwするよなwwwww

  ……うーん。
  RPGの、町から外れた一軒家に住んでる婆さんから、
  たまに変な道具の効能を聞かされることがあったりするけど、なんかそんな気分だ。

マ入間方面の話になったのは、私たちがどこから来たかというハナシから派生して、
東京、神奈川の方という流れから、
お婆自身が関東圏のどんなところへ行くか、行ったことがあるかみたいな話になり、
横浜中華街の中華に話が及んで、

  「麻婆豆腐ならあたしのが美味く作れるね!
   でもあの、えびチリつうの? アレは美味かったね。
   でも餃子! 餃子はね、入間の方のコストコ、あそこで買ってくるね! あれは美味い!
   あとそこのティッシュ。それもね、コストコでまとめて買ってくるね、安いから!」

つって、もう一体俺たちは何の話を聞かされているのだか
おかしくて仕方がない。
こっちも半分調子に乗って、その話題に相槌を返してしまうものだから、
向こうはさらにサービス精神を発揮してくる無限のマッチアップ。
テ氏はテ氏で、お婆の話す道路事情やその速さに共感を示す。
お婆はときおり店に引っ込んで、「お、終わったかな?」臭を漂わせつつも、
ものの数分でまた現れる、という謎のシーンチェンジを繰り返し、
なんなら衣装替えがないのが不思議なほどの舞台転換さばきでありました。

  テ氏「あの、時々いなくなるのはなんなんでしょうねwww?」

分かりませぬw 奥で水でも飲んでるんじゃないのかwwwリポビタンの瓶でww
一体、お婆の本来のオシゴトは何なのか、客引きなのか、ホールなのか厨房なのかホステスなのか。
話の最中、神社に備え付けの自動おみくじ機の調子が悪かったらしく、
独りのお父さんが訴えにやってきたのだが、
なんだか非常にざっくりした対応をしていたようにお見受けしました。
山の看板娘を、オイサンたち3人で独占しちゃってていいのかなあ。
ボクらそろそろ、オイトマした方がいいんじゃなあい(そろそろ次へ行きたい)?

突き出しに出てきた山菜についても、ちょっと尋ねれば

  「ああ、あんなもん、ここに上がってくる途中にちょっちょっと寄り道すればもう、
   お店で売ってるズラ? こーんなちょびっとの束が、300円、400円?
   (いかにも作った渋い顔の前で手を振る)とーんでもない。
   タダさー、自分で摘んで来れば」

演技派だもの。
お婆、どっかで女優でもやってたんじゃないの?
……などと話を振った日には、きっと娘時分の自慢話の一つや二つ飛んでくるので
言いませんでしたけれども。
そうして極めつけは、お婆、昇仙峡の地図を持ってきて、
とっておきの観光情報でも教えてくれるのかな? と思いきや。

 お婆「あんたらどうやってきたズラ? 車? どこ停めたさ? この道で、この駐車場。ははあ。
    よく聞きな、ここに三叉路があるでしょう?
    昇仙峡の入り口のところに駐在所があるズラ。
    ここにはねえ、もうずーっと前からいてくれてるお巡りさんがいたんだけども、
    この四月で定年になっちゃって。替わるときもちゃーんとあいさつに来てくれてねえ……
    それはそれはいいお巡りさ(中略)
    そんでこの4月から、新しい駐在さんがくるズラ?
    これがまた……(さっきの渋面+煙たいしぐさ)……なんズラねあいつは!
    Tシャツにジーパン履いてもう、小僧っ子みたいな格好して、
    ここ! この三叉路の陰に隠れて、一旦停止するかもう、じー……っとみてるズラ!」
 俺ら「(ああ、三叉路のハナシはここからなのか)」
 お婆「この三叉路で、一旦停止するズラ? そしたらそいつ物陰から出てきて、
    『止まってない!』って7000円と減点よ。マーいけ好かない!
    だからね、あんたらはここの一旦停止でキチッと止まって、3秒! 三つ数えて発進するの!
    いいね!」
 俺ら「はい、わかりました!」
 お婆「ねえ! せっかく遊びに来てくれてさあー、
    そんなことでイヤな思いして帰ってほしくないじゃん? 3秒! ね! 気を付けて!」

お婆、観光案内所では教えてもらえない貴重な情報ありがとう!

かくして、かき氷2杯、アイスコーヒーを2杯、そして突き出しの山菜(フキ、タラのメ)をいただき、
我々は賢者の祠をあとにしたのであった……。
あ、ついでに話の中で出てきたマスコット犬コロちゃん(故人)のお写真も見ていきました。

かれこれ……3、40分は捕まっていたのではないだろうか。
イヤ、お婆、悪い奴じゃないんだよ。すっごいいい人!
でも、なんだろう! なんなんだろうなー!
しかしなんだろうな、なんでこんなに長引くのか。
オイサンがリアクション返すのが悪いのか?

……。

などと面白おかしく書いてはいるが(実際面白おかし過ぎたんだけど)、
あとから思い返して調べてみれば、
昇仙峡ロープウェーの開業がおよそ50年ほど前で、
お婆はそれ以前からあそこに店を構えていたような口ぶりではあった。
また、定年になったお巡りさんからも敬意を払われる関係性は、
まず間違いなく年上であろうと推測できる。
……お婆はいま一体いくつで、いつからここに庵を結んでいるんだい……?
まさか俺たちはとんでもない偉人にコンタクトしたのではないだろうか……。

ちなみにお婆は一人ではなく、お店にはもうひと方、同じくらいのお年のご婦人がおられました。
ずっと一緒にやっているのかね。なんだかすげえや。

釈放されたあと、さあ人間界へ帰ろうとのりばに行くと、
次の便は近かったのだが随分ギッシリと並んでおられ、もしかするとギリギリ乗れないかも知れない、
というほどであったので、20分ほど時間をつぶして次の便を待つことにした。



……キミらさあ、こんなに人間おんのに、なんで誰もあの店に来ぇへんかったん?



例の、例の占いマシンが故障した不信心な親子くらいやん?
こんだけ、ロープウェーに乗り切られへんくらい人来てんのに。
この前にも後にも、ロープウェーは20分間隔で運行しているのに。
あの店来た人、ゼロやったやん?
試しに「昇仙峡 かき氷」などでググってみても、
何やらクソオサレな山ガールやサイクリストのいけ好かないブログやインスタばかりが見つかって、
山頂でお婆さんにつかまり、入間のコストコの冷凍餃子がウマイ話を聞かされた、
などの奇譚は一つとしてヒットしないのです……
お前ら、昇仙峡までいって、あの話を聞かないで何をやっているのか!
何を思い出と呼ぶんだ、お前らは。

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窓部が顔出しになっている、ある意味逆転の発想の看板。
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景色は普通に絶景なんすよ。


20分ばかりは、謎の鈴投げ入れアトラクションと、
変わりダネ顔出し看板(ロープウェー型の窓から顔出すタイプ)などで楽しく過ごした。
オッサンてなんでも楽しくできるから最高だな。
これがJKやOLではそうはいかないであろう。



■1日目:昇仙峡・仙娥滝



さあ、山頂で1時間半ほども費やしてしまいました。
昇仙峡は、なんて見るトコ盛りだくさんなんでしょう。
地上に降り立った我々、ようやく昇仙峡の本丸に切り込んでまいります。
ここから昇仙峡さんの本気が……

  テ氏「そんじゃ、ちょろっと滝くらい見て帰りますかw」
  ヨ氏「でっすねw」

きみたちw! なんでもう「見終わった」みたいな空気を出しているんだねw!!
分かってるぞ、キミらもうすっかり腹ペコなんだろうw!
そりゃそうだよ、だってもう1時半なんだから。
山頂であんなに時間食うなんて思ってないだろ!
そういうときはもう「空腹はゴハンまでとっとこう」なんて考えないで、
なんかお腹に入れるんだ! じゃないと、落ち着いた気持ちで景色を見られやしないんだぞ!

  以上、途中のコンビニでパン買って腹ごしらえ済みの人の意見です!
  マ、あとで美味しいものをお腹いっぱい詰め込みたい!
  って気持ちはよく分かりますが。
  まあいいさ、見てろよ、あとでモノスゴイのたらふく食わせる店に連れてってやっから。
  ですけども、ホント皆さん、旅行で景色を落ち着いて見たいときは、
  お腹の具合は先に整えた方がいいですよ、ホント。すきっ腹は落ち着きがなくなるから。

そうして向かった先が、昇仙峡のメインスポット、仙娥滝と覚円峰。
「ロープウェーの駅を降りたら、歩いて5分くらい」というお婆の情報に従って川沿いを下っていき、
なぜかエイリアンVSプレデターが展示されている(ホンマになんでや)謎のみやげもの長屋を抜けると、
年季を経て見るからにザワザワした手触りの、ひやりと冷たい鳥居が現れます。

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それをくぐり、左手に切り落とされた断崖、右手にはそびえる岩壁を見つつ下った先に、
舞い上げられた水の粒子が早くも辺りをつつみ込み始める。
渓流だけが持つ涼やかな水気(すいき)に、体がつま先から洗われていくのが
ありありと感じられるようになる。
石段も、岩壁も、どんよりくぐもった鼠色とこげ茶色の中間の色をしているのに、
空から降りてくる光の淡い緑が一枚加えるトーンが、それらを打ち消して余りある明るさを作っていた。

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そうしていよいよ姿を現す、仙娥滝。
はあ、これはなるほど、立派な滝。荘厳。
水もどうどうとたいへんな勢いで、滝の頬とも呼ぶべき、しぶきに濡れる巨大な岩の壁も艶っぽい……。
ちょろちょろ注いだり、サラサラ舞い散ったりするのも滝ですが、
これはもう、昔話の滝。ザ・滝。文句のつけようのない滝オブ滝。た&きであります。

滝というのは、いつも思うのだが、見聞きするにとどまらず、体感するものである。
写真では言わずもがな、動画でも、伝わるものは全体の1割、2割というところだろう。
今はやりの、VRや4DXを組み合わせて世界中の滝を楽しむコンテンツを作れば
かなり良いのではないだろうか。

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目で味わう情報の全体を占める割合が、他の景観に比してきわめて微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感。
擬音で表現すると、

 どずん!
 ガン!
 ふわっ……
 ゴドドドドドドドドドドド……

というような(分からんわ ← いや分かるよ)。
大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。

この日はもう、天候的にはこれ以上ないくらいのパーフェクトウェザーだったので
大変にすがすがしかった
ここ多分、曇りか、小雨くらいの時に行ってもまた違う良さがきっとあるであろうなあと思う。
マその場合、足元には厳重な注意が必要だろうけど。



■1日目:昇仙峡・覚円峰



……どうでもいいけどさ、昇仙峡行って、
茶屋のオモシロお母さんを、仙娥滝と覚円峰と同じ扱いの章区切りで扱って書くのって
どうなんだろうね。イヤいいんだけど。

天上で過ごした仙人との時間で随分と予定が狂ってしまったとあって焦りを見せ始める
(あと大変お腹が空いている)二人を
「もうちょっとだけ! もうちょっとだけ奥まで行ってみません?」
と説き伏せ、もうチョットだけ奥へと進むことに。 先っちょだけ! 先っちょだけだから!!

……マそもそも、仙人の庵にウカツに近寄り
問答無用のマップ兵器でズドンとやられたのはオイサンなので、
時間食ったのはオイサンのせいみたいなところはあります。
これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビっておりましたが、
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛びました。

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覚円峰とその周辺の景観については、マ以前書いた通りで、
頭上に大きく、庇のように張り出した岩をくぐった先で急に広がる渓流の眺めが大変ドラマチック。
自然というのは本当に、想像を越えてくるくせにある種人間臭い、
心になじむ景色を作ってくるから畏れとともに親しみを覚えざるを得ない。

覚円峰さんは、目の前にもう突然、ずがんっ! っと。
ずがんっ! と垂直立ち上げの人であり、また流れの対岸に一人でおられるので手にふれることも出来ず、
狂った遠近感の向こう側で、どこか蜃気楼のように佇んでおられるので、
あまりこう……現実感がない。
「高さ180m」というスペックも、正直、この感覚の前ではあまり意味がないように思われる。
皆さんにも分かりやすくたとえると、
ダイターンがガオガイガーを肩車したくらいの大きさです。

  ちなみに、かの有名な一枚岩、オーストラリアのエアーズロックさんは地上からの高さは350m弱らしい。
  真下からずばっと見上げたら……どんなもんだろうか。やっぱり差はわかるのかな。
  あと、エアーズロックさん、
  最近は現地人の呼び方で「ウルル」という呼び方に直されているご様子ですね。

ぬぼっと高く、凹凸はありますがことさらゴッツンゴッツンした感じではないので
赤いペンキで「SOUND ONLY」とか落書きしてやりたい(怒られます)。
前回、「水墨画の様だ」と書いたのですが、そう書くのは、
現実味、存在感の希薄さを無意識に感じとったときなのかもしれませんな。
はっはっは。 ← 何を笑ろとんねん

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こういう大きな岩には、険しさよりも、語り掛けてくるようなやさしさ、
包容力のようなものを感じてしまうのは、この星のザ・岩な部分を感じてしまうからなのでしょうか。

などと、先へ進むほどバリエーション豊かに変化する景観と、とうとうと流れる清流に身を任せていると
時の流れにのってどこまでも行ってしまいそうだったので、
ここらでおしまいにして次のスポットへ向かいましょう。
ていうか、お二人の空腹がきっともう限界だ。

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自分ひとりだったら、きっと本当に、朝から晩まで丸一日、
上から下まで何往復もして過ごしてしまうことでしょう。
ていうか、今度一人で来てそれやーろうっと。
早朝の光と夜の光できっと全然違うであろう。



……。



サテまたしても長くなってきたのでここらでお別れ。
次回、ようやくお昼ゴハンにありつきます。

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オイサンでした。

 
 

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2017年6月18日 (日)

■裾野に根付く~甲州・昇仙峡ぶらり旅・その一~ -更新第1127回-

先にもお伝えした通り、GWに1泊2日で、山梨は甲府にある昇仙峡を訪ねてきました。

素晴らしい景観と美しい水と、豊富な才能といろいろと過剰な料理に恵まれた
それは素晴らしい旅だったことは前回書き残した通りなのですが概略を記したに過ぎず、
アレでは圧倒的にディティールが不足しているので、
描き切れていない様々な驚き、甲州七大驚異についてつぶさに書き残して置こうと思います。

なぜならコレは日記なのですから。



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■■■━ 黎明~Awaking~ ━■■■
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先の日記でも書いた通り、今回の旅は、始まりと成り立ちからして
いくつかの偶然が織り重なって出来たモノでした。

行先を決めるに当たっては、候補に挙がった山梨という言葉に私が反応しました。

旅の数週間前、私はたまたま一人で甲府を訪れていました。
旅先には、比較的近隣で、静かで、人の少なそうな町を選んだつもりが、
その日はたまたま町の一番のお祭りの日で騒がしいことこの上もなく、
辟易した私は、目抜き通りを外れた小さな喫茶店に逃げ込んだのでした。
そこで、よくしゃべる店の女将に、昇仙峡という渓谷のことを聞いたのです。

旅を仕切るテ氏が行き先の候補を挙げた中に山梨があり、
昇仙峡のことを思い出した私が、そういえばこんな場所があるらしい、と、
よく調べもしないうちから名前を挙げたことが、第一のきっかけとなりました。
出立の日も近付いていたので、サッサと行先を決めてしまいたい、
という心もあったのかも知れません。

いずれにせよ私たちは行先を甲府・昇仙峡と定めで旅に出、
そこで一人の怪人……否、賢者、仙女と出会うことになるのです。
彼女はそこに、50年住まう者でした。


第2の偶然は、テ氏が選んだ宿の場所でした。
ここだ、と彼が送って来た宿の地図の場所を見て、私は思わず目を眇めました。
その宿は、私が一人旅行をしたときに立ち寄った、奇怪なメシ屋のすぐ傍でした。
そのメシ屋は、味こそやや濃いめではあるものの普通の範疇でしたが、
その立ち居というか、佇まいというか、風体というか、
つまりは見た目と雰囲気が独特、
独特中の独特、
ザ・独特、
独オブ特でありました。
世間には、監獄を装うなどエキセントリックな見た目を
セールスポイントにしているレストランなどが多々ありますが、
本人はそんなつもりないのに結果あんな感じになったお店、と言えば良いでしょうか。
そんなお店であるので、私は特段、2人の旅仲間にお店のことを教えたり、
お連れしたりするつもりもなかったのですが、
そんな偶然の方からこちらへ歩み寄って来られてしまうと面白くなってしまい、
彼らにその店のことを話してしまいました。

  彼らがあのテの魔窟をよく好むことは知っていたので、
  そこに恐れや躊躇はありませんでした。

そうして初日の昼をその店で摂ることが決まり、
……そこでもまた、私たちは一組のエキセントリック老年カップルと出会い、
独特の世界観に飲み込まれることになったのでした。
彼らはその場所で、40年に渡ってあの頑迷なメシを人々に供し続ける者でした。

最後の偶然は、初日から連なり2日目に起こりました。
今回の旅はとにかく快適だったのです。
天候は最高でした。
空はよく晴れ、暑すぎず、寒すぎもせず、そして道路事情も素晴らしく快適で、
日本一の大型連休のさなかであったにもかかわらず渋滞知らずでスイスイと、
我らがジェントル号の足はよく回ってくれました。
そのせいで……我々は、「あまりに早く目的地に着き過ぎる」という道の恐怖を体験することになりました。
なにぶん、予定を「昇仙峡に行く」しか考えていなかったのです。
しかも、それは2日目に行われる筈でした。
初日は、甲府の町近辺でもゆっくりと見て回り、少し早い時間から宿と飲み屋にでも入って、
のんびりマッタリしようじゃあないか、という
壮年の男にありがちなプランニングをしておったものですから、
さあ困った、いざ初日の午前中のうちに甲府についてしまいそうだとなってくると
さすがにそんな時間からは宿には入れない、飲み屋にだって入れない。
慌てふためいた我々は、昇仙峡は初日のうちに見てしまおう、
明日は明日で何かを考えようと、なんともらんぼうな、
行き当たりばったりにもほどのあるプラン組み換えを敢行したのです。
その時誰かが……たしかヨ氏であったと思うのですが……言った、
「水のきれいな場所とか、なんか近くにありませんでしたっけ?」
という言葉から、2日目の目的地として忍野八海が決定されたのです。

そしてそこで、幼い頃に訪れたことがあるというヨ氏の記憶に導かれ、
訪ねた謎の「製麺所」にて……そこで30年のときを刻む最後の賢人、
ビジネスモデルの神と巡りあうことになるのでした。

大きな3つの偶然と、出会う3人の……厳密には2人と一組の……怪人。
90年代の終わりに2000年代のテクノロジーを悉く予見した、
名著『機動警察パトレイバー』の中で、
登場する敏腕刑事・松井がこのようなセリフを残しています。


 「俺も偶然は二つまでは許すことにしてるんだ。
  しかし三つも重なったらこいつは偶然とは思えん、何らかの必然があるんだ」



あまり想像したくはありませんが、そう、これはもう必然なのでしょう。
テ氏と、ヨ氏と、そして私、3人には、怪人を引きよせ、怪人に引き寄せられる
素養が備わっているに違いありません。
スタンド使いみたいなモンです。
今こうして思い返してみても、不可思議な出会いの糸が、
何者かの優秀なストーリーテラー……たぶん堀井雄二あたりだと思いますけど……によって
紡がれていたのではないかと思える、そんな旅でした。

……マ前のときにも書いていますけど、大筋はコレで大体全部なので、
あとは細かいところが気になる人だけ読んで下さい。
お写真なんかも、良いトコは前の記事で大体載せているので、そっちを見れば済んでしまいます。
3賢者のありがたいお言葉をつぶさに心に刻みたい勇者だけが、この先の頁に進んでいい。



さあ、旅を始めましょう。



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■■■━ 1日目 ━■■■
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■1日目:出発 八王子~奥多摩湖~国道411・大菩薩ライン



集合は朝の6時。
よつさんは、前日何やらとてつもない肉を食らっている様子がTwitter上で見受けられたので、
もしかすると羽目を外して、今日こそは久々に良いシゴトするかも(※)?
と期待されましたが全然オンタイム。

  ※遅刻するかも、の意


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GW期間中とはいえこの日は平日で、八王子、青梅を抜けて奥多摩湖へ向かう途中では、
垢抜けないJC、JKや学ラン姿のクソ坊主、
サッソーと自転車を走らせるイケメン学生さんらと道を行き交うので、
退屈しのぎに、「こいつはモテねえ!」「こいつはモテる。余裕がある」
などと、積年の知見を元に的確な品評会を開催しておりました。
すまない学生諸君。
オジサンたちは平日に遊んでいる上、これから学校へ行こうという君らをダシにして
ワリと笑わせてもらったぞ。

  しかしそれは仕方のないことなのです。
  なぜなら、この時点では旅がどういう方向に転がるか、まだわからないのですから。
  何かしらでも拾いあげて土台固めをしておく必要があるのです。
  なにも素晴らしいことが起こらなかったとしても、
  なにがしかの「楽しい」があったことを、組み立てておかなければならないのです。

時間の割に車の数は目につくものの渋滞とは無縁で、
妖怪ペダル、妖怪ばくおん、妖怪山登りジジイ・ババアなどの妨害も少ない。
奴らの出現は、やはり休日であることが条件であるもよう。
ただし今回は新たなトラップとして、妖怪路肩三脚ハミ出し老人の出現が数体確認されました。
あれは動的なトラップではありませんが、危ないな。
この世ではみ出していいのは、唯一二次元ギャルの乳輪だけである。

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「平日の朝のワリに人がいる」と、テ氏も驚きの奥多摩湖。
まあワンサカというほどではないけれど確かに人影は目につき、
しかしそれ以上に目についたのは燕の多さでした。
気を抜くと衝突しそうな数と頻度でヒュンヒュン飛び回っておられ、
見れば、あずまやの軒に巣を建設中のご様子。


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30分ほど休憩ののちエンジンを再始動させ、いよいよ道は青梅街道・大菩薩ラインへ。
大菩薩ラインは、国道411号線の、大体奥多摩湖の西のしっぽの辺りから、
甲府に入る手前あたりまでをその様に呼ぶようです。
テ氏もお気に入りの道なのだそうで、
「いきなり現れるヘアピンとかあっていいんすよ。
 うちの奥さんと『爆笑カーブ』って呼んでんですけど!」
とご満悦。笑ろてる場合なんスかそれ。

  ※テ氏の安全運転技術はグレイトです。

そんなテ氏オススメの大菩薩ワインディングロードをワインワインすること、1時間あまり。
私たちは、塩山千野のセブンイレブンにおりました。


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「まだ10時……。道がすいてたら、奥多摩湖からここまで1時間で来れちゃうんだなあ」


しみじみとテ氏が言いました。

オイサンは、自動車の運転を一切しないせいか、
他の3人(※隊長を含む)に比べると道路のことや途中の休憩ポイントの特徴などについて、疎い。
しかしこのセブンは印象に残っていて、以前もここで休んだ記憶が甦ります。
坂の途中にあるからなのか、建て方が乱暴なのか、
なんかちょっと傾いている感じがするからかもしれない。

このままいくと、11時には甲府に着いてしまいます。
甲府で何をするのか? 実は、何もありません。
冒頭でも述べた通り、今回の旅の大きな目的は昇仙峡だけであって、
あとは「なんかのんびりしよう」くらいしか考えてこなかった。
昇仙峡は明日、今日はゴハン食べて湯に浸かってエッヘッヘッヘくらいの、のんべんだらりよていなのん!
無計画じゃこまりますん!

そこで、……記憶は曖昧なのですが、
「なんかこの辺に、水がキレイなとことかありませんでした? 前言ってた……」
と言ったのはヨ氏ではなかったでしょうか。
それを聞いてピンと来たのが忍野八海でした。
甲府から近いかどうかは、オイサンのモノサシではわかりませんでしたが。


  「忍野八海? 帰り道に? 行けるの?」
  「調べてみる……全然ヨユー」
  「じゃそれで」


決まりました(はやい)。



■1日目:昇仙峡ロープウェー~パノラマ台駅



そこから一時間あまり。
甲府の町を一旦抜けて、山に入り、昇仙峡のエリアに足を踏み入れます。
オイサンは言い出しっぺなので、昇仙峡の大体のマップは頭に入れてきております。
できる子。
……の、筈だったのですが。

昇仙峡は、甲府の北の山中を南北に流れる荒川に沿って形成された渓谷で、
オイサンの調べたところでは、その北端と、中ほど、南端の三か所に代表的な駐車場があるようでした。
端っこの駐車場に止めて反対の端まで歩けば1時間半ほどらしく、
自分ひとりであればそのコースをとるだろうけど、
さすがに三人でそれだけ歩くのは、時間的にも距離的にも無理があるので、
クルマを見どころの集中する真ん中の駐車場に停め、その周辺を散策するプランを提案しました。
……の、筈だったのですが!

一つ目の駐車場がゲキ混みだったので。
知ってます? ゲキ混み。ゲキ混んでんすよ。
まだ奥に駐車場があるので、もう一つ奥まで行きましょう、とテ氏にお願いして車を走らせてもらったトコロ、
着いたのは……どうやら、最も奥まった駐車場。
あるぇ~~お~かしいぞお~???
……どうやら、先ほどパスしたゲキ混みPがセンター駐車場で、
南端の駐車場は気付かぬうちにパスしてしまっていたらしい……。
すまないみんな、オレのせいでこんなことになってしまって……。

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しかしそれしきのことでうろたえる我々ではありません。
順調であることには滅法弱いが、乱れることに関してはオーソリティなのです。
これまで伊達に、100㎞も寄り道をしたり、
木崎湖に行くつもりが白馬までに行ってしまったりしてきたわけじゃない、この程度はへのカッパ。
「じゃあもうここを拠点にしちゃいましょう。駐車場広いし」
と決断し、車を降りてすぐ目に入るのは……
穏やかな荒川の流れと、昇仙峡ロープウェーの文字。

しかし今にして思えば、この誤りとも呼べない些細な道誤りも、
今回の旅の重要な偶然ファクターであったかもしれません。

……もし首尾よくセンター駐車場に車が停められ、
下流からさかのぼるお仕着せの探勝ルートを辿っていたならば。
ここにたどり着くまでに、観光らしい景勝を存分に堪能していたならば!
……果たしてテ氏は、苦手を押してまで「ロープウェーに乗ろう!」などという決断を下したでしょうか。
オイサンのアタマでは、このロープウェーには乗るつもりはなかったのです。
なぜなら、

  テ氏  「……ロープウェー乗りましょう。せっかくだから」
  オイサン「え? ダイジョブなんすか?」
  テ氏  「全然。ダメに決まってるじゃないですか」


こちらの御仁、高いところがダメなのである。
だからネットで見たときから、オイサン的には「この乗り物はハズシだな」と考えていたのだが。

  テ氏  「乗りましょう! せっかくだから!」
  オイサン「え? 本当にダイジョブなんですか??」
  テ氏  「全然!? ダメに決まってるじゃないですか!!」


男気という奴です。もしくはドMです。
まオトナが自分で「大丈夫だ」とこれだけ言うんですから、
周りとしては、それ以上何も口出し出来ることはありません。
乗りましょう乗りましょう。

弥三郎岳ロープウェーは、片道約5分、往復で1200円。
マ平均的な観光ロープウェーと言えましょう。
大きな混雑ではありませんでしたが、オイサンらはその便のほぼ最後尾での搭乗となったので
ワリとぎゅっと詰め込まれた感じです。
個人的には、マこんなもんだろうな、という運行と眺望であったのですけれども……
降りてみると、テ氏とヨ氏が何やら盛り上がっている。

  テ氏「あいつらが! あのブサイクが!」
  ヨ氏「ですよねw! ですよねw!」


あとから聞けば、どうやらぶっさいくなカップル……失礼、美しさの著しく不足した一組の男女が、
その見た目に違わず、心の美しさも一緒に母親の腸の中に置き忘れてきたらしく、
ロープウェーの恐怖に打ち震えるテ氏の眼前でムイムイちゅっちゅと
いちゃラブワンダーランドを建国していたのだそうな。
普段は温厚で、他人を悪しざまに言うことなど一切ないテ氏であったが、
このときばかりは憤懣やるかたないとばかりに
そのいら立ちを面白おかしく爆発させておらっしゃった。

なんでも、ゴンドラの外を見るのがおっかないので内側に目を移せば、
ギュウギュウの車内ではもう目の前のブサイクラブキャッスルしか目に入らず、
それでも構わず彼らは分泌物の交換に余念がないという状況で、
引くも地獄、進むも地獄の昇仙峡・愛の絶景地獄であったらしい。

  あっはっはっはっはっはwwww災難だったなwwwww ← 鬼


 テ氏「まあ、そんな人の容姿を悪く言うつもりなんかないですよ?
     ないんですけど!
     それでもあのブサイク……!
     あいつらねえ、あの濃厚さはきっとまだ付き合い始めたばっかですよ!
     あんなモンひと月は持たない! 絶対です! 3週間かなーもって!
     ホントもう、めちょめちょベチョベチョと……男の方もですけど、
     女の方! 絶妙ですよ! ブサイク! しかもカラダの方がロケットおっぱいでしょ!?
     あのワガママボディでブサイクとかもう……尚のことたちが悪い!」



と、オイサンとヨ氏も、手を叩いて賛同するよりほかなかった。知らんけどw
いや、まあ、確かに。
言われて意識して見てみれば、
ロープウェーを降りた先の山頂に点在するスポット先々での彼らの淫行は目に余るものがあった。
もう少しこう、節度をもってワイセツ行為に臨んでもらいたい。

  このあと、宿に帰って今日一日を振り返った際に、
  彼らはこの先つがいでいるであろう期間(見積もり)から
  「3週間フレンズ」
  と名付けられることになる。
  我々の眼前で、ヘタにオモシロ行いに及んだのが運の尽きである。
  コチトラ何だって拾っていくんだからな? コノヤロウ。

……というワケでこれからしばらく、この弥三郎岳山頂周辺のスポットをご紹介してまいりますが、
我々の周りでは大体常にブサイクなカップルが濃厚ラヴを育んでいると思いながら読むと、
暑苦しくて良いと思われます。

ロープウェーでは、弥三郎岳の「パノラマ台」と名付けられた場所まで上がることが出来ます。
山頂まではそこから20分ほど尾根を歩かなければならないようですが、
我々はそこまでは行きませんでした。

パノラマ台からの眺めでも、晴れてさえいればどこからでも富士山と南アルプスの山並みが見渡せ
十二分に美しかった。
ザ・絶景。
……にもかかわらず、コレである。


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どうです、この自信。
絶景なら、キミの背後にもあるではないか……。
「こんなもんじゃないんだ、本当の絶景はこの先にあるんだよ!」
と押し付けてくるこの態度に、
「……もしかして、この後ろの崖の下になんか見せたくない物でも転がっているんじゃないか?」
と勘繰りたくなるほどのリードぶりである。
そしてこれである。


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「くん」を付けただけで愛着がわくからすごい。
大事なものであるなら、せめて屋根の下に置くとかケースに入れるとかすれば良いのに。
野ざらし。
それに、周りにこれだけの絶景があるのだから……
ナンも、敢えてここにモーターを展示しなくても良いようなものだが……。

  責任者「おい、こんなに何もなくて大丈夫か。山しかねえぞ」
  下っぱ「た、確かに……。せめてコレ置いときますか?」
  責任者「おう、無いよりマシだ、置け置け」

ってなモンであろう……つまり!
「モーターくん」がここに置かれていることは、
この絶景がこの辺りで暮らす人たちにとっていかに特別でないタイクツなものであるかを
逆に示している……のだと思われる。奥が深い(深いものか

一応、この山頂付近には絶景ポイントがいくつか用意されているのだけど、
正直どこから見たってどれも絶景オブ絶景、絶オブ景、絶&景なので、ひとまとめにお写真置いときます。


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あ、ただし、天気が悪かったらナンモ見えないと思います。
そんな時こそこの、モーターくんの出番であろう。
旅が雨で台無しになった旅行者の心を、そっと慰めるモーターくん!
……マ、そぼ降る雨に濡れる、役目を終えた野ざらしモーターを見て、
盛り上がった観光マインドがどれほど満たせるか……オイサンは知らんが。
それでテンション上がる女とは付き合いたくない……かな? イヤちょっと興味あるな(知らんわ


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よくある鳴らすと幸せになるアレ


ほど良く長くなってきたので一旦ここで。
次回、いきなりクライマックス。
オイサンでした。

↓次回の惨劇の舞台

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2017年5月27日 (土)

甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その3~ -更新第1126回-

2017年のゴールデンウィーク日記の続き、いよいよ最終章。
つって、別に他人が読んでも面白いこと何もないけど。
5月4日から、5月7日まで、人類が滅亡するまでの最後の4日間を描く感動巨編。


  ~~あらすじ~~


主に、新宿都庁に向けて北朝鮮からミサイルが飛んできて、
オイサンが疲労で一人で滅亡します。



■■■ 05/04(木・祝) ■■■



  サテここからはGWもいよいよ後半戦。
  しかし祝日2日を含めたこの最後の4連休にはコレといった大きな予定は入れなかった。
  6日の土曜日に、夜から新宿で朗読劇を聴きに行く、というのが一つあったくらいだ。
  それ以外はのんびりと、普段の土日をこねて引き延ばしたような時間を過ごした。

前日、帰るなり倒れるように寝てしまったので4時過ぎに目を覚ます。
この日は、ハッキリとした予定にははしていなかったものの、
近頃あまり行っていないネオ百合丘のオサレ喫茶でスコーンを食べようという心づもりにはしていた。

その店は木~土曜日にしか開いておらず土曜日はいつもそこそこ人が入るので、
ゆっくりしようと思って朝イチから入ったところ、
この日は連休中で皆遠くまで出払ってしまっていたのか、訪う人も少なかった。
かなりゆっくりしていたのだけど、オイサン以外にやってきたお客は一組だけだったのではなかったか。
独りだけ気合が入り過ぎて開店と同時に入ってしまった人みたいで若干はずかしい。
緑に囲まれた窓辺の席で、木漏れ日を眺めながら大変心安い時間をすごした。

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あんまり天気がいいものだから
店を出てからも近くの公園でなんてことのない木や影の写真ばかり撮ってしまった。
ホント何もない時間のようで、やっているときはフと我に返り

  「せっかくの長い休みを、こんな時間の使い方してて良かったろうか……」

と思ったりもしたのだが、今こうして振り返ってみるとそれはやはり良い時間、
普段は出来ないことだったなと思えるので、間違っていなかったのだろう。
普段出来ないワケではないけど、その前後に、大きなゆとりの時間が控えている
あの状態の心の在りようというのは、やはり得難いものだ。

帰りもブラリと店を覗いたあとは、そこから二駅、柿生、鶴川と歩いて帰った。
あまり写真ばかり撮る気はなかったのだが、
途中どうしても大きな木やら、キレイな影やらを見かけると我慢ができず
カメラを取り出してしまうのだった。
マ撮ったからと言って、これといった写真になりはしないのだが。

  しかし自分が大きな木にやたらと気を惹かれてしまうのは、
  いまだに『ときめきメモリアル』の暗示が抜けないからなのではないか、と
  柿生と鶴川の道沿いに張り出した、大きなケヤキを見て思う。

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この道は、ツイッターに一番がっつりとはまってた時期によく歩いていた道なので、
この場所であんなツイートしたな、みたいな記憶がそこかしこで蘇る。
たかがSNSだが、長くやってると、ボチボチそういう「思い出」のようなものも付きまとうようになるな。

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結局、10時半頃に家を出て、帰り着いたのは17時近かったのではなかったろうか。
うち2時間ほどはお茶していたが、あとはずっと歩いてたんだな。
夜は、昨日、忍野八海の名泉そば製麺所で買ってきた太うどんを茹でたのだが……
自分の買って帰った太うどんは、店で出たそばや細うどんと違い
15~20分も茹でなければならないなかなかの高難度ミッションであり
普段うどんなんか家で茹でないもんだから量も間違えて、わりと大変な事態となった。
そばや細うどんは、一人前ずつキレイに別れて箱に収まっていたようだったのに、
太うどんは、なんかもうゴチャッと! ……箱に突っ込んであったんで、
一人前がどのくらいか分かりづらかったんである。
しかしそれでも美味いのだから大したもんである。

好天と緑に包まれた、なんとも幸せな一日。



■■■ 5/5(金・祝) ■■■



子どもの日。オッサンだけど子どもなので、この日はオイサンの日です。
正直、この日は何をしたのか殆ど記憶にない。
どうやら朝ジョグをし、あとは近所の喫茶をハシゴしつつ本を読んでいたようだ。

2軒目を出るときマスターが出口まで追いかけてきて、
「日曜は臨時で休みなので」
と教えてくれたのが印象に残っている。
以前はよく食べていたのだが、最近見かけなくなっていた美味しい納豆(だが高い)が
売られているのを見つけた。

あとは、PCにたまったの写真を整理したくらいだろうか。
HDDの空き容量が、現在十数GBしか開かないのですぐ一杯になってしまうのだった。



■■■ 5/6(土) ■■■



ここからは普通の土日になる。祝日は死んだ!
今日は新宿の、紀伊国屋サザンシアターで
「声の優れた俳優によるドラマリーディング 日本文学名作選 第四弾 三四郎/門」を聞きに行く。
開演は19時からなので遅くから行ってもいいのだが、
母の日の贈り物を見たりする都合もあって早めに家を出、途中カフェで書き物をしたりしつつ、新宿へ向かう。

……が、母の日案件については隣駅でさっそくカタが付いてしまい、
12時過ぎには新宿に着いた。
マその先どのあたりに潜伏するかも考えてはあったのだけど、
チョット色気を出して、都庁の展望台まで上がってみようだとか、
探偵・神宮司三郎のデビュー作でおなじみ、新宿中央公園を覗いてみようだとか、
余計なことをしているうちに考えていた場所へ行くことは出来なくなってしまった。
マそれは大した場所じゃないからいいんだけど、
ずっと新宿近辺にいたせいでどえらく消耗した……。

電車を降り、南口から外へ出てみて、人が少ないことに大変驚いた。
実際は出口へ向かう途中、改札を抜けた辺りで、既に人の少なさを感じていたが、
こんなに人のいない新宿は初めてだ。
人がいない、と言ってもあくまでも平日の新宿との比較にすぎず、
魚津や甲府に比べれば全然ひとはいるのだが、
それにしても歩きやすい。
GW中は都心から人が出払っていて人口密度が下がっていると聞いていたが、ここまでだったのか。
そら初日は高速中が真っ赤になるわ。


 ■都庁の展望台


都庁の展望台で思ったのだが、
お隣の半島や大陸からの来訪者が多い場所では積極的に日本語を発していかないと
違うアジアの言葉で案内されてしまうことが多い。
どうやら自分は「勝手が分からなくてキョロキョロしてる人」みたいに見えるようだ。
時々チャイニーズで案内されそうになる。

都庁の展望フロアへは過去にも一度来たことがあり、
そのときは曇りがちだったのであまり良い印象がなかった。
今日は晴れているから印象も変わるだろう! と勢い込んで乗りこんでみた、のだが。
……天気が良くて、遠くまで見えても、あんまり面白いモンでもなかった。
なんだろうな、あのつまらなさ、不毛さは。

確かに遠くまでは見られるのだけども、
ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん、
って感じなのだった。外から眺めてる方が面白いぞ、都庁。都政と同じだな。 ← あっ

日本語や文化に達者なワカモノ外人さん(30歳くらいのオトコ)が一人いて、
どういう立場にある者同士なのかわからないけど、ガイドっぽいおじいさんに

「日本人は働き者だとか、礼儀正しいとか、
 そういう情報はほかでもたくさん聞けるので今ここで改めて聞いても新鮮味はなくて、
 それよりも現代において日常的にどういう暮らしや遊びをしているのかとか、
 例えば日本人は成人男性でもスマホやコンソールで普通にゲームをする、
 フランス人のオトコはまずもってそういうゲームは遊ばない、
 先日羽田で、もう60歳くらいのオジイチャンがスマホでゲームをしているの見て僕は大変驚いた、
 もっとそういう、今の生の話をしてもらった方がきっと面白いと思う」


みたいな、説教だかアドバイスだかをしてて、そっちの話の方がものすごく面白く、
思いきり聞き耳をたててしまった。横から話しかけてしまおうかと思ったくらいだ。

尚、都庁の展望フロアは地上200mチョイ、サンシャインは240mほどらしい。
先日見た昇仙峡の覚円峰は180mでそのどちらよりも小さいのだが、
なんか、もっともっと覚円峰の方が小さい気がしていたので、
あ、意外に大きいのだなと感心した。
まあ周りにも大きな岩があるとか、視界が開けていないだとか、
環境が印象を左右していることもあるのだろう。

展望台の窓から外を眺めていたら、
「もしキタチョーセンさんが日本めがけてミッサイルをブッパなさるとしたら、
 ……ヤッコサンがガチにクレイジーで、かつ的確に狙いを定められる実力があれば、
   という前提つきだが……
 ここって真っ先に狙われそうなランドマークだよな」

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という、なかなかポップ&エキサイティングな想像が浮かび上がり、
怖くなってきたんで早々に退散することにした。
しばらくベンチにとどまって書き物くらいしてても良かったのだが、
なんか気分良くないんだよあそこ。
空気がよどんでるというか、いかにも閉じ込められてる感がある。閉塞感がある。

都庁の展望台、地上45階で、上がるだけならタダです。
北と南、両方のタワーにあります(直接行き来は出来ない)。


 ■新宿中央公園殺人事件(しんでない)


都庁を出、ちょっと考えてお隣の新宿中央公園を一回りしてみることにした。
DECOファンの聖地、探偵・神宮司三郎さんのお膝元である。若い奴はわかんねえだろう。
しかし三郎さんがデビューした1987年当時はいざ知らず、
禁煙・分煙の進んだ平成の世では(その平成も終わろうとしているが)
ヘビースモーカーの三郎さんもタバコを吸う場所に、さぞお困りであろう。
いまあの公園の中で、タバコ吸う場所とかあんのかな?
多分87年当時だったら、どこでも吸えて、吸い殻だらけだったんじゃないかしら。
イヤそれは想像にすぎませんが。
……などと、87年当時の新宿中央公園の姿に思いを馳せるオッサンであった。

 あとどうでもいいけど、今調べて見たら、
 神宮司三郎さん、新宿中央公園殺人事件当時は29歳だったんだな……ワカゾウやないか。

  ▼探偵 神宮寺三郎シリーズ
  https://goo.gl/EUHp07


その公園でしばらく写真を撮り、ベンチに座って書き物をしたりしていたのだが、
腹がいななきおってな。


無性にラーメンが食べたくなったので近場を検索して見つかったラーメン屋に行ってみた。
普段はこういうことはそうそうしないのだが。
ラーメンくま神。
公園から、歩いて5分もしない住宅街の中に見つかった。
オイサンが入った時、お客はカウンターに1人のみ。この人の少なさも、GW中だからだろうか?
濃いめのとんこつ醤油ラーメンをすすりながら尋ねてみたが、
休日はそもそもそんなに多くないのだそうな。
公園から流れてくる客もそんなにいないと、タレ目が色っぽいガチムチ兄さんが教えてくれた。
そんなもんか。
しかしこの、とんこつ醤油ラーメンというのはウマイマズイ言う以前に、
塩と脂が人体を本能的に喜ばせてしまうので純粋に味を判定するのは難しい、と改めて思う。
満足感はあったが味はわからなかった。

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なお帰り道、近くのマンションのベランダに、
スラリと良いガタイの白人さんが2人、
     半裸にバスタオルで過剰にくつろいでおられた
ので、
オオもしかするとあれが噂に名高い、と思ったのだが
あまり なかまに なりたそうに そちらを みて いたら
なかまにされてしまいそうなのでそそくさと再び公園へと退散したのだった。

あと、いま書いてて気付いたのだが、
チョーセンミサイルを避けて都庁を逃げてきたのに、
そのすぐ隣の公園にいつまでも留まっておったのでは結局やられるのではないか俺よ。


 ■新宿の高いコーヒー屋に潜むオタク(オイサン以外)


しばらく公園でストレッチしたり写真を撮ったりなどしていたが、お芝居までまだ4時間ほどあった。
さすがにずっとこのまま新宿中央公園にいては顔が寺田克也デザインになってしまう(エエやないか)。
一時、どこか店屋に退避することにした。
前もって、めぼしい店に印をつけて来はしたものの、
土曜の新宿ではさすがに人がいっぱいで、店になど入れたものでないであろう……
と来る前は思ってたのだが、今日のこの様子なら大丈夫そうだ。

……。

休み。
あ、あほぉーーーーーーッ!!



しかしそのすぐ近くにコーヒー屋が見つかったのでそちらに緊急避難した。
あ、あぶなかった……。
デ、滑り込んだ「但馬屋珈琲」。
あほみたいに高かった……。
あ、あほぉーーーーーーッ!!
さすが新宿駅前。ころすきか。
真面目なコーヒー屋が高いのは承知しているが、ワリとフツーの珈琲が700円台から。
ちょっと面白そうなのを狙うと900円、1000円あっという間。
にしても高すぎるだろ。
何が入っているんだ(コーヒーです)。

  横浜家系ラーメンの値段は、主に
   ・店員のおそろいの黒いTシャツ代
   ・そこにプリントしてあるラーメンポエムの考案費と印刷費用
   ・ねじり鉢巻き代
   ・独特の掛け声が一声いくらか
   ・過酷な湯切りアクションによって負荷がかかる肘のメンテナンス費用
  が含まれていてそれだけで750円、そこから上がラーメン代になるのは有名な話だが
  (それより安い店は、肘が頑丈か、声が小さい分)、
  ここのコーヒーにはどうも、上下そろいのタキシード調制服と蝶ネクタイで
  690円かかっている気がする。

席に着くと、2つとなりにスーツ姿の2人組の兄ちゃんを相手に、
カジュアルないでたちのチャラい兄ちゃんが講釈を垂れている。
『あの花』がどうとか、アニメチックな話をしてたからちょっと聞いていたんだが、
なんだかその後、あまりのチャラさに気が狂いそうな話をし始めたのでシャットアウトした。

そしてまた、後から入ってきた女子2人が隣の席に座り、
声優さんがうんぬんカンヌンと話し始めたのでこれまたビックリする。
こちらのご婦人方は話しぶりからもしかすると、そういうエンターテインメント関連で
オシゴト的に声優さんと関わっておられるのではないかな、と思わせる内容だった。

5時半頃まで潜伏し、本日のメインイベント会場へ向かった。


  ■「声の優れた俳優によるドラマリーディング
              日本文学名作選 第四弾 三四郎/門」



紀伊国屋サザンシアターで本日のメインイベントの朗読劇の鑑賞。

このシリーズを聞きに来るのは2回目。
1回目は、同じく漱石作の「それから」だった。
そのときはあすみんが出てたので聞きに来たのだが、
今回は、先日の舞台『ペルソナ3』に風花役で出ていた田上真里菜さんを見に来た。
というか、『P3』での田上さんがなんだかやけに眩しく見えるので、
これは果たして自分は田上さんが好きなのか、それとも田上さんの演じる風花が好きなのか、
その見極めに来たのである。

結論としては、後者、であったような気がする。

今回の朗読劇の中での田上さんが良くなかったというワケでは決してなく、
今回も今回で魅力も存在感もとてもあったのだが、
オイサンの惹き付けられる重要なファクターであったらしい「愛らしさ」は
演じるキャラクターの性質上いくらか減殺されており、
やはりそこはキャラクターありきであったかな、と感じられた。

……のだが、終演後のフリートークセッションではコレマタ大変愛らしくていらっしゃったんで、
やっぱご本人は愛らしいな、ウフフ( ← 盛大にキモチワルイ)と思った次第。
うーん、もう一本くらい見に行ってみるか( ← 思うツボ)。
これって、アイドルにハマるオッサンの心理と同じだろうか。
気を付けよう。手遅れ?
しかしなんだな、役者さんを、演じ手の技量ではなくスの魅力を目当てに見に行くってのも、
大概無礼なハナシな気がするな。

朗読劇の内容としては、
オイサンはスーパー不勉強野郎なので「三四郎/門」も「それから」も、
「アイアムアにゃんこ(英題)」も読んだことがないのだが、
今こうして内容に触れてみると、なんとも平易で親しみやすいモンだな、と感心する。
脚本として均してあるのかしらない(多分それはないと思う)が、
難解な言い回しやもって回った象徴化も感じられないし、
ド直球な物語展開で、ただ淡々と必要なことだけが、
シンプルで明瞭且つ鮮やかな日本語でもって彩られていく様は、
さすが古典の名作として長く世に残り続けるだけのことはあるとただただ感心するしかないものだった。
原作を手に取ってしっかり読み込んでみれば、
もっと思うところや読み取れることも増えるのだろうけれども、
こういう略式のスタイルで向き合うだけでもこれだけ伝わってくるのだから素晴らしい。
朗読劇という形式にも、素晴らしくマッチした題材なのではないだろうか。
役者への演出も、前回ほど過剰な感じを受けなかった。
照明・音響はもう心持ち抑え気味になっても良いように思う。
役者さんは回によって持ちまわりだったり、一回こっきりの登場だったりで変わるのだが、
オイサンの見た回の役者さん4人(男×2、女×2)は誰も皆ちょっと優しめの人たちで、
原作にあるのであろう、心もとなさみたいなものがより鮮明に伝わってきた。

劇の終了は、思ったよりも早く20時半頃。
慣れない夜の新宿を暗闇をアスファルト切りつけながら走り抜け、
独りでは解けない愛のパズルを抱いて帰ってきた。
傷ついた夢はまだ取り戻せていない。



■■■ 5/7(日) ■■■



日曜日。
ワリとしっかり書き物の日。
どこか近場に出かけても良かったが、朝はドトール、昼はサンマルク、
夜は近所で一番落ち着いた近所の喫茶とはしごをして、
非常にマッタリコンと終わった一日だった。

夜、北海道で恐竜のかなり完全に近い化石が見つかった話をやっていて、
この話、過去にも見た気がする……と思っていたが、それは丹波竜のハナシだった。

番組を見ていて、特にすごいなと思ったのが、
発掘した化石の一部を専門家(発掘した人も多分専門家だったと思うけど)に見せたところ、
ほんとに様々な仮説と推論を一瞬で巡らせたあと、
「(この化石の)続きはどこですか」
と、ほぼ確信に満ちて言い放った、というエピソードだった。

細部は忘れてしまったが、
発掘された場所と、
その場所がその化石の発掘された年代にどういう地形だったのかということと、
その地形がその後どういう変遷をたどったのかということと、
海流の動きと……などなど、
そういう情報を考え併せた上で「この人はこの続きも発掘して見つけているに違いない」
と思ったからこそ出た言葉で、
それだけのデータベースと正解を導くエンジンを頭の中に入れてある、
ということにびっくりしてしまった。

今の世の中、記憶装置は外側にいっぱいあるわけだけど、
それだけの材料が頭の中に揃っていないと
処理エンジンがいくら優秀でも、インプット無いとアウトプットは出来ないワケで、
あるインプットのかけらが揃っていないことが原因で回り始めることが出来ないエンジンの、
「かけら」がポンと放り込まれた時のために
その他のかけらは頭に揃えて置いておく、ということの重要性がまざまざと見えたなー、と
感心した次第。
面白い番組だった。
部分的にしか見なかったけど。

夜、
最後の喫茶から家に帰るとき、
日が落ちて暗くなり、色の要素をほとんど失った風景の中を歩きながら、
酷く安心している自分に気が付いた。

陽光の溢れる昼もいいが、やはり夜はいい。
情報の減ったヨルの風景はいい。夜景はいらん。あれはただの電気だ。

1月に摩周に行ったとき、2時、3時に星を見に出かけてコンビニでボンヤリしたりもしたけど、
あの時間も素晴らしかった……。
あの時は雲がかかっていて目的の星を見ることは出来なかったが、
この日は月が出ていて、その傍に小さく星が寄り添っていた。
どうも木星だったらしい。

そう、ワリと子供のころ(といっても小学6年くらいだと思う)から
ヨルの道が好きだった。
塾に通わされていて夜道を歩いて帰らねばならなかったんだが、
その頃辺りから夜の中を歩くのが好きになった……ような気がする。
別に悪さをするわけじゃない、
寝静まった町と、ところどころに落ちているあかりが好きなのだろうと思う。


そんなことに改めて気付いた、ゴールデンウィーク最終日だった。

マそんな感じで。
オイサンでした。



 

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2017年5月21日 (日)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その2~ -更新第1125回-

2017年のゴールデンウィーク、9連休日記の続き。
中盤戦のメインインベント。



■■■ 中盤:05/02(火)~05/03(水・祝) ■■■



3紳士―ズ(※テラジさん(@teraji800)・よつさん(@yotsuaki)・オイサン)で山梨へ1泊旅行。
今回の連休のメインイベントである。

  ※これにおみかん隊長(@NOR_kankitsukei)を加えると、暁の四紳士になる。
   銚子に行ったり、小諸に行ったりする。

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八王子から国道411号線・大菩薩ラインを使い、奥多摩湖、昇仙峡、と回って甲府で一泊。
翌2日目は、忍野八海に立ち寄り、道志みちを使って途中道志村で湯に浸かって帰京、という
山梨づくしの旅。





当初は甲府・昇仙峡だけの予定だったのが、
行きの道があまりにスイスイで時間が余りまくりそうになってしまったため急遽予定を色々変更し、
2日目の予定だった昇仙峡を1日目に、
空いた2日目には、忍野八海と道志村での温泉を追加した、という次第。

これまでの旅でもそこまでガチガチに予定を組むことはなかったとはいえ、
今回ほど大胆に動かしたり足したり引いたりしたのはあまり記憶にない。
偶然やら必然やら、いろいろ組み合わさって出来上がったミラクルトリップであった。
詳しくはまた個別に書くけれども、
今回の旅はさまざまな偶然に彩られた旅であり、なんというか……

  「お前たちは行く先々で、3人の賢者に出会うであろう……」

みたいな旅であった。

行き先が昇仙峡になったのは、
ちょっと前にオイサンが甲府一人旅をした時に「たまたま」入った喫茶店で「たまたま」得た情報が元であるし、
テ氏のとった宿が、
オイサンが甲府一人旅をした時に立ち寄った奇ッ怪なメシ屋のほとんど隣りだったことも「偶然」だし、
予定になかった忍野八海で、ナゾのそば屋……否、おみやげ製麺所に立ち寄ることになったのも、
行きの道路事情が「たまたま」快適すぎて甲府にオソロシく早く着いてしまった「イレギュラー」と、
ヨ氏の幼き頃の記憶の産物であった。

そして行く先々すべてで、賢者に出会うことになるなんて……。
なんかもう、『ドラクエ』みたいだ。
まあ出会ったのは賢者じゃなくて、どっちかというと怪人の類だけど……。

■行程概略
 ▼1日目
 早朝、06:00頃集合。八王子経由での411号で奥多摩へ向かう。
 08:30、奥多摩湖。燕と衝突しそうになる。
  大菩薩ライン(国道411号)を抜け、西へ。
 10:00、セブンイレブン・甲州塩山千野店。甲府へ向かう予定を変更し、直接昇仙峡へ。
 11:00、昇仙峡。謎の仙人&節操と美しさの無いカップル(直球)襲来。思いのほか時間を食う。
 15:00、「ひなた」にて遅い昼ゴハン。空腹が災いして判断を誤り、いいだけやられる。
 16:30、「ホビーショップショップ」いちかわにて2000番のやすりを買う。
 17:00、ホテル菊富士。
     本日の宿。部屋が、マーガレットの咲き乱れる超広い、メルヘンなはなれ(ほんとう)でビビる。
     「ひなた」での食いすぎダメージでしばし死ぬ。
 21:00、居酒屋かっぽうぎで少しだけ飲む。
 22:00、宿に帰って大急ぎで風呂。お部屋がジャパリパークに。

 ▼2日目
 08:30、いいだけもたもたした後、出発。
 11:00、忍野八海。人だらけでゲンナリするが水は掛け値なしに美しい。
 12:00、謎のそば屋……否、おみやげ製麺所名泉そばでお昼。謎ビジネスモデルに戸惑う。
  道志みち(国道413号)で、東へ。
 13:00、道志の湯でひとっ風呂。周辺でキャッキャウフフする。キャッキャウフフ。
 15:30、津久井湖で一休み。
 17:30、解散。


  ■1日目 : 出発~甲府まで


朝6時に3人集合し、そこから八王子を経由して、テ氏お気に入りの国道411号に乗って奥多摩湖へ。
奥多摩湖ではやたらと数の多い燕との衝突を回避しつつ(本当にぶつかりそうになるくらい多かった)
休憩を取って、大菩薩ラインへ突入。なかなかのワインディングである。
GW中とはいえ一応平日だからか、妖怪ペダルや妖怪ばくおん、妖怪ヤマノススメはさほど目につかない。
ただ新種の、路肩で三脚広げてはみ出しながら写真トールジジイがいた。あぶない。


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10時にはもう甲州塩山のセブンイレブンに着き、ドライバーのテ氏が
「道が空いてたら、奥多摩湖から甲府まで1時間でくるんだ……」とびっくりしていた。
「このままでは早く着きすぎる!」と、
旅程が順調に進むことに慣れないなれない我々はうろたえ始め(なさけない)、
慌ててこのまま昇仙峡へ行くことに組み替えた。


  ■1日目 : 昇仙峡、弥三郎岳パノラマ台


オイサンがチョイとガイドを誤り、昇仙峡最奥部の駐車場まで辿り着いてしまった。
テ氏は高いところが苦手なのにもかかわらず男気を見せ、
ロープウェイで弥三郎岳の山頂近く、パノラマ台へ。

  ※この先、「ブサイクなカップル」という表現が何度か出てくるが、
   まあその、あまり人様の容姿を論うのが良くないことも、
   自分が人様の容姿をどうこう言えるほどかということもよく理解しているけれども、
   なにぶんこのカップルは人口密集地においても所かまわずもう、
   ムッチョムッチョムッチョムッチョと、あまりにもエニープレイスベッサメムーチョの
   どこでもムーチョ仕様だったので、
   そっちがその気ならコンニャロウこっちだってテメエ出すもん出すぞっていう、
   そういう気持ちを込めてブサイクなカップルめ! と、このような経緯で表現しており
   決して差別や侮蔑やヘイトを助長する意図があるものではありませんし
   なんならフィクションとして処理してもらっても構わない。
   それでは引き続き、オッサン3人の珍道中をうたとおどりでお楽しみください。

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ロープウェイの車中ではブサイクなカップル(直球)がいちゃつくところを間近に見ることが出来、
山頂では、晴れ渡って富士山と南アルプスを一望できる素晴らしい眺望とともに、
すばらしく雑に配置されたナゾの観光オブジェクトが楽しめる。
無論、一緒に上がってきたブサイクなカップル(直球)が
引き続きあちらこちらで過剰なスキンシップや自撮りを嗜んでいるところを観察できますし、
300円で無限におかわり&シェアが許されているかき氷と、
何故かサービスで繰り出される付け合わせの山菜に舌鼓を打ちつつ
お店の看板娘であるところのご婦人の愉快な話を数十分に渡って聞くことができた。

  まさか、コーヒーとかき氷を頼んだら、お通しにフキとタラの芽が出てくるなんて……
  なんて斬新な茶店でしょう。

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  ヨ氏「生涯で一番早い時期に食ったかき氷かもしんないっす」


オマケに甲府市警の人事内情や、帰り道で引っ掛かる危険性の高い取締ポイントまで
聞きだすことが出来た。
詳しくはお話しすることは出来ないが、

  「帰りの三叉路で、
   4月に赴任してきたばかりのいけ好かない小僧っ子が
   Tシャツ姿で取り締まっているので3つ数えろ」


である。

  ……どうであるか。ますます『ドラクエ』の祠に住んでる賢者とか、
  『ゼルダ』の穴ぐら老人の助言っぽいではないか。
  ミンナニハ ナイショダヨ。

こうして第一の賢者との邂逅を果たした我々(主旨が違っている)は、
ロープウェー乗り場がチョイ渋滞していたので一本見送ることにし、もう少し山頂をうろついた。
素晴らしい眺望! 謎のすずアトラクション! ブサイクなカップル!
素晴らしい眺望! ブサイクなカップル! 斬新な顔出し看板! ブサイクなカップル!
大満足。

  いや、後半には、BC(略すな)は先に降りちゃったらしくていなかったんだけど。

今回はサラッとさわりだけで書き済ませたが、濃密というか、濃厚というか、
濃縮カルピスを4倍希釈のそばつゆの原液で割って飲むような時間であった。
生きて脳髄に届く乳酸菌。

しかしなんだろうか、
ロープウェー乗り場が行列するくらい人がいたというのに、
あのおバアの店で舌鼓を打っていたのは我々だけだ。
「昇仙峡 かき氷」で検索をかけても、
クソオサレなサイクリストや山ガールの記事みたいなのが見つかるばかりで、
山頂に住む仙人に「入間のコストコの冷凍餃子がウマイ」みたいな話を聞かされた、という記事は
ついぞ見当たらない。
世間の人間は、昇仙峡くんだりまで行ってあの話聞かずに何を見て帰るのか不思議でしょうがない。
また行くからな、それまで元気で待ってろおバア。
今度はそばかうどんか食うぞ。


  ■1日目 : 昇仙峡・仙娥滝と覚円峰


地上に降り立ち、いよいよここからが渓谷としての昇仙峡の本領である。
ダテに日本二十五勝や平成の名水100選、平成百景ランキング2位などに選ばれていない。
本来、山のてっぺんで1時間半も費やすのがイレギュラーなのであろう。
多分山頂で出会ったのも、無形文化財的な何かだ。

本来の順路としては、下流からさかのぼって来て、
最後にこの2大スポットにババーンとご対面する構成なのだろうが、
マ今回の様に、まず上流まできてしまって下っていくのもアリなご様子。

この昇仙峡の2大親分、これがまたすごかった。

昇仙峡の全体的な地域範囲としては「こぢんまり」の範疇なのに、
これら一つ一つのスポットのスケール感は大変雄大に感じさせる、不思議な収まり具合。
しかしこの昇仙峡、本当に素晴らしい景観目白押しで、
独りで来ていたら多分、朝入って夕方帰るくらいの一日いられるコースだった。
きっと、朝と夕方で全く違う表情をすると思う。
近々、また一人で来てしまうだろう。

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滝に対面するといつも思うのだが、滝は体感するものである。
目で味わう情報が占める割合が、他の景観に比して微小であることに改めて驚かされる。
音と、肌に感じる水の気配と、その水によって感じる匂い、
そしてその落差を形づくる閉鎖されながら解放的でもある「大きな小部屋」のような空間に、
その空間を支える岩や木々それぞれの、巨大な密度ある質量の存在感……。

大きなものの前に自分がいることよりも、自分が小さくなった錯覚の方を大きく感じる。
まさにその、大きな小部屋に小さくなった自分が降り立った感覚を、
しばしの間、全身でまざまざと味わっていた。

続いて現れる覚円峰。
仙人のありがたいお話で時間をとられ、いい加減腹が減って来ていたお二人を、
「もうちょっとだけ先へ」とだまくらかして、さらに下流へ。

  マ言っとくと、昇仙峡はこっちらへんがホントの見どころなのであって、
  山のテッペンで仙人にとっつかまって1時間も2時間も話を聞くのは邪道であり、
  あまつさえそれで疲弊してしまい、滝だけ見て
  「この辺はもう、そろそろいいでしょう」
  みたいな態度に出るのは言語道断っていうか観光協会に陳謝しなければならない。

これでもし、進んだ先に見どころが何にもなかったらどうしようか、と若干ビビってはいたのだが……
角を一つ曲った時点で、その不安はどこかへ消し飛んだ。
切り立った崖に左右を阻まれ、巨岩と共に間を流れる渓流の壮麗なことといったら。
下流に向かって右手側に、一際高くそびえる岩山が昇仙峡のシンボルでもある覚円峰で、
ほとんど垂直に切り立ち、丸みを帯びた頂きは中国の水墨画の様だ。

  あとから調べたところでは、高さは180mあるのだそうで。
  先日登った飯能の天覧山が190mチョイなので、大体同じくらい。
  マそれでも5、6階建てのビル1個分くらいは違うので結構違うな。

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覚円峰の、堂々としつつも秘密めいたたたずまいもさることながら、
突如視界に展開するこの渓流のバランス、風景全体が持つスピード感に圧倒される。
小さくなった自分が、ググッと下流に向けて巻く渦に飲み込まれるような感覚がある。
いやー、面白い。
この風景の中に踏み込む手前、流れにかかった小さな橋の手前でしばらく足が止まってしまった……。
流れの中に転がっている……というにはあまりに収まりが悪い、
巨岩も遠近感をおかしくするのに一役買っている。
某宇宙戦艦の足みたいだな、と口には出さずに眺めていた。
やっぱり、日本の山深い渓流の風景はファンタスティック。
こういう風景に巡り合うと、つくづく、日本には美しい水がたくさんあって本当に恵まれている、
本当に良かったと思うのことでありますよ。

こうして三人、しばし圧倒的な景勝を楽しみ、
いいだけやられて昇仙峡をあとにしたのでした。

モチロン帰り道は、おバアにもらったアドバイスの通り、
三叉路に十分注意し、一旦停止で4つ数えてから発進したのである。

 ▼昇仙峡 
 http://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

 ▼昇仙峡ロープウェイ
 http://www.shousenkyo-r.jp/

 ▼仙娥滝
 https://goo.gl/cwBcRz
 日本の滝100選に入っているらしい。へー(いま知った


  ■1日目 : お昼ゴハン、ひなたにて。

昇仙峡から車で30分ほど下り、甲府市街へ戻って来、昼ゴハンは、「ひなた」。
至ってフツーの食堂である。
ひと月ほど前に一人で甲府を訪れたときに見つけた食堂で、
フツーなのだが色々独特なのだった。
その時は、特に二人をここへ導くつもりはなかったのだが、
今回の宿があまりに店の近くだったので面白くなってしまい、
またお二人が「イケるクチ」なのは分かっていたので、これはもう宿命ということでお二人にお教えした。
結果、昼が遅れた空腹に任せて若干「盛った」二人はそこそこやられ、
夜までの3時間ほど使い物にならなくなった。

お店の名誉のために付け加えておくと、ゲテモノ・爆盛りの類では決してない。
昭和にはよく見かけた普通の、色々とおおらかというだけで、
初期設定をいじりさえしなければ何もおかしなことのないお店だ。良心的ですらある。

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前来たときは、OL風の女性が二人でゴハン食べていたほどだ。
ただまあ、壁を見てもらえばわかる通り、
メニューが無用に豊富で、
そのサイズ設定がまた独特で、
それを説明したり運んできたりする人物が若干スペシャルである、ということに尽きる。
よく確かめもせず、空腹に任せて盛ったりするからピンチを招くのであって。
ただ、ピンチを招かせるテンションの高まりを演出する空間であることは否定しない。
また、「面白丼ってのはなんなんです?」という問いに対し
「それねえ、作ってる方は面白くないんだよ」という答えを軽々と返してのけるポテンシャル、
人間力は秘めた者の商う店である。
彼もまた、一般的な経済のくびきから放たれた一人の……否、夫婦で一人の賢者だった。
地元の人たちから愛されているにちがいない、素晴らしきゴハンの店だった。

昇仙峡の山頂で年老いたアルパカちゃんが商うジャパリカフェも、
本人の話を聞く限り50年モノであったが、
この店も44年やっているというから……驚きである。


  「普通は、隣のガストに入っちゃうよな……」


店を出てすぐ、どちらかが言ったことばがやけに印象的だった。
ひなたさんのすぐ隣は、"ザ・無難"、"キングオブ無難"、"無&難"など、
数々の称号を恣にする無難の王、無難なメシ屋の代名詞、ガストさんなのである。
うん。
オイサンも、もう少し心に余裕がなかったら違う店行ってたと思う。
しかしあのとき躊躇なく入って良かったと、今でも思っている。


  ■1日目 : お宿にて


ひなたを出たあとは「ホビーショップいちかわ」で2000番のやすりを買い求め、
道すがら発見した「富士アイス」で「アイスを食う。回転焼きも買う」と言い出したヨ氏に
エースの底力を見せつけられたり、地元のスーパーでいくらか飲み物を買ったりして宿に戻った。

宿の部屋が、なんとマーガレットの咲き乱れるお庭のついたはなれだったのには驚かされた。
そりゃ驚くよ。
宿本館の建屋が、縦に細長いコンクリうちっぱだったのを見たときには
大した期待感を抱かなかったが、通されたときはそりゃあたまげた。
お部屋もオッサン3人にはもったいない広さで、
そしてその広い部屋にもさらにもったいない馬力を持つ巨大なエアコンがついていたからもう
いじり放題である。
最初、ちょっとつけたときに「なんかやたら冷えるな」と気付いたのが始まりだった。

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夜はテ氏お勧めの「かっぽうぎ」なる居酒屋で一献酌み交わす予定だったが、
「ひなた」でやられたのが、この日のとどめとなった格好だ。
結局少しだけ飲みにも出掛けたが小一時間引っかけただけで宿に戻った。
慌てて湯に浸かったあとは、なぜだか部屋で『けものフレンズ』の話題が盛り上がってしまって
まだ見ていないというテ氏をジャパリパークに引きずり込んでフレンズになってもらった。
たーのしーい!


  ■2日目 : 忍野八海


2日目は忍野八海へ向けてスタート。
朝ゴハンはどっか途中で適当な店に寄ろうとしていたが、
結局町なんかすぐ抜けてしまい、途中に町なんかもなく、コンビニゴハンとなった。
コンビニすげえな。
もしこの世界にコンビニが無かったら俺たちはどうなってしまうんだ。
いや、ホントにコンビニすげえよ。

途中、富士山の良く見える広い場所で一旦車を停めてゴハンを食べていたら、
どうやら土地の持ち主と思しき御仁がウロウロと見回りに来たので慌ててその場を離れる不良中年。
クックック…ここがホテルの駐車場だといつから気付いていた……?
最初からですすみませんガラガラだったのでつい出来心で。

忍野八海までは甲府から1時間チョイで到着した。
ち、近い……。
前々から行こう行こうと思っていながらも、家からではどうにもアクセスが悪く
攻めあぐねていたというのに。オクルマは偉大だ。
ジェントル号おまえやるやないか。

そうしてたどり着いた忍野八海はゲキ混みでした。
ゲキ混み
知ってます? ゲキ混みゲキ混んでんすよ(ダイレクト)。
まあこの日から本格GW突入だったし、
出発前に道路状況を確認したら、都市圏は完全に動脈硬化であり超脳溢血であり即死だったので
ワカランでもないけど、ほぼ朝イチからこんなヒトおらんでエエやん、というくらい。

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そしてまあ、ただ人が、普通のヒト、
人生の色々なことをキチンとわきまえた人々が集っておるだけならそれほどでもないのですが、
実にこう、海の向こうの広い大地で自由奔放にお育ちになった
倫理や儀礼を概ねわきまえない方々ですとか、
国内選りすぐりの野生部分を解放したフレンズとかが一山いくらで押し寄せておいででしたんで、
つまりこう、山頂のブサイクカップル的な節操のない者どもがですね、
まあいいや。
まあこう、なんというか。
穢れている。場が穢れている。ねえ。
バブルの頃の日本人も海外でこうだったんだろうなあと思うと、
いわれのない罰を受けているような気になる。俺たちは何もやってない。



しかしそんな人波を抜きにすれば、忍野八海は大変美しい場所でした。



駐車場はどうやら、現地の方々が有志で土地を提供して各々誘導や管理をしてらっしゃるご様子。
ジェントル号も、エリアに入るや否や、腰も曲がって割烹着に頭巾のおばあちゃんが、
非常に緩慢な動きでコッチダヨーコッチダヨーをやってくれたので、流れるように入庫。
あの手の動きはもしかすると、その招き通りに動かずにはおられない、
魔のリズムでも体得したものだったのかもしれない。
とはいえまあ車のサイズやなんかの難しいことは完全無視で、
来るクルマ来るクルマ片っ端から招き入れていくスタイルなので
入庫にはそれなり以上のスキルが求められるご様子。我々のドライバーは天才で良かった。
駐車料金は、協定でもあるのか、どこも一律終日300円で統一されているらしい。

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遠景には、ちょうど良いサイズの富士山がどっしりと控えて
人間が悪さをしないように常に見張っておられます。
アレに見張られていたのでは、そうそう悪いことをしようという人間は育たないのではないでしょうか。
そしてその富士の裾野を染みて伝わりわき出しているらしい水の美しいこと。
中でも、水深8mにいたるという、村の中心部に位置する最大の湧き出し口を眺め下ろすのは圧巻であった。

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これでもっと人が少なく、こころ静かに見られたなら……。
今度はどうにか頑張って、オフシーズンの平日に来よう。
人が少なければ、本当に鄙びた昔話のような風景の中を歩くことになると思う。
飛騨に並ぶ、THE・日本の風景(イメージ)を見ることが出来そうな場所だった。
小川沿いに延びる土の小道の並木など、ほとんど手の加わっていない様子で魅力的だった。

水回りについては思い描いていたよりアトラクション化されていて、
富士からの伏流水が自然にわき出す様や、
とうとうと流れるところをめでることが出来ることを期待してたので、
その辺はちょっと残念ではあった。


  ■2日目 : 忍野八海、名泉そば製麺所


サテ、昼ゴハン。
メインスポット周辺で何か食べられそうなところは、砂糖に群がるアリのごとき人だかりとなっている。

ヨ氏が、子どもの頃の記憶だがと前置きをした上で
「もっとはずれの方にそば屋があったと思う、そんなに立派じゃないプレハブみたいな……」
と、いかにも我々向きの情報を出してきた。
もう20年も前の記憶らしいが、こと食い物に関しては、
なんなら母親の腹の中で食ったもののことだって覚えていそうな男の言うことである、
その言葉を信じ、鄙びた村の中でもさらに外縁へ外縁へと歩いて行くと、
(マそれでも、観光客はいなくはならないんだけど)……あった。
それっぽい、プレハブっぽい建物。

  ……今こうして振り返りながら、今回の旅はしみじみと『ドラクエ』っぽいと思う。
  「なかまに案内されて村の外れまでついていくと、
   秘密のお店が開いていて、そこに話のキーになる怪じn……賢者がいる」


っていう。ドット絵で描かれた自分たちが見えるようだ。

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詳しく説明すると長くなるが、この店も甲府の「ひなた」と同様、
いにしえの時代……30~40年前の怪人g……否、賢者が打ち立てた独自のシステムを守り続ける
けったいn……否、優れたお店であって、またも一人の怪人に出会うことになった。
食欲のお導きである。
順を追って話すと長くなってしまうので、この「名泉そば製麺所」のモヤモヤpointを以下にまとめておく。


 ▼「名泉そば製麺所」 モヤモヤpoint
  ・食堂ではなく、製麺所である。
  ・従って、客は「おしながきを見て注文する」ことは出来ない
  ・この「製麺所」で作られた麺(そば・うどん(太・細))をおみやげとして買うことが出来る。
  ・おみやげの麺を買った客は、「サービスとして提供される、茹でたそばとうどんを食べることが出来る」
  ・茹でて食べさせてくれるのは、お客がおみやげとして買った物ではない。あくまでサービス分。
   買った分はそのまま持ち帰ることが出来る。

この謎のシステム……仮に「お土産を買ったら食べられ~るシステム」と呼ぶが(直球)
味見、試食の様なものとも、また異なる。
あくまでも購入後の「お客さん」にしか、「サービス」は提供されないから、説明が難しくなる。
お母さんも、その辺のシステムと「サービス」という言葉をことさら強調して、
訪れては首を傾げる客に対して絶えず説明していたが、ちょっと難しいと思う。
このシステムを理解するのに随分時間がかかってしまった。
「食堂とどう違うのか」とか、
「買ったお土産の麺をこの場で茹でてくれるのだろう」とか、色々と誤解を経た。
システムを理解したあとでも、
「いったいどういうマネタイズシステムなのだ」と、テ氏は頭を悩ませていた。

この、「540円で7食分買えて、且つそれとは別に1食分その場で食べられる」というのは、
現地のいわゆるフツーのそば屋と比較しても、相当お値打ちであった。
カタカナビジネスタームが大嫌いな我々でさえ、
「キミ、このプロジェクトのKPIはどうなっているんだね?」と聞きたくなるほどだ。

ここでも、お店を切り盛りする賢女との小粋な丁丁発止があったのだが、
細部はまた別記事で書こうと思う。
こちらのお母さんも、さすがこの世間の経済的なやり方に完全に背を向けたシステムを編み出し
30年から維持してきているだけあって、一筋縄ではいかない切れ味のトークの持ち主であった。
おいしいそばとうどんを頂きつつ、むやみにゲラゲラ笑っていた気がする。

  ▼忍野八海 名泉そば製麺所
  http://tokyosanpopo.com/archives/13634


  ■旅の終わり


帰りは、国道413号、通称道志みちを通り、東への帰途を辿った。
目立った混雑はなく、逆に西へ向かう車の数が目立った。
やたらと運転の上手い、速いAQUAとRX7が先導してしてくれて、
テ氏的にも面白い道であったようだ。
チョイチョイ、アグレッシブなカーブ、テ氏言うところの「爆笑コーナー」なんかがあったりして、
軽快な横Gを体に感じながらの家路だった。

途中、以前パパさん&湘南大巨人と訪れた「道志の湯」にて風呂を浴びた。
昨晩は、ひなたストライク(超必)を食らって夜までロクに動けず、
ようやく動けるようになりちょっと出掛けて帰ってきたらあっという間に風呂の時間がオシマイで、
ゆっくりと湯に浸かれる時間もなかったから、
足を延ばしてノンビリ湯に浸かることが出来てなかなか良い塩梅だった。

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ここでは、怪人は特には出てこない。



……マそんな感じで。



昇仙峡、自分で言い出したものの、「こんな普通の観光地で大丈夫かな……」と正直不安だったのだが。

  イヤ普通は普通の観光地に行くのが旅行だと思うけど。

色々予定の変更や、予想外の出会いがいっぱいあって、なんとも大満足な旅になった。
怪人たちは、旅を彩ってくれたということ以外にも感ずるところが多々あって、
……それも、あとで詳しく書こうと思うのだけど……
たった2日間、36時間の旅だったけれども、十分すぎるサイズと濃度の旅だったと思う。
イヤハヤ。
こんな旅はなかなかできないのだろう。つくづく、自分は幸せ者だなと、しみじみ思う。

出会った人たちの人生が幸せなものであることを、僭越ながら心から願わずにおられない……
……マ連中は、オイサンたちなんかよりきっとよほどの手練れであろうので、
願わなくても幸せに違いないのだけど。
彼らはハピネス強者だと思う。羨ましくなるほどに。

  ……あ、ブッサイクなアイツらに幸せはまだ早いので、先ずは3週間! お試しいただき、
  その後キッチリ別れたあとで幸せになってもらいたいです。

途中、津久井湖で一旦休憩をしたあと、
コレ言った渋滞や混乱もなく、関東へは無事に帰り着くことが出来た。

三々五々に別れたあと、「ひなた」で聞いた
「面白丼には目玉焼きが3つ乗っている」
という話が忘れられず
(他にも色々乗っていると聞いた筈なのだが、最後に聞いたそれがインパクトすごすぎて忘れてしまった)、
どうしても目玉焼きが食べたくなって、
近所のメシ屋で定食に目玉焼きを追加して、
ワリとしっかり目にゴハンを食べると、帰ったら倒れるように眠ってしまった。



素晴らしき、そして幸せな旅でありました……ぐうぐう。
今回はサワリだけを軽めに書いたけど(それでこんな行数になっちゃったけど)、
違う機会に、エゲツナイ部分もミッチリ書く。



次でラスト、2017年のゴールデン・ウィーク最後の4日間。
まったりしつつも、モノ思う豊かな時間。

オイサンでした。



 

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2017年5月20日 (土)

■甲州の3賢者と、ナインボール・ワンダーランド~2017年のゴールデン・ウィーク・その1~ -更新第1124回-

今年のGWは長かった。
オイサンの勤め先も、よーやく人並みに
"5月1日・2日は有給休暇で埋めることをおススメする"
などとしおらしいオサレなことを言い出したので
なんだオイいよいよ潰れるのか? 明けて出勤したら更地になってるとかないだろうななどと
職場内が騒然となったのだが(大げさな表現)、
もはやそのGWの息の根も止まりかけ、これを書き始めている5月の6日の今となっては
ドキドキとワクワクが詰まったワンダーランドの心持ですが(何言ってんだ)、
皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうね?
とりあえず日記メモとして、この世紀の9日間のことを簡単に書き留めておこうという次第。

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 ▼04/29~04/30
   5回目の飯能へ、1泊2日。
   特に目的はなかったが(ないんかい)、
   吾妻峡を歩くのと、龍崖山を登れたら登る、というくらい。
   どちらも「まあその気になれば」くらいのつもりでいたが、結局どちらもやった。
   得た知見は、「水辺でバーベキューやるのは許せるが、音楽をかけるやつは許せん」
   ということです。

 ▼05/01
   特に予定はナシ。
   かばん(リュック)を新調し、ネオかばんちゃんと化す(化さない)

 ▼05/02~05/03
   3紳士ーズで1泊2日の甲府旅行。
   国道411号を使い、八王子~奥多摩~甲府・昇仙峡~忍野八海。道志みちで帰る。
   毎度のごとく、奇跡のようなロクでもない出会いが次から次へと襲い来るミラクルトラベル。
   山梨なのに水辺に親しんだ旅だった。

 ▼05/04~05/05
   特に大きな予定は無い日々。
   1日はネオ百合が丘のオサレ喫茶でスコーンを食べて鶴川まで歩き、
   もう1日はお馴染みの喫茶を梯子して書き物をし、HDDの整理をして日が暮れる。
   いずれも天気が大変良く、無意味にお写真を撮ってしまうが、まあ案の定ロクな結果にならぬ。

 ▼05/06
   後半のイベントデー。19時から新宿で朗読劇を観る予定。
   先日の舞台『ペルソナ3』で風花チャン役をやった田上真里菜さんを目当てに。
   ついでに母の日の贈り物を選んだりする。
   早い時間に都心に着いてボンヤリ時間を過ごすつもりが、
   都心のうるささにすっかり疲弊してしまい、結構なダメージを負う。もうだめだ。
   そんなつもりもなかったのに、都庁の展望台へ登ったり、ラーメンを食べたりしてしまう。
   休日の新宿だというのに、ヒトの少ないことに驚く。

 ▼05/07
   最終日もこれと言って予定はナシ。
   ドトールにこもり、筋トレをしてジョギングをし、また別の茶店にこもる、
   という妖怪喫茶ハシゴじじいとしての責務を果たす。

マ上で「予定がない」としている日は、何もせずボンヤリ暇にしているわけではなく、
「いつも通り書き物をしている」のである。
そして喫茶店にこもっているときも書き物をしているので、
ワリと24時間頭の中で何かがダンスしている人だった9日間、であったと言えよう。

でも、毎度の長い休み様に、予定をきっちり考えて旅をして、
ビキビキとエネルギッシュに過ごす日々ではなかったためか、
ポンヨリとした休みだったように思う。



■■■ 序盤・その1:04/29~05/01 ■■■



当初の心づもりでは、この3日間をかけて群馬は伊勢崎へいくつもりだった。
そう、天下の超人気アニメ『日常』の聖地巡礼である。
だが、なんとなくだるくなった(ヒドイ)のと、
中盤2日間の甲府の旅に向けて1日は温存しよう、という気になったので、近場の飯能で収めることにした。

伊勢崎へは八高線を踏破して向かう気であったので、その途中にある飯能に目が付いたのと、
マあとは……新幹線や特急に乗らなくてすむので、安くつくのである。
飯能。
近いんだよ。あとここなちゃんがいるし(いません ← いるわボケ ← うっさい見たんか)。

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目的らしい目的は特になかったが、
吾妻峡の水と新緑を眺めようということと、
飯能三低山(いま勝手に命名)のうちで唯一未踏で残っている龍崖山へ、
……マ気が向いたら登ろうかな、というくらいのつもりであった。



初日は16時くらいに着いて、ほとんど何もしていない。
目当てのうどん屋が閉まっていたので結局日高屋でゴハンを食べることになって
地味にへこんだくらいである。
いるかその情報?
おかしな日高屋で、ガラス越しに隣のボーリング場の様子を観戦出来てしまう、
やってる側からすれば無料で見世物にされてしまう地獄の動物園仕様であった。
それは言い過ぎだろう。
降るはずではなかった雨に見舞われて空気がしっとりしていた。

2日目は、早朝からいつもの天覧山へ登り、昼からは飯能河原を渡って吾妻峡へ。
すっかり見慣れた景色だが、キレイなモンはキレイだ。

東飯能駅の東側や、秩父へ向かう池袋線沿い辺りは初めて歩いたが、
朝の八幡神社がやけに美しかった。
あと謎のつぶれたての模型屋を見つけたりする。気分しっとり。


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天覧山。変わらぬ眺望

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八幡神社。ゆる狛犬。

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八幡神社。光がきれい。

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つぶれた模型屋3連発。時代であるが、つぶれたのは最近。


しかしGW初日とあって、すっかりウェイなウェイ民が河原でウェイウェイBBQなどを嗜んでおられ、
マそれは別に構わんのだけども、
肉や野菜を焼くのはともかく、大きな音でしょーもない音楽をかけるのは、それは必要かね!?
と言いたかった。
必要以上にうるさくする意味がどこにあるのか。川のせせらぎに耳を傾けたまえよ。

お昼ゴハンは、吾妻峡へ向かう途中の、橋のたもとにある名も知れぬ小さなうどん屋でいただいた。
特別なお店ではなかったけど、ひなびた感じの良いお店だった。
テーブルごとにおいてあるお品書きが、コピーでなく全部手書きだったのに驚かされた。
全部を確かめたわけじゃないけど……周り3つが全部ちがってたので、多分そう。
結構な落としのお婆さんとおじいさんでやっているお店だったので、
きっと「コピーをとる」という発想そのものがないのだと思う。
あるにしても、それは「特別なこと」の部類なのだろう……。
なんていうかね、そんな味がするお店だよ。わかるでしょ? わかれ。

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じいちゃんばあちゃんでやってるうどん屋。最高のロケーション。


吾妻峡を渡り切ってからドレミファ橋を西岸側の道へあがり、
龍崖山への道を探しながら上流方面へ結構歩いたが
見つけることが出来なかった(調べとけや)。
おかしなオブジェクトにはいくつか巡りあったがそういう出会いは求めてねえ!


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今にも「よく来たな!ここを通りたければクイズです!第一問!」って言いそうなオブジェ。


吾妻峡では、久しぶりにオタマジャクシなんか見たな。
そこそこ歩いた先で橋を渡って折り返し、川の東岸を下って、
またドレミファ橋の地点から西側の道へ上がって今度は町の方、
下流方面へ向けて歩いていたら……あったあった、龍崖山への登り口。

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水清き飯能。さいたま侮りがたし。

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オタマジャクシ。何十年ぶりに見たかな。



しかしこの時点で既にそこそこ歩いて体力を消耗しており、時間も……
どうしたものか思案したが、
さっき食べてしまった謎のジェラート屋のジェラートのカロリーが気になってしまい、
とりあえずちょっとだけ登ってみることにした。

 ▼龍崖山 ハイキングコース
 http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=31678

デ後悔することになるのだが、龍崖山、山頂まではすぐなのだ。
15分も登らないのではなかろうか。
そこから南側の龍崖山公園方面へ降りようとすると、
下っては登り、下っては登りを繰り返すなかなかスパルタンな下山となるのだった。
その道の付きようは、なるほど東洋の胴長龍が寝そべって削れた痕のようで、
龍崖山とはよく言ったもんだと正しい名の由来など知らずに感心したものだった。

山を抜けてからも、すり鉢のような公園の底からグイグイ坂を登らされ、
丘の上にあたる住宅街を抜けて飯能の市街地に出るまでがまた長く、
結局、そこそこの日差しと気温の中を4時間半近くも歩かされて大変疲弊する結果となった。

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龍崖山山頂。まあ大した眺めじゃありません(ヒドイ)
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かつて古代文明において、テトリス的な何かが行われた跡。




ただ、その坂を下る途中で思ったことは今後の課題になることだったので、
こことは別でまとめて考えようと思う。




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今回の飯能でも、またここなちゃんには出会えなかったが、
意外性のある楽しい飯能だった。

そうそう、宿の鍵のお尻のところが何故かパックリと割れて外れる仕様になっていたのが
妙におかしかったな。
フロントで預けるときに「これなんでこうなってんの?」と聞いたら慌てて
次受け取ったときには外れないように直っていたw
別に直さなくてもいいのに。

この日、朝の天覧山への往復も含めると、
踏破距離はどうやらざっくり見積もっても20㎞近くなるようだ……。
山道こみで、トータル6時間チョイ。




帰り着いたときは
「そんなに高い山に登ったわけでもないのに、なぜこんなに疲れているんだ……。
 これが老いというものか……」
って凹んでいたけど、そら疲れるワケだよ。普通疲れるよ。



■■■ 序盤その2:05/01(月・祝) ■■■



5月に入っての1日目は、特に予定はなかった。
日々の些事をこなして、明日からの旅に向けて鋭気を研ぎ澄ます。
前日、山から帰って倒れるように寝てしまったので3時半とかに目を覚ます。

関東近辺の空模様が、昼から突然大雨になる、みたいな予報だったので、
外をうろつくのは午前中に終わらせてしまい、
午後の時間帯にはなじみの喫茶店にしけこんで、
雨の音を聴きながら書き物でもしよう、と雨まで予定に組み込んでみる。

AM、となり駅までカバンを見に出かけた。
あとは、夏山向けのいでたちも整えられたら……と思ったが、
山の衣類なら海老名のモンベルまで行った方がよかったな、と思い直す。
近いうちにそっちも見に出かけよう。

郵便局にお金を引き出しに寄ったとき、
そういえばキャッシュカードが割れかかっていたことを思い出し、
平日で窓口も開いている上アホみたいに空いていたから気まぐれにうかがってみたのだが、
印鑑がいる、と言われて結局処置は出来なかった。マそうですよね。

ハンズが開店直後で、入り口にお出迎えの店員に頭下げられて居心地が悪かった。
こんなオッサンに頭下げんでもエエんやで。そういうことするからアホが勘違いするんやで。

ハンズでは大した収穫がなかったが、
次に行ったスポーツショップでナイスなリュックに出会えた。
今使っている、solo touristの10Lサイズではちょっと容量が足りなくなっており、
それとよく似たデザインの20LがColumbiaから出ていた。
お値段もそこそこだったので、お試し気分で思い切って買ってみる。
取り回しが良ければ良いのだが……この9連休で感じたところでは、もう一歩というところ。
そもそも、リュックという形状が自分には合わんのではないか、という結論にも至りそうである。


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「あらおつかれさま。イッパツ抜いてく?」と言っていることは明らかな、
飯能のナゾ看板。



予定よりも少し早めだが自宅へと引き返して歩く途中で、
ポツリ・ポツリと雨だれに当たり始めた。
イカン、間に合うつもりで布団が干しっぱなしである。
足を速めて帰り着き、ギリギリセーフというタイミングで取り込むことが出来た。
色気を出して、途中のパン屋に寄ったりしなければ完全にセーフだったのだが。

その雨は前兆に過ぎずすぐ止んで、本番の大雨はまだやってこないようだったので
その隙に駅前のひなびた喫茶へ滑りこみ、ドンガドンガ言う雷を聴いて過ごした。
客足も少なく、まあ良い時間であった。
ただ、店でかかってたCDが、つるのナニガシのカバーアルバムでなんとなく気が散る。



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うどん屋さん、窓辺のいちりん挿し。ほっとする、はっとなる。



まだまだ長くなるので一旦ここらで切るか。
次は中盤戦、連休もクライマックス(早いな)3紳士ーズでの甲府・昇仙峡一泊旅行です。
ボルテージは早くも最高潮!(無理やり)


オイサンでした


 

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2017年5月 2日 (火)

■最後の仮面の向こう側~舞台『ペルソナ3 the Weird Masquerade 第4章 藍の誓約』感想 -更新第1123回-

アスミンが主演を務める舞台版『ペルソナ3 the Weird Masquerade』の最終公演を見てきた。

「最終」と言いつつも、今回は第4話「藍の誓約」と第5話「碧空の彼方へ」が同時公開で、
両話とも男主人公版・女主人公版があり、1週間のうちに各版4公演ずつあるという超変則公演だった。
まとめると、

 ・第4話 男版:4回 女版:4回
 ・第5話 男版:4回 女版:4回

の16公演ということになる。すげえな。
主役のアスミンや蒼井翔太くん、他のダブルキャスト陣は8回だけだけど、
共通キャストの人は……混乱しないのかね。

最終話についてはチケットが取られず、当日券が出れば……くらいのスタンスでの観劇となったのだけど、
この舞台は毎回期待以上に楽しませてくていたので、
2014年に初回が演じられて以降3年半、毎回見続けてきた者としては
最後だけが見られないのは惜しいと言えば惜しい気持ちではある……が、
マしゃーない。

という都合で、感想を書けるのは第4話のみということになった。


■舞台『ペルソナ3 the Weird Masquerade 第4章 藍の誓約』感想

 ▼全体的なお話の構成と、ちょっと無理を感じた脚本

全体的にザックリいってしまえば、
これまで通りのパワー溢れるお芝居で存分に楽しめた。
CG演出への依存度が若干高まっていたようには思う。
CGを使う頻度という意味ではなく、CGで舞台に投影されるものの具体性が上がっていた。

今回のお話で、みどころを大きく背負っていたのは、

 1)順平とチドリ、恋の悲しい行方
 2)風花、自分の居場所と他者を信じるということ
 3)アイギスとリョウジとヒロイン、デスの覚醒

の3本です! サザエさんか。

3)のデス覚醒は、
今回のメインというか次の最終章(つって同時に上演してるんだけど)へ導くためのエピソードであったので、
メインは1)と2)、ということになるのだが。
2)の風花のエピソードに関しても……正直、「ソレ今やること?」という気持ちがないではない。

課外活動部のデータセキュリティを甘くしてしまってストレガにデータを盗まれ、
自分のことを役立たずと責めて居場所の心配を始めてしまう風花と、
彼女と深い付き合いを始めた女子友だちとの別れのエピソードであったのだけど、
そもそも、風花自身も既にそれしきの失敗であのメンバー内での居場所を失ってしまうかも!
……と心配するほど、自分の基盤を弱いものだと思っている節もなかった
(様に見えていた)ので、「私、また居場所をなくしちゃう!」と言い出した時は、
何のことを言っているのか分からず、唐突に感じた。

あそこに説得力を持たせるには、もう少し、
彼らの中になじみ切れていない風花の姿であるとか、
張り詰めてミッションに当たる彼女の姿を印象付けておく必要があった……と思う。
全体を通して見ても、今ここでこのエピソードってどうしても要ったかしら?

確かに、オハナシ的には1)の内容との絡みも若干あって、
「ストレガの再始動するきっかけ(ハッキングによる情報獲得)を見せて、
 チドリが離れていき、順平のエピソードが盛り上がる」
っていう流れが欲しかったのかも知れぬ。
「ペルソナの覚醒」も、必要な事情としてあったかも知れぬが、
ゲームではないので敢えてそこまでこだわる必要もなかったようにも思う。
ラストエピソード手前で、こうまで時間を割いてやる必要があったのか。
脚本家は全開までの段階で大きな決断をしても良かったのではないかと、
他人事ながら思ったりもした。
物語もコトここに至っては、この問題のスケールは随分小さいと思うし、
終盤のここに配置するには、ちょっとアンバランスだった。

  マ、田上さん演ずるところの風花チャーンをたくさん見られたんで、
  個人的にはいいんだけど。

ストレガの2人はもう、前回までの内容で死なせておいて
(=退場してもらって。実際自分はもうアレで終わりだと思ってた……)、
シナリオ全体をシェイプアップさせても良かったんじゃないのかなーと思う。
最終章で彼ら2人がどれだけ必要とされていたか、
見られなかったオイサンにはわからぬけど。
チドリを手にかけるのがストレガでなければならないということもないと思うし、
どうにか前回までに収めてしまって、
今回はラストエピソードに集中してしまった方が良かったんじゃないだろうかな、
と、見ていて思った次第。

というのも、順平・チドリのくだりと、デス覚醒のくだりをいっぺんにやらすのはキツそうに見えたし、
実際見ていてキツかった。
「キツい」というのは……
「感情の上限を、短時間にあのレベルで2回振り切ることは、自然には出来ない」
と思うんですよね。
順平がそれに対応しきれないし、
そうなると(今回)順平に心を預けている観客も対応出来ず、
ある意味、ニュクスの件に関しては観客は置き去りを食らわされたと思う。
チドリの件で感情を振り切り切った順平に、あの短い時間もうちにもう一度
ニュクスの絶望で振り切れと要求するのは、さすがに無理がある。
ワンクッション、違うエピソードを挟む必要があった。
そのせいで、せっかく大人になりかけた順平がまた早速アスミンにぶち切れるのは、
「お前どないやねん……」と、ちょっと呆れてしまった。
脚本、ちょっと無茶したな。
なんとなく、
「本来はやる筈じゃなかったところまで、
 ここまできたんだから欲張ってやってしまおう!」
っていうことで後から付け足した、
みたいに見えてしまった。

  演劇として、要らないところは切ったらいいのに。
  ゲームや原作のまま全部やる必要はないと思うんだけど。


 ▼あり得難い感情と、歌えない歌、その向かう先について

今回、風花のエピソードを主として、
「友だちだから信じる! 仲間だから助け合う!」「当たり前じゃない、友だちなんだから!」
押しがなかなか激しく、そういう感覚を持ち合わせない自分はキツかった……。
ああいう歌を歌える役者さんは、やはりああいう感覚を身体的に持ち合わせているんだろうか?
オイサンは社会通念以上の意味合いでは「友だちだから・仲間だから」的な感覚は持ち合わせないし、
社会通念である以上、ああいう形で言葉や振る舞いに表すのもなんだかチガウ、と感じるので、
あれを堂々とやられるとウワッとなる。

自分には歌えない歌だなあとつくづく思うが、
役者さんたちは、確かな手ごたえのもとにあの歌を歌っているのだろうか……。

  面倒な話になるけど、
  オイサンは「他者を信じる」ことが出来なくて「他者を諦める」ことで対処しているのだが、
  つまり、
  「自分じゃなく、他人のすること・考えることなんだから、自分の感覚に引き寄せることは出来ないので、
   諦めて任せて好きにやってもらって、自分にとっても良い結果が出たらメッケモンである」
  くらいにしか思っていないのだが、
  それは彼らの言う「他者を信じる」こととはやはり違うだろう。

またそれとは別に、今回劇中を支配した大きな心・感情として、
「自分の命を捧げて順平の命を救った(蘇生させた)チドリと、救われた順平」と、
「デス(ニュクス)の降臨による、絶対普遍的な死の訪れとそのことへの絶望」とがあった。
劇中の彼らは存外あっさりと、それらの超自然現実的な出来事や未来を「事実」として受け止め、
感情に転化していき、
観客の大半も(恐らくは)その劇中の事実を受け入れて、人物たちと共に涙し、
恐れ、絶望していたと思うのだけども……
そのような「現実上起こり得ない感情」を「模倣すること」と、共有し、処理していくことの表現というのは……
この先、どこへ向かっていくのだろうか?

  まあ単純に言えば、「自己犠牲が出来るくらいの愛への畏れ」と、
  「誰にも等しく必ず訪れる、死への恐怖」を象徴したものでしかないので
  そんなに特別な感情でもないはずなのですが、
  オハナシの都合上、キャラクターたちはそれ以上の出力で感情を爆発させることを求められ、
  そこに説得力を見いだされなければならなくなってる。

まあ、伝統芸能であるところの能や歌舞伎にしても、
モノノケ・アヤカシの類に対して人が抱く感情を取り扱ったものが大量にあるので
今に始まったことではないのだが、
ここで形作られた、過剰に水増しされた感のある極端な感情のつかいみちってなんなんだろう? と、
フッと考えてしまった。
娯楽である以上、何かの役に立たなくてはならないということは別にないのだけれども、
表現者、芸術家である役者の方々の目指すところに対して、
その技量、あり得ないかも知れない人間の感情を再現する能力、技術というのは、
やはり価値のある物なんだろうか。

とまあそんなことで、
作品としてのパワーは相変わらずあったのだけれども、
緻密さ、繊細さという意味では、前回の第3話には若干譲る感じになってしまったな、
と感じた。
前回が良すぎたな。

  関係ないけど、ニュクスに対する絶望っぷりについては、
  オイサンはゲームプレイ時、ニュクスとのバトルまでにレベルがMAXの99まで上がってしまっており
  (どんなプレイをしたらそんなになるんだ)、
  ハルマゲドン連発が出来て(確か出来てたと思う……もう10年も前のことだから忘れてしまったが)
  ほぼ無傷で瞬殺上等だったので全然怖い思いをしなかった、
  作業の様に屠った覚えがありまったく恐怖を感じなかったため、
  主人公たちの絶望を共有できんかった。

 ▼役者さんたち

相変わらず順平役の大河元気くんがお気に入りなのだが、
今回はアクション薄目だったのでアクションのキレが見られず残念。
そして前回も書いたけど、やはり風花as田上マリナチャーンがいいですね。かわいいですね。
まあ前回も書いた通り、田上さんが、というよりは田上さん演じるところの風花がいい、と、
自分は感じているのだと思います。多分。

  ▼前回の感想
  BE YOUR TRUE MIND. ~舞台『ペルソナ3 第三部・蒼鉛の結晶』に酔いしれる -更新第989回-
  

最後のあいさつで、アスミスが風花チャーンを引っ張り出してくれたのが良かったですね。
あとラストの歌でキャスト陣が客席まで出てきたとき、
真田先輩とアイギスZAQちゃんがワリと近くまで来てくれて見応えあったです。

  ついでに、本当に風花as田上さんがいいのか、田上さん単体がいいのか、
  検証するために田上さんのお舞台を一発予約しました。


  ▼声の優れた俳優によるドラマリーディング日本文学名作選vol.4「三四郎/門」「それから」
  http://anime.eiga.com/event/117312/



そんな感情爆発が起こる中で、地味に存在感を示していたのは真田先輩だった。
今回脚本上は、事実上見せ場ナシだったにもかかわらず、だ。
真田先輩、すごい良かったなー。

感情を爆発させるシーンがなかったというだけかも知れないけども、
淡々と、ことが起こっても抑えた芝居をしているのが伝わってきたし、
文字通り、あのメンバーの精神的な支柱になっているのが見ていて分かった。
脚本的な出番は同じ位置にあったはずの美鶴先輩にはそのような感じはなかった
(若干、真田先輩の方が優遇されていたが)ので、
演技プランの問題なのか、
或いは単純に舞台上での見栄えの問題なのか、分からないけれども。
アクションも、大きな見せ場もなかったことを考えると、やはり地の部分の芝居が良かったんだと思う。
大変存在感がありました。
これで真田先輩まで、「出番はないけど俺が俺が」の芝居をし始めたらしんどかったろう。
お見事でした。
しかし、今回、真田さんは以前にも輪をかけて細くなってたように思うが気のせいだろうか?
相方の天田君がめっちゃデカく+若干太く(? 多分)なってたような気がしたので、
そのせいもあるかも知れない。子役はキツイだろうね。
そりゃ、第1回から3年も経ってればね。成長くらいするさ。


■その他、お芝居以外の部分で

開場を待つ間、ロビーで物販を眺めつつ、なんでこんなにブツがクソ高いんだ! と思っていた。
缶バッヂが2個500円(ガチャでランダム)。
パンフレットが2000円。中身は実質、イケメンの写真集。
小さ目の布タペストリーが9000円……と、

布地が少なくて値段がハネ上がるのは
         
女子の水着だけの特権のはずだろう!!


と憤慨していたのだが(そこでか)、
舞台を見て、確かにこの芝居はカネかかるな、とも思う。

歌や曲は作らないといけないし、CGも、多分新しく作っているのだろうし……。
そもそも、小屋のシアターGロッソのキャパがそんなにないから
座席代だけでは回収し切れないのかも知れない。

しかも、
録画用のカメラが設置してあるかなり良いセンター周りの席が20ほどツブされていて……
「あそこ座らせればいいのに……」とずっと思っていたのだが、
客を入れるよりも、しっかり録画をしてDVDにして売った方が良い稼ぎにはなるのだろう。
……しかし、それって……お芝居として、演劇としてどうなのよ、という憤りはある。
お芝居本来の醍醐味である生の観劇をしたい客層を犠牲にして、DVDに回すのか。
……などという、旧態依然としたことを言う人間がいるから、
いつまでたっても演劇人が演劇で食えない、という現実もあったりするのかも知れぬな、
ということは、こうして書いていて感じたりもするが。
でも、オイサンは……演劇は生で見たいし、見て欲しいなあ。
役者さんが目の前で声を張ってるのって、やっぱりいいものだよ。

音声にマイクを使うのも4回見て来てようやく慣れてきたけど、
やっぱり声も、生声でやって欲しい、耳に届いて欲しいという気持ちは今尚ある。

しかしイマドキは、お芝居もCGやらプロジェクションマッピングやら
駆使しなきゃいけなくて大変だなあ……。
大学の演劇部とか、小劇場系はどうなってるんだろう?
小劇場でもああいう装置は普通に使うようになっているんだろうか。

しかし、演劇。
オイサンがかかわっていた頃は、
人間の生身の表現力を鍛えるための場であった舞台演劇の世界が、
そういう「装置」への依存度を高めていくことへは、やはり若干の不安と違和感を覚えざるを得ない。
それはたとえるなら、文芸の世界で、挿絵や図が大量に使われるような、
ハイパーテキスト化して音楽まで流れてしまうような……そういう不安と違和感に似ているわけだが。
演劇批評界隈ではその辺の危惧は今現在どういう扱われ方をしてるのだろうか。
きっともう決して新しくない「いまさら何言い始めてんの」くらいの題材なのだろうけど。
そういう意味で、2.5次元というのは難しいな、と思う。
人間以上、非人間未満の、肉体と感情のあり方を、リアリティを持って演じなければならないというのは。
思いのほか、線引きの難しい世界であるように思う。

 ▼腐女子たちのラプソディ

あと面白かったのが、
このお芝居のメインの客層であるところのお若い女性陣の、
しかも俳優好きで見に来られている方々の文化だった。

このお芝居の客層、ざっと見渡したカンジ、7、8割が若い女性の様にお見受けします。
まあ彼女らもオイサンらの様な二次元オタクと同様、
2.5次元の物品を買いあさっておられるワケですが、
山の様な缶バッヂをですね、あの、プラスチックのドキュメントケース、
あれにぎっしり敷き詰めて持ち歩いておられるんですな。
皆さんそうして持ち歩いておられるところを見ると、ああいうトレンドなんでしょうね。
誰かが思いついて始めたのが、きっと広まったんでしょう。
面白い。

あと、かばんに大量にその缶バッヂを付けて歩いてる御夫人もおられたのですが、
そのためのカバンなのでしょう、
缶バッヂを保護するナイロンカバーの層が標準装備されていて、
すげえモンがあるな! 見たことないカルチャーだ!
と、ちょっと見てて面白かった。

そんでまあそれをロビーのあちこちでトレーディングされていて、
なんかこの、たくさんの人が集まってプラスチックケースを開けたり閉めたりしてる光景、
どっかで見たことあるなあと思ったら、
ミニ四駆のパーツをとっかえひっかえする男子小学生でした。
なるほど。
あとは、釣り人とかね。


■Closing


とまあそんなことで。
足掛け4年、ずっと見続けてきた舞台『ペルソナ3』もこれでおしまいでございます。
いやー、……長いシリーズだったな。思えばすごいことだ。
初めて見たときはこんなに長く続くものになるとは思わなかった。
やり続けたスタッフ・役者陣もすごいが、見続けたファンもすごいな。
オイサンは……友人ぺ氏がチェックし続けてお誘い下さったから続けられたけど、
ひとりだったら最後まできていたかどうか……
2回目くらいまでで終わっていたんじゃないかと思う。
決してお安いものでもないですし、場所が都心という最も苦手とするアウェイですし。

初回を見たときは、
まだ2.5次元的なものを見慣れていなかったせいもあり
マイクによる発生・CG、プロジェクションマッピングによる演出に違和感があり、
また実際お芝居自体にもそういうものを使った演出のこなれていなかった部分が残っていて
完成度が高いとは言い難いものでもあって、「ちょっとどうかな」と思っていた。
しかし2回目ではキッチリとその辺の違和感を覆す熟練が見え始め、
3回目では見終わったときに「気持ち良かった」と思わせるほど円熟の度を増したものを見せてくれた。
ガッツリ楽しませてくれて、「次が楽しみ」と言わせるくらいで、
脚本も演出も、良い形に収まる進化を遂げていた。
役者さんもすごかったけど、スタッフ陣の頭の使い方たるやものすごいものだったろうなあと
ご苦労がしのばれる。
4年かけて大変良いものを見せてもらったと思う。


スタッフ陣のことをあまりよく調べられていないけど、
ちょっと調べてみて、次に何かやられることがあればそちらも追いかけてみたいと思います。

マそんなことで。
これだけ長いと、やってた方は終わった後の喪失感が酷いと思うけど
(期間あくからそうでもないかもだけど)、
見てた方も「あー、もうないのか」「次どうしようか」という思いがちょっとある。

まあまたぺ氏が何か見つけてくれるだろう。
期待してます(人任せ&ごういん


オイサンでした。



 

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2017年4月23日 (日)

■怪奇! ヤマザキ春のホロスコープ地獄!!~同時上映「ビーバー女子大生・げっ歯類白昼の戦慄き」 -更新第1121回-

先日、電車に乗っていた時の話。

まあ、春になると電車の中もニギヤカになりますな。
さすがに皆さん、新年度を迎えてしばらくは真面目に通勤・通学なさるとみえ、
定常的に移動をする人が増える。

それに、環境が変わると話すことも増えるのか、
大きな声で、新しいオシゴトのことや、オトモダチのことを話しておられるご様子。
まオイサンにはあまり縁のないことでございますが。

そんな中でも、こないだのはスゴかった。

女性二人です。
お顔は拝見しませんでしたけど、話の内容とトーンから……まあ、お若いんじゃないでしょうかね。
どういう業種なのかはわかりません。
オシゴトの話では……なかった……と思うんですけど、
イヤ、ちょいオシゴト混じりだったとも思うんだけど、オイサンには判別つかなかった。
ファッション系の方だと思うんですけどね。
バカっぽかったからとかそういうことではなく
オシャレについての言及が詳らかであったものですから、エエ。

  ものすごい馬鹿っぽかったからとかじゃないです。
  もうね、ものッスごい馬鹿っぽかったから!とかいうオタクの偏見では、決してない。
  そんな風にはファッションの方を見てません、オイサンは。
  他のオタクは知りませんけど。

デどんな会話をなさっていたかというと……まあ、これが、意外でしょうけれども、
ここまでの文脈からはちょっと想像し難いとは思いますが、
これがなんともまた、耳を疑うレベルでバカっぽかったワケです。
もうね、すごかった。バカのオイサンが言うんだから間違いない

人のことをですね、完全に星座で判断しているんです。
完全にです。

 「私、うお座の人ってすっごい好きでー。
  うお座の人って、性格が○○で、見た目もなんか△△な感じでー、
  ××(なんかファッションアイテム)とかつけてる人多くないですかー」


……すげえな!! 星座占い、万能だな!!
イヤイヤイヤイヤイヤwww、さすがにwwwwそんなワケねえだろwwww
と思いながら、遠巻きにご高説タマワってたわけですが、
それを聞いてた相方がすかさずこうおっしゃった。

 「あ、わかるぅ~」

分かっちゃうのか!! どういうコンセンサス文化圏だお前ら!



……え~……。



ビックリしちゃうなあ、もう……。

これまでオイサンの育んできた価値観の危機ですよ。
これを野放しにしておいたらアイデンティティまでも崩壊しかねず、
「ナンデヤネーン!!」と突っ込みたかったのですが。
さすがにそれは叶わず、今こうして、この世界の片隅に書きなぐっておるのです。

  あのー、なんていうか、
  個人的にはどうでも良いような、些細なコトに目くじらを立てて
  「お前キミ、それは間違っている!!」
  って、三軒隣からでも怒鳴り込んでくる人っているじゃありませんか。
  いわゆるナニナニ警察の方々ですけれども、ああいう人の気分が分かった気がする。
  「この価値観を野放しにしておいたら、これまで築き上げてきたオレの価値観の世界が!!
   自分の存在基盤が浸食されて瓦解する!!」
  という危機感、精神の生命の危機を覚えるんですな。
  そんなもん、アカの他人(共産主義的他者ではナイ)の言うことですから、
  人の好き好きほっときゃいーじゃんってなモンですが、
  「コイツだけはここで殺しておかないと、巡り巡って俺が死ぬ!!」
  という、得体のしれない恐怖というものがあるのだということを、
  今回改めて知りました。
  ありがとう、ものっすごいアホみたいではない二人のおねえちゃん。
  勉強になった。

いやあー……びっくりしました。
血液型でー、ってのは聞いたことあったけど、
イヤそれだってファッションの傾向や持ち物まで言い当てるのは聞いたことなかったけど。
たまげたたまげた。

オイサンだってね、星占いくらいは見ますよ。
信じませんけどね?
信じないまでも、そこでときどき発せられる戒めのようなものを、
なんというか、「日々の振り返り事項」として頭の片隅に入れるようにしておいたりは、する。
「落し物に注意!」とか「目上の人へのクチの聞き方に注意!」とか。
「無理は禁物、体調に注意」とかね。
バッチリ信じてんじゃん、とか突っ込まれそうだが、これなんかはアレよ、
家のオカンの、
「ちょっとアンタ、ハンカチ持ったんか!?
 クルマに気ィつけなアカンよ、忘れモンしなや!!」
っていうのと同じで。
このトシになると叱ってくれる人もおりませんでね。
日々の「なんてことのない注意」を改めて拾い上げる道具に使っている感じでしかない。

それをまあ……性格から着てるものから、持ち物の傾向にまで言及しているから驚いた。
自信満々に話してましたからね。
しかもそれを分かっちゃう。
エエ。
すげえな。
日本中のファッションの傾向が12種類に分類されるわけです。

まあ、別に……良いのかもしれませんけれども。
……なんでしょうな!
スゲエな!

世の女性の多くが、日本式ファンタスティック星座占いが大好きだというのは、
マ噂には聞いておりましたし、そうした占いのページをいくつか渡り歩いて見てみても、
かなりの割合で女性をターゲッツにした書き方がされているのは分かるので、
読みながら、オイサンも
「……どうしてこう女性メインのページが多いのであろう??」
と思っておったが。
イヤー。
どうかね、ああいう信じ込み方をしている男性も、世の中にはおられるのだろうか?
女性独特なんだろうか?
あのブッコミ方が女性独特のモノ、女性に多いモノなのだとしたら、
そりゃアンタ、女性向けに書くわ。
書き甲斐があるよ、あんだけヤられてくれるんだったら。


……と、ものすごいゾディアックモンスターに出会いましたよ、
というお話でした。
そこから学ぶものも、気付くこともあるのさ。

マそれら全部に取り合っていたら、短い人生、
何も為されず、得られず終わってしまうとは思うけどね。


しかし、星占い……というか、ちゃんとした占星学、占星術というのは面白いもので、
幾つか占いページをハシゴしていると
たまに真面目に勉強しているらしき方々のページに行き当たり、
そういう方々の言うことを並べてみてみると、
キチンと似たような傾向のお話をされていたりします。

「この時期からこの時期の間、獅子座はコレコレこういう傾向にある」
という言い方が、若干のブレを含みながら、大筋で一致しておられる。
そういうのを見ると、
……マ畢竟、その指し示す結果に根拠のある話なのかどうかは別にして、
やはりキチンと体系化はなされているのだな、と思えるワケです。
一つのインプットから、アウトプットが一つの傾向に集約される。

主軸となる要素によって大筋が決まり、
その他枝葉の要素をどう拾い上げて解釈するかによって占い師ごと細部に差が出てくる、という、
なんとも面白い、ロマンティックな仕様になっている様で、
イヤハヤ、
なかなか素晴らしい、興味深い。
読み方をちゃんと勉強して取り込めば、お話を書くのにも十分土台として活用出来そうです。

マそんなんだモンですから、
オイサンは信じろとも信じるなともよう言いませんけれども、
日々の暮らしを豊かにする手助けに出来るよう
ウレシ恥ずかしロマンティックに活用していけばいいんじゃないでしょうかね。
エエ。



……。



マそれにしたって、人さまの持ち物までは特定出来ねえとは、
やっぱり思うけどな!!

まあ、なんていうか、そういうものすごい数の人と会いながら、
そういう観点で、そういう感性を磨き続けて人を見続ける人間にしか得られない、
機微や知見があるのかも知れません。
もしかすると、モノスゴイ馬鹿っぽいのは自分の方なのかも知れない。

……正直、それも分からないでもない。気もする。
価値観が多様化している、際限のない情報の波にさらされているということに、
世の中では表向き、なっているけれども、
これだけ情報や判断や感情にバイアスのかかりまくっている世界では、
あるバイアスの強くかかった情報コロニーの範疇においては、
星座で人格や持ち物や住む場所まで、特定可能であるのかもしれない。

そんなのこそ、AIさんやらディープなラーニングやら、
ビッグデータさんの得意技だと思いますけどね。



……この人、モノ凄い馬鹿みたいな入り口から、
案外面白そうな着地点にハナシ持っていくなあ。
やるじゃん。



■第2話 悪夢! ビーバー女子大生の呪い!!



ついでにもう一つ、
春だからといって浮かれてデカい声でしゃべってると
アラフォーブログ書きに絶好の餌食にされてしまいますよ、

という教訓話をしておきましょう。



  そんな話だったのか……。



朝のドトールでコーシーなどをたしなんでおったらですね、
コレマタ、
どうやら何かの都合で珍しく早起きをして待ち合わせなければならなかったらしい、
新米女子大生と思しきお嬢さんの3人組ととなりになった。

  言っとくけど、あとからその3人が座ったんだからな。
  面白そうだからっつって、オイサンが勝手に密着24時したんじゃないぞ。

するとそのうちの一人がまあブリリアントな舌ッ足らずでして。
となりから聞こえてきて頭がグラグラするレベルだったのですが、
その子がですね、一人に向って言うわけです。

  「じゃあさー、もう●●ちゃんがビーバーやってよー」

ビビビ、ビーバーをやる!!?
ワア、それって一体どんな遊びの計画なんだろう?♪ オイサン気になるゥ!
ってワクワクしながら、
もしかしたら「『けものフレンズ』勝手に舞台化計画・ようこそジャパリステージへ!」とかなのかしら、
と、否が応にも聞こえてこざるを得ない話の続きをですね、
聞かないように聞かないように注意していたのですけれども、
結論から言うと
●●ちゃんにリーダーをやって欲しい話だったようです。

普通じゃねえかよ。
俺のときめきを返せ。



マそんなこんなで皆さん、
電車の中やカフェでは、もっとうんと小さな声でしゃべって下さい。
オジサンには刺激が強すぎます。

あとうるせえ。

以上、なにかと不可抗力オジサンでした。

 追伸
  あと●●ちゃん、キミもうね、取り敢えずビーバーやんなさい。
  おじさんは君のビーバーが見たい。
  どんなカオしてるか知らねえけど(見てない



 

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2017年4月22日 (土)

■春を奉る、花の惑い。~中村博文先生の個展を鑑賞する -更新第1120回-

何度目かの春を抱きしめる。

寒いの暖かいのを乗り越えて、ようやく本当に暖かくなってきた。
っていうか今度はあったかすぎてイヤなんだが。
春が短い。
オイサンなんかは寒いままの方がありがたいので暖かくならない方がいいし、
何なら春独特の浮かれた感じも苦手なので短くてもいいのだが、
世間的にはそういうわけにもいかないだろう。

関東近辺はすっかり桜も見ごろを超え、
夜にはシゴトバで夜桜見物なんていうイベントもあったのだが勿論参加しなかった。
桜もお酒も得意じゃないのだもの。
しかしその桜も風が吹いたり雨が降ったりでどのくらい無事だったやら。

まあそんなことで、
桜があまり得意でないオイサンのこの時期の花と言ったら、
梅、桃、あたりであるが、最近になってそこにハクモクレンが加わった。

そのことを書いたひと月ほど前の日記がそのままになっていたので、
せっかくだから載っけておこう。



■3月25日 花を撮る



なんやら、暖かくなってきてしまったと冬との別れを嘆いてみせた甲斐があったのか、
今日はもう真冬のごとき寒さで、おまけに雨まで重なり、
心構えがないせいもあって正月に行った釧路よりも寒く感じるくらいであった。

寒い寒い。

寒いのはともかく、この雨や風で大きく開いたモクレンも散ってしまうのではないかと
それがちょっと心配である。
今年のモクレンは、まだあまり上手に撮れていないので
まだ散ってもらっては困るのだが。そんな自分勝手な困り方があるか。

花はまあ、撮るのはどれだって難しいが、
……それを言ったら花以外だってなんでも難しいのだが、
とにかくモクレンもご多分に漏れず難しく、
あの独特の浮遊感、みたいなものを写真でしっかり表現するのがなかなかに難しいな、
と感じる。


Dsc01534


あの細い枝のところどころに大きく開くモクレンの花は、
クリスマスツリーの飾り、ぽつぽつともる大きな電気の灯りの様でいて、
木の背いが高いせいもあって、下から見上げると空に浮いているように見える。
しかもみっちりと花をつけるのではなく、疎らな時期は特に、
花と花の合間から空が広く覗いていると、本当に宙を舞うように、
降りてくるのか、舞い上がるところなのかはわからないが、
青い空に象牙色の不思議な乗り物がフワフワと浮いているのではないかと思えてくる。

思い返してみればモクレンの花を気にするようになったのは、
アニメの『ディーふらぐ』のおかげだ。
マおかげって言うほど恩恵があるわけじゃないけども。
『ディーふらぐ』の聖地巡礼で千歳烏山に降り立った時、初めてモクレンの木を撮った。

  厳密には聖地でもなく、キャラの名前の元になってる京王線の駅めぐりであった。
  モクレンを知ると同時に、謎の白いギターを持った見知らむオジサンに、
  「コンビニでラーメン買ってくる間みていてくれ」
  と、その白いギターを預けられたりもしたので、恩恵はプラマイゼロだが。

その時はその木がモクレンだということも知らず、
青空に、象牙色に近いクリーム色が、高く良く映えるものだなあと、
ただ感心しながら撮った覚えがある。
それ以来春先にモクレンが花をつけ始めると、
その浮遊感をどうにか表現しようとしてカメラを構えるのだけど、
なかなかうまくいかないものだ。

そんなに花の名前を知っているわけではないが、
それぞれの花の良いところが最大限に生きるように撮ろうとすると、
これはこれで、きっとやりがいのあるテーマなのだろう。



■花を奉る



花と言えば……と言えるほど繋がりは強くないかも知れないが、
イラストレーター・中村博文先生の個展を見に、秋葉原まで行ってきた。

Atrdsc_0372


中村博文先生と言えば、
個人的には『ソード・ワールド リプレイ』のバブリーズの章がやはり一番親しみ深いが、
他にも『ガンバード』のキャラデザが思い出深い。
一般には『蓬莱学園』なども有名であろう。
最近ではムフフな成人向けマンガ誌の表紙やらをよくお描きになっているらしい。





過去の画集、『姫栗毛』も持っているのだが(どんなタイトルだ)、
先生はオリジナルの絵を描かれるとき花をフィーチャーされる場合が多い。
額縁のように、特定の花で主題を囲ったり、登場人物と花を絡めたり。
その花が美しくまた多彩でなのである。
折々に調べてお描きになるのか、そもそも花に詳しいのか知らないが、
先生独特のあの、金・赤・紫の極彩色の画面に、
至極自然に柔らかな花をちりばめてくるからすさまじい。

あの滑らかなグラデーションに大量の色の洪水は
てっきりデジタルで描かれているものだとばかり思っていたが、
今でもガッツリアナログでお描きになっているようだ。
いやはや、モノスゴイ。

しかし自分は、こういう展覧会に行くと毎回思うのだが、絵を見るのが苦手だ。
難しい。
その世界をキチンと見るのに……鑑賞出来るモードに入るまでにえらく時間がかかる。
今回も、何を考えながら見ればいいのかなんとなくつかめるまで
40分近くかかってしまった。
そしてその頃には疲れ始めているのだから始末に負えない。

音楽はその性質上、全体像に触れようと思ったら時系列を追ってしか聞き切ることが出来ないし、
物語や文章、動画も大体そうだ。

  話の本筋とは少し外れるが、なかでは、文章は特異だと思う。
  前から順に追ってでないと理解できない人もある一方で、
  全体をパッと、文字列を図形的に読み取って理解できてしまう人もある。

しかし絵となると、作品の全体に触れる、すなわち「見る」のは、ある意味、一瞬で終われる。
一目見れば、それで完了だ。
絵描きの目を以て細部や技法にこだわって見るのでなければ、
世界を体に取り込むのに、時間は必要がない。光さえ届く環境であれば、本当に一瞬だ。

キチンと見る、鑑賞のためには何らかの動機や着眼点が必要で、
それを探り出すのに時間がかかってしまうのだった。
パッと見て、好き嫌いを言うだけならホント一瞬で終わる。

  マ音楽だって時間かかるはずなんだけどね。
  ただ、鑑賞と時間が1対1に規定されているから、その時間のうちにどこかで理解が追い付き始める
  (必然的に設定された時間のうちに、着眼点が自然に発生してくる)だけだ。

別に、パッと見て「ハイ好きー」「ハイ嫌いー」でだっていいのであろうが、
どういう要素がどのように好きなのかを語れないと、……つまんないじゃんw?
そこまで取り込んで落とし込んでおけば自分の引き出しにもなるワケで、
それが真に自分が好きな理由なのかどうかは、まあ定かではないけれども、
何かを作るときの手掛かりには出来る。
どうせ見るならそこまでしておきたい。

会場では、画集やら、複製原画やら、即売会で実際使われたPOPの販売などもやっておられたのだが、
あまり高い物は買わなかった。
画集と、
先生お気に入りのブレンダーがブレンドした紅茶のティーバッグセット(なんなんだ)などがあったので
その辺を買って還元してきた。

Dsc_0373

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Dsc01689


『フリクリ』の、カンチとマミ美とキツルバミ、ニナモの描かれた版権絵があって、
もしその複製版画が売られていたら買っちゃいたいくらいそれは良かったのだけど、
残念ながらそれは売ってもいないし写真も撮れない、
画集にも載っていないというシロモノであった……。
くっそう、一番いい絵が手元に残らないのか。
しかしまあ、だからこそその場に行った価値がある、という言い方も出来るもんだが。




  ──その帰り道に、不思議な体験をした。




と言っても、オカルトな体験ではない。稀有な感覚を味わった、という方が正しかろう。

市ヶ谷と九段下を結ぶ靖国通りの裏手、
市ヶ谷の駅から神田川沿いに7、8分歩くと、ポンポコ大学の高い塔を見上げる三叉路にぶつかる。
正しくは変則の十字路であって三叉路とはいいがたいかも知れないが。
そこで川から外れて細い登りに身を預けると靖国神社のちょうど裏を通る格好になる。

いくつかの、淑やかゲな学校や有名な消費者金融の社屋を見上げるその道は、
東西と概ね平行に走っており、日が昇り、また沈むときには、
その道の走り方と太陽の軌道のずれ具合によって石垣の細かな凹凸が絶妙な角度で浅い影を映し出し、
なんとも些細な美しさを醸し出す。

私は、朝に通勤で通る際にその影の細やかなことを見つけては喜び、
いつか写真に収めたいと思うくらいではあったのだが、
日暮れの影お目にかかったことがなかった。
そんな丁度よい時間に職場を出ることなどないものだから。

だからこの日は夕暮れ時のその影を見ようと思いたち、
シクシク痛む膝をおして、帰りも秋葉原から四谷まで歩くことに決めたのだった。

結果的にはその通りに差し掛かる頃には日が既に傾き過ぎてしまっており
思い描いたような美しい影には出会えなかったのだが、
それとは違う、もっと大きくて、貴重な感覚に見舞われたのだった。

大学の、あれは何十階建てなのだろうか、塔のようなともかく高いキャンパスの向こうへと日が下っていく。
道は駅へ、神田川の流れる方へ下っていく。

朝には、東から上ってくる日を正面から受けて西から東へ歩き、
いまは丁度沈んでいく日を追いかけるように坂を東から西へと下っていく格好なのだが、
そのふたつの様を頭の中で思い描いていると……
太陽ではなく地球が……自分の方が動いている感覚が明らかに意識された。

太陽が逃げるのではなく、回転する球体の上に立った自分の方から、明らかに遠ざかっている。

Dsc01691


いま沈んでいくように見えている太陽は空に静止しており、
自分の立つ地面が、地球が、球体が、西から東へすごい速度で回転し、
足を止めていても、自分が太陽からぐんぐん遠ざかっていく様子が
ハッキリと見えたような気がしたのだった。

その回転による移動の速度によって風を感じないのが不思議なくらいまざまざとした、
客観的な移動の感覚と、太陽が遠のいていく……取り残されて行く、寂しさがあった。
なんとも不可思議な体験であった。

別段マボロシや白昼夢を見たワケでも何でもなく、
カメラを構えて構図を取りながら、
逆に坂を上ってくる人とすれ違い、後ろから下ってくる人をやり過ごし、
ごくごく当たり前なことをしていたのだけれども。

以前酒に酔った夜の帰り道に、
いま自分の立っている場所がただ大気の層に隔てられたそのどん底にいるだけで
確かに宇宙の片隅であり、
その日夜空に瞬いてた星と同じ立場なのであると、
妙にはっきりと迫って見えた見慣れたはずのオリオン座に飲み込まれそうに感じたことがあったが、
それと似ていた。
今日はしらふだったが……。


中村先生の描く花の妖精たちに惑わされ、
知らず知らずのうちにおかしな門でもくぐったのかもしれない。
いっそのこと、もうそちら側から出られないくらいに引きずり込んでくれればよかったのに。


久々に、昼間の秋葉原なんかいったからくたびれちゃったよ。
ブラブラ歩いていたら偶然PLUMショップに行き当たったので入ってみたりしたけども
特に何も買わない、そんな休日であった。

ポテチン。

 
 

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